JP3510469B2 - 導電性ばね用銅合金及びその製造方法 - Google Patents
導電性ばね用銅合金及びその製造方法Info
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Description
金及びその製造方法に関し、特に端子・コネクター材、
スイッチ材等に適する導電性ばね用銅合金とその製造方
法に関する。
銅合金が用いられ、Cu−Zn系合金、耐熱性に優れた
Cu−Fe系合金、Cu−Sn系合金が多く用いられて
いる。特に、自動車等の用途では安価なCu−Zn系合
金が多く使用されているが、近年の自動車用端子、コネ
クターは小型化傾向が著しく、またエンジンルーム内な
どの過酷な環境にさらされる場合が多いため、Cu−Z
n系合金ではもちろんのこと、Cu−Fe系合金、Cu
−Sn系合金でも対応出来なくなってきているのが現状
である。
伴い、端子、コネクター用材料に求められる特性もより
厳しくなってきている。このような用途に使用される銅
合金には、応力緩和特性、機械的強度、熱伝導性、曲げ
加工性、耐熱性、Snメッキの接続信頼性、マイグレー
ション特性など多岐に渡っているが、特に機械的強度や
応力緩和特性、熱・電気の伝導性、曲げ加工性が重要な
特性である。
として、Cu−Ni−Si系合金が注目されており、例
えば、特開昭61−127842号公報が知られてい
る。しかしながら、このようなCu−Ni−Si系合金
でも使用に耐え得ない状態に陥っている。具体的には部
品の小型化、例えば一般的な箱型端子において、挿入さ
れるオス端子のタブ幅が約2mmである090端子から
約1mmである040端子へ小型化されると、バネ部の
幅が1mm程度であり、このように部品が小型化される
と、充分な接続強度を得ることが困難になっている。ま
た、小型化に関連してバネ部での接続強度を確保するた
めに、端子の構造にも多くの工夫がなされているが、そ
の結果、材料に要求される曲げ加工性もより厳しくなっ
ており、従来のCu−Ni−Siでは曲げ部にクラック
が生じる場合も多い。応力緩和特性も同様であり、材料
に負荷される応力の増大、使用環境の高温化により従来
のCu−Ni−Si系合金では長時間の使用は不可能な
状況である。
改善するためにMgの添加が有効であり、例えば、特開
昭61−250134号公報、特開平5−59468号
公報などにもMgの有効性が示されている。しかしなが
らMg添加により応力緩和特性は向上するものの、曲げ
加工性が劣化し、180°密着曲げには耐え得ないもの
であり自動車コネクターなどに使用するには曲げ加工性
の改善が不可欠である。また曲げ加工性を改善するため
の検討もされているが、これは強度の低い材料であるた
めに所望の特性が得られないものであった。さらに、熱
・電気の伝導性が悪いと、応力緩和特性が良くとも、自
己の発熱で応力緩和を促進するため、伝導性と応力緩和
特性のバランスが重要である。
加工性、応力緩和特性等について検討し、厳しい要求特
性を満たす銅系材料が提案されているが、本発明は、優
れた機械的特性、伝導性、応力緩和特性と曲げ加工性を
兼ね備えた銅合金であり、端子、コネクターに好適な銅
合金を提供するものである。
決するもので、主成分としてNiを1.0〜3.5ma
ss%、Siを0.2〜0.9mass%、Mgを0.
01〜0.20mass%、Snを0.05〜1.5m
ass%含み、S、O含有量をそれぞれ0.005ma
ss%未満に制限し、残部Cu及び不可避的不純物から
なり、その結晶粒度が1μmを越え25μm以下である
ことを特徴とする強度、導電性および応力緩和特性、並
びに内側曲げ半径が0Rの180°密着曲げにおいてク
ラックを生じない曲げ加工性に優れた導電性ばね用銅合
金である。また、上記構成において、本発明の特性に悪
影響を与えない範囲で、他の添加元素、例えば0.2%
未満のZnを添加しても差し支えないものである。ま
た、本発明は、主成分としてNiを1.0〜3.5ma
ss%、Siを0.2〜0.9mass%、Mgを0.
01mass%以上0.20mass%未満、Snを
0.05〜1.5mass%、Znを0.2〜1.5m
ass%含み、S、O含有量をそれぞれ0.005ma
ss%未満に制限し、残部Cu及び不可避的不純物から
なり、その結晶粒度が1μmを越え25μm以下である
ことを特徴とする強度、導電性および応力緩和特性、並
びに内側曲げ半径が0Rの180°密着曲げにおいてク
ラックを生じない曲げ加工性に優れた導電性ばね用銅合
金である。
Ag、Mn、Fe、Cr、Co、Pの中から選ばれ1種
または2種以上を総量で0.005mass%〜2.0
mass%含むことを特徴とする銅合金である。具体的
には、主成分としてNiを1.0〜3.5mass%、
Siを0.2〜0.9mass%、Mgを0.01〜
0.20mass%、Snを0.05〜1.5mass
%含み、さらに0.005〜0.3mass%Ag、
0.01〜0.5mass%Mn、それぞれ0.005
〜0.2mass%のFe、Cr、0.05〜2.0m
ass%Co、0.005〜0.1mass%Pの中か
ら選ばれ1種または2種以上を総量で0.005mas
s%〜2.0mass%含み、S、O含有量をそれぞれ
0.005mass%未満に制限し、残部Cu及び不可
避的不純物からなり、その結晶粒度が1μmを越え25
μm以下であることを特徴とする強度、導電性および応
力緩和特性、並びに内側曲げ半径が0Rの180°密着
曲げにおいてクラックを生じない曲げ加工性に優れた導
電性ばね用銅合金である。また、主成分としてNiを
1.0〜3.5mass%、Siを0.2〜0.9ma
ss%、Mgを0.01〜0.20mass%、Snを
0.05〜1.5mass%、Znを0.2〜1.5m
ass%含み、さらに0.005〜0.3mass%A
g、0.01〜0.5mass%Mn、それぞれ0.0
05〜0.2mass%のFe、Cr、0.05〜2.
0mass%Co、0.005〜0.1mass%Pの
中から選ばれ1種または2種以上を総量で0.005m
ass%〜2.0mass%含み、S、O含有量をそれ
ぞれ0.005mass%未満に制限し、残部Cu及び
不可避的不純物からなり、その結晶粒度が1μmを越え
25μm以下であることを特徴とする強度、導電性およ
び応力緩和特性、並びに内側曲げ半径が0Rの180°
密着曲げにおいてクラックを生じない曲げ加工性に優れ
た導電性ばね用銅合金である。
Pb、Biの1種または2種を総量で0.005〜0.
13mass%含むことを特徴とする銅合金である。具
体的には、主成分としてNiを1.0〜3.5mass
%、Siを0.2〜0.9mass%、Mgを0.01
〜0.20mass%、Snを0.05〜1.5mas
s%含み、さらに0.005〜0.1mass%Pb、
0.005〜0.03mass%Biの1種または2種
を総量で0.005〜0.13mass%含み、S、O
含有量をそれぞれ0.005mass%未満に制限し、
残部Cu及び不可避的不純物からなり、その結晶粒度が
1μmを越え25μm以下であることを特徴とする強
度、導電性および応力緩和特性、並びに内側曲げ半径が
0Rの180°密着曲げにおいてクラックを生じない曲
げ加工性に優れた導電性ばね用銅合金である。また、主
成分としてNiを1.0〜3.5mass%、Siを
0.2〜0.9mass%、Mgを0.01〜0.20
mass%、Snを0.05〜1.5mass%、Zn
を0.2〜1.5mass%含み、さらに0.005〜
0.1mass%Pb、0.005〜0.03mass
%Biの1種または2種を総量で0.005〜0.13
mass%含み、S、O含有量をそれぞれ0.005m
ass%未満に制限し、残部Cu及び不可避的不純物か
らなり、その結晶粒度が1μmを越え25μm以下であ
ることを特徴とする強度、導電性および応力緩和特性、
並びに内側曲げ半径が0Rの180°密着曲げにおいて
クラックを生じない曲げ加工性に優れた導電性ばね用銅
合金である。
n、Fe、Cr、Co、Pの中から選ばれ1種または2
種以上、及びPb、Biの1種または2種を総量で0.
005mass%〜2.0mass%含むことを特徴と
する銅合金である。具体的には、主成分としてNiを
1.0〜3.5mass%、Siを0.2〜0.9ma
ss%、Mgを0.01〜0.20mass%、Snを
0.05〜1.5mass%含み、さらに0.005〜
0.3mass%Ag、0.01〜0.5mass%M
n、それぞれ0.005〜0.2mass%のFe、C
r、0.05〜2.0mass%Co、0.005〜
0.1mass%Pの中から選ばれ1種または2種以
上、及び0.005〜0.1mass%Pb、0.00
5〜0.03mass%Biの1種または2種を総量で
0.005mass%〜2.0mass%含み、S、O
含有量をそれぞれ0.005mass%未満に制限し、
残部Cu及び不可避的不純物からなり、その結晶粒度が
1μmを越え25μm以下であることを特徴とする強
度、導電性および応力緩和特性、並びに内側曲げ半径が
0Rの180°密着曲げにおいてクラックを生じない曲
げ加工性に優れた導電性ばね用銅合金である。また、主
成分としてNiを1.0〜3.5mass%、Siを
0.2〜0.9mass%、Mgを0.01〜0.20
mass%、Snを0.05〜1.5mass%、Zn
を0.2〜1.5mass%含み、さらに0.005〜
0.3mass%Ag、0.01〜0.5mass%M
n、それぞれ0.005〜0.2mass%のFe、C
r、0.05〜2.0mass%Co、0.005〜
0.1mass%Pの中から選ばれ1種または2種以
上、及び0.005〜0.1mass%Pb、0.00
5〜0.03mass%Biの1種または2種を総量で
0.005mass%〜2.0mass%含み、S、O
含有量をそれぞれ0.005mass%未満に制限し、
残部Cu及び不可避的不純物からなり、その結晶粒度が
1μmを越え25μm以下であることを特徴とする強
度、導電性および応力緩和特性、並びに内側曲げ半径が
0Rの180°密着曲げにおいてクラックを生じない曲
げ加工性に優れた導電性ばね用銅合金である。
クター材、スイッチ材のいずれかに用いられるものであ
ることを特徴とするものである。また、本発明は、冷間
加工後に再結晶処理を700〜920℃で行うことを特
徴とする導電性ばね用銅合金の製造方法である。また、
冷間加工後に再結晶処理を700〜920℃で行った後
に、420〜550℃で時効処理を行うことを特徴とす
る導電性ばね用銅合金の製造方法であるまた、冷間加工
後に再結晶処理を700〜920℃で行い、さらに25
%以下の冷間加工を行った後に、420〜550℃で時
効処理を行うことを特徴とする導電性ばね用銅合金の製
造方法である。さらに、冷間加工後に再結晶処理を70
0〜920℃で行い、次に25%以下の冷間加工、42
0〜550℃での時効処理を行った後に、さらに25%
以下の冷間加工、及び低温焼鈍を行うことを特徴とする
導電性ばね用銅合金の製造方法である。
とSiの化合物を析出させ、適当な機械的強度及び熱・
電気導電性を有する銅合金に、Sn、Mg、Znを特定
量添加し、S、O含有量を制限して、かつ結晶粒度を1
μmを越え25μm以下として応力緩和特性と曲げ加工
性を改善することを骨子としている。本発明者らは、こ
の銅合金成分の含有量を詳細に規定することで実用的に
優れた特性を有する導電性ばね用銅合金、特に端子、コ
ネクター用として優れた特性を有する材料を実現させる
ことができることを見いだし、その結果本発明の銅合金
を得たものである。
明する。CuにNiとSiを含有させるとNi−Si化
合物を作り、これをCu中に析出させ強度及び導電率を
向上させるものである。Ni量が1.0mass%未満
であると析出量が少なく目標とする強度が得られない。
逆にNi量が3.5mass%を越えると鋳造、熱間加
工時に強度上昇に寄与しない析出が生じ含有量に見合う
強度を得ることができないばかりか、熱間加工性、曲げ
加工性にも悪影響を与えることになる。Si量は析出す
るNiとSiの化合物がNi2Si相であると考えられ
るため、Ni量を決定すると最適なSi含有量が決ま
る。Si量が0.2mass%未満であるとNi量が少
ないときと同様充分な強度を得ることができない。逆に
Si含有量が0.9mass%を越えるときもNi量が
多い場合と同様の問題が生ずる。好ましくは、Niを
1.7〜2.8mass%、Siを0.4〜0.7ma
ss%に調整することが望ましい。
要な添加元素である。これらの元素は相互に関係しあっ
て良好な特性バランスを実現している。次に、これら元
素の限定理由を説明する。Mgは応力緩和特性を大幅に
改善するが、曲げ加工性には悪影響を及ぼす。応力緩和
特性の観点からは、0.01mass%以上で含有量は
多いほどよい。逆に曲げ加工性の観点からは、含有量が
0.20mass%を越えると良好な曲げ加工性を得る
ことは困難である。このような観点から、Mgの含有範
囲は0.01〜0.20mass%において良好なバラ
ンスを示す。曲げ加工性の観点からより好ましいMgの
含有範囲は、0.01〜0.1mass%である。
曲げ加工性を保ったまま、より応力緩和特性を改善でき
ることを見いだした。Snは、応力緩和特性の改善効果
を有するものの、その効果はMgほど大きくないが、M
gと相互に関係しあって良好な特性バランスを示すもの
である。Snを1.5mass%を越えて含有すると、
熱及び電気の伝導性が劣化し、実用上問題を来たす。S
n含有量はMg量との兼ね合いもあるが、0.05〜
1.5mass%で良好な特性バランスを示す。具体的
には、Mgが0.01〜0.05mass%の場合に
は、Snは0.8〜1.5mass%が好ましく、Mg
量が0.05〜0.1mass%の場合には、Snは
0.05〜0.8mass%が好ましい。
加工性を改善することができる。Znを0.2〜1.5
mass%、好ましくは0.3〜1.0mass%含有
することにより、Mgを最大0.20mass%まで含
有させても実用上問題ないレベルの曲げ加工性を達成で
きる。またZnはSnメッキやハンダメッキの耐熱剥離
性、マイグレーション特性を改善する効果を有し、打ち
抜き加工性を改善する作用も有し、実用上の観点からZ
nを0.2mass%、好ましくは0.3mass%以
上含有させることが望ましい。打ち抜き加工性を改善す
る元素としては、Pb、Biがあるが、Pb、Biは多
量に添加すると熱間加工性を阻害するが、Znは製造性
に悪影響を及ぼさずに、打ち抜き加工性を改善できるた
め有効な添加元素である。その上限は熱・電気の伝導性
を考慮し、1.5mass%、好ましくは1.0mas
s%である。なお、本実施例からも、Mgとの共添でよ
り良い傾向にあることが示されている。
した理由を詳述したが、これらの元素の限定範囲内でそ
れぞれ最大含有量とすることは好ましくない。実用上、
最もバランスの良好な含有量の範囲は、Mg:0.05
〜0.15mass%、Sn:0.2〜0.5mass
%、Zn:0.3〜0.8mass%である。
の含有量の範囲を限定した理由を説明する。Ag、M
n、Fe、Cr、Co、Pは、加工性を改善するという
点で類似の機能を有しているものであり、Ag、Mn、
Fe、Cr、Co、Pの中から選ばれ1種または2種以
上を0.005mass%〜2.0mass%含有させ
るものである。
と同時に、結晶粒の粗大化を阻止し、曲げ加工性を改善
することができる。従来より、Cu−Ni−Si系合金
の強度を上昇させるために種々の第三元素を添加するこ
とが試みられている処であるが、それらは大幅に導電率
を下げたり、曲げ成形性が劣化し、電子機器用用途とし
て好ましくない特性が現れるものであった。本発明は、
強度を向上し、且つその他の特性に悪影響を及ぼさない
元素の検討を繰り返した結果、Agが有効であることを
見いだしたものである。含有量が0.005mass%
未満であるとその効果が現れず、逆に0.3mass%
越えて含有すると特性上の悪影響はないものの、コスト
高となるので、Agの最適含有量は0.005〜0.3
mass%であり、より好ましくは0.005〜0.1
mass%である。
工性を改善する効果があり、0.01mass%未満で
あるとその効果が小さく、0.5mass%を越えて含
有しても、含有量に見合った効果が得られないばかりで
なく、伝導性を劣化させる。よってMnの最適含有範囲
は、0.01〜0.5mass%であり、より好ましく
は0.03〜0.3mass%である。
化合物、Cr−Si化合物を形成し強度を上昇させる。
またNiとの化合物を形成せずに銅マトリックス中に残
存するSiをトラップし、導電性を改善する効果があ
る。Fe−Si化合物、Cr−Si化合物は析出硬化能
が低いため、多くの化合物を生成させることは得策でな
い。また、0.2mass%を越えて含有すると曲げ加
工性が劣化してくる。これらの観点から、Fe、Crを
含有する場合の添加量は、0.005〜0.2mass
%であり、より好ましくは0.005〜0.1mass
%である。
し、機械的強度を向上させる。Coは、Niに比し高価
であるため、本発明ではCu−Ni−Si系合金を利用
しているが、コスト的に許されるのであれば、Cu−C
o−Si系やCu−Ni−Co−Si系を選択しても良
い。Cu−Co−Si系は時効析出させた場合に、Cu
−Ni−Si系より機械的強度、導電性共に僅かに良く
なる。したがって熱・電気の伝導性をが重視される部材
には有効である。また、Co−Si化合物は析出硬化能
が僅かに高いため、応力緩和特性も若干改善される傾向
にある。これらの観点から、Coを添加する場合の最適
添加量は、0.05〜2.0mass%である。
改善する効果を有する。多量の含有は粒界析出を助長し
て曲げ加工性を低下させる。よってPを添加する場合の
最適含有範囲は、0.005〜0.1mass%であ
り、より好ましくは0.005〜0.05mass%で
ある。これらを2種以上同時に添加する場合には、求め
られる特性に応じて適宜決定すれば良いが、耐熱性、S
nメッキ、ハンダメッキ耐熱剥離性、伝導性などの観点
から総量で0.005〜2.0mass%とした。
た理由を説明する。Pb、Biは、打ち抜き加工性を改
善するもので、Pb、Biの1種または2種を0.00
5〜0.13mass%含有するものである。Pbは打
ち抜き加工性を改善する添加元素である。近年のプレス
高速化にともない、端子用材料にはより優れた加工性が
求められている。Pbは銅マトリックス中に分散し、破
壊の起点になるため打ち抜き加工性を改善する。Pb量
が0.005mass%未満であると特性改善効果がな
く、0.1mass%を越えて添加すると熱間加工性を
低下させるばかりでなく、曲げ加工性をも劣化させるた
め、0.005〜0.1mass%が最適であり、より
好ましくは0.005〜0.05mass%である。B
iも打ち抜き加工性を改善する添加元素である。0.0
05mass%未満であると特性改善効果が小さく、
0.03mass%を越えて添加するとPbと同様の特
性低下を来す。よってBiの最適含有範囲は、0.00
5〜0.03mass%であり、より好ましくは0.0
05〜0.02mass%である。
の中から選ばれ1種または2種以上、及びPb、Biの
1種または2種を同時に含有する場合には、求められる
特性に応じて適宜決定すれば良いが、耐熱性、Snメッ
キ、ハンダメッキ耐熱剥離性、伝導性などの観点から総
量で0.005〜2.0mass%とした。
%未満に制限しした理由を説明する。通常、工業的な銅
材料にはS、O2等が微量含まれるが、本発明はこれら
の含有量を厳密に制限することで上述した合金成分と後
述する結晶粒度の規定と相まって優れた特性の実現を図
るものである。Sは、熱間加工性を悪化させる元素であ
り、その含有量を0.005mass%未満と規定する
ことで、熱間加工性を向上させる。特にS含有量を0.
002mass%未満にすることが望ましい。Oは、そ
の含有量が0.005mass%以上であると、Mgが
酸化されて曲げ加工性が劣化する。O含有量を0.00
5mass%以下、特に0.002mass%未満にす
ることが望ましい。以上説明したS、Oは、通常の銅系
材料中に微量に含有される場合が多いが、本発明の銅合
金においては特に重要であり、その含有量を規定するこ
とで優れた特性が得られるもので、端子、コネクター用
材料に好適な特性を実現することを見いだしたのであ
る。
その特性を好適に実現するためには、結晶粒度が1μm
を越え25μm以下とすることが必要である。結晶粒度
が1μm以下であると、再結晶組織において混粒と成り
易く、曲げ加工性が低下すると同時に応力緩和特性が低
下する。逆に結晶粒度が25μmを越えて成長しても、
曲げ加工性に悪影響を及ぼす。従って、結晶粒度は1μ
mを越え25μm以下に調整する必要がある。
説明する。本発明の銅合金は、冷間加工、例えば冷間圧
延した後に、再結晶と溶体化させる目的で熱処理を行
い、直ちに焼き入れを行う。また必要に応じて時効処理
を行うものである。本発明の銅合金における結晶粒度を
1μmを越え25μm以下の範囲に調整するためには、
再結晶処理の条件を詳細に制御する必要がある。700
℃未満の温度での熱処理は、混粒となり易く、920℃
を越える温度では結晶粒が粗大に成長しやすいので、冷
間加工後に再結晶処理を700〜920℃で行うもので
ある。また、冷却速度は出来るだけ素早く、10℃/s
以上の速度で冷却することが望ましい。
温度が420℃未満であると、析出硬化量が不十分であ
り、充分な特性を引き出すことができない。逆に550
℃を越える温度で処理すると、析出相が粗大に成長し、
強度が低下するばかりでなく、応力緩和特性も低下させ
てしまう。よって、時効処理温度は420〜550℃と
した。さらには、応力緩和特性は析出相の状態に大きく
影響を受けることが判っており、時効強度がピークを示
す温度近傍が最良条件である。一方、曲げ加工性は時効
強度がピークを示す温度から若干過時効側で熱処理を行
うことが望ましい。このような観点から好ましくは46
0〜530℃での処理が最適である。
を700〜920℃で行い、さらに冷間加工(25%以
下)を行った後に420〜550℃で時効処理を行うも
のである。 後に述べる実施例では、溶体化後直ぐに時
効処理を行ったが、溶体化と時効の間に冷間加工を施す
ことも有効である。この場合には、曲げ加工性を劣化さ
せない断面減少率25%以下の加工が望ましい。また、
冷間加工後に再結晶処理(溶体化)を700〜920℃
で行い、冷間加工(25%以下)、420〜550℃で
時効処理を行った後に、さらに25%以下の冷間加工、
及び低温焼鈍を行うものである。このように時効処理後
に冷間加工を施しても構わない。この場合は本発明の特
徴である曲げ加工性を劣化させないために、断面減少率
25%以下の加工が望ましい。更に、前述の時効処理後
の冷間加工を行う場合には、その後に比較的低温での焼
鈍を行うことが推奨される。この焼鈍をバッチ式焼鈍で
行う場合には、250〜400℃の温度で0.5〜5h
r、走間焼鈍で行う場合には600〜800℃の温度で
5〜60sの条件で行うことが望ましい。この焼鈍は冷
間加工で導入された転位を再配列し、結果的には転位の
移動を抑制する作用を有する。従って、前述の冷間加工
を行った場合には、焼鈍を行うことにより応力緩和特性
を改善することができる。必要に応じて最終の熱処理前
若しくは後にテンションレベラーやローラーベラー等の
矯正を行っても良い。
強度、曲げ加工性、応力緩和特性、Snメッキ剥離性、
打ち抜き性等を有し、特に、端子・コネクター材、スイ
ッチ材、リレー材等、一般導電材料等に求められる特性
を備えたものであり、実施例により詳細に説明する。
明する。表1は本発明例の合金組成、表2、表3は比較
例、従来例の合金組成であり、表4は本発明例合金の特
性、表5、表6は比較例、従来例の合金の特性を示すも
のである。なお、なお、表中の矢印は上の欄と同じこと
を示すものであり、(*)は耐力値が低く、試料セット
段階で塑性変形を起こしたために試験中止したものであ
る。
す組成の合金を溶解し、冷却速度6℃/sで鋳込んだ。
鋳塊のサイズは厚さ30mm、幅100mm、長さ15
0mmである。次にこれらの鋳塊を900℃で熱間圧延
をしてから、速やかに冷却を行った。表面の酸化膜を除
去するため厚さ9mmまで面削してから、冷間圧延によ
り厚さ0.25mmに加工した。この後、供試材を再結
晶と溶体化させる目的で、750℃で30sの熱処理を
行い、直ちに15℃/s以上の冷却速度で焼き入れを行
った。時効処理は、不活性雰囲気中で515℃×2時間
の熱処理を施し、試験に供する材料とした。
粒度を測定し、TS(引張り強度)N/mm2、El
(伸び)%、EC(導電率)%IACS、曲げ加工性、
S.R.R(応力緩和率)%、Snメッキ剥離性、打ち
抜き性として破断面比率(%)、バリ(μm)の各種特
性評価を行った。
H0501に準じ、比較法と切断法を併用し観察を行っ
た。比較法では試験片を顕微鏡観察(75倍または20
0倍)して測定した。切断法では加工方向に平行な板厚
断面で測定を行った。引っ張り強度はJISZ2241
で、熱・電気の伝導性を示す値として、導電率をJIS
H0505に準じて測定した。
の180°密着曲げを行った。評価の指標は、 A.しわもなく良好 B.小さなしわが観察される C.大きなしわが観察されるが、クラックには至ってい
ない D.微細なクラックが観察される E.明瞭にクラックが観察される の5段階で評価し、評価C以上を実用上問題の無いレベ
ルと判断した。
会標準規格であるEMAS−3003に準拠して行っ
た。ここで片持ちブロック式を採用し、表面最大応力が
450N/mm2となるように負荷応力を設定し、15
0℃の恒温槽で試験を行った。表4〜表6には、100
0hr試験後の緩和率(S.R.R)で示した。
ついて、図1(a)(b)(c)に示す。図1(a)は
斜視図、(b)は側面図であり、サンプル(1)の一方
は基台(2)に保持部材(3)で片持ち状態に支持し、
もう一方はブロック(4)によりサンプル(1)に歪み
δo(初期たわみ変位)を与えた状態にする。この状態
でサンプル(1)を150℃に所定時間(本実施例では
1000hr)加熱する。所定時間経過後、図1(c)
の側面図に示すように、ブロック(4)を取り除いた状
態での歪みδt(永久たわみ変位)を測定し、応力緩和
率(%)は次式で求めた。 応力緩和率(%)=(δt/δo)×100 なお、初期たわみ変位は、表面最大応力が所定の値(4
50N/mm2)になるよう、ヤング率、板厚等から計
算するものである(計算方法はEMAS−3003によ
る)。
Snメッキを施した試験片を150℃×1000時間の
大気加熱をしてから、180度の密着曲げ、および曲げ
戻しをした後、その部分のメッキ剥離を目視にて評価し
た。半田の剥離が認められる場合、表4〜6に「有」と
記した。
ち抜き試験(1mm×5mmの角孔を設ける)を行うこ
とにより調べた。そして5001回目から10000回
目の打ち抜き分から20個無作為に抽出したサンプルの
打ち抜き面を観察して破断部の厚さを測定した。表4〜
6には試験片の厚さに対する破断部の厚さの割合の平均
値を%表示で示す(表中でF.A.Rと表示)。バリ測
定についても同様に、5001回目から10000回目
の打ち抜き部分から20個無作為に抽出したサンプルの
バリの高さを接触式形状測定機で求め、平均値を表に記
載した。
1は、TS(引張り強度)、El(伸び)、EC(導電
率)、曲げ加工性、S.R.R(応力緩和率)、Snメ
ッキ剥離性、打ち抜き性の各種特性の何れも優れた特性
を示していることが判る。
22は、目的とする強度が得られず、打ち抜き加工性も
他の材料と比較して劣っている。逆にNi−Si量の多
い比較例No.23は、Ni−Si量の少ない本発明例
No.4と比較し強度の点では差はないが、曲げ加工性
では劣化傾向を示した。即ち、本発明で規定する量以上
のNi−Siを添加することは、曲げ加工性が劣るの
で、端子・コネクター用として不適である。
は、本発明例のNo.2,No.5と比較し、応力緩和
特性が大幅に劣っている。これと同じ理由で比較例N
o.25は本発明例No.6,No.7より劣ってい
る。このことは、従来のCu−Ni−Si合金(従来例
No.42)にSnを単独で添加しても、応力緩和特性
には大きな改善効果を期待できないことを示すものであ
り、従来のSn入りCu−Ni−Si合金(従来例N
o.43)の特性と一致する。
る比較例No.26は、曲げ加工性が劣化している。こ
れは端子・コネクター材としては不適である。曲げ加工
性を若干改善できるZnを1mass%以上添加しても
良好な曲げ加工性は確保できなかった。Snの添加量が
少ない比較例No.27は、本発明例のNo.2と比較
し、応力緩和特性の点で劣っている。逆にSnの添加量
が多い比較例No.28は、Mgの効果と相まり、今回
製造を行った中で最も優れた応力緩和特性を示した組成
の一つであった。しかしながら、導電率が最も低くな
り、バランス的に優れているとは言えない。Znの添加
量が多い比較例No.29も導電率が低くなり、特性バ
ランスに優れない。
o.30は、Fe−Si化合物が多量に生成し、析出硬
化量が低下したばかりでなく、曲げ加工性にも悪影響を
及ぼした。Pbの添加量を多くした比較例No.31は
熱間加工中に割れを生じ、正常に製造することが出来な
かった。その他、Sが本発明範囲外にある比較例No.
32は、熱間加工時に割れが生じ、その後の特性評価を
行えなかった。また、Oが多い比較例No.33は、M
gの酸化物が生成しており、曲げ加工性が劣化した。
焼鈍を680℃×30sで行った。その結果、平均結晶
粒は1μm以下で、比較的大きな結晶粒と小さな結晶粒
が混在する組織となった。不均一な組織のため、曲げ加
工性を行う試験片を採取する場所によっては、クラック
を生ずる結果となった。逆に、比較例No.35は93
0℃×30sで熱処理を行ったため、結晶粒はおよそ3
0μmとなった。粗大な結晶粒となったため、曲げ加工
性に悪影響を及ぼすばかりでなく、若干応力緩和特性も
低下した。
u−Ni−Si−Mg−Zn合金にSn以外の元素を添
加した比較例である。これらいずれの合金の応力緩和特
性もSnの添加量が少ない比較例No.27と同程度の
応力緩和特性であり、これらの元素の添加は応力緩和に
ほとんど寄与しないことが判る。
と、従来例No.42は、Cu−Ni−Si合金であ
り、その他の添加元素は含まれていない。この場合、応
力緩和特性が良くない点と、Znを含まないため、Sn
メッキの加熱剥離性に問題がある。従来例No.43は
先述のとおり、Cu−Ni−Si系合金にSnとZnを
添加した材料である。Snメッキの加熱剥離性は改善さ
れているが、応力緩和特性は従来例No.41と同等で
あり不十分である。
性の改善を図った材料である。Mgの効果により応力緩
和特性は改善されているが、曲げ加工性に問題がある。
この従来例No.44と同等の応力緩和特性と良好な曲
げ加工性を得るためには、本発明例No.2のように、
Mg量を減らし、Snを添加し、更に曲げ加工性を改善
するZnを添加することで達成される。Zn添加効果に
より、Snメッキの加熱剥離性も改善される。
する。第2の実施例は、上記実施例1に示した本発明例
No.2の組成からなる合金を、表7よる工程で製造し
て、表8に示すように、TS(引張り強度)N/m
m2、El(伸び)%、EC(導電率)%IACS、曲
げ加工性、S.R.R(応力緩和率)%、Snメッキ剥
離性、打ち抜き性としてF.A.R(%)、バリ(μ
m)の各種特性評価を行った。評価方法は実施例1と同
様である。
の工程で製造した合金である本発明例No.45〜N
o.53は何れも優れた特性を示した。しかしながら、
比較例No.54は熱処理温度が低く、結果的に、結晶
粒が均一でなく、曲げ加工性が劣化した。比較例No.
55は930℃×30sで熱処理を行ったために、結晶
粒はおよそ30μmとなった。粗大な結晶粒であるた
め、曲げ加工性に悪影響を及ぼすばかりでなく、若干応
力緩和特性も低下した。
が不十分なため強度特性が劣化した。同時に応力緩和特
性も大幅に低下した。逆にNo.57は時効温度が高
く、析出物が粗大化したため、応力緩和特性が大幅に低
下した。比較例No.58は時効後に本発明で規定する
以上の加工率で冷間加工を行った例である。応力緩和特
性はむしろ優れるが、曲げ加工性が低下した。比較例N
o.59は時効後の冷間加工率は高くないが、その後熱
処理を行わなかった例である。伸びが低く曲げ加工性が
低下したばかりでなく、応力緩和特性も若干低下した。
は、Cuマトリックス中にNiとSiの化合物を析出さ
せ、Sn、Mg、或いは更にZnを特定量添加し、S、
O含有量を制限して、かつ結晶粒度を1μmを越え25
μm以下としたことにより、優れた機械的特性、伝導
性、応力緩和特性と曲げ加工性を兼ね備えた銅合金が得
られるという効果を奏するものである。特に、端子・コ
ネクター用として、強度や伝導性、応力緩和特性、曲げ
成形性に優れ、またSnメッキの耐加熱剥離性や打ち抜
き性にも優れるものであるから、近年の傾向である小
型、高性能化に好適に対応できる。また本発明は端子・
コネクター用途に好適なものであるが、その他スイッ
チ、リレー材等、一般導電材料としても好適な銅合金を
提供するという効果を奏するものである。
Claims (11)
- 【請求項1】 主成分としてNiを1.0〜3.5ma
ss%、Siを0.2〜0.9mass%、Mgを0.
01〜0.20mass%、Snを0.05〜1.5m
ass%含み、S、O含有量をそれぞれ0.005ma
ss%未満に制限し、残部Cu及び不可避的不純物から
なり、その結晶粒度が1μmを越え25μm以下である
ことを特徴とする強度、導電性および応力緩和特性、並
びに内側曲げ半径が0Rの180°密着曲げにおいてク
ラックを生じない曲げ加工性に優れた導電性ばね用銅合
金(ただし、Niを1.6mass%、Siを0.4m
ass%、Snを0.5mass%、Mgを0.2ma
ss%、Pを0.01mass%含むものを除く)。 - 【請求項2】 主成分としてNiを1.0〜3.5ma
ss%、Siを0.2〜0.9mass%、Mgを0.
01mass%以上0.20mass%未満、Snを
0.05〜1.5mass%含み、S、O含有量をそれ
ぞれ0.005mass%未満に制限し、残部Cu及び
不可避的不純物からなり、その結晶粒度が1μmを越え
25μm以下であることを特徴とする強度、導電性およ
び応力緩和特性、並びに内側曲げ半径が0Rの180°
密着曲げにおいてクラックを生じない曲げ加工性に優れ
た導電性ばね用銅合金。 - 【請求項3】 主成分としてNiを1.0〜3.5ma
ss%、Siを0.2〜0.9mass%、Mgを0.
01mass%以上0.20mass%未満、Snを
0.05〜1.5mass%、Znを0.2〜1.5m
ass%含み、S、O含有量をそれぞれ0.005ma
ss%未満に制限し、残部Cu及び不可避的不純物から
なり、その結晶粒度が1μmを越え25μm以下である
ことを特徴とする強度、導電性および応力緩和特性、並
びに内側曲げ半径が0Rの180°密着曲げにおいてク
ラックを生じない曲げ加工性に優れた導電性ばね用銅合
金。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の銅
合金に、さらに0.005〜0.3mass%Ag、
0.01〜0.5mass%Mn、それぞれ0.005
〜0.2mass%のFe、Cr、0.05〜2.0m
ass%Co、0.005〜0.1mass%Pの中か
ら選ばれた1種または2種以上を総量で0.005ma
ss%〜2.0mass%含むことを特徴とする導電性
ばね用銅合金。 - 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の銅
合金に、さらに0.005〜0.1mass%Pb、
0.005〜0.03mass%Biの1種または2種
を総量で0.005〜0.13mass%含むことを特
徴とする導電性ばね用銅合金。 - 【請求項6】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の銅
合金に、さらに0.005〜0.3mass%Ag、
0.01〜0.5mass%Mn、それぞれ0.005
〜0.2mass%のFe、Cr、0.05〜2.0m
ass%Co、0.005〜0.1mass%Pの中か
ら選ばれた1種または2種以上、及び0.005〜0.
1mass%Pb、0.005〜0.03mass%B
iの1種または2種を総量で0.005mass%〜
2.0mass%含むことを特徴とする導電性ばね用銅
合金。 - 【請求項7】 端子、コネクター材、スイッチ材のいず
れかに用いられるものであることを特徴とする請求項1
乃至6のいずれかに記載の導電性ばね用銅合金。 - 【請求項8】 冷間加工後に再結晶処理を700〜92
0℃で行うことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか
に記載の導電性ばね用銅合金の製造方法。 - 【請求項9】 冷間加工後に再結晶処理を700〜92
0℃で行った後に、420〜550℃で時効処理を行う
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の導
電性ばね用銅合金の製造方法。 - 【請求項10】 冷間加工後に再結晶処理を700〜9
20℃で行い、さらに25%以下の冷間加工を行った後
に、420〜550℃で時効処理を行うことを特徴とす
る請求項1乃至7のいずれかに記載の導電性ばね用銅合
金の製造方法。 - 【請求項11】 冷間加工後に再結晶処理を700〜9
20℃で行い、次に25%以下の冷間加工、420〜5
50℃での時効処理を行った後に、さらに25%以下の
冷間加工、及びバッチ式焼鈍で行う場合には250〜4
00℃の温度で0.5〜5hr、走間焼鈍で行う場合に
は600〜800℃の温度で5〜60sの条件で焼鈍を
行うことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載
の導電性ばね用銅合金の製造方法。
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