JP3678097B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は自動車等の電動パワーステアリングに関するものであり、特に、トルクセンサ入力回路の故障時における操舵フィーリングの改善に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】
図1に従来の電動パワーステアリング装置を示す。図において、1はステアリングホイール、2はステアリング軸、3は運転者の操舵力を検出するトルクセンサ、4は運転者の操舵力を補助するモータ、5はモータの出力トルクをステアリング軸2に伝達するための減速機、6は車両の走行速度を検出する車速センサ、7は車両に搭載されたバッテリ、8はトルクセンサ3や車速センサ6の出力信号に基づいてモータ4を駆動するコントローラである。
【0003】
図2は、コントローラ8の詳細を示す図である。9はマイクロコントローラであり、マイクロプロセッサMPU、記憶装置(ROM並びにRAM)、入出力ポートI/O、アナログ/デジタル変換器A/D、およびパルス幅変調信号出力回路PWM等を有するものである。10は4つのパワーMOSFETからなるブリッジ回路から構成されるモータ駆動回路、11はモータ駆動回路10を駆動するためのゲート駆動回路、13はトルクセンサ2の出力信号を処理する増幅位相補償回路である。
【0004】
このような従来の電動パワーステアリング装置は、運転者がステアリングホイール1を操作するときに、その操作力、すなわち入力トルクをトルクセンサ3にて検出し、このトルクセンサ信号を増幅位相補償回路13にて処理する。
【0005】
この増幅位相補償回路13では、トルクセンサ信号を増幅および位相補償する。マイクロコントローラ9は、この処理後のトルクセンサ信号に基づいて、所定の制御プログラムに従って演算処理を行い、モータ4を駆動することによって必要な補助トルクを発生させる。このように、従来の電動パワーステアリング装置は、増幅位相補償回路により制御に必要な分解能を確保し、モータの電流フィードバック制御における応答性を確保しているものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明した従来の電動パワーステアリング装置では、トルクセンサ3のトルクセンサ信号に対して増幅位相補償回路13にて、増幅・位相補償処理を行っており、この処理後のトルクセンサ信号にてモータ4の制御を行っているため、増幅位相補償回路13が故障した場合には、トルクセンサ3のトルクセンサ信号、すなわち運転者の操舵力とは相関のない信号が出力されることとなり、運転者の意志に従った制御が行えないという問題点があった。
【0007】
また、このような問題点を解決するために、図3に示すように増幅位相補償回路13の前後の信号、即ち、増幅・位相補償処理の前後の信号をそれぞれマイクロコントローラ9に入力し、これらの相関を監視することで、増幅位相補償回路13の故障を判断するものも提案されている。
【0008】
このようなものでは、故障判断のために、増幅・位相補償処理の前後の信号の相関が所定時間以上にわたって異常であることを監視するが、この所定時間を長く設定すると、故障が発生した後、この故障を判断するまでに時間がかかり、その間、不正なトルクセンサ信号に応じてモータを制御して補助トルク発生させてしまい、車両の挙動が不安定となり、逆に所定時間を短く設定すると、増幅・位相補償処理の前後の信号は、増幅位相補償回路13によって位相が異なるため、過渡状態において、装置が正常であるにもかかわらず、故障であると判断してしまうという問題点があった。
【0009】
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、増幅位相補償回路の故障時に、その故障が検出されるまでの間においても、不正なトルクセンサ信号による制御を抑制し得る電動パワーステアリング装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る電動パワーステアリング装置は、ステアリング軸に操舵補助力を与えるモータと、操舵トルクを検出するトルク検出手段と、このトルク検出手段の検出値を増幅および位相補償する増幅位相補償手段と、この増幅位相補償手段の出力に基づいて上記モータを駆動制御する制御手段と、上記トルク検出手段の検出値および上記増幅位相補償手段の出力に基づいて上記増幅位相補償手段の故障判定を行う故障判定手段とを備えた電動パワーステアリング装置において、上記制御手段は、上記故障判定手段によって故障と判定されるまでの間、上記トルク検出手段の検出値に応じて設定した上限値および下限値によって上記モータを駆動する制御信号を制限するものである。
【0011】
また、ステアリング軸に操舵補助力を与えるモータと、それぞれ操舵トルクを検出する第1トルク検出手段および第2トルク検出手段と、この第1トルク検出手段の検出値を増幅および位相補償する増幅位相補償手段と、この増幅位相補償手段の出力に基づいて上記モータを駆動制御する制御手段と、上記第1トルク検出手段の検出値および上記増幅位相補償手段の出力に基づいて上記増幅位相補償手段の故障判定を行う故障判定手段とを備えた電動パワーステアリング装置において、上記制御手段は、上記故障判定手段によって故障と判定されるまでの間、上記第2トルク検出手段の検出値に応じて設定した上限値および下限値によって上記モータを駆動する制御信号を制限するものである。
【0012】
また、ステアリング軸に操舵補助力を与えるモータと、それぞれ操舵トルクを検出する第1トルク検出手段および第2トルク検出手段と、この第1トルク検出手段の検出値を増幅および位相補償する増幅位相補償手段と、この増幅位相補償手段の出力に基づいて上記モータを駆動制御する制御手段と、上記第1トルク検出手段の検出値および上記増幅位相補償手段の出力に基づいて上記増幅位相補償手段の故障判定を行う故障判定手段とを備えた電動パワーステアリング装置において、上記制御手段は、上記故障判定手段によって故障と判定されるまでの間、上記第1トルク検出手段の検出値に応じて設定した第1上限値および第1下限値と、上記第2トルク検出手段の検出値に応じて設定した第2上限値および第2下限値のうち、いずれか小さい方を上限値および下限値として選択し、この上限値および下限値によって上記モータを駆動する制御信号を制限するものである。
【0013】
また、制御手段は、トルク検出手段の検出値を増幅演算および位相補償演算する増幅位相補償演算手段を備え、この増幅位相補償演算手段の演算結果に応じて上限値および下限値を設定するものである。
【0014】
また、制御手段は、増幅位相補償手段の出力を上限値および下限値によって制限することによって制御信号を制限するものである。
【0015】
また、制御手段は、増幅位相補償手段の出力に応じて求めたモータ電流を上限値および下限値によって制限するものである。
【0016】
また、制御手段は、増幅位相補償手段の出力に応じて求めたモータ印加電圧を上限値および下限値によって制限することによって制御信号を制限するものである。
【0017】
また、制御手段は、モータを駆動する制御信号を上限値および下限値によって制限する際に、制限前の値と制限後の値を比較し、モータが発生する補助トルクの低い側の値を用いてモータを駆動制御するものである。
【0018】
また、車両の速度を検出する車速検出手段を備え、制御手段は車速に応じて上限値と下限値の間の幅を変化させるものである。
【0019】
制御手段は、トルク検出手段の検出値の大きさに応じて上限値と下限値の間の幅を変化させるものである。
【0020】
また、制御手段は、上限値と下限値の幅を、トルク検出手段の検出値によって得られるトルク印加方向と同方向の幅は大きく、逆方向の幅は小さく設定するものである。
【0021】
また、制御手段は、トルク検出手段の検出値が所定範囲外となったときにはモータの駆動制御を停止するものである。
【0022】
さらに、制御手段は、増幅位相補償手段の出力、または増幅位相補償手段の出力に応じて求めたモータ電流あるいはモータ印加電圧が、上限値と下限値との範囲外となってからの経過時間に応じて上限値と下限値の間の幅を小さくするものである。
【0023】
さらにまた、制御手段は、増幅位相補償手段の出力、または増幅位相補償手段の出力に応じて求めたモータ電流あるいはモータ印加電圧が、上限値と下限値との範囲外となってから所定時間が経過するまでは上限値および下限値による制限を禁止するものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施形態1に係る電動パワーステアリング装置を図に従って説明する。この発明の実施形態1に係る電動パワーステアリング装置の構成は、図3と同じであるので、詳細な説明を省略する。
【0025】
次に、図4のフォローチャートに従って、この発明の実施形態1の動作について説明する。ステップs1において、パワーステアリングのモータ制御に必要な各信号、即ちトルクセンサ入力信号(即ち、増幅位相補償回路13の入力信号)、トルクセンサ位相補償出力信号(即ち、増幅位相補償回路13の出力信号)、車速信号等を取り込む。
【0026】
次にステップs2において、取り込んだ各入力信号が不正な値を示していないかをチェックし、故障を診断する。例えば、トルクセンサ入力信号がセンサハーネスの断線、地絡などにより不正な値になっていないかをチェックする。また、増幅位相補償回路は、位相補償を行うため、過渡応答によりオーバシュートを生じることを考慮し、トルクセンサ入力信号に対してトルクセンサ位相補償出力信号がトルク換算値として所定しきい値を超えた誤差が所定時間継続していないかをチェックする。ここで所定時間は、位相補償の時定数を考慮して設定する必要があるため、比較的長い時間(例えば100msec程度)に設定されている。さらに、車速信号検出値が急激に減少していないかをチェックし、センサ、ハーネスの故障をチェックする。
【0027】
次に、ステップs3にて、トルクセンサ入力信号に基づいて定められた上限値および下限値にてトルクセンサ位相補償出力信号をクリップする。この上限値および下限値は、図5のように、運転者がステアリングホイール1を操作する際の操舵トルク、即ち入力トルク値T1と増幅位相補償回路13での増幅率とから求まる出力値TV1に対して、上下とも所定の偏差しきい値Thの幅を持たせることによって設定する。このステップs3では、トルク位相補償出力信号が、このように設定した上限値を上回るか、あるいは下限値を下回った場合には、即座にトルク位相補償出力信号を上限値、あるいは下限値にクリップする処理を行う。
【0028】
次にステップs4では、ステップs2にて実施した故障診断の結果に基づき、故障であればステップs5に進み、故障でなければステップs6へ進む。ステップs5では、故障であるため操舵力補助電流を0とする。一方ステップs6では、ステップs3にてクリップ処理された後のトルク信号および車速を参照することにより、例えば図6に示すような、操舵トルクの増加につれて増加し、車速の増加につれて減少する所定の特性を持つ操舵力補助電流を、記憶装置内に予め記憶したテーブル等を参照して演算する。
【0029】
ステップs7では、ステップs5またはステップs6の演算結果に応じて得られた操舵補助電流の指令値を基に、図示しないモータ電流検出回路によって検出したモータ4の実電流と比較して、これらが一致するように、いわゆるフィードバック制御を行い、ゲート駆動回路11によってモータ駆動回路10をPWM駆動し、最後にステップs8にて、この一連の処理が一定周期で行われるように、1周期経過するまで待機し、1周期経過後、ステップs1へ戻って同様の制御を繰り返す。
【0030】
以上説明したこの発明の実施形態1では、増幅位相補償回路13が故障し、正常に増幅あるいは位相補償ができず、その出力値TV1が右側、もしくは左側に過大な値となってしまった場合であっても、ステップs3にて増幅位相補償回路13の出力値TV1の値が増幅位相補償回路13の入力値T1に基づいて設定される上限値および下限値の間にクリップされるため、ステップs2での故障診断が行われるまでの間に過大な補助トルクを発生させることなく、車両の挙動を安定させることができる。
【0031】
実施の形態2.
次にこの発明の実施形態2について説明する。上記実施形態1では、単一のトルクセンサを備えたものについて説明したが、一般的に、トルクセンサの冗長系として、複数のトルクセンサを備えたものが知られている。この実施形態2では、このように複数のトルクセンサを備えたものに、この発明を適用するものについて説明する。即ち、第1トルクセンサ検出値T1を基に増幅位相補償回路を介して得た出力値(制御トルク)TV1に対し、第2トルクセンサ検出値T2に基づきクリップ処理を行うものである。
【0032】
図7は、この発明の実施形態2を示す図であり、図3と同一箇所には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。この実施形態2ではさらに、第2トルクセンサ14を備え、この第2トルクセンサ14のトルクセンサ信号T2もマイクロコントローラ9に入力する。
【0033】
マイクロコントローラ9では、所定の演算処理を行うが、その処理についてもステップs3のクリップ処理の内容のみが異なり、それ以外は同様である。よって、ここでは処理内容が異なるクリップ処理について図8に従って説明する。
【0034】
ステップs21では、第2トルクセンサ14からのトルクセンサ信号T2に対して所定幅を持たせた上限値Th1および下限値Th2を設定する。
【0035】
ステップs22において、ステップs21で設定した上限値Th1と増幅位相補償回路13の出力値TV1とを比較し、出力値TV1が上限値Th1より大きければ、ステップs23に進み、出力値TV1が上限値Th1より小さければ、ステップs26に進む。
【0036】
ステップs22では、出力値TV1と上限値Th1が同一方向であるか否かを判断し、同一方向であれば、ステップs24に進み、出力値TV1を上限値Th1でクリップし処理を終了する。一方、同一方向でなければ、出力値TV1あるいは上限値Th1のいずれかが不正であると判断してステップs25に進み、出力値TV1を中立値、例えば2.5Vに設定して処理を終了する。
【0037】
ステップs26では、ステップs21で設定した下限値Th2と出力値TV1を比較して、出力値TV1が下限値Th2より大きければ、ステップs27に進み、クリップ処理を行わずに処理を終える。一方、出力値TV1が下限値Th2より小さければステップs28に進み、出力値TV1と下限値Th2が同一方向であるか否かを判定する。
【0038】
ステップs28にて出力値TV1と下限値Th2が同一方向であれば、ステップs29へ進んで出力値TV1を下限値Th2にてクリップして処理を終了する。一方、ステップs28にて出力値TV1と下限値Th2が同一方向でなければ、出力値TV1あるいは上限値Th1のいずれかが不正であると判断してステップs30に進み、出力値TV1を中立値、例えば2.5Vに設定して処理を終了する。
【0039】
以上説明した実施形態2では、複数のトルクセンサを備え、増幅位相補償回路が故障した場合でも、他方のトルクセンサ信号に基づいてクリップすることにより、増幅位相補償回路の出力値が過大となり、過大な補助トルクが発生することを防止できるので、車両の挙動を安定させることができるという上記実施形態1と同様の効果を奏することができ、かつ、トルクセンサ信号を相互に監視することが可能であり、トルクセンサそのものやハーネスのオープン、ショート等の故障に対してもバックアップが可能となり、安全性を更に向上することができる。
【0040】
実施の形態3.
次に、上記実施形態2の変形例を実施形態3として説明する。図8のステップs21を図9のステップs31、s32、s33、s34に示すように変形させたものである。詳細には、まずステップs32において、第1トルクセンサ信号T1と第2トルクセンサ信号T2について、中立値(例えば2.5V)からの変化量の大きさを比較し、中立値からの変化量が小さい方を基準トルクTとして選択する。即ち、第1トルクセンサ信号T1の方が中立値からの変化量が小さい場合は、ステップs32へ進み、第1トルクセンサ信号T1を基準トルクTとし、第2トルクセンサ信号T2の方が中立値からの変化量が小さい場合は、ステップs33へ進み、第2トルクセンサ信号T2を基準トルクTとする。次に、ステップs34へ進み、基準トルクTに所定幅を持たせて上限値Th1およびTh2を設定する。その後は、上記実施形態2と同様である。
【0041】
このような実施形態3では、中立値からの変化量が少ない方のトルクセンサ信号を基準として上限値および下限値を設定することができるので、故障時における補助トルクをより小さくすることができ、より安全性を向上することができるという効果を奏する。
【0042】
実施の形態4.
上記実施形態1ないし実施形態3においては増幅位相補償回路13の入出間のトルク偏差が所定値未満となるようにトルク値をクリップしていたが、入力トルクに応じてモータ目標電流をクリップするようにしても同様な効果を奏する。
【0043】
図10は実施形態4の動作を示すフローチャートであるが、上記実施形態1にて説明した図4のフローチャートによる動作と基本的には同様であり、図4のステップs3の代わりにステップs9の電流クリップ処理を追加したものである。ステップs9では、ステップs5またはステップs6にて操舵力補助電流を決定した後、この操舵力補助電流をクリップ処理することにより、上記実施形態1と同様な効果を得るものである。
【0044】
図11に図10のステップs9の具体的処理内容を示す。ステップs41にてトルクセンサ信号T1の大きさ、および向きに応じて、例えば図12(a)に示すような特性から順方向クリップ電流If_clp、および逆方向クリップ電流Ir_clpを求める。次にステップs42にて、例えば図12(b)に示すような特性から車速に対するクリップ電流のゲインを順方向ゲインGf_clp、逆方向Gr_clpともに決定する。
【0045】
次にステップs43にて、求めた操舵力補助電流とトルクセンサ信号T1が同一方向であるか否か判定し、同一方向であればステップs44ヘ進み、順方向クリップ電流If_clpと順方向ゲインGf_clpとからクリップ電流I_Clpを求め、逆方向であればステップs45へ進み、逆方向クリップ電流Ir_clpと逆方向ゲインGr_clpとからクリップ電流I_Clpを求める。
【0046】
ステップs46では、ステップs44またはステップs45にて求めたクリップ電流I_Clpと操舵力補助電流の絶対値を比較し、操舵力補助電流の絶対値が小さい場合にはクリップ処理を行わず、逆に操舵力補助電流の絶対値が大きい場合にはステップs47にて操舵力補助電流をクリップ電流I_Clpにてクリップし、電流クリップ処理を終了する。
【0047】
このように、この実施形態4では入力トルクおよび車速に応じて通電可能な操舵力補助電流の上限を設けることとしたので、増幅位相補償回路の故障によって操舵力補助電流が過大となった場合にも、操舵力補助電流を実際の入力トルクに応じた適切な上限値に制限することができ、安全性を確保できるという効果を奏することができる。
【0048】
また、実施形態2や実施形態3と同様に制限値を決める指標として第2のトルク検出手段を設け、その信号を用いて実施することも可能であり、その場合は増幅位相補償回路の故障に対するバックアップのみならず、トルクセンサそのもの、およびハーネス等の故障に対しても、過大アシストを防止できる効果が得られることはいうまでもない。
【0049】
実施の形態5.
上記実施形態4では操舵力補助電流をクリップするようにしたが、この実施例5ではモータ印加電圧をクリップするものについて説明する。
【0050】
図13は、全体的な処理を示すフローチャートであり、図4に示すものと基本的に同様であるが、ステップs3の代わりにステップs10の電圧クリップ処理を追加したものである。それ以外は図4と同様であるので、このステップs10の電圧クリップ処理についてのみ説明する。
【0051】
図14は電圧クリップ処理の具体的な動作を示すフローチャートである。まず、ステップs51にてトルクセンサ信号T1の大きさ、および向きに応じて、例えば図15(a)に示すような特性から順方向クリップ電圧Vf_clp、および逆方向クリップ電圧Vr_clpを求める。次にステップs52にて、例えば図15(b)に示すような特性から車速に対するクリップ電圧のゲインを順方向ゲインGf_clp、逆方向Gr_clpともに決定する。
【0052】
次にステップs53にて、モータの通電方向とトルクセンサ信号T1が同一方向であるか否か判定し、同一方向であればステップs54ヘ進み、順方向クリップ電圧Vf_clpと順方向ゲインGf_clpとからクリップ電圧V_Clpを求め、逆方向であればステップs55へ進み、逆方向クリップ電圧Vr_clpと逆方向ゲインGr_clpとからクリップ電圧V_Clpを求める。
【0053】
ステップs56では、ステップs54またはステップs55にて求めたクリップ電圧V_Clpとモータ印加電圧の絶対値を比較し、モータ印加電圧の絶対値が小さい場合にはクリップ処理を行わず、逆にモータ印加電圧の絶対値が大きい場合にはステップs57にてモータ印加電圧をクリップ電圧V_Clpにてクリップし、電圧クリップ処理を終了する。
【0054】
ここで、モータ印加電圧はモータ電流フィードバック制御によりモータ駆動回路10に印加するPWM信号のデューティ比によって決定づけられており、この実施形態5では、このモータ印加電圧、言い換えればPWM信号のデューティ比をトルクセンサ信号に応じてクリップすることによって、操舵力補助電流の指令値が不正に大きくなった場合にも過大な電流がモータに流れることを防止できるという効果に加え、モータ電流フェードバック制御ループの故障による過大な印加電圧を防止できるという効果をも得ることができる。
【0055】
実施の形態6.
上記実施形態1、2、3、4又は5では増幅位相補償回路13が出力する信号の異常をトルクセンサ信号のトルク換算値によって直接クリップしているが、位相補償による過渡応答の効果を補正するためにトルクセンサ信号に対しソフトウエアにより位相補償の演算を実施し、その結果に基づいて増幅位相補償回路13の出力信号をクリップするように処理しても良く、増幅位相補償回路13の位相進み・遅れの時定数に一致したソフトウエアによるフィルタは双一次変換等の手法により構成することができる。
【0056】
図16は、この実施形態6の処理を示すフローチャートであり、上記図4と基本的には同様に動作するが、ステップs11およびステップs12が異なるので、これらの処理について説明する。
【0057】
s11に、トルクセンサ信号T1に対して増幅位相補償回路13の出力と同等な位相特性を持ったソフトウエアフィルタ処理を行い、演算結果を位相補償後のトルクセンサ信号とする。
【0058】
次に、ステップs12では、ステップs11に求めた位相補償後のトルクセンサ信号に所定幅を持たせた上限値および下限値を求め、この上限値および下限値にて増幅位相補償回路13の出力TV1をクリップする。
【0059】
このステップs12にて持たせる所定幅は、基準となるソフトウェアフィルタによる位相補償後のトルクセンサ信号が増幅位相補償回路出力と同等の特性に補償されたいるので、図17に示したように、上記実施形態1にて設定したしきい値に比べ、過渡応答の影響に対するクリップトルクしきい値のマージンを狭めることができるので、より安全なクリップ処理が可能となる。
【0060】
実施の形態7.
上記実施形態1ないし実施形態6においては、所定の上限値および下限値を設定し、この範囲を外れたときは直ちにクリップ処理を行うようにしたが、範囲外を外れる継続時間に応じて上限値および下限値を徐々に変化させ、より小さな値にクリップするようにしても良い。
【0061】
このように実施形態7によれば、増幅位相補償回路が故障した場合においても、クリップする値を時間の経過とともに徐々に小さくできるので、発生する補助トルクを時間の経過とともに徐々に小さくすることができ、過大な補助トルクの発生を防止することができ、かつ、所定幅、即ち故障判定のマージン幅を比較的大きくとっても補助トルクが急変しないという効果を奏する。
【0062】
ここで、上限値および下限値の変化については、時間の経過とともに変化させるものであるが、その変化の形態は線形変化、非線形変化等あらゆる形態を適用することができ、車両の特性、運転者の好み等に応じて設定すればよい。
【0063】
実施の形態8.
上記実施形態7では、クリップ処理を行う上限値および下限値を時間とともに変化させるようにしたが、その変化の形態として、上限値、下限値の範囲を外れてから所定時間はクリップ処理を中止し、所定時間経過後にクリップ処理を開始するようにしても良い。
【0064】
このように所定時間が経過するまではクリップ処理を中止することによって、運転者の意志に反した挙動を防止でき、操舵フィーリングを損なうことがなく、一方故障時には必要充分な短時間で制御トルクをクリップ処理できるので、操舵フィーリングと安全性を両立することができる。
【0065】
以上説明した実施形態1ないし8では、いずれも上限値、下限値による所定幅を一定としたが、車速に応じて変化させる、特に車速が大になるにつれて所定幅を狭くすることによって、高車速時の安全性を確保することができる。
【0066】
また、トルクセンサからのトルク検出値の大きさに応じて所定幅を変更することによって、運転者が軽く操舵しているときに過大な補助トルクが発生し、車両の挙動が不安定となるのを防止することができる。
【0067】
さらに、トルクセンサからのトルク検出値の方向と同方向には比較的広く、逆方向には比較的狭く所定幅を設定することによって、運転者の意志に反した挙動を防止でき、より一層安全性を向上することができる。
【0068】
さらにまた、トルクセンサの検出値が所定範囲(例えば0.2〜4.8V)内にあるか否かを判定し、範囲外の場合には、モータの駆動制御そのものを禁止するようにしてもよく、このようにすることによって、トルクセンサが故障した際において、異常な検出値に基づいたクリップ処理を行うことがなく、より安全性を向上することができる。
【0069】
また、上記実施形態1ないし8では、いずれも上限値および下限値にてクリップ処理を行うこととしたが、クリップ処理前の値とクリップ処理後の値を比較して、中立側、即ち駆動制御されるモータが発生する補助トルクが低い側の値を用いて制御を行うこととしてもよい。これによって、手放し戻り時などの制御性を損なうことなく、過大な補助トルクの発生を防止することができる。
【0070】
【発明の効果】
この発明に係る電動パワーステアリング装置は、ステアリング軸に操舵補助力を与えるモータと、操舵トルクを検出するトルク検出手段と、このトルク検出手段の検出値を増幅および位相補償する増幅位相補償手段と、この増幅位相補償手段の出力に基づいて上記モータを駆動制御する制御手段と、上記トルク検出手段の検出値および上記増幅位相補償手段の出力に基づいて上記増幅位相補償手段の故障判定を行う故障判定手段とを備えた電動パワーステアリング装置において、上記制御手段は、上記故障判定手段によって故障と判定されるまでの間、上記トルク検出手段の検出値に応じて設定した上限値および下限値によって上記モータを駆動する制御信号を制限するものであり、増幅位相補償手段に故障が生じた場合に、その故障が判定されるまでの間においても過大な補助トルクが発生することを防止でき、より安全性の高い電動パワーステアリング装置を得ることができる。
【0071】
また、ステアリング軸に操舵補助力を与えるモータと、それぞれ操舵トルクを検出する第1トルク検出手段および第2トルク検出手段と、この第1トルク検出手段の検出値を増幅および位相補償する増幅位相補償手段と、この増幅位相補償手段の出力に基づいて上記モータを駆動制御する制御手段と、上記第1トルク検出手段の検出値および上記増幅位相補償手段の出力に基づいて上記増幅位相補償手段の故障判定を行う故障判定手段とを備えた電動パワーステアリング装置において、上記制御手段は、上記故障判定手段によって故障と判定されるまでの間、上記第2トルク検出手段の検出値に応じて設定した上限値および下限値によって上記モータを駆動する制御信号を制限するものであり、第1トルク検出手段や増幅位相補償手段に故障が生じた場合に、その故障が判定されるまでの間においても過大な補助トルクが発生することを防止でき、安全性の高い電動パワーステアリング装置を得ることができる。
【0072】
また、ステアリング軸に操舵補助力を与えるモータと、それぞれ操舵トルクを検出する第1トルク検出手段および第2トルク検出手段と、この第1トルク検出手段の検出値を増幅および位相補償する増幅位相補償手段と、この増幅位相補償手段の出力に基づいて上記モータを駆動制御する制御手段と、上記第1トルク検出手段の検出値および上記増幅位相補償手段の出力に基づいて上記増幅位相補償手段の故障判定を行う故障判定手段とを備えた電動パワーステアリング装置において、上記制御手段は、上記故障判定手段によって故障と判定されるまでの間、上記第1トルク検出手段の検出値に応じて設定した第1上限値および第1下限値と、上記第2トルク検出手段の検出値に応じて設定した第2上限値および第2下限値のうち、いずれか小さい方を上限値および下限値として選択し、この上限値および下限値によって上記モータを駆動する制御信号を制限するものであり、いずれかのトルク検出手段や増幅位相補償手段に故障が生じた場合に、その故障が判定されるまでの間においても過大な補助トルクが発生することを防止でき、安全性の高い電動パワーステアリング装置を得ることができる。
【0073】
また、制御手段は、トルク検出手段の検出値を増幅演算および位相補償演算する増幅位相補償演算手段を備え、この増幅位相補償演算手段の演算結果に応じて上限値および下限値を設定するものである。
【0074】
また、制御手段は、増幅位相補償手段の出力を上限値および下限値によって制限することによって制御信号を制限するものであり、増幅位相補償手段に故障が生じた場合に、その故障が判定されるまでの間においても過大な補助トルクが発生することを防止でき、安全性の高い電動パワーステアリング装置を得ることができる。
【0075】
また、制御手段は、増幅位相補償手段の出力に応じて求めたモータ電流を上限値および下限値によって制限するものであり、増幅位相補償手段に故障が生じた場合に、その故障が判定されるまでの間においても過大な補助トルクが発生することを防止でき、さらに、制御信号に直接影響するモータ電流を制限することによって、即座にモータの発生トルクを制限することができ、より安全性の高い電動パワーステアリング装置を得ることができる。
【0076】
また、制御手段は、増幅位相補償手段の出力に応じて求めたモータ印加電圧を上限値および下限値によって制限することによって制御信号を制限するものであり、増幅位相補償手段に故障が生じた場合に、その故障が判定されるまでの間においても過大な補助トルクが発生することを防止でき、さらに、モータへの印加電圧を制限することによって、いわゆる電流フィードバックループに用いる電流検出回路が故障の場合においても、モータの発生トルクを制限することができ、より一層安全性の高い電動パワーステアリング装置を得ることができる。
【0077】
また、制御手段は、モータを駆動する制御信号を上限値および下限値によって制限する際に、制限前の値と制限後の値を比較し、モータが発生する補助トルクの低い側の値を用いてモータを駆動制御するものであり、手放し戻し時などの制御性を損なうことなく、過大な補助トルクの発生を抑止することができる。
【0078】
また、車両の速度を検出する車速検出手段を備え、制御手段は車速に応じて上限値と下限値の間の幅を変化させるものであり、高車速時の安全性を確保することができる。
【0079】
制御手段は、トルク検出手段の検出値の大きさに応じて上限値と下限値の間の幅を変化させるものであり、運転者が軽く操舵しているときに過大な補助トルクが発生し、車両の挙動が不安定となるのを防止することができる。
【0080】
また、制御手段は、上限値と下限値の幅を、トルク検出手段の検出値によって得られるトルク印加方向と同方向の幅は大きく、逆方向の幅は小さく設定するものであり、運転者の意志に反した挙動を防止でき、より一層安全性を向上することができる。
【0081】
また、制御手段は、トルク検出手段の検出値が所定範囲外となったときにはモータの駆動制御を停止するものであり、故障したトルク検出手段の検出値に基づいてクリップ処理を行うことを防止でき、より安全性を向上することができる。
【0082】
さらに、制御手段は、増幅位相補償手段の出力、または増幅位相補償手段の出力に応じて求めたモータ電流あるいはモータ印加電圧が、上限値と下限値との範囲外となってからの経過時間に応じて上限値と下限値の間の幅を小さくするものであり、増幅位相補償回路が故障した場合においても、クリップする値を時間の経過とともに徐々に小さくできるので、発生する補助トルクを時間の経過とともに徐々に小さくすることができ、過大な補助トルクの発生を防止することができ、かつ、所定幅、即ち故障判定のマージン幅を比較的大きくとっても補助トルクが急変しないという効果を奏する。
【0083】
さらにまた、制御手段は、増幅位相補償手段の出力、または増幅位相補償手段の出力に応じて求めたモータ電流あるいはモータ印加電圧が、上限値と下限値との範囲外となってから所定時間が経過するまでは上限値および下限値による制限を禁止するものであり、運転者の意志に反した挙動を防止でき、より一層安全性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の電動パワーステアリング装置の構成を示す図である。
【図2】 従来の電動パワーステアリング装置のコントローラを示す図である。
【図3】 従来の電動パワーステアリング装置のコントローラを示す図である。
【図4】 この発明の実施形態1による電動パワーステアリング装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】 この発明の実施形態1による電動パワーステアリング装置のコントローラの動作を示す図である。
【図6】 この発明の実施形態1による電動パワーステアリング装置のコントローラの動作を示す図である。
【図7】 この発明の実施形態2による電動パワーステアリング装置のコントローラを示すフローチャートである。
【図8】 この発明の実施形態2による電動パワーステアリング装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】 この発明の実施形態3による電動パワーステアリング装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】 この発明の実施形態4による電動パワーステアリング装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】 この発明の実施形態4による電動パワーステアリング装置の動作を示すフローチャートである。
【図12】 この発明の実施形態4による電動パワーステアリング装置のコントローラの動作を示す図である。
【図13】 この発明の実施形態5による電動パワーステアリング装置の動作を示すフローチャートである。
【図14】 この発明の実施形態5による電動パワーステアリング装置の動作を示すフローチャートである。
【図15】 この発明の実施形態5による電動パワーステアリング装置のコントローラの動作を示す図である。
【図16】 この発明の実施形態6による電動パワーステアリング装置の動作を示すフローチャートである。
【図17】 この発明の実施形態6による電動パワーステアリング装置のコントローラの動作を示す図である。
【符号の説明】
1 ステアリング
2 ステアリング軸
3 トルクセンサ
4 モータ
5 減速機
6 車速センサ
8 コントローラ
9 マイクロコントローラ
10 モータ駆動回路
13 増幅位相補償回路
14 第2のトルクセンサ
Claims (14)
- ステアリング軸に操舵補助力を与えるモータと、操舵トルクを検出するトルク検出手段と、このトルク検出手段の検出値を増幅および位相補償する増幅位相補償手段と、この増幅位相補償手段の出力に基づいて上記モータを駆動制御する制御手段と、上記トルク検出手段の検出値および上記増幅位相補償手段の出力に基づいて上記増幅位相補償手段の故障判定を行う故障判定手段とを備えた電動パワーステアリング装置において、上記制御手段は、上記故障判定手段によって故障と判定されるまでの間、上記トルク検出手段の検出値に応じて設定した上限値および下限値によって上記モータを駆動する制御信号を制限することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
- ステアリング軸に操舵補助力を与えるモータと、それぞれ操舵トルクを検出する第1トルク検出手段および第2トルク検出手段と、この第1トルク検出手段の検出値を増幅および位相補償する増幅位相補償手段と、この増幅位相補償手段の出力に基づいて上記モータを駆動制御する制御手段と、上記第1トルク検出手段の検出値および上記増幅位相補償手段の出力に基づいて上記増幅位相補償手段の故障判定を行う故障判定手段とを備えた電動パワーステアリング装置において、上記制御手段は、上記故障判定手段によって故障と判定されるまでの間、上記第2トルク検出手段の検出値に応じて設定した上限値および下限値によって上記モータを駆動する制御信号を制限することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
- ステアリング軸に操舵補助力を与えるモータと、それぞれ操舵トルクを検出する第1トルク検出手段および第2トルク検出手段と、この第1トルク検出手段の検出値を増幅および位相補償する増幅位相補償手段と、この増幅位相補償手段の出力に基づいて上記モータを駆動制御する制御手段と、上記第1トルク検出手段の検出値および上記増幅位相補償手段の出力に基づいて上記増幅位相補償手段の故障判定を行う故障判定手段とを備えた電動パワーステアリング装置において、上記制御手段は、上記故障判定手段によって故障と判定されるまでの間、上記第1トルク検出手段の検出値に応じて設定した第1上限値および第1下限値と、上記第2トルク検出手段の検出値に応じて設定した第2上限値および第2下限値のうち、いずれか小さい方を上限値および下限値として選択し、この上限値および下限値によって上記モータを駆動する制御信号を制限することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
- 制御手段は、トルク検出手段の検出値を増幅演算および位相補償演算する増幅位相補償演算手段を備え、この増幅位相補償演算手段の演算結果に応じて上限値および下限値を設定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか記載の電動パワーステアリング装置。
- 制御手段は、増幅位相補償手段の出力を上限値および下限値によって制限することによって制御信号を制限することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか記載の電動パワーステアリング装置。
- 制御手段は、増幅位相補償手段の出力に応じて求めたモータ電流を上限値および下限値によって制限することによって制御信号を制限することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか記載の電動パワーステアリング装置。
- 制御手段は、増幅位相補償手段の出力に応じて求めたモータ印加電圧を上限値および下限値によって制限することによって制御信号を制限することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか記載の電動パワーステアリング装置。
- 制御手段は、モータを駆動する制御信号を上限値および下限値によって制限する際に、制限前の値と制限後の値を比較し、モータが発生する補助トルクの低い側の値を用いてモータを駆動制御することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか記載の電動パワーステアリング装置。
- 車両の速度を検出する車速検出手段を備え、制御手段は車速に応じて上限値と下限値の間の幅を変化させることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか記載の電動パワーステアリング装置。
- 制御手段は、トルク検出手段の検出値の大きさに応じて上限値と下限値の間の幅を変化させることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか記載の電動パワーステアリング装置。
- 制御手段は、上限値と下限値の幅を、トルク検出手段の検出値によって得られるトルク印加方向と同方向の幅は大きく、逆方向の幅は小さく設定することを特徴とする請求項1ないし10のいずれか記載の電動パワーステアリング装置。
- 制御手段は、トルク検出手段の検出値が所定範囲外となったときにはモータの駆動制御を停止することを特徴とする請求項1ないし11のいずれか記載の電動パワーステアリング装置。
- 制御手段は、増幅位相補償手段の出力、または増幅位相補償手段の出力に応じて求めたモータ電流あるいはモータ印加電圧が、上限値と下限値との範囲外となってからの経過時間に応じて上限値と下限値の間の幅を小さくすることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか記載の電動パワーステアリング装置。
- 制御手段は、増幅位相補償手段の出力、または増幅位相補償手段の出力に応じて求めたモータ電流あるいはモータ印加電圧が、上限値と下限値との範囲外となってから所定時間が経過するまでは上限値および下限値による制限を禁止することを特徴とする請求項1ないし13のいずれか記載の電動パワーステアリング装置。
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