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JP3651571B2 - ドライバ状態検知システム - Google Patents

ドライバ状態検知システム Download PDF

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JP3651571B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドライバの顔を撮像してその画像からドライバの状態を検知することにより、ドライバの運転を支援するドライバ状態検知システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ドライバ(運転手)の居眠りや脇見運転等による事故を未然に防ぐために、ドライバの顔を常時照明した状態でCCDカメラ等の撮像デバイスにより撮像し、得られたドライバの顔の画像に基づいて、演算処理ユニット(CPU)により例えば2値化処理等の画像処理を行うことにより、ドライバの目の位置、瞬き、開き具合等を認識してドライバの状態を検知する認識装置を有するドライバ状態検知システムが知られている。
【0003】
このドライバ状態検知システムによれば、認識装置は、上記画像処理に基づく例えば目の瞬きの回数や開き具合等の判断からドライバの居眠り運転状態を検知した場合や、眼球の位置等の判断から脇見運転状態を検知した場合には、警報音等の警報をドライバに対して出力することにより、ドライバに対して注意を喚起させている。
【0004】
上述した認識装置を有するドライバ状態検知システムにおいては、昼夜、天候等による運転環境での明るさの変化に対応できる必要がある。例えば、太陽光の直射では、ドライバの顔に影が生じることもあり、画像処理によるドライバの状態検知に支障をきたす可能性がある。
【0005】
そこで、昼夜に亘り撮像でき、顔に対する屋外での外乱光(昼夜の照度変化や太陽光直射等)の影響を低減するために、上記ドライバの顔を照明する光として、外乱光の影響を受けにくい赤外線照明光を用いており、この赤外線照明光を常時ドライバの顔に照射することにより、ドライバの状態検知の精度を向上させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の認識装置を有するドライバ状態検知システムによれば、赤外線照明光を常時ドライバに照射していることになる。この赤外線は、連続して目に照射されると、強度によっては、視力障害を引き起こす恐れがあるため、連続して照射される可能性があるドライバにとっては、心理的な不安感を与えていた。
【0007】
また、緊急時でない場合やドライバが気付いている場合においても、常時CCDカメラにより顔画像を撮像し、CPUが画像処理を実行しているため認識装置の構成要素の耐久性が悪化し、コストの増加を招く恐れが生じていた。
【0008】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、赤外線LEDの照射を含む顔認識装置の起動/停止制御を、例えば車両の動作状態や車両周辺の状況に応じて行うことにより、ドライバに与える心理的不安感を低減させ、身体的な安全性を向上させ、さらに認識装置の耐久性を向上させることができるドライバ状態検知システムを提供することをその目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るドライバ状態検知システムは、上述した課題を解決するために、請求項1に記載したように、ドライバの顔を照明しながら撮像し、得られた画像に基づいて前記ドライバの状態を認識する認識装置と、前記車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、検出された走行状態に応じて前記認識装置の駆動制御を行う制御手段とを備えたドライバ状態検知システムにおいて、前記認識装置は、ドライバの顔を照明する照明部と、この照明部により照明されたドライバの顔を撮像する撮像デバイスと、この撮像デバイスにより撮像された画像に基づいてドライバの状態を認識する認識部とを備え、前記制御手段は、検出された走行状態に応じて、前記照明部を消灯もしくはその強度を弱くするように制御するものである。
【0011】
本発明に係るドライバ状態検知システムは、上述した課題を解決するために、請求項3に記載したように、ドライバの顔を照明しながら撮像し、得られた画像に基づいて前記ドライバの状態を認識する認識装置と、前記車両の周辺状況を検出する周辺状況検出手段と、検出された周辺状況に応じて前記認識装置の駆動制御を行う制御手段とを備えたドライバ状態検知システムにおいて、前記認識装置は、ドライバの顔を照明する照明部と、この照明部により照明されたドライバの顔を撮像する撮像デバイスと、この撮像デバイスにより撮像された画像に基づいてドライバの状態を認識する認識部とを備え、前記制御手段は、検出された周辺状況に応じて、前記照明部を消灯もしくはその強度を弱くするように制御するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0014】
図1は、車両1内に搭載された本実施の形態に係るドライバ状態検知システム2の概略構成を示すブロック図である。
【0015】
図1によれば、ドライバ状態検知システム2は、車両1内のドライバDの顔を赤外線照明光により照射するための赤外線発光デバイスである赤外線LED3と、この赤外線照明光により照明されたドライバDの顔を撮像する撮像デバイスとしてのCCDカメラ4とを備えている。
【0016】
また、ドライバ状態検知システム2は、赤外線LED3の点灯/消灯に係るLED駆動処理部10、CCDカメラ4の駆動処理(顔画像撮像処理)を行うカメラ駆動処理部11、CCDカメラ4により撮像されたドライバDの顔画像に基づいて2値化処理、濃淡情報によるパターンマッチング等の画像処理を行うことにより、ドライバDの目の位置、瞬き、開き具合等を認識してドライバの状態を検知する認識処理部(CPU)12および検知されたドライバDの運転状態に応じて警報音等の警報出力処理とを行う警報出力部13を有する認識装置15を備えている。
この認識装置15は、赤外線発光デバイス3を点灯させてドライバの顔を赤外線により照明する照明部と、この照明部により照明された顔を撮像する撮像デバイス4と、この撮像デバイス4により撮像された画像に基づいてドライバの状態を認識する認識部12とを備えており、制御手段17は、検出された走行状態に応じて、前記照明部の赤外線発光デバイス3の点灯および消灯制御を行う手段10を備えている。
【0017】
また、ドライバ状態検知システム2は、LED駆動処理部10の赤外線LED3に対する点灯/消灯に係る駆動処理タイミング制御と、カメラ駆動処理部11のCCDカメラ10に対する駆動処理タイミング(撮像タイミング)制御とを行うコントローラ17を備えている。
【0018】
このコントローラ17には、車両1の駆動エンジンの回転数を検出する回転数検出センサ20と、ドライバDがハンドルHを操作した際のハンドル回転角度変化を検出する角度センサ21と、自車両1の周囲の他車両からクラクションが自車両1に対して発せられた際に、そのクラクションを検出する音センサ22とがそれぞれ接続されており、各センサ20〜22の検出信号は、コントローラ17に送られるようになっている。
【0019】
次に本実施形態に係るドライバ状態検知システム2の全体動作について説明する。
【0020】
本実施形態のドライバ状態検知システム2によれば、車両1の起動(走行開始)に応じてコントローラ17は、認識装置15に駆動開始指令、すなわち、LED駆動処理部10にLED点灯制御指令およびカメラ駆動処理部11に対してCCDカメラ駆動指令をそれぞれ送信する。
【0021】
この結果、LED駆動処理部10の点灯駆動処理により赤外線LED3が点灯してドライバDの顔が照明され、その照明状態においてカメラ駆動処理部11の処理によりCCDカメラ4が駆動してドライバDの顔の画像が連続的に撮影される。そして、撮像されたドライバDの顔画像に基づく認識処理部12を介した画像処理が行われ、ドライバDの状態検知処理が行われる。
【0022】
このとき、コントローラ17は、回転数検出センサ20から送られた検出信号(回転数)に応じて、図2に示す処理を行っている。
【0023】
すなわち、コントローラ17は、回転数検出センサ20から送られた走行中の車両1のエンジン回転数に基づいて、エンジンが停止状態であるか、あるいは、渋滞路や赤信号による信号待ちの停車中におけるアイドリング状態であるか否かを判断する(ステップS1)。
【0024】
このステップS1の判断の結果NO、すなわち、エンジン停止状態およびアイドリング状態の何れでもない場合には、自車両1は走行中でありドライバ状態検知処理を行う必要があると判断してステップS1の処理を繰り返す。
【0025】
一方、ステップS1の判断の結果YES、すなわち、例えば走行中の自車両1が渋滞路や赤信号による信号待ち等により停車してエンジンがアイドリング状態になるか、あるいは自車両1が完全に停止してエンジンが停止状態になった時、コントローラ17は、認識装置15に駆動停止指令、すなわち、LED駆動処理部10にLED消灯制御指令およびカメラ駆動処理部11に対してCCDカメラ駆動停止指令をそれぞれ送信する(ステップS2)。
【0026】
この結果、LED駆動処理部10の消灯駆動処理により赤外線LED3が消灯するとともに、CCDカメラ4の駆動が停止してドライバDの顔の撮像が停止する。
【0027】
続いて、コントローラ17は、回転数検出センサ20から送られたエンジン回転数に基づいて、エンジンの駆動が開始したか、あるいは、渋滞解消や信号の青信号変化等によりアイドリング状態が終了したか否かを判断する(ステップS3)。
【0028】
このステップS3の判断の結果NO、すなわち、エンジン停止状態およびアイドリング状態の何れかである場合には、自車両1は停止状態あるいは渋滞路走行状態・信号待ち状態でありドライバ状態検知処理を行う必要がないと判断してステップS3の処理を繰り返す。
【0029】
一方、ステップS3の判断の結果YES、すなわち、例えば停車中の自車両1が走行を開始(エンジンの駆動が開始)したか、あるいは、渋滞解消や信号の青信号変化等によりアイドリング状態が終了した際には、コントローラ17は、LED駆動処理部10にLED点灯制御指令およびカメラ駆動処理部11に対してCCDカメラ駆動指令をそれぞれ送信して(ステップS4)、処理を終了する。
【0030】
この結果、LED駆動処理部10の点灯駆動処理により赤外線LED3が再点灯してドライバDの顔が照明され、その照明状態においてカメラ駆動処理部11の処理によりCCDカメラ4が再駆動してドライバDの顔の画像が連続的に撮影される。そして、撮像されたドライバDの顔画像に基づく認識処理部12の画像処理が再開され、ドライバDの状態検知処理が再度行われる。
【0031】
すなわち、本実施形態によれば、自車両1が停止(停車)状態か、あるいは渋滞や信号待ち等の状態においては、ドライバDの顔認識処理を行う必要性の度合いが弱いと判断し、認識装置15の駆動停止、すなわち、赤外線LED3の消灯、CCDカメラ4の撮像停止および認識処理部12の認識処理停止を実現することができるため、赤外線LED3が常時継続してドライバDの顔を照明することを防止してドライバDの心理的不安感を低減させ、かつドライバDの身体的安全性を向上させることができる。
【0032】
さらに、本実施形態によれば、赤外線LED3、CCDカメラ4および認識処理部(CPU)12を常時駆動させることなく、必要性の度合いが高い(走行中)場合においてのみ駆動させることができるため、赤外線LED3、CCDカメラ4およびCPU12の無駄な利用を避けて、それらの耐久性を向上させることができ、ドライバ状態検知システム2のコストを低減することができる。
【0033】
一方、本実施形態では、コントローラ17は、回転数検出センサ20からの回転数に応じた図2に示す認識装置15の駆動開始/停止処理に加えて、割り込み処理により図3に示す処理を行っている。
【0034】
すなわち、コントローラ17は、回転数検出センサ20から送られた走行中の車両1のエンジン回転数およびコントローラ自体のタイマ機能に基づいて、自車両1のスピードが所定時間以上所定速度(例えば、80km以上)で運転しているか否かを判断する(ステップS10)。
【0035】
このステップS10の判断の結果NO、すなわち、自車両1が一般道路を走行中である場合には、ドライバ状態検知処理を行う必要があると判断してステップS10の処理を繰り返す。
【0036】
一方、例えば、自車両1が高速道路を走行している際には、ステップS10の判断の結果はYESとなり、コントローラ17は、LED駆動処理部10にLED消灯制御指令を送信し、カメラ駆動処理部11に対してCCDカメラ駆動停止指令を送信する(ステップS11)。
【0037】
この結果、LED駆動処理部10の消灯駆動処理により赤外線LED3が消灯するとともに、CCDカメラ4の駆動が停止してドライバDの顔の撮像が停止する。
【0038】
次いで、コントローラ17は、角度センサ21からハンドル角変化信号が送信されているか否かを判断する(ステップS12)。
【0039】
このステップS12の判断の結果NO、すなわち、角度センサ21からハンドル角変化信号が送信されていなければ、ドライバDはハンドルを回転操作してはおらず、ドライバ状態検知処理を行う必要がないと判断してステップS12の処理を繰り返す。
【0040】
一方、ステップS12の判断の結果YES、すなわち、ドライバDがハンドルを回転操作して角度センサ21からハンドル角変化信号が送信された際には、コントローラ17は、LED駆動処理部10にLED点灯制御指令を送信し、カメラ駆動処理部11に対してCCDカメラ駆動指令を送信して(ステップS13)、割り込み処理を終了し、処理をメインに戻す。
【0041】
この結果、赤外線LED3の再点灯により照明されたドライバDの顔画像がCCDカメラ4により連続的に撮影され、認識処理部12の画像処理に基づくドライバDの状態検知処理が再度行われる。
【0042】
すなわち、本実施形態によれば、自車両1が走行中においても、例えば高速道路を走行中においては、ハンドル角操作をドライバDが行わない間は、ドライバDの顔認識処理を行う必要性の度合いが弱いと判断し、認識装置15の駆動停止、すなわち、赤外線LED3の消灯、CCDカメラ4の撮像停止および認識処理部12の認識処理停止を実現することができるため、赤外線LED3の常時照射に起因したドライバDに対する心理的不安感を低減し、その身体的安全性を向上させるとともに、認識装置15の各構成要素(赤外線LED3、CCDカメラ4および認識処理部12等)の継続的な駆動を回避して耐久性の向上・コスト低減に寄与することができる。
【0043】
さらに、本実施形態では、コントローラ17は、図2に示す認識装置15の駆動停止時(ステップS2〜ステップS3の判断→NO)、および図3に示す認識置15の駆動停止時(ステップS11〜ステップS12の判断→NO)において、例えば、割り込み処理により、図4に示す処理を行っている。
【0044】
すなわち、コントローラ17は、音センサ22から自車両1に対するクラクションに基づく検出信号が送られてきたか否かを判断する(ステップS20)。
【0045】
このステップS20の判断の結果NO、すなわち、自車両1の周囲の他車両から自車両1に対してクラクションが鳴らされていないと判断された場合には、自車両1はドライバ状態検知処理を行う必要がないと判断してステップS20の処理を繰り返す。
【0046】
一方、ステップS20の判断の結果YES、すなわち、自車両1の周囲の他車両から自車両1に対してクラクションが鳴らされたと判断された場合には、コントローラ17は、認識装置15に駆動開始指令、すなわち、LED駆動処理部10にLED点灯制御指令を送信し、カメラ駆動処理部11に対してCCDカメラ駆動指令を送信する(ステップS21)。
【0047】
この結果、LED駆動処理部10の点灯駆動処理により赤外線LED3が点灯するとともに、CCDカメラ4の駆動が開始してドライバDの顔の撮像が開始する。
【0048】
続いて、コントローラ17は、自車両1に対する他車両からのクラクションが終了したか否かを判断する(ステップS22)。
【0049】
このステップS22の判断の結果NO、すなわち、自車両1に対してクラクションが鳴らされている場合には、ドライバ状態検知処理を継続して行う必要があると判断してステップS22の処理を繰り返す。
【0050】
一方、ステップS22の判断の結果YES、すなわち、自車両1に対するクラクションの出力が終了した場合には、コントローラ17は、LED駆動処理部10にLED消灯制御指令およびカメラ駆動処理部11に対してCCDカメラ駆動停止指令をそれぞれ送信して(ステップS23)、割り込み処理を終了し、処理をメインの処理に戻す。
【0051】
すなわち、本実施形態によれば、認識装置15の駆動停止状態において、他車両から自車両1に対してクラクションが鳴らされた際においては、ドライバDの顔認識処理を行う必要性の度合いが高いと判断して、認識装置15の駆動開始(すなわち、赤外線LED3の点灯、CCDカメラ4の撮像開始および認識処理部12の認識処理開始)処理を行うことができ、それ以外の場合においては、顔認識処理の必要性の度合いが弱いと判断して、赤外線LED3の消灯等を実現することができるため、赤外線LED3の常時照射に起因したドライバDに対する心理的不安感を低減し、その身体的安全性を向上させるとともに、認識装置15の各構成要素(赤外線LED3、CCDカメラ4および認識処理部12等)の継続的な駆動を回避して耐久性の向上・コスト低減に寄与することができる。
【0052】
上述した実施形態においては、センサ20〜22からの検出信号に応じて、認識装置15の制御を行っているが、本発明はこれに限定されるものではなく、認識装置15の認識処理(赤外線LED3の点灯、CCDカメラ4の撮像処理および認識処理部12の認識処理を適当な時間間隔毎に(周期的に)行うようにしてもよい。
【0053】
すなわち、コントローラ17は、図5に示すように、タイマ機能により予め設定された時間(待機時間)が経過したか否かを判断し(ステップS30)、経過していない場合には(ステップS30→NO)、ステップS31にてタイマを更新してステップS30の判断に戻り、上述した判断処理を繰り返す。
【0054】
一方、待機時間が経過した場合には、コントローラは、LED駆動処理部10にLED点灯制御指令およびカメラ駆動処理部11に対してCCDカメラ駆動指令をそれぞれ送信する(ステップS32)。この結果、LED駆動処理部10の点灯駆動処理により赤外線LED3が点灯するとともに、CCDカメラ4の駆動が開始してドライバDの顔の撮像が開始する。
【0055】
上記赤外線LED3の点灯およびCCDカメラ4の駆動により撮像されたドライバDの顔画像に基づいて、認識処理部12は画像処理を実行し、ドライバDの顔認識処理(状態検知処理)を一定時間行う(ステップS33)。
【0056】
このとき、認識処理部12は、一定時間ドライバDの顔状態に基づく状態検知処理を行っても、ドライバDの状態が正常、すなわち、居眠りなどをしていないと認識された場合、認識装置15は、予め設定された認識時間が経過したか否かを判断する(ステップS34)。
【0057】
このステップS34の判断の結果NO、すなわち、認識時間が経過していないか、あるいはさらに顔認識処理に基づくドライバ運転状態検知処理が必要と判断された場合には(ステップS34→NO)、ステップS35にてタイマを更新してステップS34の判断に戻り、上述した判断処理を繰り返す。
【0058】
一方、ステップS34の判断の結果YES、すなわち、認識時間が経過した場合には、コントローラ17は、認識装置15に駆動停止指令、すなわち、LED駆動処理部10にLED消灯制御指令およびカメラ駆動処理部11に対してCCDカメラ駆動停止指令をそれぞれ送信する(ステップS36)。
【0059】
この結果、LED駆動処理部10の消灯駆動処理により赤外線LED3が消灯するとともに、CCDカメラ4の駆動が停止してドライバDの顔の撮像が停止する。
【0060】
ステップS36の処理後、コントローラ17は、ステップS30のタイマ処理に戻り、上述したステップS30〜S36の処理を繰り返す。
【0061】
すなわち、本実施形態によれば、予め設定した待機時間経過毎に認識装置15の駆動を開始させ、待機時間中は認識装置15の駆動停止、すなわち、赤外線LED3の消灯、CCDカメラ4の撮像停止および認識処理部12の認識処理の停止を実現することができるため、赤外線LED3の常時照射に起因したドライバDに対する心理的不安感を低減し、その身体的安全性を向上させるとともに、認識装置15の各構成要素(赤外線LED3、CCDカメラ4および認識処理部12等)の継続的な駆動を回避して耐久性の向上・コスト低減に寄与することができる。
【0062】
なお、本実施形態では、コントローラ17は、図2〜図4に示した各処理をそれぞれ実行することにより、認識装置15の駆動(赤外線LED3の点灯等)を、その必要性に応じて非継続的に行うようにしているが、図2〜図4の内の何れか1つの処理を行うようにしてもよい。
【0063】
また、本実施形態では、主として赤外線LEDの点灯、消灯制御を中心にして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、周期的、自車両の動作状態、周辺状況等に応じて、赤外線LEDの点灯強度制御を行ってもよい。
【0064】
赤外線照明の強度によって、人体の目への影響が変化するため、照明の強度を調整することで、その影響を低減することができる。
【0065】
例えば、外部の照明条件に応じて、外部が明るい時には照明の強度を弱くする制御や、認識を高精度に行いたい時にだけ照明の強度を強くし、通常は弱いままで制御を行ってもよい。
【0066】
さらに、本実施形態では、自車両1のエンジンの回転数を検出することにより、自車両1が(1)停止しているか、(2)信号待ち・渋滞中か、(3)高速運転中か等、自車両1の動作状態を検出・特定し、その特定された動作状態に応じて認識装置15の駆動開始/停止制御を行うようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0067】
例えば、図6に示すように、道路の路側に所定間隔毎に設置されたVICS(Vehicle Information Communication System)23から交通情報や渋滞情報等を入手し、入手した交通情報や渋滞情報等に応じて、現在の自車両1の動作状態および自車両周辺の状況を検出・特定してもよい。この場合、コントローラ17Aに、VICSから送信される交通情報や渋滞情報等の情報信号(FM多重信号や光信号等)を無線で受信する機能を搭載しておけばよい。
認識装置15は、赤外線発光デバイス3を点灯させてドライバの顔を赤外線により照明する照明部と、この照明部により照明された顔を撮像する撮像デバイス4と、この撮像デバイス4により撮像された画像に基づいてドライバの状態を認識する認識部12とを備えており、前記制御手段17Aは、検出された周辺状況に応じて、前記照明部の赤外線発光デバイス3の点灯および消灯制御を行う手段10を備えている。
【0068】
また、本実施形態では、コントローラ17は、自車両1の走行状態や自車両1に対するクラクション等の周囲の状況に応じてLED駆動処理部10の赤外線LED3に対する点灯/消灯に係る駆動処理タイミング制御と、カメラ駆動処理部11のCCDカメラ10に対する駆動処理タイミング(撮像タイミング)制御とをそれぞれ行うようにしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、LED駆動処理部10の赤外線LED3に対する点灯/消灯に係る駆動処理タイミング制御のみを行うようにしてもよい。
【0069】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のドライバ状態検知システムによれば、自車両の動作状態、あるいは自車両の周辺の状況に応じて、赤外線発光デバイスの点灯・消灯制御や強度調整制御を含む認識装置の駆動制御(起動/停止制御)を実行することができるため、赤外線発光デバイスが常時継続してドライバの顔を照明することを防止してドライバの心理的不安感を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るドライバ状態検知システム検知装置の概略構成を示すブロック図。
【図2】図1に示すコントローラの処理の一例を示す概略フローチャート。
【図3】図1に示すコントローラの処理の一例を示す概略フローチャート。
【図4】図1に示すコントローラの処理の一例を示す概略フローチャート。
【図5】図1に示すコントローラの処理の一例を示す概略フローチャート。
【図6】本発明の実施の形態の変形例に係るドライバ状態検知システムの概略構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1 車両
2 ドライバ状態検知システム
3 赤外線LED
4 CCDカメラ
10 LED駆動処理部
11 カメラ駆動処理部
12 認識処理部
13 警報出力部
15 認識装置
17、17A コントローラ
20 回転数検出センサ
21 角度センサ
22 音センサ
23 VICS
D ドライバ

Claims (4)

  1. ドライバの顔を照明しながら撮像し、得られた画像に基づいて前記ドライバの状態を認識する認識装置と、前記車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、検出された走行状態に応じて前記認識装置の駆動制御を行う制御手段とを備えたドライバ状態検知システムにおいて、
    前記認識装置は、ドライバの顔を照明する照明部と、
    この照明部により照明されたドライバの顔を撮像する撮像デバイスと、
    この撮像デバイスにより撮像された画像に基づいてドライバの状態を認識する認識部とを備え、
    前記制御手段は、検出された走行状態に応じて、前記照明部を消灯もしくはその強度を弱くするように制御することを特徴とするドライバ状態検知システム。
  2. 前記走行状態検出手段は、自動車のエンジンの回転数に応じて、車両の走行状態を検出する請求項1記載のドライバ状態検知システム。
  3. ドライバの顔を照明しながら撮像し、得られた画像に基づいて前記ドライバの状態を認識する認識装置と、前記車両の周辺状況を検出する周辺状況検出手段と、検出された周辺状況に応じて前記認識装置の駆動制御を行う制御手段とを備えたドライバ状態検知システムにおいて、
    前記認識装置は、ドライバの顔を照明する照明部と、
    この照明部により照明されたドライバの顔を撮像する撮像デバイスと、
    この撮像デバイスにより撮像された画像に基づいてドライバの状態を認識する認識部とを備え、
    前記制御手段は、検出された周辺状況に応じて、前記照明部を消灯もしくはその強度を弱くするように制御することを特徴とするドライバ状態検知システム。
  4. 前記周辺状況検出手段は、外部から入手した交通情報や渋滞情報に応じて、車両の周辺状況を検出する請求項3記載のドライバ状態検知システム。
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