JP3544564B2 - 顕微鏡装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、培養細胞等の位相物体を観察するために、リレー光学系を備え、且つ、瞳変調を可能にした顕微鏡装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の顕微鏡で、位相差や変調コントラスト等の瞳変調を行う場合、対物レンズ中にリング状の位相膜を備えなければならない。このため、例えば、位相差対物レンズを使用して蛍光観察を行おうとすると、蛍光照明光及び観察光が変調器の吸収によって減少してしまって、最高の明るさをもって標本像を観察することができない。又、最高の明るさによる蛍光写真と位相差写真とを撮影しようとすると、位相板等の光吸収による光量減衰を防止するために、蛍光用対物レンズ及び位相差用対物レンズを用意し、これらと対物レンズとを交換して写真撮影を行わなければならない。この場合、対物レンズの交換による標本の位置ずれを防止することは非常に困難である。
【0003】
そこで、明視野対物レンズのみで、細胞等の位相標本を観察することが可能なリレー光学系中に瞳変調器を備えた瞳投影顕微鏡が、本願と同一出願人により提案されている。これは、特開昭60−263918号公報に開示されているように、瞳投影像を鏡筒内部に有する鏡筒を、倒立顕微鏡本体に対し着脱可能な構成として、瞳投影像位置に位相板を置くことを容易にした瞳投影顕微鏡である。
又、特開昭53−72637号公報に開示されているように、本願と同一出願人により提案された、対物レンズの瞳位置を倒立顕微鏡の基内リレーレンズ光路中に投影し、この投影位置にフィルタリング素子を配置したものもある。このフィルタリング素子は、位相差や微分干渉用素子等を着脱自在に取りつけて使用されるものである。
又、等倍リレー光学系に関するものとして、特公昭46−2940号公報に記載の光学系が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例は、以下に示すような問題点を含んでいる。
まず、従来の倒立顕微鏡に用いた瞳投影光学系の具体的構成が明らかにされていない。
又、現実に細胞の観察を行っている研究者からは、4倍未満の低倍率の対物レンズによって観察したいという要求がある。しかし、従来、顕微鏡では位相差等の瞳変調は、通常4倍以上の対物レンズの倍率で行われている。この理由は、4倍未満の低倍率の対物レンズは、焦点距離が長いことから、瞳位置が対物レンズの胴付位置より像側になってしまい、対物内に入るべき瞳変調器は、対物レンズ外にはみ出して瞳変調が構成できないことによる。このような、4倍未満の倍率の対物レンズで瞳変調を行うことは、従来の倒立顕微鏡では不可能である。
【0005】
特開昭60−263918号公報に開示されている顕微鏡では、結像レンズの前群を対物レンズ近傍に配置して構成することで、対物レンズから射出した光線を平行光束にしている。このことから、この顕微鏡は、有限設計の対物レンズを用いるためのものと考えられる。そのため、正立顕微鏡が無限遠設計の対物レンズを用いている場合には、対物レンズの共通化はできない。又、結像レンズの前群が対物レンズ近傍に配置されていることで、無限遠設計対物レンズ用ノマルスキープリズムを正立顕微鏡と共通に使用することができない。あえて、有限設計の対物レンズを用いようとすれば、結像レンズを2群に構成しなければならず、このレンズが高価になる。
更に、鏡筒部が着脱可能になっているが、像リレーレンズ(接眼像面に像を形成する結像レンズ)が鏡基本体に内蔵されているため、結像レンズと鏡体内蔵のリレーレンズとの距離を可変にすることができないため、アイポイントの位置を自由に変えることができない。このため、様々な体型の人が楽な姿勢で像の観察をすることができない。
【0006】
又、特開昭53−72637号公報に開示されている顕微鏡は、像倍率が1倍,瞳倍率が1倍である倒立顕微鏡である。この顕微鏡は、鏡基内の瞳位置に位相板や微分干渉用プリズム等の瞳変調器の挿入を可能にしている。しかし、この顕微鏡は、有限設計の対物レンズ用の顕微鏡であり、無限遠設計の対物レンズを用いることはできない。又、倒立顕微鏡光学系の具体的な構成等も不明である。 更に、通常の光学顕微鏡は、特公昭46−2940号公報に開示されているように、対物レンズへの入射光がテレセントリックになっているが、結像光線はテレセントリックにはなっていない。従って、このような光学系によって結像した像をリレーした場合には、十分な収差補正はできない。
【0007】
そこで、本発明は上記のような従来技術の有する問題点に鑑みなされたもので、像リレー光学系を用いることにより像の観察及び撮像が可能で、又、瞳変調を可能にしたことにより、様々な標本の観察ができ、且つ、最適なアイポイントの位置を設定できる顕微鏡装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】
上記目的を達成するため、本発明による顕微鏡装置は、対物レンズから入射する平行光束を結像レンズで結像した標本の1次像を再度リレーするリレー光学系を備えた顕微鏡装置において、前記リレー光学系は、瞳リレーレンズ及び像リレーレンズを有し、前記標本の1次像は前記結像レンズと瞳リレーレンズとの間に形成され、又、対物レンズの瞳像は前記瞳リレーレンズと像リレーレンズとの間に投影され、前記像リレーレンズは2群で構成されていて、第1群と第2群との間の光束が無限遠に投影されていることを特徴とする。
又、本発明の装置は、対物レンズと、該対物レンズ側から入射する平行光束を集光する結像レンズと、該結像レンズから射出する収束光を反射して標本の1次像を形成する反射部材と、該1次像をリレーするリレー光学系と、接眼レンズ又はTVカメラ又は写真装置を備えた顕微鏡装置であって、前記リレー光学系は複数のレンズ群で構成され、該リレー光学系中に前記対物レンズの瞳の像が形成されると共に、該複数のレンズ群のうち2つのレンズ群の間で光束が無限遠光束となり、前記2つのレンズ群の間隔が可変であることを特徴とする。
更に、本発明の装置は、好ましくは、前記複数のレンズ群は前記1次像側から順に第1レンズ群、第2レンズ群、第3レンズ群の3つのレンズ群で構成され、前記2つのレンズ群は前記第2レンズ群と前記第3レンズ群で構成されるようにする。
【0009】
以下、図1乃至3に基づき、本発明の顕微鏡装置の全体の構成を簡単に説明する。図1は本発明の顕微鏡装置における各光学系の相互位置関係を示す透視斜視図であり、図2は同装置を側面から見た透視図であり、図3は同装置を正面から見た透視図である。
【0010】
鏡体ハウジング1の上端に取付けられた照明ハウジング2内に収納された光源3から出射された光4は反射ミラー5で下方に照射方向が変更される。光4は再度鏡体ハウジング1内に入射して、視野絞り6を通過して、コンデンサレンズ7により、ステージ8上に載置された試料(標本)9上に集光される。この試料(標本)9を通過した光はステージ8の下側位置に配設されたレボルバ10に支持された対物レンズ11へ入射される。
対物レンズ11を通過した拡大画像の光は、ダイクロイックミラーを内蔵した蛍光キューブ12へ入射される。この蛍光キューブ12には、落射照明系13の光源14から照明光が入射される。
蛍光キューブ12の下側位置には、対物レンズ11から射出された光を後述するリレー光学系の焦点位置に結像させる結像レンズ15が配設されている。この結像レンズ15を通過した光は、次に示す第1の光学素子16に入射する。
【0011】
第1の光学素子16は、図1に示すように、光軸に直交する方向に互いに接して配列された3個の半透明プリズム16a,16b,16cにより構成されている。各半透明プリズム16a〜16cは夫々上方から入射した光を下方へ透過すると共に、夫々前記入射光の光軸と直交し、且つ互いに90°異なる方向に入射光を分岐する。
具体的には、半透明プリズム16aは上方から入射した光を下方へ透過すると共に、入射光を第1の撮影光路17aの方向(左方向)に導く。中央の半透明プリズム16bは上方から入射した光を下方へ透過すると共に、入射光を第2の撮影光路17bの方向(手前方向)に導く。更に、半透明プリズム16cは上方から入射した光を下方へ透過すると共に、入射光を第3の撮影光路17cの方向(右方向)に導く。
【0012】
又、3個の半透明プリズム16a,16b及び16cは、図中点線で示された移動自在の支持台18上に支持されている。そして、この支持台18に支持された半透明プリズム16a,16b及び16cは、まとめて先端が鏡体ハウジング1の外壁に露出した位置調整ツマミ19によって、それらの位置が水平方向に3段階に切換え可能なようになっている。よって、位置調整ツマミ19を操作することによって、任意の半透明プリズム16a,16b及び16cを入射光の光軸位置に選択的に移動させることができる。その結果、観察者は、結像レンズ15を通過した光を第1〜第3の撮影光路17a〜17cのうちの任意の撮影光路に導くことができる。
【0013】
更に、前記3個の半透明プリズムを透過した光線は、ミラー20により反射され、前述したような瞳リレーレンズ,瞳変調器及び像リレーレンズを有するリレー光学系21を経て、収束光束となり結像される。この結像位置には接眼レンズ22が配置されている。又、ミラー20は、枠23に支持されており、この枠23に接続されているツマミ24により、ハウジング1の外側から角度を変えることができるようになっている。
【0014】
本発明の顕微鏡装置は上記のように構成されているため、照明用光源,標本に光を照射するコンデンサレンズ,対物レンズ像の1次結像を行う結像レンズ,瞳像をリレーする瞳リレーレンズ及び2次像をリレーする像リレーレンズを有する顕微鏡において、無限遠に像をリレーする対物レンズを使用した場合、標本の1次像が結像レンズと瞳リレーレンズとの中間にでき、瞳リレーレンズと2次像リレーレンズとの間に、対物レンズの瞳像が投影され、その位置に位相板,変調コントラスト用モジュレータ或いはシュリーレン用ナイフエッジ等の瞳変調器を挿入できるようになっている。これにより、位相差観察,変調コントラスト,シュリーリン等の瞳変調法が、対物レンズを交換しなくても可能になり、250倍程度の高倍率対物レンズから1.25倍程度の低倍率の暗視野観察用対物レンズ、及び油侵,水侵の明視野観察用対物レンズにより、培養細胞等の位相物体を良好に観察することができる。
【0015】
又、照明光源,標本に光を照射するコンデンサレンズ,対物レンズ像の1次結像を行う結像レンズ,瞳像をリレーする瞳リレーレンズ及び2次像をリレーする像リレーレンズを有する顕微鏡において、無限遠に像をリレーする対物レンズを使用した場合、標本の1次像が結像レンズと瞳リレーレンズとの中間にでき、像リレーレンズが2群で構成されるとき、像リレーレンズの第1群と第2群との間に、対物レンズの瞳像が投影され、その位置に位相板,変調コントラスト用モジュレータ或いはシュリーレン用ナイフエッジ等の瞳変調器を挿入できるようになっている。従って、位相差観察,変調コントラスト,シュリーレン等の瞳変調法が、対物レンズの交換なしで可能になり、250倍程度の高倍率対物レンズから1.25倍程度の低倍率の明視野観察用対物レンズ、及び油侵,水侵の明視野観察用対物レンズにより、位相物体を良好に観察することができる。
【0016】
又,一般に、位相差用位相板や変調コントラスト用変調器のような振幅変調を行う瞳モジュレータを対物レンズ内に備えた場合、蛍光観察時に対物の瞳モジュレータの光吸収によって、照明光量が減少してしまう。しかし、本発明によれば、瞳モジュレータを対物レンズの像をリレーする顕微鏡鏡体内のリレー系に備えて構成し、且つ、リレー系の瞳の色収差及び瞳の球面収差を充分に補正することを可能にしたことで、従来の対物レンズの瞳変調による光量減衰を解決することができる。
特に、焦点距離の長い低倍率の対物レンズの場合には、対物レンズの設計上、瞳位置が対物レンズの取付け位置より像側になってしまい、対物内に入るべき瞳モジュレータが対物レンズ外にはみ出し、対物チェンジ用レボルバ内に瞳モジュレータを備えなれければならず、レボルバの回転が困難となってしまう。しかし、本発明によれば、瞳モジュレータはリレー系レンズの中間の位置に配置されているため、2.5倍,2倍,1.25倍等の従来では不可能であった4倍以下の倍率の対物レンズによる位相物体の観察を良好に行うことができる。
【0017】
位相差観察,変調コントラスト観察には、広視野が照明可能なコンデンサレンズを用い、且つ、対物レンズの瞳と共役な位置、即ちコンデンサレンズの瞳位置に照明光を変調する開口を設けなければならない。
又、対物レンズで結像した像を再度リレーするリレー光学系は、少なくとも1枚の凸レンズを有する瞳リレーレンズと少なくとも1枚の凸レンズを有する像リレーレンズとを有し、瞳リレーレンズの1次像側第1面の凸面の屈折力で発散した瞳像を結像させ、その第1面以降の屈折面で瞳像の収差を補正して瞳変調等を可能にしている。又、像リレーレンズを構成しているレンズの少なくとも1面を凸面に構成することで、リレーした像を結像させている。
【0018】
対物レンズへ入射する光線は、通常テレセントリックである。この光線が対物レンズ,結像レンズを射出して1次結像する場合、この像は通常テレセントリックとならない場合が多い。又、1次像のリレーは、瞳投影位置或いは瞳投影倍率を制御するために、瞳リレーレンズを有する構成にしなければならない。更に、接眼レンズについても、この射出瞳位置を考慮して収差補正を行うことが好ましい。
本発明では、像リレー系の像リレーレンズを2群で構成し、この間を像が無限遠にリレーされるように構成すると、かかるリレー光学系の全長の長さを変化させることができるため、様々な構造のユニットに用いることができる。
本発明の装置のリレー光学系は、4方向に光路を用いるための光学系として、正立顕微鏡にも倒立顕微鏡にも用いることができる。その用途としては、裸眼による観察と、写真光路,テレビカメラ用光路の切換えが可能な4眼鏡筒の少なくとも1つの光路にそのリレー光学系を用いることができる。この場合、かかるリレー光学系中に瞳変調器を挿入できる構成にすると、瞳変調が可能になる。又、アイポイントの位置を観察者に合わせて調整するためのチルチングビノキュラ用像リレー光学系としても用いることができる。
【0019】
又、正立顕微鏡,倒立顕微鏡に関係なく、顕微鏡に2つのカメラ或いは写真装置を備えるための2イメージ撮像光学系用リレー光学系としても用いることができる。リレー光学系の光学的特徴としては、瞳リレーレンズは、1群でも構成できるが、充分な瞳の球面収差補正を行いたい場合には、2群で構成することが好ましい。特に、瞳投影倍率Bの範囲を0.4≦B≦1.1とした場合、2群の瞳投影レンズの少なくとも1群は、メニスカス形状とした方が瞳の球面収差補正が容易に行える。
又、瞳の色収差を補正したい場合には、少なくとも1群の接合レンズを備えることが好ましい。この場合、正レンズと負レンズとのアッベ数の差Dνは、
Dν≧6
であれば、瞳の色収差を小さく抑えることができる。
又、結像レンズの第1群は、リレー光学系の像のフラットネスを補正するために、少なくとも1群の負レンズを備えていることが好ましい。この負レンズは、リレー光学系全系のペッツバール和を小さくすることで、像面湾曲を補正している。
【0020】
コンデンサレンズには、照明の変調を行うために、位相差開口や変調コントラスト用の開口を設ける必要がある。又、コンデンサレンズは、様々なサイズ,形状の開口の取付け,取り外しが可能に構成されることが好ましい。
例えば、位相差の場合、照明系は使用する対物レンズの実視野を照明できるものを用い、コンデンサ内の対物レンズの瞳と共役な位置に輪帯開口を用いる。又、変調コントラスト観察の場合には、コンデンサ内の対物レンズの瞳と共役な位置に矩形開口を用いる。シュレーリン観察の場合には、コンデンサ内の対物レンズの瞳と共役な位置にナイフエッジを挿入して構成する。
【0021】
像リレーレンズの構成は、1次像を無限遠に投影するための前群と、無限遠に投影された像を有限にする後群とを有し、この前群と後群との間を平行光束とすることで、前群と後群との間隔を変えることにより、像の倍率を変えずにアイポイントの位置を変えることができる顕微鏡を構成できる。その結果、様々な体型の観察者の体型に合わせてアイポイントの位置を設定できる。
又、本発明は、無限遠設計の対物レンズを使用できるように構成されているため、対物レンズのすぐ後方(像側)にノマルスキープリズムを挿入できる。その結果、正立型顕微鏡用のノマルスキーシステムと共通にできるため、比較的安価なノマルスキーシステムを提供することができる。
【0022】
本発明の顕微鏡装置は、無限遠設計の対物レンズを用いるため、結像レンズと対物レンズとの間隔を50mm以上にすると、この間隔中に蛍光照明用投光管から落射照明を行うためのダイクロックミラー,ノマルスキー用プリズム並びに偏光観察用偏光板等を挿入することができるため、様々な観察法が可能になる。
又、本発明の装置は、マイクロウェルプレートやプラスチック三角フラスコ中に培養した生細胞や培養細胞を観察するのに最適な瞳変調器を作成すれば、この瞳変調器をリレー光学系中に挿入するだけで、対物レンズを交換することなく各容器に最適なコントラストが得られる。
実際には、リレー光学系に使用した、各光学部品の誤差,特に屈折率誤差によって最適な瞳変調器の光軸方向の位置が微妙に変わるため、瞳変調器は光軸方向の微調整ができるように構成されることが好ましい。
【0023】
瞳変調器と瞳リレーレンズ,又は像リレーレンズと光学系とが互いに干渉しないように、瞳モジュレータはレンズ部品から少なくとも5mm以上離されていることが好ましい。さもないと、瞳位置の異なる対物レンズを使用したときに干渉が起きてしまう。
対物レンズの瞳位置は、対物レンズの倍率,開口数,視野数或いはフラットネス等の使用や性能によって異なり、実際には、対物レンズの胴付面を基準に±35mm程度ばらついている。このことから、様々な対物レンズを用いる場合、瞳フィルタリング素子を設ける位置の範囲は、
(使用する対物レンズの瞳位置の移動距離)×(瞳投影倍率の二乗)
で求めることができる。
又、リレー光学系や対物レンズの全ての光学部品の曲率中心が全て光軸上にあることは稀で、殆どの場合、部品の公差分だけ偏心している。この偏心によって、最適な瞳モジュレータの位置は、組合せた対物レンズやリレー光学系によって変化するため、瞳モジュレータは、光軸と垂直方向の芯だしができるように構成されることが好ましい。
【0024】
本発明の顕微鏡装置は、生きた培養細胞を観察するため、培養容器の下部から細胞を観察できるようになっている。そのため、標本から1次結像までの間を反射部材なしで構成すると、標本面に対してアイポイントの位置が非常に低くなってしまう。そこで、少なくとも1つの反射面を標本から1次結像位置までの間に備えることにより、アイポイント位置を高くすることが可能である。更に、最適なアイポイントを得るためには、アイポイントの位置を標本の位置とほぼ同等か、又はそれ以上の高さに設定する方が好ましく、それにより標本像の観察及び実標本の観察を、観察者の頭の少しの移動で可能にすることができる。
【0025】
本発明の装置においては、結像レンズの焦点距離を180mm程度に設定すると視野数20以上の視野で充分な光学性能を得ることができる。
良好な結像性能を得たい場合には、結像レンズの焦点距離を150mmから200mmにするのが良い。このようにすることで、同焦距離45で極低倍から250倍程度の倍率の対物まで良好な性能を保証できる。又、本願出願人が提案した射出光束が無限遠の各種対物レンズを使用したい場合には、結像レンズの焦点距離を180mm程度にすると、最適の光学特性及び倍率が得られる。
更に、対物の射出光束が有限の対物レンズを使用する場合には、対物レンズと結像レンズとの中間に対物レンズの射出光束を無限遠にするためのレンズを挿入する必要がある。この場合、この光を結像させるための結像レンズの焦点距離は、100から160mm程度に設定しなければ、1倍による像の結像は困難になる。
【0026】
又、対物レンズの胴付位置より標本方向に5mmの位置を対物レンズの瞳位置とした場合、リレー光学系の瞳の投影倍率Bは、
0.4≦B≦1.1 ・・・・(1)
を満足することが好ましい。0.4倍より瞳投影倍率を小さくすると、1次像を2次像にリレーする光学系の全長は非常に短くなり、最適なアイポイントを構成するのが困難になる。又、1.1倍より瞳投影倍率を大きくすると、リレー光学系の全長は非常に長くなり、アイポイント位置の高い顕微鏡となってしまう。
リレー光学系の瞳の投影倍率Bから瞳の移動範囲を±35mmとすると、瞳変調器を挿入する範囲PPは、
PP=(使用する対物の瞳位置の移動範囲)×(瞳投影倍率の二乗)
の関係が成立するため、瞳リレーレンズ或いは像リレーレンズの近傍にある瞳モジュレータを挿入できる範囲は、
6.3≦PP ・・・・(2)
を満足する範囲となり、瞳位置の異なる対物レンズの瞳変調が可能になる。この場合、瞳変調器に対し標本側にあるレンズ群の最終面から瞳変調器に対し像側にあるレンズ群の第1面までの距離が、上記PPの値を満たせば、瞳変調器とレンズとの干渉が起こらなくなるため、様々な瞳位置の対物で瞳変調が可能になる。
【0027】
又、結像レンズの後群の焦点距離をFとして、この結像レンズに入射する光束を無限遠光束とすると、瞳リレーレンズの焦点距離FBは、
F/3.5≦FB≦F/1.1 ・・・・(3)
とした方が、良好な瞳収差のリレーレンズが設計できる。この範囲から逸脱すると、倒立顕微鏡の場合、近軸的にも収差の点でも、鏡基の構成が困難になる。
特に、対物レンズの瞳位置の変動に対して瞳変調器の光軸方向への位置を変動させない方が、位相板等のために必要とされるスペースを小さくすることができるので、コンパクトに設計することができる。この場合の最適な瞳投影倍率Bを満足する値の範囲は、
0.3≦B≦0.8 ・・・・(4)
である。
【0028】
対物レンズの倍率,開口数,瞳位置或いは観察したい標本によって、最適な瞳変調器は異なる。このような場合、瞳変調器は、メカで構成された2種類以上の開口を入替えできるスライダやターレットによって構成することが好ましい。更に、スライダやターレット中の瞳変調器を入替え可能に構成すると、より種類の豊富な変調器を使用することができるようになる。
又、変調コントラスト像は、位相差像とは異なり、像のコントラストの方向性を調整するために、変調器を回転させることが必要になる。この場合、スライダやターレットのユニットを顕微鏡本体から取り外し可能に構成することによって、このユニット毎の交換が可能になる。これには、スライダ又はターレットで変調器の回転が可能な変調コントラストユニットと、光軸に対し垂直方向の芯だしのみ可能な位相差用スライダ又はターレットの取付けが可能になるという利点がある。
【0029】
更に、1次像を無限遠に投影するための第1群と無限遠に投影された像を有限にするための第2群とにより像リレーレンズを2群構成とした場合、この第1群と第2群との間で鏡体と鏡筒とが取り外せる構成とすることで、観察専用鏡筒や写真撮影用鏡筒の取付けが可能になり、瞳モジュレータで変調した後の像を写真装置に導くことで写真撮影を可能にすることができる。
又、結像レンズ第1群を射出した光線をプリズムによってステージ面に対し垂直方向に導くことができるように構成すると、結像レンズ第2群を内蔵している正立顕微鏡用のビノキュラを用いることができ、写真装置も同様に正立顕微鏡用のものを用いることができる。
【0030】
更に、本発明の特徴は、位相差,変調コントラスト顕微鏡及びシュリーレン法等を用いるため、プラスチック製の培養容器中の細胞を観察したい場合にも、容器による偏光性能の劣化に影響を与えない。
又、広視野を照明できる照明系を用いると、位相差開口のリングスリットの開口数が対物レンズの開口数より大きくなるため、従来の位相差顕微鏡では不可能であった4倍未満の低倍率の対物レンズでの暗視野観察が可能になる。
更に、倒立顕微鏡の4倍未満の倍率の対物レンズで暗視野観察を行うと、従来観察が困難であったマイクロウェルプレート中の細胞を広範囲で観察できるようになる。
【0031】
【実施例】
以下、図示した実施例に基づき本発明を説明する。
第一実施例
図4は、本実施例にかかる顕微鏡装置の構成を示す光軸に沿う断面図である。本実施例の顕微鏡装置は、位相物体観察用顕微鏡を最小の像反射回数で最適なアイポイントを設定できるようにしたものである。
本実施例の装置においては、図4に示すように、標本31から射出され、対物レンズの胴付位置32に取り付けられた図示しない対物レンズを透過した光は、無限遠に像をつくる。この無限遠にリレーされた像は、結像レンズ33に入射する。そして、この結像レンズ33を射出した光は、プリズム34を透過し、反射ミラー35で反射された後、1次結像面36で1次結像する。そして、この像は、瞳リレーレンズ37によってリレーされ、瞳変調器38に到達する。この瞳変調器38が配置されている位置は、前記対物レンズの瞳位置と共役な位置関係にある。瞳変調器38から射出された光は、像リレーレンズ39の第1群39aに入射する。像リレーレンズ39は2群に構成されており、第1群39aを射出した像は、無限遠にリレーされ、第2群39bに入射し、この第2群39bの有するパワーによって収束光束となり、結像する。更に、この結像位置近傍には、接眼レンズ40が配設されている。
【0032】
像リレーレンズ39の第1群39aと第2群39bとの間は、アフォーカル系であるため、第1群39aと第2群39bとの間隔を変えても、倍率が変わることなくアイポイントの位置を変えることができる。
尚、前記対物レンズには各種無限遠設計のものが使用可能である。前記結像レンズの焦点距離は180mmである。又、図中、A及びBで示した範囲は瞳変調器の配置可能な位置の範囲を示している(以下説明する実施例においても同様である)。
【0033】
又、標本31の像を写真撮影する場合のために、本実施例の顕微鏡装置は、結像レンズ33による像をプリズム34により反射させて、写真レンズ41に導き、写真像面42に像を形成できるように構成されている。
【0034】
次に、本実施例の顕微鏡装置に用いられるリレー光学系を図5に基づいて説明する。
図示のように、このリレー光学系は1次像をリレーするためのものであり、瞳リレーレンズ37と像リレーレンズ39とから構成され、更に、瞳リレーレンズ37と像リレーレンズ39との間に出し入れ可能な瞳変調器38を備えたタイプのものである。
又、瞳リレーレンズ37を2群に構成したことにより、瞳の投影倍率を所望の値に設定でき、且つ、瞳収差を充分に補正できるように構成してある。特に、瞳リレーレンズ37の第2群にメニスカスレンズを採用したことで、充分な瞳収差の補正を可能にした。
尚、Cは前述の1次結像面36の配置位置,Dは前述の接眼レンズ40の手前に形成された実像の位置を夫々示している。
【0035】
以下、本実施例にかかる顕微鏡装置のリレー光学系のレンズ数値データを示す。
倍率=1,開口数=0.04,像高=11,
瞳リレーレンズの焦点距離=87.017,
像リレーレンズ第1群の焦点距離=166.558,
像リレーレンズ第2群の焦点距離=180,
瞳投影倍率=0.5626
【0036】
【0038】
図6は、図5に示したリレー光学系により瞳を投影したときの球面収差図である。
【0039】
第二実施例
図7は、本実施例にかかる顕微鏡装置の構成を示す光軸に沿う断面図である。本実施例の顕微鏡装置は、光路をU字系に構成した例を示している。
本実施例の装置は、図7に示すように、標本31から射出され、対物レンズの胴付位置32に取り付けられた図示しない対物レンズを透過した光は、結像レンズ33に入射し、収束作用を受けて、結像レンズ33を射出した光は、プリズム34を透過し、プリズム43で反射された後、1次結像面36で1次結像する。そして、この像は、瞳リレーレンズ44によってリレーされ、プリズム45により反射されプリズム46を透過した後、像リレーレンズ47の第1群47aに入射する。像リレーレンズ47は第1群47aと第2群47bとの2群に構成されており、第1群47aを射出した光は無限遠にリレーされ、第1群47aと第2群47bとの間の前記対物レンズの瞳位置と共役な位置に配置された瞳変調器48に到達する。この瞳変調器48から射出された光は、像リレーレンズ47の第2群47bに入射し、この第2群47bが有するパワーにより収束光束となり、この光束は正立顕微鏡の光路を倒立顕微鏡のアイポイントに導くためのプリズム49及び光路を左右に分割するプリズム50を経て結像する。更に、この結像位置には、接眼レンズ51が配置されている。
像リレーレンズ47の第1群47aと第2群47bとの間は、アフォーカル系であるため、第1群47aと第2群47bとの間隔を変えても、倍率が変わることなくアイポイントの位置を変えることができる。
尚、前記対物レンズには、各種無限遠設計のものを使用している。
【0040】
又、標本31の像を写真撮影する場合のために、本実施例の顕微鏡装置は、結像レンズ33による像をプリズム34により反射して、写真レンズ41に導き、プリズム46を経て写真像面42に像を形成できるように構成されている。
【0041】
次に、本実施例の顕微鏡装置に用いられるリレー光学系を図8に基づいて説明する。
図示のように、このリレー光学系は1次像をリレーするためのものであり、瞳リレーレンズ44と像リレーレンズ47とから構成され、像リレーレンズ47の第1群47aと第2群47bとの間に瞳変調器48を備えたタイプのものである。 尚、Eは前述の1次結像面36の配置位置,Fは前述の接眼レンズ51の手前に形成された実像位置を夫々示している。
又、像リレーレンズ47に凹レンズを用いることにより、ペッツバール和を小さくすることができるため、像面湾曲を小さくでき、良好な像性能を得ることが可能になる。
【0042】
以下、本実施例にかかる顕微鏡装置のリレー光学系のレンズ数値データを示す。
倍率=1,開口数=0.04,像高=11,
瞳リレーレンズの焦点距離=159.361,
像リレーレンズ第1群の焦点距離=158.205,
像リレーレンズ第2群の焦点距離=180,
瞳投影倍率=1
【0043】
【0045】
図9は、図8に示したリレー光学系により瞳を投影したときの球面収差図である。
【0046】
第三実施例
図10は、本実施例にかかる顕微鏡装置の構成を示す光軸に沿う断面図である。本実施例の装置は、正立顕微鏡用のビノキュラプリズムとリレー光学系とを組合わせて構成したものである。これに用いたビノキュラは光路を4方向に分割するためのものである。
図示のように、本実施例の装置では、次のような3つの光路が形成されている。その一つは、図示しない対物レンズによる実像又はそのリレー像を無限遠にリレーされた像を、結像レンズ52により収束した光線を光路分割プリズム53により2眼のビノキュラプリズム54に導き、この光線の結像位置に接眼レンズ55を配置した観察用の双眼光路である。二つ目は、前記光路分割プリズム53を透過した光線が光路分割プリズム56を経て図示しないTVカメラまたは写真装置へ導かれる第1の撮影用光路である。そして、前記光路分割プリズム56に反射された光線が、瞳リレーレンズ37によってリレーされ、瞳変調器38を経て、像リレーレンズ39の第1群39aに入射し無限遠にリレーされた後、この像リレーレンズ39の第1群39aと第2群39bとの間に配置された反射プリズム60により反射され、第2群39bに入射し、この第2群39bの有するパワーによって収束光束となり、図示しないTVカメラ又は写真装置へ導かれる第2の撮影用光路である。
【0047】
尚、本実施例におけるリレー光学系は第一実施例に示した光学系(図5参照)とほぼ同様に構成されている。
又、図4に示される光学系の像リレーレンズ39の第1群39aから射出する光線上に図11のプリズムを用いると、このプリズムの上部に図10の光学系を用いることができる。そうすることで、より多くのTVカメラや写真装置を用いることができる。
又、図7に示されるような光学系にビノキュラとして用いることができる。但し、この場合、図7中のI部のビノキュラの代わりに図10に示した光学系を用いることになる。このようにすると、更に多くのTVカメラや写真装置を用いることができる。
【0048】
第四実施例
図12は、本実施例にかかる顕微鏡装置の構成を示す光軸に沿う断面図である。本実施例の装置は、正立,倒立顕微鏡を問わず、顕微鏡本体に2つのTVカメラ又は写真装置を接続するための2イメージ撮影光学系用リレー光学系に関するものである。
図のように、本実施例の装置では、顕微鏡本体61から伝送された像は、瞳リレーレンズ37によってリレーされ、瞳変調器38を経て、像リレーレンズ39の第1群39aに入射し無限遠にリレーされた後、この像はリレーレンズ39の第1群39aと2つ設けられた第2群39bとの間に配置されたハーフミラー62を透過し又は反射されて、2つの第2群39bに夫々入射し、第2群39bの有するパワーによって収束光束となり、反射プリズム63,64を夫々経た後、図示しないTVカメラ又は写真装置へ導かれるようになっている。
又、ハーフミラー62をダイクロイックミラーと交換すると、特定の波長を有する光線のみ選択して像面に導くことができるようになる。又、本実施例の装置は、ビノキュラ写真光路部或いは倒立顕微鏡のサイドポートにも取付け可能に構成されている。
【0049】
尚、本発明は上記装置から瞳変調器を取り除いて、リレー光学系のみで使用することも可能である。
又、上記実施例において、r1 ,r2 ,・・・・は各レンズ面の曲率半径、d1 ,d2 ,・・・・は各レンズの肉厚又は間隔、n1 ,n2 ,・・・・は各レンズの屈折率、ν1 ,ν2 ,・・・・は各レンズのアッベ数である。
【0050】
又、以上説明したように、本発明の顕微鏡装置では、特許請求の範囲に加えて、以下に示すように構成することも可能である。
(1)前記瞳変調器に対し標本側にあるレンズ群の最終面から前記瞳変調器に対し像側にあるレンズ群の第1面までの距離PPが以下に示す条件式を満足するようにしたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の顕微鏡装置。
6.3≦PP
【0051】
(2)標本像を無限遠に投影する対物レンズが備えられていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の顕微鏡装置。
(3)瞳位置に位相差,変調コントラスト又はシュリーレン用の変調器を設けたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の顕微鏡装置。
(4)前記瞳変調器を光軸方向又は光軸と垂直な方向に微調整できるように構成したことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の顕微鏡装置。
【0052】
【発明の効果】
上述のように、本発明の顕微鏡装置は、様々な標本の観察及び撮像ができるという実用上優れた利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の顕微鏡装置における各光学系の相互位置関係を示す透視斜視図である。
【図2】図1に示した装置を側面から見た透視図である。
【図3】図1に示した装置を正面から見た透視図である。
【図4】本発明の第一実施例にかかる顕微鏡装置の構成を示す光軸に沿う断面図である。
【図5】図4に示した顕微鏡装置に用いられるリレー光学系の構成を示す光軸に沿う断面図である。
【図6】図5に示したリレー光学系により瞳を投影したときの球面収差図である。
【図7】本発明の第二実施例にかかる顕微鏡装置の構成を示す光軸に沿う断面図である。
【図8】図7に示した顕微鏡装置に用いられるリレー光学系の構成を示す光軸に沿う断面図である。
【図9】図8に示したリレー光学系により瞳を投影したときの球面収差図である。
【図10】本発明の第三実施例にかかる顕微鏡装置の構成を示す光軸に沿う断面図である。
【図11】図10に示した装置に更に配置され得るプリズムの構成図である。
【図12】本発明の第四実施例にかかる顕微鏡装置の構成を示す光軸に沿う断面図である。
【符号の説明】
31 標本
32 対物レンズの胴付位置
33,52 結像レンズ
34,43,45,46,49,50,53,56,60 プリズム
35 反射ミラー
36 1次結像位置
37,44,57 瞳リレーレンズ
38,48,58 瞳変調器
39,47,59 像リレーレンズ
40,51 接眼レンズ
41 写真レンズ
42 写真像面
54 ビノキュラ
61 顕微鏡本体
62 ハーフミラー
Claims (3)
- 対物レンズから入射する平行光束を結像レンズで結像した標本の1次像を再度リレーするリレー光学系を備えた顕微鏡装置において、前記リレー光学系は、瞳リレーレンズ及び像リレーレンズを有し、前記標本の1次像は前記結像レンズと瞳リレーレンズとの間に形成され、又、対物レンズの瞳像は前記瞳リレーレンズと像リレーレンズとの間に投影され、前記像リレーレンズは2群で構成されていて、第1群と第2群との間の光束が無限遠に投影されていることを特徴とする顕微鏡装置。
- 対物レンズと、該対物レンズ側から入射する平行光束を集光する結像レンズと、該結像レンズから射出する収束光を反射して標本の1次像を形成する反射部材と、該1次像をリレーするリレー光学系と、接眼レンズ又はTVカメラ又は写真装置を備えた顕微鏡装置であって、
前記リレー光学系は複数のレンズ群で構成され、該リレー光学系中に前記対物レンズの瞳の像が形成されると共に、該複数のレンズ群のうち2つのレンズ群の間で光束が無限遠光束となり、前記2つのレンズ群の間隔が可変であることを特徴とする顕微鏡装置。 - 前記複数のレンズ群は前記1次像側から順に第1レンズ群、第2レンズ群、第3レンズ群の3つのレンズ群で構成され、前記2つのレンズ群は前記第2レンズ群と前記第3レンズ群であることを特徴とする請求項2に記載の顕微鏡装置。
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