JP3654067B2 - 電源装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、交流電源を整流平滑した直流電圧を高周波電圧に変換して負荷に供給する電源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より図12に示す電源装置がある(特開平10−285946号公報参照)。この電源装置は、交流電源1の電源電圧Vsを整流する整流器(ダイオードブリッジ)2と、平滑用の第1のコンデンサC1と、この第1のコンデンサC1と並列に接続されるとともに高周波で交互にオン/オフされるバイポーラトランジスタから成る第1及び第2のスイッチング要素Q1,Q2の直列回路と、第1及び第2のスイッチング要素Q1、Q2とそれぞれ逆並列に接続される第1及び第2のダイオードD1,D2と、第1及び第2のスイッチング要素Q1,Q2の接続点と整流器2の高電位側の直流出力端との間に1次巻線が接続されるトランスTと、トランスTの2次巻線に接続される負荷回路3と、トランスTの1次巻線と整流器2の高電位側の直流出力端との接続点に一端が接続されるとともに他端が第1のコンデンサC1の低電位側の端子に接続される第2のコンデンサC2とを備え、整流器2の低電位側の直流出力端が第1のコンデンサC1の低電位側に接続されて構成されている。ここで、整流器2の直流出力端間に接続される第2のコンデンサC2は比較的に容量の小さいものであって、トランスTの漏れインダクタンスと共振回路を形成する。
【0003】
負荷回路3は、負荷である放電灯LaのフィラメントにトランスTの2次巻線と共振用のコンデンサC3とが直列接続されて構成され、トランスTの漏れインダクタンスとコンデンサC3とで共振回路が形成される。
【0004】
第1のコンデンサC1と並列に接続された第1及び第2のスイッチング要素Q1,Q2は図示しない駆動回路により駆動されて交互にオン/オフされる。
【0005】
次に、上記構成の電源装置の動作について説明するが、まず第1及び第2のスイッチング要素Q1,Q2がオン/オフされる一周期の動作について説明する。
【0006】
第1のスイッチング要素Q1がオン、第2のスイッチング要素Q2がオフした場合、第1のコンデンサC1の放電によって第1のコンデンサC1→第1のスイッチング要素Q1→トランスTの1次巻線→第2のコンデンサC2→第1のコンデンサC1の経路で電流が流れる。このとき、第2のコンデンサC2の両端電圧Vc2はトランスTの漏れインダクタンスとの共振により上昇する。第1のスイッチング要素Q1がオフすると、トランスTの1次巻線に蓄積されたエネルギーが放出され、トランスT→第2のコンデンサC2→第2のダイオードD2→トランスTの経路で電流が流れ続け、第2のコンデンサC2の両端電圧Vc2がさらに上昇する。
【0007】
続いて第2のスイッチング要素Q2がオンすると、トランスTの漏れインダクタンスとコンデンサC2,C3との共振作用により、第2のコンデンサC2→トランスT→第2のスイッチング要素Q2→第2のコンデンサC2の経路で共振電流が流れる。このとき、第2のコンデンサC2の両端電圧Vc2が下降し始め、この両端電圧Vc2が整流器2の直流出力電圧よりも低くなると、交流電源1から入力電流Iinが引き込まれて、交流電源1→整流器2→トランスT→第2のスイッチング要素Q2→整流器2→交流電源1の経路で電流が流れる。そして、第2のスイッチング要素Q2がオフしても、図13に示すように交流電源1→整流器2→トランスT→第1のダイオードD1→第1のコンデンサC1→整流器2→交流電源1の経路で電流が流れ続け、電流がゼロになると再びスイッチング要素Q1がオンの状態へと戻る。
【0008】
上述の動作を繰り返すことで、トランスTの1次巻線に流れる電流はトランスTの作用によって直流成分が取り除かれ、2次巻線に接続された放電灯Laを高周波の交流で点灯させることができる。なお、整流器2の前段に高周波をカットするフィルタ回路を設けることによって、交流電源1からの入力電流Iinの波形はフィルタリングされて略正弦波状の波形となり、入力電流Iinの高調波成分を抑制して入力力率を向上させることができる。また、第2のコンデンサC2の容量を適当な値に設定することにより、交流電源1の電源電圧Vsが略ゼロとなる近傍の区間においても第2のコンデンサC2の両端電圧Vc2が略ゼロ[V]付近まで下がり、交流電源1の電源電圧Vsの略全域の周期にわたって入力電流Iinを引き込むことが可能となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の電源装置においては、電源投入前には第1のコンデンサC1に電荷が蓄えられていないため、電源を投入した瞬間に交流電源1→整流器2→トランスT→第1のダイオードD1→第1のコンデンサC1→整流器2→交流電源1の経路で突入電流が流れて経路上の素子に過大なストレスを及ぼすという問題がある。
【0010】
本発明は上記問題点の解決を目的とするものであり、簡単な回路構成により電源投入時の突入電流を低減することができる電源装置を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、交流電源の交流出力を整流する整流器と、平滑用の第1のコンデンサと、第1のコンデンサと並列に接続されるとともに高周波で交互にオン/オフされる1対の第1及び第2のスイッチング要素の直列回路と、第1及び第2のスイッチング要素とそれぞれ逆並列に接続される第1及び第2のダイオードと、上記第1及び第2のスイッチング要素の接続点と整流器の一方の直流出力端との間に接続されるインダクタンス要素と、一端がインダクタンス要素と整流器の直流出力端との接続点に接続され、他端が第1のコンデンサの一方の端子に接続されて第1又は第2のスイッチング要素のオン/オフに応じてインダクタンス要素と共振回路を形成する第2のコンデンサと、インダクタンス要素と並列的に接続されて、インダクタンス要素と第2のコンデンサによる共振に応じて高周波出力を得る負荷回路とを備え、整流器の他方の直流出力端が第1のコンデンサの端子のうちで交流電源から整流器と、インダクタンス要素と、第1及び第2のダイオードの何れか一方と、第1のコンデンサとを介して電流の流れる経路が形成される側の端子に接続されてなる電源装置において、少なくとも電源投入時には交流電源から整流器とインダクタンス要素と第1及び第2のダイオードの何れか一方と第1のコンデンサとを介して電流が流れないように交流電源を回路的に切り離す切離し手段を設け、切離し手段は、整流器の一対の直流出力端の何れか一方と第2のコンデンサとの間に接続された第3のスイッチング要素からなることを特徴とし、少なくとも電源投入時には切離し手段によって交流電源を回路的に切り離すことで突入電流を低減することができる。なお、第1又は第2のスイッチング要素のオン/オフにより交流電源からの入力電流を一旦インダクタンス要素に短時間流し、インダクタンス要素に蓄積されたエネルギーによって第1のコンデンサへ電流を流して第1のコンデンサを充電することができる。また、第3のスイッチング要素からなる簡単な回路構成によって、少なくとも電源投入時には第3のスイッチング要素をオフすることで交流電源を回路的に切り離して突入電流が低減でき、また第3のスイッチング要素と第1又は第2のスイッチング要素とを同時にオンして交流電源からの入力電流を一旦インダクタンス要素に短時間流し、第3のスイッチング要素と第1又は第2のスイッチング要素とを同時にオフしてインダクタンス要素に蓄積されたエネルギーにより第1のコンデンサへ電流を流して第1のコンデンサを充電することができ、さらに定常動作時には第3のスイッチング要素と第1又は第2のスイッチング要素を同期させて第1のコンデンサの両端電圧の昇圧を抑制することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
(参考例)
本発明の実施形態について説明する前に、本発明に関連した参考例について説明する。本参考例における基本構成は従来例と共通するために共通する部分については同一の符号を付して説明を省略し、本参考例の特徴となる部分についてのみ詳細に説明する。
【0016】
本参考例は、図1に示すように第1のコンデンサC1と第2のダイオードD2との接続点にカソードが接続され、第2のスイッチング要素Q2のエミッタにアノードが接続された第3のダイオードD3と、第1のコンデンサC1と第2のダイオードD2との接続点にアノードが接続され、整流器2とトランスTの1次巻線との接続点にカソードが接続された第4のダイオードD4とからなる切離し手段を設けた点に特徴がある。
【0017】
次に図2〜図4に基づいて本参考例の基本動作を説明する。
【0018】
電源投入時において、第1及び第2のスイッチング要素Q1,Q2が共にオフのとき、交流電源1→整流器2→第1のダイオードD1→第1のコンデンサC1→整流器2→交流電源1の経路で流れようとする突入電流は第3のダイオードD3によって阻止されて流れず、交流電源1が回路的に切り離された状態となる。ここで第2のスイッチング要素Q2をオンすると、図2に示すように、交流電源1→整流器2→トランスT→第2のスイッチング要素Q2→整流器2→交流電源1の経路にて交流電源1から入力電流Iinが流れ、次に第2のスイッチング要素Q2をオフすると、図3に示すように、トランスTの1次巻線に蓄えられたエネルギーによってトランスT→第1のダイオードD1→第1のコンデンサC1→第4のダイオードD4→トランスTの経路で電流が流れて第1のコンデンサC1が充電される。
【0019】
例えば図4に示すように、電源投入から定常動作に至るまでの間、時間t=t0に電源を投入してから時間t=t1までの間は、第1のスイッチング要素Q1をオフし(図4(a)参照)、第2のスイッチング要素Q2のみオン/オフを繰り返すことによって(図4(b)参照)、上述のように第1のコンデンサC1が充電される。ここで充電電流のピーク値が素子に過大なストレスがかからないレベルとなるように、例えば第2のスイッチング要素Q2のオン時間を短く、或いはオン/オフの周波数を高く設定すれば良い。そして、電源投入後、第1のコンデンサC1が十分に充電された時間t=t1の経過後に、第1及び第2のスイッチング要素Q1,Q2を交互にオン/オフする動作を繰り返して定常動作となる。
【0020】
次に、第1のコンデンサC1が充電された後の定常動作時において、第1及び第2のスイッチング要素Q1,Q2がオン/オフされる一周期の動作について簡単に説明する。
【0021】
第1のスイッチング要素Q1がオン、第2のスイッチング要素Q2がオフのとき、第1のコンデンサC1の電荷が放出されて第1のコンデンサC1→第1のスイッチング要素Q1→トランスT→第2のコンデンサC2→第3のダイオードD3→第1のコンデンサC1の経路で電流が流れ、第2のコンデンサC2の両端電圧Vc2はトランスTの漏れインダクタンスとの共振によって増加する。
【0022】
次に、第1のスイッチング要素Q1をオフすると、トランスTの1次巻線に蓄積されたエネルギーが放出されてトランスT→第2のコンデンサC2→第3のダイオードD3→第2のダイオードD2→トランスTの経路で電流が流れ続けて第2のコンデンサC2の両端電圧Vc2はさらに増加する。
【0023】
そして、第2のスイッチング素子Q2をオンすると、トランスTの漏れインダクタンスと第2及び第3のコンデンサC2、C3の共振作用により、第2のコンデンサC2→トランスT→第2のスイッチング要素Q2→第2のコンデンサC2の経路で共振電流が流れる。このとき、第2のコンデンサC2の両端電圧Vc2は減少しはじめ、整流器2の出力電圧よりも低くなると、交流電源1→整流器2→トランスT→第2のスイッチング要素Q2→整流器2→交流電源1の経路で電流が流れて交流電源1から入力電流Iinが引き込まれる。
【0024】
そして、第2のスイッチング要素Q2をオフすると、トランスTに蓄えられたエネルギーによってトランスT→第1のダイオードD1→第1のコンデンサC1→第4のダイオードD4→トランスTの経路で電流が流れ続けて再び第1のコンデンサC1が充電され、電流がゼロになると第1のスイッチング要素Q1がオンの状態へと戻る。
【0025】
上記のような定常動作時の動作を交流電源1の一周期にわたって繰り返すことにより、入力電流Iinが一周期の略全域で流れることになる。なお、入力電流Iinの波形は、図示しないフィルタ回路を用いてフィルタリングすることより略正弦波状の波形となり、入力電流Iinの高調波成分を抑制して入力力率を向上させることができる。
【0026】
上記本参考例において、第3のダイオードD3によって電源投入時に交流電源を回路的に切り離して突入電流を低減し、また第4のダイオードD4を介してトランスTの1次巻線に蓄えられたエネルギーを放出することで第1のコンデンサC1を充電することができるので、第3及び第4のダイオードD3,D4からなる簡単な回路構成の切離し手段を設けることによって電源投入時の突入電流を低減することができる。さらに、第2のスイッチング要素Q2のオン時間を制御手段(図示せず)にて可変することにより、第1のコンデンサC1の両端電圧Vc1を電源電圧Vsに関係なく所望の電圧値に充電することがでる。なお、第2のスイッチング要素Q2のオン時間を調整することによって充電に要する時間も調整することができる。したがって、従来例のように電源電圧Vsによって第1のコンデンサC1が充電されて両端電圧Vc1の電圧値を電源電圧Vsのピーク値以下に調整することができない昇圧動作とは異なって、昇降圧動作とすることができる。
【0027】
ところで、本参考例は図5に示すような回路構成としてもよい。すなわち、トランスTの1次巻線の一端を整流器2の低電位側に接続し、第2のコンデンサの一端を第1のコンデンサC1の高電位側の端子に接続し、整流器2の高電位側の直流出力端を第1のコンデンサC1の高電位側に接続するとともに、第3のダイオードD3のアノードを、第1のコンデンサC1と第1のダイオードD1との接続点に接続し、第1のスイッチング要素Q1のコレクタに第3のダイオードD3のカソードを接続し、また第4のダイオードD4のカソードを、第1のコンデンサC1と第1のダイオードD1との接続点に接続するとともに、整流器2とトランスTの1次巻線との接続点に第4のダイオードD4のアノードを接続する構成としてもよい。
【0028】
上記回路構成においても、基本動作は図1に示した回路構成と同様であって、電源投入時には、第3のダイオードD3で交流電源1を回路的に切り離して突入電流を低減するとともに、第1のスイッチング要素Q1をオンしてトランスTの1次巻線に電流を流し、トランスTの1次巻線に蓄えられたエネルギーによって第1のコンデンサC1に電流を流して第1のコンデンサC1を充電し、定常動作時には第1及び第2のスイッチング要素Q1,Q2を交互にオン/オフして高周波の交流電力を負荷回路に供給することができる。
【0029】
或いは、図6に示すように、トランスTの代わりにインダクタL1を第1及び第2のスイッチング要素Q1,Q2の接続点と整流器2の直流出力端との間に接続し、インダクタL2とコンデンサC3と放電灯Laが直列接続されてなる負荷回路3をインダクタL1に並列接続した回路構成としてもよい。この回路構成における基本動作は図1に示した回路と同様であって、さらに、図1のトランスTの1次巻線に流れる電流をインダクタL1,L2に分流して各々のインダクタL1,L2に流れる電流値を抑えることができ、トランスTの代わりにインダクタL1,L2を用いることによって装置全体の小型化が図れるという利点がある。なお、本回路構成は、放電灯Laの両フィラメント間に生じる電圧値が比較的低く絶縁を要しない場合に有効である。
【0030】
なお、本参考例において負荷を1灯の放電灯Laとしたが、2灯以上あってもよく、その場合は直列・並列などの接続方法を問わない。また、必ずしも放電灯である必要はなく、例えばトランスTの2次巻線にダイオードブリッジからなる整流器を接続することによって直流電源を用いる負荷などにも対応できることは言うまでもない。
【0036】
(実施形態)
本実施形態における基本構成は従来例と共通するために共通する部分については同一の符号を付して説明を省略し、本実施形態の特徴となる部分についてのみ詳細に説明する。
【0037】
本実施形態は、図7に示すように整流器2の高電位側の直流出力端と第2のコンデンサC2との間に接続された第3のスイッチング要素Q4からなる切離し手段を設けた点に特徴がある。
【0038】
本実施形態の基本動作は、第3のスイッチング要素Q4をオンさせたときには従来例と同様の動作を行うが、少なくとも電源投入時には第3のスイッチング要素Q4を第2のスイッチング要素Q2と同期させて次の動作を行う。
【0039】
まず、第2及び第3のスイッチング要素Q2,Q4が共にオフのときは電流は流れずに交流電源1が回路的に切り離された状態となり、第2及び第3のスイッチング要素Q2,Q4を同時にオンすることによって、図8に示すように、交流電源1→整流器2→第3のスイッチング要素Q4→トランスT→第2のスイッチング要素Q2→整流器2→交流電源1の経路にて交流電源1から入力電流Iinが流れ、次に第2及び第3のスイッチング要素Q2,Q4を同時にオフすると、図9に示すように、トランスTの1次巻線に蓄えられたエネルギーによってトランスT→第1のダイオードD1→第1のコンデンサC1→第2のコンデンサC2→トランスTの経路で電流が流れて第1のコンデンサC1が充電される。
【0040】
したがって、第2及び第3のスイッチング要素Q2,Q4を同期してオン/オフさせることによって参考例と同様に交流電源1から第1のコンデンサC1への電流経路から交流電源1を回路的に切り離し、トランスTの1次巻線に蓄えられたエネルギーにより第1のコンデンサC1を充電するので、電源投入時の突入電流を低減することができ、定常動作時には第3のスイッチング要素Q4を常時オンすることで従来例と同様に交流電源の電源電圧の一周期の略全域にわたって入力電流Iinを引き込んで高調波成分を抑制して入力力率を向上させることができる。また、第3のスイッチング要素Q4をオンすることでチョッパ動作を従来例の昇圧動作とし、第2及び第3のスイッチング要素Q2,Q4を同期してオン/オフさせることによってチョッパ動作を参考例と同様の昇降圧動作に切り換えることができる。
【0041】
この昇降圧動作によって放電灯Laを調光することができ、その調光制御の一例について次に説明する。但し、昇降圧動作を利用したものは下記の例に限るものではない。
【0042】
全点灯状態においては、図10(a)に示すように、第3のトランジスタQ4を常にオンし、第1及び第2のスイッチング要素Q1,Q2を周期T1にて交互にオン/オフを繰り返す。次に、図10(b)に示すように、第1及び第2のスイッチング要素Q1,Q2のオン/オフ周期をT2(T1>T2)に変化させると、第1及び第2のダイオードD1,D2並びに第1及び第2のスイッチング要素からなるインバータ回路の出力が絞られて調光状態とすることができ、さらにこの調光状態から、図10(c)に示すように、第1及び第2のスイッチング要素Q1,Q2のオン/オフ周期T2は変化させずに第3のスイッチング要素Q4を第2のスイッチング要素Q2と同期してオン/オフさせると、チョッパ動作は昇圧動作から昇降圧動作へと切り換わって第1のコンデンサC1の両端電圧Vc1は低下し、上記インバータ回路の入力電圧が低下することで出力がさらに絞られた調光状態とすることができる。
【0043】
また、第1及び第2のスイッチング要素Q1,Q2のオン/オフ周期を短くすると、上記インバータ回路の入出力電力が不均衡になり易く、結果として第1のコンデンサC1の両端電圧Vc1がさらに昇圧する可能性があるが、図10(c)に示すように第3のスイッチング要素Q4をオン/オフすることによって昇降圧動作させ、第1のコンデンサC1の両端電圧Vc1を低下させることができる。
【0044】
上記本実施形態において、少なくとも電源投入時には第3のスイッチング要素Q4をオフすることで交流電源を回路的に切り離して突入電流が低減でき、また第2及び第3のスイッチング要素Q2,Q4を同時にオンして交流電源1からの入力電流Iinを一旦トランスTの1次巻線に短時間流し、第2及び第3のスイッチング要素Q2,Q4を同時にオフしてトランスTの1次巻線に蓄積されたエネルギーにより第1のコンデンサC1へ電流を流して第1のコンデンサC1を充電することができ、定常動作時には第3のスイッチング要素Q4をオンすることで従来例と同様に動作させ、高調波成分を抑制して入力力率を向上させることができる。さらに、第2及び第3のスイッチング要素Q2,Q4を同期してオン/オフさせることによってチョッパ動作を昇降圧動作に切り換えることができるので、例えば第1のコンデンサC1の両端電圧Vc1を低下させて放電灯Laを調光することができる。
【0045】
ところで、本実施形態は図11に示すように、第1及び第2のダイオードD1,D2をそれぞれMOSFET5,6に内蔵されたダイオードを用いることによって、第1のスイッチング要素Q1と第1のダイオードD1の並列回路を1個のMOSFET5に置き換え、同様に第2のスイッチング要素Q2と第2のダイオードD2の並列回路を1個のMOSFET6に置き換えて、部品数を減らすことができる。また、第3のスイッチング要素Q4をMOSFET7に置き換えてもよい。
【0046】
【発明の効果】
請求項1の発明は、交流電源の交流出力を整流する整流器と、平滑用の第1のコンデンサと、第1のコンデンサと並列に接続されるとともに高周波で交互にオン/オフされる1対の第1及び第2のスイッチング要素の直列回路と、第1及び第2のスイッチング要素とそれぞれ逆並列に接続される第1及び第2のダイオードと、上記第1及び第2のスイッチング要素の接続点と整流器の一方の直流出力端との間に接続されるインダクタンス要素と、一端がインダクタンス要素と整流器の直流出力端との接続点に接続され、他端が第1のコンデンサの一方の端子に接続されて第1又は第2のスイッチング要素のオン/オフに応じてインダクタンス要素と共振回路を形成する第2のコンデンサと、インダクタンス要素と並列的に接続されて、インダクタンス要素と第2のコンデンサによる共振に応じて高周波出力を得る負荷回路とを備え、整流器の他方の直流出力端が第1のコンデンサの端子のうちで交流電源から整流器と、インダクタンス要素と、第1及び第2のダイオードの何れか一方と、第1のコンデンサとを介して電流の流れる経路が形成される側の端子に接続されてなる電源装置において、少なくとも電源投入時には交流電源から整流器とインダクタンス要素と第1及び第2のダイオードの何れか一方と第1のコンデンサとを介して電流が流れないように交流電源を回路的に切り離す切離し手段を設けたので、少なくとも電源投入時には切離し手段によって交流電源を回路的に切り離すことで突入電流を低減することができるという効果がある。なお、第1又は第2のスイッチング要素のオン/オフにより交流電源からの入力電流を一旦インダクタンス要素に短時間流し、インダクタンス要素に蓄積されたエネルギーによって第1のコンデンサへ電流を流して第1のコンデンサを充電することができる。また、切離し手段は、整流器の一対の直流出力端の何れか一方と第2のコンデンサとの間に接続された第3のスイッチング要素からなるので、少なくとも電源投入時には第3のスイッチング要素をオフすることで交流電源を回路的に切り離して突入電流が低減でき、また第3のスイッチング要素と第1又は第2のスイッチング要素とを同時にオンして交流電源からの入力電流を一旦インダクタンス要素に短時間流し、第3のスイッチング要素と第1又は第2のスイッチング要素とを同時にオフしてインダクタンス要素に蓄積されたエネルギーにより第1のコンデンサへ電流を流して第1のコンデンサを充電することができ、さらに定常動作時には第3のスイッチング要素と第1又は第2のスイッチング要素を同期させて第1のコンデンサの両端電圧の昇圧を抑制することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例を示す回路図である。
【図2】 同上の動作説明用の回路図である。
【図3】 同上の動作説明用の回路図である。
【図4】 同上の動作説明用のタイムチャートである。
【図5】 同上の他の例を示す回路図である。
【図6】 同上の他の例を示す回路図である。
【図7】 実施形態を示す回路図である。
【図8】 同上の動作説明用の回路図である。
【図9】 同上の動作説明用の回路図である。
【図10】 同上の動作説明用のタイムチャートである。
【図11】 同上の他の例を示す回路図である。
【図12】 従来例を示す回路図である。
【図13】 同上の動作説明用の回路図である。
【符号の説明】
1 交流電源
2 整流器
3 負荷回路
C1,C2 コンデンサ
D1,D2,D3,D4 ダイオード
Q1,Q2 スイッチング要素
T トランス
Claims (1)
- 交流電源の交流出力を整流する整流器と、平滑用の第1のコンデンサと、第1のコンデンサと並列に接続されるとともに高周波で交互にオン/オフされる1対の第1及び第2のスイッチング要素の直列回路と、第1及び第2のスイッチング要素とそれぞれ逆並列に接続される第1及び第2のダイオードと、上記第1及び第2のスイッチング要素の接続点と整流器の一方の直流出力端との間に接続されるインダクタンス要素と、一端がインダクタンス要素と整流器の直流出力端との接続点に接続され、他端が第1のコンデンサの一方の端子に接続されて第1又は第2のスイッチング要素のオン/オフに応じてインダクタンス要素と共振回路を形成する第2のコンデンサと、インダクタンス要素と並列的に接続されて、インダクタンス要素と第2のコンデンサによる共振に応じて高周波出力を得る負荷回路とを備え、整流器の他方の直流出力端が第1のコンデンサの端子のうちで交流電源から整流器と、インダクタンス要素と、第1及び第2のダイオードの何れか一方と、第1のコンデンサとを介して電流の流れる経路が形成される側の端子に接続されてなる電源装置において、少なくとも電源投入時には交流電源から整流器とインダクタンス要素と第1及び第2のダイオードの何れか一方と第1のコンデンサとを介して電流が流れないように交流電源を回路的に切り離す切離し手段を設け、切離し手段は、整流器の一対の直流出力端の何れか一方と第2のコンデンサとの間に接続された第3のスイッチング要素からなることを特徴とする電源装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP22696099A JP3654067B2 (ja) | 1999-08-10 | 1999-08-10 | 電源装置 |
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