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JP3690070B2 - 排ガス浄化用触媒及びその製造方法並びに排ガス浄化フィルタ並びに排ガス浄化装置 - Google Patents

排ガス浄化用触媒及びその製造方法並びに排ガス浄化フィルタ並びに排ガス浄化装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディーゼルエンジンから排出される排ガス中に含まれるパティキュレート(固体状炭素微粒子、液体あるいは固体状の高分子量炭化水素微粒子)を燃焼して排ガスを浄化する排ガス浄化用触媒及びその製造方法と、排ガス浄化用触媒を担持した排ガス浄化フィルタ並びに排ガス浄化フィルタを備えた排ガス浄化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジンからの排ガスに含まれるパティキュレートは、その粒子径がほぼ1μm以下で大気中に浮遊しやすく、呼吸時に人体に取り込まれやすい。また、このパティキュレートは発ガン性物質も含んでいることから、ディーゼルエンジンからのパティキュレートの排出に関する規制が強化されつつある。
【0003】
排ガスからのパティキュレートを除去する方法の一つとして、耐熱性のセラミックフィルタからなる排ガス浄化フィルタでパティキュレートを捕集した後、バーナーやヒーター等の加熱手段で排ガス浄化フィルタを加熱して、パティキュレートを燃焼し、炭酸ガスに変えて放出する方法がある。また、排ガス浄化フィルタとしては、前述のセラミックフィルタに金属酸化物等からなる排ガス浄化用触媒を担持したものであり、この場合捕集されたパティキュレートは排ガス浄化用触媒の触媒作用によってより低温で燃焼させることができる。
【0004】
このような排ガス浄化用触媒を担持した排ガス浄化フィルタを用いて、パティキュレートを排ガス温度で燃焼することができれば、加熱手段を排ガス浄化装置内に配設する必要がなく、排ガス浄化装置の構成を簡単にすることができる。
【0005】
しかしながら、現状では排ガス浄化用触媒を担持した排ガス浄化フィルタについても、排ガス温度でパティキュレートを十分に燃焼することは困難であり、加熱手段との併用が不可欠となっている。したがって、より低温でパティキュレートを燃焼できる高い触媒活性を有する排ガス浄化用触媒の開発が望まれている。
【0006】
排ガス浄化用触媒としては、これまでにCuやV等の金属酸化物を用いたものが比較的高い活性を有することが知られている。例えば、特開昭58−143840号公報(以下、イ号公報と略称する。)には、CuとVを含む複合金属酸化物からなる排ガス浄化用触媒が開示されている。また、特開昭58−174236号公報(以下、ロ号公報と略称する。)には、Cu、V、Mo等の金属酸化物にアルカリ金属を添加した排ガス浄化用触媒が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の排ガス浄化用触媒及び排ガス浄化フィルタ並びに排ガス浄化装置は、以下のような課題を有していた。
【0008】
1)イ号公報に記載の排ガス浄化用触媒及びこれを担持した排ガス浄化フィルタは、排ガス浄化用触媒の触媒活性が、低温でパティキュレートを十分に燃焼できるほど高くないため、排ガスフィルタに捕集されたパティキュレーを排ガス温度で燃焼させることができない。
【0009】
2)ロ号公報に記載の排ガス浄化用触媒は、排ガス浄化用触媒を製造する際の焼成過程において、アルカリ金属塩が分解し、反応性の高いアルカリ金属酸化物となって熱により飛散したり、共存する他の金属酸化物と反応して活性の低い複合金属酸化物(例えばLiVO2等)となって、高い触媒活性を得ることができない。
【0010】
3)ロ号公報に記載の排ガス浄化用触媒を用いた排ガス浄化フィルタは、排ガス浄化用触媒が排ガスの熱やパティキュレートの燃焼熱にたいして高い耐熱性を有していないために、熱劣化しやすく高い触媒活性を維持することが困難であり、また排ガス中の硫黄酸化物に対する対被毒性についても問題がある。
【0011】
4)従来の排ガス浄化装置では、ディーゼルエンジンからの放出される排ガスを高温で維持したまま排ガス浄化フィルタに送ることができないため、排ガス温度が低下してパティキュレートの燃焼温度を高くすることができない。
【0012】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、パティキュレートの燃焼に高い触媒活性を有し、耐熱性や硫黄酸化物に対する耐被毒性に優れた排ガス浄化用触媒の提供、及びパティキュレートの燃焼に高い触媒活性を有し、耐熱性や硫黄酸化物に対する耐被毒性に優れた排ガス浄化用触媒を簡便にかつ量産性よく製造できる排ガス浄化用触媒の製造方法の提供と、排ガス浄化率が高くかつ耐久性に優れた排ガス浄化フィルタの提供、並びに構成が簡単で排ガス浄化特性に優れた排ガス浄化装置の提供を目的とする。
【0013】
5)排ガスフィルタに担持した触媒成分が加熱されることによりフィルタ内部に拡散して触媒の活性が劣化する。
【0014】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、フィルタへの触媒成分の拡散を抑制するための中間層を有する排ガス浄化用フィルタの提供を目的とする。
【0015】
6)排ガスフィルタに担持した触媒は除去すべき排ガス成分との接点が少なく十分に燃焼除去させることができない。
【0016】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、フィルタを予め酸処理するあるいはフィルタに粒状の耐熱性の無機材料を設けることで触媒と除去すべき排ガス成分との接点を増加させ触媒の燃焼速度を増加させることを目的とする。
【0017】
7)従来の銅、バナジウム、モリブデンの酸化物、あるいは銅、バナジウム、モリブデンを含む金属複合酸化物では充分な活性が得られない。
【0018】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、銅、バナジウムの一部を他のアルカリ金属又はアルカリ土類金属または遷移金属で置換させたもので金属酸化物の原子価を制御することで排ガス中のパティキュレートに対する燃焼活性を向上させることを目的とする。
【0019】
8)複合金属酸化物+硫酸塩の触媒での活性を向上させるものであり、硫酸塩として硫酸セシウムを加えることにより融点を低下させることにより触媒の接点を増やし排ガス中のパティキュレートに対する燃焼活性を向上させることを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の排ガス浄化用触媒は、銅とバナジウムの複合金属酸化物と、Li、Na、K、Rb、Csの内の1つ以上のアルカリ金属から構成される硫酸塩及び/又はBe、Mg、Ca、Sr、Baの内の1つ以上のアルカリ土類金属から構成される硫酸塩と、を含む構成よりなる。
【0021】
この構成により、パティキュレートの燃焼に高い触媒活性を有し、耐熱性や硫黄酸化物に対する耐被毒性に優れた排ガス浄化用触媒を提供することが可能となる。
【0022】
また、本発明の排ガス浄化用触媒の製造方法は、硫酸塩水溶液に複合金属酸化物の粉末を混合、懸濁させる混合工程と、混合工程により得られた懸濁溶液を乾固させて得られる混合粉末を熱処理する熱処理工程と、を備えた構成よりなる。
【0023】
この構成により、パティキュレートの燃焼に高い触媒活性を有し、耐熱性や硫黄酸化物に対する耐被毒性に優れた排ガス浄化用触媒を簡便にかつ量産性よく製造できる請求項1記載の排ガス浄化用触媒の製造方法を提供することが可能となる。
【0024】
また、本発明の排ガス浄化用フィルタは、ハニカム状又は板状のセラミックフィルタと、本発明の排ガス浄化用触媒と、を有する構成よりなる。
【0025】
この構成により、排ガス浄化率が高くかつ耐久性に優れた排ガス浄化フィルタを提供することが可能となる。
【0026】
また、本発明の排ガス浄化装置は、本発明の排ガス浄化フィルタと、排ガス浄化フィルタを収納する容器と、容器の一側部に形成された排ガス流入口と、容器の他側部に形成された排ガス流出口と、を備えた構成よりなる。
【0027】
この構成により、構成が簡単で排ガス浄化特性に優れた排ガス浄化装置を提供することが可能となる。
【0028】
本発明の排ガス浄化フィルタは触媒成分と反応性がないシリカ、ジルコニア、チタニア、アルミナの内の1つ以上をフィルタ上に設けることにより触媒成分のフィルタへの拡散を抑制することが可能になる。またフィルタを予め酸処理するあるいはフィルタに粒状のシリカを設けることで触媒と除去すべき排ガス成分との接点を増加させることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、銅とバナジウムの複合金属酸化物と、Li、Na、K、Rb、Csの内の1つ以上のアルカリ金属から構成される硫酸塩及び/又はBe、Mg、Ca、Sr、Baの内の1つ以上のアルカリ土類金属から構成される硫酸塩と、を含むこととしたものであり、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の硫酸塩を複合金属酸化物に混合することにより、複合金属酸化物の触媒活性を高めることができるとともに、硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩、塩化物等に比べて熱的に最も安定で高い耐熱性を有し、かつ硫黄酸化物による耐被毒性に優れた硫酸塩を使用することで、パティキュレートの燃焼に対して高い触媒活性を維持することができるという作用を有する。また、銅とバナジウムの複合酸化物であることとしたものであり、酸化銅、酸化バナジウムを各々単独で硫酸塩と混合した場合に比べて、より高い触媒活性を得ることができるという作用を有する。
【0030】
本発明の請求項に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、硫酸塩が硫酸セシウムであることとしたものであり、硫酸塩の中でも、金属酸化物に対して特に高い触媒活性を付与することができるという作用を有する。
【0031】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、複合金属酸化物における銅:バナジウムのモル比が、1:1から4:1であることとしたものであり、銅とバナジウム又は銅とモリブデンの各金属酸化物の触媒作用を相互的に高めることができるという作用を有する。
【0032】
本発明の請求項に記載の発明は、請求項1乃至3の内のいずれか1に記載の発明において、複合金属酸化物が、CuVO3、Cu328、Cu5210の1つ以上からなることとしたものであり、銅とバナジウムの複合金属酸化物の中でも特に高い触媒活性を得ることができるという作用を有する。
【0033】
本発明の請求項に記載の発明は、Pt、Pd、Rhの1つ以上の貴金属を含むこととしたものであり、貴金属の触媒作用により、さらにパティキュレートの燃焼に対する触媒活性を高めることができるという作用を有する。
【0034】
本発明の請求項に記載の発明は、硫酸塩水溶液に複合金属酸化物の粉末を混合、懸濁させる混合工程と、混合工程により得られた懸濁溶液を乾固させて得られる混合粉末を熱処理する熱処理工程と、を備えたこととしたものであり、パティキュレートの燃焼に高い触媒活性を有し、耐熱性や硫黄酸化物に対する耐被毒性に優れた排ガス浄化用触媒を簡便にかつ量産性よく製造できるという作用を有する。
【0035】
本発明の請求項に記載の発明は、ハニカム状又は板状のセラミックフィルタと、セラミックフィルタ上に担持された請求項1〜の内のいずれか1に記載の排ガス浄化用触媒と、を有することとしたものであり、高い触媒活性を有し、耐熱性及び耐被毒性に優れた排ガス浄化用触媒を備えていることによって、排ガスフィルタの排ガス浄化率を高め、かつ耐久性を向上させることができるという作用を有する。
【0036】
本発明の請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、セラミックフィルタに対する排ガス浄化用触媒の重量比が、10wt%〜40wt%であることとしたものであり、高い排ガス浄化率を維持しながら、排ガスフィルタにおける圧損の上昇を防止することができるという作用を有する。
【0037】
セラミックフィルタに対する排ガス浄化用触媒の重量比が、10wt%よりも小さくなるにつれて、排ガス浄化用触媒による十分な触媒作用が得られなくなる傾向を生じ、40wt%よりも大きくなるにつれてパティキュレートの捕集開始直後から圧損が高くなる傾向を生じるため、いずれも好ましくない。また、セラミックフィルタに対する排ガス浄化用触媒の重量比が、5wt%よりも小さくなるにつれて、また40wt%よりも大きくなるにつれて、上記傾向が著しくなるため特に好ましくない。
【0038】
本発明の請求項に記載の発明は、ハニカム状又は板状のセラミックフィルタと、前記セラミックフィルタ上に設けられたシリカ、ジルコニア、チタニア、シリカアルミナの少なくとも1つ以上から成るコーティング層と、前記コーティング層の上に担持された請求項1〜の内のいずれか1に記載の排ガス浄化用触媒と、を有することとしたものであり、フィルタに予め中間層を設けることにより触媒成分のフィルタへの拡散を抑制す作用を有する。
【0039】
本発明の請求項10に記載の発明は、ハニカム状又は板状のセラミックスフィルタを酸で処理をし、前記セラミックフィルタ上に請求項1〜の内のいずれか1に記載の排ガス浄化触媒を担持することとしたものであり、フィルタを予め酸処理することによりフィルタの表面積が増し、担持された触媒と除去すべき排ガス成分との接点を増加させる作用を有する。
【0040】
本発明の請求項11に記載の発明は、ハニカム状又は板状のセラミックフィルタと、前記セラミックフィルタ上に設けられた耐熱性の無機材料と、前記耐熱性の無機材料上に担持された請求項1〜の内のいずれか1に記載の排ガス浄化用触媒と、を有することとしたものであり、フィルタに予め粒状の耐熱性の無機材料を設けることによりフィルタの表面積が増し、担持された触媒と除去すべき排ガス成分との接点を増加させる作用を有する。本発明の請求項12に記載の発明は、請求項11の内のいずれか1に記載の排ガス浄化フィルタと、排ガス浄化フィルタを収納する容器と、容器の一側部に形成された排ガス流入口と、容器の他側部に形成された排ガス流出口と、を備えたこととしたものであり、構成が簡単で排ガス浄化特性に優れた排ガス浄化装置を提供することが可能となるという作用を有する。
【0041】
本発明の請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の発明において、容器内に配設された又は容器に接近して配設された加熱手段を有することとしたものであり、排ガス温度がパティキュレートの燃焼温度よりも低い場合に、排ガスや排ガスフィルタを加熱して、パティキュレートの燃焼を促進させることができるという作用を有する。
【0042】
本発明の請求項14に記載の発明は、請求項12又は13に記載の発明において、容器及び/又は排ガス流入口とエンジンを接続する接続管の周囲に配設された断熱手段を有することとしたものであり、排ガスフィルタに流入するまでの間で排ガス温度が低下することを防止して、排ガス温度におけるパティキュレートの燃焼を可能にすることができるという作用を有する。
【0043】
本発明の請求項15に記載の発明は、請求項1214の内のいずれか1に記載の発明において、排ガス浄化装置がエンジンマニホールドに近接して配設されていることとしたものであり、排ガスフィルタに流入するまでの間で排ガス温度が低下することを防止して、排ガス温度におけるパティキュレートの燃焼を可能にすることができるという作用を有する。
【0044】
本発明の請求項16に記載の発明は、排ガス浄化触媒に含まれる銅の一部をLi、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、Ta、Wで置換したことを特徴としたものであり、複合金属酸化物の原子価制御によりパティキュレートの燃焼に対する触媒活性を高めることができるという作用を有する。
【0045】
本発明の請求項17に記載の発明は、排ガス浄化触媒に含まれる銅の一部をLi、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、Ta、Wで置換したことを特徴としたものであり、複合金属酸化物の原子価制御によりパティキュレートの燃焼に対する触媒活性を高めることができるという作用を有する。
【0046】
本発明の請求項18に記載の発明は、排ガス浄化触媒に含まれる銅の一部をLi、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、Ta、Wで置換したことを特徴としたものであり、複合金属酸化物の原子価制御によりパティキュレートの燃焼に対する触媒活性を高めることができるという作用を有する。
【0047】
本発明の請求項19に記載の発明は、排ガス浄化触媒に含まれるバナジウムの一部をLi、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、Ta、Wで置換したことを特徴としたものであり、金属酸化物の原子価制御によりパティキュレートの燃焼に対する触媒活性を高めることができるという作用を有する。
【0048】
本発明の請求項20に記載の発明は、排ガス浄化触媒に含まれるバナジウムの一部をLi、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、Ta、Wで置換したことを特徴としたものであり、複合金属酸化物の原子価制御によりパティキュレートの燃焼に対する触媒活性を高めることができるという作用を有する。
【0049】
本発明の請求項21に記載の発明は、排ガス浄化触媒に含まれるバナジウムの一部をLi、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、Ta、Wで置換したことを特徴としたものであり、複合金属酸化物の原子価制御によりパティキュレートの燃焼に対する触媒活性を高めることができるという作用を有する。
【0050】
本発明の請求項22に記載の発明は、請求項16乃至18記載の排ガス浄化触媒における置換金属の置換率が銅に対して0.001%〜0.3%であることを特徴としたものであり、複合金属酸化物の原子価制御によりパティキュレートの燃焼に対する触媒活性を高めることができるという作用を有する。
【0051】
置換金属の置換率が0.001%よりも小さくなると原子価制御の効果が見られなくなり、0.3%よりも大きくなると金属酸化物の構造自体が変化してしまい活性が劣化してしまうため、いずれも好ましくない。また、置換率が0.0001%よりも小さくなると、また0.5よりも大きくなると、上記の傾向が著しくなるため特に好ましくない。
【0052】
本発明の請求項23に記載の発明は、請求項19に記載の排ガス浄化触媒、請求項20に記載の排ガス浄化フィルタの排ガス浄化触媒、請求項21記載の排ガス浄化装置の排ガス浄化触媒における置換金属の置換率がバナジウムに対して0.001%〜0.3%であることを特徴としたものであり、金属酸化物の原子価制御によりパティキュレートの燃焼に対する触媒活性を高めることができるという作用を有する。
【0053】
置換金属の置換率が0.001%よりも小さくなると原子価制御の効果が見られなくなり、0.3%よりも大きくなると金属酸化物の構造自体が変化してしまい活性が劣化してしまうため、いずれも好ましくない。また、置換率が0.0001%よりも小さくなると、また0.5よりも大きくなると、上記の傾向が著しくなるため特に好ましくない。
【0054】
本発明の請求項24に記載の発明は、請求項1乃至5、請求項16、請求項19、請求項22、23に記載の排ガス浄化触媒における硫酸塩が硫酸セシウムとLi、Na、K、Rbの内の1つ以上のアルカリ金属から構成される硫酸塩及び/又はBe、Mg、Ca、Sr、Baの内の1つ以上のアルカリ土類金属から構成される硫酸塩と、を含むことを特徴としたものであり、硫酸塩の融点を低下させることにより触媒の接点を増やし排ガス中のパティキュレートに対する燃焼活性を向上させるという作用を有する。
【0055】
本発明の請求項25に記載の発明は、前記硫酸塩が硫酸セシウムと硫酸カリウムを含むことを特徴としたものであり、硫酸塩の融点を低下させることにより触媒の接点を増やし排ガス中のパティキュレートに対する燃焼活性を向上させるという作用を有する。
【0056】
本発明の請求項26に記載の発明は、前記硫酸塩の硫酸セシウムと硫酸カリウムの混合比がモル比で、8:2〜4:6で有ることを特徴としたものであり、硫酸塩の融点を低下させることにより触媒の接点を増やし排ガス中のパティキュレートに対する燃焼活性を向上させるという作用を有する。
【0057】
硫酸セシウムと硫酸カリウムのモル比がが8:2よりも大きくなる、もしくは4:6より小さくなると融点の低下が見られなくなり好ましくない。また、モル比が9:1よりも大きくなる、もしくは3:7よりも小さくなると、上記の傾向が著しくなるため特に好ましくない。
【0058】
以下に、本発明を実施例を用いてより詳細に説明する。
【0059】
【実施例】
参考例1)
硫酸セシウムを溶かした水溶液に酸化銅の粉末をモル比1:1(Cs:Cu)で懸濁させた後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、第1参考例の排ガス浄化用触媒を得た。
【0060】
参考例2)
硫酸セシウムの代わりに硫酸リチウムを用いたことを除いて、第1参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第2参考例とした。
【0061】
参考例3)
硫酸セシウムの代わりに硫酸ナトリウムを用いたことを除いて、第1参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第3参考例とした。
【0062】
参考例4)
硫酸セシウムの代わりに硫酸カリウムを用いたことを除いて、第1参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第4参考例とした。
【0063】
参考例5)
硫酸セシウムの代わりに硫酸ルビジウムを用いたことを除いて、第1参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第5参考例とした。
【0064】
参考例6)
硫酸セシウムの代わりに硫酸ベリリウムを用いたことを除いて、第1参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第6参考例とした。
【0065】
参考例7)
硫酸セシウムの代わりに硫酸マグネシウムを用いたことを除いて、第1参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第7参考例とした。
【0066】
参考例8)
硫酸セシウムの代わりに硫酸カルシウムを用いたことを除いて、第1参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第8参考例とした。
【0067】
参考例9)
硫酸セシウムの代わりに硫酸ストロンチウムを用いたことを除いて、第1参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第9参考例とした。
【0068】
参考例10)
硫酸セシウムの代わりに硫酸バリウムを用いたことを除いて、第1参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第10参考例とした。
【0069】
(比較例1)
酸化銅の粉末のみからなる排ガス浄化用触媒を第1比較例とした。
【0070】
(評価例1)
第1参考例〜第10参考例及び第1比較例における排ガス浄化用触媒について、以下のようなパティキュレートの燃焼実験を行った。
【0071】
各排ガス浄化用触媒とパティキュレート(ナカライ製のカーボンとアントラキノンを重量比で2:1で混合させたもの)の粉末を重量比1:1で混合し、この混合物を内径12mmの石英ガラス製反応管内に充填した後、反応管内に5vol%の0と50ppmのSO2を含む窒素ガスからなる試験ガスを流量500cc/分で通気しながら、反応管の外周部に配設した管状電気炉にて反応管内を定速で昇温した。この時、排ガス側の位置に配設された炭酸ガスセンサーにより試験ガス中の炭酸ガス濃度を検出し、10%のパティキュレートが燃焼した際の温度(以下、10%燃焼温度と略称する。)を決定した。充填させたパティキュレートのC量(既知量)と発生したCO+CO2量(測定値)から燃焼率を計算した。
【0072】
上記燃焼試験における各排ガス浄化用触媒の10%燃焼温度を(表1)に示した。
【0073】
【表1】
Figure 0003690070
【0074】
(表1)から明らかなように、酸化銅のみからなる第1比較例の排ガス浄化用触媒に比べて、本発明の参考例の金属酸化物と硫酸塩からなる第1参考例〜第10参考例の排ガス浄化用触媒は、いずれも10%燃焼温度が低く、パティキュレートの燃焼に対して高い触媒活性を有することが明らかになった。
【0075】
特に、第1参考例〜第10参考例ほ排ガス浄化用触媒の中でも、硫酸塩として硫酸セシウム(第1参考例)、硫酸ルビジウム(第5参考例)、硫酸ベリリウム(第6参考例)、硫酸マグネシウム(第7参考例)を用いた場合が、触媒活性に優れていることが判明した。
【0076】
参考例11)
第1参考例における排ガス浄化用触媒の粉末を塩化白金水溶液中に混合した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、第11参考例の排ガス浄化用触媒を得た。
【0077】
(評価例2)
第11参考例における排ガス浄化用触媒についても、第1評価例と同様な方法により燃焼実験を行った。
【0078】
第11参考例における排ガス浄化用触媒の10%燃焼温度を第1参考例の結果とともに、(表2)に示した。
【0079】
【表2】
Figure 0003690070
【0080】
(表2)から明らかなように、第1参考例に比べて、白金を含む第11参考例の排ガス浄化用触媒の方が10%燃焼温度が低く、より高い触媒活性を示すことが明らかになった。
【0081】
(比較例2)
硫酸セシウムの代わりに酢酸セシウムを用いたことを除いて、第1参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第2比較例とした。
【0082】
(比較例3)
硫酸セシウムの代わりに硝酸セシウムを用いたことを除いて、第1参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第3比較例とした。
【0083】
(比較例4)
硫酸セシウムの代わりに炭酸セシウムを用いたことを除いて、第1参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第4比較例とした。
【0084】
(評価例3)
第2比較例〜第4比較例における排ガス浄化用触媒について、第1評価例と同様な方法により燃焼実験を行った。
【0085】
第2比較例〜第4比較例における排ガス浄化用触媒の10%燃焼温度を第1参考例の結果とともに、(表3)に示した。
【0086】
【表3】
Figure 0003690070
【0087】
(表3)に示したように、第2比較例〜第4比較例における排ガス浄化用触媒の10%燃焼温度は、第1参考例よりもいずれも高く、第1参考例の方が触媒活性が高いことが判明した。この結果から明らかなように、排ガス浄化用触媒が構成元素としてセシウムを含んでいても、出発原料としてその酢酸塩や硝酸塩、又は炭酸塩を用いるより、本発明のように硫酸塩を用いる方が触媒活性が優れている。さらに、硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩、又は塩化物等に比べて、硫酸塩の方が熱的に安定性においても優れており、パティキュレートを燃焼する間の高温によって融解や分解が生じて飛散したり、金属酸化物と反応したりして活性が低下することを抑制する面からも、硫酸塩が最も優れていると考えられる。
【0088】
参考例12)
酸化銅の代わりに酸化バナジウムを用いたことを除いて、第1参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第12参考例とした。
【0089】
参考例13)
酸化銅の代わりに酸化ニオブを用いたことを除いて、第1参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第13参考例とした。
【0090】
参考例14)
酸化銅の代わりに酸化タンタルを用いたことを除いて、第1参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第14参考例とした。
【0091】
参考例15)
酸化銅の代わりに酸化クロムを用いたことを除いて、第1参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第15参考例とした。
【0092】
参考例16)
酸化銅の代わりに酸化モリブデンを用いたことを除いて、第1参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第16参考例とした。
【0093】
参考例17)
酸化銅の代わりに酸化タングステンを用いたことを除いて、第1参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第17参考例とした。
【0094】
参考例18)
酸化銅の代わりに酸化マンガンを用いたことを除いて、第1参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第18参考例とした。
【0095】
参考例19)
酸化銅の代わりに酸化鉄を用いたことを除いて、第1参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第19参考例とした。
【0096】
参考例20)
酸化銅の代わりに酸化コバルトを用いたことを除いて、第1参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第20参考例とした。
【0097】
参考例21)
酸化銅の代わりに酸化ニッケルを用いたことを除いて、第1参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第21参考例とした。
【0098】
参考例22)
酸化銅の代わりに酸化亜鉛を用いたことを除いて、第1参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第22参考例とした。
【0099】
参考例23)
酸化銅の代わりに酸化ガリウムを用いたことを除いて、第1参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第23参考例とした。
【0100】
参考例24)
酸化銅の代わりに酸化錫を用いたことを除いて、第1参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第24参考例とした。
【0101】
参考例25)
酸化銅の代わりに酸化鉛を用いたことを除いて、第1参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第25参考例とした。
【0102】
(評価例4)
第12参考例〜第25参考例における排ガス浄化用触媒について、第1評価例と同様な方法により燃焼実験を行った。
【0103】
第12参考例〜第25参考例における排ガス浄化用触媒の10%燃焼温度を(表4)に示した。
【0104】
【表4】
Figure 0003690070
【0105】
(表4)に示したように、第12参考例〜第25参考例における排ガス浄化用触媒の10%燃焼温度は、第1従来例と比較していずれも低く、触媒活性が高いことが明らかになった。特に、硫酸塩として硫酸セシウムを用いる場合には、(表1)に示した酸化銅(第1参考例)に加えて、金属酸化物として酸化バナジウム(第12参考例)や酸化モリブデン(第16参考例)を用いると、より高い触媒活性を有する排ガス浄化用触媒が得られることが判明した。
【0106】
(実験例1〜実験例7)酸化銅と五酸化バナジウムの粉末をモル比Cu:Vが1:5、1:2、1:1、3:2、5:2、4:1、5:1の種々の割合で混合した後、各々を電気炉内で900℃で5時間熱処理し、種々の組成の銅とバナジウムの複合金属酸化物からなる排ガス浄化用触媒を作製して、これを第1実験例〜第7実験例とした。
【0107】
(評価例5)
第1実験例〜第7実験例における排ガス浄化用触媒について、第1評価例と同様な方法により燃焼実験を行った。
【0108】
第1実験例〜第7実験例における排ガス浄化用触媒の10%燃焼温度を(表5)に示した。
【0109】
【表5】
Figure 0003690070
【0110】
(表5)に示したように、銅とバナジウムの複合酸化物からなる排ガス浄化用触媒は、モル比Cu:Vが1:1〜4:1の場合に10%燃焼温度が低く、高い活性を示すことが明らかになった。
【0111】
(実施例
第1実験例〜第7実験例として示した銅とバナジウムの複合酸化物からなる排ガス浄化用触媒に対して、銅とバナジウムの複合酸化物に硫酸塩を混合することによる触媒活性の違いを比較するため、以下のような排ガス浄化用触媒を作製した。
【0112】
まず、硫酸銅と酸化硫酸バナジウムをモル比Cu:Vが1:1となるように、水に溶解混合した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成CuVO3で与えられる複合金属酸化物を作製した。この複合金属酸化物の粉末を、硫酸セシウムを溶かした水溶液にモル比1:1(CsSO4:CuVO3)で懸濁させた後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、第実施例の排ガス浄化用触媒を得た。
【0113】
(実施例
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムをモル比Cu:Vが3:2となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu328で与えられる複合金属酸化物を作製した。この複合金属酸化物の粉末を、硫酸セシウムを溶かした水溶液にモル比1:1(CsSO4:Cu328)で懸濁させた後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、第実施例の排ガス浄化用触媒を得た。
【0114】
(実施例
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムをモル比Cu:Vが5:2となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu5210で与えられる複合金属酸化物を作製した。この複合金属酸化物の粉末を、硫酸セシウムを溶かした水溶液にモル比1:1(CsSO4:Cu5210)で懸濁させた後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、第実施例の排ガス浄化用触媒を得た。
【0115】
(評価例6)
実施例〜第実施例における排ガス浄化用触媒について、第1評価例と同様な方法により燃焼実験を行った。
【0116】
実施例〜第実施例における排ガス浄化用触媒の10%燃焼温度を(表6)に示した。
【0117】
【表6】
Figure 0003690070
【0118】
(表6)と(表5)の比較から明らかなように、触媒活性の高い組成比で混合された銅とバナジウムの複合金属酸化物からなる排ガス浄化用触媒よりも、銅とバナジウムの複合金属酸化物と硫酸セシウムを含む本発明の排ガス浄化用触媒の方が、複合金属酸化物における銅とバナジウムの組成に関わらず、10%燃焼温度は低下し、硫酸セシウムの添加によって触媒活性がさらに向上することが判明した。また、(表1)、(表2)、(表4)の結果と(表6)との比較から、硫酸塩と混合する金属酸化物としては、銅とバナジウムの複合金属酸化物が触媒活性の向上の上で特に優れていることが明らかになった。
【0119】
(実験例8〜実験例14)
酸化銅と酸化モリブデンの粉末をモル比Cu:Moが1:5、1:2、1:1、3:2、5:2、4:1、5:1の種々の割合で混合した後、各々を電気炉内で900℃で5時間熱処理し、種々の組成の銅とモリブデンの複合金属酸化物からなる排ガス浄化用触媒を作製して、これを第8実験例〜第14実験例とした。
【0120】
(評価例7)
第8実験例〜第14実験例における排ガス浄化用触媒について、第1評価例と同様な方法により燃焼実験を行った。
【0121】
第8実験例〜第14実験例における排ガス浄化用触媒の10%燃焼温度を(表7)に示した。
【0122】
【表7】
Figure 0003690070
【0123】
(表7)に示したように、銅とモリブデンの複合金属酸化物からなる排ガス浄化用触媒は、モル比Cu:Vが1:1〜4:1の場合に10%燃焼温度が低く高い触媒活性を示すことが明らかになった。
【0124】
参考26
第8実験例〜第14実験例として示した銅とモリブデンの複合金属酸化物からなる排ガス浄化用触媒に対して、銅とモリブデンの複合金属酸化物に硫酸塩を混合することによる触媒活性の違いを比較するため、以下のような排ガス浄化用触媒を作製した。
【0125】
まず、酸化銅と酸化モリブデンの粉末をモル比1:1(Cu:Mo)で混合した後、電気炉内で900℃で5時間熱処理し、理論組成CuMoO4で与えられる複合金属酸化物を作製した。この複合金属酸化物の粉末を、硫酸セシウムを溶かした水溶液にモル比1:1(CsSO4:CuMoO4)で懸濁させた後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、第実施例の排ガス浄化用触媒を得た。
【0126】
参考27
酸化銅と酸化モリブデンの粉末をモル比3:2(Cu:Mo)で混合した後、電気炉内で900℃で5時間熱処理し、理論組成Cu3Mo29で与えられる複合金属酸化物を作製した。この複合金属酸化物の粉末を、硫酸セシウムを溶かした水溶液にモル比1:1(CsSO4:Cu3Mo29)で懸濁させた後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、第実施例の排ガス浄化用触媒を得た。
【0127】
参考28
酸化銅と酸化モリブデンの粉末をモル比2:1(Cu:Mo)で混合した後、電気炉内で900℃で5時間熱処理し、理論組成Cu2MoO5で与えられる複合金属酸化物を作製した。この複合金属酸化物の粉末を、硫酸セシウムを溶かした水溶液にモル比1:1(CsSO4:Cu2MoO5)で懸濁させた後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、第実施例の排ガス浄化用触媒を得た。
【0128】
(評価例8)
26参考例〜第28参考例における排ガス浄化用触媒について、第1評価例と同様な方法により燃焼実験を行った。
【0129】
26参考例〜第28参考例における排ガス浄化用触媒の10%燃焼温度を(表8)に示した。
【0130】
【表8】
Figure 0003690070
【0131】
(表8)と(表7)の比較から明らかなように、触媒活性の高い組成比で混合された銅とモリブデンの複合金属酸化物からなる排ガス浄化用触媒よりも、銅とモリブデンの複合金属酸化物と硫酸セシウムを含む本発明の排ガス浄化用触媒の方が、複合金属酸化物における銅とバナジウムの組成に関わらず、10%燃焼温度は低下し、硫酸セシウムの添加によって触媒活性がさらに向上することが判明した。また、(表1)、(表2)、(表4)の結果と(表8)との比較から、硫酸塩と混合する金属酸化物としては、銅とバナジウムの複合金属酸化物とともに、銅とモリブデンの複合金属酸化物も触媒活性の向上の上で優れていることが明らかになった。
【0132】
(実施例11
(表6)及び(表8)の結果から、硫酸セシウムと混合する複合金属酸化物の中で、触媒活性の高い理論組成Cu5210で与えられる銅とバナジウムの複合金属酸化物を選択し、この複合金属酸化物の粉末を硫酸セシウムを溶かした水溶液に、モル比(Cu5210:CsSO4)が10:1、9:1、5:1、2:1、1:2、1:5、1:9、1:10の種々の割合で懸濁させた後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、種々の割合で銅とバナジウムの複合金属酸化物と硫酸セシウムを含む排ガス浄化用触媒を作製し、これを第実施例〜第11実施例とした。
【0133】
(評価例9)第実施例〜第11実施例における排ガス浄化用触媒について、第1評価例と同様な方法により燃焼実験を行った。
【0134】
実施例〜第11実施例における排ガス浄化用触媒の10%燃焼温度を(表9)に示した。
【0135】
【表9】
Figure 0003690070
【0136】
(表9)に示したように、10%燃焼温度は、第実施例〜第11実施例における組成範囲において極小値を示し、触媒活性の面からは、Cu5210とCsSO4の混合割合は、モル比で9:1〜1:9、好ましくは2:1〜1:5、より好ましくは1:1〜1:2であることが判った。
【0137】
(実施例12〜19
(評価例2)に示したように、金属酸化物と硫酸塩に加えて、白金をさらに添加することによって触媒活性の向上が認められたことから、第実施例〜第11実施例における排ガス浄化用触媒についても、このような白金の添加による触媒活性の向上について検討した。
【0138】
(表9)に示した結果からCu5210とCsSO4のモル比は10%燃焼温度の最も低かったモル比1:2とし、第実施例と同様な方法で、Cu5210とCsSO4を含む混合粉末を作製した。この混合粉末を塩化白金水溶液に、モル比(Cu5210:Pt)が1000:1、100:1、30:1、15:1、10:1、3:1、1:1、1:2の種々の割合で懸濁させた後、水分を蒸発させて乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して種々の割合でCu5210とCsSO4の混合粉末と白金を含む排ガス浄化用触媒を作製し、これを第12実施例〜第19実施例とした。
【0139】
(評価例10)第12実施例〜第19実施例における排ガス浄化用触媒について、第1評価例と同様な方法により燃焼実験を行った。
【0140】
12実施例〜第19実施例における排ガス浄化用触媒の10%燃焼温度を(表10)に示した。
【0141】
【表10】
Figure 0003690070
【0142】
(表10)に示したように、10%燃焼温度は第12実施例〜第19実施例における組成範囲において極小値を示し、白金を添加することによる触媒活性の向上は、特定の組成比で白金を加えた場合において認められることが明らかになった。ここで、白金の添加量としては、Cu5210:Ptのモル比で100:1〜3:1、より好ましくは30:1〜10:1であることが判明した。
【0143】
(実施例20
本発明の排ガス浄化用触媒を担持した排ガス浄化フィルタにおけるパティキュレートの燃焼特性を検討するため、以下のような排ガス浄化フィルタを作製した。
【0144】
まず、純水3リットルに硫酸銅25gと酸化硫酸バナジウムを62.5gを混合溶解した水溶液を作製し、これを第1触媒溶液とした。この第1触媒溶液中に、コージェライト製のセラミックハニカムフィルタ(NGK製、C−558)を浸漬し、第1触媒用液がセラミックハニカムフィルタに付着した状態で取り出して、液体窒素を用いて付着した第1触媒溶液を凍結させた。
【0145】
次に、このセラミックハニカムフィルタを真空凍結乾燥装置(共和真空社製)内に設置し、凍結した第1触媒溶液の水分を昇華させた後、セラミックハニカムフィルタを電気炉内で900℃で5時間熱処理することにより、セラミックハニカムフィルタの表面に、均一に銅とバナジウムの複合金属酸化物を担持した。
【0146】
尚、第1触媒溶液から担持された銅とバナジウムの複合金属酸化物を熱処理後における重量比が、セラミックハニカムフィルタの重量に対して2.5wt%であった。
【0147】
次に、純水3リットルに硫酸セシウム20gを溶解した第2触媒溶液を作製し、この第2触媒溶液中に銅とバナジウムの複合金属酸化物を担持したセラミックハニカムフィルタを浸漬して、第2触媒溶液がセラミックハニカムフィルタに付着した状態で取り出した後、液体窒素を用いて付着した第2触媒溶液を凍結させた。
【0148】
次に、このセラミックハニカムフィルタを真空凍結乾燥装置(共和真空社製)内に設置し、凍結した第2触媒溶液の水分を昇華させた後、セラミックハニカムフィルタを電気炉内で900℃で5時間熱処理することにより、セラミックハニカムフィルタの表面に、均一に硫酸セシウムを担持した。尚、第2触媒溶液から担持された硫酸セシウムの熱処理後における重量比は、セラミックハニカムフィルタの重量に対して2.5wt%であった。
【0149】
以上のようにして、銅とバナジウムの複合金属酸化物と硫酸セシウムを含む排ガス浄化用触媒を、排ガス浄化用触媒の全重量でセラミックハニカムフィルタの重量に対して5wt%担持した排ガス浄化フィルタを作製し、これを第23実施例とした。
【0150】
(実施例21
第1触媒溶液として純水3リットルに硫酸銅50gと酸化硫酸バナジウムを125gを混合溶解した水溶液を、また第2触媒溶液として純水3リットルに硫酸セシウム40gを溶解した水溶液を用いたことを除いて、第23実施例と同様な方法により、銅とバナジウムの複合金属酸化物と硫酸セシウムを含む排ガス浄化用触媒を、排ガス浄化用触媒の全重量でセラミックハニカムフィルタの重量に対して10wt%担持した排ガス浄化フィルタを作製し、これを第24実施例とした。
【0151】
(実施例22
第1触媒溶液として純水3リットルに硫酸銅100gと酸化硫酸バナジウムを250gを混合溶解した水溶液を、また第2触媒溶液として純水3リットルに硫酸セシウム80gを溶解した水溶液を用いたことを除いて、第23実施例と同様な方法により、銅とバナジウムの複合金属酸化物と硫酸セシウムを含む排ガス浄化用触媒を、排ガス浄化用触媒の全重量でセラミックハニカムフィルタの重量に対して20wt%担持した排ガス浄化フィルタを作製し、これを第25実施例とした。
【0152】
(実施例23
第1触媒溶液として純水3リットルに硫酸銅150gと酸化硫酸バナジウムを375gを混合溶解した水溶液を、また第2触媒溶液として純水3リットルに硫酸セシウム120gを溶解した水溶液を用いたことを除いて、第48実施例と同様な方法により、銅とバナジウムの複合金属酸化物と硫酸セシウムを含む排ガス浄化用触媒を、排ガス浄化用触媒の全重量でセラミックハニカムフィルタの重量に対して30wt%担持した排ガス浄化フィルタを作製し、これを第26実施例とした。
【0153】
(実施例24
第1触媒溶液として純水3リットルに硫酸銅200gと酸化硫酸バナジウムを500gを混合溶解した水溶液を、また第2触媒溶液として純水3リットルに硫酸セシウム160gを溶解した水溶液を用いたことを除いて、第23実施例と同様な方法により、銅とバナジウムの複合金属酸化物と硫酸セシウムを含む排ガス浄化用触媒を、排ガス浄化用触媒の全重量でセラミックハニカムフィルタの重量に対して40wt%担持した排ガス浄化フィルタを作製し、これを第27実施例とした。
【0154】
(実施例25
第1触媒溶液として純水3リットルに硫酸銅250gと酸化硫酸バナジウムを625gを混合溶解した水溶液を、また第2触媒溶液として純水3リットルに硫酸セシウム200gを溶解した水溶液を用いたことを除いて、第23実施例と同様な方法により、銅とバナジウムの複合金属酸化物と硫酸セシウムを含む排ガス浄化用触媒を、排ガス浄化用触媒の全重量でセラミックハニカムフィルタの重量に対して50wt%担持した排ガス浄化フィルタを作製し、これを第28実施例とした。
【0155】
(評価例11)
20実施例〜第25実施例における排ガス浄化フィルタの各々について、以下のような排ガス浄化試験を行った。
【0156】
まず、各排ガス浄化フィルタを排気量3431ccのディーゼルエンジンの排気系に設置し、ディーゼルエンジンを1500rpm、トルク21kgmの条件で1時間作動させた。ディーゼルエンジンを作動させている間に、排ガス浄化フィルタによって排ガス中のパティキュレートを捕集し、パティキュレートを燃焼させながら、排ガス浄化フィルタの排ガス流入側の内部に設置された圧力センサにより排ガスフィルタ内の圧力を測定して、大気圧との差圧を求めた。尚、上記排ガス浄化試験においては、電気ヒータ等の加熱手段による排ガス又は排ガスフィルタの加熱は行わず、パティキュレートの燃焼酸化は、排ガス温度で行った。
【0157】
20実施例〜第25実施例における各排ガス浄化フィルタを用いた場合の、ディーゼルエンジンの作動開始からの差圧の変化について図1を用いて説明する。
【0158】
図1は、第20実施例〜第25実施例における各排ガス浄化フィルタ内の排ガス圧力と大気圧との差圧の経時変化を示す関係図である。図1に示したように、排ガス浄化用触媒の重量比が5wt%の排ガス浄化フィルタ(第23実施例)では、ディーゼルエンジンの作動開始から10分間程度までの初期の差圧上昇とともに、その後も継続的に差圧が高くなる傾向が認められ、排ガス浄化用触媒の重量比が5wt%よりも小さくなると、排ガス浄化用触媒の担持量が少ないために、捕集された排ガス中のパティキュレートを十分に燃焼して、除去することができなくなる可能性があることが判明した。また、排ガス浄化用触媒の重量比が50wt%の排ガス浄化フィルタ(第25実施例)では、ディーゼルエンジンの作動開始から10分間程度までの初期段階で差圧が300mmHgまで達したことから、排ガス浄化用触媒の重量比が50wt%よりも大きくなると、背圧が大きくなってディーゼルエンジンへの過大な負荷を与える可能性があることが明らかとなった。
【0159】
このような結果から、排ガス浄化フィルタにおける排ガス浄化用触媒の担持量としては、担体であるセラミックハニカムフィルタに対する重量比で、5wt%〜50wt%、好ましくは10wt%〜40wt%であることが判った。
【0160】
(実施例26
第1触媒溶液として純水3リットルに硫酸銅75gと酸化硫酸バナジウムを188gを混合溶解した水溶液を、また第2触媒溶液として純水3リットルに硫酸セシウム60gを溶解した水溶液を用いたことを除いて、第23実施例と同様な方法により、銅とバナジウムの複合金属酸化物と硫酸セシウムを含む排ガス浄化用触媒を、排ガス浄化用触媒の全重量でセラミックハニカムフィルタの重量に対して15wt%担持した排ガス浄化フィルタを作製し、これを第29実施例とした。
【0161】
(比較例5)
20実施例で使用したセラミックハニカムフィルタのみからなる排ガス浄化フィルタを第5比較例とした。
【0162】
(評価例12)
26実施例及び第5比較例における排ガス浄化フィルタについて、(評価例11)と同様な方法により排ガス浄化試験を行った。各々についてディーゼルエンジンの作動開始からの差圧の変化について図2を用いて説明する。
【0163】
図2は、第26実施例及び第5比較例における各排ガス浄化フィルタ内の排ガス圧力と大気圧との差圧の経時変化を示す関係図である。図2に示したように、排ガス浄化用触媒を担持させていない第5比較例の排ガス浄化フィルタでは、ディーゼルエンジンの作動開始から、パティキュレートの捕集量が増加するのに伴って差圧が上昇するのに対して、第26実施例の排ガスフィルタでは、ディーゼルエンジンの作動開始から5分間程度までの初期段階では差圧が増加するものの、その後の差圧に変化はなく、捕集されたパティキュレートが排ガス温度において十分に燃焼酸化され、排ガス浄化フィルタから除去されていることが判った。
【0164】
(実施例27
精製水中に、硝酸銅とバナジン酸アンモニウムをモル比1:1(Cu:V)で混合融解した後、加熱して乾固させた混合粉末を得た。この混合粉末を電気炉内で900℃で5時間熱処理し、銅とバナジウムの複合金属酸化物を作製した。この複合金属酸化物の粉末を、硫酸セシウムを溶かした水溶液にモル比2:1(Cs:Cu)で懸濁させた後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、第27実施例の排ガス浄化用触媒を得た。
【0165】
(比較例6)
精製水中に、硝酸銅とバナジン酸アンモニウムと硫酸セシウムをモル比1:1:2(Cu:V:Cs)で混合溶解した後、加熱して乾固させた混合粉末を得た。この混合粉末を電気炉内で900℃で5時間熱処理し、、第6比較例の排ガス浄化用触媒を得た。
【0166】
(評価例13)
27実施例と第6比較例の排ガス浄化用触媒について、第1評価例と同様な方法により燃焼実験を行った。その結果、10%燃焼温度は第27実施例の排ガス浄化用触媒が370℃、第6比較例の排ガス浄化用触媒が400℃であった。これらの結果から、予め合成した銅とバナジウムの複合金属酸化物に硫酸セシウムを加えた場合に比べ、銅とバナジウムとセシウムを同時に水溶液中に溶解した後、乾固させて得られた排ガス浄化用触媒の活性は、著しく低下することが判明した。このような理由として、第6比較例における排ガス浄化用触媒では、その製造方法においてセシウムが銅又はバナジウムと反応して触媒活性の低い化合物を生成するためではないかと考えられる。
【0167】
以上の結果から、複合金属酸化物を含む排ガス浄化用触媒の製造方法としては、予め複合金属酸化物のみを合成した後、さらに硫酸塩を添加する必要があることが明らかとなった。
【0168】
(実施例28
排ガス流入口と排ガス流出口が形成されたステンレス製容器内に第68実施例における排ガス浄化フィルタを備えた排ガス浄化装置を、排気量3431ccのディーゼルエンジンの排気系に設置し、ディーゼルエンジンから容器の排ガス流入口までを接続する接続管を断熱材で覆った状態で、ディーゼルエンジンを回転数1500rpm、トルク21kgmの条件で1時間作動させて、容器の排ガス流出口から放出される排ガスの温度を測定した。
【0169】
(実施例29
ディーゼルエンジンから容器の排ガス流入口までを接続する接続管を断熱材で覆わなかったことを除いて、第28実施例と同様な排ガス浄化装置を用いて、排ガス温度の測定を行った。
【0170】
(評価例14)
28実施例における排ガス温度が490℃であったのに対して、第32実施例における排ガス温度は440℃であり、ディーゼルエンジンと容器を接続する接続管を断熱材で覆うことにより、排ガス温度を50℃上昇できることが判った。このように排ガス温度を上昇できることで、排ガス浄化装置にヒーター等の加熱手段を配設しなくても、パティキュレートを排ガス浄化フィルタで燃焼させるために必要な温度を維持することができる。また、排ガスの初期温度が低く、排ガス浄化装置に配設された加熱手段により排ガス又は排ガス浄化フィルタの加熱を行う必要がある場合にも、加熱手段で消費するエネルギーを低減することが可能となる。
【0171】
尚、第28実施例では接続管に断熱材を配設する例を示したが、容器の外周にも同様な断熱材を配設したり、また排ガス浄化装置をディーゼルエンジンマニホールドに近接して配設することにより、同様に第31実施例と同様な効果を得ることができる。
【0172】
参考29
コージェライトのフィルタにシリカゾルを含浸させて乾燥器で乾燥した後、電気炉にて900℃で5時間の焼成をおこないシリカのコーティング層を行う。コーティング層の厚みは1μmにしたものを用意する。得られたフィルタに触媒成分の塩の混合水溶液として硫酸銅と硫酸バナジウムと硫酸セシウムを溶かした水溶液にフィルタを含浸させ、凍結乾燥させた後、電気炉で900℃、5時間の焼成を行って、排ガス浄化用フィルタを作製し、これを第29参考例とした。
【0173】
参考30
シリカのコーティング層の厚みを1μmの代わりに5μmにすることを除いて、第33実施例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第27参考実施例とした。
【0174】
参考31
シリカのコーティング層の厚みを1μmの代わりに10μmにすることを除いて、第26参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第28参考例とした。
【0175】
参考32
シリカのコーティング層の厚みを1μmの代わりに50μmにすることを除いて、第29参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第32参考例とした。
【0176】
参考30
シリカのコーティング層の厚みを1μmの代わりに100μmにすることを除いて、第29参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第33参考例とした。
【0177】
参考34
シリカのコーティング層の厚みを1μmの代わりに500μmにすることを除いて、第29参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第34参考例とした。
【0178】
参考35
シリカのコーティング層の厚みを1μmの代わりに1000μmにすることを除いて、第29参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第35参考例とした。
【0179】
参考36
シリカのコーティング層の厚みを1μmの代わりに0μmにする、つまりコーティングをしないことを除いて、第29参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第36参考例とした。
【0180】
参考37
シリカのコーティング層の代わりにジルコニアのコーティング層にすることを除いて、第29参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第37参考例とした。
【0181】
参考38
シリカのコーティング層の代わりにジルコニアのコーティング層にすることを除いて、第30参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第38参考例とした。
【0182】
参考39
シリカのコーティング層の代わりにジルコニアのコーティング層にすることを除いて、第31参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第39参考例とした。
【0183】
参考40
シリカのコーティング層の代わりにジルコニアのコーティング層にすることを除いて、第32参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第40参考例とした。
【0184】
参考41
シリカのコーティング層の代わりにジルコニアのコーティング層にすることを除いて、第33参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第41参考とした。
【0185】
参考42
シリカのコーティング層の代わりにジルコニアのコーティング層にすることを除いて、第34参考と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第42参考例とした。
【0186】
参考43
シリカのコーティング層の代わりにジルコニアのコーティング層にすることを除いて、第35参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第43参考例とした。
【0187】
参考44
シリカのコーティング層の代わりにチタニアのコーティング層にすることを除いて、第29参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第44参考例とした。
【0188】
参考45
シリカのコーティング層の代わりにチタニアのコーティング層にすることを除いて、第30参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第45参考例とした。
【0189】
参考43
シリカのコーティング層の代わりにチタニアのコーティング層にすることを除いて、第31参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第46参考例とした。
【0190】
参考47
シリカのコーティング層の代わりにチタニアのコーティング層にすることを除いて、第32参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第47参考例とした。
【0191】
参考48
シリカのコーティング層の代わりにチタニアのコーティング層にすることを除いて、第33参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第48参考例とした。
【0192】
参考49
シリカのコーティング層の代わりにチタニアのコーティング層にすることを除いて、第34参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第46参考例とした。
【0193】
参考50
シリカのコーティング層の代わりにチタニアのコーティング層にすることを除いて、第35参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これをとした。
【0194】
参考51
シリカのコーティング層の代わりにシリカアルミナのコーティング層にすることを除いて、第26参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第48参考例とした。
【0195】
参考52
シリカのコーティング層の代わりにシリカアルミナのコーティング層にすることを除いて、第30参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第52参考例とした。
【0196】
参考53
シリカのコーティング層の代わりにシリカアルミナのコーティング層にすることを除いて、第31参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第53参考例とした。
【0197】
参考
シリカのコーティング層の代わりにシリカアルミナのコーティング層にすることを除いて、第32参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第54参考例とした。
【0198】
参考55
シリカのコーティング層の代わりにシリカアルミナのコーティング層にすることを除いて、第33参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第55参考例とした。
【0199】
参考56
シリカのコーティング層の代わりにシリカアルミナのコーティング層にすることを除いて、第34参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第56参考例とした。
【0200】
参考57
シリカのコーティング層の代わりにシリカアルミナのコーティング層にすることを除いて、第35参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第57参考例とした。
【0201】
(評価例15)
29参考例〜第57参考例における排ガス浄化用フィルタについて、評価例11と同様な方法により排ガス浄化試験を行った。
【0202】
ディーゼルエンジンの作動開始からの差圧の変化について図3、図4、図5、図6を用いて説明する。
【0203】
図3、図4、図5、図6はそれぞれ、第29参考例〜第36参考例、第37参考例〜第43参考例、第44参考例〜第50参考例、第51参考例〜第57参考例における各排ガス浄化用フィルタ内の排ガス圧力の大気圧との差圧の経時変化を示す関係図である。図3、図4、図5、図6に示したように、フィルタへのコーティングが無い場合(第36参考例)、ディーゼルエンジンの作動開始から100分程度で差圧上昇が始まり、その後も継続的に差圧が高くなる傾向がみとめられる。また、フィルタへのシリカあるいはジルコニアあるいはチタニアあるいはシリカアルミナのコーティング層の厚みが1μmの排ガス浄化用フィルタ(第29参考例、第37参考例、第44参考例、第51参考例)でも同様にディーゼルエンジンの作動開始から100分程度で差圧上昇が始まり、その後も継続的に差圧が高くなる傾向がみとめられる。つまり、フィルタへのコーティングが無い場合、またはフィルタへのシリカあるいはジルコニアあるいはチタニアあるいはシリカアルミナのコーティング層の厚みが1μmよりも小さくなるとディーゼル排ガスの熱やパティキュレートの反応熱により触媒層の触媒成分の銅、バナジウム、セシウムがコージェライトフィルタへ拡散して触媒の活性が劣化し、捕集された排ガス中のパティキュレートを十分に燃焼して、除去することができなくなる可能性があることが判明した。また、シリカあるいはジルコニアあるいはチタニアあるいはシリカアルミナのコーティング層の厚みが1000μmの排ガス浄化用フィルタではディーゼルエンジンの作動開始から10分間程度までの初期段階で差圧が300mmHgまで達したことから、コーティング層の厚みが1000μmよりも大きくなると、背圧が大きくなってディーゼルエンジンへの過大な負荷を与える可能性があることが明らかとなった。
【0204】
これらの結果から、排ガス浄化用フィルタにおけるフィルタと触媒層との中間層としてのシリカあるいはジルコニアあるいはチタニアあるいはシリカアルミナのコーティング層の好ましい厚みは、1μm〜1000μmであり、コーティングをすることにより触媒成分の銅、バナジウム、セシウムがフィルタへ拡散することを防ぐことが判った。
【0205】
参考58
コージェライトのフィルタにシリカゾルを含浸させて乾燥器で乾燥した後、電気炉にて900℃で5時間の焼成をおこないシリカのコーティングを行う。コーティング層の厚みは1μmにしたものを用意する。得られたフィルタに触媒成分の塩の混合水溶液として酢酸ランタン、酢酸ストロンチウム、酢酸コバルトをモル比で0.9:0.1:1を溶かした水溶液にフィルタを含浸させ、凍結乾燥させた後、電気炉で900℃、5時間の焼成を行って、触媒LaSrCoO3を担持した排ガス浄化用フィルタを作製し、これを第58参考例とした。
【0206】
参考59
シリカのコーティング層の厚みを1μmの代わりに5μmにすることを除いて、第58参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第59参考例とした。
【0207】
参考60
シリカのコーティング層の厚みを1μmの代わりに10μmにすることを除いて、第58参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第57参考例とした。
【0208】
参考61
シリカのコーティング層の厚みを1μmの代わりに50μmにすることを除いて、第58参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第61参考例とした。
【0209】
参考62
シリカのコーティング層の厚みを1μmの代わりに100μmにすることを除いて、第55参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第62参考例とした。
【0210】
参考63
シリカのコーティング層の厚みを1μmの代わりに500μmにすることを除いて、第58参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第63参考例とした。
【0211】
参考64
シリカのコーティング層の厚みを1μmの代わりに1000μmにすることを除いて、第58参考例実施例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第64参考例とした。
【0212】
参考65
シリカのコーティング層の厚みを1μmの代わりに0μmにする、つまりコーティングをしないことを除いて、第58参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第65参考例とした。
【0213】
参考66
シリカのコーティング層の代わりにジルコニアのコーティング層にすることを除いて、第58参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第66参考例とした。
【0214】
参考67
シリカのコーティング層の代わりにジルコニアのコーティング層にすることを除いて、第59参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第67参考例とした。
【0215】
参考68
シリカのコーティング層の代わりにジルコニアのコーティング層にすることを除いて、第60参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第68参考例とした。
【0216】
参考69
シリカのコーティング層の代わりにジルコニアのコーティング層にすることを除いて、第61参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第69参考例とした。
【0217】
参考70
シリカのコーティング層の代わりにジルコニアのコーティング層にすることを除いて、第62参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第70参考例とした。
【0218】
参考71
シリカのコーティング層の代わりにジルコニアのコーティング層にすることを除いて、第63参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第71参考例とした。
【0219】
参考72
シリカのコーティング層の代わりにジルコニアのコーティング層にすることを除いて、第64参考例と同様な方法により排ガス浄化用触媒を作製し、これを第72参考例とした。
【0220】
(評価例16)
58参考例〜第72参考例における排ガス浄化用フィルタについて、評価例11と同様な方法により排ガス浄化試験を行った。
【0221】
ディーゼルエンジンの作動開始からの差圧の変化について図7、図8を用いて説明する。
【0222】
図7、図8はそれぞれ、第58参考例〜第65参考例、第65参考例〜第72参考例における各排ガス浄化用フィルタ内の排ガス圧力の大気圧との差圧の経時変化を示す関係図である。図7、図8に示したように、フィルタへのコーティングが無い場合(第65参考例)、ディーゼルエンジンの作動開始から100分程度で差圧上昇が始まり、その後も継続的に差圧が高くなる傾向がみとめられる。また、フィルタへのシリカあるいはジルコニアのコーティング層の厚みが1μmの排ガス浄化用フィルタ(第58参考例、第66参考例)でも同様にディーゼルエンジンの作動開始から100分程度で差圧上昇が始まり、その後も継続的に差圧が高くなる傾向がみとめられる。つまり、フィルタへのコーティングが無い場合、またはフィルタへのシリカあるいはジルコニアのコーティング層の厚みが1μmよりも小さくなるとディーゼル排ガスの熱やパティキュレートの反応熱により触媒層の触媒成分が、コージェライトフィルタへ拡散して触媒の活性が劣化し、捕集された排ガス中のパティキュレートを十分に燃焼して、除去することができなくなる可能性があることが判明した。また、シリカあるいはジルコニアのコーティング層の厚みが1000μmの排ガス浄化用フィルタではディーゼルエンジンの作動開始から10分間程度までの初期段階で差圧が300mmHgまで達したことから(第64参考例、第72参考例)、コーティング層の厚みが1000μmよりも大きくなると、背圧が大きくなってディーゼルエンジンへの過大な負荷を与える可能性があることが明らかとなった。
【0223】
これらの結果から、排ガス浄化用フィルタにおけるフィルタと触媒層との中間層としてのシリカあるいはジルコニアのコーティング層の好ましい厚みは、1μm〜1000μmであり、コーティングをすることにより触媒成分がフィルタへ拡散することを防ぐことが判った。本実施例では触媒成分としてランタン、ストロンチウム、コバルトを用いたが他の触媒成分でも同様な効果が期待できる。
【0224】
参考73
コージェライトのフィルタを濃度1%のフッ酸に6時間含浸し、乾燥器で乾燥した後、触媒成分の塩の混合水溶液として硫酸銅と硫酸バナジウムと硫酸セシウムを溶かした水溶液にフィルタを含浸させ、凍結乾燥させた後、電気炉で900℃、5時間の焼成を行って、排ガス浄化用フィルタを作製し、これを第73参考例とした。
【0225】
参考74
コージェライトのフィルタを粒径2ミクロンと0.4ミクロンのシリカ混合粒子を蒸留水に懸濁させたものに含浸させ、フィルタに対して5重量%のシリカ粒子を付着させた後、触媒成分の塩の混合水溶液として硫酸銅と硫酸バナジウムと硫酸セシウムを溶かした水溶液にフィルタを含浸させ、凍結乾燥させた後、電気炉で900℃、5時間の焼成を行って、排ガス浄化用フィルタを作製し、これを第74参考例とした。
【0226】
(評価例17)
36参考例と第73参考例〜第74参考例おける排ガス浄化用フィルタについて、評価例11と同様な方法により排ガス浄化試験を行った。
【0227】
ディーゼルエンジンの作動開始からの差圧の変化について図9、図10を用いて説明する。
【0228】
図9、図10はそれぞれ第36参考例、第73参考例〜第74参考例における各排ガス浄化用フィルタ内の排ガス圧力の大気圧との差圧の経時変化を示す関係図である。図9、図10に示したように、フィルタのフッ酸処理あるいはシリカ粒子の担持が無い場合(第65実施例)、ディーゼルエンジンの作動開始から100分程度で差圧上昇が始まり、その後も継続的に差圧が高くなる傾向がみとめられる。また、フィルタを予めフッ酸処理を施したもの(第73参考例)またはフィルタに予め粒状のシリカを担持させたもの(第74参考例)は差圧の上昇が抑えられているのがわかる。これはフィルタをフッ酸処理することで触媒と排ガス中のパティキュレートとの接点が増加し、燃焼速度が高められたことによるものと考えられる。本実施例ではフィルタの酸処理としてフッ酸を用いたが他の酸でも同様な効果が期待できる。またフィルタに設けた粒状のシリカの代わりに粒状の耐熱性の無機材料であれば同様な効果が期待できる。
【0229】
参考75
コージェライトのフィルタを濃度1%のフッ酸に6時間含浸し、乾燥器で乾燥した後、得られたフィルタに触媒成分の塩の混合水溶液として酢酸ランタン、酢酸ストロンチウム、酢酸コバルトをモル比で0.9:0.1:1を溶かした水溶液にフィルタを含浸させ、凍結乾燥させた後、電気炉で900℃、5時間の焼成を行って、触媒LaSrCoO3を担持した排ガス浄化用フィルタを作製しこれを第75参考例とした。
【0230】
(評価例18)
65参考例と第75参考例における排ガス浄化用フィルタについて、評価例11と同様な方法により排ガス浄化試験を行った。
【0231】
ディーゼルエンジンの作動開始からの差圧の変化について図11を用いて説明する。
【0232】
図11は第65参考例、第75参考例における各排ガス浄化用フィルタ内の排ガス圧力と大気圧との差圧の経時変化を示す関係図である。図11に示したように、フィルタのフッ酸処理が無い場合(第65参考例)、ディーゼルエンジンの作動開始から100分程度で差圧上昇が始まり、その後も継続的に差圧が高くなる傾向がみとめられる。また、フィルタを予めフッ酸処理を施したもの(第75参考例)は差圧の上昇が抑えられているのがわかる。これはフィルタをフッ酸処理することで触媒と排ガス中のパティキュレートとの接点が増加し、燃焼速度が高められたことによるものと考えられる。本実施例では触媒成分としてランタン、ストロンチウム、コバルトを用いたが他の触媒成分でも同様な効果が期待できる。
【0233】
(実施例30
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸リチウムをモル比が4.95:2:0.05となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu4.952Li0.0510-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。αは−0.04<α<+0.1の値を表す(以下同様)。
【0234】
(実施例31
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸ナトリウムをモル比が4.95:2:0.05となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu4.952Na0.0510-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0235】
(実施例32
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸カリウムをモル比が4.95:2:0.05となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu4.9520.0510-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0236】
(実施例33
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸ルビジウムをモル比が4.95:2:0.05となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu4.952Rb0.0510-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0237】
(実施例34
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸セシウムをモル比が4.95:2:0.05となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu4.952Cs0.0510-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0238】
(実施例35
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸ベリリウムをモル比が4.95:2:0.05となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu4.952Be0.0510-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0239】
(実施例36
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸マグネシウムをモル比が4.95:2:0.05となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu4.952Mg0.0510-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0240】
(実施例37
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸カルシウムをモル比が4.95:2:0.05となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu4.952Ca0.0510-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0241】
(実施例38
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸ストロンチウムをモル比が4.95:2:0.05となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu4.952Sr0.0510-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0242】
(実施例39
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸バリウムをモル比が4.95:2:0.05となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu4.952Ba0.0510-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0243】
(実施例40
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸スカンジウムをモル比が4.95:2:0.05となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu4.952Sc0.0510-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0244】
(実施例41
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸チタンをモル比が4.95:2:0.05となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu4.952Ti0.0510-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0245】
(実施例42
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸クロムをモル比が4.95:2:0.05となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu4.952Cr0.0510-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0246】
(実施例43
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸マンガンをモル比が4.95:2:0.05となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu4.952Mn0.0510-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0247】
(実施例44
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸鉄をモル比が4.95:2:0.05となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu4.952Fe0.0510-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0248】
(実施例45
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸コバルトをモル比が4.95:2:0.05となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu4.952Co0.0510-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0249】
(実施例46
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸ニッケルをモル比が4.95:2:0.05となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu4.952Ni0.0510-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0250】
(実施例47
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸亜鉛をモル比が4.95:2:0.05となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu4.952Zn0.0510-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0251】
(実施例48
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸ガリウムをモル比が4.95:2:0.05となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu4.952Ga0.0510-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0252】
(実施例49
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸ゲルマニウムをモル比が4.95:2:0.05となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu4.952Ge0.0510-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0253】
(実施例50
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸ジルコニウムをモル比が4.95:2:0.05となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu4.952Zr0.0510-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0254】
(実施例51
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸ニオブをモル比が4.95:2:0.05となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu4.952Nb0.0510-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0255】
(実施例52
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸モリブデンをモル比が4.95:2:0.05となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu4.952Mo0.0510-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0256】
(実施例53
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸タンタルをモル比が4.95:2:0.05となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu4.952Ta0.0510-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0257】
(実施例54
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸タングステンをモル比が4.95:2:0.05となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu4.9520.0510-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0258】
(評価例19)
30実施例〜第54実施例における排ガス浄化触媒について、第1評価例と同様な方法により燃焼実験を行った。
【0259】
30実施例〜第54実施例における排ガス浄化用触媒の10%燃焼温度を実験例5とともに(表11)に示した。
【0260】
【表11】
Figure 0003690070
【0261】
(表11)に示したように、複合金属酸化物の銅の一部を他の金属で置換させた場合10%燃焼温度が低下し、活性が向上することがわかった。本実施例では複合金属化合物としてCu5210を用いたが、他の銅−バナジウム複合化合物でも同様な効果が期待できる。
【0262】
(実施例55
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸リチウムをモル比が5:1.98:0.02となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu51.98Li0.0210-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0263】
(実施例56
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸ナトリウムをモル比が5:1.98:0.02となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu51.98Na0.0210-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0264】
(実施例57
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸カリウムをモル比が5:1.98:0.02となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu51.980.0210-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0265】
(実施例58
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸ルビジウムをモル比が5:1.98:0.02となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu51.98Rb0.0210-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0266】
(実施例59
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸セシウムをモル比が5:1.98:0.02となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu51.98Cs0.0210-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0267】
(実施例60
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸ベリリウムをモル比が5:1.98:0.02となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu5198Be0.0210-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0268】
(実施例61
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸マグネシウムをモル比が5:1.98:0.02となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu51.98Mg0.0210-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0269】
(実施例62
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸カルシウムをモル比が5:1.98:0.02となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu5198Ca0.0210-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0270】
(実施例63
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸ストロンチウムをモル比が5:1.98:0.02となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu51.98Sr0.0210-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0271】
(実施例64
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸バリウムをモル比が5:1.98:0.02となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu51.98Ba0.0210-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0272】
(実施例65
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸スカンジウムをモル比が5:1.98:0.02となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu51.98Sc0.0210-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0273】
(実施例66
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸チタンをモル比が5:1.98:0.02となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu51.98Ti0.0210-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0274】
(実施例67
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸クロムをモル比が5:1.98:0.02となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu5198Cr0.0210-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0275】
(実施例68
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸マンガンをモル比が5:1.98:0.02となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu51.98Mn0.0210-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0276】
(実施例69
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸鉄をモル比が5:1.98:0.02となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu51.98Fe0.0210-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0277】
(実施例70
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸コバルトをモル比が5:1.98:0.02となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu51.98Co0.0210-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0278】
(実施例71
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸ニッケルをモル比が5:1.98:0.02となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu51.98Ni0.0210-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0279】
(実施例72
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸亜鉛をモル比が5:1.98:0.02となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu51.98Zn0.0210-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0280】
(実施例73
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸ガリウムをモル比が5:1.98:0.02となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu51.98Ga0.0210-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0281】
(実施例74
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸ゲルマニウムをモル比が5:1.98:0.02となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu51.98Ge0.0210-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0282】
(実施例75
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸ジルコニウムをモル比が5:1.98:0.02となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu51.98Zr0.0210-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0283】
(実施例76
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸ニオブをモル比が5:1.98:0.02となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu51.98Nb0.0210-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0284】
(実施例77
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸モリブデンをモル比が5:1.98:0.02となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu51.98Mo0.0210-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0285】
(実施例78
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸タンタルをモル比が5:1.98:0.02となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900で5時間熱処理して、理論組成Cu51.98Ta0.0210-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0286】
(実施例79
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸タングステンをモル比が5:1.98:0.02となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成Cu51.980.0210-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0287】
(評価例20)
55実施例〜第79実施例における排ガス浄化触媒について、第1評価例と同様な方法により燃焼実験を行った。
【0288】
55実施例〜第79実施例における排ガス浄化用触媒の10%燃焼温度を実験例5とともに(表12)に示した。
【0289】
【表12】
Figure 0003690070
【0290】
(表12)に示したように、複合金属酸化物のバナジウムの一部を他の金属で置換させた場合10%燃焼温度が低下し、活性が向上することがわかった。本実施例では複合金属化合物としてCu5210を用いたが、他の銅−バナジウム複合化合物でも同様な効果が期待できる。
【0291】
参考76
硫酸銅とモリブデン酸アンモニウムと硝酸リチウムをモル比が1:0.99:0.01となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成CuMo0.99Li0.014-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0292】
参考77
硫酸銅とモリブデン酸アンモニウムと硝酸ナトリウムをモル比が1:0.99:0.01となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成CuMo0.99Na0.014-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0293】
参考78
硫酸銅とモリブデン酸アンモニウムと硝酸カリウムをモル比が1:0.99:0.01となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成CuMo0.990.014-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0294】
参考79
硫酸銅とモリブデン酸アンモニウムと硝酸ルビジウムをモル比が1:0.99:0.01となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成CuMo0.99Rb0.014-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0295】
参考80
硫酸銅とモリブデン酸アンモニウムと硝酸セシウムをモル比が1:0.99:0.01となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成CuMo0.99Cs0.014-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0296】
参考81
硫酸銅とモリブデン酸アンモニウムと硝酸ベリリウムをモル比が1:0.99:0.01となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成CuMo0.99Be0.014-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0297】
参考82
硫酸銅とモリブデン酸アンモニウムと硝酸マグネシウムをモル比が1:0.99:0.01となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成CuMo0.99Mg0.014-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0298】
参考83
硫酸銅とモリブデン酸アンモニウムと硝酸カルシウムをモル比が1:0.99:0.01となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成CuMo0.99Ca0.014-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0299】
参考84
硫酸銅とモリブデン酸アンモニウムと硝酸ストロンチウムをモル比が1:0.99:0.01となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成CuMo0.99Sr0.014-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0300】
参考85
硫酸銅とモリブデン酸アンモニウムと硝酸バリウムをモル比が1:0.99:0.01となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成CuMo0.99Ba0.014-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0301】
参考86
硫酸銅とモリブデン酸アンモニウムと硝酸スカンジウムをモル比が1:0.99:0.01となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成CuMo0.99Sc0.014-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0302】
参考87
硫酸銅とモリブデン酸アンモニウムと硝酸チタンをモル比が1:0.99:0.01となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成CuMo0.99Ti0.014-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0303】
参考88
硫酸銅とモリブデン酸アンモニウムと硝酸バナジウムをモル比が1:0.99:0.01となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成CuMo0.990.014-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0304】
参考89
硫酸銅とモリブデン酸アンモニウムと硝酸クロムをモル比が1:0.99:0.01となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成CuMo0.99Cr0.014-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0305】
参考90
硫酸銅とモリブデン酸アンモニウムと硝酸マンガンをモル比が1:0.99:0.01となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成CuMo0.99Mn0.014-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0306】
参考91
硫酸銅とモリブデン酸アンモニウムと硝酸鉄をモル比が1:0.99:0.01となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成CuMo0.99Fe0.014-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0307】
参考92
硫酸銅とモリブデン酸アンモニウムと硝酸コバルトをモル比が1:0.99:0.01となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成CuMo0.99Co0.014-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0308】
参考93
硫酸銅とモリブデン酸アンモニウムと硝酸ニッケルをモル比が1:0.99:0.01となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成CuMo0.99Ni0.014-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0309】
参考94
硫酸銅とモリブデン酸アンモニウムと硝酸銅をモル比が1:0.99:0.01となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成CuMo0.99Cu0.014-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0310】
参考95
硫酸銅とモリブデン酸アンモニウムと硝酸亜鉛をモル比が1:0.99:0.01となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成CuMo0.99Zn0.014-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0311】
参考96
硫酸銅とモリブデン酸アンモニウムと硝酸ガリウムをモル比が1:0.99:0.01となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成CuMo0.99Ga0.014-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0312】
参考97
硫酸銅とモリブデン酸アンモニウムと硝酸ゲルマニウムをモル比が1:0.99:0.01となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成CuMo0.99Ge0.014-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0313】
参考98
硫酸銅とモリブデン酸アンモニウムと硝酸ジルコニウムをモル比が1:0.99:0.01となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成CuMo0.99Zr0.014-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0314】
参考99
硫酸銅とモリブデン酸アンモニウムと硝酸ニオブをモル比が1:0.99:0.01となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成CuMo0.99Nb0.014-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0315】
参考100
硫酸銅とモリブデン酸アンモニウムと硝酸タンタルをモル比が1:0.99:0.01となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成CuMo0.99Ta0.014-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0316】
参考101
硫酸銅とモリブデン酸アンモニウムと硝酸タングステンをモル比が1:0.99:0.01となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成CuMo0.990.014-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0317】
(評価例21)
76参考例〜第101参考例における排ガス浄化触媒について、第1評価例と同様な方法により燃焼実験を行った。
【0318】
76参考例〜第101参考例における排ガス浄化用触媒の10%燃焼温度を実験例10とともに(表13)に示した。
【0319】
【表13】
Figure 0003690070
【0320】
(表13)に示したように、複合金属酸化物のモリブデンの一部を他の金属で置換させた場合10%燃焼温度が低下し、活性が向上することがわかった。本実施例では複合金属化合物としてCuMoO4を用いたが、他の銅−モリブデン複合化合物でも同様な効果が期待できる。
【0321】
(実施例80
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸リチウムをモル比が4.9995:2:0.0005となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成がCu4.99952Li0.000510-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0322】
(実施例81
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸リチウムをモル比が4.995:2:0.005となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成がCu4.9952Li0.00510-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0323】
(実施例82
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸リチウムをモル比が3.5:2:1.5となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成がCu3.52Li1.510-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0324】
(実施例83
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸リチウムをモル比が2.5:2:2.5となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成がCu2.52Li2.510-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0325】
(実施例84
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸リチウムをモル比が2:2:3となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成がCu22Li310-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0326】
(評価例22)
80実施例〜第84実施例における排ガス浄化触媒について、第1評価例と同様な方法により燃焼実験を行った。
【0327】
80実施例〜第84実施例における排ガス浄化用触媒の10%燃焼温度を実験例5、実施例30とともに(表14)に示した。
【0328】
【表14】
Figure 0003690070
【0329】
(表14)に示したように、複合金属酸化物の銅のリチウム金属による置換率が0.001%よりも小さくなると原子価制御の効果が見られなくなり、0.3%よりも大きくなると金属酸化物の構造自体が変化してしまい活性が劣化してしまうため、いずれも好ましくない。また、置換率が0.0001%よりも小さくなると、また0.5よりも大きくなると、上記の傾向が著しくなるため特に好ましくないことがわかった。本実施例では置換金属としてリチウムを用いたが他の置換金属でも同様な効果が期待できる。
【0330】
(実施例85
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸リチウムをモル比が5:1.9998:0.0002となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成がCu51.9998Li0.000210-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0331】
(実施例86
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸リチウムをモル比が5:1.998:0.002となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成がCu51.998Li0.00210-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0332】
(実施例87
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸リチウムをモル比が5:1.4:0.6となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成がCu51.4Li0.610-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0333】
(実施例88
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸リチウムをモル比が5:1:1となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成がCu51Li110-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0334】
(実施例89
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸リチウムをモル比が5:0.8:1.2となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成がCu50.8Li1.210-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0335】
(評価例23)
85実施例〜第89実施例における排ガス浄化触媒について、第1評価例と同様な方法により燃焼実験を行った。
【0336】
85実施例〜第89実施例における排ガス浄化用触媒の10%燃焼温度を実験例5、実施例55とともに(表15)に示した。
【0337】
【表15】
Figure 0003690070
【0338】
(表15)に示したように、複合金属酸化物のバナジウムのリチウム金属による置換率が0.001%よりも小さくなると原子価制御の効果が見られなくなり、0.3%よりも大きくなると金属酸化物の構造自体が変化してしまい活性が劣化してしまうため、いずれも好ましくない。また、置換率が0.0001%よりも小さくなると、また0.5よりも大きくなると、上記の傾向が著しくなるため特に好ましくないことがわかった。本実施例では置換金属としてリチウムを用いたが他の置換金属でも同様な効果が期待できる。
【0339】
参考102
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸リチウムをモル比が1:0.9999:0.0001となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成がCuMo0.9999Li0.00014-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0340】
参考103
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸リチウムをモル比が1:0.999:0.001となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成がCuMo0.999Li0.0014-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0341】
(実施例90
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸リチウムをモル比が1:0.7:0.3となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成がCuV0.7Li0.34-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0342】
(実施例91
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸リチウムをモル比が1:0.5:0.5となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成がCuV0.5Li0.54-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0343】
(実施例92
硫酸銅と酸化硫酸バナジウムと硝酸リチウムをモル比が1:0.4:0.6となるように、水に混合溶解した後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して、理論組成がCuV0.4Li0.64-αで与えられる複合金属酸化物を作製した。
【0344】
(評価例24)
102、103参考例と第90〜92実施例における排ガス浄化触媒について、第1評価例と同様な方法により燃焼実験を行った。
【0345】
102、103参考例と第90〜92実施例における排ガス浄化用触媒の10%燃焼温度を実験例10、参考76とともに(表16)に示した。
【0346】
【表16】
Figure 0003690070
【0347】
(表16)に示したように、複合金属酸化物のモリブデンのリチウム金属による置換率が0.001%よりも小さくなると原子価制御の効果が見られなくなり、0.3%よりも大きくなると金属酸化物の構造自体が変化してしまい活性が劣化してしまうため、いずれも好ましくない。また、置換率が0.0001%よりも小さくなると、また0.5よりも大きくなると、上記の傾向が著しくなるため特に好ましくないことがわかった。本実施例では置換金属としてリチウムを用いたが他の置換金属でも同様な効果が期待できる。
【0348】
(実施例93
硫酸セシウムと硫酸リチウムを溶かした水溶液に酸化銅の粉末をモル比65:35:100(Cs:Li:Cu)で懸濁させた後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して排ガス浄化用触媒を得た。
【0349】
(実施例94
硫酸セシウムと硫酸ナトリウムを溶かした水溶液に酸化銅の粉末をモル比65:35:100(Cs:Na:Cu)で懸濁させた後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して排ガス浄化用触媒を得た。
【0350】
(実施例95
硫酸セシウムと硫酸カリウムを溶かした水溶液に酸化銅の粉末をモル比65:35:100(Cs:K:Cu)で懸濁させた後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して排ガス浄化用触媒を得た。
【0351】
(実施例96
硫酸セシウムと硫酸ルビジウムを溶かした水溶液に酸化銅の粉末をモル比65:35:100(Cs:Rb:Cu)で懸濁させた後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して排ガス浄化用触媒を得た。
【0352】
(実施例97
硫酸セシウムと硫酸ベリリウムを溶かした水溶液に酸化銅の粉末をモル比65:35:100(Cs:Be:Cu)で懸濁させた後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して排ガス浄化用触媒を得た。
【0353】
(実施例98
硫酸セシウムと硫酸マグネシウムを溶かした水溶液に酸化銅の粉末をモル比65:35:100(Cs:Mg:Cu)で懸濁させた後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して排ガス浄化用触媒を得た。
【0354】
(実施例99
硫酸セシウムと硫酸カルシウムを溶かした水溶液に酸化銅の粉末をモル比65:35:100(Cs:Ca:Cu)で懸濁させた後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して排ガス浄化用触媒を得た。
【0355】
(実施例100
硫酸セシウムと硫酸ストロンチウムを溶かした水溶液に酸化銅の粉末をモル比65:35:100(Cs:Sr:Cu)で懸濁させた後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して排ガス浄化用触媒を得た。
【0356】
(実施例101
硫酸セシウムと硫酸バリウムを溶かした水溶液に酸化銅の粉末をモル比65:35:100(Cs:Ba:Cu)で懸濁させた後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理してガス浄化用触媒を得た。
【0357】
(評価例25)
93実施例〜第101実施例における排ガス浄化触媒について、第1評価例と同様な方法により燃焼実験を行った。
【0358】
93実施例〜第101実施例における排ガス浄化用触媒の10%燃焼温度を参考例1とともに(表17)に示した。
【0359】
【表17】
Figure 0003690070
【0360】
(表17)に示したように、酸化銅に加える硫酸塩として硫酸セシウムだけを加えるよりも硫酸セシウムと硫酸アルカリ金属または硫酸アルカリ土類金属を加えると活性の向上が見られる。とくに硫酸セシウムと硫酸カリウムの場合が特に活性の向上が大きいことがわかった。本実施例では金属酸化物として酸化銅を用いたが他の金属酸化物を用いても同様な効果が期待できる。
【0361】
(実施例102
硫酸セシウムと硫酸カリウムを溶かした水溶液に酸化銅の粉末をモル比90:10:100(Cs:K:Cu)で懸濁させた後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して排ガス浄化用触媒を得た。
【0362】
(実施例103
硫酸セシウムと硫酸カリウムを溶かした水溶液に酸化銅の粉末をモル比80:20:100(Cs:K:Cu)で懸濁させた後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して排ガス浄化用触媒を得た。
【0363】
(実施例104
硫酸セシウムと硫酸カリウムを溶かした水溶液に酸化銅の粉末をモル比40:60:100(Cs:K:Cu)で懸濁させた後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して排ガス浄化用触媒を得た。
【0364】
(実施例105
硫酸セシウムと硫酸カリウムを溶かした水溶液に酸化銅の粉末をモル比30:70:100(Cs:K:Cu)で懸濁させた後、水分を蒸発させ乾固させてから、電気炉内で900℃で5時間熱処理して排ガス浄化用触媒を得た。
【0365】
(評価例26)
102実施例〜第105実施例における排ガス浄化触媒について、第1評価例と同様な方法により燃焼実験を行った。
【0366】
102実施例〜第105実施例における排ガス浄化用触媒の10%燃焼温度を参考例1、参考例4、実施例95とともに(表18)に示した。
【0367】
【表18】
Figure 0003690070
【0368】
(表18)に示したように、酸化銅に加える硫酸塩として硫酸セシウムと硫酸カリウムを加えた場合、硫酸セシウムと硫酸カリウムのモル比がが8:2よりも大きくなる、もしくは4:6より小さくなると融点の低下が見られなくなり好ましくなく、また、モル比が9:1よりも大きくなる、もしくは3:7よりも小さくなると、上記の傾向が著しくなるため特に好ましくないことがわかった。
【0369】
【発明の効果】
以上のように本発明の排ガス浄化用触媒によれば、パティキュレートの燃焼に高い触媒活性を有し、耐熱性や硫黄酸化物に対する耐被毒性に優れた排ガス浄化用触媒を提供できることから、排ガス温度に近い低温で排ガス中のパティキュレートを燃焼除去できるとともに、長期間にわたって高い触媒活性を維持することができるという優れた効果が得られる。
【0370】
また、本発明の排ガス浄化用触媒の製造方法によれば、パティキュレートの燃焼に高い触媒活性を有し、耐熱性や硫黄酸化物に対する耐被毒性に優れた排ガス浄化用触媒を簡便にかつ量産性よく製造できることから、触媒作用及び耐久性に優れた排ガス浄化用触媒を低コストで量産することができるという優れた効果が得られる。
【0371】
また、本発明の排ガス浄化フィルタによれば、排ガス浄化率が高くかつ耐久性に優れた排ガス浄化フィルタを提供することができるという優れた効果が得られる。
【0372】
また、本発明の排ガス浄化装置によれば、構成が簡単で排ガス浄化特性に優れた排ガス浄化装置を提供することができるという優れた効果が得られる。
【0373】
また、本発明ほ排ガス浄化フィルタによれば、フィルタに担持された触媒成分が熱によりフィルタ内部に拡散して触媒活性が劣化することを抑制する効果が得られる。
【0374】
また、本発明の排ガス浄化フィルタによれば、フィルタに担持させた触媒と除去すべき排ガス成分との接点を増加させることができ燃焼除去速度を増加させるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第20実施例〜第25実施例における各排ガス浄化フィルタ内の排ガス圧力と大気圧との差圧の経時変化を示す関係図
【図2】 第26実施例及び第5比較例における各排ガス浄化フィルタ内の排ガス圧力と大気圧との差圧の経時変化を示す関係図
【図3】 第29参考例〜第36参考例における各排ガス浄化フィルタ内の排ガス圧力と大気圧との差圧の経時変化を示す関係図
【図4】 第36参考例、第37参考例〜第43参考例における各排ガス浄化フィルタ内の排ガス圧力と大気圧との差圧の経時変化を示す関係図
【図5】 第36参考例、第44参考例〜第50参考例における各排ガス浄化フィルタ内の排ガス圧力と大気圧との差圧の経時変化を示す関係図
【図6】 第36参考例、第51参考例〜第57参考例における各排ガス浄化フィルタ内の排ガス圧力と大気圧との差圧の経時変化を示す関係図
【図7】 第58参考例〜第65参考例における各排ガス浄化フィルタ内の排ガス圧力と大気圧との差圧の経時変化を示す関係図
【図8】 第65参考例〜第72参考例における各排ガス浄化フィルタ内の排ガス圧力と大気圧との差圧の経時変化を示す関係図
【図9】 第36参考例、第73参考例における各排ガス浄化フィルタ内の排ガス圧力と大気圧との差圧の経時変化を示す関係図
【図10】 第36参考例、第74参考例における各排ガス浄化フィルタ内の排ガス圧力と大気圧との差圧の経時変化を示す関係図
【図11】 第65参考例、第75参考例における各排ガス浄化フィルタ内の排ガス圧力と大気圧との差圧の経時変化を示す関係図

Claims (26)

  1. 銅とバナジウムの複合金属酸化物と、Li、Na、K、Rb、Csの内の1つ以上のアルカリ金属から構成される硫酸塩及び/又はBe、Mg、Ca、Sr、Baの内の1つ以上のアルカリ土類金属から構成される硫酸塩と、を含むことを特徴とする排ガス浄化用触媒。
  2. 前記硫酸塩が硫酸セシウムであることを特徴とする請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
  3. 前記複合金属酸化物における銅:バナジウムのモル比が、1:1から4:1であることを特徴とする請求項1または2に記載の排ガス浄化用触媒。
  4. 前記複合金属酸化物が、CuVO3、Cu328、Cu5210の1つ以上からなることを特徴とする請求項1、2又は3の内のいずれか1に記載の排ガス浄化用触媒。
  5. Pt、Pd、Rhの1つ以上の貴金属を含むことを特徴とする請求項1〜4の内のいずれか1に記載の排ガス浄化用触媒。
  6. 硫酸塩水溶液に複合金属酸化物の粉末を混合、懸濁させる混合工程と、前記混合工程により得られた懸濁溶液を乾固させて得られる混合粉末を熱処理する熱処理工程と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の排ガス浄化用触媒の製造方法。
  7. ハニカム状又は板状のセラミックフィルタと、前記セラミックフィルタ上に担持された請求項1〜5の内のいずれか1に記載の排ガス浄化用触媒と、を有することを特徴とする排ガス浄化フィルタ。
  8. 前記セラミックフィルタに対する前記排ガス浄化用触媒の重量比が、10wt%〜40wt%であることを特徴とする請求項7記載の排ガス浄化フィルタ。
  9. ハニカム状又は板状のセラミックフィルタと、前記セラミックフィルタ上に設けられたシリカ、ジルコニア、チタニア、シリカアルミナの少なくとも1つ以上と、前記コーティング層の上に担持された請求項1〜5の内のいずれか1に記載の排ガス浄化用触媒と、を有することを特徴とする排ガス浄化フィルタ。
  10. ハニカム状又は板状のセラミックスフィルタを酸で処理をし、前記セラミックフィルタ上に請求項1〜5の内のいずれか1に記載の排ガス浄化触媒を担持することを特徴とする排ガス浄化フィルタ。
  11. ハニカム状又は板状のセラミックフィルタと、前記セラミックフィルタ上に設けられた耐熱性の無機材料と、前記耐熱性の無機材料上に担持された請求項1〜5の内のいずれか1に記載の排ガス浄化用触媒と、を有することを特徴とする排ガス浄化フィルタ。
  12. 請求項7〜11の内のいずれか1に記載の排ガス浄化フィルタと、前記排ガス浄化フィルタを収納する容器と、前記容器の一側部に形成された排ガス流入口と、前記容器の他側部に形成された排ガス流出口と、を備えたことを特徴とする排ガス浄化装置。
  13. 前記容器に接近して配設された加熱手段を有することを特徴とする請求項12に記載の排ガス浄化装置。
  14. 前記容器及び/又は前記排ガス流入口とエンジンを接続する接続管の周囲に配設された断熱手段を有することを特徴とする請求項13に記載の排ガス浄化装置。
  15. 前記排ガス浄化装置がエンジンマニホールドに近接して配設されていることを特徴とする請求項12〜14の内のいずれか1に記載の排ガス浄化装置。
  16. 排ガス浄化触媒に含まれる銅の一部をLi、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、Ta、Wで置換したことを特徴とする請求項1乃至5の内のいずれか1に記載の排ガス浄化用触媒。
  17. 排ガス浄化触媒に含まれる銅の一部をLi、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、Ta、Wで置換したことを特徴とするに請求項8乃至11の内いずれか1に記載の排ガス浄化フィルタ。
  18. 排ガス浄化触媒に含まれる銅の一部をLi、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、Ta、Wで置換したことを特徴とする請求項12乃至15の内いずれか1に記載の排ガス浄化装置。
  19. 排ガス浄化触媒に含まれるバナジウムの一部をLi、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、Ta、Wで置換したことを特徴とする請求項1乃至5の内のいずれか1に記載の排ガス浄化用触媒。
  20. 排ガス浄化触媒に含まれるバナジウムの一部をLi、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、Ta、Wで置換したことを特徴とするに請求項8乃至11の内いずれか1に記載の排ガス浄化フィルタ。
  21. 排ガス浄化触媒に含まれるバナジウムの一部をLi、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、Ta、Wで置換したことを特徴とする請求項12乃至15の内いずれか1に記載の排ガス浄化装置。
  22. 請求項16乃至18記載の排ガス浄化触媒における置換金属の置換率が銅に対して0.001%〜0.3%であることを特徴とする排ガス浄化触媒。
  23. 請求項19に記載の排ガス浄化触媒、請求項20に記載の排ガス浄化フィルタの排ガス浄化触媒、請求項21記載の排ガス浄化装置の排ガス浄化触媒における置換金属の置換率がバナジウムに対して0.001%〜0.3%であることを特徴とする排ガス浄化用触媒。
  24. 求項1乃至5、請求項16、請求項19、請求項22、23に記載の排ガス浄化触媒における硫酸塩が硫酸セシウムとLi、Na、K、Rbの内の1つ以上のアルカリ金属から構成される硫酸塩及び/又はBe、Mg、Ca、Sr、Baの内の1つ以上のアルカリ土類金属から構成される硫酸塩と、を含むことを特徴とする排ガス浄化用触媒。
  25. 前記硫酸塩が硫酸セシウムと硫酸カリウムを含むことを特徴とする請求項24に記載の排ガス浄化用触媒。
  26. 前記硫酸塩の硫酸セシウムと硫酸カリウムの混合比がモル比で、8:2〜4:6で有ることを特徴とする請求項25に記載の排ガス浄化用触媒。
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