JP3569295B2 - 窒素酸化物吸収剤の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、燃焼ガス等の高温ガス中の窒素酸化物を吸収する窒素酸化物吸収剤、特には、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料を高温下で燃焼させると、たとえ窒素化合物をほとんど含まないクリーンな燃料、例えば、天然ガス、LPガス、灯油等であっても、燃焼に用いる空気中の窒素と酸素が高温下で反応するので窒素酸化物が生成する。その生成量は燃焼温度が高いほど多くなることが知られている。高温の燃焼ガスから窒素酸化物を除去することは、すでに「アンモニア添加接触還元法」として技術的には確立しており,多くの実用プラントが稼働している。すなわち、この方法は,酸化チタンやアルミナを用いて成形した触媒担体にバナジウム、ニッケル、クロム、鉄、銅などの酸化物を担持させて調製した触媒層に、窒素酸化物とほぼ同量のアンモニアを添加した燃焼ガスを通過させることにより、次の反応によって窒素酸化物を無害な窒素に変えることができる。
【0003】
2NO+2NH3 +1/2 O2 →2N2 +3H2 O
ここで、通常、反応温度は300 〜400 °Cであり、空間速度は、煤や粉塵等のばいじんを含まないガスでは、10,000〜20,000 h−1、重油燃焼ガスでは5,000 〜6,000 h −1、石炭燃焼ガスでは3,000 〜5,000 h −1程度である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来の方法は、高価なアンモニアを多量に消費するとともに、燃焼状態の変動に応じて変化する窒素酸化物生成量の変動に対応させてアンモニア添加量を調節する必要があるので制御が煩雑であるという問題があった。
【0005】
ところで、近年、イットリウムーバリウムー銅系酸化物超電導体物質(YBa2 Cu3 O7− δ)が、酸素及び窒素酸化物を含む高温(約300°C)ガス中の窒素酸化物を吸収する性質を有する事実が明らかにされた(雑誌「表面科学」9(7),p489,(1988)、雑誌「触媒」33(2),p347,(1991)参照)。ところが、本発明者がこの事実を確認する実験を行っていたところ、この超電導体物質の水和分解生成物も同様に窒素酸化物を効率よく吸収する性質を有することがわかった。そこで、窒素酸化物吸収の原因物質の追及を行ったところ、アルカリ土類元素の酸化物又は水酸化物と遷移元素の酸化物との混合物が窒素酸化物を有効に吸収することが解明された。
【0006】
本発明は、上述の解明事実に基づいてなされたものであり、高価なアンモニアを消費することなく高温ガス中の窒素酸化物を除去・回収でき、かつ、比較的簡単に再生できる窒素酸化物吸収剤、特には、その製造方法を提供することを目的としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、本発明にかかる窒素酸化物吸収剤製造方法により製造された窒素酸化物吸収剤は、(1) 酸素及び窒素酸化物を含む高温ガス中の窒素酸化物を吸収する窒素酸化物吸収剤であって、アルカリ土類元素の酸化物又は水酸化物と、遷移元素の酸化物との混合物を含む物質からなることを特徴とした構成とした。
【0008】
この構成1において、アルカリ土類元素としては、Ba,Ca,Sr等が好適であるが、Be,Mg,Ra等も用いることができる。また、アルカリ土類元素の酸化物としては、BaO,CaO,SrOが好適であり、水酸化物としては、Ba(OH)2 ,Ca(OH)2 ,Sr(OH)2 等が好適である。また、遷移元素としてはCu,Ni,Co,Fe等が好適であり、遷移元素の酸化物としては、CuO,NiO,Co2 O3 ,Fe2 O3 等が好適である。この中で、アルカリ土類元素としてBa,Srを用い、遷移元素としてCu,Feを用いた場合に特に顕著な吸収効果が認められた。
【0009】
そこで、この構成1の態様として、
(2) 構成1の窒素酸化物吸収剤において、
前記アルカリ土類元素がバリウム(Ba)及び/又はストロンチウム(Sr)であり、前記遷移元素が銅(Cu)及び/又は鉄(Fe)であることを特徴とした構成とした。
【0010】
また、構成1の窒素酸化物吸収剤は次の構成3,4の製造方法によって製造できる。
【0011】
(3) 構成1の窒素酸化物吸収剤の製造方法であって、
アルカリ土類元素の酸化物又は水酸化物の粉体と遷移元素の酸化物の粉体との混合物に成形剤を加えて成形後、300〜600℃の温度で焼成することにより、アルカリ土類元素の酸化物又は水酸化物と遷移元素の酸化物との混合物を含む物質からなる窒素酸化物吸収剤を得ることを特徴とした構成、
及び、
(4)構成1の窒素酸化物吸収剤の製造方法であって、
アルカリ土類元素の塩類と遷移元素の塩類とを含有する水溶液を酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ケイ素などの担体物質に含浸後、300〜600℃の温度で焼成することにより、アルカリ土類元素の酸化物又は水酸化物と遷移元素の酸化物との混合物を含む物質からなる窒素酸化物吸収剤を得ることを特徴とした構成。
【0012】
さらに、構成2の窒素酸化物吸収剤は、次の構成5の製造方法によって製造することができる。
【0013】
(5) 構成2の窒素酸化物吸収剤の製造方法であって、
硝酸バリウム及び/又は硝酸ストロンチウムの粉体と、酸化銅、酸化鉄、硝酸銅及び硝酸鉄のうちの少なくとも1つの粉体との混合物を不活性雰囲気中で400〜600°Cの温度で硝酸塩分解してバリウム及び/又はストロンチウムの酸化物と銅及び/又は鉄の酸化物との混合物を含む固形状の窒素酸化物吸収剤を得ることを特徴とした構成。
【0014】
上述の構成3において、成形剤としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ケイ素及びベントナイトなどをゾル状あるいはゲル状の形態にしたものを用いることができる。また、構成4におけるアルカリ土類元素の塩類としては、Ba(NO3 )2 等の硝酸塩やBaCl2 等の塩化物等を用いることができ、遷移元素の塩類としては、Cu(NO3 )2 等の硝酸塩、CuCl2 等の塩化物もしくはCuSO4 等の硫酸塩等を用いることができる。さらに担体物質としては、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ケイ素等の成形体を用いる。ここで、構成3,4において、焼成温度を300〜600℃としたのは、300℃未満では焼成が十分に行われないために、成形した形状を維持することができず、600℃を越えると焼成体の表面積や空隙率が低下してしまい、、吸収剤として良好な性能が得られなくなるからである。また、構成5における不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス等を用いることができる。硝酸バリウムの粉体と酸化銅又は硝酸銅の粉体との混合物を、400〜600℃の不活性雰囲気にさらすと硝酸バリウムが分解されて酸化バリウムと酸化銅からなる固形状の窒素酸化物吸収剤が得られる。
【0015】
さらに、上述の構成1の窒素酸化物吸収剤を用いた次の構成6,7による窒素酸化物回収方法によれば、高温ガスから吸収した高濃度の窒素酸化物を効率よく回収することができる。
【0016】
(6) 酸素及び窒素酸化物を含む250〜500°Cの高温ガスを構成1の窒素酸化物吸収剤に接触させて前記高温ガス中の窒素酸化物を吸収させる第1工程と、
前記窒素酸化物を吸収した窒素酸化物吸収剤を300〜600°Cの不活性気体に接触させて前記吸収した窒素酸化物を脱離させて回収する第2工程とを含む構成。
【0017】
この構成6,7における不活性ガスとしては、例えば窒素ガスを用いることができる。ここで、構成7によれば、回収した窒素酸化物を硝酸製造の原料として有効に活用でき、また、窒素酸化物を脱離した窒素酸化物吸収剤を繰り返し利用することができる。
【0018】
また、構成6,7の窒素酸化物回収方法を、酸素及び窒素酸化物の外に二酸化炭素を含む高温ガス中の窒素酸化物を回収する場合に適用したときには、これに用いた窒素酸化物吸収剤が二酸化炭素を吸収することによって、窒素酸化物を吸収する能力が次第に劣化する。しかし、次の構成8,9による窒素酸化物吸収剤再生方法によれば、これを再生することができる。
【0019】
(8) 酸素及び窒素酸化物の外に二酸化炭素を含む高温ガス中の窒素酸化物を構成6の窒素酸化物回収方法で回収する際に用いた窒素酸化物吸収剤を再生する窒素酸化物吸収剤再生方法であって、
前記窒素酸化物及び二酸化炭素を吸収した窒素酸化物吸収剤に硝酸を反応させて二酸化炭素を脱離させた後、300〜600°Cの不活性気体に接触させて窒素酸化物吸収剤を再生することを特徴とした構成、
及び、
(9) 酸素及び窒素酸化物の外に二酸化炭素を含む高温ガス中の窒素酸化物を構成6の窒素酸化物回収方法で回収する際に用いた窒素酸化物吸収剤を再生する窒素酸化物吸収剤再生方法であって、
前記窒素酸化物及び二酸化炭素を吸収した窒素酸化物吸収剤に、300〜500°Cの高濃度窒素酸化物と空気との混合気体を接触させた後、300〜600°Cの不活性気体に接触させ、二酸化炭素を脱離させて窒素酸化物吸収剤を再生することを特徴とした構成。
【0020】
上述の構成8,9における不活性気体としては、窒素ガス等を用いることができる。
【0021】
【作用】
上述の構成1の窒素酸化物吸収剤を、酸素及び窒素酸化物を含む高温ガスに接触させることにより、該高温ガス中の窒素酸化物を有効に吸収させることができる。これは、遷移元素の酸化物が触媒作用をし、窒素酸化物がアルカリ土類元素の酸化物又は水酸化物もしくは遷移元素の酸化物と反応してその生成物の中に取り込まれるからであると考えられる。この場合、構成2のように、アルカリ土類元素としてバリウム(Ba)及び/又はストロンチウム(Sr)を用い、遷移元素として銅(Cu)及び/又は鉄(Fe)を用いれば、特に窒素酸化物の吸収能力にすぐれたものを得ることができる。なお、アルカリ土類元素の吸収能はBa=Sr>Caであり、遷移元素酸化物の触媒作用はCuO=Fe2 O3 >Co2 O3 >NiOであることが確認されている。また、アルカリ土類元素の酸化物又は水酸化物単独でも一定の吸収能はあるが、吸収速度が著しく遅いために実用性に乏しいことが確認されている。さらに、アルカリ土類元素の酸化物又は水酸化物と遷移元素の酸化物が何等かのかたちで含まれている物質、例えば、上述の酸化物超電導体のような物質及びその水和分解物にも一定の吸収能があるが、アルカリ土類元素の酸化物又は水酸化物と遷移元素の酸化物との混合物を主成分とするものに比較すると、その吸収能が小さいことが確認されている。これは、これら酸化物超電導体等に含まれるアルカリ土類元素の酸化物又は水酸化物と遷移元素の酸化物との混合量の量が全体の量に比較して少ないためであると考えられる。
【0022】
また、構成3〜5の製造方法によれば、固形状の窒素酸化物吸収剤を得ることができる。
【0023】
さらに、構成6,7によれば、構成1の窒素酸化物吸収剤で吸収した窒素酸化物を高濃度の状態で回収することができる。これは、窒素酸化物を吸収した窒素酸化物吸収剤を、吸収の際の高温ガスの温度より高い温度の不活性気体に接触させることにより、アルカリ土類元素の酸化物等と窒素酸化物との反応生成物が分解されて、この生成物中に取り込まれた窒素酸化物が脱離するためであると考えられる。また、この回収方法における反応温度や空間速度は従来の「アンモニヤ添加接触還元法」の場合とほぼ一致するので、この従来の方法を実施する装置の一部を改造するだけで窒素酸化物回収を実施することができる。しかも、構成7によれば、回収した窒素酸化物を硝酸製造の原料として有効に活用でき、また、窒素酸化物を脱離した窒素酸化物吸収剤を繰り返し利用に供することもできる。
【0024】
また、構成8,9によれば、高温ガス中の二酸化炭素を吸収して窒素酸化物を吸収する能力が劣化した窒素酸化物吸収剤を再生することができる。ここで、窒素酸化物吸収剤が二酸化炭素を吸収することにより、窒素酸化物の吸収能力が劣化するのは、アルカリ土類元素の酸化物等が二酸化炭素と反応して生じた反応生成物(例えば、CaCO3 )が増えることにより、窒素酸化物と反応することができるアルカリ土類金属の酸化物等が相対的に減ることになるからであると考えられる。したがって、このアルカリ土類元素の酸化物等と二酸化炭素との反応生成物を分解して元のアルカリ土類元素の酸化物等に戻してやれば、吸収能力を回復させ、再生することができる。構成8では、アルカリ土類元素の酸化物等と二酸化炭素との反応生成物に硝酸を反応させて硝酸塩と二酸化炭素を生じさせることにより二酸化炭素を脱離させ、しかる後、この硝酸塩を高温の不活性気体に接触させることにより分解して元のアルカリ土類元素の酸化物等に戻して再生している。また、構成9では、アルカリ土類元素の酸化物等と二酸化炭素との反応生成物に300〜500℃の高濃度窒素酸化物と空気との混合気体を接触させて上記反応生成物を分解し、これにより二酸化炭素を脱離させて再生しているものである。
【0025】
【実施例】
1.本発明にて製造される窒素酸化物吸収剤の例、並びに比較例
実施例1−1
この実施例は、Ba(OH)2 粉とCuO粉との混合粉で粉体状の窒素酸化物吸収剤を構成した例である。
【0026】
粒径5〜20μm程度のBa(OH)2 の粉体と、粒径5〜20μm程度のCuOの粉体とを重量比で約4:1の割合で均一に攪拌混合して混合粉を作製し、粉体状の窒素酸化物吸収剤を得た。
【0027】
こうして得た窒素酸化物吸収剤を、O2 濃度が4%、NO濃度が2000ppmで温度が350°Cの高温ガスに300分以上接触させてそのNO吸収量及び初期吸収速度を熱天秤装置で測定したところ、NO吸収量は8.2m mol/g であり、初期吸収速度は0.040m mol/g ・min という極めて高い値を示した。
【0028】
なお、この場合における接触時間とNO吸収量との関係を図1のグラフに○印のプロット点で示した。図1において、横軸が接触時間(単位;分)であり、縦軸が吸収量(単位;m mol/g )である。
【0029】
実施例1ー2
この実施例は、Ba(OH)2 粉とCuO粉との混合割合を1:1にした外は上述の第1実施例と同じ構成とした粉体状の窒素酸化物吸収剤である。
【0030】
この窒素酸化物吸収剤を実施例1ー1と同様の高温ガスであってNO濃度が1000ppmの高温ガスに同様に接触させてそのNO吸収量及び初期吸収速度を測定したところ、NO吸収量は5.8m mol/g であり、初期吸収速度は0.028m mol/g ・min という高い値を示した。実施例1−1と1ー2の結果から、触媒としてのCuO粉に比較してBa(OH)2 粉の割合をある程度大きくしたほうが吸収能力に勝れることがわかる。
【0031】
実施例1ー3
この実施例は、Ba(OH)2 粉及びCuO粉にさらにY2 O3 粉を加え、これらの混合割合をY2 O3 粉:Ba(OH)2 粉:CuO粉=1:2:3にした粉体状の窒素酸化物吸収剤である。
【0032】
この窒素酸化物吸収剤を実施例1ー1と同様の高温ガスであってNO濃度が1000ppmの高温ガスに同様に接触させてそのNO吸収量及び初期吸収速度を測定したところ、NO吸収量は3.8m mol/g であり、初期吸収速度は0.035m mol/g ・min という比較的高い値を示した。ただし、Y2 O3 粉を加えない上述の実施例1ー1,1ー2の場合に比較すると吸収能力がやや劣る。この結果から、Y2 O3 粉は加えないほうがよいことがわかる。
【0033】
実施例1ー4
この実施例は、Ba(OH)2 粉とFe2 O3 粉との混合粉で粉体状の窒素酸化物吸収剤を構成した例であり、CuO粉の代わりにFe2 O3 粉を用いた点を除くほかの構成は上記実施例1ー1と同じ構成とした。
【0034】
この窒素酸化物吸収剤を実施例1ー1と同様の高温ガスであってNO濃度が2000ppmの高温ガスに同様に接触させてそのNO吸収量及び初期吸収速度を測定したところ、NO吸収量は5.8m mol/g であり、初期吸収速度は0.038m mol/g ・min という高い値を示したが、実施例1ー1に比較するとやや劣る。この結果から、触媒としての作用はCuO粉のほうがFe2 O3 粉よりも勝れていることがわかる。なお、この場合における接触時間(横軸:単位;分)とNO吸収量(縦軸:単位;m mol/g )との関係を図1のグラフに●印のプロット点で示した。
【0035】
実施例1ー5
この実施例は、Ba(OH)2 粉とCo2 O3 粉との混合粉で粉体状の窒素酸化物吸収剤を構成した例であり、CuO粉の代わりにCo2 O3 粉を用いた点を除くほかの構成は上記実施例1ー1と同じ構成とした。
【0036】
この窒素酸化物吸収剤を実施例1ー1と同様の高温ガスに同様に接触させてそのNO吸収量及び初期吸収速度を測定したところ、NO吸収量は5.3m mol/g であり、初期吸収速度は0.039m mol/g ・min という高い値を示したが、実施例1ー4に比較してやや劣る。この結果から、触媒としての作用はFe2 O3 粉のほうがCo2 O3 粉よりもやや勝れていることがわかる。
【0037】
実施例1ー6
この実施例は、Ba(OH)2 粉とNiO粉との混合粉で粉体状の窒素酸化物吸収剤を構成した例であり、CuO粉の代わりにNiO粉を用いた点を除くほかの構成は上記実施例1ー1と同じ構成とした。
【0038】
この窒素酸化物吸収剤を実施例1ー1と同様の高温ガスに同様に接触させてそのNO吸収量及び初期吸収速度を測定したところ、NO吸収量は2.5m mol/g であり、初期吸収速度は0.015m mol/g ・min であって、実施例1ー1〜1ー5に比較すると低い値であるが、材料自体が安価であるため、工業用として十分実用に耐える値であることがわかった。この結果から、NiOの触媒としての作用はCo2 O3 粉よりも劣ることがわかる。
【0039】
実施例1ー7
この実施例は、Ca(OH)2 粉とCuO粉との混合粉で粉体状の窒素酸化物吸収剤を構成した例であり、Ba(OH)2 粉の代わりにCa(OH)2 粉を用いた点を除くほかの構成は上記実施例1ー1と同じ構成とした。
【0040】
この窒素酸化物吸収剤を実施例1ー1と同様の高温ガスであってNO濃度が2000ppmの高温ガスに同様に接触させてそのNO吸収量及び初期吸収速度を測定したところ、NO吸収量は1.3m mol/g であり、初期吸収速度は0.034m mol/g ・min であって、上記実施例1ー1〜実施例1ー4に比較すると低い値であるが、材料自体が安価であるため、工業用として十分実用に耐える値であることがわかった。また、この結果からCa(OH)2 を用いた場合よりもBa(OH)2 を用いたほうが吸収能力に勝れることがわかる。なお、この場合における接触時間(横軸:単位;分)とNO吸収量(縦軸:単位;m mol/g )との関係を図1のグラフに△印のプロット点で示した。
【0041】
実施例1ー8
この実施例は、BaO粉とCuO粉との混合粉で粉体状の窒素酸化物吸収剤を構成した例であり、Ba(OH)2 粉の代わりにBaO粉を用い、かつ、BaO粉とCuO粉との混合割合を3.5:1とした点を除くほかの構成は上記実施例1ー1と同じ構成とした。
【0042】
この窒素酸化物吸収剤を実施例1ー1と同様の高温ガスであってNO濃度が2000ppmの高温ガスに同様に接触させてそのNO吸収量及び初期吸収速度を測定したところ、NO吸収量は3.8m mol/g であり、初期吸収速度は0.031m mol/g ・min であり、十分実用に耐える値であることがわかった。なお、この場合における接触時間(横軸:単位;分)とNO吸収量(縦軸:単位;m mol/g )との関係を図1のグラフに▲印のプロット点で示した。
【0043】
実施例1ー9
この実施例は、Ba(OH)2 粉の代わりにSrO粉を粉を用いた点を除くほかの構成は上記実施例1ー1と同じ構成とした。
【0044】
この窒素酸化物吸収剤を実施例1ー1と同様の高温ガスに同様に接触させてそのNO吸収量及び初期吸収速度を測定したところ、NO吸収量は8.4m mol/g であり、初期吸収速度は0.035m mol/g ・min という実施例1ー1とほぼ同等の極めて高い値を示した。この結果から、Ba(OH)2 粉とSrO粉とはほぼ同等の吸収能力を有していることがわかる。
【0045】
実施例1ー10
この実施例は、Ba(OH)2 とCuOとの混合物で固形状の窒素酸化物吸収剤を構成した例である。
【0046】
粒径5〜20μm程度のBa(OH)2 の粉体と、粒径5〜20μm程度のCuOの粉体とを重量比で約4:1の割合で均一に攪拌混合して混合粉を作製した。
【0047】
次に、上記混合粉に、媒質中に酸化アルミニウムを約10%分散させた酸化アルミニウムゾルを加えていき、ペースト状物を形成した。次いで、このペースト状物を厚さ5mmのアルミニウム板に形成した直径5mmφの多数の貫通孔内に充填し、数時間ないし十数時間放置して乾燥させた。しかる後、こうして得た5mmφ×5mmの多数の円柱状の成形体を空気雰囲気で500°Cで約3時間焼成し、多数の固形状の窒素酸化物吸収剤を得た。
【0048】
この窒素酸化物吸収剤を実施例1ー1と同様の高温ガスであってNO濃度が2000ppmの高温ガスに同様に接触させてそのNO吸収量及び初期吸収速度を測定したところ、NO吸収量は6.2m mol/g であり、初期吸収速度は0.035m mol/g ・min という高い値を示した。
【0049】
実施例1−11
この実施例は、含浸法によって得たBaOとCuOとの混合成形体で固形状の窒素酸化物吸収剤を構成した例である。予め5mmφ×5mmの円柱状に調整した酸化アルミニウム成形体にBa(NO3 )2 とCu(NO3 )2 との混合水溶液を含浸後、同様に焼成して同様の固形状の窒素酸化物吸収剤を得た。
【0050】
この窒素酸化物吸収剤を実施例1ー1と同様の高温ガスであってNO濃度が2000ppmの高温ガスに同様に接触させてそのNO吸収量及び初期吸収速度を測定したところ、NO吸収量は6.5m mol/g であり、初期吸収速度は0.036m mol/g ・min であり、高い値を示した。
【0051】
実施例1ー12
この実施例では、Ba(NO3 )2 の粉体とCu(NO3 )2 の粉体との均一な混合物を窒素ガス雰囲気中で400〜600°Cの温度で硝酸塩分解し、BaOとCuOとからなる固形状の窒素酸化物吸収剤を得た。
【0052】
この窒素酸化物吸収剤を実施例1ー1と同様の高温ガスであってNO濃度が2000ppmの高温ガスに同様に接触させてそのNO吸収量及び初期吸収速度を測定したところ、NO吸収量は4.2m mol/g であり、初期吸収速度は0.044m mol/g ・min という高い値を示した。
【0053】
比較例1
この比較例は、イットリウムーバリウムー銅系酸化物超電導体物質(YBa2 Cu3 O7− δ)の粉体である。この酸化物超電導体物質の粉体を、O2 濃度が2%、NO濃度が2000ppmで温度が330°Cの高温ガスに300分以上接触させてそのNO吸収量及び初期吸収速度を測定したところ、NO吸収量は1.4m mol/g であり、初期吸収速度は0.05m mol/g ・min であり、一応の吸収能力を示した。ただし、材料自体が高価であり、工業用として実用的なものとはいえない。なお、NOを吸収したものを後述する再生方法によって再生した後に415°Cの高温ガス(組成は上記と同じ)に接触させて再び吸収測定を行ったところ、NO吸収量は1.2m mol/g であり、初期吸収速度は0.05m mol/g ・min であった。さらにもう一度再生処理を行ったものを、NO濃度が4000ppmである外は上記と同じ高温ガスに接触させてその吸収を測定したところ、NO吸収量は0.84m mol/g であり、初期吸収速度は0.12m mol/g ・min であり、再生のたびに吸収能力が次第に低下する傾向が認められた。
【0054】
比較例2
この比較例は、イットリウムーバリウムー銅系酸化物超電導体物質(YBa2 Cu3 O7− δ)に水を添加し、常温で30分間放置した後、110°Cで乾燥させて得たYBa2 Cu3 O7− δの水和分解生成物である。なお、この水和分解生成物には、複数種類の組成物が含まれ、そのなかにはBaの水酸化物も含まれているものと推定されるが、全ての組成物の正確な分析は未だ行われていない。この水和分解生成物を、O2 濃度が2%、NO濃度が2000ppmで温度が325°Cの高温ガスに300分以上接触させてそのNO吸収量及び初期吸収速度を測定したところ、NO吸収量は4.6m mol/g であり、初期吸収速度は0.045m mol/g ・min であって、かなり高い吸収能力を示した。ただし、材料自体が高価であり、工業用として実用的なものとはいえない。なお、NOを吸収したものを後述する再生方法によって再生した後に温度のみ390°Cにかえた上記と同じ高温ガスに接触させて再び吸収測定を行ったところ、NO吸収量は3.6m mol/g であり、初期吸収速度は0.045m mol/g ・min であった。
【0055】
比較例3
この比較例は、市販のBa(OH)2 粉単独である。
【0056】
このBa(OH)2 粉を、O2 濃度が4%、NO濃度が1000ppmで温度が350°Cの高温ガスに300分以上接触させてそのNO吸収量及び初期吸収速度を測定したところ、NO吸収量は2.8m mol/g 以下であり、初期吸収速度は0.013m mol/g ・min であった。この比較例は一定の吸収能力は備えているものの吸収速度が著しく遅いために実用性に乏しいことがわかった。
【0057】
比較例4
この比較例は、YBa2 Cu3 O7− δの水和生成物の1つであって、その組成が解明されたY2 BaCuO5 である。上記比較例3と同様の吸収能測定を行ったところ、全く吸収能力を有しないことがわかった。
【0058】
比較例5
この比較例は、Y2 O3 の粉と、Ba(OH)2 の粉とを重量比で1:4に均一に混合した混合粉である。上記比較例3,4と同様の吸収能測定を行ったところ、NO吸収量は0.37m mol/g 以下であり、初期吸収速度は0.005m mol/g ・min といずれも著しく小さく、実用性に乏しいものであることがわかった。
【0059】
比較例6
この比較例は、イットリウムーバリウムー銅系酸化物超電導体物質(YBa2 Cu3 O7− δ)の水和分解物にAl2 O3 のゾルを加えて成形・乾燥・焼成(400°C)したペレットである。
【0060】
この比較例を、O2 濃度が2%、NO濃度が2000ppmで温度が350°Cの高温ガスに300分以上接触させてそのNO吸収量及び初期吸収速度を測定したところ、NO吸収量は0.35m mol/g であり、初期吸収速度は0.02m mol/g ・min であった。この比較例は吸収能力が著しく低いために実用性に乏しいことがわかった。
【0061】
比較例7
この比較例は、Ba(OH)2 粉4に触媒としてCr2 O3 粉1を加えて混合した混合粉である。
【0062】
この混合粉について窒素酸化物の吸収能測定を行ったところ、全く吸収能力を有しないことがわかった。この結果から、Cr2 O3 粉は触媒としての作用を全く有しないことがわかる。
【0063】
2.窒素酸化物回収方法の実施例
この実施例は、上述の各実施例の窒素酸化物吸収剤を用いて高温ガス中の窒素酸化物を吸収した後、この吸収した窒素酸化物を脱離させて高濃度の窒素酸化物として回収する窒素酸化物回収方法である。この方法は、以下の手順で行った。
【0064】
窒素酸化物吸収剤を、O2 濃度が4%、NO濃度が1000ppmで温度が350°Cの高温ガスに300分以上接触させて上記高温ガス中の窒素酸化物を吸収させた。次に、窒素酸化物を吸収した上記窒素酸化物吸収剤を400°Cの高温窒素ガスに接触させた。その結果、測定に用いたNO分析計の測定上限値(2000ppm)以上の高濃度の窒素酸化物を含む気体を回収することができた。この場合、窒素ガスの流量を低減させるかまたは温度を上昇させれば、さらに高濃度の窒素酸化物が得られることも確認された。
【0065】
なお、このようにして回収した高濃度の窒素酸化物(NO等)を含む気体を、硝酸製造システム等に移送すれば、硝酸製造等の原料として有効に利用できる。すなわち、例えば、この実施例にかかる窒素酸化物回収方法を実施するシステムを火力発電等の燃焼ガス中のNOx 除去システムとして設置し、このシステムに硝酸製造システムを結合させると、除去したNOx をただちに硝酸製造の原料として有効に活用することができる。また、窒素酸化物を脱離した後の窒素酸化物吸収剤を、再度窒素酸化物吸収工程に移送すれば、窒素酸化物吸収剤を繰り返し利用に供することもできる。
【0066】
3.窒素酸化物吸収剤再生方法の実施例
この実施例は、実施例2の窒素酸化物回収方法を、酸素及び窒素酸化物の外に二酸化炭素を含む高温ガス中の窒素酸化物を回収する場合に適用したことによって、これに用いた窒素酸化物吸収剤が二酸化炭素を吸収して窒素酸化物を吸収する能力が劣化した場合にこれを再生する窒素酸化物吸収剤再生方法の実施例である。以下、硝酸水添加による湿式法(実施例3ー1)、高濃度窒素酸化物と空気との混合ガスへの接触による乾式法(実施例3ー2)について説明する。
【0067】
実施例3−1
この実施例で再生する窒素酸化物吸収剤としては、実施例2の方法によって、二酸化炭素を2%含む高温ガス中の窒素酸化物の回収を5回繰り返した窒素酸化物吸収剤であって、窒素酸化物吸収能力が、初期の能力に比較して約30%に低下したものを用いた。
【0068】
上記窒素酸化物吸収剤に硝酸水を加えた。加える量は、おおよそ上記窒素酸化物中に生成されている炭酸塩の当量より0〜20%過剰とした。次に、硝酸水添加による反応の終了を待って、これを450°Cの窒素ガス中で100分焼成した。その結果、上記窒素酸化物吸収剤に生成物として含まれていた二酸化炭素が完全に除去され、窒素酸化物吸収能力がほぼ完全に初期の状態に回復し、再生された。
【0069】
実施例3ー2
実施例3ー1における場合と同様の劣化した窒素酸化物吸収剤を、実施例2で回収した高濃度窒素酸化物に空気を加えて窒素酸化物を5%、酸素を5%含む400°Cの高温気体に120分間接触させた。これにより、窒素酸化物吸収剤中の炭酸塩が硝酸塩に変化した。次に、これを450°Cの窒素ガスに100分間接触させた。その結果、上記窒素酸化物吸収剤に生成物として含まれていた二酸化炭素が完全に除去され、窒素酸化物吸収能力がほぼ完全に初期の状態に回復し、再生された。
【0070】
以上、詳述した実施例によれば、以下の利点がある。
【0071】
a.現在実用化が普及している「アンモニア添加選択接触還元法」の適用温度域において、高価なアンモニアを消費せずに窒素酸化物を吸収除去することができる。
【0072】
b.この実施例の窒素酸化物吸収剤の吸収能(吸収量と吸収速度)が大きいので吸収剤の所要量は「アンモニア添加選択接触還元法」における触媒量とほぼ同量である。
【0073】
c.窒素酸化物吸収後の吸収剤は吸収温度と同温度乃至50℃昇温下で窒素酸化物と酸素を含まない不活性ガスを流通させることにより、容易に高濃度窒素酸化物を脱離して吸収剤を再生することができる。
【0074】
d.再生した窒素酸化物吸収剤は吸収工程に再利用できる。
【0075】
e.回収した高濃度窒素酸化物(主成分は酸化窒素)は硝酸製造等の化学工業原料として利用できる。
【0076】
f.燃焼ガス中の炭酸ガスあるいは空気中の炭酸ガスを吸収して吸収能が低下した吸収剤は、硝酸水添加による湿式処理法あるいは脱離工程で回収される高濃度窒素酸化物と空気の混合ガスによって容易に再生できる。
【0077】
g.この実施例の窒素酸化物吸収剤は、例えば、水酸化バリウムあるいは酸化バリウムの微粉末と酸化銅微粉末の物理的操作による混合粉末でよいので、調製が極めて容易である。
【0078】
h.工業的に用いるため、ペレット状の吸収剤が必要な場合は、触媒調製に通常用いられる酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ケイ素あるいはベントナイト等の粘土類をゾル状あるいはゲル状にして上記吸収剤に加えて成形することにより、容易に調製することができる。
【0079】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明にかかる窒素酸化物吸収剤の製造方法によれば、当該窒素酸化物吸収剤を、アルカリ土類元素の酸化物又は水酸化物と、遷移元素の酸化物との混合物を含む物質で構成することにより、高価なアンモニアを消費することなく高温ガス中の窒素酸化物を効率よく除去・回収できる窒素酸化物吸収剤を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の窒素酸化物吸収能力を示す図である。
Claims (3)
- 酸素及び窒素酸化物を含む高温ガス中の窒素酸化物を吸収する、アルカリ土類元素の酸化物又は水酸化物と、遷移元素の酸化物との混合物を含む物質からなる窒素酸化物吸収剤の製造方法であって、
アルカリ土類元素の酸化物又は水酸化物の粉体と遷移元素の酸化物の粉体との混合物に成形剤を加えて成形後、300〜600°Cの温度で焼成することにより、固形状の窒素酸化物吸収剤を得ることを特徴とした窒素酸化物吸収剤製造方法。 - 酸素及び窒素酸化物を含む高温ガス中の窒素酸化物を吸収する、アルカリ土類元素の酸化物又は水酸化物と、遷移元素の酸化物との混合物を含む物質からなる窒素酸化物吸収剤の製造方法であって、
アルカリ土類元素の塩類と遷移元素の塩類とを含有する水溶液を、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ケイ素の何れかの担体物質に含浸後、300〜600℃の温度で焼成することにより、固形状の窒素酸化物吸収剤を得ることを特徴とした窒素酸化物吸収剤製造方法。 - 酸素及び窒素酸化物を含む高温ガス中の窒素酸化物を吸収する、アルカリ土類元素の酸化物又は水酸化物と、遷移元素の酸化物との混合物を含む物質からなる窒素酸化物吸収剤の製造方法であって、
前記アルカリ土類元素がバリウム(Ba)及び/又はストロンチウム(Sr)であり、前記遷移元素が銅(Cu)及び/又は鉄(Fe)であり、
硝酸バリウム及び/又は硝酸ストロンチウムの粉体と、酸化銅、酸化鉄、硝酸銅及び硝酸鉄のうちの少なくとも1つの粉体との混合物を不活性雰囲気中で400〜600°Cの温度で硝酸塩分解してバリウム及び/又はストロンチウムの酸化物と銅及び/又は鉄の酸化物との混合物を含む固形状の窒素酸化物吸収剤を得ることを特徴とした窒素酸化物吸収剤製造方法。
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