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JP3513882B2 - エンジンの燃料制御装置 - Google Patents

エンジンの燃料制御装置

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JP3513882B2
JP3513882B2 JP21964493A JP21964493A JP3513882B2 JP 3513882 B2 JP3513882 B2 JP 3513882B2 JP 21964493 A JP21964493 A JP 21964493A JP 21964493 A JP21964493 A JP 21964493A JP 3513882 B2 JP3513882 B2 JP 3513882B2
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JP
Japan
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intake air
air amount
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cylinder
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一英 栂井
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Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Publication date
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、運転状態に応じて作動
気筒数を制御し、全気筒運転と部分気筒運転とを行なう
エンジンの燃料制御装置に関し、特にスロットル弁から
吸気弁までの間に大きな容積をもつエンジンに用いて好
適の燃料制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、エンジンでは、このエンジンへ
の吸入空気量Aとエンジン回転数Neとから得られるエ
ンジン1回転あたりの吸入空気量A/Ne情報に基づい
て、エンジンの各燃焼室に対する燃料噴射量(空燃比)
を制御することが行なわれており、エンジンの吸入空気
量を検出する吸入空気量検出手段として、例えばカルマ
ン渦情報から吸入空気量を検出するエアフローセンサ
が、スロットルバルブよりも上流側の吸気通路内に設け
られている。
【0003】このとき、スロットルバルブと吸気弁との
間に大きな容積を有するエンジンにおいて、スロットル
バルブの部分を通過する空気量と、実際に吸気弁から燃
焼室内に流入する筒内吸入空気量とは、定常時以外、等
しくない。そのため、スロットルバルブよりも上流側の
吸気通路内に吸入空気量検出手段(エアフローセンサ)
を配置したエンジンシステムでは、例えば特開昭62−
20648号公報に開示されるように、吸入空気量検出
手段により吸入空気量を検出した吸気がエンジンの各気
筒の燃焼室に吸入されるまでの時間遅れを、次に示すよ
うな一次フィルタ式を用いて模擬し、吸気タイミング毎
に、実際に燃焼室内に流入する吸入空気量を推定・演算
している。
【0004】ain(i) =α・ain(i-1) +(1−α)・
afs (i-1) (α:係数) ただし、ain(i) はi番目の吸気タイミングについての
推定吸入空気量、ain(i-1) は前回の推定吸入空気量、
afs (i-1) は吸入空気量検出手段により検出された前
回の検出吸入空気量である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、エンジンの
運転状態に応じ、例えばエンジンの低負荷,低回転時に
一部の気筒への燃料の供給を停止し、残りの気筒の燃焼
によってエンジンを運転する部分気筒運転(休筒運転)
を行なう場合、その部分気筒運転状態では休筒対象の気
筒における吸排気弁の開閉動作を停止させているが、こ
のような休筒運転を行なうエンジンにおいては、等価的
排気量が休筒運転時と全気筒運転時とでは異なってい
る。
【0006】従って、吸入空気量を推定する際に、休筒
運転時と全気筒運転時とで上述した一次フィルタ式とし
て同じものを用いていては、吸入空気量を正確に推定す
ることができず、排気ガスの悪化やドライバビリティの
悪化を招く要因となっている。本発明は、このような課
題に鑑み創案されたもので、作動気筒数の変更時にも吸
入空気量を正確に推定できるようにして、排気ガスの悪
化やドライバビリティの悪化を防止したエンジンの燃料
制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため、本発明のエン
ジンの燃料制御装置(請求項1)は、エンジンの吸入空
気量を検出する吸入空気量検出手段と、該吸入空気量検
出手段の検出結果に基づいて該吸入空気量検出手段によ
り吸入空気量を検出した吸気が該エンジンの各気筒の燃
焼室に吸入されるまでの時間遅れを考慮した推定吸入空
気量を推定・演算する推定吸入空気量演算手段と、該推
定吸入空気量演算手段の演算結果に基づいて該エンジン
に供給する燃料噴射量を制御する燃料制御手段と、該エ
ンジンにおける作動気筒数を検出する作動気筒数検出手
段と、該作動気筒数検出手段の検出結果に基づいて該推
定吸入空気量演算手段により推定・演算される推定吸入
空気量を補正する推定吸入空気量補正手段とをそなえた
ことを特徴としている。
【0008】また、該推定吸入空気量演算手段が、i番
目の吸気タイミングについての推定吸入空気量ain(i)
を、前回の推定吸入空気量ain(i-1) と該吸入空気量検
出手段により検出された前回の検出吸入空気量aafs (i
-1) とに基づいて、一次フィルタ式ain(i) =α・ain
(i-1) +(1−α)・aafs (i-1) (α:係数)により
推定・演算してもよい(請求項2)。
【0009】さらに、該推定吸入空気量補正手段が、該
作動気筒数検出手段により検出された作動気筒数に応じ
て該一次フィルタ式における該係数αを変更することに
よって、該推定吸入空気量演算手段により推定・演算さ
れる推定吸入空気量ain(i)を補正してもよい(請求
項3)。また、該推定吸入空気量補正手段が、該作動気
筒数検出手段によって該エンジンが休筒運転時のときは
全気筒運転時よりも該係数αが大きくなるように変更す
ることが好ましい(請求項4)。
【0010】
【作用】上述の本発明のエンジンの燃料制御装置(請求
項1)では、推定吸入空気量演算手段によって、吸入空
気量検出手段の検出結果に基づき、吸入空気量検出手段
により吸入空気量を検出した吸気がエンジンの各気筒の
燃焼室に吸入されるまでの時間遅れを考慮した推定吸入
空気量が推定・演算され、その推定吸入空気量に基づ
き、燃料制御手段によりエンジンに供給する燃料噴射量
が制御される。そして、推定吸入空気量補正手段によ
り、作動気筒数検出手段にて検出された作動気筒数に基
づき、推定吸入空気量演算手段にて推定・演算された推
定吸入空気量が補正される。
【0011】また、推定吸入空気量演算手段において、
i番目の吸気タイミングについての推定吸入空気量ain
(i) を推定演算する際には、前回(i−1番目)の推定
吸入空気量ain(i-1) と吸入空気量検出手段により検出
された前回(i−1番目)の検出吸入空気量aafs (i-
1) とに基づき、一次フィルタ式ain(i) =α・ain(i-
1) +(1−α)・aafs (i-1) (α:係数)を用いる
ことができる(請求項2)。
【0012】さらに、推定吸入空気量補正手段による推
定吸入空気量ain(i) の補正は、作動気筒数検出手段に
より検出された作動気筒数に応じて上記一次フィルタ式
における係数αを変更することによって行なうことがで
きる(請求項3)。
【0013】
【実施例】以下、図面により、本発明の一実施例として
のエンジンの燃料制御装置について説明すると、図1は
その構成を示すブロック図、図2はその制御系を示すハ
ードブロック図、図3はその装置を適用されるエンジン
システムを示す全体構成図、図4はその推定吸入空気量
演算タイミングを説明するためのタイミングチャート、
図5はその制御要領を説明するためのフローチャートで
ある。
【0014】さて、本実施例の装置を適用される自動車
用のエンジンシステムは、図3に示すようなものである
が、この図3において、エンジン(内燃機関)1は、そ
の燃焼室2に通じる吸気通路(吸気管)3および排気通
路(排気管)4を有しており、吸気通路3と燃焼室2と
は吸気弁5によって連通制御されるとともに、排気通路
4と燃焼室2とは排気弁6によって連通制御されるよう
になっている。
【0015】また、吸気通路3には、その上流側から順
に、エアクリーナ7,スロットル弁8およびインジェク
タ(電磁式燃料噴射弁)9が設けられており、排気通路
4には、その上流側から順に、排気ガス浄化用の触媒コ
ンバータ(三元触媒)10および図示しないマフラ(消
音器)が設けられている。なお、吸気通路3には、サー
ジタンク3aが設けられている。さらに、スロットル弁
8は、ワイヤケーブルを介してアクセルペダル(図示せ
ず)に連結されており、このアクセルペダルの踏込み量
に応じて開度を調整されるようになっている。
【0016】なお、図3において、15は燃料圧調節器
で、この燃料圧調節器15は、吸気通路3中の負圧を受
けて動作し、図示しない燃料ポンプから燃料タンクへ戻
る燃料量を調節することにより、インジェクタ9から噴
射される燃料圧を調節するようになっている。また、イ
ンジェクタ9は吸気マニホールド部に気筒数だけ設けら
れており、今、本実施例のエンジン1が直列4気筒エン
ジンであるとすると、インジェクタ9は4個設けられて
いることになる。即ち、いわゆるマルチポイント燃料噴
射(MPI)方式のエンジンである。
【0017】さらに、図1により詳述するごとく、本実
施例のエンジン1は、その運転状態に応じて、4気筒す
べてが作動する全気筒運転状態と、2気筒だけが作動す
る部分気筒運転状態(休筒運転状態)とのいずれか一方
に切換制御される気筒数制御エンジンであり、エンジン
1には、部分気筒運転時にエンジン1の一部の気筒(休
筒対象の気筒)の吸気弁5および排気弁6の開閉動作を
それぞれ停止させるための開閉動作停止機構11,12
がそなえられている。各開閉動作停止機構11,12
は、吸排気弁の開閉作動を、例えば作動油圧により駆動
されるロックピンにて不能として、特定気筒の吸気弁5
および排気弁6を閉弁状態に維持して開閉動作を停止さ
せるもので、公知のものである。
【0018】このような構成により、スロットル弁8の
開度に応じエアクリーナ7を通じて吸入された空気が吸
気マニホールド部分でインジェクタ9からの燃料と適宜
の空燃比となるように混合され、燃焼室2内で点火プラ
グ16を適宜のタイミングで点火動作させることによ
り、その吸入混合気が燃焼せしめられて、エンジントル
クを発生させた後、混合気は、排気ガスとして排気通路
4へ排出され、触媒コンバータ10で排気ガス中のC
O,HC,NOxの3つの有害成分を浄化してから、マ
フラで消音されて大気側へ放出されるようになってい
る。
【0019】このエンジン1の運転状態を制御するため
に、種々のセンサが設けられている。図3に示すよう
に、まず、エアクリーナ7を通過した空気が吸気通路3
内に流入する部分には、吸入空気量をカルマン渦情報か
ら検出するエアフローセンサ(吸入空気量検出手段)1
7と、吸入空気温度を検出する吸気温センサ18と、大
気圧を検出する大気圧センサ19とがそなえられてい
る。
【0020】また、吸気通路3におけるスロットル弁8
の配設部分には、スロットル弁8の開度を検出するポテ
ンショメータ式のスロットルポジションセンサ20と、
スロットル弁8の全閉状態(つまりアイドリング状態)
をスロットル弁8の位置から機械的に検出するアイドル
スイッチ21とがそなえられている。さらに、排気通路
4側には、触媒コンバータ10の上流側部分に、排気通
路4を流れる排気ガス中の酸素濃度(O2 濃度、つまり
エンジン1における吸入混合気の空燃比)を検出する酸
素濃度センサ(空燃比検出手段;以下、O2 センサとい
う)22がそなえられるほか、その他のセンサとして、
エンジン1用の冷却水14の温度を検出する水温センサ
23や、エンジン1のクランク角度を検出するクランク
角センサ24(このクランク角センサ24はエンジン回
転数Neを検出する回転数センサとしての機能も兼ねて
いる)などがそなえられている。
【0021】そして、これらのセンサやスイッチからの
検出信号は、図2に示すようなハードウェア構成の電子
制御ユニット(ECU)25へ入力されるようになって
いる。このECU25は、その主要部としてCPU(演
算装置)26をそなえており、このCPU26には、吸
気温センサ18,大気圧センサ19,スロットルポジシ
ョンセンサ20,O2 センサ22および水温センサ23
からの検出信号が、入力インターフェイス27およびア
ナログ/ディジタルコンバータ28を介して入力され
る。
【0022】また、CPU26には、エアフローセンサ
17,アイドルスイッチ21,クランク角センサ24,
車速センサ30等からの検出信号(ディジタル信号)
や、イグニッションスイッチ(キースイッチ)34等か
らのオン/オフ信号が、入力インターフェイス29を介
して入力される。さらに、CPU26は、バスラインを
介して、プログラムデータや固定値データを記憶するR
OM32,更新して順次書き替えられるRAM33,お
よび,バッテリが接続されている間はその記憶内容が保
持されることによってバックアップされるバッテリバッ
クアップRAM(図示せず)との間でデータの授受を行
なうようになっている。なお、RAM33内のデータは
イグニッションスイッチ34をオフすると消えてリセッ
トされるようになっている。
【0023】また、CPU26による演算の結果、EC
U25からは、エンジン1の運転状態等を制御するため
の信号、例えば、燃料噴射制御信号,燃料ポンプ制御信
号,点火時期制御信号,部分気筒運転制御信号(休筒運
転制御信号),エンジンチェックランプ点灯信号,アラ
ームランプ点灯信号等の各種制御信号が出力されるよう
になっている。
【0024】これらの制御信号のうち、燃料噴射制御
(空燃比制御)信号は、CPU26から4つの噴射ドラ
イバ34を介して、インジェクタ9を駆動させるための
インジェクタソレノイド9a(正確にはインジェクタソ
レノイド9a用のトランジスタ)へそれぞれ出力される
ようになっている。また、点火時期制御信号は、CPU
26から点火ドライバ35を介して、パワートランジス
タ36へ出力され、このパワートランジスタ36から点
火コイル37を介しディストリビュータ38により各点
火プラグ16に順次火花を発生させるようになってい
る。
【0025】さらに、部分気筒運転制御信号(休筒運転
制御信号)は、CPU26からドライバ39を介して開
閉動作停止機構11,12へ出力され、部分気筒運転
(休筒運転)時に、休筒対象の気筒の吸気弁5および排
気弁6の開閉動作を停止させるようになっている。そし
て、今、燃料噴射制御(空燃比制御)および運転気筒数
制御に着目すると、これらの制御のために、本実施例の
ECU25は、図1に示すように、推定吸入空気量演算
41,燃料制御手段42,運転域判定手段(作動気筒数
検出手段)43および推定吸入空気量補正手段44を有
して構成されている。
【0026】ここで、推定吸入空気量演算41は、エア
フローセンサ17の検出結果に基づいて、エアフローセ
ンサ17により吸入空気量を検出した吸気がエンジン1
の各気筒の燃焼室2に吸入されるまでの時間遅れを考慮
した推定吸入空気量ain(i)を推定・演算するものであ
る。この推定吸入空気量演算手段41は、i番目の吸気
タイミングについての推定吸入空気量ain(i) を、前回
の推定吸入空気量ain(i-1) とエアフローセンサ17に
より検出された前回の検出吸入空気量aafs (i-1) とに
基づいて、一次フィルタ式ain(i) =α・ain(i-1) +
(1−α)・aafs (i-1) (α:係数)により推定・演
算するものである。なお、上記一次フィルタ式について
は後で詳述する。また、前回の推定吸入空気量ain(i-
1) および前回の検出吸入空気量aafs(i-1) は、図2に
示すRAM33に一時的に記憶・格納される。
【0027】また、燃料制御手段42は、エアフローセ
ンサ17およびクランク角センサ24の検出結果に基づ
いてエンジン1の空燃比(各インジェクタ9の駆動時間
Ti)を設定し、その設定空燃比に基づいて、各噴射ド
ライバ34を介して各インジェクタソレノイド9aを励
磁することにより、各気筒がそれぞれ予め定められた行
程位相にあるときに対応するインジェクタ9を順次作動
させ、エンジン1の各気筒へ燃料を供給制御するもので
ある。
【0028】この燃料制御手段42は、エアフローセン
サ17からの吸入空気量情報とクランク角センサ24か
らのエンジン回転数情報とからエンジン1回転あたりの
吸入空気量情報(エンジン負荷情報)を求め、この情報
に応じて設定された基本パルス幅を密度補正することに
より、エンジン1の燃焼室2に供給する燃料噴射量に応
じた各インジェクタ9の駆動時間Ti(つまりはインジェ
クタ9による燃料噴射量)を設定し、空燃比を設定する
ようになっている。
【0029】また、燃料制御手段42において、各イン
ジェクタ9の駆動時間Ti は、O2センサ22の検出結
果に基づいて、エンジン1における吸入混合気の空燃比
が理論空燃比となるように補正されるようになってい
る。さらに、燃料制御手段42は、後述する運転域判定
手段43から部分気筒運転制御信号(休筒運転制御信
号)を受けると、休筒対象の2気筒への燃料供給を停止
させるべく、この休筒対象の2気筒についてのインジェ
クタ9の駆動時間Tiを0に設定するように動作するも
のである。
【0030】運転域判定手段43は、エンジン1の作動
状態を全気筒運転状態と部分気筒運転状態とのいずれか
一方に切り換えるために、エアフローセンサ17,吸気
温センサ18,スロットルポジションセンサ20,アイ
ドルスイッチ21,水温センサ23,クランク角センサ
24および車速センサ30の検出結果に基づいて、全気
筒運転域であるか一部の気筒を休止する部分気筒運転域
(休筒運転域)であるかを判定するものであり、本実施
例では、この運転域判定手段43が、エンジン1におけ
る作動気筒数を検出する作動気筒数検出手段として機能
している。
【0031】つまり、本実施例では、運転域判定手段4
3が、全気筒運転域である判定した場合(全気筒運転制
御信号出力時)には、検出作動気筒数は4であり、部分
気筒運転域であると判定した場合(部分気筒運転制御信
号出力時)には、検出作動気筒数は2となる。なお、運
転域判定手段43により部分気筒運転域であると判定さ
れるのは、例えば、車速が設定値以下の低速停止時で、
冷却水温が設定値以上の暖機完了後で、スロットル開度
が設定値以上の小開度のときで、且つ、加速状態もしく
は減速状態でない低回転,低負荷域もしくはアイドル状
態のときである。
【0032】また、運転域判定手段43は、部分気筒運
転域であると判定すると、開閉動作停止機構11,12
に対して部分気筒運転制御信号を出力し、休筒対象の気
筒の吸気弁5および排気弁6の開閉動作を停止させ常閉
状態にするとともに、同部分気筒運転制御信号を燃料制
御手段42にも出力する一方、全気筒運転域と判定する
と、開閉動作停止機構11,12に対して全気筒運転制
御信号を出力し、休筒対象の気筒の吸気弁5および排気
弁6を開閉動作させ開閉状態にするとともに、同全気筒
運転制御信号を燃料制御手段44にも出力している。
【0033】推定吸入空気量補正手段44は、運転域判
定手段(作動気筒数検出手段)43の判定結果に基づい
て、推定吸入空気量演算手段41により推定・演算され
る推定吸入空気量を補正するためのもので、運転域判定
手段43からの制御信号(全気筒運転制御信号の場合に
作動気筒数4,部分気筒運転制御信号の場合に作動気筒
数2)に応じて、前述した一次フィルタ式における係数
αを変更することによって、推定吸入空気量演算手段4
1により推定・演算される推定吸入空気量ain(i) を補
正するものである。
【0034】ところで、スロットル弁8から吸気弁5ま
での間に大きな容積をもつエンジンにおいては、エアフ
ローセンサ17による検出吸入空気量(スロットル通過
空気量)と、実際に燃焼室2内に流入する吸入空気量と
は、同一時刻で見れば、同じになっていない。従って、
負荷や回転数が頻繁に変動するエンジンでは、次のよう
にしてエアフローセンサ17による検出吸入空気量に基
づいて、時間遅れを考慮した推定吸入空気量(実際に燃
焼室2内に流入する吸入空気量)を推定することができ
る(行程同期)。
【0035】つまり、i番目の吸入タイミングでのスロ
ットル通過空気量(エアフローセンサ17による検出吸
入空気量)をaafs (i) 、i番目の吸入タイミングでの
推定吸入空気量をain(i) とすると、i番目の吸入タイ
ミングでの吸気管内増加量Δav (i)(=av (i) −av
(i-1))は、 Δav (i) =av (i) −av (i-1) =aafs (i) −ain(i) (1) となる。ここで、吸入空気量ain(i) は、吸入管容積を
V、等価的1行程当たり排気量をvとすると、 ain(i) =〔v/(V+v)〕・av (i) (2) となる。上記(2)式により、(1)式におけるa
v (i) およびav (i-1) を消去すると、推定吸入空気量
in(i) を得るための一次フィルタ式である次式(3)
が得られる。
【0036】 ain(i) =〔V/(V+v)〕・ain(i-1) +〔1−V/(V+v)〕・aafs (i-1) (3) この(3)式におけるV/(V+v)を係数αとおいた
ものが、前述した推定吸入空気量演算手段41において
用いられる一次フィルタ式そのものとなる。そして、本
実施例の推定吸入空気量補正手段44では、運転域判定
手段(作動気筒数検出手段)43から得られる作動気筒
数に基づいて等価的1行程当たり排気量vを次式(4)
により算出し、算出された等価的1行程当たり排気量v
に基づいて係数α〔=V/(V+v)〕を演算・変更
し、推定吸入空気量演算手段41により推定・演算され
る推定吸入空気量ain(i) を補正している。
【0037】 v=Vdisp×(作動気筒数)/(全気筒数) (4) (ただし、Vdispは1気筒当たり排気量) なお、図4に示すように、本実施例においては、SGT
(クランク角信号)の立ち下がり毎に、推定吸入空気量
が推定・演算される(図4の下から2段目の黒塗り逆三
角形印位置参照)。また、別の実施例として、図4の最
下段の黒塗り逆三角形印位置で示すように、休筒気筒が
吸入するタイミングでは演算を行なわない場合には、上
記(4)式におけるvを1気筒当たりの排気量とするこ
とで、上記(3)式により推定吸入空気量ain(i) が得
られる。
【0038】次に、上述のごとく構成された本実施例の
装置による燃料制御動作について、図5を用いて説明す
る。図5に示す燃料制御動作処理は、燃料噴射量を計算
する毎(吸気タイミング毎)に割込みによって実行さ
れ、まず、推定吸入空気量補正手段44において、運転
域判定手段43からの制御信号を取り込み、その制御信
号が全気筒運転制御信号か部分気筒運転制御信号かに応
じて作動気筒数が4か2かを検出・判定する(ステップ
S1)。
【0039】そして、検出された作動気筒数に基づい
て、現在のエンジン運転状態での等価的1行程当たり排
気量vを、前記(4)式を用いて算出してから(ステッ
プS2)、その等価的1行程当たり排気量vに基づい
て、推定吸入空気量演算手段41で用いられる一次フィ
ルタ式の係数α〔=V/(V+v)〕を算出し(ステッ
プS3)、その係数αを当てはめられた一次フィルタ式
を用いて吸入空気量ain(i) が推定される(ステップS
4)。
【0040】このようにして推定された吸入空気量ain
(i) は、燃料制御手段42に出力され、この燃料制御手
段42において、推定吸入空気量演算手段41からの推
定吸入空気量ain(i) とクランク角センサ24からのエ
ンジン回転数情報とからエンジン1回転あたりの吸入空
気量情報が求められ、この情報に応じて設定された基本
パルス幅を密度補正することにより、エンジン1の各気
筒の燃焼室2に供給する燃料噴射量に応じた各インジェ
クタ9の駆動時間Ti(つまりはインジェクタ9による燃
料噴射量)が設定される(ステップS5)。
【0041】なお、前述したステップS3,S4によ
り、一次フィルタ式における係数αを変更する際には、
瞬間的に変更してもよいし、ある行程数だけ遅れて過渡
的に変更してもよく、過渡的に変更する場合には、係数
αを徐々に変更するテーリング制御を行なう。このよう
に、本実施例のエンジンの燃料制御装置によれば、休筒
運転を行なうエンジンにおいては、全気筒運転時の気筒
数,休筒運転時の気筒数に応じて等価的排気量vを算出
し、吸入空気量推定に用いられる一次フィルタ式の係数
αを変更することにより、作動気筒数の変更時にも吸入
空気量を正確に推定することができ、排気ガスの悪化や
ドライバビリティの悪化が確実に防止できる。
【0042】なお、上述した実施例では、本発明の装置
を自動車用の4気筒直列エンジンに適用した場合につい
て説明したが、本発明の装置は、これに限定されるもの
でなく、気筒数制御機能を有し各種動力源として用いら
れる各種タイプのエンジンに上述と同様にして適用さ
れ、上記実施例と同様の作用効果が得られることはいう
までもない。
【0043】また、上述した実施例では、作動気筒数を
検出する作動気筒数検出手段として、運転域判定手段4
3からの制御信号を用いて間接的に作動気筒数を検出す
る場合について説明したが、本発明の装置は、これに限
定されるものではなく、作動気筒数検出手段として、各
気筒の運転状態を検出することにより作動気筒数を直接
的に検出するような手段を用いてもよい。
【0044】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のエンジン
の燃料制御装置によれば、推定吸入空気量補正手段によ
り、作動気筒数検出手段にて検出された作動気筒数に基
づき、推定吸入空気量演算手段にて推定・演算された推
定吸入空気量を補正するという極めて簡素な構成によ
り、作動気筒数の変更時にも吸入空気量を正確に推定で
き、排気ガスの悪化やドライバビリティの悪化を確実に
防止できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのエンジンの燃料制御
装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施例の装置のための制御系を示すハードブ
ロック図である。
【図3】本実施例の装置を適用されるエンジンシステム
を示す全体構成図である。
【図4】本実施例における推定吸入空気量演算タイミン
グを説明するためのタイミングチャートである。
【図5】本実施例の装置による制御要領を説明するため
のフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関) 2 燃焼室 3 吸気通路 3a サージタンク 4 排気通路 5 吸気弁 6 排気弁 7 エアクリーナ 8 スロットル弁 9 インジェクタ(電磁式燃料噴射弁) 9a インジェクタソレノイド 10 触媒コンバータ(三元触媒) 11,12 開閉動作停止機構 14 冷却水 15 燃料圧調節器 16 点火プラグ 17 エアフローセンサ(吸気量センサ,吸入空気量検
出手段) 18 吸気温センサ 19 大気圧センサ 20 スロットルポジションセンサ 21 アイドルスイッチ 22 酸素濃度センサ(O2 センサ) 23 水温センサ 24 クランク角センサ 25 電子制御ユニット 26 CPU(演算装置) 27 入力インターフェイス 28 アナログ/ディジタルコンバータ 29 入力インターフェイス 30 車速センサ 31 イグニッションスイッチ 32 ROM 33 RAM 34 噴射ドライバ 35 点火ドライバ 36 パワートランジスタ 37 点火コイル 38 ディストリビュータ 39 ドライバ 41 推定吸入空気量演算手段 42 燃料制御手段 43 運転域判定手段(作動気筒数検出手段) 44 推定吸入空気量補正手段

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの吸入空気量を検出する吸入空
    気量検出手段と、 該吸入空気量検出手段の検出結果に基づいて、該吸入空
    気量検出手段により吸入空気量を検出した吸気が該エン
    ジンの各気筒の燃焼室に吸入されるまでの時間遅れを考
    慮した推定吸入空気量を推定・演算する推定吸入空気量
    演算手段と、 該推定吸入空気量演算手段の演算結果に基づいて該エン
    ジンに供給する燃料噴射量を制御する燃料制御手段と、 該エンジンにおける作動気筒数を検出する作動気筒数検
    出手段と、 該作動気筒数検出手段の検出結果に基づいて、該推定吸
    入空気量演算手段により推定・演算される推定吸入空気
    量を補正する推定吸入空気量補正手段とをそなえたこと
    を特徴とする、エンジンの燃料制御装置。
  2. 【請求項2】 該推定吸入空気量演算手段が、i番目の
    吸気タイミングについての推定吸入空気量ain(i)
    を、前回の推定吸入空気量ain(i−1)と該吸入空気
    量検出手段により検出された前回の検出吸入空気量a
    afs(i−1)とに基づいて、一次フィルタ式a
    in(i)=α・ain(i−1)+(1−α)・a
    afs(i−1)(α:係数)により推定・演算すること
    を特徴とする、請求項1記載のエンジンの燃料制御装
    置。
  3. 【請求項3】 該推定吸入空気量補正手段が、該作動気
    筒数検出手段により検出された作動気筒数に応じて該一
    次フィルタ式における該係数αを変更することによっ
    て、該推定吸入空気量演算手段により推定・演算される
    推定吸入空気量ain(i)を補正することを特徴とす
    る、請求項2記載のエンジンの燃料制御装置。
  4. 【請求項4】 該推定吸入空気量補正手段が、該作動気
    筒数検出手段によって該エンジンが休筒運転時のときは
    全気筒運転時よりも該係数αが大きくなるように変更す
    ることを特徴とする、請求項3記載のエンジンの燃料噴
    射装置。
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