JP3563815B2 - 固形状水中油型乳化化粧料 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、携帯に便利なコンパクト状等の容器に充填して提供することができ、優れた保湿性とさっぱりした使用感を有する固形状の水中油型乳化化粧料に関する。さらに詳しくは、水、脂肪酸セッケン、高級脂肪族アルコール及びカラギーナンを含有し、水を多量に含有して成る、安定な固形状の水中油型乳化化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンパクト容器等に充填された固形状の化粧料は携帯に便利で、従来より好まれ、よく使用されている。水を配合した乳化化粧料を固形状とするには、油中水型の乳化系が用いられてきた。油中水型の乳化系は、皮膚への親和性,皮膚の保護や柔軟性の維持等の点で優れているが、べたつきや油っぽさといった使用感上好ましくない性状をも有していた。
【0003】
一方、水中油型乳化系は独特の清涼感を有し、保湿性に優れ、自然な仕上がりが得られる等好ましい性質を多く有しているが、一般に流動性を有し、コンパクト容器等の容器形態で提供するには不向きであった。この水中油型乳化化粧料を固形状とする試みもいくつかなされており、ι−カラギーナンとキサンタンガム及び/又はローカストビーンガムを併用したり(特開平4−279509)、寒天,ゼラチン,ケイ酸ナトリウムマグネシウム等の水溶性固化剤と、セルロース誘導体,アルギン酸ナトリウム,カラギーナン,キサンタンガムといった天然高分子やポリビニルアルコール,カルボキシビニルポリマー,ポリアクリル酸ナトリウムといった合成高分子などの水溶性粘結剤とを併用する(特開平5−178723)等により、水相の固形化が検討されている。
【0004】
しかしながら上記の技術では、2種以上の水溶性粘結剤或いは固化剤を併用する必要があり、かかる水溶性粘結剤や固化剤の品質管理をはじめ、適度で安定な硬度を付与するため製造工程上の管理を強化する必要があった。
【0005】
本発明は多量の水を含有して保湿効果が高く、さっぱりとした使用感と自然な仕上がりの得られる安定な固形状水中油型乳化化粧料を、より容易に提供することを目的とする。
【0006】
われわれは以前に、水、合成ケイ酸ナトリウムマグネシウム、ステアリン酸セッケン及び高級脂肪族アルコールを配合することにより、水中油型乳化化粧料を固形状とすることができることを見い出し、開示している(特開平3−141211)が、今回水、脂肪酸セッケン及び高級脂肪族アルコールを含有する水中油型乳化系にカラギーナンを加えることにより、コンパクト状等の容器に充填するのに適度な硬度を有し、且つ使用感及び安定性の良好な固形状乳化化粧料を得ることができることを見い出し、上記の課題を解決するに至った。
【0007】
すなわち、本発明の固形状水中油型乳化化粧料は、水、脂肪酸セッケン、脂肪族高級アルコール及びカラギーナンを含有して成る。
【0008】
本発明における水の配合量は、化粧料全量の20〜80重量%が適切であり、特に30〜70重量%の範囲が好ましい。このように多量の水を含有させることにより、優れた保湿性を発揮させることができる。
【0009】
脂肪酸セッケンは水中油型乳化物を得るための乳化剤として必要であり、パルミチン酸,ステアリン酸,ベヘニン酸等の水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,アルギニン塩等が好ましいものとして挙げられる。
【0010】
高級脂肪族アルコールは乳化物に適度な硬度を与えるのに必要であり、セチルアルコール,ステアリルアルコール,ベヘニルアルコール等が好ましい。配合量は0.5〜5.0重量%が適当で、特に1.0〜4.0重量%の範囲が好ましい。
【0011】
カラギーナンとしては、κ−カラギーナン,ι−カラギーナン,δ−カラギーナン或いはこれらの混合物を用いることができるが、特にκ−カラギーナン又はこれとι−カラギーナンとを併用することが好ましい。κ−カラギーナンは固化性は大きいが離水を起こしやすく、一方ι−カラギーナンは離水を起こしにくいが固化性は小さい。本発明においては、水、脂肪酸セッケン及び高級脂肪族アルコールを含有する乳化系にκ−カラギーナン又はこれとι−カラギーナンを併用することによって、特に良好な固形状と安定性を得ることができた。これらカラギーナンの配合量は0.3〜3.0重量%が好ましい。3.0重量%を越える量を配合すると硬度が高くなり過ぎ、使用性が悪くなる。
【0012】
上記の成分以外にも、スクワラン,流動パラフィン等の炭化水素油、ミリスチン酸イソプロピル,パルミチン酸イソプロピル,ミリスチン酸オクチルドデシル等のエステル油、アボカド油,アルモンド油,オリーブ油,大豆油,ヒマシ油等の植物油、タートル油,ミンク油等の動物油、カルナウバロウ,キャンデリラロウ,ホホバ油等の植物ロウ類、ミツロウ,ラノリン等の動物ロウ類、シリコーン油といった油脂類、グリセリン,ジエチレングリコール,ブチレングリコール,ポリエチレングリコール等の多価アルコール、アミノ酸類、ムコ多糖類といった保湿剤、防腐剤、香料など、一般的に化粧料に用いられる添加成分を配合することができる。
【0013】
そして、本発明に係る固形状水中油型乳化化粧料は、化粧下地クリーム,ファンデーション,アイカラー,チークカラー等のメイクアップ化粧料製剤として提供することができ、さらにコンパクトタイプのクリーム等皮膚化粧料にも応用することができる。
【0014】
【作用】
本発明に係る乳化化粧料は、通常の乳化法により良好に乳化し、乳化後冷却することにより固化して固形状を呈し、容器に充填することができる。そして適度な硬度を示すため、指先やパフ等の塗布具へのとれがよく、皮膚に塗布しやすい。また、多量の水分が水相中に良好に保持されるため、特に気密性を高めた構造を有する容器を用いなくても化粧料中の水分が揮散しにくく、保存安定性にも優れる。さらに多量の水分により良好な保湿性が得られるとともに、脂肪酸セッケンによる水中油型乳化物独特のさっぱりした清涼感のある使用感が得られる。
【0015】
【実施例】
さらに本発明の特徴について、実施例により詳細に説明する。以下に各実施例の処方を示す。
【0016】
[実施例1] 固形状水中油型乳化ファンデーション
製法:(7)〜(14)を(16)に添加して80℃に加熱し、ホモジナイザーにて均一に分散する。これに、あらかじめ混合し、80℃に加熱し溶解した(1)〜(6)を攪拌しながら添加し、乳化させる。ついで冷却し、50℃にて(15)を加えた後室温までさらに冷却し、コンパクト容器に充填する。
【0017】
[実施例2] 固形状水中油型乳化ファンデーション
製法:(6)〜(13)を(15)に添加して80℃に加熱し、ホモジナイザーにて均一に分散する。これに、あらかじめ混合し、80℃に加熱し溶解した(1)〜(5)を攪拌しながら添加し、乳化させる。ついで冷却し、50℃にて(14)を加えた後室温までさらに冷却し、コンパクト容器に充填する。
【0018】
[実施例3] 固形状水中油型乳化アイカラー
製法:(5)〜(11)を(13)に添加して80℃に加熱し、ホモジナイザーにて均一に分散する。これに、あらかじめ混合し、80℃に加熱し溶解した(1)〜(4)を攪拌しながら添加し、乳化させる。ついで冷却し、50℃にて(12)を加えた後室温までさらに冷却し、容器に充填する。
【0019】
[実施例4] 固形状水中油型乳化チークカラー
製法:(6)〜(14)を(16)に添加して80℃に加熱し、ホモジナイザーにて均一に分散する。これに、あらかじめ混合し、80℃に加熱し溶解した(1)〜(5)を攪拌しながら添加し、乳化させる。ついで冷却し、50℃にて(15)を加えた後室温までさらに冷却し、容器に充填する。
【0020】
上記の本発明の実施例について、安定性及び使用性の検討を行った。まず安定性は、容器に充填した後25℃に静置し、離水等の状態の変化を経時的に観察して評価した。その際、実施例1〜実施例4においてκ−或いはι−カラギーナンを寒天に代替したものをそれぞれ比較例1〜比較例4とした。評価は次の判断基準により行い、結果を表1に示した。
[判断基準]
○;離水や水分蒸発によるひび割れ等の状態変化が全く認められない。
△;離水或いは水分蒸発によるひび割れがわずかに認められる。
×;離水或いは水分蒸発によるひび割れが明確に認められる。
【表1】
【0021】
表1より明らかなように、本発明の実施例では、いずれにおいても3カ月経過後でも離水や水分蒸発による固形状粉体化粧料表面のひび割れは全く認められず、良好な乳化及び固化状態が保持されていた。これに対し、比較例2と比較例3では1週間後に離水等が見られ始め、比較例1及び比較例4でも1カ月経過後には離水等が進行し、製品価値を失っていた。
【0022】
一方、使用性は20才〜50才の女子パネラー30名による官能評価により評価した。官能評価は表2に示す評価基準により行わせて点数化し、30名の平均値を算出して表3に示した。この際、市販の固形状油中水型乳化ファンデーション,固形状油中水型乳化アイカラー及び固形状油中水型乳化チークカラーをそれぞれ比較例5,比較例6及び比較例7とした。
【表2】
【表3】
【0023】
表3より明らかなように、本発明の実施例ではいずれも市販品の固形状油中水型乳化化粧料とほぼ同程度の仕上がり感が得られており、伸びも平均的であった。そして、優れた清涼感と保湿性を有しており、べたつきもなく、汗や水に接することにより再乳化しやすいという欠点が改良され、化粧持ちも良好であった。これに対し各比較例では、べたつき感が大きく清涼感,保湿性に欠けるといった評価が得られた。
【0024】
また、本発明の実施例に係る固形状水中油型乳化化粧料を使用したパネラーにおいては、皮膚刺激性,皮膚感作性及び眼粘膜刺激性を認めた者はいなかった。
【0025】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明により、さっぱりした清涼感のある使用感と優れた保湿性を有し、安定性及び化粧持ちも良好な固形状の水中油型乳化化粧料を得ることができ、水中油型の乳化化粧料を、携帯に便利なコンパクト状等の容器に充填して提供することができる。
Claims (2)
- 水、脂肪酸セッケン、高級脂肪族アルコール及びカラギーナンを含有するコンパクト容器充填用の固形状水中油型乳化化粧料であって、
前記カラギーナンはκ - カラギーナン、又はκ - カラギーナンとι - カラギーナンの組み合わせであり、その配合量が0.3〜3.0重量%である、固形状水中油型乳化化粧料(キサンタンガム及び/又はローカストビーンガムを含有する固形状水中油型乳化化粧料を除く)。 - 水を20〜80重量%含有して成る、請求項1に記載の固形状水中油型乳化化粧料。
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