JP3566544B2 - 端子構造 - Google Patents
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- H01R12/70—Coupling devices
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- Coupling Device And Connection With Printed Circuit (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コネクタなどの電気部品の内部に設けられる端子構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
コネクタなどの電気部品の内部回路に、複数本のピン状のブスバーを用いているものがある。このブスバーにおいては、隣接するブスバーとの接触を防止する必要があり、このため、必要本数のブスバーを金型にインサートし、ブスバーのインサート状態で樹脂を成形することによりブスバーを固定することが行われている。
【0003】
図3はこのようなインサート成形に用いるための従来の回路用部材1、2を示す。それぞれの回路用部材1、2は複数本のブスバー3、4をそれぞれ備えることにより構成されている。また、各回路用部材1、2においては、隣接するブスバー3、4を間隔をあけて連結するための連結部5、6をそれぞれ有している。この連結部5、6はブスバー3、4の一端部側に設けられており、ブスバー3、4の他端部側は自由端3a、4aとなっている。さらに、それぞれのブスバー3、4には、プリント配線基板などとワイヤボンディングによって接続するための接続部9、10(図4参照)があり、この接続部9、10にはワイヤボンディングを行うため、金メッキなどの導電性メッキが施されている。
【0004】
このような回路用部材1、2を用いて電気部品の内部回路を形成するには、図4に示す手順で行われる。まず、(a)で示すように、一方の回路用部材1におけるブスバー3の自由端3aを下型7の位置決め孔(図示省略)に挿入してセットした後、他方の回路用部材2のブスバー4の自由端4aを下型の位置決め孔に挿入する。このとき、他方の回路用部材2は下型7から浮かせた状態としておく。
【0005】
そして、(b)の矢印で示すように、他方の回路用部材2を下側にスライドさせることにより、一方の回路用部材1のブスバー3の間に他方の回路用部材2のブスバー4を入り込ませると共に、回路用部材1、2を面一状態としてセットする。このセット状態で、(c)で示すように、上型8が下降することにより型締めされ、この型締め後に金型内に樹脂を射出し、硬化して成形する。これにより、ブスバー3、4が樹脂によって固定された端子構造となる。なお、樹脂の成形後においては、回路用部材1、2の連結部5、6は切断によって除去される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の端子構造では、回路用部材1、2を下型7に順次、セットして回路用部材1のブスバー3の間に回路用部材2のブスバー4を入り込ませる際に、ブスバー3、4同士が擦れる。このような擦れがあると、ブスバー3、4の接続部9、10に設けてある導電性メッキが剥がれたり、傷が発生するため、確実なワイヤボンディングができなくなるという問題が発生する。
【0007】
そこで、本発明は、回路用部材をセットする際のブスバーの擦れを防止して、導電性メッキが剥がれたり、損傷することのない端子構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、内部回路を構成する複数本のブスバーが連結部によって間隔をあけた並列状態で連結されることにより回路用部材が形成されており、一方の回路用部材のブスバーの間に他方の回路用部材のブスバーが非接触で入り込むように回路用部材を金型に順次セットし、このセット状態で樹脂を成形してブスバーを固定する端子構造であって、前記他方の回路用部材に、一方の回路用部材のブスバーと距離をおいて他方の回路用部材を金型に一時的にセットする位置調整部を設けたことを特徴とする。
【0009】
この発明の位置調整部は、他方の回路用部材を金型にセットする際に、他方の回路用部材が一方の回路用部材のブスバーと距離をおいてセットされるように作用する。このため、金型へのセット当初では、二つの回路用部材のブスバーが相互に接触して擦れることがない。
【0010】
この一時的なセット状態では、回路用部材相互のブスバーが接触しないようにブスバーの位置を調整することができる。そして、ブスバーの位置調整の後、他方の回路用部材の一時的なセットを解除することにより、他方の回路用部材のブスバーを一方の回路用部材のブスバーの間に入り込ませて、完全なセット状態する。このため、他方の回路用部材のセット時に、回路用部材の間でブスバーが相互に接触して擦れることがなくなる。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1記載の発明であって、前記位置調整部は、前記金型に向かって屈曲するように他方の回路用部材に形成した屈曲部であることを特徴とする。
【0012】
この発明では、他方の回路用部材に屈曲部を形成するだけで位置調整部とすることができる。このため、位置調整部を簡単に設けることができる。
【0013】
請求項3の発明は、請求項2記載の発明であって、前記屈曲部を前記連結部に形成したことを特徴とする。
【0014】
連結部はブスバーを樹脂によって固定した後には、ブスバー相互の導通を解除するために除去される。この発明では、将来的に除去される連結部に屈曲部を設けるため、端子全体の構造に影響することがなく、端子を設計変更する必要がなくなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的に説明すると、図1は、本発明の一実施形態の回路用部材を示し、図2(a)〜(c)は回路用部材を金型にセットする手順を示している。
【0016】
この実施形態では、二つの回路用部材11、12を用いるものである。これらの回路用部材11、12は図1に示すように、複数本のブスバー13、14をそれぞれ備えることにより構成されている。また、各回路用部材11、12における複数のブスバー13、14は間隔をあけた並列状態となるように連結部15、16によって連結されている。また、回路用部材11、12は、ブスバー13、14と連結部15、16とが、一枚の板材から一体に打ち抜かれて形成されている。
【0017】
それぞれの回路用部材11、12におけるブスバー13、14は、電気部品の内部回路を形成するために回路形成方向に沿って複数回屈曲された回路形成部13c、14cと、自由端となっている先端部13a、14aと、上述した連結部15、16が設けられている基端部13b、14bとが連設されることにより構成されている。さらに、ブスバー13、14の回路形成部13c、14cには、金メッキなどの導電性メッキ17、18が施されている(図2参照)。この導電性メッキ17、18はプリント配線基板のパターンなどとワイヤボンディングによって接続するため、回路形成部13c、14cに施されるものである。
【0018】
二つの回路用部材11、12の内、一方の回路用部材11の連結部15は平坦状となっているが、他方の回路用部材12の連結部16には屈曲部19が形成されている。図示する形態において、屈曲部19が形成された連結部16は連設される基端部14b部分を屈曲することにより形成されており、これにより連結部16の全体が屈曲されている。この屈曲部19は図2に示すように、金型(下型21)に向かって屈曲されることにより、後述するように他方の回路用部材12を一方の回路用部材11のブスバー13と距離をおいて金型(下型21)に一時的にセットするための位置調整部となっている。
【0019】
次に、以上の回路用部材11、12を金型にセットする手順を図2によって説明する。なお、この実施形態では、他方の回路用部材12の屈曲されている連結部16が侵入できる逃げ部22が下型21に形成されている。
【0020】
まず、図2(a)で示すように、一方の回路用部材11におけるブスバー13の自由端13aを下型21の位置決め孔(図示省略)に挿入してセットした後、他方の回路用部材12におけるブスバー14の自由端14aを下型21の位置決め孔に挿入する。このとき、他方の回路用部材12は下型21に対して斜め状態にすると共に、下型21から幾分浮かせた状態としておく。
【0021】
そして、図2(b)で示すように、他方の回路用部材12を下型21に対して平行な一時的なセット状態とする。この一時的なセット状態とすることにより、下型21に向かって屈曲している他方の回路用部材12の連結部16が下型21の側面に当接する。このため、他方の回路用部材12のブスバー14は、その回路形成部14cが一方の回路用部材11のブスバー13と距離をあけた状態となる。これにより、ブスバー13、14の導電性メッキ17、18が相互に接触することがない。
【0022】
この一時的なセット状態では、ブスバー14がブスバー13と非接触状態であるか否かを確認することができ、接触するような虞がある場合には、ブスバー14が非接触でブスバー13の間に入り込むように、その位置を調整することができる。かかる位置調整の間においても、他方の回路用部材12と一方の回路用部材11との間に距離をあけてあるため、ブスバー13、14の導電性メッキ17、18が接触することがない。
【0023】
このような位置の確認及び位置調整の後、図2(c)で示すように、上型23を下降させる。この下降によって他方の回路用部材12が下方向に押されるため、ブスバー14が一方の回路用部材11のブスバー13の間に非接触で入り込んで回路用部材11、12が面一状態となった完全なセット状態となる。この完全なセット状態では、他方の回路用部材12の連結部16は下型21の逃げ部22内に侵入する。
【0024】
以上のセットの後、型締めが行われ、この型締めの後、金型21、23内に樹脂を射出し、硬化して成形する。これにより、ブスバー13、14が樹脂によって固定される。さらに、樹脂によるブスバー13、14の固定の後、金型から取り外し、ブスバー13、14の基端部13b、14bを切断して連結部15、16を除去する。これにより、ブスバー13、14の導通が解除された端子構造とすることができる。
【0025】
このような実施形態では、他方の回路用部材12に位置調整部としての屈曲部19を設けてあるため、他方の回路用部材12を下型21に完全にセットする間、ブスバー13、14を非接触の状態とすることができる。このため、ブスバー13、14の導電性メッキ17、18が擦れることがなく、擦れに起因した導電性メッキ17、18の剥がれや損傷が発生することがなくなる。従って、導電性メッキに対して、信頼性のあるワイヤボンディングを確実に行うことができる。
【0026】
また、他方の回路用部材12に形成した屈曲部19が同部材12の下型21への一時的なセットを行う位置調整部となっているため、位置調整部を簡単に設けることができる。
【0027】
さらに、この屈曲部19を将来的に除去される連結部16に設けているため、屈曲部19が端子全体の構造に影響することがなく、端子を設計変更する面倒がなくなる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、一方の回路用部材のブスバーと距離をおいてセットするための位置調整部を他方の回路用部材に設けるため、二つの回路用部材のブスバーが相互に接触して擦れることがなくなる。
【0029】
請求項2の発明によれば、他方の回路用部材に形成した屈曲部を位置調整部とすることができるため、位置調整部を簡単に設けることができる。
【0030】
請求項3の発明によれば、将来的に除去される回路用部材の連結部に屈曲部を設けるため、端子全体の構造に影響することがなく、端子を設計変更する必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に使用される回路用部材の斜視図である。
【図2】(a)〜(c)は、回路用部材を金型にセットする手順を説明する側面図である。
【図3】従来の回路用部材の斜視図である。
【図4】(a)〜(c)は、従来の回路用部材を金型にセットする手順を説明する側面図である。
【符号の説明】
11 一方の回路用部材
12 他方の回路用部材
13 14 ブスバー
15 16 連結部
19 屈曲部
21 下型
23 上型
【発明の属する技術分野】
本発明は、コネクタなどの電気部品の内部に設けられる端子構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
コネクタなどの電気部品の内部回路に、複数本のピン状のブスバーを用いているものがある。このブスバーにおいては、隣接するブスバーとの接触を防止する必要があり、このため、必要本数のブスバーを金型にインサートし、ブスバーのインサート状態で樹脂を成形することによりブスバーを固定することが行われている。
【0003】
図3はこのようなインサート成形に用いるための従来の回路用部材1、2を示す。それぞれの回路用部材1、2は複数本のブスバー3、4をそれぞれ備えることにより構成されている。また、各回路用部材1、2においては、隣接するブスバー3、4を間隔をあけて連結するための連結部5、6をそれぞれ有している。この連結部5、6はブスバー3、4の一端部側に設けられており、ブスバー3、4の他端部側は自由端3a、4aとなっている。さらに、それぞれのブスバー3、4には、プリント配線基板などとワイヤボンディングによって接続するための接続部9、10(図4参照)があり、この接続部9、10にはワイヤボンディングを行うため、金メッキなどの導電性メッキが施されている。
【0004】
このような回路用部材1、2を用いて電気部品の内部回路を形成するには、図4に示す手順で行われる。まず、(a)で示すように、一方の回路用部材1におけるブスバー3の自由端3aを下型7の位置決め孔(図示省略)に挿入してセットした後、他方の回路用部材2のブスバー4の自由端4aを下型の位置決め孔に挿入する。このとき、他方の回路用部材2は下型7から浮かせた状態としておく。
【0005】
そして、(b)の矢印で示すように、他方の回路用部材2を下側にスライドさせることにより、一方の回路用部材1のブスバー3の間に他方の回路用部材2のブスバー4を入り込ませると共に、回路用部材1、2を面一状態としてセットする。このセット状態で、(c)で示すように、上型8が下降することにより型締めされ、この型締め後に金型内に樹脂を射出し、硬化して成形する。これにより、ブスバー3、4が樹脂によって固定された端子構造となる。なお、樹脂の成形後においては、回路用部材1、2の連結部5、6は切断によって除去される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の端子構造では、回路用部材1、2を下型7に順次、セットして回路用部材1のブスバー3の間に回路用部材2のブスバー4を入り込ませる際に、ブスバー3、4同士が擦れる。このような擦れがあると、ブスバー3、4の接続部9、10に設けてある導電性メッキが剥がれたり、傷が発生するため、確実なワイヤボンディングができなくなるという問題が発生する。
【0007】
そこで、本発明は、回路用部材をセットする際のブスバーの擦れを防止して、導電性メッキが剥がれたり、損傷することのない端子構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、内部回路を構成する複数本のブスバーが連結部によって間隔をあけた並列状態で連結されることにより回路用部材が形成されており、一方の回路用部材のブスバーの間に他方の回路用部材のブスバーが非接触で入り込むように回路用部材を金型に順次セットし、このセット状態で樹脂を成形してブスバーを固定する端子構造であって、前記他方の回路用部材に、一方の回路用部材のブスバーと距離をおいて他方の回路用部材を金型に一時的にセットする位置調整部を設けたことを特徴とする。
【0009】
この発明の位置調整部は、他方の回路用部材を金型にセットする際に、他方の回路用部材が一方の回路用部材のブスバーと距離をおいてセットされるように作用する。このため、金型へのセット当初では、二つの回路用部材のブスバーが相互に接触して擦れることがない。
【0010】
この一時的なセット状態では、回路用部材相互のブスバーが接触しないようにブスバーの位置を調整することができる。そして、ブスバーの位置調整の後、他方の回路用部材の一時的なセットを解除することにより、他方の回路用部材のブスバーを一方の回路用部材のブスバーの間に入り込ませて、完全なセット状態する。このため、他方の回路用部材のセット時に、回路用部材の間でブスバーが相互に接触して擦れることがなくなる。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1記載の発明であって、前記位置調整部は、前記金型に向かって屈曲するように他方の回路用部材に形成した屈曲部であることを特徴とする。
【0012】
この発明では、他方の回路用部材に屈曲部を形成するだけで位置調整部とすることができる。このため、位置調整部を簡単に設けることができる。
【0013】
請求項3の発明は、請求項2記載の発明であって、前記屈曲部を前記連結部に形成したことを特徴とする。
【0014】
連結部はブスバーを樹脂によって固定した後には、ブスバー相互の導通を解除するために除去される。この発明では、将来的に除去される連結部に屈曲部を設けるため、端子全体の構造に影響することがなく、端子を設計変更する必要がなくなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的に説明すると、図1は、本発明の一実施形態の回路用部材を示し、図2(a)〜(c)は回路用部材を金型にセットする手順を示している。
【0016】
この実施形態では、二つの回路用部材11、12を用いるものである。これらの回路用部材11、12は図1に示すように、複数本のブスバー13、14をそれぞれ備えることにより構成されている。また、各回路用部材11、12における複数のブスバー13、14は間隔をあけた並列状態となるように連結部15、16によって連結されている。また、回路用部材11、12は、ブスバー13、14と連結部15、16とが、一枚の板材から一体に打ち抜かれて形成されている。
【0017】
それぞれの回路用部材11、12におけるブスバー13、14は、電気部品の内部回路を形成するために回路形成方向に沿って複数回屈曲された回路形成部13c、14cと、自由端となっている先端部13a、14aと、上述した連結部15、16が設けられている基端部13b、14bとが連設されることにより構成されている。さらに、ブスバー13、14の回路形成部13c、14cには、金メッキなどの導電性メッキ17、18が施されている(図2参照)。この導電性メッキ17、18はプリント配線基板のパターンなどとワイヤボンディングによって接続するため、回路形成部13c、14cに施されるものである。
【0018】
二つの回路用部材11、12の内、一方の回路用部材11の連結部15は平坦状となっているが、他方の回路用部材12の連結部16には屈曲部19が形成されている。図示する形態において、屈曲部19が形成された連結部16は連設される基端部14b部分を屈曲することにより形成されており、これにより連結部16の全体が屈曲されている。この屈曲部19は図2に示すように、金型(下型21)に向かって屈曲されることにより、後述するように他方の回路用部材12を一方の回路用部材11のブスバー13と距離をおいて金型(下型21)に一時的にセットするための位置調整部となっている。
【0019】
次に、以上の回路用部材11、12を金型にセットする手順を図2によって説明する。なお、この実施形態では、他方の回路用部材12の屈曲されている連結部16が侵入できる逃げ部22が下型21に形成されている。
【0020】
まず、図2(a)で示すように、一方の回路用部材11におけるブスバー13の自由端13aを下型21の位置決め孔(図示省略)に挿入してセットした後、他方の回路用部材12におけるブスバー14の自由端14aを下型21の位置決め孔に挿入する。このとき、他方の回路用部材12は下型21に対して斜め状態にすると共に、下型21から幾分浮かせた状態としておく。
【0021】
そして、図2(b)で示すように、他方の回路用部材12を下型21に対して平行な一時的なセット状態とする。この一時的なセット状態とすることにより、下型21に向かって屈曲している他方の回路用部材12の連結部16が下型21の側面に当接する。このため、他方の回路用部材12のブスバー14は、その回路形成部14cが一方の回路用部材11のブスバー13と距離をあけた状態となる。これにより、ブスバー13、14の導電性メッキ17、18が相互に接触することがない。
【0022】
この一時的なセット状態では、ブスバー14がブスバー13と非接触状態であるか否かを確認することができ、接触するような虞がある場合には、ブスバー14が非接触でブスバー13の間に入り込むように、その位置を調整することができる。かかる位置調整の間においても、他方の回路用部材12と一方の回路用部材11との間に距離をあけてあるため、ブスバー13、14の導電性メッキ17、18が接触することがない。
【0023】
このような位置の確認及び位置調整の後、図2(c)で示すように、上型23を下降させる。この下降によって他方の回路用部材12が下方向に押されるため、ブスバー14が一方の回路用部材11のブスバー13の間に非接触で入り込んで回路用部材11、12が面一状態となった完全なセット状態となる。この完全なセット状態では、他方の回路用部材12の連結部16は下型21の逃げ部22内に侵入する。
【0024】
以上のセットの後、型締めが行われ、この型締めの後、金型21、23内に樹脂を射出し、硬化して成形する。これにより、ブスバー13、14が樹脂によって固定される。さらに、樹脂によるブスバー13、14の固定の後、金型から取り外し、ブスバー13、14の基端部13b、14bを切断して連結部15、16を除去する。これにより、ブスバー13、14の導通が解除された端子構造とすることができる。
【0025】
このような実施形態では、他方の回路用部材12に位置調整部としての屈曲部19を設けてあるため、他方の回路用部材12を下型21に完全にセットする間、ブスバー13、14を非接触の状態とすることができる。このため、ブスバー13、14の導電性メッキ17、18が擦れることがなく、擦れに起因した導電性メッキ17、18の剥がれや損傷が発生することがなくなる。従って、導電性メッキに対して、信頼性のあるワイヤボンディングを確実に行うことができる。
【0026】
また、他方の回路用部材12に形成した屈曲部19が同部材12の下型21への一時的なセットを行う位置調整部となっているため、位置調整部を簡単に設けることができる。
【0027】
さらに、この屈曲部19を将来的に除去される連結部16に設けているため、屈曲部19が端子全体の構造に影響することがなく、端子を設計変更する面倒がなくなる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、一方の回路用部材のブスバーと距離をおいてセットするための位置調整部を他方の回路用部材に設けるため、二つの回路用部材のブスバーが相互に接触して擦れることがなくなる。
【0029】
請求項2の発明によれば、他方の回路用部材に形成した屈曲部を位置調整部とすることができるため、位置調整部を簡単に設けることができる。
【0030】
請求項3の発明によれば、将来的に除去される回路用部材の連結部に屈曲部を設けるため、端子全体の構造に影響することがなく、端子を設計変更する必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に使用される回路用部材の斜視図である。
【図2】(a)〜(c)は、回路用部材を金型にセットする手順を説明する側面図である。
【図3】従来の回路用部材の斜視図である。
【図4】(a)〜(c)は、従来の回路用部材を金型にセットする手順を説明する側面図である。
【符号の説明】
11 一方の回路用部材
12 他方の回路用部材
13 14 ブスバー
15 16 連結部
19 屈曲部
21 下型
23 上型
Claims (3)
- 内部回路を構成する複数本のブスバーが連結部によって間隔をあけた並列状態で連結されることにより回路用部材が形成されており、一方の回路用部材のブスバーの間に他方の回路用部材のブスバーが非接触で入り込むように回路用部材を金型に順次セットし、このセット状態で樹脂を成形してブスバーを固定する端子構造であって、
前記他方の回路用部材に、一方の回路用部材のブスバーと距離をおいて他方の回路用部材を金型に一時的にセットする位置調整部を設けたことを特徴とする端子構造。 - 請求項1記載の発明であって、
前記位置調整部は、前記金型に向かって屈曲するように他方の回路用部材に形成した屈曲部であることを特徴とする端子構造。 - 請求項2記載の発明であって、前記屈曲部を前記連結部に形成したことを特徴とする端子構造。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP09489198A JP3566544B2 (ja) | 1998-04-07 | 1998-04-07 | 端子構造 |
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