JP3660148B2 - 自動分析装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は自動分析装置、特にサンプルや試薬のような液体の分注に先立ってその液面検出に用いられるのに適した液面検出手段を有する自動分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
血液や尿などの生体サンプルを自動分析装置で分析する際には、サンプル容器内のサンプルは分注プローブを通じて反応容器に分注される。試薬容器内の試薬を反応容器に分注する場合もその分注は分注プローブを通じて行われる。分注は分注プローブを下降させながら分注されるべき液体に浸入させて停止させ、その状態でその液体を吸引することを通じて行われる。反応容器に分注されたサンプル及び試薬は攪拌により混合され、その混合液は測定手段により測定される。
【0003】
分注プローブを液体に浸入させる場合、その浸入量が多いほどその外壁への液体の付着量が増大し、これがコンタミネーションの増大を招く結果となる。このため、自動分析装置では、分注されるべき液体の液面を検出し、その結果にもとづいて分注プローブの下降量を制御し、これによって分注プローブの液体への浸入量を必要最小限にしている。液面を検出する手段としては、サンプルのもつ静電容量値や抵抗値の変化を検出する方式、光や超音波による屈折や反射を利用する方式、分注ブローブ内の液体の圧力変化を検出する方式等が知られている。これらの公知技術の中で、静電容量値の変化を検出する例はたとえば特開昭62−289769号公報及び特公平6−7112号公報に記載されている。
【0004】
一方、分析処理能力が高いことが自動分析における重要なファクターの一つとなっている。この処理能力を向上させるには分注効率を高めることが必要である。したがって、液面検出の際に分注プローブを下降させる速度は通常はできるだけ高い一定値に設定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、分注プローブの下降速度をできるだけ高い一定値に設定する方式では、液面検出が外来ノイズの影響を受けやすく、したがって誤った液面検出がなされる可能性が大きいという問題がある。外来ノイズとしては、自動分析装置の周囲で使用される機器から突発的に発生するノイズがある。また、分注プローブを液面検出の電極として用いる静電容量変化検出形の液面検出装置の場合は、分注されるべき液体を収容液体が入っている容器が非導電性であるためにその内部が帯電することにより生じる電荷の放電も外来ノイズとなる。
【0006】
本発明の目的は外来ノイズによる誤った液面検出の可能性を低減するのに適した自動分析装置を提供することにある。
【0007】
本発明のもう一つの目的はコンタミネーションのより低減化を図るのに適した自動分析装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明にもとづく自動分析装置は、分注プローブが第1の容器内の液体に浸入するように前記分注プローブを下降させる手段と、前記第1の容器内の液体を前記分注プローブを通じて第2の容器に分注する手段と、前記第2の容器内の内容物を測定する手段と、前記第1の容器内の液体の液面を検出する手段と、前記分注プローブを予め定められた位置までは第1の速度で下降させ、その後はその第1の速度よりも遅い第2の速度に切り替えて下降させながら前記第1の容器内の液体に浸入させ停止させるように前記分注プローブの下降速度を制御する手段とを備えていることを特徴とする。
【0009】
本発明は、もう一つの観点によれば、更に第1の容器の種別を検出する手段を備え、制御手段は検出された第1の容器の種別に応じて、分注プローブの第1の速度から前記第2の速度への切り替え時期を変えることを特徴とする。
【0010】
【実施例】
図1は本発明にもとづく自動分析装置の一実施例を示す。図1において、各部の機能は公知のものであるため、各部の詳細記述は省略する。
【0011】
分注機構1は分注アーム2を有し、その先端に取り付けられた分注プローブ105を上下させるとともにサンプリング位置及び分注位置に位置づけるように駆動する。サンプルデイスク102はサンプルが入っている多数のサンプル容器101を保持し、所定間隔で間欠的に回転される。分注プローブ105がサンプリング位置に移動すると、まずそのサンプリング位置に移動されているサンプル容器101に向かって下降し、その中に入っているサンプルの液面が液面検出装置151によって検出される。後述するように、サンプル容器101としていろいろな種類のものが用いられる場合は、液面検出に先立って容器種別検出装置150によりその種別が検出され、その種別検出信号はコンピュータ103へと出力される。分注プローブ105の下降速度は検出された種別検出信号にもとづいてコンピュータ103によって制御される。すなわち、分注プローブ105の下降速度については、コンピュータ103は種別検出信号にもとづいて、分注プローブ105を上死点位置Aから予め定められた位置(たとえば容器101の開口端の数mm手前の位置)までは分注効率向上の観点から一定の高速度で下降させ、その後一定の低速度に切り替えてゆっくり下降させながら容器101内のサンプルに浸入させ停止させるように分注プローブ105の速度を制御する。サンプル容器101として一種類のものしか用いないように構成されている自動分析装置の場合は、上死点位置Aから予め定められた位置(たとえば容器101の数mm手前の位置)までの距離は定数として前もってわかる値であリ、したがってこの値をコンピュータ103に予め記憶しておくことができるので、容器種別検出装置150を用いる必要はない。
【0012】
液面検出装置151としてはサンプルのもつ静電容量や抵抗値の変化を検出する方式、光や超音波による屈折や反射を利用する方式、分注プローブ内の液体の圧力変化を検出方式等が周知である。本発明ではそれらのいずれも用いられ得るのであるが、本発明の実施例では便宜上静電容量変化検出形が用いられているものとし、かつそれ自体の詳細説明は公知のため省略する。また、容器種別検出装置150それ自体も公知のものであるので、その詳細説明も省略する。
【0013】
多数の反応容器106を保持する反応デイスク109は恒温水槽上に配置され、所定間隔で間欠的に回転される。分注プローブ105が下降し、サンプル分注位置にあるサンプル容器101内のサンプル中に浸入して停止した状態において、サンプル用ポンプ107によって分注プローブ105を通じてサンプルが吸引される。その後、分注プローブ105は上動してサンプル分注位置に移動され、ここで、吸引されたサンプルはサンプル用ポンプ107によって反応容器106に分注される。
【0014】
なお、液面検出装置151が静電容量変化検出形である場合は液面検出に当たって分注プローブ105を下降させながらサンプル中に浸入させて停止させ、その状態で分注プローブ105に分注のためのサンプル吸入を行うのが一般的であるが、液面検出装置151がたとえば光や超音波による屈折や反射を利用する方式のものである場合は、液面検出と分注は別個に行われるのが普通である。
【0015】
サンプルの分注後、その分注された反応容器106は試薬分注位置に移動される。試薬を収容する多数の試薬容器112を保持する試薬デイスク125は間欠的に回転され、これによって各試薬容器を試薬サンプリング位置に移動させることができる。試薬サンプリング位置にある試薬容器内の試薬は試薬用ポンプ111によって分注プローブ110を通じて吸引される。分注プローブ110は試薬分注位置に移動され、その位置において、吸入された試薬は試薬用ポンプ111によって、サンプルが分注されてある反応容器106に分注される。
【0016】
サンプル及び試薬が分注された反応容器106は攪拌機113の位置に移動され、攪拌機113によって攪拌される。攪拌されて混合した混合液は、該混合液が入っている反応容器106が光度計115の光源114から放出される光の軸を横切るときに光吸収測定される。その測定された光吸収信号はA/D変換器116によりA/D変換され、インターフエース104を介してコンピュータ103に導入され、吸光度に変換される。分析結果はインターフエース104を介してプリンタ117によってプリントアウトされ、またCRT118の画面に表示される。分析結果は更にメモリとしてのハードデイスク122に格納される。
【0017】
測定が終了した混合液が入っている反応容器106は洗浄位置に移動され、洗浄機構119によって洗浄される。すなわち、洗浄位置に移動された反応容器106は洗浄用ポンプ120によって供給される洗浄液によって洗浄される。
【0018】
分析されるべき分析項目はキーボードのような入力装置121を操作することを通じてコンピュータ103に入力される。また、各部の動作及び各部間の連携動作はコンピュータ103によって制御される。
【0019】
試薬分注時の試薬液面検出については説明をしなかったが、その場合も、サンプル分注のときと同様に、液面検出装置151及び容器種別検出装置150と同じものを用いて液面検出を行うようにしてもよい。
【0020】
液面検出の場合は、外来ノイズによる誤った液面検出が行われないようにすることが望ましい。外来ノイズとしては自動分析装置が配置される周辺機器から突発的に発生されるノイズがある。その他に、液面検出装置151が静電容量変化検出形の場合は、液体が収容される容器内で発生するノイズが存在する。すなわち、サンプル又は試薬のような液体を収容する容器は非導電性であるため、その内表面は帯電しやすい。一方、液面検出装置が静電容量変化検出形である場合は、分注プローブは液面検出用の電極と用いられるため導電性である。このため、液面検出時に分注プローブが容器中に導入されると、その内部に帯電した電荷が分注プローブを通じて放電し、これが液面検出ノイズとなって、誤った液面検出を与える。
【0021】
図2は分注プローブが下降して液体を収容する容器内に導入され液面検出が行われるまでの過程を示す。図2では、一例として、分注プローブは図1のサンプル分注用の分注プローブ105、容器はサンプルを収容するサンプル容器101であるものとして示されてある。
【0022】
A及びDはそれぞれ分注プローブの上死点及び下死点位置、Bはサンプル容器101の上端部付近位置、Cは液面位置を示すものとする。プローブ105は上死点位置Aから下降を開始し容器101の上端部付近位置Bを通過し、容器101内のサンプルである液体7に浸入する。液面検出回路151は分注プローブ105を通じて液体の液面を検出し、分注プローブ105は液面位置Cのわずか下で停止する。
【0023】
分注プローブ105は容器101内に収容されたサンプルである液体7の分注用プローブとしての機能と、電気的な液面検知用検出センサとしての機能を兼ねている。したがって、分注プローブ105の素材としては導電性が要求され、ステンレス等の金属や導電性プラスチック素材が用いられるのが普通である。しかし、サンプル容器101は非導電性であることから、その内部表面が帯電する。この帯電は大気中の湿度が低い場合に特に起こりやすい。その帯電位置はサンプル容器101の上部付近(開口部付近位置)Bである場合が多い。ただし、帯電電圧が高い場合は、容器101の開口部より数cm下の部分で放電が起こる場合もある。このように帯電が生じると、分注プローブ105が下降し、その帯電部分に到達すると、帯電した電荷が分注プローブ105を通じて放電し、これが液面検出装置のノイズ信号を与える。
【0024】
図3は分注プローブ下降速度が一定でかつ外来ノイズ対策がとられていない場合の一般的な液面検出信号の例を示す。同図において、横軸は時間を、縦軸は電圧信号レベルを表す。時間軸上のA、B、Cは図2のそれらにそれぞれ対応する時間位置を示す。外来ノイズ対策がとられていないため、図3からわかるように、正規の液面検出電圧信号に加えて容器101内で起こる放電電圧信号が外来ノイズ信号として存在する。このノイズ信号幅は放電電圧に依存する。そのノイズ幅は一般的には数msec程度であるが、放電電圧によっては10数msecに達する場合もある。このような放電による外来ノイズ信号は正規の液面検出の妨げとなる。すなわち誤った液面検出情報を与える。
【0025】
図4は分注機構1が分注プローブ105を上下動(縦方向移動)させる動力源としてパルスモータを含み、このパルスモータにより分注プローブを一定の高速度で下降させる通常の自動分析装置における液面検出信号の例を、図5は分注機構1が分注プローブ105を上下動(縦方向移動)させる動力源としてパルスモータを含み、このパルスモータにより分注プローブを予め定められた位置までは一定の高速度で下降させ、その後は一定の低速度に切り替えて下降させながらサンプルに浸入させ停止させる、本発明の実施例における液面検出信号の例を示す。両図において、横軸は時間を、縦軸は分注プローブ105の下降速度(1秒当たりのパルス数=pps)である。A、B、C、Dの意味は図3のそれらと同じである。
【0026】
まず、図4に着目するに、一つの制御値として分注プローブ105の総下降移動量、つまり上死点位置Aから下死点位置Dまでの移動量が設定される。慣性モーメントなどの機構的観点から、分注プローブ105の下降、停止のためには、起動時はスローアップ(SU)、停止時はスローダウン(SD)制御が用いられる。すなわち、分注プローブ105は、その速度が0ppsから直ちに300pps程度に立ち上がって下降開始し、それから速度が3000pps程度までゆっくり増大して、その後はその速度で下降する。また、停止時は、分注プローブ105は、下降速度が3000ppsから300ppsまでゆっくり減少し、その速度から直ちに0ppsに戻る。この場合、コンピュータ103は各下降動作毎に動作許容時間を設定し、許容時間内にその動作を完了するか否かを監視し、処理が未完了の場合、エラーを発生させるのが一般的である。また、各動作はできるだけ短時間で終了することが望ましい。各動作の短縮は実質的にマシンサイクルの短縮、結果的に処理能力の向上に寄与するからである。下降速度を3000pps程度の高速度に設定するのはこのためである。
【0027】
分注プローブ105の下降速度が高速の場合、液面検知信号に対するノイズ許容設定値が20msec〜30msec程度とすると、分注機構1による分注プローブ105の上下駆動の分解能にもよるが、分注プローブ105のサンプル7への浸漬量(浸入量)はノイズ許容値分とスローダウン量の合計で約10mm程度となり、クロスコンタミネーションが増加し分析性能上問題となる。このため、スローダウン量はできる限り最小値に設定し、ノイズ許容値も5msec程度に設定し、浸入量が2mmから3mmとできるだけ抑制した制御値が用いられる。ところが、前述のとおり、サンプル容器101からの電荷放電により発生するノイズ幅は数msec程度であり、放電電圧によっては+数msecに達する場合もある。したがって、通常の自動分析装置ではB位置付近で、上記+数msecの幅の広いノイズが発生すると、図4に示すように液面位置Cには達しない誤検出位置B'が液面位置Cと判断され、この位置でサンプルプローブ105が停止する。すなわち、誤った液面検出結果が与えられる。
【0028】
次に図5に着目するに、本発明では前述したとおり容器種別検出装置150が自動分析装置の一部として装置内に組み込まれ、サンプル容器101の種別は液面検出動作以前に行われ、その検出結果、つまりサンプル容器の種別がコンピュータ103へと出力される。これによって、コンピュータ103は、分注プローブ105が上死点Aから下降する前に、容器種別検出装置150によって検出された容器種別から、液面位置Cの範囲を自動的に認識することができる。
【0029】
そこで、本発明に実施例による制御法では、容器種別検出装置150の検出結果を用い、分注プローブ105を、容器101の開口端の数mm手前でスローダウン後、低速の一定速度で下降させ、低速下降時に液面検知信号が入力されるように動作制御値を設定する。本制御値では必ず低速状態、つまり単位時間当たりの下降量が少ない状態で液面検知信号が入力される。このため、次のようなメリットを期待することができる。
【0030】
(1)分注プローブ105の液体への浸入量が通常の場合のそれと同じにした場合、ノイズ許容値を、数10msecから数100msecと、通常の例に比べて数10倍も長く設定することが可能となるので、図5に示すように開口端部付近位置Bで幅の広いノイズが発生しても、ノイズ許容値を超え分注プローブ105が液面位置Cに達しない位置で停止することなく、確実に液面位置Cで液面を検知することが可能となる。
【0031】
(2)分注プローブ105の停止は低速度からの停止であるため、機械的な制約を受けず、通常は不可能な即停止も可能となる。よって、液面検知後のプローブ105の浸入量を液体7の吸引量に対応させ必要最小限の最適値に設定することにより、クロスコンタミネーションのより低減化が図られ、より安定した分析結果を得ることが可能となる。
【0032】
(3)サンプル容器101が試験管のように口径の大きい容器である場合は、その内径は16mmから17mm程度あり、それにともなって断面積が大きくなる。つまり液体7を収容した場合、液面の面積が大きくなり、したがって分注プローブ105の浸入量が3mm程度でもデッドボリュームは500μl程度と大きな値となってしまう。しかし、本発明の実施例によれば、前述のとおり分注プローブ105の浸入量を必要最小限に設定することにより、通常は不可能な、容器101のデッドボリュームを大幅に低減することができる。すなわち、具体的には100μl、もしくは制御設定値によっては50μl程度と、容器105として試験管を用いた場合でさえ、試験管でない容器を用いた場合と同程度の小さいデッドボリューム値を実現することも可能となる。
【0033】
図6及び図7は、分注機構2の分注プローブ105の上下移動の駆動源としてパルスモータに代えて、エンコード機能の付加されたDCモータを用いた場合の、図4及び図5にそれぞれ対応する通常の自動分析装置及び本発明に実施例における液面検出の例を示す。縦軸は1秒当たりのパルス数に代わって、1秒当たりの回転数(rpm)を表している。高速度設定値として1000rpmが、低速度設定値として100rpmが用いられている。図6及び図7からも図4及び図5から得られるのと同様の結果が得られることがわかる。
【0034】
図8はサンプル容器として3種類の容器を用いる場合の、液面検出時のそれぞれの容器と分注プローブとの関係を示す。同図において、サンプル容器として、(A)は試験管を用いる例を、(B)はカップ状容器を用いる例を、(C)は
(B)のカップ状容器を(A)の試験管開口部に載せて保持する例をそれぞれ示す。図8に示すように、上死点位置及び下死点位置間の距離(総下降量)はサンプル容器の種別により、XA、Xb 及びXCとそれぞれ異なる。
【0035】
図9は図8の(A)、(B)及び(C)の例に対応してそれぞれ行われる、分注プローブの通常の例による下降速度制御の例を、図10は図8の(A)、(B)及び(C)の例に対応してそれぞれ行われる、分注プローブの本発明の実施例による下降速度制御の例をそれぞれ示す。図9及び図10において、縦軸は分注プローブの下降速度を、横軸は下降時間を示す。
【0036】
図9に示すように、通常の制御では、最大の下降量を必要とする値、つまりXーブの下降速度、横軸は下降時間を表している。
【0037】
Aが全てのサンプル容器の例に対して設定され、浸入量も全てのサンプル容器の例に対してDA に設定される。これに対して、図10に示すように、本発明の実施例では、総下降量は容器種別に対応して、XA、XB及びXCとそれぞれ異なった値に設定され、浸入量もDB、DC及びDDと、個々の吸引量に対応した最適値にそれぞれ設定される。したがって、高速度から低速度への速度切り替え時期も容器種別に応じて異なる異なることになる。なお、個々の条件によりDB=DC=DDとなる場合も当然あり得る。
【0038】
図10に示す、分注プローブの下降速度制御により、サンプル容器の種類が異なっても前述の(1)〜(3)のメリットが損なわれることはない。
【0039】
次に前述したように、分注機構1の分注プローブ105の駆動源としてはパルスモータ又はエンコード機能の付加されたDCモータが用いられている。これにより、分注プローブの下降位置を検出することできる。これにより、コンピュータ103は上死点から下死点までのいかなる位置で分注プローブが停止したかを検証することができる。したがってまた、コンピュータ103は容器種別検出装置から得られる容器の種類(種別)情報から推定できる液面位置情報と、分注プローブが実際に停止した位置、すなわち液面検出動作時の分注プローブ位置とを照合することにより液面検出が正常に行われたかどうかを判定することができる。そして、その検出が正常でなかった場合は、その障害となった要因、具体的には分注プローブ105が脱調や何らかの障害により下降しなかったか、あるいは静電気等の外来ノイズにより停止したか等の要因を分注プローブの位置情報から判定することができる。
【0040】
また、容器種別検出装置150の種別検出結果から推定できる液面位置情報により、どの位置で液面検知信号が入力されるか推定できる。よって、推定される液面位置情報にもとづき、推定される液面範囲外、たとえばその範囲から外れる上部では液面検知を行わず、推定される液面位置の範囲内でのみ液面検知を行うことにより、外来ノイズに対する誤動作の可能性を更に小さくすることができる。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、外来ノイズによる誤った液面検出の可能性を低減するのに適した自動分析装置が提供される。本発明によればまた、コンタミネーションのより低減化を図るのに適した自動分析装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にもとづく自動分析装置の一実施例を示す全体構成図。
【図2】分注プローブが下降して液体を収容する容器内に導入され液面検出が行われるまでの、本発明にもとづく過程を示す図。
【図3】分注プローブの下降速度が一定でかつ外来ノイズ対策がとられていない場合の一般的な液面検出信号の例を示す図。
【図4】分注機構が分注プローブを上下動(縦方向移動)させる動力源としてパルスモータを含み、このパルスモータにより分注プローブを一定の高速度で下降させる通常の自動分析装置における液面検出信号の例を示す図。
【図5】分注機構が分注プローブを上下動(縦方向移動)させる動力源としてパルスモータを含み、このパルスモータにより分注プローブを予め定められた位置までは一定の高速度で下降させ、その後は一定の低速度に切り替えて下降させながらサンプルに浸入させ停止させる、本発明の実施例における液面検出信号の例を示す図。
【図6】分注機構の分注プローブの上下移動の駆動源としてパルスモータに代えて、エンコード機能の付加されたDCモータを用いた場合の、図4に対応する通常の自動分析装置における液面検出の例を示す図。
【図7】分注機構の分注プローブの上下移動の駆動源としてパルスモータに代えて、エンコード機能の付加されたDCモータを用いた場合の、図5に対応する本発明の実施例における液面検出の例を示す図。
【図8】サンプル容器として3種類の容器を用いる場合の、液面検出時のそれぞれの容器と分注プローブとの関係を示す図。
【図9】図8の(A)、(B)及び(C)の例に対応してそれぞれ行われる、分注プローブの通常の例による下降速度制御の例を示す図。
【図10】図8の(A)、(B)及び(C)の例に対応してそれぞれ行われる、分注プローブの本発明の実施例による下降速度制御の例を示す図。
Claims (1)
- 分注プローブが第1の容器内の液体に浸入するように前記分注プローブを下降させる手段と、前記第1の容器内の液体を前記分注プローブを通じて第2の容器に分注する手段と、前記第2の容器内の内容物を測定する手段と、前記第1の容器内の液体の液面を検出する手段と、前記分注プローブを予め定められた位置までは第1の速度で下降させ、その後はその第1の速度よりも遅い第2の速度に切り替えて下降させながら前記第1の容器内の液体に浸入させ停止させるように前記分注プローブの下降速度を制御する手設とを備え、前記第1の容器の種別を検出する手段を備え、前記制御手段は前記検出された第1の容器の種別に応じて、前記分注プローブの前記第1の速度から前記第2の速度への切り替え時期を変え、前記種別検出手段によリ検出される前記第1の容器の種別から液面検出範囲を推定し、その範囲外においては前記液面検出手段による液面検出を行わないようにしたことを特徴とする自動分析装置。
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