JP3563091B2 - 酸化リン脂質分解酵素およびその遺伝子 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は新規なリン脂質分解酵素に関し、さらに詳細には、動物細胞質内における酸化リン脂質消去機構に重要な役割を果たしている、酸化リン脂質分解酵素およびこれをコ−ドする遺伝子に関する。
【0002】
【従来の技術】
様々な酸素ストレスにより、膜構成成分であるリン脂質が酸化され、生体に種々な障害を惹起することが知られている。 生体にはこのような酸素ストレスに対する防御機構が備わっており、酸素ストレスによって生じた酸化リン脂質を酸化リン脂質分解酵素によって速やかに分解し、連鎖的酸化反応による障害を回避するとともに、リン脂質分子の修復に繋がるものと考えられている。
【0003】
この防御機構で重要な役割を担っている酸化リン脂質分解酵素については、正常リン脂質を分解するのと同一のホスホリパーゼA2がその役割を担っているとする見解(Sevanian, A., Stein, R. A. and Mead, J. F. Lipids 16, 781−789.1981)もあるが、ホスホリパーゼA2の酸化リン脂質分解活性が低いため、実際の生体内では、別の酵素がこの役割を担っていると考えられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
生体内において、酸素ストレスにより生じる様々な障害を防ぐためには、まず、生体内の酸素ストレスに対する防御機構を解明し、これに係わる酸化リン脂質分解酵素を特定することが必要である。
そして、このためには、この酸化リン脂質分解酵素を分離、精製することが必要であり、更に、この酵素を応用して抗酸素ストレス剤を開発するためには、この酵素の遺伝子を解明する必要がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、生体組織内に存在する酸化リン脂質分解酵素を分離、精製すべく研究に着手したが、最初に、従来の酸化リン脂質分解酵素のアッセイ法であるTLC(薄層クロマトグラフィー)法では、一度に12サンプル程度しか測定できず、しかも、結果が判明するのに5時間もかかり、検体数や精製酵素の失活等を考慮すると使用に耐えないものであることがわかった。
そこで、まず、新しい酸化リン脂質分解酵素のアッセイ法について検討を行ない、2時間程度の所要時間で、一度に40サンプル程度をアッセイできる方法として、14Cでラベルした酸化ホスファチジルコリン(酸化PC)を基質とする方法を確立した。
【0006】
更に、研究を進めた結果、酸化リン脂質分解酵素は、酸化PCと同様に、1−ヘキサデシル−2−アセチル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(Platlet activating factor, PAF)も基質とすることを見出し、この知見に基づいて3HラベルしたPAFを基質とする酸化リン脂質分解酵素アッセイ法も確立した。
【0007】
このPAFを用いる方法は、前記酸化PCを用いる系に較べて、▲1▼ PAFは純物質であるため、混合物である酸化PCを用いる場合より系を単純化できる、▲2▼ 2位の加水分解産物は酢酸であるので、溶媒分画の工夫により、未反応のPAFと完全に分離することができる、▲3▼ 3HラベルしたPAFが市販されているので、安定したアッセイ系を構築することができる等の利点を有するものである。
【0008】
本発明者らは、上記の測定法により、動物の種々の臓器の可溶性画分の酸化リン脂質分解酵素活性を測定し、該酵素活性が、脳、腎臓等の臓器に広く分布していることを見出した。
【0009】
そこで、本発明者は、酸化リン脂質分解酵素の取得原料としてウシ脳を選択し、各種の分離、精製手段を利用し、前記アッセイ法で酵素活性を追跡しつつ純度を高めていった結果、ほぼ純品として酸化リン脂質分解酵素を得た。
また、この酸化リン脂質分解酵素のペプチド配列から、公知方法に従って当該酵素をコ−ドする遺伝子を見いだした。
本発明は、これら知見に基づき完成されたものであり、生体内の酸素ストレス防御機構に重要な役割りをはたす酸化リン脂質分解酵素と、この酵素を遺伝子工学的に合成するために重要な当該酵素をコ−ドする遺伝子を提供するものである。
【0010】
本発明の酸化リン脂質分解酵素は、当該酵素を含有する動物等の各種生体組織から、酸化リン脂質分解酵素活性を指標とし、公知方法で分離、精製することにより得られるが、次の理由からウシの脳を利用することが好ましい。
【0011】
即ち、脳においては、▲1▼ 重要な抗酸化剤であるα−トコフェロール(ビタミンE)の濃度が他の臓器に比べて低いこと(Faud,J. and McNally, W. P., Arch. Int. Pharmacodyn. 250, 4−17 1981)、▲2▼ 虚血再灌流が発生することが多いこと、▲3▼ 単位重量あたりの酸素消費量が他の臓器に比べ圧倒的に多いこと、▲4▼ 脳神経細胞はほとんど分裂再生することがないので、一旦障害が生じるとそのダメージが大きいこと等の理由により、酸化リン脂質による障害が問題になりやすく、この障害を防ぐ酸化リン脂質分解酵素の存在量が多いと予想される。
また、生体内の存在量が少ない酵素を得るためには、多量の原料が必要とされるが、現在、大量の脳を容易に入手することができる大型動物として、ウシが最適である。
従って、酸化リン脂質分解酵素取得のための原料としてウシの脳を利用することが好ましいのである。
【0012】
以下、ウシ脳を原料とした場合を例に取り、酸化リン脂質分解酵素を得る方法を具体的に説明する。
【0013】
酸化リン脂質分解酵素を得るための原料であるウシ脳としては、屠殺直後のウシ全脳から、表面血管、白質、間脳を除いた後の灰白質を利用する。
【0014】
このウシ脳を、適当な緩衝液(例えば、250mMのショ糖と1mMのEDTAを含むpH7.4の10mMのトリス−塩酸緩衝液)で洗浄後、同じ緩衝液でホモジナイズし、遠心分離して細胞質可溶性画分を得る。
【0015】
この細胞質可溶性画分を常法に従って硫安分画して、45%〜60%ペレット(45%飽和上清にさらに60%飽和になるまで硫安を加えた時に生じる沈澱区分)を得る。
【0016】
このペレット画分を、疎水クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー等を組み合わせて、Superose 12 カラム(ファルマシア)で単一ピークを与えるまで精製することにより、酸化リン脂質分解酵素を得ることができる。
【0017】
このようにして得られた本酵素は、次のような理化学的性質を有していた。
(1)作用:
1−アシル−2−ω−カルボキシ脂肪酸アシル−3−ホスファチジルコリンを基質とし、2位のエステル結合を加水分解して、1−アシル−2−リゾ−3−ホスファチジルコリンを生成する。
(2)基質特異性:
2位のアシル基がω−カルボキシ脂肪酸アシル基またはアセチル基である1,2−ジアシル−3−ホスファチジルコリンを加水分解するが、2位のアシル基が炭素数6個以上の脂肪酸アシル基である1,2−ジアシル−3−ホスファチジルコリンを加水分解しない。
(3)反応至適pH:
pH7.0〜8.0
(4)阻害剤:
酵素反応は、1mMのp−ブロモフェナシルブロマイド(BPB)および1mMのジイソプロピルフロロフォスフェート(DFP)によって阻害されるが、1mMのヨードアセトアミド(IAM)によって阻害されない。
(5)カルシウムイオンによる活性化:
酵素活性は、4mMの塩化カルシウムによってわずかに増強される。
(6)分子量: 95±5kDa(ゲル濾過法による)
(7)サブユニット:
SDS−ポリアクリルアミド電気泳動の結果では、本酵素は分子量がそれぞれ29kDa、30kDaおよび45kDaと評価される3個のサブユニットより構成される。
【0018】
本発明の酸化リン脂質分解酵素は、上記(7)に記し、また後述の実施例で詳しく示すように、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)の結果により、45kDa、30kDaおよび29kDaの3つのサブユニットから構成されるヘテロトリマーであることが明らかにされている。
【0019】
また、本酵素をヘパリンセファロースまたは硫酸化セルロファインカラム処理に付すことにより、45kDaがはずれた30kDa−29kDa複合体を得ることができ、得られたこの複合体は本酵素と同様の活性を示していた。
一方、本酵素をトリチウムラベルしたジイソプロピルフロロフォスフェートと反応させると、29kDaのサブユニットのみが特異的にラベルされるので、本酵素の活性は29kDaのサブユニット中に存在する活性セリン残基が担っているものと考えられる。 従って、29kDaサブユニットは、単独で合成酸化リン脂質分解酵素等として使用できるものである。
【0020】
本発明の酸化リン脂質分解酵素を構成する各サブユニットの一次構造の決定は、常法に従い、相当する完全長cDNAをクローニングして塩基配列を決定し、これに相当するアミノ酸配列を決定すれば良い。
即ち、本酵素の各サブユニットを酵素分解によりペプチド断片を得て、このアミノ酸配列を決定した後、これに相当する塩基配列を有するオリゴマーを合成し、これをプローブとしてcDNAライブラリーより完全長cDNAをクローン化する。
得られた完全長cDNAの塩基配列を自動シーケンサーで決定し、翻訳開始コドンを推定した後、対応するアミノ酸配列を決定することにより各サブユニットのアミノ酸配列が決定できる。
【0021】
このようにして得られた本酵素の各サブユニットをコードする遺伝子の塩基配列は、29kDaのものについては、後記配列表の配列4で、30kDaのものについては配列5で、45kDaのものについては、配列6でそれぞれ示される通りである。
また、これらから推定される本酵素の各サブユニットのアミノ酸配列は、29kDaのものが後記配列表の配列1、30kDaのものが配列2、45kDaのものが配列3でそれぞれ示されるとおりである。
【0022】
なお、本明細書において、相同性を有するアミノ酸配列とは、配列の一部にアミノ酸の置換、欠失、付加等があるが、機能は元のアミノ酸配列で表されるペプチドと同一であるものをいう。
【0023】
【作用】
以上のようにして得られた本発明の酸化リン脂質分解酵素は、後記実施例においても示すように、酸化リン脂質を選択的に分解するものである。
従って、本酵素は細胞原形質膜やオルガネラ膜が酸化されて生じる酸化リン脂質を分解し、連鎖的酸化反応による障害から膜を守ると共にリン脂質分子の修復再生を促す作用を有するものと考えられる。
【0024】
【発明の効果】
本発明の酸化リン脂質分解酵素は、選択的に酸化リン脂質を分解するので、生体内のリン脂質の酸化に起因して生じる疾患、例えば、虚血再灌流による組織障害、炎症、有機塩素化合物等による肝障害、成人呼吸促進症候群等の疾患の予防・治療用の医薬や生化学試薬として利用できるものである。
【0025】
また、本発明の酸化リン脂質分解酵素をコ−ドする遺伝子は、これを遺伝子操作の手法により大腸菌等の宿主で発現させることにより、本酵素を大量に得ることも可能である。
【0026】
更に、上記遺伝子をCHO細胞等に導入して、酸化リン脂質消去機構を評価するアッセイ系を構築することもできる。
【0027】
【実施例】
以下、実施例および参考例により、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。
【0028】
参 考 例 1.
酸化リン脂質分解酵素基質の調製:
(a)1−パルミトイル−2−[1−14C]−リノレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(2−14C−リノレオイルPC) の合成
1−パルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(リゾPC)5μmol(Bachem Feinchemikalien 社)と[1−14C]−リノレイン酸 3.5μmol(203μCi)(New England Nuclear 社)を混合し、エバポレーション後、6.25mlのリン酸バッファー(pH 7.4)にサスペンドした。
【0029】
これに、ラット肝臓のミクロソームフラクション(7.2mg/ml)を1.5ml、100mM ATPを1.25ml、100mM MgCl2 を1.25ml、5mM CoAを0.75ml加え、37℃で30分間インキュベーションして、Bligh & Dyer法(Bligh, E. G. and Dyer, W. J. Can. J. Biochem. Physiol.
37, 911 1959) により、総脂質を抽出後、溶媒を除去した。
【0030】
これを少量のクロロホルムに溶かし、CM セルロース 52カラム(1.5×5.0cm)(Whatman 社) に付し、クロロホルム/メタノール(99:1)混液でカラムを洗浄して未反応のリノール酸を溶出した後、クロロホルム/メタノール(96:4)の混液で溶出した。 TLCでモニターしながら、全溶出画分を集め、溶媒除去後、クロロホルム/メタノール(2:1)の混液に溶解して保存した。 放射活性の回収率は約55%であった。
【0031】
(b)比放射活性(スペック)の調整と酸化
上記(a)で得られた 2−14CリノレオイルPC(ホット)と非放射性(コールド)の2−リノレオイルPC(Serdary Research Laboratories 社)を混合してスペックを約3000dpm/nmolに調整し、Gerlachらの方法(Gerlach, E. and Deuticke, B. Biochem. J. 337, 447. 1969)でリンの定量を行って正確なスペックを測定した。
【0032】
スペック調製後のPCは Shimojoらの方法(Shimojo, T., Abe, M. and Ohta,M. J. Lipid Res. 15, 525−527. 1974)に従い酸化した。 即ち、スペック調製後のPC 7.5μmolを溶媒除去後、90%酢酸 1.5mlに溶解し、これに、24mM 過マンガン酸カリウム/20mM 過ヨウ素酸ナトリウム水溶液から成る酸化溶液を撹拌しながら200μlずつ20回(計4ml)加え、更に室温で2時間撹拌した。
【0033】
反応終了後、20%亜硫酸ナトリウム少量を加え、未反応の酸化剤を失活させた後、1N塩酸でpHを2に調整し、Bligh & Dyer法で3回抽出した。 総抽出物を合わせて溶媒を除去し、少量のクロロホルムに溶解し、分取用シリカゲルプレートを用いる薄層クロマトグラフィー(TLC)に付して、クロロホルム/メタノール/アンモニアの混液(65:35:10)で展開した。 コントロールとして同時に2−リノレオイルPC及び2−アゼラオイルPCの標品の展開した。
【0034】
展開後、ヨード発色によって同定されたコントロールの位置と、TLCスキャナーによる放射活性の分布を参考に、酸化PCに相当する区分を分取した。 これを酢酸酸性下に Bligh & Dyer 法で3回抽出し、溶媒除去後クロロホルム/メタノール混液(2:1)に溶解して−20℃で保存した。
【0035】
参 考 例 2.
酸化PCを用いる酸化リン脂質分解酵素活性の測定:
酸化PCを用いる酸化リン脂質分解酵素活性の測定は、基質として参考例1で得られた酸化PCを20nmol(60000 dpm)を含む、最終濃度50mMのトリス−塩酸緩衝液(pH7.4)に、必要に応じて5mMのEDTAまたは4mMのCaCl2を加え、これに測定すべき試料(酵素源)を加えて250μlとする。
【0036】
氷上でこれらを試験管内で混合後、37℃、30分インキュベーションした後、クロロホルム/メタノール混液(1:1)560μlを加えて反応を停止させる。5分間ボルテックスミキサーで激しく混合した後、3000rpmで5分間遠心分離し、二層に分ける。 上層を300μl分取し、クリアゾルI(ナカライテスク)3mlと混合し、液体シンチレーションカウンターで放射活性を測定する。 放射活性の強さから、2位の加水分解によって生じたジカルボン酸の量を計算して酵素活性を算出する。
【0037】
参 考 例 3.
PAFを用いる酸化リン脂質分解酵素活性の測定:
(a) 基質の調製
1−ヘキサデシル−2−[3H]アセチル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(ホットPAF、Bachem Feinchemikalien 社)と非放射性PAF(コールドPAF)を混合してスペックを約3000dpm/nmolに調整し、同様にリンの定量を行って正確なスペックを測定した。
【0038】
(b) PAFを用いる酸化リン脂質分解酵素活性の測定
PAFを用いる酸化リン脂質分解酵素活性の測定は参考例2と同様に行った。即ち、基質としてステップ1で得られたラベル化PAFの20nmol(60000dpm)を含む、最終濃度50mMのトリス−塩酸緩衝液(pH7.4)に、必要に応じて5mMのEDTAまたは4mMのCaCl2を加え、これに測定すべき試料(酵素源)を加えて250μlとする。
【0039】
氷上でこれらを試験管内で混合後、37℃、30分インキュベーションした後、クロロホルム/メタノール混液(4:1)2.5mlを加えて反応を停止させる。水 0.25mlを加えた後、5分間ボルテックスミキサーで激しく混合して、3000rpmで5分間遠心分離し、二層に分ける。 上層を600μl分取し、クリアゾルI(ナカライテスク)3mlと混合し、液体シンチレーションカウンターで放射活性を測定する。 放射活性の強さから、2位の加水分解によって生じた酢酸の量を計算して酵素活性を算出する。
【0040】
実 施 例 1.
ウシ脳からの酸化リン脂質分解酵素の精製:
(a) ウシ脳細胞質可溶性画分の調製
ウシ脳約500gから、表面血管、白質、間脳を除き、約300gの灰白質を得た。 これを250mMのシュークロースと1mMのEDTAを含む10mMのトリス−塩酸緩衝液(pH7.4、以下SETバッファーと称す)で3回洗浄した後、約600mlのSETバッファーを加え、ナショナルMX−V350型ミキサーで30秒間ホモジナイズした。
【0041】
これを計5回繰り返した。 得られたホモジネートをトミー遠心機(No.9, 10krpm)で20分間遠心して固形物を除いた後、上清を1時間、10万G超遠心(日立−70P, RP42 roter, 40krpm)処理して、約570mlのウシ脳細胞質可溶性画分を得た。 ローリー法による蛋白濃度は約11.6mg/mlであった。
【0042】
(b) 硫安分画
上記(a)で得たウシ脳細胞質可溶性画分300mlに、常法に従って固形硫安(和光純薬の酵素精製用)をオズボーンの飽和度で、45%飽和になるように氷中撹拌しながら少しづつ加えた。 添加終了後さらに30分間撹拌し、トミー遠心機(No.9, 10krpm)で20分間遠心して沈殿と上清に分離した。 上清に60%飽和になるように更に固形硫安を加え、同様に処理して沈澱を得た(この画分を45〜60%ペレットと称する)。
【0043】
(c) ブチルトヨパールカラムクロマトグラフィー
上記(b)で得た45〜60%ペレットを1mMのEDTAを含む10mMのトリス塩酸緩衝液(pH7.4)150mlにサスペンドし、5000mlの同緩衝液に対して透析した。 透析後、30%飽和になるように硫安を加え、僅かに生じた沈殿を遠心分離(3500rpm, 10分)で除去した。 この遠心上清を30%飽和の硫安を含む上記緩衝液で平衡化したブチルトヨパール650M(東ソー)のカラム(2.5×18cm)に付し、30%飽和の硫安を含む上記緩衝液で洗浄した後、上記緩衝液中、500mlの30%飽和から0%飽和の硫安の直線濃度勾配で溶出した。
【0044】
280nmの紫外吸収でモニターしながら8mlずつ分画し、各フラクションを5mMのEDTAを含むPAFの系で活性を測定した。 メインの活性区分は10%飽和硫安濃度付近で溶出される紫外吸収のピークに一致して認められた。
この結果を図1に示す。
【0045】
(d) DEAEセファロースCL−6Bカラムクロマトグラフィー
上記(c)で得た活性区分を、1mMのEDTAおよび10%のグリセロールを含む10mMのトリス塩酸緩衝液(pH7.4、以下TEGバッファーと称する)5000mlに対して透析した。 透析後、TEGバッファーで平衡化したDEAEセファロースCL−6B(ファルマシア)のカラム(1.5×15cm)に付し、TEGバッファーで洗浄した後、TEGバッファー中400mlの0mMから300mMのNaClの直線濃度勾配で溶出した。
【0046】
280nmの紫外吸収でモニターしながら6mlずつ分画し、各フラクションを5mM EDTAを含むPAFの系で活性を測定した。 メインの活性区分はNaCl濃度130mM付近に紫外吸収のピークと分離して認められた。
この結果を図2に示す。
【0047】
(e) ハイドロキシアパタイトカラムクロマトグラフィー
上記(d)で得た活性区分を、そのまま、5mMの2−メルカプトエタノールと10%のグリセリンを含むカリウム−燐酸緩衝液(pH6.8、以下バッファーAと称する)で平衡化したハイドロキシアパタイトカラム(1.5×15cm)に付し、バッファーAで洗浄した後、400mlの10mMから300mMのKH2PO4−KOHの直線濃度勾配で溶出した。
【0048】
280nmの紫外吸収でモニターしながら6mlずつ分画し、各フラクションを5mMEDTAを含むPAFの系で活性を測定した。 メインの活性区分は、KH2PO4−KOH濃度110mM付近に紫外吸収のピークと一致して認められた。 この精製ステップでの本酵素の純度は約70%であった。
この結果を図3に示す。
【0049】
(f) mono Q FPLCカラムクロマトグラフィー
上記(e)で得た活性区分を、3000mlのバッファーAに対して透析後、FPLCシステム(ファルマシア)を用いて、バッファーAで平衡化したmono Qカラム(ファルマシア)に0.5ml/minの流速で吸着させた。 カラムを同じ流速で10mlのバッファーAで洗浄した後、バッファーA中、28mlの0mMから200mMのNaClの直線濃度勾配で溶出した。
【0050】
280nmの紫外吸収でモニターしながら0.5mlずつ分画し、各フラクションを5mMEDTAを含むPAFの系で活性を測定した。 メインの活性区分は、NaCl濃度125mM付近に紫外吸収のピークと一致して認められた。
この結果を図4に示す。
【0051】
(g) 精製サンプルのゲル濾過による純度確認
上記(f)で得た活性区分を、100μlを、FPLCシステムを用いて、バッファーAで平衡化したSuperose 12カラム(ファルマシア)に0.25ml/minの流速で添加した。 カラムを280nmの紫外吸収でモニターしながら同じ流速で展開すると、図5に示すように95kDaの箇所に1ピークの吸収が認められ、酵素活性もこのピークに一致して認められた。
【0052】
ここまでの精製で得られた各ステップの精製テーブルを表1に示す。
【0053】
実 施 例 2.
酸化リン脂質分解酵素の性状及び構造解析:
(a) 分子量の測定
実施例1の(g)で、本酵素の分子量が約100kDaと評価されたが、本酵素を Laemmli(Laemmli, U. K., Nature 227, 680−685, 1970)の方法に従って、ゲル濃度12%、2−メルカプトエタノール存在下でSDS−PAGE分析を行うと、図6に示すように、29kDa、30kDaおよび45kDaに相当する3個のスポットを与えた。
このことから、本酵素は29kDa、30kDaおよび45kDaの3個のサブユニットからなるヘテロトリマー構造をしていることが示唆された。
【0054】
(b) ヘパリンセファロースによる、45kDaサブユニットの分離
実施例1の(e)の粗精製画分 15mlをバッファーAに対して透析し、バッファーAで平衡化したヘパリンセファロース(ファルマシア)のカラム(1×5cm)に通液すると、酵素活性の約80%は吸着されずにカラムを素通りした。 通液後、バッファーAでカラムを洗浄すると、活性はテーリングしながら徐々に溶出された。
【0055】
約30mlの洗浄後に、バッファーA中、30mlの0Mから1.5MのNaCl濃度の直線濃度勾配で溶出すると、酵素活性はNaCl約0.3M付近に溶出された。 これらのフラクションを(a)の方法でSDS−PAGE分析を行うと、通過液には、29kDa、30kDaおよび45kDaの3個のスポットが、溶出区分には、29kDaおよび30kDaの2個のスポットが観察された。 さらに、NaCl約0.6M付近に溶出されるフラクションは、45kDaの1個のスポットのみを与えた。
【0056】
(b)の溶出区分は、実施例1の(g)の方法で、分子量約50kDaの箇所にシングルピークを与えた。 このことから、この溶出区分はもとの酵素から45kDaのサブユニットがはずれた構造を有すると推定された。 また、この溶出区分は、もとの酵素と同様の活性を有していた。
【0057】
(c) 精製酵素の基質特異性の測定
実施例1の(f)で得られた本精製酵素の基質特異性を、PAF、PC、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、リゾPCおよび酸化PCについて検討した。 PC、PEおよびリゾPCに対する分解活性は、4mM CaCl2の存在下、Doleらの方法(Dole, V. P. and Menertz, H. J. Biol. Chem. 253, 2595
(1960))で測定した。 酸化PCおよびPAFに対する活性は、参考例2および3の方法で測定した。 結果を表2に示す。
【0058】
【0059】
表2の結果から、本酵素は酸化PCおよびPAFに対して分解活性を示すが、正常のPCおよびPEに対しては全く分解活性を示さず、また、2位が既に加水分解されているリゾPCに対しても全く分解活性を示さないことが判明した。即ち、本酵素は酸化リン脂質分解の最初のステップに作用すると推定された。
【0060】
(d) 精製酵素の阻害剤感受性の測定
実施例1の(f)で得られた精製酵素(40mg/ml)に、0.1mMおよび1mMの最終濃度になるようにヨードアセトアミド(IAM)、p−ブロモフェナシルブロマイド(BPB)およびジイソプロピルフロロフォスフェート(DFP)を加え、室温で10分間プレインキュベーション後の活性の変化を調べた。結果を表3に示す。
【0061】
【0062】
表3に示すように、精製酵素はDFPによって強く阻害され、また、1mMという高濃度のBPBによっても阻害されたが、IAMによっては全く阻害されなかった。このことから、本酵素の活性中心には不可欠なセリン残基及びヒスチジン残基が存在することが推定された。
【0063】
(e) トリチウムラベルによる、活性を担うサブユニットの同定
上記(d)で示したように、本精製酵素はDFPによって強く阻害されるので、標識DFPを用いて活性を担うサブユニットを同定した。 すなわち、精製酵素50μg(50μlのバッファーA溶液)にトリチウムラベルしたDFP(10μCi、1.16nmol、New England Nuclear)を加え、室温で30分間インキュベートした後、実施例2(a)の方法でSDS−PAGEを行い、CBB染色後、エンハンサー(En3Hance, New England Nuclear)で1時間処理した。
【0064】
処理後ゲルを乾燥し、フィルム(XRP−5、コダック)と密着させて、−70℃で4日間露光した。 その結果、29kDaのサブユニットだけが特異的にラベルされ、これに活性セリン残基が存在することが明かとなった。
【0065】
(f)酵素活性のpH依存性の測定
参考例3の方法を用い、5mMのEDTA存在下に緩衝液を代えて反応pHを4.0〜9.0の間、0.5きざみで変化させて(pH4.0〜5.5の間は100mM酢酸緩衝液、pH5.5〜7.0の間は100mMトリス−マレート緩衝液、pH7.0〜9.0の間は100mMトリス−塩酸緩衝液を用いた)酵素活性を測定した。 その結果、本酵素の至適pHは7.0〜8.0であることが判明した。
【0066】
(g)カルシウムイオンの酵素活性に及ぼす影響の評価
参考例3の測定法で5mMのEDTAの代わりに4mMのCaCl2を加えて酵素活性を測定した。その結果、カルシウムの添加により、酵素活性は約1.3倍に増強されることが判明した。
【0067】
実 施 例 3.
精製酵素のペプチド断片の一次構造の決定:
精製した本酵素の一次構造を解析する目的で、本酵素を還元ピリジルエチル化した後API消化し、各ペプチド断片の構造決定を試みた。 API消化後、逆相HPLCにより各ペプチド断片を回収し、10個のペプチド断片について常法に従い、アミノ酸シーケンサーで構造決定を行った。 各ペプチド断片のアミノ酸配列を以下の配列番号7〜16に示す。
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
実 施 例 4.
酸化脂質分解酵素各サブユニットcDNAの構造決定
(a)ウシ脳由来のmRNAの調製
ISOGEN(和光純薬)を用いてウシ脳から、RNAを調製し、Oligotex−dT30<Super>(宝酒造)を用いて、mRNAを精製した。
【0073】
(b) ウシ脳由来のcDNAプラスミド・ライブラリーの調製
(1)ファースト・ストランドcDNAの合成
ウシ脳由来のmRNA 5μgから、GIBCO社のSuperScript dT17プラスミドシステムを用いて、cDNAを合成した。 先ず、2μlのNotIプライマー・アダプターを、ジエチルピロカーボネート(DEPC)処理蒸留水5μlに溶解したmRNA 5μgに加え、70℃にて10分間加熱した後、氷上で冷却した。
【0074】
5×ファースト・ストランド緩衝液4μl, 0.1 MDTT溶液2μl、10mM dNTPs 1μl及びDEPC処理蒸留水1μl を添加し、37℃にて2分間保温した。 5μlのSuperScript逆転写酵素を加え、37℃にて1時間保温した後、氷上に置き反応を停止した。
【0075】
(2)セカンド・ストランドcDNAの合成
ファースト・ストランドcDNAの合成に用いた20μlの反応液のうち18μlに、DEPC処理蒸留水 93μl、5×セカンド・ストランド緩衝液 30μl、10mM dNTPs 3μl、10U/ml E.coli DNAリガーゼ1μl、10U/ml E.coli DNAポリメラーゼ 4μl、及び2U/ml E.coli RNaseH 1μlを添加し、16℃にて2時間保温した。これに、2μl(10U)のT4DNAポリメラーゼを添加し、16℃にて5分間保温した。
【0076】
反応液を氷上に置き10μlの0.5M EDTA及び150μl のフェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(25:24:1)を加えて、激しく撹拌した後、14,000×gにて10分間遠心し、上清140μl を新たな遠心チューブに移した。 7.5M 酢酸アンモニウム 70μl 及びエタノール 0.5mlを加えて撹拌し、−80℃にて30分間放置した。14,000×gにて10分間遠心し、上清を除いた後、0.5ml の70%エタノールで沈殿を洗浄し、減圧下で乾燥した。
【0077】
(3)BstXIアダプターの付加
上記のcDNA沈殿を、25μlのDEPC処理蒸留水に溶解し、5×T4DNAリガーゼ緩衝液10μl、BstXI アダプター(Invitrogen 社)10μl及びT4DNA リガーゼ5μlを添加し、16℃にて16時間保温した。 50μlのフェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(25:24:1)を加えて、激しく撹拌した後、14,000×gにて5分間遠心し、上清45μlを新たな遠心チューブに移した。
【0078】
7.5M 酢酸アンモニウム 25μl及びエタノール 150μlを加えて撹拌し、−80℃にて30分間放置した。 14,000×gにて10分間遠心し、上清を除いた後、0.5mlの70%エタノールで沈殿を洗浄し、減圧下で乾燥した。
【0079】
(4)NotI消化
上記のcDNA沈殿を、41μlのDEPC処理蒸留水に溶解し、REACT7緩衝液5μl及びNotI 4μlを添加し、37℃にて2時間保温した。50μlのフェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(25:24:1)を加えて、激しく撹拌した後、14,000×gにて10分間遠心し、上清45μlを新たな遠心チューブに移した。
【0080】
(5)アダプターの除去と部分的cDNAのサイズ分画
上記のcDNA溶液を、Quick Spin Column Linker 5(BMY社)を用いて分画して、40ng/μlのcDNAが50μl得られた。
【0081】
(6)cDNAのプラスミドベクターへの組み込みと大腸菌のエレクトロポレ ーション
上記のcDNA溶液3μl に、NotI及びBstXI消化した、pRC/CMV(Invitrogen社)ベクター(29ng/μl)を1μl加え、Takara LigationキットA液 32μl及びB液 4μlを添加し、16℃にて30分間保温した。 40μlのフェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(25:24:1)を加えて、激しく撹拌した後、14,000×gにて10分間遠心し、上清35μlを新たな遠心チューブに移した。
【0082】
7.5M 酢酸アンモニウム 25μl及びエタノール 150μlを加えて撹拌し、−80℃にて30分間放置した。14,000×gにて10分間遠心し、上清を除いた後、0.5mlの70%エタノールで沈殿を洗浄し、減圧下で乾燥し、5μl の蒸留水に溶解した。 Electro Max DH10Bコンピテントセル(BRL社)50μlを用いてトランスフォーメーションを行い、206,000クローンの組み換え体を得た。 またBstXI消化したpRC/CMV(Invitrogen社)ベクター(29mg/ml)を用いて同様に、505,400クローンの組み換え体を得た。
【0083】
(c) MOPAC(Mixed Oligonucleotide Primed Amprification of cDNA) による酸化脂質分解酵素29kDaサブユニットcDNAのクローニング
上記(b)(5)で得られたcDNA 5ngをPCR反応の鋳型DNAとして、10×PCR緩衝液5μl、1.25mM dNTPs 8μl、10OD/mlプライマー(下記配列番号17、18)各々1μlを添加して、総量をDPC処理蒸留水にて49μlとし、95℃にて5分間加熱した後、5U/ml TaqDNAポリメラーゼ(Perkin ElmerCetus社)0.25μlを添加して、94℃にて1分間、58℃にて2分間、72℃にて2分間の反応サイクルを35回行い、72℃にて10分間保温した。
【0084】
(配列番号17)
GGYTG NCKYT CRTTN AC
(配列番号18)
CAYCA RTGYG ARATH TG
【0085】
PCR反応産物(230bp)のバンドを2%アガロースゲルによる電気泳動にて確認し、クロロホルムを用いてミネラルオイルを除いた後、Suprec TM02(宝酒造)を用いて過剰のプライマー及びdNTPを除去した後フェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(25:24:1)を加えて、激しく撹拌した後、14,000×gにて10分間遠心し、上清45μlを新たな遠心チューブに移した。 7.5M 酢酸アンモニウム 25μl及びエタノール 150μlを加えて撹拌し、−80℃にて30分間放置した。 14,000×gにて10分間遠心し、上清を除いた後、0.5mlの70%エタノールで沈殿を洗浄し、減圧下で乾燥し、5μlの蒸留水に溶解した。
【0086】
pCRII(Invitrogen社)に挿入した後、大腸菌DH5α Max Efficiency competent cells(BRL社)をトランスフォーメーションした。 トランスフォーマントのプラスミドDNAについてM13 リバース CAGGAAACAGCTATGAC 及びM13(−20)フォワ−ド GTAAAACGACGGCCAG を用いたPCRによりクローン化を確認し、クローン化した後、培養を行い、プラスミドDNAをCsCl及び超遠心を用いて精製し、挿入DNA断片の一次構造配列をM13フォワ−ドプライマー及びM13リバースプライマーを用いて決定した(Applied Biosystems社の自動シーケンサー、モデル370A)。
【0087】
その結果、配列表の配列番号4のヌクレオチドの番号231〜461に相当する231bpの配列が明かとなり、実施例3で明らかになった配列番号9の14アミノ酸(RELFSPLHALNFGI)、配列番号7の12アミノ酸(IVVVWVGTNNHG)及び配列番号8の5アミノ酸(AIVQL)が存在し、このPCR反応産物が過酸化脂質分解酵素29kDaサブユニットcDNAの一部であることが明らかとなった。
【0088】
明らかになった29kDaサブユニットcDNAの塩基配列を基に合成した2種のオリゴマー(下記配列番号19、20)を用いて、Kwiatkowski,Jr.,T.J., Zoghbi, H.Y., Ledbetter, S. A., Ellison, K. A. and Chinault, A. C. (1990) Nucleic Acids Res. 18: 7191−7192 の方法に準じてPCRを利用して完全長cDNAをクローン化した。
【0089】
(配列番号19)
ATGTG CTGTG GCGTC TGG
(配列番号20)
AGTGT GCCCG TGGTT GTT
【0090】
(b)(6)で作製したウシ脳由来のcDNAプラスミド・ライブラリーを96穴プレートに各ウェルに50クローンとなるように希釈して一夜静置培養を行い、縦列12列を1プールとして菌液を回収した。
【0091】
この菌液 0.5μlをPCR反応の鋳型DNAとし、これに10×PCR緩衝液5μl、1.25mM dNTPs 8μl、10 OD/mlプライマー(上記配列番号20、21)各々1μlを添加して、総量をDPC処理蒸留水にて49μlとした。 これを95℃にて5分間加熱した後、5U/ml TaqDNAポリメラーゼ(Perkin ElmerCetus社)0.25μlを添加して、94℃にて1分間、58℃にて1分間、72℃にて2分間の反応サイクルを35回行い、72℃にて10分間保温した。 2%アガロースゲル電気泳動による解析を行った。
【0092】
電気泳動にてPCR反応産物(107bp)のバンドが確認できるプールについてさらにPCRを行い、PCR反応産物(107bp)のバンドが確認できるプールをLB寒天培地にプレーティングし、各々のコロニーについてPCRを行い、クローン化した。 クローン化した後に、培養を行いプラスミドDNAをCsCl及び超遠心を用いて精製し、挿入DNA断片の一次構造配列を決定した(Applied Biosystems社の自動シーケンサー、モデル370A)。
【0093】
この結果は、配列表の配列番号4に示す。 翻訳開始メチオニンはヌクレオチド77番目と考えられ、5’非翻訳領域は76bpであった。 29kDaサブユニットcDNAの一次構造配列が明かになり、構造遺伝子のアミノ酸残基数は232、推定分子量は26901.94(翻訳開始メチオニンを含む)であった。 配列番号9が、配列表の配列番号4のアミノ酸番号36より72に、配列番号7が、配列表の配列番号4のアミノ酸番号96より111に、配列番号8が、配列表の配列番号4のアミノ酸番号119より145に見いだされた。
【0094】
(d) MOPACによる過酸化脂質分解酵素30kDaサブユニットcDNA のクローニング
(b)(5)で得られたcDNA 5ngをPCR反応の鋳型DNAとして、10×PCR緩衝液 5μl、1.25mM dNTPs 8μl、10 OD/mlプライマー(下記配列番号21、22)各々1μlを添加して、総量をDPC処理蒸留水にて49μlとした。
【0095】
(配列番号21)
AARGA RCCCN GAYGT NYT
(配列番号22)
NARNG GRTTN GGYTT KT
【0096】
これを95℃にて5分間加熱した後、5U/ml TaqDNAポリメラーゼ(Perkin ElmerCetus社)0.25μlを添加して、94℃にて1分間、58℃にて1分間、72℃にて2分間の反応サイクルを35回行い、72℃にて10分間保温した。 2%アガロースゲル電気泳動による解析を行った。
【0097】
PCR反応産物(360bp)のバンドを電気泳動にて確認し、クロロホルムを用いてミネラルオイルを除いた後、SuprecTM02(宝酒造)を用いて過剰のプライマー及びdNTPsを除去した後フェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(25:24:1)を加えて、激しく撹拌した後、14,000×gにて10分間遠心し、上清45μlを新たな遠心チューブに移した。 7.5M 酢酸アンモニウム 25μl及びエタノール 150μlを加えて撹拌し、−80℃にて30分間放置した。
【0098】
これを14,000×gにて10分間遠心し、上清を除いた後、0.5mlの70%エタノールで沈殿を洗浄し、減圧下で乾燥し、5μlの蒸留水に溶解した。pCRII(Invitrogen社)に挿入した後、大腸菌DH5α Max Efficiency competent cells(BRL社)をトランスフォーメーションした。 トランスフォーマントのプラスミドDNAについてM13 リバース CAGGAAACAGCTATGAC及びM13(−20)フォワ−ド GTAAAACGACGGCCAGを用いたPCRによりクローン化を確認し、クローン化した後培養を行い、プラスミドDNAをCsCl及び超遠心を用いて精製し、挿入DNA断片の一次構造配列をM13 フォワ−ドプライマー及びM13 リバースプライマーを用いて決定した(Applied Biosystems社の自動シーケンサー、モデル370A)。
【0099】
その結果、配列表の配列番号5のヌクレオチド番号1〜336に相当する336bpの配列が明かとなり、実施例3で明らかになった配列番号9の9アミノ酸(FVGDSMVQL)および配列番号11の10アミノ酸(IIVLGLLPRG)が存在し、このPCR反応産物が過酸化脂質分解酵素30kDaサブユニットcDNAの一部であることが明らかとなった。
【0100】
(e)MOPACによる過酸化脂質分解酵素45kDaサブユニットcDNAのクローニング
上記(b)(5)で得られたcDNA 5ngをPCR反応の鋳型DNAとして、10×PCR緩衝液5μl、1.25mM dNTPs 8μl、10 OD/mlプライマー(下記配列番号23、24)各々1μlを添加して、総量をDPC処理蒸留水にて49μlとし、95℃にて5分間加熱した後、5U/ml TaqDNAポリメラーゼ(Perkin ElmerCetus社) 0.25μlを添加して、94℃にて1分間、58℃にて1分間、72℃にて2分間の反応サイクルを35回行い、72℃にて10分間保温した。 2%アガロースゲル電気泳動による解析を行った。
【0101】
(配列番号23)
GGNTA YGARG ARGCN TA
(配列番号24)
TGRTT NGGNC KNACC AT
【0102】
PCR反応産物(660bp)のバンドを電気泳動にて確認し、クロロホルムを用いてミネラルオイルを除いた後、SuprecTM02(宝酒造)を用いて過剰のプライマー及びdNTPsを除去した後フェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(25:24:1)を加えて、激しく撹拌した後、14,000×gにて10分間遠心し、上清45μlを新たな遠心チューブに移した。 7.5M 酢酸アンモニウム 25μl及びエタノール 150μlを加えて撹拌し、−80℃にて30分間放置した。14,000×gにて10分間遠心し、上清を除いた後、0.5mlの70%エタノールで沈殿を洗浄し、減圧下で乾燥し、5μlの蒸留水に溶解した。
【0103】
pCRII(Invitrogen社)に挿入した後、大腸菌DH5α Max Efficiency competent cells(BRL社)にトランスフォーメーションした。 トランスフォーマントのプラスミドDNAについてM13 リバース CAGGAAACAGCTATGAC 及びM13(−20)フォワ−ド GTAAAACGACGGCCAGを用いたPCRによりクローン化を確認し、クローン化した後培養を行いプラスミドDNAをCsCl及び超遠心を用いて精製し挿入DNA断片の一次構造配列をM13 フォワ−ドプライマー及びM13 リバースプライマーを用いて決定した(Applied Biosystems社の自動シーケンサー、モデル370A)。
【0104】
その結果、配列番号6のヌクレオチド番号1020〜1683に相当する664bpの配列が明かとなり、実施例3で明らかになった配列番号14の10アミノ酸(TFTGHREWVR)が存在し、このPCR反応産物が過酸化脂質分解酵素45kDaサブユニットcDNAの一部であることが明らかとなった。
【0105】
明らかになった45kDaサブユニットcDNAの塩基配列を基に2種のオリゴマー(下記配列番号25、26)を合成した。
(配列番号25)
AAGAG ACCCA AAAGA ATG
(配列番号26)
GCACT TCCCA CATTT TTA
このオリゴマーを用い、Kwiatkowski,Jr.,T.J., Zoghbi, H.Y., Ledbetter, S. A., Ellison, K. A. and Chinault, A. C. (1990) Nucleic Acids Res. 18:7191−7192 の方法に準じ、PCRを利用して完全長cDNAをクローン化した。
【0106】
(b)(6)で作製したウシ脳由来のcDNAプラスミド・ライブラリーを96穴プレートに各ウェルに50クローンとなるように希釈して一夜静置培養を行い縦列12列を1プールとして菌液を回収し、0.5μlをPCR反応の鋳型DNAとして、10×PCR緩衝液 5μl、1.25mM dNTPs 8μl、10OD/mlプライマー(配列番号26、27)各々1μlを添加して、総量をDPC処理蒸留水にて49μlとし、95℃にて5分間加熱した後、5U/mlTaqDNAポリメラーゼ(Perkin Elmer Cetus社)0.25μlを添加して、94℃にて1分間、58℃にて1分間、72℃にて2分間の反応サイクルを35回行い、72℃にて10分間保温した。 2%アガロースゲル電気泳動による解析を行った。
【0107】
電気泳動にてPCR反応産物(400bp)のバンドが確認できるプールについてさらにPCRを行い、PCR反応産物(400bp)のバンドが確認できるプールをプレーティングし、各々のコロニーについてPCRを行い、クローン化した。 クローン化した後、培養を行いプラスミドDNAをCsCl及び超遠心を用いて精製し、挿入DNA断片の一次構造配列を決定した(Applied Biosystems 社の自動シーケンサー、モデル370A)。
【0108】
配列表の配列6のような結果が得られた。 翻訳開始メチオニンはヌクレオチド843番目と考えられ、5’非翻訳領域は844bpであった。 45kDaサブユニットcDNAの一次構造配列が明かになり、構造遺伝子のアミノ酸残基数は410、推定分子量は46667.68(翻訳開始メチオニンを含む)であった。 配列番号13が、配列表の配列番号6のアミノ酸番号2より28に、配列番号15が配列表の配列番号6のアミノ酸番号229より247に、配列番号15が、配列表の配列番号6のアミノ酸番号355より371に、配列番号16が、配列表の配列番号6のアミノ酸番号406より410にそれぞれ見いだされた。
【0109】
【配列表】
【0110】
【0111】
【0112】
【0113】
【0114】
【図面の簡単な説明】
【図1】ブチルトヨパールカラムクロマトグラフィーを示す図面。
【図2】DEAEセファロースCL−6Bカラムクロマトグラフィーを示す図面。
【図3】ハイドロキシアパタイトカラムクロマトグラフィーを示す図面。
【図4】mono Q FPLCカラムクロマトグラフィーを示す図面。
【図5】ゲル濾過の結果を示す図面。
【図6】SDS−PAGEによる分子量測定の結果を示す図面。
以 上
Claims (11)
- 下記の理化学的性質を有する酸化リン脂質分解酵素。
(1) 作 用:
1−アシル−2−ω−カルボキシ脂肪酸アシル−3−ホスファチジルコリンを基質とし、2位のエステル結合を加水分解して、1−アシル−2−リゾ−3−ホスファチジルコリンを生成する。
(2)基質特異性:
2位のアシル基がω−カルボキシ脂肪酸アシル基またはアセチル基である1,2−ジアシル−3−ホスファチジルコリンを加水分解するが、2位のアシル基が炭素数6個以上の脂肪酸アシル基である1,2−ジアシル−3−ホスファチジルコリンを加水分解しない。
(3)反応至適pH:
pH7.0〜8.0
(4)阻害剤:
酵素反応は、1mMのp−ブロモフェナシルブロマイド(BPB)および1mMのジイソプロピルフロロフォスフェート(DFP)によって阻害されるが、1mMのヨードアセトアミド(IAM)によって阻害されない。
(5)カルシウムイオンによる活性化:
酵素活性は、4mMの塩化カルシウムによってわずかに増強される。
(6)分子量:
95±5kDa(ゲル濾過法による)
(7)サブユニット:
SDS−ポリアクリルアミド電気泳動で、分子量がそれぞれ29kDa、30kDaおよび45kDaと評価される3個のサブユニットより構成される。 - 配列(1)で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドもしくは前記配列において1個または数個のアミノ酸が置換、欠失および/または付加されたアミノ酸配列を有し、酸化リン脂質分解酵素活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子。
- 配列(2)で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドもしくは前記配列において1個または数個のアミノ酸が置換、欠失および/または付加されたアミノ酸配列を有し、酸化リン脂質分解酵素のサブユニットであるポリペプチドをコードする遺伝子。
- 配列(3)で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドもしくは前記配列において1個または数個のアミノ酸が置換、欠失および/または付加されたアミノ酸配列を有し、酸化リン脂質分解酵素のサブユニットであるポリペプチドをコードする遺伝子。
- 配列(1)で示されるアミノ酸配列もしくは前記配列において1個または数個のアミノ酸が置換、欠失および/または付加されたアミノ酸配列を有するアミノ酸配列を含み、分子量が29kDaである酸化リン脂質分解酵素活性を有するペプチド。
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