JP3694629B2 - 防カビ防虫剤組成物および防カビ防虫製剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維製品、毛皮製品などに用いられる新規な防カビ防虫剤組成物および防カビ防虫製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
ピレスロイド系化合物を有効成分とする防虫剤は、実質的に臭いがないという特徴が好まれ、近年広く使われている。代表的な製品は、ピレスロイド系化合物をセルロースなどの多孔質担体に含浸担持したシート状あるいは粒状製剤であり、プラスチックケースや不織布袋などに収納して、引き出し、洋ダンス、クローゼットなど比較的密閉性の高い容器のなかで使用される。これに適する有効成分は、揮散性のピレスロイド系化合物であり、主にエムペントリンが用いられる。
【0003】
また、別のタイプの製品としては、ピレスロイド系化合物を不織布などに塗布担持したフィルム状製剤であり、防虫カバーなどとして開放空間でも使用される。この用途には、揮散性、非揮散性いずれのピレスロイド系化合物も用いられ、主な有効成分は、エムペントリン、フェノスリン、アレスリンなどである。
【0004】
一方、2−フェノキシエタノールは、繊維害虫の卵孵化抑制剤として有効であり、香りが特に穏やかなため、ほとんど無臭に近い防虫剤を得るのに適している。また、このものについては、ピレスロイド系化合物と併用することにより、特定の時期の防虫効果を増強できることが見いだされている(特開平11−236302号)。
【0005】
上記の防虫剤等の製剤には、一般に付加成分として、揮散性の防カビ剤が加えられている。これまで使われてきた防カビ剤は、チモール、パラクロロメタキシレノール、オルトフェニルフェノールなどのフェノール系化合物である。このほか、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメート(IPBC)が、揮散性防カビ剤として有効であり、臭いもごく僅かでエムペントリンなどの揮散性防虫剤とも併用できるとされている(特開平5−85909号)。
【0006】
しかし、これまでピレスロイド系化合物に配合して使われてきた揮散性防カビ剤のうち、フェノール系化合物はそれ自体フェノール特有の臭いをもっており、これを、ピレスロイド系化合物に多量に配合すると、多少ともフェノール臭が生じ、実質的に臭いがないという防虫剤の特徴が損なわれる。これを避けるために配合量を減らすことも考えられるが、そうした場合、防カビ効果は十分でないという問題が生じる。
【0007】
一方、IPBCは、非フェノール系で臭いは弱いが、ピレスロイド系化合物や2−フェノキシエタノールに多量に配合した場合、熱により強く着色するという問題があり、商品性や安定性の点で好ましくない。また、2−フェノキシエタノールは、それ自体が防カビ効果ももっているが、必ずしも十分なものとはいえない。
【0008】
【発明の解決しようとする課題】
したがって、実質的に臭いがなく、防虫効果と共に十分な防カビ効果を示し、かつ安定性等の面でも問題のない防カビ防虫剤、より詳しくは、防カビ剤組成物および防カビ防虫製剤の提供が求められていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ピレスロイド系化合物や2−フェノキシエタノールとともに、組成物ないし製剤を調製した場合に、実質的に臭いがなく、安定であり、かつ十分な防カビ効果を与えるのに適する揮散性防カビ剤について、鋭意検索を行った。そしてその結果、N−(フルオロジクロロメチルチオ)−フタルイミドおよび/またはN−ジクロロフルオロメチルチオ−N',N'−ジメチル−N−フェニルスルファミドが、この条件を満足するものであることを見いだした。
【0010】
また、防カビ成分として、安定性を損なわない程度の量のIPBCおよび/または臭いが気にならない程度の量のオルトフェニルフェノールを加えることによって、有効に作用するカビの範囲を広げ、防カビ効果を向上できることを見出し、本発明に到達した。
【0011】
すなわち、本発明は、つぎの成分(A)および(B)
(A)ピレスロイド系化合物および/または2−フェノキシエタノール
(B)N−(フルオロジクロロメチルチオ)−フタルイミドおよび/またはN−ジクロロフルオロメチルチオ−N',N'−ジメチル−N−フェニルス ルファミド
を含有する防カビ防虫剤組成物および防カビ防虫製剤を提供するものである。
【0012】
また、本発明は、上記成分の他、つぎの成分(C)
(C)3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメートおよび/またはオルトフェニルフェノール
を含有する防カビ防虫剤組成物および防カビ防虫製剤を提供するものである。
【0013】
更に、本発明は、上記防カビ防虫製剤の製造法を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本明細書中において、防カビ防虫剤組成物とは、有効量の防カビ成分および防虫成分を含有する混合物をいい、防カビ防虫製剤とは、有効量の防カビ成分および防虫成分を実際に使用できる形に調製した製剤をいう。また、実質的に臭いがないとは、調製された後の防カビ防虫製剤に、気になるような臭いがなく、使用に当たっては臭いを無視しうる状態をいう。
【0015】
本発明の防カビ防虫剤組成物や防カビ防虫製剤において、防虫成分(A)として用いられるものはピレスロイド系化合物または2−フェノキシエタノールである。これらは単独でも、また組み合わせて用いても良い。2−フェノキシエタノールと組み合わせるピレスロイド系化合物の種類および両成分の比率を適当に選んで併用すれば、使用期間の前半あるいは後半の防虫効果を増強することができ、長期間安定した防虫効果が期待できる。
【0016】
上記防虫成分(A)のうち、ピレスロイド系化合物の例としては、エムペントリン、ノックスリン、ピレスリン、アレスリン、フェノスリン、テトラメスリン、レスメスリン、ペルメトリン、トランスフルスリン、プラレトリンなどが挙げられる。このうち、揮散性ピレスロイドとしてはエムペントリンが、非揮散性ピレスロイドとしては、アレスリンおよびフェノトリンが、効力、安定性などの点で特に好ましい。
【0017】
一方、防カビ成分(B)のうち、N−(フルオロジクロロメチルチオ)−フタルイミドは、その一般名がフルオロフォルペットであり、バイエル社からプリベントールA3の商品名で販売されている化合物である。また、N−ジクロロフルオロメチルチオ−N',N'−ジメチル−N−フェニルスルファミドは、その一般名がジクロフルアニドであり、同じくバイエル社からプリベントールA4の商品名で販売されているものである。
【0018】
本発明の防カビ防虫剤組成物において、防虫成分(A)の配合量は、使用する成分、用途、有効期間等を考慮した上で定めることができるが、一般には、組成物の全組成中、10から99.9質量%(以下、単に「%」で示す)程度であり、好ましくは、20から99.8%である。また、製剤中の防虫成分(A)の配合量は、更に剤型や使用方法を考慮して適宜定めることができる。
【0019】
一方、本発明での防カビ成分(B)の配合量は、防虫成分と防カビ成分をあわせた合計量(以下、「全有効成分量」という)の、0.01ないし20%、好ましくは0.02ないし10%である。成分(B)は、それ自体多少の臭いをもっているが、これらを配合した防カビ防虫剤組成物あるいは防カビ防虫剤製剤は実質的に臭いがない。
【0020】
また、成分(B)の蒸気圧は10-6mmHg/20℃以下であり、フェノール系の揮散性防カビ剤が10-2ないし10-3mmHg/20℃のオーダーであるのに比べて、はるかに小さい。したがって、これを配合すれば、成分(B)が早く揮散して防カビ効果が弱くなるということがない。その結果、防カビ効果が大きく長期間にわたって持続し、かつ実質的に臭いのない防カビ防虫剤組成物等を得ることができる。
【0021】
本発明の防カビ防虫剤組成物等には、必要に応じて他の防カビ剤を加えることもできる。例えば、安定性を損なわない程度の量のIPBC(成分(C))および/または臭いが気にならない程度の量のオルトフェニルフェノール(成分(D))を加えることによって、有効に作用するカビの範囲を広げ、防カビ効果を向上させることができる。このとき、成分(C)および成分(D)の配合量は、それぞれ全有効成分量の0.01ないし5%程度が適当である。
【0022】
本発明の防カビ防虫剤組成物は、例えば、防カビ成分(成分(B)並びに必要により成分(C)および/または(D))を防虫成分(A)に溶解して調製することができる。この場合、成分(B)中に不溶解性不活性物質が含まれていることがあるので、ろ過あるいは沈降分離処理を行った後に使用することが好ましい。
【0023】
また、上記の防虫成分および防カビ成分の他に、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、ピレスロイド用共力剤、溶剤、香料等の任意成分を加えることもできる。溶剤としては、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、グリコールエーテル類、ポリエチレングリコール類などを使用できる。溶剤を加えれば、防虫成分(A)に対する溶解度以上の防カビ成分を配合できる利点もある。更に、2−フェノキシエタノールは、溶剤としての性質ももっているため、成分(A)として、これを単独で、あるいはピレスロイド化合物とともに用いることは、成分(B)を溶解する上でも有効である。更にまた、香料を適宜加えれば、ほとんど臭いのない組成物のみならず、微香を有する組成物や快い香りをもつ組成物を得ることもできる。
【0024】
かくして得られる液体状の防カビ防虫剤組成物は、これをそのまま容器に入れて液体製剤としたり、スプレー製剤とすることにより、防カビ防虫製剤とすることができる。また、吸い上げ芯で吸い上げて揮散させる液芯型製剤、浸透透過性フィルムを有する容器に入れフィルムを通して揮散させる製剤、あるいはゲル化剤を加えてゲル製剤等とした防カビ防虫製剤とすることもできる。
【0025】
一方、固体製剤として本発明の防カビ防虫製剤を調製する場合は、防虫成分(A)および防カビ成分を、担体に担持せしめれば良い。この調製に当たっては、上記の液状の防カビ防虫剤組成物を担体に担持してもよいし、防虫成分と防カビ成分を別個に担体に担持してもよい。たとえば、防カビ成分を低沸点溶剤に溶解して担持し、溶剤を揮散させた後、防虫成分を担持してもよい。また、防カビ成分を印刷によって担持した後、防虫成分を担持せしめても良い。
【0026】
このように、防カビ成分を担持した担体に、防虫成分を担持することによって、防虫成分に対する溶解度以上の防カビ成分の担持が可能となり、その結果防カビ効果を向上させることができる。
【0027】
固体製剤を調製するために用いられる担体としては、セルロース、レーヨン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、羊毛、タルク、クレー、素焼き、陶磁器粉などからなる粉末、顆粒、錠剤、シート、マット、フェルト、スポンジ、板、紙、織布、不織布、フィルム状などの多孔性または非多孔性担体、トリイソプロピルトリオキサン、シクロドデカンなどの昇華性担体などを用いることができる。担持の方法としては、滴下、散布、噴霧などによる含浸、塗布、印刷、練り混みなどを挙げることができる。
【0028】
上記のように、防カビ防虫剤組成物を使用せず、防カビ防虫製剤を製造する場合にも、必要に応じて、防虫成分または防カビ成分の一方または双方に酸化防止剤、紫外線吸収剤、ピレスロイド用共力剤、溶剤、香料等を加えても良く、また、別の担体に別途担持せしめてもよい。香料を適宜加えれば、実質的に臭いのない製剤のみならず、微香を有する製剤や快い香りをもつ製剤が得られることも、同様である。
【0029】
かくして得られる固体製剤は、さらにプラスチックケースや不織布袋などに入れて使用することもできる。
【0030】
【発明の効果】
本発明の防カビ防虫剤組成物および防カビ防虫製剤は、ほとんど臭いがなく、かつ安定である。また、効力の持続期間が長い。
【0031】
【実施例】
次に、実施例、比較例および試験例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例等に何ら制約されるものではない。
【0032】
実 施 例 1
下記組成の組成物100mgを、縦30mm、横40mm、厚さ0.5mmのセルロース製多孔質担体に含浸させ、シート状製剤を得た。得られた製剤は、ほとんど臭いがなかった。
【0033】
( 組 成 )
エムペントリン 98重量部
プリベントールA3 2重量部
【0034】
実 施 例 2
下記組成の組成物100mgを、実施例1と同様のセルロース製多孔質担体に含浸し、シート状製剤を得た。この製剤は、ほとんど臭いがなかった。
【0035】
( 組 成 )
エムペントリン 98重量部
プリベントールA4 2重量部
【0036】
実 施 例 3
下記組成の組成物100mgを、実施例1と同様のセルロース製多孔質担体に含浸し、シート状製剤を得た。この製剤は、ほとんど臭いがなかった。
【0037】
( 組 成 )
2−フェノキシエタノール 98重量部
プリベントールA3 2重量部
【0038】
実 施 例 4
下記組成の組成物100mgを、実施例1と同様のセルロース製多孔質担体に含浸し、シート状製剤を得た。この製剤は、ほとんど臭いがなかった。
【0039】
( 組 成 )
2−フェノキシエタノール 98重量部
プリベントールA4 2重量部
【0040】
実 施 例 5
下記組成の組成物100mgを、実施例1と同様のセルロース製多孔質担体に含浸し、シート状製剤を得た。この製剤は、ほとんど臭いがなかった。
【0041】
( 組 成 )
エムペントリン 48重量部
2−フェノキシエタノール 47重量部
プリベントールA3 5重量部
【0042】
実 施 例 6
下記組成の組成物100mgを、実施例1と同様のセルロース製多孔質担体に含浸し、シート状製剤を得た。この製剤は、ほとんど臭いがなかった。
【0043】
( 組 成 )
エムペントリン 46重量部
2−フェノキシエタノール 46重量部
プリベントールA4 8重量部
【0044】
実 施 例 7
下記組成の組成物100mgを、縦1m、横1mのポリプロピレン製不織布に含浸し、フィルム状製剤を得た。この製剤は、ほとんど臭いがなかった。
【0045】
( 組 成 )
フェノスリン 99.8重量部
プリベントールA3 0.2重量部
【0046】
実 施 例 8
10重量部のプリベントールA3を90重量部のアセトンに溶解して得た溶液100mgを、実施例1と同様のセルロース製多孔質担体に含浸し、次いで室温に放置してアセトンを揮散させた。その後、さらにエムペントリン90mgを含浸し、シート状製剤を得た。この製剤は、ほとんど臭いがなかった。
【0047】
実 施 例 9
下記組成の組成物100mgを、実施例1と同様のセルロース製多孔質担体に含浸し、シート状製剤を得た。この製剤は、ほとんど臭いがなかった。
【0048】
( 組 成 )
エムペントリン 96重量部
プリベントールA3 2重量部
IPBC 2重量部
【0049】
実 施 例 10
下記組成の組成物100mgを、実施例1と同様のセルロース製多孔質担体に含浸し、シート状製剤を得た。この製剤は、ほとんど臭いがなかった。
【0050】
( 組 成 )
エムペントリン 96重量部
プリベントールA3 2重量部
オルトフェニルフェノール 2重量部
【0051】
比 較 例 1
下記組成の組成物100mgを、実施例1と同様のセルロース製多孔質担体に含浸し、シート状製剤を得た。この製剤は、強いフェノール臭があった。
【0052】
( 組 成 )
エムペントリン 98重量部
チモール 2重量部
【0053】
比 較 例 2
下記組成の組成物100mgを、実施例1と同様のセルロース製多孔質担体に含浸し、シート状製剤を得た。この製剤は、ほとんど臭いがなかった。
【0054】
( 組 成 )
エムペントリン 46重量部
2−フェノキシエタノール 46重量部
IPBC 8重量部
【0055】
試 験 例
実施例および比較例で得られた防カビ防虫製剤について、以下のようにして防カビ試験、防虫試験、着色試験および防カビ効果持続試験を行った。
【0056】
(1)防カビ試験
直径50mm、高さ10mmのシャーレに、ポテトデキストローズ寒天培地5mlを入れて固め、その上に、下記のカビ胞子懸濁液10μlを接種した。このシャーレを、直径75mm、高さ120mmの腰高シャーレ(内容積500ml)の底部に置いた。一方、腰高シャーレの蓋部に、試験する製剤を内側を向くように固定し、蓋をかぶせて、25℃で96時間培養した。ただし、近傍の対象物の防カビを目的とするフィルム状製剤(実施例7)については、腰高シャーレは用いず、直径50mm、高さ10mmのシャーレに、培地5mlを入れ、該シャーレの蓋部に直径30mmの円型に切り出した製剤を固定して蓋をかぶせ、他は同様にして試験を行った。培養後、培地上のカビの成育状況を下記の基準で判定した。対照として、製剤を置かない試験も行った。この結果を表1に示す。
【0057】
[ 試験カビ胞子 ]
アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)IFO 6341
ペニシリウム・シトリナム(Penicillium citrinum)IFO 6352
【0058】
[ 防カビ評価基準 ]
(アスペルギルス・ニガーについて)
評 点 成 育 状 況
0 : 菌体の生育を認めない。
1 : 菌体の生育直径10mm未満
2 : 菌体の生育直径10mm以上20mm未満
3 : 菌体の生育直径20mm以上30mm未満
4 : 菌体の生育直径30mm以上
【0059】
(ペニシリウム・シトリナムについて)
評 点
0 : 菌体の生育を認めない。
1 : 菌体の生育直径5mm未満
2 : 菌体の生育直径5mm以上8mm未満
3 : 菌体の生育直径8mm以上11mm未満
4 : 菌体の生育直径11mm以上
【0060】
[ 結 果 ]
【表1】
【0061】
(2)防虫試験
内容積500mlのガラス製蓋付き容器の底部に、産卵後1日のイガの卵20個を載せた1辺2.5cmの正方形のサージを置いた。一方、容器の中に、針金でつくった1辺30mm、高さ60mmの三角柱状の架台を入れ、その上に試験する製剤を置いた。ただし、成分(A)として非揮散性のピレスロイドを用いたシート製剤(実施例7)については、製剤をシャーレの底部に置き、その上に卵を載せた。蓋をかぶせて、温度25℃、湿度60%RHで12日間保持したあと、蓋を開け、孵化した卵の数を数えて、孵化率を算出した。対照として、製剤を置かない試験も行った。この結果を表2に示す。
【0062】
[ 結 果 ]
【表2】
【0063】
(3)組成物着色試験
組成物を温度60℃で12日間保存し、防カビ剤を加えない場合と比較して、着色状態を下記の基準で判定した。この結果を表3に示す。
【0064】
[ 着色評価基準 ]
評 点 着 色 状 況
0 : 着色がほとんどない
1 : わずかに着色
2 : 強く着色
【0065】
[ 結 果 ]
【表3】
【0066】
(4)防カビ効果持続試験
実施例1および2の製剤、比較例1の製剤を40℃で40日間保存したのち、試験例1と同様にして防カビ試験を行った。この試験でも対照として、製剤を置かない状態で試験を行った。この結果を表4に示す。
【0067】
[ 結 果 ]
【表4】
【0068】
以上の結果から明らかなように、本発明の防カビ防虫製剤は、害虫の孵化を防ぐと共にカビの発生をも抑制するものであった。また、高温で保存しても、着色はわずかであり、また、防カビ効果の低下も認められなかった。
以 上
Claims (4)
- つぎの成分(B)
(B)N−(フルオロジクロロメチルチオ)−フタルイミドおよび/またはN−ジクロロ フルオロメチルチオ−N',N'−ジメチル−N−フェニルスルファミド
を、つぎの成分(A)
(A)エムペントリンおよび/または2−フェノキシエタノール
に溶解させた防カビ防虫剤組成物を担体に担持させたことを特徴とする実質的に臭いのない繊維製品用の揮散性防カビ防虫製剤。 - つぎの成分(B)および(C)
(B)N−(フルオロジクロロメチルチオ)−フタルイミドおよび/またはN−ジクロロ フルオロメチルチオ−N',N'−ジメチル−N−フェニルスルファミド
(C)3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメートおよび/またはオルトフェニルフ ェノール
を、つぎの成分(A)
(A)エムペントリンおよび/または2−フェノキシエタノール
に溶解させた防カビ防虫剤組成物を担体に担持させたことを特徴とする実質的に臭いのない繊維製品用の揮散性防カビ防虫製剤。 - つぎの成分(B)
(B)N−(フルオロジクロロメチルチオ)−フタルイミドおよび/またはN−ジクロロ フルオロメチルチオ−N',N'−ジメチル−N−フェニルスルファミド
を、つぎの成分(A)
(A)エムペントリンおよび/または2−フェノキシエタノール
に溶解させた後、それを担体に担持させることを特徴とする実質的に臭いのない繊維製品用の揮散性防カビ防虫製剤の製造方法。 - つぎの成分(B)および(C)
(B)N−(フルオロジクロロメチルチオ)−フタルイミドおよび/またはN−ジクロロ フルオロメチルチオ−N',N'−ジメチル−N−フェニルスルファミド
(C)3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメートおよび/またはオルトフェニルフ ェノール
を、つぎの成分(A)
(A)エムペントリンおよび/または2−フェノキシエタノール
に溶解させた後、それを担体に担持させることを特徴とする実質的に臭いのない繊維製品用の揮散性防カビ防虫製剤の製造方法。
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