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JP3686715B2 - ストレッチフィルム - Google Patents

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JP3686715B2
JP3686715B2 JP28775995A JP28775995A JP3686715B2 JP 3686715 B2 JP3686715 B2 JP 3686715B2 JP 28775995 A JP28775995 A JP 28775995A JP 28775995 A JP28775995 A JP 28775995A JP 3686715 B2 JP3686715 B2 JP 3686715B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はストレッチフィルムに関し、さらに詳しくは自己粘着性や耐引き裂き伝播性、突き刺し強度、破断強さ、破断伸び等の機械強度、透明性、延伸性、結束性等に優れたストレッチフィルムを提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、パレット上にユニット化された貨物の周囲をフィルムを引き延ばしながら巻き付けて包装するパレットストレッチ包装は省エネルギーな包装方法として産業界に普及している。これらに使用されるパレットストレッチ包装用フィルムは、自己粘着性を有し、ストレッチ包装時に延伸ムラ、延伸切れ等を起こすことなく、延伸倍率を大きく取れ、かつ突起物に対する強度が強いことが要求されている。
【0003】
従来これらのパレットストレッチ用フィルムとしてポリエチレン樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等が一般的に使用されている。
また最近ではこのポリエチレン系樹脂やエチレン・酢酸ビニル共重合体系樹脂の他に、機械的強度、透明性、延伸性、粘着性等に優れるために、エチレン・α−オレフィン共重合体からなる直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)の単独またはエチレン・酢酸ビニル共重合体との混合物、積層物(特公平2−18983号、実開昭56−74737号等)が急速に普及しつつある。
【0004】
さらに別用途として、ロール状に押し固められた牧草をストレッチフィルムで包装し、発酵させて飼料を調製することも行われている。牧草用ストレッチフィルムは屋外で長期にわたって高い気密性を保持する必要があり、従って押し固められた牧草表面の突起により破断されない強靭性、充分な延伸性、結束力、弾力性、自己粘着性等パレットストレッチフィルムと同様の特性を要求される。
昨今では、ストレッチフィルムの省力化、作業性の簡略化等の観点から、より高度のフィルムが要求され、特に前記LLDPEフィルムの性能、すなわち自己粘着性や耐引き裂き伝播性、突き刺し強度、破断強さ、破断伸び等の機械強度、透明性、延伸性、結束性等のより向上が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ジルコニウム、チタンおよびハフニウムから選択される少なくとも1種の遷移金属を含むシングルサイト系触媒で重合された下記 (ア)〜(カ)の性状を満足するエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体(A)100〜20重量%と、他のエチレン系重合体(B)0〜80重量%を含む樹脂の単層フィルムからなるストレッチフィルムを提供するものである。
<性状>
(ア)密度が0.86〜0.94g/cm
(イ)メルトフローレート(MFR)0.1〜20g/10分
(ウ)分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4.5
(エ)組成分布パラメーターCbが1.08〜2.00
(オ)25℃におけるオルソジクロロベンゼン(ODCB)可溶分の量X(wt%)と密度dおよびMFR(メルトフローレート)が次の関係を満足すること
a)密度dおよびMFRの値がd−0.008logMFR≧0.93の場合
X<2.0
b)密度dおよびMFRの値がd−0.008logMFR<0.93の場合
X<9.8×103×(0.9300−d+0.008logMFR) +2.0
カ)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度−溶出量曲線のピークが複数個存在すること
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記(ア)〜(カ)を満足するエチレン・α−オレフィン共重合体を含むストレッチフィルムを提供するものである。
(ア)密度が0.86〜0.94g/cm
(イ)メルトフローレート(MFR)0.1〜20g/10分
(ウ)分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4.5
(エ)組成分布パラメーターCbが1.08〜2.00
(オ)25℃におけるオルソジクロロベンゼン(ODCB)可溶分の量
X(wt%)と密度dおよびMFR(メルトフローレート)が次の関係を満足すること
a)密度dおよびMFRの値がd−0.008logMFR≧0.93の場合X<2.0
b)密度dおよびMFRの値がd−0.008logMFR<0.93の場合X<9.8×10×(0.9300−d+0.008logMFR)+2.0
(カ)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度−溶出量曲線のピークが複数個存在すること
【0007】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる下記(ア)〜(カ)を満足するエチレン・α−オレフィン共重合体とは、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンより選ばれた一種以上との共重合体である。この炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、好ましくは炭素数3〜12のものであり、具体的にはプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、などが挙げられる。また、これらのα−オレフィンの含有量は、合計で通常30モル%以下、好ましくは20モル%の範囲で選択されることが望ましい。
【0008】
(ア)密度が0.86〜0.94g/cm
(イ)メルトフローレート(MFR)0.1〜20g/10分
(ウ)分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4.5
(エ)組成分布パラメーターCbが1.08〜2.00
(オ)25℃におけるオルソジクロロベンゼン(ODCB)可溶分の量X(wt%)と密度dおよびMFR(メルトフローレート)が次の関係を満足すること
a)密度dおよびMFRの値がd−0.008logMFR≧0.93の場合X<2.0
b)密度dおよびMFRの値がd−0.008logMFR<0.93の場合X<9.8×10(0.9300−d+0.008logMFR)+2.0
(カ)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度−溶出量曲線のピークが複数個存在すること
【0009】
本発明の(A)エチレン・α−オレフィン共重合体の(ア)密度は、0.86〜0.94g/cm、好ましくは0.88〜0.93g/cm、より好ましくは0.89〜0.925g/cmの範囲である。密度が0.86g/cm未満では、延伸性や結束性に難点を生じる虞があり、0.94g/cmを超える場合には粘着性に難点を生じる。
【0010】
本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体の(イ)MFRは、0.1〜20g/10分、好ましくは0.2〜10g/10分、より好ましくは0.5〜8g/10分である。MFRが0.1g/10分未満では、成形加工性に劣り、20g/10分を超える場合には、機械的強度や結束性に劣るものとなる。
【0011】
本発明の(A)エチレン・α−オレフィン共重合体(ウ)Mw/Mnは1.5〜4.5であり、好ましくは1.8〜4.0、さらに好ましくは2.0〜3.0の範囲にあることが望ましい。Mw/Mnが1.5未満では成形加工性が劣り、4.5を超えるものは耐衝撃性が劣る。分子量分布(Mw/Mn)の算出方法は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を求め、この比Mw/Mnを求めるものである。
【0012】
エチレン・α−オレフィン共重合体の(エ)組成分布パラメーターCbの測定法は下記の通りである。
すなわち酸化防止剤を加えたオルソジクロロベンゼン(ODCB)に試料濃度が0.2重量%となるように135℃で加熱溶解する。この溶液を、けい藻土(セライト545)を充填したカラムに移送し、0.1℃/minの速度で25℃まで冷却し、試料をセライト表面に沈着する。次に、このカラムにODCBを一定流量で流しながら、カラム温度を5℃きざみに120℃まで段階的に昇温し、試料を溶出させ分別する。溶出液にメタノールを混合し、試料を再沈後、ろ過、乾燥し、各溶出温度におけるフラクション試料を得る。各温度における溶出試料の重量分率およびその分岐度(炭素数1000個あたりの分岐数)を13C−NMRにより測定する。
【0013】
30℃から90℃のフラクションについては次のような、分岐度の補正を行う。すなわち、溶出温度に対して測定した分岐度をプロットし、相関関係を最小自乗法で直線に近似し、検量線を作成する。この近似の相関係数は十分大きい。この検量線により求めた値を各フラクションの分岐度とする。なお、溶出温度95℃以上の成分については溶出温度と分岐度に必ずしも直線関係が成立しないのでこの補正は行わず実測値を用いる。
【0014】
次にそれぞれのフラクションの重量分率wiを、溶出温度5℃当たりの分岐度bの変化量(b−bi−1)で割って相対濃度cを求め、分岐度に対して相対濃度をプロットし、組成分布曲線を得る。この組成分布曲線を一定の幅で分割し、次式より組成分布パラメーターCbを算出する。
【0015】
【数1】
Figure 0003686715
【0016】
ここで、cとbはそれぞれj番目の区分の相対濃度と分岐度である。組成分布パラメータCbは試料の組成が均一である場合に1.0となり、組成分布が広がるに従って値が大きくなる。
【0017】
エチレン・α−オレフィン共重合体の組成分布を記述する方法は多くの提案がなされている。例えば特開昭60−88016号公報では、試料を溶剤分別して得た各分別試料の分岐数に対して、累積重量分率が特定の分布(対数正規分布)をすると仮定して数値処理を行い、重量平均分岐度(Cw)と数平均分岐度(Cn)の比を求めている。この近似計算は、試料の分岐数と累積重量分率が対数正規分布からずれると精度が下がり、市販のLLDPEについて測定を行うと相関係数Rはかなり低く、値の精度は充分でない。また、このCw/Cnの測定法および数値処理法は、本発明のCbのそれとは異なるが、あえて数値の比較を行えば、Cw/Cnの値は、Cbよりかなり大きな値となる。
【0018】
本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体の組成分布パラメーターCbは1.08〜2.00であり、好ましくは1.10〜1.80、さらに好ましくは1.15〜1.50の範囲にあることが望ましい。
2.00より大きいとブロッキングしやすく、ヒートシール特性も不良となり、また低分子量あるいは高分岐度成分の樹脂表面へのにじみ出しが多く衛生上の問題が生じる。
【0019】
本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体の(オ)25℃におけるODCB可溶分の量は、下記の方法により測定する。
試料0.5gを20mlのODCBにて135℃で2時間加熱し、試料を完全に溶解した後、25℃まで冷却する。この溶液を25℃で一晩放置後、テフロン製フィルターでろ過してろ液を採取する。このろ液のメチレンの非対称伸縮振動の波数2925cm−1付近の吸収ピーク面積を求め、あらかじめ作成した検量線により試料濃度を算出する。この値より、25℃におけるODCB可溶分を求める。
【0020】
本発明の(オ)25℃における0DCB可溶分の量、X重量%と密度dおよびMFRの関係は、dおよびMFRの値が
d−0.008logMFR≧0.93を満たす場合は、
Xは2重量%未満、好ましくは1重量%未満
d−0.008logMFR<0.93の場合は
X<9.8×10×(0.9300−d+0.008logMFR)+2.0
好ましくは、
X<7.4×10×(0.9300−d+0.008logMFR)+1.0
さらに好ましくは、
X<5.6×10×(0.9300−d+0.008logMFR)+0.5
の関係を満足していることが必要である。
【0021】
25℃におけるODCB可溶分は、エチレン・α−オレフィン共重合体に含まれる高分岐度成分および低分子量成分であり、衛生性の問題や成形品内面のブロッキングの原因となるためこの含有量は少ないことが望ましい。ODCB可溶分の量は、コモノマーの含有量および分子量に影響される。従ってこれらの指標である密度およびMFRとODCB可溶分の量が上記の関係を満たすことは、共重合体全体に含まれるα−オレフィンの偏在が少ないことを示す。
【0022】
本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体は、(カ)連続昇温溶出分別法(TREF)により求めた溶出温度−溶出量曲線において、ピークが複数個存在することが必要である。また、さらに85℃から100℃の間にピークが存在することが特に好ましい。このピークが存在することにより、成形体の耐熱性が向上する。図1に本発明の共重合体の溶出温度−溶出量曲線を示して図2にいわゆるメタロセン触媒による共重合体との相違を示した。
【0023】
本発明にかかわるTREFの測定方法は下記の通りである。試料を酸化防止剤を加えたODCBに試料濃度0.05重量%となるように135℃で加熱溶解する。この試料溶液5mlを、ガラスビーズを充填したカラムに注入し、0.1℃/minの冷却速度で25℃まで冷却し、試料をガラスビーズ表面に沈着する。次に、このカラムにODCBを一定流量で流しながら、カラム温度を50℃/hrの一定速度で昇温しながら、試料を順次溶出させる。この際、溶剤中に溶出する試料の濃度は、メチレンの非対称伸縮振動の波数2925cm−1に対する吸収を赤外検出機で連続的に検出される。この値から、溶液中のエチレン・α−オレフィン共重合体の濃度を定量分析し、溶出温度と溶出速度の関係を求める。TREF分析は極少量の試料で、温度変化に対する溶出速度の変化を連続的に分析出来るため、分別法では検出できない比較的細かいピークの検出が可能である。
【0024】
本発明の特定のエチレン・α−オレフィン共重合体の製造は、好ましくは以下のD1〜D5からなる触媒で重合することが望ましい。
すなわち、D1:一般式Me (OR 4−p−qで表される化合物(式中Meはジルコニウム、チタン、ハフニウムを示し、RおよびRは各々炭素数1〜24の炭化水素基、Xはハロゲン原子を示し、pおよびqは各々0≦P<4、0≦p+q≦4の範囲を満たすを整数である)、D2:一般式Mem(OR z−m−nで表される化合物(式中Meは周期律表第I〜III族元素、RおよびRは各々炭素数1〜24の炭化水素基、Xはハロゲン原子または水素原子(ただし、Xが水素原子の場合はMeは周期律表第III族元素の場合に限る)を示し、zはMeの価数を示し、mおよびnは各々0≦m≦z、0≦n≦zの範囲を満たす整数であり、かつ、0≦m+n≦Zである)、D3:共役二重結合を持つ有機環状化合物、およびD4:有機アルミニウム化合物と水との反応によって得られるAl−O−Al結合を含む変性有機アルミニウム化合物、D5:無機担体および/または粒子状ポリマー担体を相互に接触させて得られる触媒である。
【0025】
上記触媒成分D1の一般式Me (OR 4−p−qで表される化合物の式中Meはジルコニウム、チタン、ハフニウムを示す。これらの遷移金属の種類は限定されるものではなく、複数を用いることもできるが、共重合体の耐候性の優れるジルコニウムが含まれることが特に好ましい。RおよびRは各々炭素数1〜24の炭化水素基で、好ましくは炭素数1〜12、さらに好ましくは1〜8であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などのアルキル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、インデニル基、ナフチル基などのアリール基;ベンジル基、トリチル基、フェネチル基、スチリル基、ベンズヒドリル基、フェニルブチル基、ネオフイル基などのアラルキル基などが挙げられる。これらは分岐があってもよい。Xはフッ素、ヨウ素、塩素および臭素などのハロゲン原子を示し、pおよびqはそれぞれ0≦p<4、0≦q<4、0≦p+q≦4の範囲を満たし、好ましくは0≦p+q≦4の範囲である。
【0026】
上記触媒成分D1の一般式で示される化合物の例としては、テトラメチルジルコニウム、テトラエチルジルコニウム、テトラベンジルジルコニウム、テトラプロポキシジルコニウム、トリプロポキシモノクロロジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム、テトラブトキシチタン、テトラブトキシハフニウムなどが挙げられ、特にテトラブロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウムなどのZr(OR)化合物であり、これらを2種以上混合して用いても差し支えない。
【0027】
上記触媒成分D2の一般式Me (OR z−m−nで表される化合物の式中Meは周期律表第I〜III族元素を示し、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、ホウ素、アルミニウムなどである。RおよびRは各々炭素数1〜24の炭化水素基、好ましくは炭素数1〜12、さらに好ましく1〜8であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などのアルキル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、インデニル基、ナフチル基などのアリール基;ベンジル基、トリチル基、フェネチル基、スチリル基、ベンズヒドリル基、フェニルブチル基、ネオフイル基などのアラルキル基などが挙げられる。これらは分岐があってもよい。Xはフッ素、ヨウ素、塩素および臭素などのハロゲン原子または水素原子を示すものである。ただし、Xが水素原子の場合はMeはホウ素、アルミニウムなどに例示される周期律表第III族元素の場合に限るものである。また、ZはMeの価数を示し、mおよびnは各々0≦m≦z、0≦n≦zの範囲を満たす整数であり、かつ、0≦m+n≦zである。
【0028】
上記触媒成分D2の一般式で示される化合物の例としては、メチルリチウム、エチルリチウムなどの有機リチウム化合物;ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、メチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムクロライドなどの有機マグネシウム化合物;ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛などの有機亜鉛化合物;トリメチルボロン、トリエチルボロンなどの有機ボロン化合物;トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリデシルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウムエトキサイド、ジエチルアルミニウムハイドライドなどの有機アルミニウム化合物等の誘導体が挙げられる。
【0029】
上記触媒成分D3の共役二重結合を持つ有機環状化合物とは、環状で共役二重結合を2個以上、好ましくは2〜4個、さらに好ましくは2〜3個有する環を1個または2個以上もち、全炭素数が4〜24、好ましくは4〜12である環状炭化水素化合物;前記環状炭化水素化合物が部分的に1〜6個の炭化水素残基(典型的には、炭素数1〜12のアルキル基またはアラルキル基)で置換された環状炭化水素化合物;共役二重結合を2個以上、好ましくは2〜4個、さらに好ましくは2〜3個有する環を1個または2個以上もち、全炭素数が4〜24、好ましくは4〜12である環状炭化水素基を有する有機ケイ素化合物;前記環状炭化水素基が部分的に1〜6個の炭化水素残基またはアルカリ金属塩(ナトリウムまたはリチウム塩)で置換された有機ケイ素化合物が含まれる。特に好ましくは分子中のいずれかにシクロペンタジエン構造をもつものが望ましい。
【0030】
上記の好適な化合物としては、シクロペンタジエン、インデン、アズレンまたはこれらのアルキル、アリール、アラルキル、アルコキシまたはアリールオキシ誘導体などが挙げられる。また、これらの化合物がアルキレン基(その炭素数は通常2〜8、好ましくは2〜3)を介して結合(架橋)した化合物も好適に用いられる。
【0031】
環状炭化水素基を有する有機ケイ素化合物は、下記一般式で表示することができる。
SiR4−L
ここで、Aはシクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基で例示される前記環状水素基を示し、Rはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などのアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基;フェニル基などのアリール基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジル基などのアラルキル基で示され、炭素数1〜24、好ましくは1〜12の炭化水素残基または水素を示し、Lは1≦L≦4、好ましくは1≦L≦3である。
【0032】
上記成分D3の有機環状炭化水素化合物の具体例は、シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、エチルシクロペンタジエン、1,3−ジメチルシクロペンタジエン、インデン、4−メチル−1−インデン、4,7−ジメチルインデン、シクロヘプタトリエン、メチルシクロヘプタトリエン、シクロオクタテトラエン、アズレン、フルオレン、メチルフルオレンのような炭素数5〜24のシクロポリエンまたは置換シクロポリエン、モノシクロペンタジエニルシラン、ビスシクロペンタジエニルシラン、トリスシクロペンタジエニルシラン、モノインデニルシラン、ビスインデニルシラン、トリスインデニルシラン等が挙げられる。
【0033】
触媒成分D4の有機アルミニウム化合物と水との反応によって得られるAl−O−Al結合を含む変性有機アルミニウム化合物とは、アルキルアルミニウム化合物と水とを反応させることにより、通常アルミノキサンと称される変性有機アルミニウムが得られ、分子中に通常1〜100個、好ましくは1〜50個のAl−O−Al結合を含有する。また、変性有機アルミニウム化合物は線状でも環状でもいずれでもよい。
【0034】
有機アルミニウムと水との反応は通常不活性炭化水素中で行われる。該不活性炭化水素としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素が好ましい。
水と有機アルミニウム化合物との反応比(水/Alモル比)は通常0.25/1〜1.2/1、好ましくは0.5/1〜1/1であることが望ましい。
【0035】
触媒成分D5の無機物担体および/または粒子状ポリマー担体とは、炭素質物、金属、金属酸化物、金属塩化物、金属炭酸塩またはこれらの混合物あるいは熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。該無機物担体に用いることができる好適な金属としては、鉄、アルミニウム、ニッケルなどが挙げられる。
具体的にはSiO、Al、MgO、ZrO、TiO、B、CaO、ZnO、BaO、ThO等またはこれらの混合物が挙げられ、SiO−Al、SiO−V、SiO−TiO、SiO−V、SiO−MgO、SiO−Cr等が挙げられる。これらの中でもSiOおよびAlからなる群から選択された少なくとも1種の成分を主成分とするものが好ましい。
【0036】
また、有機化合物としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも使用でき、具体的には、粒子状のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリノルボルネン、各種天然高分子およびこれらの混合物等が挙げられる。
上記無機物担体および/または粒子状ポリマー担体は、このまま使用することもできるが、好ましくは予備処理としてこれらの担体を有機アルミニウム化合物やAl−O−Al結合を含む変性有機アルミニウム化合物などに接触処理させた後に成分C5として用いることもできる。
【0037】
本発明の(A)エチレン・α−オレフィン共重合体の製造方法は、気相法、スラリー法、溶液法等で製造され、一段重合法、多段重合法など特に限定されるものではない。
【0038】
本発明の他の(B)エチレン系(共)重合体とは、チーグラー型触媒等を用いる高・中・低圧法およびその他の公知の方法によるエチレンと炭素数3〜12のd−オレフィンとの共重合体、および高圧ラジカル重合法によるエチレン系(共)重合体が挙げられる。
【0039】
上記、チーグラー型触媒等を用いる高・中・低圧法およびその他の公知の方法によるエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体とは、密度が0.91〜0.94g/cmの線状低密度ポリエチレン(以下LLDPEと称す)、密度が0.86〜0.91g/cmの超低密度ポリエチレン(以下VLDPEと称す)、密度が0.86〜0.91g/cmのエチレン・プロピレン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴム等のエチレン・α−オレフィン共重合体ゴムを包含する。
【0040】
上記チーグラー型触媒によるLLDPEとは、密度が0.91〜0.94g/cm、好ましくは0.91〜0.93g/cmの範囲のエチレン・α−オレフィン共重合体であり、α−オレフィンは、炭素数3〜20、好ましくは炭素数4〜12の範囲のものであり、具体的にはプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が挙げられる。
【0041】
また上記チーグラー型触媒による超低密度ポリエチレン(VLDPE)とは、密度が0.86〜0.91g/cm、好ましくは0.88〜0.905g/cmの範囲のエチレン−α−オレフィン共重合体であり、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)とエチレン・α−オレフィン共重合体ゴム(EPR、EPDM)の中間の性状を示すポリエチレンである。
【0042】
また上記エチレン・α−オレフィン共重合体ゴムとは、密度が0.86〜0.91g/cm未満のエチレン・プロピレン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴム等が挙げられ、該エチレン・プロピレン系ゴムとしては、エチレンおよびプロピレンを主成分とするランダム共重合体(EPM)、および第3成分としてジエンモノマー(ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン等)を加えたものを主成分とするランダム共重合体(EPDM)が挙げられる。
【0043】
前記高圧ラジカル重合法によるエチレン系(共)重合体とは、高圧ラジカル重合法によるエチレン単独重合体(低密度ポリエチレン)、エチレン・ビニルエステル共重合体およびエチレンとα,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体との共重合体等が挙げられる。
【0044】
上記低密度ポリエチレンは公知の高圧ラジカル重合法により製造され、チューブラー法、オートクレーブ法のいずれでもよい。
【0045】
上記エチレン・ビニルエステル共重合体とは、高圧ラジカル重合法で製造され、エチレンを主成分とし、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオル酢酸ビニルなどのビニルエステル単量体との共重合体である。これらの中でも特に好ましいものとしては、酢酸ビニルを挙げることができる。エチレン50〜99.5重量%、ビニルエステル0.5〜50重量%からなる共重合体が好ましい。さらにビニルエステル含有量は好ましくは3〜20重量%、特に好ましくは5〜15重量%の範囲で選択される。
【0046】
さらに上記エチレンとα,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体との共重合体の代表的な共重合体としては、エチレン・(メタ)アクリル酸またはそのアルキルエステル共重合体が挙げられ、これらのコモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸−n−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等を挙げることができる。この中でも特に好ましいものとして(メタ)アクリル酸のメチル、エチル等のアルキルエステルを挙げることができる。特に(メタ)アクリル酸エステル含有量は3〜20重量%、好ましくは5〜15重量%の範囲である。
【0047】
本発明の第2は、前記特定の(A)エチレン−α−オレフィン共重合体と(B)エチレン(共)重合体との組成物であり、成形安定性、透明性、機械的強度、粘着性、延伸性、結束性等のバランスを考慮した場合は、(A)98〜20重量%、(B)2〜80重量%、好ましくは(A)80〜50重量%、(B)20〜50重量%の範囲で選択される。
【0048】
本発明においては、前記樹脂またはその組成物に粘着付与剤を配合することが望ましい。該粘着付与剤としては、ポリブテン、ヒマシ油誘導体、ソルビタン脂肪酸エステル、ロジンおよびロジン誘導体、石油樹脂およびそれらの水添物等のタッキファイヤー、ゴム等が挙げられる。これら粘着付与剤は樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部の範囲で配合することが好ましい。
【0050】
滑剤としては、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、等の脂肪酸アミド;ステアリン酸モノグリセライド、ステアリン酸ジグリセライド、オレイン酸モノグリセライド、オレイン酸ジグリセライド等の脂肪酸グリセリンエステル化合物およびそれらのポリエチレングリコール付加物等が挙げられる。
【0051】
また無機フィラーとしては、軽質および重質炭酸カルシウム、タルク、シリカ、ゼオライト、炭酸マグネシウム、長石等が挙げられる。
顔料としてはカーボンブラック、チタン白等の他、市販の各種着色剤マスターバッチが好適に用いられる。
【0052】
本発明のフィルムの製造方法は、公知のインフレーション成形法、Tダイ成形法、水冷フィルム成形法等の公知の成形方法を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明のフィルムは、パレット包装用ストレッチフィルム、牧草包装用ストレッチフィルム用途等に好適に用いられる。
【0053】
本発明の特定の条件を満足するエチレン・α−オレフィン共重合体に対しては、滑剤、有機あるいは無機フィラー、粘着付与剤、酸化防止剤、防曇剤、有機あるいは無機系顔料、分散剤、核剤、発泡剤、難燃剤、架橋剤などの公知の添加剤を、本願発明の特性を本質的に阻害しない範囲で添加することができる。
これらの添加剤の中でも、滑剤、粘着付与剤、無機フィラーは作業性をより向上させるために好適に用いられる。また牧草用ストレッチフィルムは紫外線遮断性が要求されるため顔料が必要となる。
【0054】
本発明のフィルムは、パレット包装用ストレッチフィルム、牧草包装用ストレッチフィルム用途等に好適に用いられる。
【0055】
【発明の実施の形態】
【0056】
【実施例】
次に実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。実施例および比較例において使用した樹脂を以下に示すが、本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体(A1およびA2)については次の方法で重合した。
【0057】
(固体触媒の調製)
窒素下で電磁誘導攪拌機付き触媒調製器(No.1)に精製トルエンを加え、ついでジプロポキシジクロロジルコニウム(Zr(OPr)Cl)28gおよびメチルシクロペンタジエン48gを加え、0℃に系を保持しながらトリデシルアルミニウムを45gを滴下し、滴下終了後、反応系を50℃に保持して16時間撹拌した。この溶液をA液とする。次に窒素下で別の攪拌器付き触媒調製器(No.2)に精製トルエンを加え、前記A溶液と、ついでメチルアルミノキサン6.4molのトルエン溶液を添加し反応させた。これをB液とする。
【0058】
次に窒素下で攪拌器付き調製器(No.1)に精製トルエンを加え、ついであらかじめ400℃で所定時間焼成処理したシリカ(富士デビソン社製、グレード#952、表面積300m/g)1400gを加えた後、前記B溶液の全量を添加し、室温で攪拌した。ついで窒素ブローにて溶媒を除去して流動性の良い固体触媒粉末を得た。これを触媒Cとする。
【0059】
(試料の重合)
連続式の流動床気相法重合装置を用い、重合温度70℃、全圧20kgf/cmGでエチレンと1−ブテンあるいは1−ヘキセンの共重合を行った。前記触媒Cを連続的に供給して重合を行ない、系内のガス組成を一定に保つため、各ガスを連続的に供給しながら重合を行った。
【0060】
(A):エチレン・α−オレフィン共重合体
A1:エチレン・1−ブテン共重合体
密度=0.910g/cm3 MFR=0.5g/10min
分子量分布(Mw/Mn)=2.7
組成分布パラメーターCb=1.24
d−0.008logMFR=0.912
Figure 0003686715
TREFピーク温度=70.3、75.1、95.1℃
【0061】
A2:エチレン・1−ヘキセン共重合体
密度=0.912g/cm3 MFR=0.7g/10min
分子量分布(Mw/Mn)=2.6
組成分布パラメーターCb=1.23
d−0.008logMFR=0.913
Figure 0003686715
TREFピーク温度=69.7、92.1℃
【0062】
(B)その他の樹脂
B1:エチレン・酢酸ビニル共重合体
MFR=2.0 酢酸ビニル含量=5重量%
B2:LLDPE
密度=0.918g/cm MFR=0.9g/10min
分子量分布(Mw/Mn)=3.7
組成分布パラメーターCb=1.53
d−0.008logMFR=0.913
Figure 0003686715
【0063】
物性の測定に用いた試験方法は以下の通りである。
(物性試験方法)
密度 :JIS K6760 準拠
MFR :JIS K6760 準拠
引張強度 :ASTM D882
引張伸び :ASTM D882
エルメンドルフ:ASTM D1922
引き裂き強度
ダート衝撃強さ:ASTM D1709
自己粘着性 :フィルムのMD方向に幅2.5cm、長さ12.5cmの試験片を切り取り、長さ方向に二等分し幅2.5cm、6.25cmにする。
この二枚組の試験片の端を長さ2.5cm分重ね合わせる。重ね合わせの部分に70g/cmの荷重をかけて5分間圧着する。その後、5分以内に引張試験機にかけ(チャック間隔6.35mm、引張速度125mm/min)、引き剥がしに要する力(kg)を測定する。
【0064】
結束性(保持応力):ASTM D822に従って、試料を500mm/minで初めの長さの20%伸長する。
そのまま16時間放置した後の応力(kg/cm)を保持力とする。
この保持力が大きいことは、商品等を包装した際ストレッチフィルムによる締め付け力が大であることを示す。
【0065】
結束性(ストレッチ回復率):ASTM D882に従って試料を500mm/minで20%伸長する。このままの状態で16時間放置後、脱荷重し、さらに三日間放置し試料の残留伸長率(A、%)を求め、次式によりストレッチ回復率(%)を求める。
【0066】
Figure 0003686715
【0067】
このストレッチ回復率が大きいことは、ストレッチフィルムで包装後、該ストレッチフィルムのたるみが少ないことを示し、結束性があることを示す。
【0068】
[実施例1〜4]
前記重合方法により得られた樹脂A1およびA2を空冷インフレーション成形装置を用いて、厚み30μmのフィルムを成形した。成形条件は次のとおりである。
押出機:内径50mm、スクリューL/D 26
ダイ :外口径100mm、ダイリップ間隙2.0mm
樹脂温:180℃ ー
膨張比:2.0
いずれもストレッチフィルムに要求される各物性値を満足している。
【0069】
[比較例1]
エチレン・酢酸ビニル共重合体を使用したが、引張破断強度、ダート衝撃強さで不充分な結果となった。
【0070】
[比較例2]
エチレン・α−オレフィン共重合体(直鎖状低密度ポリエチレン)を使用したが、本発明の特定の条件を満足していないため、ダート衝撃強さ、エルメンドルフ引き裂き強度、結束性(保持応力、ストレッチ回復率)の点で不充分な結果となった。
【0071】
[比較例3]
本発明の樹脂A2の含有量が20重量%以下であるため、引張破断強度、ダート衝撃強さ、エルメンドルフ引き裂き強度、結束性(保持応力)の点で不充分な結果となった。
【0072】
[比較例4]
本発明の樹脂A1の含有量が20重量%以下であるため、ダート衝撃強さ、エルメンドルフ引き裂き強度、結束性(保持応力、ストレッチ回復率)の点で不充分な結果となった。
【0073】
【表1】
Figure 0003686715
【0074】
【表2】
Figure 0003686715
【0075】
【発明の効果】
本発明は、
【0076】
特定の条件を満足する密度が0.86〜0.94g/cm 3 、メルトフローレート(MFR)0.1〜10のエチレン・α−オレフィン共重合体を主成分とするポリエチレン系樹脂組成物をストレッチフィルムに用いることにより、自己粘着性や耐引き裂き伝播性、突き刺し強度、破断強さ、破断伸び等の機械強度、透明性、延伸性、結束性等に優れたストレッチフィルムを提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の共重合体の溶出温度−溶出量曲線(TREF曲線)を示す。
【図2】代表的なメタロセン系触媒による共重合体の溶出温度−溶出量曲線(TREF曲線)を示す。

Claims (9)

  1. ジルコニウム、チタンおよびハフニウムから選択される少なくとも1種の遷移金属を含むシングルサイト系触媒で重合された下記 (ア)〜(カ)の性状を満足するエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体(A)100〜20重量%と、他のエチレン系重合体(B)0〜80重量%を含む樹脂の単層フィルムからなるストレッチフィルム。
    <性状>
    (ア)密度が0.86〜0.94g/cm
    (イ)メルトフローレート(MFR)0.1〜20g/10分
    (ウ)分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4.5
    (エ)組成分布パラメーターCbが1.08〜2.00
    (オ)25℃におけるオルソジクロロベンゼン(ODCB)可溶分の量X(wt%)と密度dおよびMFR(メルトフローレート)が次の関係を満足すること
    a)密度dおよびMFRの値がd−0.008logMFR≧0.93の場合
    X<2.0
    b)密度dおよびMFRの値がd−0.008logMFR<0.93の場合
    X<9.8×103×(0.9300−d+0.008logMFR)+2.0
    (カ)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度−溶出量曲線のピークが複数個存在すること
  2. 前記エチレン・α−オレフィン共重合体の(ア)密度が0.88〜0.93g/cm であることを特徴とする請求項1に記載のストレッチフィルム。
  3. 前記エチレン・α−オレフィン共重合体の(ウ)分子量分布(Mw/Mn)が1.8〜4.0であることを特徴とする請求項1または2に記載のストレッチフィルム。
  4. 前記エチレン・α−オレフィン共重合体の(カ)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度−溶出量曲線のピークの複数の中の高温側のピークが85〜100℃の間に存在することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のストレッチフィルム。
  5. 少なくとも、下記(D1)〜(D5)の触媒形成用成分を相互に接触することにより得られる触媒の存在下、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを共重合することにより得られたエチレン・α−オレフィン共重合体であることを特徴する請求項1〜4のいずれか1項に記載のストレッチフィルム。
    [触媒形成用成分]
    (D1):一般式Me (OR 4−p−qで表される化合物(式中MeはZr、Ti、Hfを示し、RおよひRは各々炭素数1〜24の炭化水素基、Xはハロゲン原子を示し、pおよびqは各々0≦p<4、0≦p+q≦4の範囲を満たすを整数である)、
    (D2):一般式Me (OR z−m−nで表される化合物(式中Meは周期律表第I〜III族元素、RおよびRは各々炭素数1〜24の炭化水素基、Xはハロゲン原子または水素原子(ただし、Xが水素原子の場合はMeは周期律表第III族元素の場合に限る)を示し、zはMeの価数を示し、mおよびnは各々0≦m≦z、0≦n≦zの範囲を満たす整数であり、かつ、0≦m+n≦zである)、
    (D3):共役二重結合を持つ有機環状化合物、
    (D4):有機アルミニウム化合物と水との反応によって得られるAl−O−Al結合を含む変性有機アルミニウム化合物、
    (D5):無機担体および/または粒子状ポリマー担体
  6. (B)他のエチレン系重合体が、(B1)チーグラー型触媒によるエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体、(B2)高圧ラジカル重合法によるエチレン系(共)重合体から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のストレッチフィルム。
  7. 前記(B1)チーグラー型触媒によるエチレンと炭素数3〜12のα-オレフィンとの共重合体が密度0.91〜0.94g/cmの直鎖状低密度ポリエチレン、密度0.86〜91g/cmの超低密度ポリエチレン、密度0.86〜0.91g/cmのエチレン・α−オレフィン共重合体ゴムであり、(B2)高圧ラジカル重合法によるエチレン系(共)重合体がエチレン単独重合体、エチレン・ビニルエステル共重合体およびエチレンとα,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体との共重合体から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項6に記載のストレッチフィルム。
  8. 前記エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体(A)98〜20重量%と、他のエチレン系重合体(B)2〜80重量%とからなる樹脂組成物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のストレッチフィルム。
  9. 前記エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体(A)80〜50重量%と、他のエチレン系重合体(B)20〜50重量%とからなる樹脂組成物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のストレッチフィルム。
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