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JP3654091B2 - 電力変換回路付き発動発電装置及びその制御方法 - Google Patents

電力変換回路付き発動発電装置及びその制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関により駆動される発電機を電源として直流電圧または交流電圧を発生する電源部の出力を任意の周波数と大きさとを有する交流電圧に変換する電力変換回路付き発動発電装置及びその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関により駆動される発電機を電源とする発動発電装置として、電源の出力を所定の周波数を有する交流出力に変換するインバータやサイクロコンバータ等の電力変換回路を備えたものが用いられている。
【0003】
この種の発動発電装置は、例えば、内燃機関により駆動される交流発電機の出力を整流する整流器と、該整流器の出力電圧を交流電圧に変換するインバータ回路と、該インバータ回路の出力から高調波成分を除去するフィルタと、インバータ回路の出力がフィルタを通して印加された負荷接続端子と、負荷接続端子間の電圧を検出する負荷電圧検出回路と、負荷接続端子を通して流れる電流を検出する負荷電流検出回路と、負荷接続端子間に所望の波形の交流電圧を得るようにインバータ回路のスイッチ素子を制御するコントローラとを備えている。
【0004】
インバータ回路としては、互いに直列に接続された上段のスイッチ素子と下段のスイッチ素子とからなるアームをスイッチ素子のブリッジ回路を構成するように複数個並列に接続した構成を有するブリッジ形の回路が用いられている。
【0005】
またコントローラは通常CPU(マイクロコンピュータ)を備えていて、基準電圧の波形をシミュレートするように該基準電圧をPWM変調した階段状波形の交流電圧をインバータ回路から出力させるように、インバータ回路のスイッチ素子を一定の周期でオンオフさせる。
【0006】
ここで基準電圧とは、負荷接続端子(発動発電装置の出力端子)間に得ようとする交流出力の基準波形を与える電圧で、所望の交流出力の波形と同一または相似の波形を有する交流電圧である。
【0007】
コントローラは、例えば、インバータ回路のスイッチ素子を所定のデューティ値でオンオフさせて該インバータ回路から基準電圧をPWM変調した波形の交流電圧を得る際のインバータ回路の各スイッチ素子のデューティ値を定めるPWM信号を発生するPWM信号発生手段と、負荷電圧検出回路により検出された電圧の瞬時値と基準電圧の瞬時値との間の偏差を零にするようにPWM信号を修正するPWM信号修正手段と、PWM信号により決まるデューティ値でインバータ回路の各スイッチ素子をオンオフさせるべく各スイッチ素子に駆動信号を与えるスイッチ素子駆動手段と、負荷電流が設定値を超えたことが検出されたときにインバータ回路への駆動信号の供給を停止してスイッチ素子を保護する過電流保護手段とにより構成される。
【0008】
PWM信号は、通常、一定の周期で第1の状態(例えば高レベルの状態)と第2の状態(例えば零レベルの状態)とを繰り返す矩形波信号からなっていて、インバータ回路のスイッチ素子をオン状態にする期間及びオフ状態にする期間それぞれ第1の状態及び第2の状態をとる。
【0009】
本明細書では、このPWM信号の周期を「PWM周期」と呼び、該PWM信号の周波数をPWM周波数と呼ぶ。また各PWM信号の1周期に対して、PWM信号が第1の状態をとる時間の割合をPWM信号のデューティ値と呼ぶ。更に各PWM周期において、スイッチ素子がオン状態になる時間が占める割合をスイッチ素子のデューティ値と呼ぶ。
【0010】
またインバータ回路の各スイッチ素子をオン状態にするタイミング(PWM周期が開始されるタイミング)をスイッチタイミングと呼ぶ。
【0011】
CPUを用いてコントローラを構成する場合、一定の周期で発生するパルスをPWM周期計数用カウンタにより計数することによって各PWM周期が検出され、各PWM周期が開始されるタイミングがスイッチタイミング(スイッチ素子がオン状態になるタイミング)となる。
【0012】
各スイッチタイミングで発生させられるPWM信号のデューティ値は、一連のスイッチタイミングと整流器の出力電圧と各スイッチタイミングにおけるPWM信号のデューティ値(スイッチ素子のデューティ値)との間の関係を与えるデューティ演算用マップ(ROMに記憶されている。)から読み出すか、または演算式を用いて演算することにより求められる。
【0013】
コントローラのCPUは、PWM周期t毎に内部割込みをかけて、その内部割込み処理でマップから読み出す等の方法により求めたデューティ値に基づいてPWM信号発生用タイマにスイッチ素子のオン時間をセットし、該タイマがセットされたオン時間の計時を行っている間PWM信号の出力ポートの電位を第1の状態(例えば高レベルの状態)にして、PWM信号を発生させる。
【0014】
スイッチ素子駆動手段は、PWM信号が第1の状態にある期間対応するスイッチ素子に駆動信号(スイッチ素子をオン状態にするための信号)を与える。
【0015】
ここで、周期tで発生するPWM信号の周波数(PWM周波数)をfp 、出力波形の周波数をfo (周期T)とすると、出力波形の1サイクルの期間(T)にn=fp /fo 回内部割込みがかけられることになる。
【0016】
図5は、基準電圧を正弦波形とする場合の内部割込みタイミング(スイッチ素子のスイッチタイミング)とPWM信号のデューティ値との関係を示したもので、同図においてaは基準電圧波形、tはPWM周期、VA は基準電圧の波高値、Vavは基準電圧の平均値、Tは基準電圧の周期(得ようとする交流電圧の周期)である。
【0017】
PWM信号のデューティ値は基準電圧の瞬時値の変化に伴って、時間t毎に変化することになり、インバータ回路からは1サイクルの基準電圧波形をn個に分割して、階段状とした波形(基準電圧をPWM変調した波形)の交流電圧が出力される。この階段状の交流電圧波形をフィルタに通すことにより、高調波成分を除去して負荷接続端子間に滑らかな正弦波形の出力電圧を得る。
【0018】
PWM信号の周波数を高くすればする程交流電圧の1サイクルの間にかかる割込みの回数が多くなって、基準電圧の波形を細かくシミュレートすることができるため、出力電圧の波形を滑らかな波形とすることができる。しかしながら、スイッチ素子のターンオン時間やターンオフ時間等、コントローラが信号を発生してからスイッチ素子が実際に動作するまでの遅延時間や、CPUの性能(内部処理時間等)を考慮してPWM信号の周波数を決定する必要があるため、PWM信号の周波数を無限に高くすることはできない。通常PWM信号の周波数は10KHz程度に設定され、このPWM信号の周波数に応じてフィルタのL(コイル)及びC(コンデンサ)の定数が決定される。
【0019】
インバータを用いた発動発電装置においては、各内部割込みがかかる毎に、負荷接続端子間の電圧波形をA/Dコンバータによりデジタル信号に変換してCPUに読み込み、読み込んだ負荷接続端子間の電圧の瞬時値を基準電圧の瞬時値に合わせるように帰還演算を行ってPWM信号のデューティ値を補正する制御を行い、これにより負荷接続端子間に印加する交流電圧の波形を基準電圧の波形に一致させる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
上記の発動発電装置においては、内燃機関の起動時に先ずコントローラのマイクロコンピュータの電源電圧が確立し、その後内燃機関の回転数の上昇に伴う発電機の出力電圧の上昇に伴って、電源部の出力電圧が増大していく。
【0021】
この種の発電装置において、電源部の出力電圧が不足する状態でコントローラによる電力変換回路のスイッチ素子の制御を開始すると、負荷接続端子間に印加される交流電圧の波形が歪むのを避けられない。
【0022】
そこで、従来は、内燃機関が起動し、マイクロコンピュータの電源電圧が確立した後、機関の回転数が、発電機の出力電圧を確立させるために必要な回転数に落ち着くまでに要する時間を見込んで設定された一定時間の間、コントローラによる電力変換回路のスイッチ素子の制御を見合わせ、マイクロコンピュータの電源電圧が確立した後一定時間が経過した時に、機関の回転が安定して電源部の出力電圧が確立したと判断して、コントローラによるスイッチ素子の制御を開始するようにしていた。
【0023】
内燃機関の起動が毎回支障なく行われれば、上記の構成により、波形が歪んだ交流出力が負荷に供給されるのを防ぐことができる。
【0024】
ところが、上記の構成では、機関に何らかの異常があって機関の起動時に発電機の回転数がなかなか安定しない場合や、機関の吸気口付近に障害物があるために機関の回転が安定するまでに長い時間がかかる場合、あるいは、機関の点火プラグがかぶるなどして、機関の起動時に回転を安定させるまでに時間がかかる場合等の予期しない事態が生じたときに、コントローラがその事態を認識することができないため、電源部の出力電圧が不足する状態で電力変換回路のスイッチ素子の制御が開始されて、波形が歪んだ交流電圧が負荷に供給されることがあった。
【0025】
本発明の目的は、機関の起動時の状態がいかなる場合でも、電源部の出力電圧が不足する状態で電力変換回路のスイッチ素子の制御が開始されることがないようにして、波形が歪んだ交流電圧が負荷に供給されるのを防止した電力変換回路付き発動発電装置及びその制御方法を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わる制御方法は、内燃機関により駆動される発電機を電源とする電源部と、スイッチ素子のスイッチングにより電源部の出力電圧を交流電圧に変換する電力変換回路と、電力変換回路の出力がフィルタを通して印加される負荷接続端子と、マイクロコンピュータとを設けて、マイクロコンピュータにより、負荷接続端子間に印加する電圧を所望の波形の交流電圧とするように電力変換回路のスイッチ素子を制御する電力変換回路付き発動発電装置の制御方法である。
【0027】
本発明においては、前記の目的を達成するため、内燃機関の起動とマイクロコンピュータの電源電圧の確立とが確認された後、設定時間が経過した時に電源部の出力電圧が無負荷時に前記負荷接続端子間に得られる交流電圧の波高値を定格負荷時に該負荷接続端子間に得られる交流電圧の波高値よりも高くするために必要な値に設定された設定値以上になっているか否かを確認する電源電圧確認過程を行い、電源電圧確認過程で電源部の出力電圧が設定値以上になったことが確認された時に電力変換回路のスイッチ素子の制御を開始するようにした。
【0028】
本発明を適用する発動発電装置において、マイクロコンピュータが、電源部の出力電圧を一定の直流電圧に変換する直流電源回路により電源電圧が与えられて動作するようになっている場合には、マイクロコンピュータの電源電圧の確立が確認された後、設定時間が経過した時に電源部の出力電圧が、無負荷時に前記負荷接続端子間に得られる交流電圧の波高値を定格負荷時に該負荷接続端子間に得られる交流電圧の波高値よりも高くするために必要な値に設定された設定値以上になっているか否かを確認する電源電圧確認過程を行い、該電源電圧確認過程で電源部の出力電圧が設定値以上になったことが確認された時に電力変換回路のスイッチ素子の制御を開始するようにする。
【0029】
また本発明を適用する発動発電装置において、マイクロコンピュータが、バッテリを電源とする直流電源回路から電源電圧が与えられて動作するようになっている場合には、マイクロコンピュータの電源電圧が確立した後、内燃機関が起動したか否かを確認する機関起動確認過程と、設定された時間が経過したか否かを確認する設定時間経過確認過程と、電源部の出力電圧が無負荷時に前記負荷接続端子間に得られる交流電圧の波高値を定格負荷時に該負荷接続端子間に得られる交流電圧の波高値よりも高くするために必要な値に設定された設定値以上になったか否かを確認する電源電圧確認過程とを順に行い、電源電圧確認過程で電源部の出力電圧が設定値以上になったことが確認された時に電力変換回路のスイッチ素子の制御を開始する。
【0030】
上記のように、内燃機関の起動とマイクロコンピュータの電源電圧の確立とが確認された後、設定時間が経過した時に電源部の出力電圧が設定値以上になっているか否かを確認し、その結果、電源部の出力電圧が設定値以上になったことが確認された時にスイッチ素子の制御を開始するようにすると、何等かの原因で機関の起動がスムースに行われない事態が生じたときでも、電源部の出力電圧が確立した後に(電源部の出力電圧が負荷接続端子間に波形歪みが少ない交流電圧を得るために必要な電圧値に達した後に)電力変換回路のスイッチ素子の制御が開始されるので、機関の起動時の状態がいかなる場合でも、波形が歪んだ交流電圧が負荷に供給されるのを防止することができる。
【0031】
本発明の制御方法を実施する発動発電装置は、例えば、内燃機関により駆動される発電機を電源とする電源部と、スイッチ素子のスイッチングにより電源部の出力電圧を交流電圧に変換する電力変換回路と、電力変換回路の出力がフィルタを通して印加される負荷接続端子と、電源部の出力を一定の直流電圧に変換する直流電源回路により電源電圧が与えられて動作するマイクロコンピュータを用いて負荷接続端子間に印加する電圧を所望の波形の交流電圧とするように上記スイッチ素子を制御するコントローラとを備えることにより構成される。
【0032】
このような発動発電装置に本発明を適用する場合には、上記コントローラに、その電源電圧が確立した後設定時間が経過した時に電源部の出力電圧が設定値以上になったか否かを確認する電源電圧確認手段を設けて、該電源電圧確認手段により電源部の出力電圧が設定電圧以上になったことが確認された時に電力変換回路のスイッチ素子の制御を開始するようにする。
【0033】
また、内燃機関により駆動される発電機を電源とする電源部と、スイッチ素子のスイッチングにより前記電源部の出力電圧を交流電圧に変換する電力変換回路と、電力変換回路の出力がフィルタを通して印加される負荷接続端子と、バッテリを電源とする直流電源回路から電源電圧が与えられて動作するマイクロコンピュータを用いて負荷接続端子間に印加する電圧を所望の波形の交流電圧とするように上記スイッチ素子を制御するコントローラとを備えた電力変換回路付き発動発電装置に本発明を適用する場合には、上記コントローラに、その電源電圧が確立した後前記内燃機関の起動を確認する内燃機関起動確認手段と、内燃機関の起動が確認された後設定時間が経過した時に電源部の出力電圧が無負荷時に負荷接続端子間に得られる交流電圧の波高値を定格負荷時に該負荷接続端子間に得られる交流電圧の波高値よりも高くするために必要な値に設定された設定値以上になったか否かを確認する電源電圧確認手段とを設けて、電源電圧確認手段により電源部の出力電圧が設定電圧以上になったことが確認された時にスイッチ素子の制御を開始するようにする。
【0034】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明が対象とする発動発電装置1の構成例を示したもので、同図において、2は3相磁石式交流発電機、3は磁石発電機2を駆動する内燃機関である。磁石式交流発電機2は、多極に構成された磁石回転子(図示せず。)と、3相結線された発電コイル2u 〜2w を有する固定子とからなっていて、図示しない磁石回転子は、内燃機関3のクランク軸に取り付けられている。
【0035】
また4はダイオードDu〜DwとDx〜Dzとを3相ブリッジ接続して構成した整流器で、整流器4の3相の交流入力端子4u〜4wにそれぞれ発電機2の3相の出力端子が接続され、整流器4の直流出力端子4a,4b間には電源コンデンサCdが接続されている。
【0036】
図示の例では、発電機2と内燃機関3と整流器4と電源コンデンサCd とにより、内燃機関により駆動される発電機を電源として直流電圧を出力する電源部が構成されている。
【0037】
5はスイッチ素子としてMOSFET Fu 及びFv とFx 及びFy とを用いたブリッジ形のインバータ回路(電力変換回路)で、このインバータ回路においては、互いに直列に接続されたMOSFET Fu 及びFX からなる第1のアームと、同じく直列に接続されたMOSFET Fv 及びFy からなる第2のアームとを並列に接続することによりHブリッジ回路を構成している。この例では、MOSFET Fu 及びFv がそれぞれ第1及び第2のアームの上段のスイッチ素子を構成し、Fx 及びFy がそれぞれ第1及び第2のアームの下段のスイッチ素子を構成している。
【0038】
MOSFET Fu ,Fv 及びFx ,Fy のドレインソース間にはそれぞれアノードがソース側に向いた寄生ダイオードDfu,Dfv及びDfx,Dfyが形成されている。インバータ回路5の対の入力端子5a及び5bは整流器4の出力端子4a及び4bに接続され、インバータ回路5の対の出力端子5u及び5vはそれぞれインダクタンスL1 及びL2 とコンデンサC1 とからなる低域通過形のフィルタ回路6を通して対の負荷接続端子7u及び7vに接続されている。負荷接続端子7u及び7vにはコンセントとプラグとからなる周知のコネクタ8を通して負荷9が接続されている。
【0039】
11はインバータ回路5から負荷に供給される電流を検出する負荷電流検出回路、12は演算増幅器OP1 と該演算増幅器の入力端子を負荷接続端子7u及び7vに接続する抵抗Ru及びRvとからなる負荷電圧検出回路で、負荷電流検出回路11の出力及び負荷電圧検出回路12の出力は、インバータ回路のスイッチ素子を制御するコントローラ13に入力されている。
【0040】
コントローラ13は、負荷電流検出回路11の出力を基準信号と比較する比較器13aと、負荷電圧検出回路12の出力をデジタル信号に変換するA/D変換器13bと、ROM,RAM(図示せず。)及びCPUを有するマイクロコンピュータ13cと、CPUが発生するPWM信号に応じてFET Fu,Fv,Fx及びFyのゲートに駆動信号Gu,Gv,Gx及びGyを与える駆動信号出力回路13dと、整流器4の出力電圧の検出値をデジタル信号に変換するA/D変換器13eとを備えている。
【0041】
整流器4の出力端子間の電圧(電源部の出力電圧)が抵抗Ra及びRbを通して演算増幅器OP2 の入力端子に印加され、該演算増幅器OP2 の出力がコントローラ13内のA/D変換器13eに入力されている。抵抗Ra及びRbと演算増幅器OP2 とにより、電源部の出力電圧を検出する電源出力検出回路14が構成されている。
【0042】
コントローラ13は、整流器4から得られる電源部の直流出力電圧のデータAN1を演算増幅器OP2 とA/D変換器13eとを通して読み込む。コントローラ13は、また、負荷電圧検出回路12とA/D変換器13bとを通して負荷接続端子7u,7v間の交流電圧の瞬時値を示す瞬時データAN0を読み込む。
【0043】
コントローラ13は、電源部の出力電圧(AN1)と、PWM周期t毎に到来するスイッチタイミングにおける基準電圧の瞬時値とにより決まるデューティ値でインバータ回路の所定のスイッチ素子をオンオフさせることにより、負荷接続端子間から基準電圧と同じ波形を有する交流電圧を出力させる。
【0044】
電源部が出力する直流電圧VD は、出力電流ID に対して例えば図3に示すV−I特性曲線のように変化する。出力電流ID が零の無負荷状態のときには、出力電圧VD がVo に等しい。出力電流ID が流れると、動作点はV−I特性に沿ってP1 からPr へと移行していき、負荷接続端子7u,7v間に得られる単相交流電圧の波高値VA を与える動作点Pr で、定格負荷に最大の負荷電流IDmaxを流すことができる。
【0045】
図3に示すようなV−I特性を有する電源部の出力をインバータ回路5に入力して、スイッチ素子をPWM制御することにより、負荷接続端子7u,7v間に波高値がVA の単相交流電圧を得ようとする場合の、各PWM周期におけるスイッチ素子のデューティ値Dを求めるため、次式に示すように、負荷接続端子間に得る交流電圧の波高値を与える電源部の出力電圧VA と、負荷接続端子間に得る交流電圧のある瞬時値を与える電源部の出力電圧VB との比で与えられる電圧補正値Kv を用いる。
【0046】
Kv =VA /VB …(1)
上記電圧補正値を用いると、各PWM周期におけるスイッチ素子のデューティ値Dは、次式により与えられる。
【0047】
D=Sin(2πnt/T)×Kv …(2)
ここで、nはPWM周期が交流電圧波形の立ち上がりの零クロス点から何番目のPWM周期であるかを示す値で、PWM周期計数用のカウンタの計数値により与えられる。またtは図5に示したPWM周期、Tは負荷接続端子間に得る交流電圧の1周期の時間である。
【0048】
CPUは、カウンタによりPWM周期が検出される毎に、カウンタの計数値nと、読み込んだ整流器の出力電圧のデータAN1と波高値を与える電源部の出力電圧VA とを用いて(1)式により演算した電圧補正値Kv と、上記(2)式とを用いてデューティ値Dを求めるか、または予めROMに記憶させたデューティ演算用マップから読み出すことによりDの値を求める。ここで用いるデューティ演算用マップは、例えば、カウンタの計数値nと整流器の出力電圧のデータAN1とデューティ値Dとの間の関係を与える3次元マップである。
【0049】
前述のように、CPU13cはクロックパルスを計数するカウンタを備えていて、該カウンタの計数値nにより、PWM周期t毎に到来するスイッチタイミングを検出する。そして、各スイッチタイミングが検出される毎に内部割込みをかけて、各スイッチタイミングにおけるスイッチ素子のデューティ値を求め、求められたデューティ値Dに基づいてCPU内のタイマにスイッチ素子のオン時間をセットする。タイマがセットされたオン時間の計時を行っていする間PWM信号を高レベルの状態にし、タイマの計時動作が終了した時にPWM信号を零レベルにする。
【0050】
駆動信号出力回路13dは、CPUが発生するPWM信号に応じて、インバータ回路のスイッチ素子Fu,Fv,Fx,Fyに駆動信号を与える。
【0051】
図1に示したインバータ回路5のスイッチ(図示の例ではFET)Fu,Fv,Fx及びFyは、例えば図2に示すようなスイッチングパターンでオンオフ制御される。図2(A),(B),(C)及び(D)はそれぞれPWM制御信号に応じてスイッチFu,Fy,Fx及びFvに与えられる駆動信号Gu,Gy,Gx及びGvを示したもので、スイッチFu,Fy,Fx及びFvはそれぞれ、駆動信号Gu,Gy,Gx及びGvがHレベルにあるときにオン状態になる。駆動信号Gu,Gy,Gx及びGvがLレベルにあるときにそれぞれスイッチFu,Fy,Fx及びFvがオフ状態に保持される。
【0052】
また図2(E)及び(F)はインバータ回路5を構成するスイッチ素子のブリッジ回路の対角位置にある対のスイッチ素子(Fu,Fy)及び(Fx,Fv)が同時にオン状態になるタイミングを示し、図2(G)及び(H)はそれぞれブリッジ回路の上辺を構成する2つのスイッチ素子(Fu,Fv)が同時にオン状態になるタイミング及び下辺を構成する2つのスイッチ素子(Fx,Fy)が同時にオン状態になるタイミングを示している。
【0053】
負荷接続端子7u,7v間には、使用者が任意の負荷を接続する可能性がある。使用者が接続する可能性がある負荷の中には、容量性の負荷もあれば誘導性の負荷もあり、また負荷接続端子を通して断続的に電流を流すように、スイッチング動作を行う負荷もある。負荷接続端子間に基準波形の交流電圧を得るようにインバータ回路のスイッチ素子を制御していても、負荷によっては、出力波形が歪んでしまい、出力電圧波形の歪み率が大きくなることがある。
【0054】
そこで図1の発動発電装置では、負荷接続端子間の電圧の瞬時値を与えるデータAN0をCPUに読み込んで、該データが基準電圧の瞬時値を与える基準データよりも小さいときにPWM信号デューティ値を大きくし、瞬時データAN0が基準データよりも大きいときにはPWM信号のデューティ値を小さくするようにデューティ値を補正して、負荷電圧検出回路12により検出された電圧の瞬時値と基準電圧の瞬時値との間の偏差を零に近付ける制御を行うようにしている。
【0055】
上記のような補正を行った後のデューティ値D´は、下記の式により与えられる。
【0056】
D´=D+G×(ANS−AN0)×Kc …(3)
ここで、ANSは基準データで、この基準データは、各スイッチタイミングにおける基準波形の瞬時値である。Gは基準データANSとAN0との差に対する補正量の割合を決めるゲインである。ゲインGは、通常は1以下の値に設定される。
【0057】
また係数Kc は、負荷接続端子間の電圧の瞬時データの補正値[G×(ANS−AN0)]をその時のデューティ値への補正値に変換するために補正値に乗じる係数で、Kv により決まる数値である。
【0058】
図1の発動発電装置においてはまた、負荷接続端子7u,7vを通して設定値を超える過電流が流れたときにインバータ回路5のスイッチ素子への駆動信号の供給を停止して、過電流を遮断するための制御を行う過電流保護手段を設けている。
【0059】
図4は、発動発電機起動時の電源部の出力電圧対出力電流特性(V−I特性)曲線を回転数N1 ,N2 ,…,N5 [rpm](N1 <N2 <N3 <N4 <N5 )をパラメータにとって示したものである。同図に示すように、機関の起動時には、機関の回転数の上昇に伴って発電機2の出力電圧が上昇していく。
【0060】
通常の場合は、機関が起動した後、ある一定時間(約1秒前後)が経過した時点で機関の回転数か設定回転数に落ち着き、発電機2から、負荷接続端子7u,7v間に波形歪みが少ない交流電圧を得るために充分な設定値以上の出力電圧を得ることができる状態になる。
【0061】
しかし何らかの原因で、機関の回転数が設定回転数に達するのが遅れると、上記一定時間が経過しても発電機の出力電圧が設定値に達することができない状態になる。
【0062】
本発明の制御方法では、コントローラ13が、内燃機関の始動が確認された後、設定時間が経過した時に、電源部の出力電圧AN1を検出し、その検出値AN1が設定値Vs に達しているか否かを確認する。その結果、電源部の出力電圧が設定値Vs に達しているときには、インバータ回路5のスイッチ素子の制御を開始して、該インバータ回路5から交流電圧を出力させる。また内燃機関の始動が確認された後、設定時間が経過した時に、電源部の出力電圧AN1が設定値Vs に達していないときには、該出力電圧AN1が設定値に達するまで待ってからインバータ回路5のスイッチ素子の制御を開始する。
【0063】
上記起動時の電源部の出力電圧の設定値Vs は、電源部の出力電圧が該設定値Vs に等しいときに負荷接続端子間に得られる無負荷交流電圧の波高値が図3に示す定格負荷時の波高値VA よりも高くなるように設定することが望ましい。
【0064】
本発明の制御方法を実施する場合に、内燃機関の起動時にコントローラ13を構成するマイクロコンピュータに実行させるプログラムのアルゴリズムの一例を示すフローチャートを図6に示した。この例では、マイクロコンピュータが、整流器4の出力電圧を入力としてマイクロコンピュータを動作させるために適した大きさ(通常は5V)の一定の直流電圧を得る直流電源回路の出力により電源電圧が与えられて動作するものとしている。
【0065】
内燃機関が起動して発電機2の出力電圧がマイクロコンピュータを動作させるための電圧を得るために必要な電圧値に達したとき(機関の起動が完了してマイクロコンピュータの電源電圧が確立されたとき)に、先ず図6のルーチンが開始され、そのステップ1において、各部の初期設定が行われる。この例では、マイクロコンピュータの電源電圧が確立されたことを以て内燃機関の起動を確認するようにしている。
【0066】
各部の初期設定を行った後、ステップ2に移行して設定時間が経過するのを待つ。設定時間が経過した後、ステップ3に移行して電源部の出力電圧AN1を読み込み、ステップ4において読み込んだ出力電圧AN1が設定値E以上であるか否かを判定する。その結果読み込んだ出力電圧AN1が設定値E以上であるときには、ステップ5に進んでコントローラ13によるスイッチ素子Fu,Fv,Fx,FyのPWM制御を開始する。
【0067】
上記設定値Eは、負荷接続端子7u,7v間に得る交流電圧の波形を、歪みが少ない波形とするために必要な電源部(整流器4)の出力電圧の最小値以上に設定する。
【0068】
ステップ4において電源部の出力電圧AN1が設定値未満であると判定された時には、該出力電圧AN1が設定値Eに達するまで待ち、出力電圧AN1が設定値Eに達したことが確認された後に、ステップ8に進んでスイッチ素子の制御を開始する。
【0069】
図6に示したアルゴリズムによる場合には、ステップ2ないし4により、設定時間が経過した時に前記電源部の出力電圧が設定値以上になっているか否かを確認する電源電圧確認手段が実現され、この確認手段により電源電圧確認過程が行われる。
【0070】
図1に示した発動発電装置において、発電機2の整流出力により充電されるバッテリが設けられていて、該バッテリを電源とする直流電源回路からマイクロコンピュータに電源電圧が与えられるようになっている場合に、機関の起動時にマイクロコンピュータに実行させるプログラムのアルゴリズムの一例を図7に示した。
【0071】
図7のアルゴリズムによる場合には、キースイッチが投入されて、図1には図示しないバッテリから直流電源回路を通してマイクロコンピュータに電源電圧が印加された後(マイクロコンピュータの電源が確立した後)、ステップ1において各部の初期設定を行い、次いでステップ2において、電源部の出力電圧AN1が第1の設定値E1 以上であるか否かを判定する。その結果電源部の出力電圧AN1が第1の設定値E1 未満である時には、内燃機関の起動が完了していないと判定して、電源部の出力電圧AN1が第1の設定値E1 以上になるのを待つ。第1の設定値E1 は、機関の起動を確認するために必要な大きさ(機関の起動が完了したときの回転数で発電が回転しているときに整流器4から得られる電圧の大きさ)に設定しておく。このステップ2により、内燃機関が起動したか否かを確認する機関起動確認手段が実現され、この手段により機関起動確認過程が行われる。
【0072】
機関の起動が完了し、ステップ2において、電源部の出力電圧AN1が第1の設定値E1 以上になったことが確認されると、次いでステップ3に進んで、設定時間が経過するのを待つ。ステップ3により、設定された時間が経過したか否かを確認する設定時間経過確認手段が実現され、この手段により設定時間経過確認過程が行われる。
【0073】
ステップ3において設定時間が経過したことが確認された後、ステップ4において電源部の出力電圧AN1が第2の設定値E2 (>E1 )以上であるか否かを判定する。その結果出力電圧AN1が第2の設定値E2 以上である時には、インバータ回路のスイッチ素子の制御を開始し、出力電圧AN1が第2の設定値E2 未満であるときには、該出力電圧AN1が第2の設定値E2 以上になってからインバータ回路のスイッチ素子の制御を開始する。図7のステップ4により、電源部の出力電圧が設定値以上になったか否かを確認する電源電圧確認手段が実現され、この手段により、電源電圧確認過程が行われる。
【0074】
第2の設定値E2 は、負荷接続端子7u,7v間に得る交流電圧の波形を、歪みが少ない波形とするために必要な電源部(整流器4)の出力電圧の最小値以上に設定する。
【0075】
上記のように、図7に示した例では、内燃機関の起動時に、マイクロコンピュータの電源電圧が確立した後、内燃機関が起動したか否かを確認する機関起動確認過程と、設定された時間が経過したか否かを確認する設定時間経過確認過程と、電源部の出力電圧が設定値以上になったか否かを確認する電源電圧確認過程とを順に行い、電源電圧確認過程で電源部の出力電圧が設定値以上になったことが確認された時に電力変換回路のスイッチ素子の制御を開始する。
【0076】
上記の例では、インバータ回路に直流電源を与えるための電源部として発電機と整流器とにより構成されるものを用いたが、バッテリや直流発電機を電源部として用いる場合にも本発明を適用することができる。
【0077】
また上記の例では、電力変換回路としてインバータ回路5を用いたが、任意の周波数を有する交流電圧を所定の周波数を有する交流電圧に変換するサイクロコンバータ等を電力変換回路として用いる場合にも本発明を適用することができる。
【0078】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、内燃機関の起動とマイクロコンピュータの電源電圧の確立とが確認された後、設定時間が経過した時に電源部の出力電圧が設定値以上になっているか否かを確認し、その結果、電源部の出力電圧が設定値以上になったことが確認された時にスイッチ素子の制御を開始するようにしたので、何等かの原因で機関の起動がスムースに行われない事態が生じたときでも、電源部の出力電圧が確立した後に電力変換回路のスイッチ素子の制御を開始することができる。したがって、機関の起動時の状態がいかなる場合でも、波形が歪んだ交流電圧が負荷に供給されるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる電力変換回路付き発動発電装置の構成例を示した回路図である。
【図2】 図1の発動発電装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図3】 図1に示した発動発電装置の整流器の直流電圧対出力電流特性の一例を示した線図である。
【図4】 図1の例で用いる発電機の起動時の出力電圧対出力電流特性の一例を回転数をパラメータにとって示した線図である。
【図5】 本発明が対象とする発動発電装置において、基準電圧を正弦波形とする場合の内部割込みタイミングとPWM信号のデューティとの関係を示した波形図である。
【図6】 図1の発動発電装置においてコントローラを構成するマイクロコンピュータが機関の起動時に実行するプログラムのアルゴリズムの一例を示したフローチャートである。
【図7】 図1の発動発電装置においてコントローラを構成するマイクロコンピュータが機関の起動時に実行するプログラムの他のアルゴリズムを示したフローチャートである。
【符号の説明】
1…発動発電装置、、2…3相磁石式交流発電機、3…内燃機関、4…整流器、5…インバータ回路、6…フィルタ回路、7u,7v…負荷接続端子、9…負荷、13…コントローラ。

Claims (5)

  1. 内燃機関により駆動される発電機を電源とする電源部と、スイッチ素子のスイッチングにより前記電源部の出力電圧を交流電圧に変換する電力変換回路と、前記電力変換回路の出力がフィルタを通して印加される負荷接続端子と、マイクロコンピュータとを設けて、前記マイクロコンピュータにより、前記負荷接続端子間に印加する電圧を所望の波形の交流電圧とするように前記電力変換回路のスイッチ素子を制御する電力変換回路付き発動発電装置の制御方法において、
    前記内燃機関の起動と前記マイクロコンピュータの電源電圧の確立とが確認された後、設定時間が経過した時に前記電源部の出力電圧が無負荷時に前記負荷接続端子間に得られる交流電圧の波高値を定格負荷時に該負荷接続端子間に得られる交流電圧の波高値よりも高くするために必要な値に設定された設定値以上になっているか否かを確認する電源電圧確認過程を行い、
    前記電源電圧確認過程で前記電源部の出力電圧が設定値以上になったことが確認された時に前記電力変換回路のスイッチ素子の制御を開始することを特徴とする電力変換回路付き発動発電装置の制御方法。
  2. 内燃機関により駆動される発電機を電源とする電源部と、スイッチ素子のスイッチングにより前記電源部の出力電圧を交流電圧に変換する電力変換回路と、前記電力変換回路の出力がフィルタを通して印加される負荷接続端子と、前記電源部の出力を一定の直流電圧に変換する直流電源回路により電源電圧が与えられて動作するマイクロコンピュータとを設けて、前記マイクロコンピュータにより、前記負荷接続端子間に印加する電圧を所望の波形の交流電圧とするように前記電力変換回路のスイッチ素子を制御する電力変換回路付き発動発電装置の制御方法において、
    前記マイクロコンピュータの電源電圧の確立が確認された後、設定時間が経過した時に前記電源部の出力電圧が無負荷時に前記負荷接続端子間に得られる交流電圧の波高値を定格負荷時に該負荷接続端子間に得られる交流電圧の波高値よりも高くするために必要な値に設定された設定値以上になっているか否かを確認する電源電圧確認過程を行い、
    前記電源電圧確認過程で前記電源部の出力電圧が設定値以上になったことが確認された時に前記電力変換回路のスイッチ素子の制御を開始することを特徴とする電力変換回路付き発動発電装置の制御方法。
  3. 内燃機関により駆動される発電機を電源とする電源部と、スイッチ素子のスイッチングにより前記電源部の出力電圧を交流電圧に変換する電力変換回路と、前記電力変換回路の出力がフィルタを通して印加される負荷接続端子と、バッテリを電源とする直流電源回路から電源電圧が与えられて動作するマイクロコンピュータとを設けて、前記マイクロコンピュータにより、前記負荷接続端子間に印加する電圧を所望の波形の交流電圧とするように前記電力変換回路のスイッチ素子を制御する電力変換回路付き発動発電装置の制御方法において、 前記マイクロコンピュータの電源電圧が確立した後、前記内燃機関が起動したか否かを確認する機関起動確認過程と、設定された時間が経過したか否かを確認する設定時間経過確認過程と、前記電源部の出力電圧が無負荷時に前記負荷接続端子間に得られる交流電圧の波高値を定格負荷時に該負荷接続端子間に得られる交流電圧の波高値よりも高くするために必要な値に設定された設定値以上になったか否かを確認する電源電圧確認過程とを順に行い、
    前記電源電圧確認過程で前記電源部の出力電圧が設定値以上になったことが確認された時に前記電力変換回路のスイッチ素子の制御を開始することを特徴とする電力変換回路付き発動発電装置の制御方法。
  4. 内燃機関により駆動される発電機を電源とする電源部と、スイッチ素子のスイッチングにより前記電源部の出力電圧を交流電圧に変換する電力変換回路と、前記電力変換回路の出力がフィルタを通して印加される負荷接続端子と、前記電源部の出力を一定の直流電圧に変換する直流電源回路により電源電圧が与えられて動作するマイクロコンピュータを用いて前記負荷接続端子間に印加する電圧を所望の波形の交流電圧とするように前記電力変換回路のスイッチ素子を制御するコントローラとを備えた電力変換回路付き発動発電装置において、 前記コントローラは、その電源電圧が確立した後設定時間が経過した時に前記電源部の出力電圧が無負荷時に前記負荷接続端子間に得られる交流電圧の波高値を定格負荷時に該負荷接続端子間に得られる交流電圧の波高値よりも高くするために必要な値に設定された設定値以上になったか否かを確認する電源電圧確認手段を備えて、前記電源電圧確認手段により前記電源部の出力電圧が前記設定電圧以上になったことが確認された時に前記電力変換回路のスイッチ素子の制御を開始することを特徴とする電力変換回路付き発動発電装置。
  5. 内燃機関により駆動される発電機を電源とする電源部と、スイッチ素子のスイッチングにより前記電源部の出力電圧を交流電圧に変換する電力変換回路と、前記電力変換回路の出力がフィルタを通して印加される負荷接続端子と、バッテリを電源とする直流電源回路から電源電圧が与えられて動作するマイクロコンピュータを用いて前記負荷接続端子間に印加する電圧を所望の波形の交流電圧とするように前記スイッチ素子を制御するコントローラとを備えた電力変換回路付き発動発電装置において、
    前記コントローラは、その電源電圧が確立した後前記内燃機関の起動を確認する内燃機関起動確認手段と、前記内燃機関の起動が確認された後設定時間が経過した時に前記電源部の出力電圧が無負荷時に前記負荷接続端子間に得られる交流電圧の波高値を定格負荷時に該負荷接続端子間に得られる交流電圧の波高値よりも高くするために必要な値に設定された設定値以上になったか否かを確認する電源電圧確認手段とを備えて、前記電源電圧確認手段により前記電源部の出力電圧が前記設定電圧以上になったことが確認された時に前記電力変換回路のスイッチ素子の制御を開始することを特徴とする電力変換回路付き発動発電装置。
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