JP3551977B2 - 安定なビタミンa類及びビタミンe類可溶化点眼剤 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ビタミンA類及びビタミンE類を可溶化した点眼剤に関し、更に詳しくは、濁り,沈澱を生じることなく外観が安定で、かつ両ビタミン類ともに経時で分解せずに安定である点眼剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビタミンA油、ビタミンA脂肪酸エステルなども含めてビタミンA類は、脂溶性ビタミンの一種であり、人間または動物に対する視覚、粘膜などの正常維持機能を有し、その欠乏により夜盲症、角結膜乾燥症などを引き起こすため、眼には欠くことのできない物質である。また、ビタミンE類は、血液循環障害、毛細血管内の血流滞留の改善、眼の水晶体などの酸化抑制機能を持ち、ビタミンA類と同様に眼には有用なビタミンである。
一方、このように眼に有用性の高いビタミンA類、ビタミンE類は、脂溶性であるため水に対する溶解性が著しく低く、水性点眼剤として用いる場合は、非イオン界面活性剤等により可溶化することが不可欠である。
しかし、水溶液においては、ビタミンA類は極端に酸化され易いため、極めて不安定であることが知られている。
従来、その安定化技術としては、乳化系または粉末系にジブチルヒドロキシトルエン(BHT),ブチルヒドロキシアニソール(BHA),ノルジヒドログアヤレチック酸(NDGA)、トコフェロール(ビタミンE)類などの脂溶性抗酸化剤、アスコルビン酸,ヒドロキノン,システインなどの水溶性抗酸化剤または双方の抗酸化剤を添加または混合する方法(特開昭48−48617号公報、特開昭58−41813号公報)、ビタミンA類をゼラチン,カゼイン,デキストリンなどを用いて被覆し、粒状または粉末状として空気との接触を断って安定化する方法(特開昭61−212322)などがある。さらに、水溶液においては、高級脂肪酸を用いて安定化する方法(特公昭39−3044号公報),グルコースオキシダーゼ及びカタラーゼによる方法(特公昭40−21998号公報)等が考案されている。
しかし、何れの場合にもビタミンA類の安定性は満足のいくものではなく、また長期にわたって分解させることなく安定に保つことは極めて困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ビタミンA類及びビタミンE類を可溶化した点眼剤の外観の安定性の向上のみならず、両ビタミン類の経時での分解を抑制し、安定に保つことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等の非イオン界面活性剤を可溶化剤としたビタミンA類及びビタミンE類可溶化点眼剤の安定化について鋭意研究を行った結果、ビタミンA類,ビタミンA類に対し特定量のビタミンE類、及び特定の高分子を特定量配合することにより、長期にわたって外観が透明で、かつビタミンA類及びビタミンE類がともにほとんど分解することなく安定である可溶化点眼剤が得られること、更に、点眼剤のpHを4.5〜8.5に調整することにより、一層向上することを見い出した。即ち、本発明の安定なビタミンA類及びビタミンE類可溶化点眼剤は、ビタミンA類、ビタミンA類に対し100重量%以上のビタミンE類、及びビタミンA類に対し100〜5000重量%の、分子量30000以上を有するポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロースから選ばれる少なくとも1種以上の高分子を含有し、かつpHを4.5〜8.5に調整することを特徴とする。また、本発明の透明な点眼剤中におけるビタミンA類安定化方法は、ビタミンA類を含有し、pHが4.5〜8.5である点眼剤に、(B)ビタミンA類に対し100重量%以上のビタミンE類と、(C)ビタミンA類に対し100〜5000重量%の、分子量30000以上を有するポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロースから選ばれる少なくとも1種以上の高分子とを配合することを特徴とする。
【0005】
【発明の実施態様】
本発明の第一の必須要件であるビタミンA類とは、ビタミンAそれ自体の他に、ビタミンA油等のビタミンA含有混合物、ビタミンA脂肪酸エステル等のビタミンA誘導体なども含まれる。
具体的には、日本ロシュ株式会社製パルミチン酸レチノール170万国際単位(I.U.)が挙げられる。通常点眼剤組成物中に0.003〜0.1重量%配合することができ、好ましくは、0.01〜0.05重量%の範囲である。
【0006】
本発明の第二の必須成分であるビタミンE類としては、トコフェロール、酢酸トコフェロール、コハク酸トコフェロール等が挙げられる。 具体的には、理研ビタミン株式会社製理研Eアセテートαが挙げられる。
ビタミンE類は、ビタミンA類に対して100重量%以上、好ましくは150〜1000重量%配合される。この配合量が100重量%未満であると、ビタミンA類の経時での安定性を改善することができない。ビタミンE類は、通常点眼剤組成物中に0.005〜0.2重量%配合することができ、好ましくは、0.01〜0.1重量%の範囲である。
【0007】
本発明の第三の必須成分である、分子量30000以上を有するポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロースは、具体的には日本合成化学工業株式会社製ゴーセノール、ダイセル化学工業株式会社製HECダイセル、信越化学工業株式会社製メトローズ等が挙げられる。これらの分子量30000以上を有する高分子は、ビタミンA類に対して100〜5000重量%配合される。通常、点眼剤組成物中にポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロースは0.01〜5.0重量%、好ましくは0.05〜1.0重量%の範囲で配合することができる。また、これらの高分子を2種以上配合することにより、ビタミンA類の安定性はより一層向上する。高分子の配合量が100重量%未満では、ビタミンA類の安定性を著明に改善することができない。また分子量が30000に満たない高分子では、ビタミンA類の安定性向上のためには多量を要するため眼刺激性が強くなる、等の問題を生じる。
【0008】
本発明のビタミンA類及びビタミンE類可溶化点眼剤のpHは4.5〜8.5の範囲に調整されるが、より好ましくは5.0〜8.0である。
点眼剤のpHが上記4.5〜8.5の範囲を外れると、脂溶性ビタミン類、特にビタミンA類の安定性が著しく低下する。
【0009】
また、本発明のビタミンA類及びビタミンE類可溶化点眼剤には必要に応じて、他のビタミン類、イプシロン−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸二カリウム、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ナファゾリン、アスパラギン酸カリウム、硫酸亜鉛、スルファメトキサゾール、アラントイン、塩化リゾチームなどの薬剤;塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、ソルビン酸、クロロブタノール、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウムなどの防腐剤;塩化カリウム、塩化ナトリウム、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンなどの等張化剤;クエン酸、ホウ酸、リン酸水素ナトリウム、氷酢酸などの緩衝剤;希塩酸、水酸化ナトリウムなどのpH調節剤;マンニトールなどの糖類;l−メントールなどの香料等を配合することができる。
【0010】
本発明のビタミンA類及びビタミンE類可溶化点眼剤の調製方法は特に問わないが、例えば、ビタミンA及びビタミンEを、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート等の非イオン界面活性剤により水に可溶化する。
ついで、分子量が30000以上のポリビニルアルコールを加え、必要に応じてマレイン酸クロルフェニラミン等の薬剤、ホウ酸などの緩衝剤、水酸化ナトリウムなどのpH調節剤を加えて、pHを4.5〜8.5に調製することにより、安定なビタミンA類及びビタミンE類可溶化点眼剤を得ることができる。
【0011】
【発明の効果】
本発明によれば、ビタミンA類及びビタミンE類を含有する点眼剤において、ビタミンA類に対し100重量%以上のビタミンE類、及び100〜5000重量%の、分子量30000以上を有するポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロースから選ばれる少なくとも1種以上の高分子を配合し、更にpHを4.5〜8.5に調整することにより、可溶化点眼剤中での脂溶性ビタミン、特にビタミンA類の経時での分解を抑制するとともに、長期にわたって外観を安定に維持することができる。
【0012】
【実施例】
実施例1〜3及び比較例1〜5
表1に示す処方の点眼剤を調製し、容器に充填し、70℃に1週間保存した後、外観の安定性及びビタミンAパルミテート,ビタミンEアセテートの残存率を調べ、表1に結果を示した。
尚、pHはリン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムで5.5に、浸透圧はプロピレングリコールで290m0smにそれぞれ調整した。
また、点眼剤中のビタミンAパルミテート及びビタミンEアセテートの含量は、高速液体クロマトグラフ法を用い測定した。
【0013】
【表1】
【0014】
実施例3
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(ニッコールTO−10)3g、ビタミンEアセテート0.5g、ビタミンAパルミテート(170万国際単位)0.4gを加温溶解する。これにヒドロキシプロプルメチルセルロース(分子量:41000)5g、塩酸テトラヒドロゾリン0.5g、塩化ベンゼトニウム0.1g、メチルパラベン0.1g、プロピルパラベン0.01g、l−メントール0.05g、プロピレングリコール5g、アラントイン1g、マレイン酸クロルフェニラミン0.3g、イプシロン−アミノカプロン酸10g、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.05gを混合し、水酸化ナトリウムでpHを7.0に調整した後、精製水で全量を1000mlとし、無菌ろ過し点眼容器に充填して点眼剤とする。本製剤は、40℃の加速試験3ヶ月の結果、濁り及び沈澱を生じることなく外観は安定であり、しかもビタミンAパルミテート及びビタミンEアセテートの残存率は、それぞれ87%,99%であった。
【0015】
比較例6
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(ニッコールTO−10)3g、ビタミンEアセテート0.5g、ビタミンAパルミテート(170万国際単位)0.4gを加温溶解する。これにヒドロキシプロピルメチルセルロース(分子量:41000)0.2g、塩酸テトラヒドロゾリン0.5g、塩化ベンゼトニウム0.1g、メチルパラベン0.1g、プロピルパラベン0.01g、l−メントール0.05g、プロピレングリコール5g、アラントイン1g、マレイン酸クロルフェニラミン0.3g、イプシロン−アミノカプロン酸10g、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.05gを混合し、水酸化ナトリウムでpHを7.0に調整した後、精製水で全量を1000mlとし、無菌ろ過し点眼容器に充填して点眼剤とする。本製剤は、40℃の加速試験3ヶ月の結果、濁り及び沈澱を生じることなく外観は安定であったが、ビタミンAパルミテート及びビタミンEアセテートの残存率は、それぞれ62%,96%であった。
【0016】
比較例7
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(ニッコールTO−10)3g、ビタミンEアセテート0.5g、ビタミンAパルミテート(170万国際単位)0.4gを加温溶解する。これにヒドロキシプロピルメチルセルロース(分子量:41000)50g、塩酸テトラヒドロゾリン0.5g、塩化ベンゼトニウム0.1g、メチルパラベン0.1g、プロピルパラベン0.01g、l−メントール0.05g、プロピレングリコール5g、アラントイン1g、マレイン酸クロルフェニラミン0.3g、イプシロン−アミノカプロン酸10g、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.05gを混合し、水酸化ナトリウムでpHを7.0に調整した後、精製水で全量を1000mlとし、無菌ろ過し点眼容器に充填して点眼剤とする。本製剤は、40℃の加速試験3ヶ月の結果、白濁,沈澱を生じ、ビタミンAパルミテート及びビタミンEアセテートの残存率は、それぞれ33%,52%であった。
【0017】
比較例8
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(ニッコールTO−10)3g、ビタミンEアセテート0.5g、ビタミンAパルミテート(170万国際単位)0.4gを加温溶解する。これにヒドロキシプロピルメチルセルロース(分子量:26000)5g、塩酸テトラヒドロゾリン0.5g、塩化ベンゼトニウム0.1g、メチルパラベン0.1g、プロピルパラベン0.01g、l−メントール0.05g、プロピレングリコール5g、アラントイン1g、マレイン酸クロルフェニラミン0.3g、イプシロン−アミノカプロン酸10g、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.05gを混合し、水酸化ナトリウムでpHを7.0に調整した後、精製水で全量を1000mlとし、無菌ろ過し点眼容器に充填して点眼剤とする。本製剤は、40℃の加速試験3ヶ月の結果、濁り及び沈澱を生じることなく外観は安定であったが、ビタミンAパルミテート及びビタミンEアセテートの残存率は、それぞれ69%,97%であった。
【0018】
実施例4
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(ニッコールTO−10)3g、ビタミンEアセテート0.5g、ビタミンAパルミテート(170万国際単位)0.4gを加温溶解する。これにポリビニルアルコール(分子量:70000)16g、塩酸テトラヒドロゾリン0.5g、塩化ベンゼトニウム0.1g、メチルパラベン0.1g、プロピルパラベン0.01g、l−メントール0.05g、プロピレングリコール5g、アラントイン1g、マレイン酸クロルフェニラミン0.3g、イプシロン−アミノカプロン酸10g、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.05gを混合し、水酸化ナトリウムでpHを7.0に調整した後、精製水で全量を1000mlとし、無菌ろ過し点眼容器に充填して点眼剤とする。本製剤は、40℃の加速試験3ヶ月の結果、濁り及び沈澱を生じることなく外観は安定であり、しかもビタミンAパルミテート及びビタミンEアセテートの残存率は、それぞれ85%,96%であった。
【0019】
実施例5
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(ニッコールTO−10)3g、ビタミンEアセテート0.5g、ビタミンAパルミテート(170万国際単位)0.4gを加温溶解する。これにメチルセルロース(分子量:63000)3g、塩酸テトラヒドロゾリン0.5g、塩化ベンゼトニウム0.1g、メチルパラベン0.1g、プロピルパラベン0.01g、l−メントール0.05g、プロピレングリコール5g、アラントイン1g、マレイン酸クロルフェニラミン0.3g、イプシロン−アミノカプロン酸10g、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.05gを混合し、水酸化ナトリウムでpHを7.0に調整した後、精製水で全量を1000mlとし、無菌ろ過し点眼容器に充填して点眼剤とする。本製剤は、40℃の加速試験3ヶ月の結果、濁り及び沈澱を生じることなく外観は安定であり、しかもビタミンAパルミテート及びビタミンEアセテートの残存率は、それぞれ87%,100%であった。
【0020】
実施例6
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(ニッコールTO−10)3g、ビタミンEアセテート0.5g、ビタミンAパルミテート(170万国際単位)0.2gを加温溶解する。これにヒドロキシプロピルメチルセルロース(分子量:41000)5g、塩酸テトラヒドロゾリン0.5g、10%塩化ベンザルコニウム液1g、l−メントール0.05g、プロピレングリコール5g、パンテノール0.2g、マレイン酸クロルフェニラミン0.3g、塩酸ピリドキシン1g、イプシロン−アミノカプロン酸10g、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.025gを混合し、水酸化ナトリウムでpHを7.0に調整した後、精製水で全量を1000mlとし、無菌ろ過し点眼容器に充填して点眼剤とする。本製剤は、40℃の加速試験3ヶ月の結果、濁り及び沈澱を生じることなく外観は安定であり、しかもビタミンAパルミテート及びビタミンEアセテートの残存率は、それぞれ88%,99%であった。
【0021】
実施例7
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(ニッコールTO−10)3g、ビタミンEアセテート0.5g、ビタミンAパルミテート(170万国際単位)0.2gを加温溶解する。これにヒドロキシプロピルメチルセルロース(分子量:41000)3g、ポリビニルピロリドン(分子量:160000)6g、塩酸テトラヒドロゾリン0.5g、10%塩化ベンザルコニウム液1g、l−メントール0.05g、プロピレングリコール5g、パンテノール0.2g、マレイン酸クロルフェニラミン0.3g、塩酸ピリドキシン1g、イプシロン−アミノカプロン酸10g、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.025gを混合し、水酸化ナトリウムでpHを7.0に調整した後、精製水で全量を1000mlとし、無菌ろ過し点眼容器に充填して点眼剤とする。本製剤は、40℃の加速試験3ヶ月の結果、濁り及び沈澱を生じることなく外観は安定であり、しかもビタミンAパルミテート及びビタミンEアセテートの残存率は、それぞれ94%,100%であった。
【0022】
比較例9
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(ニッコールTO−10)3g、ビタミンEアセテート0.1g、ビタミンAパルミテート(170万国際単位)0.2gを加温溶解する。これにヒドロキシプロピルメチルセルロース(分子量:41000)5g、塩酸テトラヒドロゾリン0.5g、10%塩化ベンザルコニウム液1g、l−メントール0.05g、プロピレングリコール5g、パンテノール0.2g、マレイン酸クロルフェニラミン0.3g、塩酸ピリドキシン1g、イプシロン−アミノカプロン酸10g、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.025gを混合し、水酸化ナトリウムでpHを7.0に調整した後、精製水で全量を1000mlとし、無菌ろ過し点眼容器に充填して点眼剤とする。本製剤は、40℃の加速試験3ヶ月の結果、濁り及び沈澱を生じることなく外観は安定であったが、ビタミンAパルミテート及びビタミンEアセテートの残存率は、それぞれ55%,91%であった。
【0023】
実施例8
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(ニッコールTO−10)3g、ビタミンEアセテート0.25g、ビタミンAパルミテート(170万国際単位)0.1gを加温溶解する。これにヒドロキシプロピルメチルセルロース(分子量:41000)4g、塩酸ナファゾリン0.03g、10%塩化ベンザルコニウム液1g、クロロブタノール2g、グリチルリチン酸二カリウム1g、l−メントール0.2g、プロピレングリコール5g、L−アスパラギン酸カリウム10.0g、マレイン酸クロルフェニラミン0.3g、塩酸ピリドキシン1g、アミノエチルスルホン酸5g、メチル硫酸ネオスチグミン0.05g、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.025gを混合し、希塩酸でpHを5.5に調整した後、精製水で全量を1000mlとし、無菌ろ過し点眼容器に充填して点眼剤とする。本製剤は、40℃の加速試験3ヶ月の結果、濁り及び沈澱を生じることなく外観は安定であり、しかもビタミンAパルミテート及びビタミンEアセテートの残存率は、それぞれ89%,99%であった。
【0024】
実施例9
ポリオキシエチレン(100)硬化ヒマシ油(ニッコールHCO−100)3g、ビタミンEアセテート0.25g、ビタミンAパルミテート(170万国際単位)0.1gを加温溶解する。これにヒドロキシプロピルメチルセルロース(分子量:41000)4g、塩酸ナファゾリン0.03g、10%塩化ベンザルコニウム液1g、クロロブタノール2g、グリチルリチン酸二カリウム1g、l−メントール0.2g、プロピレングリコール5g、L−アスパラギン酸カリウム10.0g、マレイン酸クロルフェニラミン0.3g、塩酸ピリドキシン1g、アミノエチルスルホン酸5g、メチル硫酸ネオスチグミン0.05g、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.025gを混合し、希塩酸でpHを5.5に調整した後、精製水で全量を1000mlとし、無菌ろ過し点眼容器に充填して点眼剤とする。本製剤は、40℃の加速試験3ヶ月の結果、濁り及び沈澱を生じることなく外観は安定であり、しかもビタミンAパルミテート及びビタミンEアセテートの残存率は、それぞれ87%,97%であった。
【0025】
比較例10
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(ニッコールTO−10)3g、ビタミンEアセテート0.5g、ビタミンAパルミテート(170万国際単位)0.4gを加温溶解する。これにヒドロキシプロプルメチルセルロース(分子量:41000)5g、塩酸テトラヒドロゾリン0.5g、塩化ベンゼトニウム0.1g、メチルパラベン0.1g、プロピルパラベン0.01g、l−メントール0.05g、プロピレングリコール5g、アラントイン1g、マレイン酸クロルフェニラミン0.3g、イプシロン−アミノカプロン酸10g、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.05gを混合し、水酸化ナトリウムでpHを9.0に調整した後、精製水で全量を1000mlとし、無菌ろ過し点眼容器に充填して点眼剤とする。本製剤は、40℃の加速試験3ヶ月の結果、濁り及び沈澱を生じることなく外観は安定であったが、ビタミンAパルミテート及びビタミンEアセテートの残存率は、それぞれ68%,94%であった。
【0026】
比較例11
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(ニッコールTO−10)3g、ビタミンEアセテート0.5g、ビタミンAパルミテート(170万国際単位)0.4gを加温溶解する。これにヒドロキシプロプルメチルセルロース(分子量:41000)5g、塩酸テトラヒドロゾリン0.5g、塩化ベンゼトニウム0.1g、メチルパラベン0.1g、プロピルパラベン0.01g、l−メントール0.05g、プロピレングリコール5g、アラントイン1g、マレイン酸クロルフェニラミン0.3g、イプシロン−アミノカプロン酸10g、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.05gを混合し、希塩酸でpHを4.0に調整した後、精製水で全量を1000mlとし、無菌ろ過し点眼容器に充填して点眼剤とする。本製剤は、40℃の加速試験3ヶ月の結果、濁り及び沈澱を生じることなく外観は安定であったが、ビタミンAパルミテート及びビタミンEアセテートの残存率は、それぞれ63%,98%であった。
Claims (3)
- (A)ビタミンA類,(B)ビタミンA類に対し100重量%以上のビタミンE類,(C)ビタミンA類に対し100〜5000重量%の、分子量30000以上を有するポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロースから選ばれる少なくとも1種以上の高分子を含有し、かつpHが4.5〜8.5であることを特徴とする透明なビタミンA類及びビタミンE類可溶化点眼剤。
- さらに、非イオン界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1記載の点眼剤。
- (A)ビタミンA類を含有し、pHが4.5〜8.5である点眼剤に、(B)ビタミンA類に対し100重量%以上のビタミンE類と、(C)ビタミンA類に対し100〜5000重量%の、分子量30000以上を有するポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロースから選ばれる少なくとも1種以上の高分子とを配合することを特徴とする透明な点眼剤中におけるビタミンA類安定化方法。
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