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JP3684844B2 - 自動車用ガラスアンテナ - Google Patents

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JP3684844B2
JP3684844B2 JP13384298A JP13384298A JP3684844B2 JP 3684844 B2 JP3684844 B2 JP 3684844B2 JP 13384298 A JP13384298 A JP 13384298A JP 13384298 A JP13384298 A JP 13384298A JP 3684844 B2 JP3684844 B2 JP 3684844B2
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剛資 山本
文貴 寺島
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Asahi Glass Co Ltd
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は日本のFM放送帯(76〜90MHz)、米国のFM放送帯(88〜108MHz)及びAM放送帯(530〜1630kHz)の受信に適する自動車用ガラスアンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数本のヒータ線とこれらのヒータ線に給電するバスバとを有する通電加熱式のデフォッガと、該デフォッガに容量結合されているアンテナ導体とが自動車の後部窓ガラス板に設けられており、バスバと直流電源との間にチョークコイルが接続されている自動車用ガラスアンテナが知られている。
【0003】
この従来例では、デフォッガとアンテナ導体との容量結合が最高位のヒータ線に設けられている略T字状のデフォッガ分岐導体と、アンテナ導体との近接によって行われていた。
【0004】
しかし、この従来例は、FM放送帯の受信の際、受信感度が平坦にならない欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術の有する前述の欠点を解消することを目的とし、従来知られていなかった自動車用ガラスアンテナを提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述の課題を解決すべくなされたものであり、ヒータ線と該ヒータ線に給電するバスバとを有する通電加熱式のデフォッガと、該デフォッガに容量結合されているアンテナ導体とが自動車の後部窓ガラス板に設けられており、バスバと直流電源との間にチョークコイルが接続されている自動車用ガラスアンテナにおいて、デフォッガとアンテナ導体との容量結合がデフォッガに設けられているデフォッガ分岐導体と、アンテナ導体との近接によって行われており、デフォッガ分岐導体にループ状部分が設けられていることを特徴とする自動車用ガラスアンテナを提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に従って詳細に説明する。図1、図2は本発明の自動車用ガラスアンテナの一実施例の構成図である。図1、図2において、1は自動車の後部窓ガラス板、2はヒータ線、3はデフォッガ、3aはデフォッガ分岐導体、3bはデフォッガ分岐導体に設けられるループ形成用導体、3cは各ヒータ線2を短絡する短絡線、4はアンテナ導体、5a、5bはバスバ、6はアンテナ導体4の給電点、8はリアクタンス回路、9はチョークコイル、10は直流電源、11はノイズ吸収用のコンデンサである。以下の説明において、特に記載しない場合には、方向は図面上での方向をいうものとする。
【0008】
本発明の自動車用ガラスアンテナでは、デフォッガ3とアンテナ導体4とが容量結合されており、バスバ5bと直流電源10との間にチョークコイル9が接続されている。この容量結合によって、デフォッガ3が見かけ上、アンテナの一部として機能するようになる。特にAM放送帯に対しては、デフォッガ3もAM放送用アンテナの一部として機能して、AM放送用アンテナの実効長が長くなるため、受信電波を多く受けられ感度が向上する。
【0009】
また、チョークコイル9により、ヒータ線2とバスバ5a、5bとを車体アースから高周波的に絶縁でき、ヒータ線2及びバスバ5a、5bに誘起されたラジオ放送帯の受信信号電流が車体アースへ流れるのを防止できて、この受信信号電流を漏れなく受信機(不図示)に送ることができる。
【0010】
デフォッガ3とアンテナ導体4との容量結合はデフォッガ3に設けられているデフォッガ分岐導体3aと、アンテナ導体4との近接によって行われる。また、デフォッガ分岐導体3aにはループ状部分が設けられる。このループ状部分により、FM放送帯の感度の平坦性の調整が可能となり、平坦性を向上できる。ここで、感度の平坦性とは、FM放送帯等の帯域内で最高感度と最低感度との差をいう。
【0011】
図1、2ではループ状部分がデフォッガ分岐導体3a自体とループ形成用導体3bとで構成されている。デフォッガ分岐導体3aの形状は特に限定されないが、略T字状、略L字状等が通常用いられる。
【0012】
また、ループ形成用導体3bの形状は、特に限定されず、デフォッガ分岐導体3aの一部又は全部とでループ状部分を構成する形状であればどのような形状であってもよい。ループ形成用導体3bの形状の例としては、直線、曲線、略L字状等が通常用いられる。
【0013】
ループ状部分の寸法については、特に限定されないが、横方向(水平方向)の寸法が30〜200mm、かつ、縦方向(垂直方向)の寸法が10〜30mmが好ましい。この範囲内の場合には、この範囲外の場合と比較してFM放送帯の感度が0.5d以上通常向上する。
【0014】
また、ループ形成用導体3bの設けられる、デフォッガ分岐導体3aの箇所については、特に限定されない。しかし、デフォッガ分岐導体3aのヒータ線2側に設けられることが好ましい。ループ形成用導体3bがデフォッガ分岐導体3aのヒータ線2側に設けられる場合には、デフォッガ分岐導体3aのアンテナ導体4側に設けられる場合と比較して、FM放送帯の感度の低下した領域を1.0d以上通常向上できる。
【0015】
また、図1、2ではループ状部分が1つ設けられているが、これに限定されず、ループ状部分が複数、デフォッガ分岐導体3aに設けられてもよい。
【0016】
また、デフォッガ分岐導体3aが設けられるデフォッガ3の箇所については、特に限定されない。図1では最高位のヒータ線2に設けられており、図2ではバスバ5aに設けられている。
【0017】
容量結合とは、直流電流の送受は行われないが高周波電流等の交番電流の送受は行われることをいい、デフォッガ分岐導体3aとアンテナ導体4との間隔が50mm以内で通常容量結合される。
【0018】
図3は図1、2とは別の実施例の構成図である。図3において、14はアンテナ導体4とは別のアンテナ導体、16はアンテナ導体14の給電点、13aはデフォッガ分岐導体3aとは別のデフォッガ分岐導体、13bはデフォッガ分岐導体13aに設けられるループ形成用導体である。アンテナ導体14とデフォッガ3とは容量結合されている。
【0019】
図3に示す自動車用ガラスアンテナでは、給電点6と給電点16との受信信号のうち、強い方を選択して受信機に送るようにするして、ダイバーシティ受信を行う。
【0020】
図1、図2、図3の自動車用ガラスアンテナにおいて、アンテナ導体4の設けられる後部ガラス板1の位置については、後部ガラス板1のデフォッガ3より上下左右部の余白部のどこにアンテナ導体を設けてもよく、図1、図2、図3に示す位置に限定されない。
【0021】
また、アンテナ導体4及びアンテナ導体14以外に後部ガラス板1に設けられるアンテナ導体の数は限定されない。図1、図3に示す短絡線3cは各ヒータ線2を短絡し、必要に応じて設けられるものであり、デフォッガ3のインピーダンスを調整する機能を有する。
【0022】
【実施例】
「例1(実施例)」
自動車の後部窓ガラス板を使用し、図1に示すような自動車用ガラスアンテナを製作した。各部の寸法は以下のとおりである。
【0023】
デフォッガ分岐導体3aとアンテナ導体4との間隔 1.0mm、
ループ状部分の横方向の寸法 50mm、
ループ状部分の縦方向の寸法 23mm、
デフォッガ分岐導体3aの横方向の寸法(最大幅) 405mm、
アンテナ導体4の導体幅 0.7mm、
デフォッガ分岐導体3aの導体幅 0.7mm、
ループ形成用導体3bの導体幅 0.7mm。
【0024】
米国のFM放送帯の周波数−感度特性を図4に実線で示す。また、AM放送帯も良好に受信できた。
【0025】
「例2(比較例)」
ループ形成用導体3bを設けない以外は、例1とまったく同様の仕様とした自動車用ガラスアンテナを製作した。米国のFM放送帯の周波数−感度特性を図4に点線で示す。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、FM放送帯の感度の平坦性の調整が可能となり、平坦性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動車用ガラスアンテナの一実施例の構成図
【図2】別の実施例の構成図
【図3】別の実施例の構成図
【図4】例1及び例2の、米国のFM放送帯の周波数−感度特性図
【符号の説明】
1:自動車の後部窓ガラス板
2:ヒータ線
3:デフォッガ
3a:デフォッガ分岐導体
3b:デフォッガ分岐導体に設けられるループ形成用導体
3c:各ヒータ線2を短絡する短絡線
4:アンテナ導体
5a、5b:バスバ
6:アンテナ導体4の給電点
8:リアクタンス回路
9:チョークコイル
10:直流電源
11:コンデンサ

Claims (1)

  1. ヒータ線と該ヒータ線に給電するバスバとを有する通電加熱式のデフォッガと、該デフォッガに容量結合されているアンテナ導体とが自動車の後部窓ガラス板に設けられており、バスバと直流電源との間にチョークコイルが接続されている自動車用ガラスアンテナにおいて、
    デフォッガとアンテナ導体との容量結合がデフォッガに設けられているデフォッガ分岐導体と、アンテナ導体との近接によって行われており、
    デフォッガ分岐導体にループ状部分が設けられていることを特徴とする自動車用ガラスアンテナ。
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