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JP3503393B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機

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Publication number
JP3503393B2
JP3503393B2 JP03932997A JP3932997A JP3503393B2 JP 3503393 B2 JP3503393 B2 JP 3503393B2 JP 03932997 A JP03932997 A JP 03932997A JP 3932997 A JP3932997 A JP 3932997A JP 3503393 B2 JP3503393 B2 JP 3503393B2
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Japan
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continuously variable
thrust load
variable transmission
type continuously
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雅人 吉田
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NSK Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
    • F16H57/042Guidance of lubricant
    • F16H57/043Guidance of lubricant within rotary parts, e.g. axial channels or radial openings in shafts
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
    • F16H57/048Type of gearings to be lubricated, cooled or heated
    • F16H57/0487Friction gearings
    • F16H57/049Friction gearings of the toroid type

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Friction Gearing (AREA)
  • General Details Of Gearings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係るトロイダル型
無段変速機は、例えば自動車用の変速機として、或は各
種産業機械用の変速機として、それぞれ利用する。
【0002】
【従来の技術】自動車用変速機として、図6〜7に略示
する様なトロイダル型無段変速機を使用する事が研究さ
れている。このトロイダル型無段変速機は、例えば実開
昭62−71465号公報に開示されている様に、入力
軸1と同心に入力側ディスク(第一のディスク)2を支
持し、この入力軸1と同心に配置された出力軸3の端部
に出力側ディスク(第二のディスク)4を固定してい
る。トロイダル型無段変速機を収めたケーシングの内側
には、上記入力軸1並びに出力軸3に対して捻れの位置
にある枢軸5、5を中心として揺動するトラニオン6、
6を設けている。
【0003】これら各トラニオン6、6は、両端部外側
面に上記枢軸5、5を設けている。又、これら各トラニ
オン6、6の中心部には変位軸7、7の基端部を支持
し、上記各枢軸5、5を中心として上記各トラニオン
6、6を揺動させる事により、上記各変位軸7、7の傾
斜角度の調節を自在としている。上記各トラニオン6、
6に支持した変位軸7、7の周囲には、それぞれパワー
ローラ8、8を回転自在に支持している。そして、これ
ら各パワーローラ8、8を、上記入力側、出力側両ディ
スク2、4の間に挟持している。
【0004】これら入力側、出力側両ディスク2、4の
互いに対向する内側面2a、4aは、それぞれ断面が、
上記枢軸5を中心とする円弧を、上記入力軸1及び出力
軸3を中心に回転させて得られる凹面をなしている。そ
して、球状凸面に形成された各パワーローラ8、8の周
面8a、8aは、上記内側面2a、4aに当接させてい
る。
【0005】上記入力軸1と入力側ディスク2との間に
は、ローディングカム式の押圧装置9を設け、この押圧
装置9によって、上記入力側ディスク2を出力側ディス
ク4に向け、弾性的に押圧している。この押圧装置9
は、入力軸1と共に回転するカム板10と、保持器11
により保持された複数個(例えば4個)のローラ12、
12とから構成している。上記カム板10の片側面(図
6〜7の左側面)には、円周方向に亙る凹凸面であるカ
ム面13を形成し、上記入力側ディスク2の外側面(図
6〜7の右側面)にも、同様のカム面14を形成してい
る。そして、上記複数個のローラ12、12を、上記入
力軸1の中心に対して放射方向の軸を中心とする回転自
在に支持している。
【0006】上述の様に構成されるトロイダル型無段変
速機の使用時、入力軸1の回転に伴ってカム板10が回
転すると、カム面13が複数個のローラ12、12を、
入力側ディスク2外側面のカム面14に押圧する。この
結果、上記入力側ディスク2が、上記各パワーローラ
8、8に押圧されると同時に、上記1対のカム面13、
14と複数個のローラ12、12との押し付け合いに基
づいて、上記入力側ディスク2が回転する。そして、こ
の入力側ディスク2の回転が、上記各パワーローラ8、
8を介して出力側ディスク4に伝わり、この出力側ディ
スク4に固定の出力軸3を回転させる。
【0007】入力軸1と出力軸3との回転速度比(変速
比)を変える場合で、先ず入力軸1と出力軸3との間で
減速を行なう場合には、前記各枢軸5、5を中心として
各トラニオン6、6を揺動させ、各パワーローラ8、8
の周面8a、8aが図6に示す様に、入力側ディスク2
の内側面2aの中心寄り部分と出力側ディスク4の内側
面4aの外周寄り部分とにそれぞれ当接する様に、各変
位軸7、7を傾斜させる。
【0008】反対に、増速を行なう場合には、上記各枢
軸5、5を中心として上記各トラニオン6、6を揺動さ
せ、各パワーローラ8、8の周面8a、8aが図7に示
す様に、入力側ディスク2の内側面2aの外周寄り部分
と出力側ディスク4の内側面4aの中心寄り部分とに、
それぞれ当接する様に、各変位軸7、7を傾斜させる。
各変位軸7、7の傾斜角度を図6と図7との中間にすれ
ば、入力軸1と出力軸3との間で、中間の変速比を得ら
れる。
【0009】更に、図8〜9は、実願昭63−6929
3号(実開平1−173552号)のマイクロフィルム
に記載された、より具体化されたトロイダル型無段変速
機を示している。入力側ディスク2と出力側ディスク4
とは、回転軸である円管状の入力軸15の周囲に、それ
ぞれニードル軸受16、16を介して回転自在に支持し
ている。又、カム板10は上記入力軸15の端部(図8
の左端部)外周面にスプライン係合し、鍔部17によ
り、上記入力側ディスク2から離れる方向への移動を阻
止している。そして、このカム板10とローラ12、1
2とにより、上記入力軸15の回転に基づいて上記入力
側ディスク2を、出力側ディスク4に向け押圧しつつ回
転させる、ローディングカム式の押圧装置9を構成して
いる。上記出力側ディスク4には出力歯車18を、キー
19、19により結合し、これら出力側ディスク4と出
力歯車18とが同期して回転する様にしている。
【0010】1対のトラニオン6、6の両端部に設けた
枢軸5、5は1対の支持板20、20に、揺動並びに軸
方向(図8の表裏方向、図9の左右方向)に亙る変位自
在に支持している。そして、上記各トラニオン6、6の
中間部に形成した円孔23、23部分に、変位軸7、7
を支持している。これら各変位軸7、7は、互いに平行
で且つ偏心した支持軸部21、21と枢支軸部22、2
2とを、それぞれ有する。このうちの各支持軸部21、
21を上記各円孔23、23の内側に、ラジアルニード
ル軸受24、24を介して、回転自在に支持している。
又、上記各枢支軸部22、22の周囲にパワーローラ
8、8を、ラジアルニードル軸受25、25等のラジア
ル転がり軸受を介して、回転自在に支持している。
【0011】尚、上記1対の変位軸7、7は、上記入力
軸15を中心として、180度反対側位置に設けてい
る。又、これら各変位軸7、7の各枢支軸部22、22
が各支持軸部21、21に対し偏心している方向は、上
記入力側、出力側両ディスク2、4の回転方向に関し同
方向(図9で左右逆方向)としている。又、偏心方向
は、上記入力軸15の配設方向(図8の左右方向、図9
の表裏方向)に対しほぼ直交する方向としている。従っ
て上記各パワーローラ8、8は、上記入力軸15の配設
方向に亙る若干の変位自在に支持される。この結果、構
成各部品の寸法精度、或は動力伝達時の弾性変形等に起
因して、上記各パワーローラ8、8が上記入力軸15の
軸方向(図8の左右方向、図9の表裏方向)に変位する
傾向となった場合でも、構成各部品に無理な力を加える
事なく、この変位を吸収できる。
【0012】又、上記各パワーローラ8、8の外側面と
上記各トラニオン6、6の中間部内側面との間には、パ
ワーローラ8、8の外側面の側から順に、スラスト玉軸
受26、26等のスラスト転がり軸受と、次述する外輪
30、30に加わるスラスト荷重を支承するスラストニ
ードル軸受27、27等のスラスト軸受とを設けてい
る。このうちのスラスト玉軸受26、26は、上記各パ
ワーローラ8、8に加わるスラスト方向の荷重を支承し
つつ、これら各パワーローラ8、8の回転を許容するも
のである。この様なスラスト玉軸受26、26はそれぞ
れ、複数個ずつの玉29、29と、これら各玉29、2
9を転動自在に保持する円環状の保持器28、28と、
スラスト軌道輪である円環状の外輪30、30とから構
成している。上記各スラスト玉軸受26、26の内輪軌
道は上記各パワーローラ8、8の外側面に、外輪軌道は
上記各外輪30、30の内側面に、それぞれ形成してい
る。
【0013】又、上記各スラストニードル軸受27、2
7は、レース31と保持器32とニードル33、33と
から構成している。このうちのレース31と保持器32
とは、回転方向に亙る若干の変位自在に組み合わせてい
る。この様なスラストニードル軸受27、27は、上記
レース31、31を上記各トラニオン6、6の内側面に
当接させた状態で、この内側面と上記外輪30、30の
外側面との間に挟持している。この様なスラストニード
ル軸受27、27は、上記各パワーローラ8、8から上
記各外輪30、30に加わるスラスト荷重を支承しつ
つ、上記枢支軸部22、22及び上記外輪30、30が
上記支持軸部21、21を中心に揺動する事を許容す
る。
【0014】又、上記各トラニオン6、6の一端部(図
9の左端部)には、それぞれ駆動ロッド34、34を結
合し、各駆動ロッド34、34の中間部外周面に駆動ピ
ストン35、35を固設している。そして、これら各駆
動ピストン35、35を、それぞれ駆動シリンダ36、
36内に油密に嵌装している。
【0015】更に、固定の部分である、ケーシング37
内に設けた支持壁38と前記入力軸15及び出力歯車1
8との間には1対の転がり軸受39a、39bを設け
て、これら入力軸15及び出力歯車18を上記支持壁3
8の内側に、回転自在に支持している。又、上記入力軸
15の周囲に上記転がり軸受39a、39bを支持する
為、この入力軸15の周囲に軸方向に亙る変位自在に外
嵌した、スラスト荷重支持部材であるホルダ40の背面
(図8の右側面)と、上記入力軸15の外周面に固定し
たローディングナット41との間には、皿板ばね42を
挟持している。この皿板ばね42は、前記押圧装置9の
非作動時にも、前記各ディスク2、4の内側面2a、4
aと前記各パワーローラ8、8の周面8a、8aとを弾
性的に当接させる、予圧付与の為に設けている。
【0016】上述の様に構成するトロイダル型無段変速
機の場合には、入力軸15の回転を押圧装置9を介して
入力側ディスク2に伝える。そして、この入力側ディス
ク2の回転を、1対のパワーローラ8、8を介して出力
側ディスク4に伝達し、更にこの出力側ディスク4の回
転を、出力歯車18より取り出す。この様にして回転力
を伝達する際、上記押圧装置9の作動に基づいて上記入
力軸15が図8の左方に引かれ、上記1対の転がり軸受
39a、39bのうち外側(図8の右側)の転がり軸受
39aに、図8の左向きのスラスト荷重が加わる。又、
上記押圧装置9の作動に基づいて出力歯車18が、入力
側ディスク2、パワーローラ8、8、出力側ディスク4
を介して図8で右向きに押され、上記1対の転がり軸受
39a、39bのうち内側(図8の左側)の転がり軸受
39bに、図8で右向きのスラスト荷重が加わる。
【0017】上記入力軸15と出力歯車18との間の回
転速度比を変える場合には、上記1対の駆動ピストン3
5、35を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピ
ストン35、35の変位に伴って上記1対のトラニオン
6、6が、それぞれ逆方向に変位し、例えば図9の下側
のパワーローラ8が同図の右側に、同図の上側のパワー
ローラ8が同図の左側に、それぞれ変位する。この結
果、これら各パワーローラ8、8の周面8a、8aと上
記入力側ディスク2及び出力側ディスク4の内側面2
a、4aとの当接部に作用する、接線方向の力の向きが
変化する。そして、この力の向きの変化に伴って上記各
トラニオン6、6が、支持板20、20に枢支された枢
軸5、5を中心として、図8で互いに逆方向に揺動す
る。この結果、前述の図6〜7に示した様に、上記各パ
ワーローラ8、8の周面8a、8aと上記各内側面2
a、4aとの当接位置が変化し、上記入力軸15と出力
歯車18との間の回転速度比が変化する。
【0018】尚、動力伝達時に構成各部品が弾性変形す
る結果、上記各パワーローラ8、8が上記入力軸15の
軸方向に変位すると、これら各パワーローラ8、8を枢
支している上記各変位軸7、7が、上記各支持軸部2
1、21を中心として僅かに回動する。この回動の結
果、上記各スラスト玉軸受26、26の外輪30、30
の外側面と上記各トラニオン6、6の内側面とが相対変
位する。これら外側面と内側面との間には、前記各スラ
ストニードル軸受27、27が存在する為、この相対変
位に要する力は小さい。従って、上述の様に各変位軸
7、7の傾斜角度を変化させる為の力が小さくて済む。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】上述の様に構成され作
用する従来のトロイダル型無段変速機の場合には、運転
に伴って、皿板ばね42とホルダ40の背面及びローデ
ィングナット41の前面(図8の左面)との当接部が強
く擦れ合う。図8〜9に示した従来構造の場合、上記ホ
ルダ40の背面とローディングナット41の前面との間
で上記皿板ばね42を設置した空間部分の潤滑を特に考
慮していない為、上記各当接部で金属接触が起こり易
く、これら各当接部に、フレッチングと呼ばれる摩耗が
発生し易い。この様な摩耗が発生すると、皿板ばね42
の周縁とホルダ40の背面又はローディングナット41
の前面とが引っ掛かり、上記各当接部の摺動が円滑に行
なわれなくなる。この結果、入力軸15に対する上記ホ
ルダ40の軸方向に亙る変位が円滑に行なわれなくなっ
て、トロイダル型無段変速機の伝達効率が低下する等の
性能低下の原因となる。
【0020】更に摩耗が著しくなると、上記皿板ばね4
2の設置部分の耐久性を損なうだけでなく、摩耗粉が他
の転がり接触部分を損傷する原因となり、トロイダル型
無段変速機全体の耐久性を損なう可能性もある為、好ま
しくない。本発明のトロイダル型無段変速機は、上述の
様な不都合を解消すべく発明したものである。
【0021】
【課題を解決する為の手段】本発明のトロイダル型無段
変速機は、前述した従来のトロイダル型無段変速機と同
様に、回転軸と、第一、第二のディスクと、押圧装置
と、トラニオンと、パワーローラと、ローディングナッ
トと、スラスト荷重支持部材と、ばね部材とを備える。
このうちの第一、第二のディスクは、互いの内側面同士
を対向させた状態でこの回転軸の周囲に、それぞれこの
回転軸に対する回転自在に支持されている。又、上記押
圧装置は、このうちの第一のディスクの外側面と上記回
転軸との間に設けられ、この第一のディスクを上記第二
のディスクに向け押圧しつつ上記回転軸と共に回転させ
る。又、上記トラニオンは、上記第一、第二のディスク
の中心軸に対し捻れの位置にある枢軸を中心として揺動
する。又、上記パワーローラは、このトラニオンの内側
面に回転自在に支持された状態で、上記第一、第二の両
ディスク同士の間に挟持されている。又、上記ローディ
ングナットは、上記回転軸の一部に固定されている。
又、上記スラスト荷重支持部材は、このローディングナ
ットに対向する部分で上記回転軸の周囲に、この回転軸
に対する軸方向の移動自在に支持されてスラスト荷重を
支承自在である。更に、上記ばね部材は、上記スラスト
荷重支持部材と上記ローディングナットとの間に弾性的
に圧縮された状態で挟持されている。特に、本発明のト
ロイダル型無段変速機に於いては、上記スラスト荷重支
持部材と上記ローディングナットとの互いに対向する面
の少なくとも一方の面に、潤滑油を流通させる為の凹溝
を設けている。
【0022】
【作用】上述の様に構成される本発明のトロイダル型無
段変速機は、前述した従来のトロイダル型無段変速機と
同様の作用に基づき、第一のディスクと第二のディスク
との間で回転力の伝達を行ない、更にトラニオンの傾斜
角度を変える事により、これら両ディスク同士の間の回
転速度比を変える。
【0023】特に、本発明のトロイダル型無段変速機の
場合には、スラスト荷重支持部材と上記ローディングナ
ットとの互いに対向する面の少なくとも一方の面に形成
した凹溝の存在に基づき、ばね部材とスラスト荷重支持
部材及びローディングナットとの当接部に十分な量の潤
滑油を流通させる事ができる。この為、これら各当接部
に油膜を介在させて、これら各当接部で金属接触が発生
する事を防止できる。更に、トロイダル型無段変速機に
より伝達すべきトルクが大きくなり、押圧装置の作用に
基づいて上記スラスト荷重支持部材と上記ローディング
ナットとの間で上記ばね部材が完全に押し潰された状態
でも、上記凹溝を通じて上記スラスト荷重支持部材と上
記ローディングナットとの間に存在する潤滑油の排出を
行なえる為、上記当接部の潤滑を効率良く行なえる。
【0024】
【発明の実施の形態】図1〜2は、請求項1、2に対応
する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、
本発明の特徴は、予圧付与の為の皿板ばね42aを設け
たばね空間43内に、潤滑油を効率良く行き渡らせる為
の構造にある。その他の部分の構成及び作用は、前述し
た従来構造と同様であるから、同等部分に関する説明は
省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分を中心
に説明する。
【0025】特許請求の範囲に記載したスラスト荷重支
持部材であり、押圧装置9を構成するカム板10は、回
転軸である入力軸15の中間部一端寄り(図1の左寄
り)部分の外周面にスプライン係合させる事により、こ
の入力軸15の軸方向に亙る変位のみ自在に支持してい
る。上記入力軸15の中心部には主給油路44を設け、
この主給油路44と、上記押圧装置9を構成するローラ
12、12を設置したカム空間46内とを、上記入力軸
15及び上記カム板10に形成した分岐給油路45、4
5により通じさせている。
【0026】又、上記入力軸15の一端寄り部分には、
ローディングナット41を固定している。このローディ
ングナット41は、上記入力軸15の一端寄り部分に形
成した雄ねじ部に螺合している。そして、上記ローディ
ングナット41の内周面と外周面とを連通させる状態で
このローディングナット41の直径方向に形成した係止
孔47に挿入した係止ピン48の先端部を、上記雄ねじ
部の一部に形成した1乃至複数の係止溝49、49のう
ちの何れかの係止溝49に係合させる事により、上記ロ
ーディングナット41の緩み止めを図っている。又、係
止ボルト50により、上記係止ピン48が係止孔47か
ら抜け出る事を防止している。
【0027】そして、上記カム板10の背面(図1の左
面)と上記ローディングナット41の前面(図1の右
面)との間に、前記皿板ばね42aを、軸方向(図1の
左右方向)に亙る厚さ寸法を弾性的に圧縮した状態で装
着している。この状態で上記皿板ばね42aの片面(図
1の右面)外周縁寄り部分は上記カム板10の背面に、
同じく他面(図1の左面)内周縁寄り部分は上記ローデ
ィングナット41の前面に、それぞれ弾性的に当接して
いる。
【0028】又、上記カム板10の背面の一部で直径方
向中間位置には円環状の凸部51を形成して、上記皿板
ばね42aを設けたばね空間43の外径側開口の一部を
塞いでいる。一方、上記入力軸15の一部で上記ばね空
間43の内径側開口に対向する部分には分岐給油路45
aを形成して、図示しない給油ポンプから前記主給油路
44内に送り込まれた潤滑油を、上記ばね空間43内に
送り込み自在としている。
【0029】更に、本発明のトロイダル型無段変速機の
場合には、上記ばね空間43に対向する上記ローディン
グナット41の前面に、潤滑油を流通させる為の凹溝5
2a、52bを設けている。本例の場合にこの凹溝52
a、52bは、内周縁部の全周に亙って形成した円環状
の凹溝52aと、それぞれが放射方向に亙って形成さ
れ、この環状の凹溝52aと上記ローディングナット4
1の外周縁とを連通させる複数本(図示の例では4本)
の凹溝52b、52bとから成る。
【0030】上述の様に構成される本発明のトロイダル
型無段変速機の場合には、上記ローディングナット41
の前面に形成した凹溝52a、52bの存在に基づき、
上記ばね空間43内に十分な量の潤滑油を行き渡らせる
事が可能になる。即ち、トロイダル型無段変速機の運転
時に、前記主給油路44内に送り込まれた潤滑油の一部
が、上記分岐給油路45aを通じて上記ばね空間43内
に、このばね空間43の内径側から送り込まれる。そし
てこの潤滑油は、上記各凹溝52a、52bを通じて上
記ばね空間43内に流入する。上記ばね空間43の外径
側開口は、前記凸部51の存在に基づいて絞られている
為、上記分岐給油路45aを通じて上記ばね空間43内
に流れ込んだ潤滑油は、上記各凹溝52a、52bを通
じて上記ばね空間43の全体に行き渡る。
【0031】この結果、このばね空間43内に設置した
前記皿板ばね42aと前記カム板10の背面及び上記ロ
ーディングナット41の前面との各当接部に十分な量の
潤滑油を行き渡らせる事ができる。この為、これら各当
接部に十分な強度(厚さ)を有する油膜を介在させて、
これら各当接部で金属接触が発生する事を防止できる。
更に、トロイダル型無段変速機により伝達すべきトルク
が大きくなり、前記押圧装置9の作用に基づいて(ロー
ラ12、12のカム面13、14への乗り上げ量が大き
くなり)上記カム板10と上記ローディングナット41
との間で上記皿板ばね42aが完全に押し潰された状態
でも、上記各凹溝52a、52bを通じて上記カム板1
0の背面と上記ローディングナット41の前面との間に
存在する潤滑油の排出を行なえる。この為、伝達すべき
トルクが大きい場合でも、上記各当接部の潤滑を効率良
く行なえる。
【0032】尚、上記ばね空間43内に潤滑油を供給す
べく、ローディングナット41の前面に形成する凹溝の
形状は、フレッチング摩耗が発生し易い部位に合わせ
て、適宜変える事ができる。例えば、皿板ばね42aの
片面内周縁寄り部分とローディングナット41の前面内
径寄り部分とにフレッチング摩耗が発生し易い場合に
は、図3に示す第2例の様に、ローディングナット41
の前面内径寄り部分に、比較的幅広の凹溝52cを、全
周に亙って形成する。これに対して、皿板ばね41の他
面外周縁寄り部分とカム板10の背面直径方向中間部分
とにフレッチング摩耗が発生し易い場合には、図4に示
す第3例の様に、ローディングナット41の前面外径寄
り部分に凹溝52dを、全周に亙って形成する。更に
は、必要に応じて、各凹溝52a〜52dを、ローディ
ングナット41の前面に代えて、或はこのローディング
ナット41の前面と共に、カム板10(図1)の背面に
形成する事もできる。
【0033】次に、図5は、請求項1、3に対応する、
本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合
には、前述の図8〜9に示した従来構造の場合と同様
に、特許請求の範囲に記載したスラスト荷重支持部材
を、1対の転がり軸受39a、39bのうち外側の転が
り軸受39aの内輪を入力軸15の周囲に支持する為の
ホルダ40としている。本例の場合にこのホルダ40
は、上記入力軸15の外周面に、スプライン係合してい
る。そして、本例の場合には、このホルダ40の背面
(図5の右面)とローディングナット41の前面(図5
の左面)との双方に、放射方向に亙る複数の凹溝52
b、52bを、それぞれ複数本ずつ形成している。この
様な本例の場合も、上記ホルダ40と上記ローディング
ナット41との間に潤滑油を、効率良く行き渡らせるこ
とができる為、皿ばね42aの両面とホルダ40の背面
及びローディングナット41の前面との当接部の潤滑を
効率良く行なえる。
【0034】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成され作
用する為、優れた耐久性を有し、しかも性能の安定した
トロイダル型無段変速機の実現に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す部分断面
図。
【図2】第1例に組み込むローディングナットを示す図
で、(A)は図1の右方から見た図、(B)は(A)の
イ−イ断面図。
【図3】第2例に組み込むローディングナットを示す図
で、(A)は図1の右方から見た図、(B)は(A)の
ロ−ロ断面図。
【図4】第3例に組み込むローディングナットを示す図
で、(A)は図1の右方から見た図、(B)は(A)の
ハ−ハ断面図。
【図5】本発明の実施の形態の第4例を示す断面図。
【図6】従来から知られたトロイダル型無段変速機の基
本的構成を、最大減速時の状態で示す側面図。
【図7】同じく最大増速時の状態で示す側面図。
【図8】従来の具体的構造の1例を示す断面図。
【図9】図8のニ−ニ断面図。
【符号の説明】
1 入力軸 2 入力側ディスク(第一のディスク) 2a 内側面 3 出力軸 4 出力側ディスク(第二のディスク) 4a 内側面 5 枢軸 6 トラニオン 7 変位軸 8 パワーローラ 8a 周面 9 押圧装置 10 カム板 11 保持器 12 ローラ 13、14 カム面 15 入力軸 16 ニードル軸受 17 鍔部 18 出力歯車 19 キー 20 支持板 21 支持軸部 22 枢支軸部 23 円孔 24、25 ラジアルニードル軸受 26 スラスト玉軸受 27 スラストニードル軸受 28 保持器 29 玉 30 外輪 31 レース 32 保持器 33 ニードル 34 駆動ロッド 35 駆動ピストン 36 駆動シリンダ 37 ケーシング 38 支持壁 39a、39b 転がり軸受 40 ホルダ 41 ローディングナット 42、42a 皿板ばね 43 ばね空間 44 主給油路 45、45a 分岐給油路 46 カム空間 47 係止孔 48 係止ピン 49 係止溝 50 係止ボルト 51 凸部 52a、52b、52c、52d 凹溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 13/00 - 15/56 F16H 57/00 - 57/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸と、互いの内側面同士を対向させ
    た状態でこの回転軸の周囲にそれぞれこの回転軸に対す
    る回転自在に支持された第一、第二のディスクと、この
    うちの第一のディスクの外側面と上記回転軸との間に設
    けられ、この第一のディスクを上記第二のディスクに向
    け押圧しつつ上記回転軸と共に回転させる押圧装置と、
    上記第一、第二のディスクの中心軸に対し捻れの位置に
    ある枢軸を中心として揺動するトラニオンと、このトラ
    ニオンの内側面に回転自在に支持された状態で、上記第
    一、第二の両ディスク同士の間に挟持されたパワーロー
    ラと、上記回転軸の一部に固定されたローディングナッ
    トと、このローディングナットに対向する部分で上記回
    転軸の周囲に、この回転軸に対する軸方向の移動自在に
    支持されてスラスト荷重を支承自在なスラスト荷重支持
    部材と、このスラスト荷重支持部材と上記ローディング
    ナットとの間に弾性的に圧縮された状態で挟持されたば
    ね部材とを備えたトロイダル型無段変速機に於いて、上
    記スラスト荷重支持部材と上記ローディングナットとの
    互いに対向する面の少なくとも一方の面に、潤滑油を流
    通させる為の凹溝を設けた事を特徴とするトロイダル型
    無段変速機。
  2. 【請求項2】 スラスト荷重支持部材は押圧装置を構成
    するカム板であり、凹溝は、このカム板と対向するロー
    ディングナットの前面に形成されている、請求項1に記
    載したトロイダル型無段変速機。
  3. 【請求項3】 スラスト荷重支持部材は、ケーシングに
    対し回転軸を回転自在に支持する為の転がり軸受の内輪
    をこの回転軸の周囲に支持する為のホルダであり、凹溝
    は、このホルダの背面と、この背面に対向する状態で上
    記回転軸に螺着されたローディングナットの前面との双
    方に形成されている、請求項1に記載したトロイダル型
    無段変速機。
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