JP3432270B2 - ディジタルx線撮影装置 - Google Patents
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- Apparatus For Radiation Diagnosis (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被検体の周りにX線管
装置及び映像系装置を移動させて該被検体を多方向から
撮影又は透視するディジタルX線撮影装置に関し、特に
1台の装置で被検体の診断部位について回転立体撮影と
通常の透視撮影とを共通に制御してそれぞれの画像の撮
影を行うことができるディジタルX線撮影装置に関す
る。 【0002】 【従来の技術】近年、例えば特開平2-156778号公報に記
載されているように、被検体の周りにX線管装置及び映
像系装置を回転させつつ上記被検体にX線を放射しその
透過X線像を検出してX線撮影をし該被検体の診断部位
を立体画像として観察し得るX線回転立体撮影装置が普
及しつつある。このX線回転立体撮影装置は、床面に設
置され直立部の略中央部には被検体テーブルを水平方向
に挿入するための開口部を有するガントリ本体と、この
ガントリ本体内にて上記開口部の周りに回転可能に設け
られたリング状の回転支持器と、この回転支持器に取り
付けられ被検体にX線を照射するX線管装置と、上記回
転支持器上でX線管装置と対向配置され被検体の透過X
線像を光学像に変換すると共にこの出力光学像を撮影し
て映像信号に変換する映像系装置と、この映像系装置か
らの映像信号をディジタル化すると共にこのディジタル
信号を処理して画像を構成する画像処理装置と、この画
像処理装置からの画像信号を入力して画像表示する表示
装置とを備えて成り、上記回転支持器の回転により被検
体の診断部位について周囲から撮った画像を動画表示し
て立体画像として観察するようになっている。そして、
この種の装置では、例えば循環器系疾患の検査、診断等
において、被検体に対し1回の造影剤注入で血管の周囲
全方向からのX線撮影像が得られると共に、それが立体
的動画像として観察できるため、血管病変部を迅速に確
認できると共に被検体への造影剤注入量を低減できると
いう利点がある。 【0003】しかし、上記のようなX線回転立体撮影装
置においては、被検体の周りにX線管装置及び映像系装
置を回転させて撮影した各々撮影角度の異なる複数枚の
画像のうち、操作者又は医師等が所望する最も的確に血
管病変部をとらえた画像は、ある特定の撮影角度の1枚
だけである。このとき、その1枚の画像を静止画として
表示し観察を行おうとしても、回転動作中に撮影したこ
とによって生ずる運動ボケと、回転する映像系装置が被
検体に衝突しないように該映像系装置を被検体からある
程度離して撮影したことによって生ずる拡大ボケとによ
り、撮影系を静止状態にして撮影した画像に比べて不鮮
明となり、より精密な診断を行うのには十分でない。 【0004】このようなことから、前記X線回転立体撮
影装置を使用した診断システムにおいては、例えば血管
病変部の精密診断のために他のX線撮影装置が組み合わ
されることが一般的であった。上記他のX線撮影装置と
しては、例えばCアーム型支持器を有し、このCアーム
型支持器の両端部に対向してX線管装置と映像系装置と
が配置され、このX線管装置と映像系装置とをCアーム
型支持器と共に被検体の周りに適宜の角度だけ回転し、
その被検体に造影剤を注入する状態のX線透視像として
観察するX線透視撮影装置が用いられていた。そして、
前記X線回転立体撮影装置による被検体の回転立体撮影
によって、血管病変部の位置とその状態が最も的確に観
察できる撮影角度を把握した後、上記X線透視撮影装置
を用いてその撮影角度に設定し、静止状態において映像
系装置を被検体に接触させて精密な画像を撮影するとい
う手法がとられていた。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来のX線回転立体撮影装置にX線透視撮影装置を組み合
わせたものにおいては、被検体についてX線回転立体撮
影装置によって得られた最適な撮影角度の情報を他の装
置であるX線透視撮影装置へ伝達して、自動的にその角
度を再現する手段を備えていないので、被検体の所望部
位について精密診断を行うためには、上記X線透視撮影
装置の例えばCアーム型支持器を手動操作にて角度設定
して最適な撮影角度に再現しなければならなかった。こ
のとき、被検体の診断部位を確認するために、例えばX
線透視下において少量の造影剤を被検体内に注入し、透
視像を見ながら撮影角度を微調整するという操作が必要
であった。従って、せっかく回転立体撮影によって例え
ば血管病変部を迅速に確認しても、その後の静止状態に
おける精密診断のための最適な撮影角度の再現に時間を
要すると共に、操作も煩わしいものであった。このこと
から、全体としての検査時間が長くなると共に、被検体
に対するX線被曝も増大するものであった。 【0006】そこで、本発明は、このような問題点に対
処し、1台の装置で被検体の診断部位について回転立体
撮影と通常の透視撮影とを共通に制御してそれぞれの画
像の撮影を行うことができるディジタルX線撮影装置を
提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によるディジタルX線撮影装置は、床面に設
置されたガントリ本体の略中央部に形成され被検体テー
ブルを水平方向に挿入するための開口部の周りに回転可
能に設けられたリング状の回転支持器に取り付けられた
第一のX線管装置で被検体にX線を照射し、上記回転支
持器上で第一のX線管装置と対向配置された映像系装置
により被検体の透過X線像を光学像に変換すると共にこ
の出力光学像を撮影して映像信号に変換し、上記被検体
の周りに回転立体撮影を行うための回転立体撮影用支持
装置と、上記被検体テーブルの長手方向及び幅方向に沿
って移動可能に設けられ両端部が被検体テーブルを間に
挟んで伸びると共に被検体の周りに任意に移動可能とさ
れたアームの一端部に取り付けられた第二のX線管装置
で被検体にX線を照射し、上記アームの他端部にて第二
のX線管装置と対向配置され被検体に対し接近、退避可
能に設けられた撮像系装置により被検体の透過X線像を
光学像に変換すると共にこの出力光学像を撮影して映像
信号に変換し、上記被検体についてアームの停止状態で
の透視撮影を行うための透視撮影用支持装置と、上記回
転立体撮影用支持装置の映像系装置及び透視撮影用支持
装置の撮像系装置からの映像信号を処理して画像を構成
する画像処理装置と、この画像処理装置からの画像信号
を入力して画像表示する一つ又は複数の表示装置と、上
記回転立体撮影用支持装置の回転支持器の回転動作を制
御する回転制御装置と、上記透視撮影用支持装置のアー
ムの移動動作を制御するアーム制御装置と、操作器から
の操作指令を取り込んで上記各構成要素の動作を制御す
ると共に、上記回転立体撮影用支持装置で撮影した一連
の画像のうちから操作器で入力された選択指令により選
択された画像の撮影角度情報を画像処理装置から読み出
してアーム制御装置へ送り、上記選択画像の撮影角度位
置に透視撮影用支持装置のアームを自動設定するように
演算、制御する中央処理装置から成るシステム制御装置
と、を備えて成るものである。 【0008】 【作用】このように構成されたディジタルX線撮影装置
は、回転立体撮影用支持装置により、ガントリ本体の略
中央部に形成された開口部の周りに回転可能に設けられ
たリング状の回転支持器に取り付けられた第一のX線管
装置で被検体にX線を照射し、上記回転支持器上で第一
のX線管装置と対向配置された映像系装置により被検体
の透過X線像を光学像に変換すると共にこの出力光学像
を撮影して映像信号に変換して、上記被検体の周りに回
転立体撮影を行い、透視撮影用支持装置により、両端部
が被検体テーブルを間に挟んで伸びると共に被検体の周
りに任意に移動可能とされたアームの一端部に取り付け
られた第二のX線管装置で被検体にX線を照射し、上記
アームの他端部にて第二のX線管装置と対向配置された
撮像系装置により被検体の透過X線像を光学像に変換す
ると共にこの出力光学像を撮影して映像信号に変換し
て、上記被検体についてアームの停止状態での透視撮影
を行い、画像処理装置で上記回転立体撮影用支持装置の
映像系装置及び透視撮影用支持装置の撮像系装置からの
映像信号を処理して画像を構成し、表示装置により上記
画像処理装置からの画像信号を入力して画像表示し、回
転制御装置で上記回転立体撮影用支持装置の回転支持器
の回転動作を制御し、アーム制御装置で上記透視撮影用
支持装置のアームの移動動作を制御し、中央処理装置か
ら成るシステム制御装置により、操作器からの操作指令
を取り込んで上記各構成要素の動作を制御すると共に、
上記回転立体撮影用支持装置で撮影した一連の画像のう
ちから操作器で入力された選択指令により選択された画
像の撮影角度情報を画像処理装置から読み出してアーム
制御装置へ送り、上記選択画像の撮影角度位置に透視撮
影用支持装置のアームを自動設定するように動作する。
これにより、被検体の周りに回転立体撮影をして例えば
病変部を確認した後、通常の透視撮影による精密診断の
ための撮影角度の設定及び再現が容易、迅速に実行でき
る。 【0009】 【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
詳細に説明する。図1は本発明によるディジタルX線撮
影装置の全体構成を示すシステムブロック図であり、図
2は具体的な構造例を示す正面図である。このディジタ
ルX線撮影装置は、1台の装置で被検体の診断部位につ
いて回転立体撮影と通常の透視撮影とを共通に制御して
それぞれの画像を撮影するもので、図1に示すように、
回転立体撮影用支持装置1と、透視撮影用支持装置2
と、画像処理装置3と、表示装置4と、回転制御装置5
と、アーム制御装置6と、システム制御装置7と、操作
器8とを備えて成る。 【0010】上記回転立体撮影用支持装置1は、被検体
テーブル9上の被検体10の周りにX線管装置及び映像
系装置を回転させつつ上記被検体10にX線を照射しそ
の透過X線像を検出して画像処理し表示装置に撮影像を
連続的に表示する回転立体撮影を行うための支持装置
で、図2に示すように、ガントリ本体11と、回転支持
器12と、第一のX線管装置13と、映像系装置14と
から成る。ガントリ本体11は、後述の第一のX線管装
置13及び映像系装置14を回転可能に支持し被検体1
0についてX線撮影を行う本体となるもので、床面15
に設置され直立部の略中央部には被検体テーブル9を水
平方向に挿入するための略円形の開口部16が形成され
ている。 【0011】上記ガントリ本体11の内部には、図3に
示すように、回転支持器12が設けられている。この回
転支持器12は、X線管装置13及び映像系装置14を
回転可能に支持するもので、上記開口部16の中心に回
転中心を有するリング状に形成されると共に、該開口部
16の周りに回転可能に設けられている。そして、図示
省略の公知の駆動機構により矢印C,D方向に正逆回転
されるようになっている。なお、上記回転支持器12の
回転角度範囲は、被検体10に対するX線照射角度が例
えば最大360度とすると、停止位置から回転を始めX線
照射を開始するまでの加速区間と、X線照射が終了して
から回転を停止するまでの減速区間とを加えて、例えば
最大約500度とされている。 【0012】また、上記回転支持器12は、図示省略の
公知の駆動機構により、図2に示す矢印E,Fのように
被検体10の頭方向及び足方向に傾倒可能とされてい
る。そして、この回転支持器12の矢印E,F方向への
傾倒動作の角度範囲は、該回転支持器12の回転面が被
検体10の体軸方向と直交する位置を基準として、例え
ば被検体10の頭方向(E方向)へ最大約30度、足方向
(F方向)へ最大約30度の合計約60度とされている。な
お、上記回転支持器12の回転動作及び傾倒動作の角度
は、回転動作の角度が図1に示す回転支持器12の外周
面に習接されたエンコーダ17aによって検出され、傾
倒動作の角度が図1に示す回転支持器12の傾倒動作の
支軸に設けられたエンコーダ17bによって検出される
ようになっている。 【0013】第一のX線管装置13は、上記被検体テー
ブル9上に寝載された被検体10にX線を照射するもの
で、上記回転支持器12上の一箇所に固定され、後述の
X線制御器36から所定の高電圧を供給されるようにな
っている。また、映像系装置14は、被検体10の透過
X線像を光学像に変換すると共にこの出力光学像を撮影
して映像信号に変換するもので、上記X線管装置13か
ら照射され被検体10を透過したX線像を検出して光学
像に変換するイメージインテンシファイア(以下「I.
I.」と略称する)18と、このI.I.18から出力された
光学像を撮影して電気信号に変換するテレビカメラ19
とから成る。そして、上記回転支持器12上で前記X線
管装置13と対向して配置されている。 【0014】そして、上記のような各構成要素を含むガ
ントリ本体11は、図3に示すように、その全体が箱状
の外カバー20で覆われている。また、その中央部に形
成され被検体テーブル9を挿入する開口部16の周囲
は、上記被検体テーブル9に寝載して挿入された被検体
10を保護するために円筒型カバーで覆われている。従
って、通常は、被検体10からは見えない状態で上記X
線管装置13及び映像系装置14が回転支持器12と共
に回転することとなる。 【0015】被検体テーブル9は、その上面に被検体1
0を寝載してX線管装置13によるX線照射域に診断部
位を位置決めできるように、図2に示す床面15に対し
て平行な水平面を被検体10の体軸方向と幅方向とに移
動可能に公知の支持機構で支持されている。回転立体撮
影においては、被検体10の周りにX線管装置13及び
映像系装置14を回転させながらX線撮影を行うため、
被検体10の診断部位がその回転中心付近にないと撮影
途中にX線照射域から診断部位が外れてしまう恐れがあ
る。そのため、図3に示すガントリ本体11に設けられ
た開口部16の径寸法は、上記被検体テーブル9が挿入
可能なだけではなく、被検体10の診断部位を上記の回
転中心付近に位置させることができるだけの寸法とする
必要がある。なお、上記の被検体テーブル9は、後述の
透視撮影用支持装置2のX線管装置23によるX線照射
域に対しても、被検体10の診断部位を位置決めできる
ように移動可能とされている。 【0016】一方、透視撮影用支持装置2は、被検体テ
ーブル9上の被検体10の診断部位について所望の角度
方向から精密診断を行うために、X線管装置及び撮像系
装置の静止状態にてX線を照射しその透過X線像を検出
して画像処理し表示装置に撮影像を表示する透視撮影を
行うための支持装置で、図2に示すように、架台部21
と、C字形アーム22と、第二のX線管装置23と、撮
像系装置24とから成る。架台部21は、後述のアーム
22及び第二のX線管装置23並びに撮像系装置24を
移動可能に支持するもので、例えば天井面25に設置さ
れ上記被検体テーブル9の長手方向及び幅方向に沿って
レール手段等により移動可能に吊下されている。 【0017】上記架台部21の下端部には、図4に示す
ように、C字形アーム22が設けられている。このC字
形アーム22は、X線管装置23及び撮像系装置24を
被検体10の周りに任意に移動可能に支持するもので、
上記架台部21の下端部に設けられたスライド結合部2
6に円弧方向にスライド可能に嵌合されると共に、その
両端部が被検体テーブル9を間に挟むようにして伸びて
いる。そして、上記スライド結合部26内に設けられた
公知の駆動機構により、C字形アーム22は、そのC字
形状の略中心を回動中心として被検体10の体軸周りに
矢印G,Hのようにスライド移動するようになってお
り、さらに、図2に示すように、上記架台部21の下端
部のある点Lを中心として矢印J,Kのように被検体1
0の頭方向及び足方向に傾倒可能とされている。なお、
上記C字形アーム22の円弧方向のスライド動作及び傾
倒動作の角度は、スライド動作の角度が図1に示すC字
形アーム22の外周面に習接されたエンコーダ27aに
よって検出され、傾倒動作の角度が図4に示すスライド
結合部26の根本の支軸に設けられたエンコーダ27b
によって検出されるようになっている。 【0018】第二のX線管装置23は、前記被検体テー
ブル9に寝載されて位置決めされた被検体10にX線を
照射するもので、図4に示すようにC字形アーム22の
一端部に取り付けられ、後述のX線制御器36から所定
の高電圧を供給されるようになっている。また、撮像系
装置24は、被検体10の透過X線像を光学像に変換す
ると共にこの出力光学像を撮影して映像信号に変換する
もので、上記X線管装置23から照射され被検体10を
透過したX線像を検出して光学像に変換するI.I.28
と、このI.I.28から出力された光学像を撮影して電気
信号に変換するテレビカメラ29とから成り、図4に示
すように、C字形アーム22の他端部にてX線管装置2
3と対向配置されると共に被検体10に対し接近、退避
可能に設けられている。すなわち、上記C字形アーム2
2の他端部にはX線管装置23に対して直線移動可能な
構造を有する撮像系支持部30が設けられており、この
撮像系支持部30の直線移動構造部に上記I.I.28及び
テレビカメラ29を取り付けることにより、図示省略の
公知の駆動機構により矢印L,Mのように接近、退避可
能に支持されている。なお、上記撮像系装置24は、I.
I.28及びテレビカメラ29から成るものに限らず、通
常のX線フィルム撮影装置としてもよい。また、図2及
び図4の実施例では、架台部21を天井面25から吊下
するものとして示したが、本発明はこれに限らず、床面
15上に架台部21を設置する構造としてもよい。 【0019】図1に示す画像処理装置3は、前記回転立
体撮影用支持装置1の映像系装置14及び透視撮影用支
持装置2の撮像系装置24からの映像信号をディジタル
化すると共にこのディジタル信号を処理して画像を構成
し記憶するもので、それぞれの支持装置1,2のテレビ
カメラ19,29から出力されるアナログの映像信号を
入力してディジタル信号に変換するA/D変換器31
と、このA/D変換器31から出力される画像データを
記憶する記憶器32と、この記憶器32から読み出した
画像データを入力して再びアナログの映像信号に変換す
るD/A変換器33と、上記A/D変換器31から出力
される多数の画像データを記憶する大容量記憶器34
と、上記記憶器32及び大容量記憶器34などからの画
像データを取り込んで所要の演算をするデータ演算器3
5とで構成されている。そして、表示装置4は、上記画
像処理装置3から出力される映像信号を入力して画像と
して表示するもので、例えば1台又は複数台のテレビモ
ニタから成る。 【0020】回転制御装置5は、前記回転立体撮影用支
持装置1の回転支持器12の回転方向及び速度、角度な
どの回転動作を制御するもので、該回転支持器12の実
位置を検出するエンコーダ17a,17bからの信号を
入力するようになっている。また、アーム制御装置6
は、前記透視撮影用支持装置2のC字形アーム22のス
ライド動作及び傾倒動作と、I.I.28の被検体10に対
する接近、退避動作などを制御するもので、該C字形ア
ーム22の実位置を検出するエンコーダ27a,27b
からの信号を入力するようになっている。 【0021】そして、システム制御装置7は、上記各構
成要素の動作を制御するもので、操作器8から入力され
た各種の操作指令を取り込んで、画像処理装置3や回転
制御装置5,アーム制御装置6,X線制御器36などに
制御信号を送出するようになっており、例えばCPU
(中央処理装置)から成る。なお、上記X線制御器36
は、前記回転立体撮影用支持装置1及び透視撮影用支持
装置2のX線管装置13,23に高電圧を供給すると共
に、X線照射の制御を行うものである。 【0022】次に、このように構成されたディジタルX
線撮影装置の動作について説明する。ここでは、例えば
被検体内の血管病変部の診断を行うため、最初に透視撮
影用支持装置2を使用したX線透視下において診断部位
までカテーテルを導入し、その後回転立体撮影用支持装
置1を使用して図1に示すI.I.18がQ点の位置から撮
影を開始し矢印C方向に1回転してQ点にて撮影を終了
するという360度撮影方式を実施し、最後に再び上記透
視撮影用支持装置2を使用して静止状態における精密診
断のための撮影を行う場合を例として説明する。 【0023】まず、図2において、被検体テーブル9に
寝載された被検体10は、透視撮影用支持装置2のX線
管装置23とI.I.28によるX線照射域へ位置決めさ
れ、X線透視下で造影剤注入のための診断部位へのカテ
ーテル導入が行われる。この場合、カテーテル導入時は
被検体10に対するX線照射方向の角度付けは行わず、
図2及び図4に示すようにI.I.28が被検体10の真上
に位置する状態とされている。このような状態で被検体
10の診断部位に対するカテーテル導入が終了したら、
図2において被検体テーブル9を矢印N方向に水平移動
し、被検体10の診断部位をガントリ本体1内に挿入
し、回転立体撮影用支持装置1による回転撮影の撮影中
心付近に位置するように位置決めする。 【0024】次に、操作者が操作器8に設けられた回転
支持器操作スイッチを操作することにより、回転支持器
12は図2に示す矢印E,F方向へ傾倒して適宜の傾斜
角度にて停止すると共に、図1に示す矢印C,D方向へ
回転して撮影準備位置であるP点にI.I.18が位置する
ように移動して停止する。その後、操作器8によって撮
影開始操作を行うと、図示省略の公知の造影剤注入器か
らカテーテルを通じて被検体10の診断部位へ造影剤の
注入が実施されると共に、回転支持器12は矢印C方向
へ回転を開始し、I.I.18が撮影開始位置のQ点に達す
る直前に所定の回転角速度に到達して、その後定常回転
を続ける。 【0025】そして、上記I.I.18がQ点に達したこと
をエンコーダ17aが検出すると、その検出信号が回転
制御装置5へ送出され、この回転制御装置5は入力した
検出信号をシステム制御装置7へ送出する。このシステ
ム制御装置7は、上記検出信号の入力によりX線制御器
36へ撮影開始の制御信号を送出する。すると、この時
点から上記X線制御器36は、例えば4msのパルス状高
電圧を発生してX線管装置13へ供給する。これによ
り、上記X線管装置13からパルス状X線が放射され、
被検体テーブル9上の被検体10に照射される。この状
態で上記被検体10を透過したX線像は、I.I.18に入
射して光学像に変換され、この出力光学像がテレビカメ
ラ19で撮影される。 【0026】次に、上記テレビカメラ19から出力され
た映像信号は、画像処理装置3内のA/D変換器31へ
入力され、ディジタル信号に変換されて画像データとし
て記憶器32に記憶される。このとき、回転支持器12
に設けられたエンコーダ17a,17bからの角度検出
信号は、回転制御装置5及びシステム制御装置7を介し
て画像処理装置3へ入力され、上記画像データと合わせ
て記憶器32に記憶される。このようにして、図1に示
す矢印C方向の回転中に順次撮影された被検体10の周
りの撮影角度情報付の画像データが記憶器32に記憶さ
れ、この記憶器32から読み出された画像データはD/
A変換器33でアナログの画像信号に変換される。そし
て、この画像信号が表示装置4へ送られ、連続する複数
の画像が順次表示される。この表示装置4に連続表示さ
れる画像は、各画像ごとに被検体10に対するX線照射
方向が異なっているので、人間の眼の残像効果によって
立体的な画像として観察される。 【0027】上記のように回転支持器12が連続回転し
て被検体10について回転立体撮影が行われ、前記I.I.
18が図1に示す矢印C方向に360度回転して撮影終了
位置のQ点に到達すると、これをエンコーダ17aが検
出し、回転制御装置5及びシステム制御装置7並びにX
線制御器36を介して、X線管装置13からのX線放射
が停止される。これと同時に、上記システム制御装置7
は、回転制御装置5を介して回転支持器12の回転停止
の動作をさせ、Q点から減速を始めR点で回転を停止さ
せる。これにより、一連の回転立体撮影が終了する。そ
の後、同じ部位又は異なる診断部位について回転立体撮
影を行うには、上述と同じ手順を繰り返せばよい。 【0028】以上のようにして回転立体撮影が終了した
後、撮影画像を再生するには、操作器8に設けられた画
像再生スイッチを操作する。すると、この入力された再
生指令がシステム制御装置7を介して画像処理装置3へ
送られ、大容量記憶器34に記憶された一連の回転立体
撮影画像を順次読み出し、D/A変換器33を介して表
示装置4に連続する画像が再生表示される。これによ
り、操作者は、連続して表示される動画像によって血管
病変部の立体的な画像を観察し、その後上記血管病変部
の関心領域が最も明確に見える撮影角度の画像を1枚選
択する。そして、上記画像再生スイッチをもう一度操作
して、上記選択した1枚の画像を静止画として表示装置
4に表示する。 【0029】この状態から、透視撮影用支持装置2を使
用しての静止状態での透視撮影に移行する。すなわち、
操作者は、操作器8に設けられた画像選択スイッチを操
作する。すると、この入力された選択指令がシステム制
御装置7を介して画像処理装置3へ送られ、いま表示装
置4に表示されている画像に付加して記録された撮影角
度情報が読み出される。そして、この撮影角度情報が画
像処理装置3からシステム制御装置7へ送出され、この
システム制御装置7は、アーム制御装置6に対して上記
送られてきた撮影角度情報を目標値としてC字形アーム
22を円弧方向のスライド動作及び傾倒動作させるよう
に指令信号を出す。アーム制御装置6は、上記指令信号
を入力して図示省略の公知の駆動機構を制御してC字形
アーム22を移動させ、エンコーダ27a,27bから
の実位置信号を基にC字形アーム22による撮影角度が
上記の目標値と一致する位置で上記C字形アーム22の
移動を停止させる。 【0030】このようにしてC字形アーム22による撮
影角度の位置が自動設定されたら、図2において、被検
体テーブル9を矢印O方向に移動させ、被検体10の診
断部位がX線管装置23とI.I.28によるX線照射域に
入るように位置決めする。そして、操作器8に設けられ
たI.I.移動スイッチを操作することにより、図4におい
てI.I.28が矢印L方向に下降して被検体10に接近
し、被検体表面に接する程度の適宜位置にて停止させ
る。この状態で、操作者が操作器8を操作して撮影開始
操作を行うと、前述の造影剤注入器からカテーテルを通
じて造影剤の注入が開始されると共に、システム制御装
置7からX線制御器36へ撮影開始の制御信号が送出さ
れ、該X線制御器36から高電圧がX線管装置23へ供
給されて、被検体10にX線が照射される。 【0031】上記被検体10を透過したX線像は、I.I.
28及びテレビカメラ29によって映像信号化され、そ
の映像信号が画像処理装置3へ入力されて、ここで所要
の画像処理が施されて画像を構成し記憶される。このよ
うにして適当回数の透視撮影が行われ、得られた画像が
表示装置4に表示され、この画像を観察して医師等によ
って被検体10の血管病変部などの精密診断が行われ
る。なお、前述の回転立体撮影による好適な撮影角度の
画像が2枚以上ある場合は、上記の手順を繰り返して透
視撮影用支持装置2の撮影角度を変えて複数回の撮影を
実施すればよい。 【0032】なお、以上の説明では、回転立体撮影にお
いて、図2に示す回転支持器12の矢印E,F方向の傾
倒角度をある角度位置に固定した状態で回転撮影するこ
ととしたが、これに限らず、上記回転支持器12の矢印
E,F方向の傾倒動作をさせながら回転撮影を行っても
よい。また、上記回転支持器12の図1に示す矢印C,
D方向の回転動作は停止した状態で、図2に示す矢印
E,F方向の傾倒動作のみをさせて撮影を行ってもよ
い。さらに、被検体10の診断部位については、血管病
変部の診断だけではなく、例えば肺ガン検査等のように
回転立体撮影による診断が有効な他の部位の診断にも適
用することができる。 【0033】 【発明の効果】本発明は以上のように構成されたので、
回転立体撮影用支持装置により被検体の周りに回転立体
撮影を行い、透視撮影用支持装置により上記被検体につ
いてアームの停止状態での透視撮影を行い、画像処理装
置で上記回転立体撮影用支持装置及び透視撮影用支持装
置からの映像信号を処理して画像を構成し、表示装置に
より上記画像処理装置からの画像信号を入力して画像表
示し、回転制御装置で上記回転立体撮影用支持装置の回
転支持器の回転動作を制御し、アーム制御装置で上記透
視撮影用支持装置のアームの移動動作を制御し、中央処
理装置から成るシステム制御装置により、操作器からの
操作指令を取り込んで上記各構成要素の動作を制御する
と共に、上記回転立体撮影用支持装置で撮影した一連の
画像のうちから操作器で入力された選択指令により選択
された画像の撮影角度情報を画像処理装置から読み出し
てアーム制御装置へ送り、上記選択画像の撮影角度位置
に透視撮影用支持装置のアームを自動設定することがで
きる。これにより、被検体の周りに回転立体撮影をして
例えば病変部を確認した後、通常の透視撮影による精密
診断のための撮影角度の設定及び再現が容易、迅速に実
行できる。従って、全体として被検体の診断について検
査時間を短縮できると共に、被検体に対するX線被曝も
軽減することができる。
装置及び映像系装置を移動させて該被検体を多方向から
撮影又は透視するディジタルX線撮影装置に関し、特に
1台の装置で被検体の診断部位について回転立体撮影と
通常の透視撮影とを共通に制御してそれぞれの画像の撮
影を行うことができるディジタルX線撮影装置に関す
る。 【0002】 【従来の技術】近年、例えば特開平2-156778号公報に記
載されているように、被検体の周りにX線管装置及び映
像系装置を回転させつつ上記被検体にX線を放射しその
透過X線像を検出してX線撮影をし該被検体の診断部位
を立体画像として観察し得るX線回転立体撮影装置が普
及しつつある。このX線回転立体撮影装置は、床面に設
置され直立部の略中央部には被検体テーブルを水平方向
に挿入するための開口部を有するガントリ本体と、この
ガントリ本体内にて上記開口部の周りに回転可能に設け
られたリング状の回転支持器と、この回転支持器に取り
付けられ被検体にX線を照射するX線管装置と、上記回
転支持器上でX線管装置と対向配置され被検体の透過X
線像を光学像に変換すると共にこの出力光学像を撮影し
て映像信号に変換する映像系装置と、この映像系装置か
らの映像信号をディジタル化すると共にこのディジタル
信号を処理して画像を構成する画像処理装置と、この画
像処理装置からの画像信号を入力して画像表示する表示
装置とを備えて成り、上記回転支持器の回転により被検
体の診断部位について周囲から撮った画像を動画表示し
て立体画像として観察するようになっている。そして、
この種の装置では、例えば循環器系疾患の検査、診断等
において、被検体に対し1回の造影剤注入で血管の周囲
全方向からのX線撮影像が得られると共に、それが立体
的動画像として観察できるため、血管病変部を迅速に確
認できると共に被検体への造影剤注入量を低減できると
いう利点がある。 【0003】しかし、上記のようなX線回転立体撮影装
置においては、被検体の周りにX線管装置及び映像系装
置を回転させて撮影した各々撮影角度の異なる複数枚の
画像のうち、操作者又は医師等が所望する最も的確に血
管病変部をとらえた画像は、ある特定の撮影角度の1枚
だけである。このとき、その1枚の画像を静止画として
表示し観察を行おうとしても、回転動作中に撮影したこ
とによって生ずる運動ボケと、回転する映像系装置が被
検体に衝突しないように該映像系装置を被検体からある
程度離して撮影したことによって生ずる拡大ボケとによ
り、撮影系を静止状態にして撮影した画像に比べて不鮮
明となり、より精密な診断を行うのには十分でない。 【0004】このようなことから、前記X線回転立体撮
影装置を使用した診断システムにおいては、例えば血管
病変部の精密診断のために他のX線撮影装置が組み合わ
されることが一般的であった。上記他のX線撮影装置と
しては、例えばCアーム型支持器を有し、このCアーム
型支持器の両端部に対向してX線管装置と映像系装置と
が配置され、このX線管装置と映像系装置とをCアーム
型支持器と共に被検体の周りに適宜の角度だけ回転し、
その被検体に造影剤を注入する状態のX線透視像として
観察するX線透視撮影装置が用いられていた。そして、
前記X線回転立体撮影装置による被検体の回転立体撮影
によって、血管病変部の位置とその状態が最も的確に観
察できる撮影角度を把握した後、上記X線透視撮影装置
を用いてその撮影角度に設定し、静止状態において映像
系装置を被検体に接触させて精密な画像を撮影するとい
う手法がとられていた。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来のX線回転立体撮影装置にX線透視撮影装置を組み合
わせたものにおいては、被検体についてX線回転立体撮
影装置によって得られた最適な撮影角度の情報を他の装
置であるX線透視撮影装置へ伝達して、自動的にその角
度を再現する手段を備えていないので、被検体の所望部
位について精密診断を行うためには、上記X線透視撮影
装置の例えばCアーム型支持器を手動操作にて角度設定
して最適な撮影角度に再現しなければならなかった。こ
のとき、被検体の診断部位を確認するために、例えばX
線透視下において少量の造影剤を被検体内に注入し、透
視像を見ながら撮影角度を微調整するという操作が必要
であった。従って、せっかく回転立体撮影によって例え
ば血管病変部を迅速に確認しても、その後の静止状態に
おける精密診断のための最適な撮影角度の再現に時間を
要すると共に、操作も煩わしいものであった。このこと
から、全体としての検査時間が長くなると共に、被検体
に対するX線被曝も増大するものであった。 【0006】そこで、本発明は、このような問題点に対
処し、1台の装置で被検体の診断部位について回転立体
撮影と通常の透視撮影とを共通に制御してそれぞれの画
像の撮影を行うことができるディジタルX線撮影装置を
提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によるディジタルX線撮影装置は、床面に設
置されたガントリ本体の略中央部に形成され被検体テー
ブルを水平方向に挿入するための開口部の周りに回転可
能に設けられたリング状の回転支持器に取り付けられた
第一のX線管装置で被検体にX線を照射し、上記回転支
持器上で第一のX線管装置と対向配置された映像系装置
により被検体の透過X線像を光学像に変換すると共にこ
の出力光学像を撮影して映像信号に変換し、上記被検体
の周りに回転立体撮影を行うための回転立体撮影用支持
装置と、上記被検体テーブルの長手方向及び幅方向に沿
って移動可能に設けられ両端部が被検体テーブルを間に
挟んで伸びると共に被検体の周りに任意に移動可能とさ
れたアームの一端部に取り付けられた第二のX線管装置
で被検体にX線を照射し、上記アームの他端部にて第二
のX線管装置と対向配置され被検体に対し接近、退避可
能に設けられた撮像系装置により被検体の透過X線像を
光学像に変換すると共にこの出力光学像を撮影して映像
信号に変換し、上記被検体についてアームの停止状態で
の透視撮影を行うための透視撮影用支持装置と、上記回
転立体撮影用支持装置の映像系装置及び透視撮影用支持
装置の撮像系装置からの映像信号を処理して画像を構成
する画像処理装置と、この画像処理装置からの画像信号
を入力して画像表示する一つ又は複数の表示装置と、上
記回転立体撮影用支持装置の回転支持器の回転動作を制
御する回転制御装置と、上記透視撮影用支持装置のアー
ムの移動動作を制御するアーム制御装置と、操作器から
の操作指令を取り込んで上記各構成要素の動作を制御す
ると共に、上記回転立体撮影用支持装置で撮影した一連
の画像のうちから操作器で入力された選択指令により選
択された画像の撮影角度情報を画像処理装置から読み出
してアーム制御装置へ送り、上記選択画像の撮影角度位
置に透視撮影用支持装置のアームを自動設定するように
演算、制御する中央処理装置から成るシステム制御装置
と、を備えて成るものである。 【0008】 【作用】このように構成されたディジタルX線撮影装置
は、回転立体撮影用支持装置により、ガントリ本体の略
中央部に形成された開口部の周りに回転可能に設けられ
たリング状の回転支持器に取り付けられた第一のX線管
装置で被検体にX線を照射し、上記回転支持器上で第一
のX線管装置と対向配置された映像系装置により被検体
の透過X線像を光学像に変換すると共にこの出力光学像
を撮影して映像信号に変換して、上記被検体の周りに回
転立体撮影を行い、透視撮影用支持装置により、両端部
が被検体テーブルを間に挟んで伸びると共に被検体の周
りに任意に移動可能とされたアームの一端部に取り付け
られた第二のX線管装置で被検体にX線を照射し、上記
アームの他端部にて第二のX線管装置と対向配置された
撮像系装置により被検体の透過X線像を光学像に変換す
ると共にこの出力光学像を撮影して映像信号に変換し
て、上記被検体についてアームの停止状態での透視撮影
を行い、画像処理装置で上記回転立体撮影用支持装置の
映像系装置及び透視撮影用支持装置の撮像系装置からの
映像信号を処理して画像を構成し、表示装置により上記
画像処理装置からの画像信号を入力して画像表示し、回
転制御装置で上記回転立体撮影用支持装置の回転支持器
の回転動作を制御し、アーム制御装置で上記透視撮影用
支持装置のアームの移動動作を制御し、中央処理装置か
ら成るシステム制御装置により、操作器からの操作指令
を取り込んで上記各構成要素の動作を制御すると共に、
上記回転立体撮影用支持装置で撮影した一連の画像のう
ちから操作器で入力された選択指令により選択された画
像の撮影角度情報を画像処理装置から読み出してアーム
制御装置へ送り、上記選択画像の撮影角度位置に透視撮
影用支持装置のアームを自動設定するように動作する。
これにより、被検体の周りに回転立体撮影をして例えば
病変部を確認した後、通常の透視撮影による精密診断の
ための撮影角度の設定及び再現が容易、迅速に実行でき
る。 【0009】 【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
詳細に説明する。図1は本発明によるディジタルX線撮
影装置の全体構成を示すシステムブロック図であり、図
2は具体的な構造例を示す正面図である。このディジタ
ルX線撮影装置は、1台の装置で被検体の診断部位につ
いて回転立体撮影と通常の透視撮影とを共通に制御して
それぞれの画像を撮影するもので、図1に示すように、
回転立体撮影用支持装置1と、透視撮影用支持装置2
と、画像処理装置3と、表示装置4と、回転制御装置5
と、アーム制御装置6と、システム制御装置7と、操作
器8とを備えて成る。 【0010】上記回転立体撮影用支持装置1は、被検体
テーブル9上の被検体10の周りにX線管装置及び映像
系装置を回転させつつ上記被検体10にX線を照射しそ
の透過X線像を検出して画像処理し表示装置に撮影像を
連続的に表示する回転立体撮影を行うための支持装置
で、図2に示すように、ガントリ本体11と、回転支持
器12と、第一のX線管装置13と、映像系装置14と
から成る。ガントリ本体11は、後述の第一のX線管装
置13及び映像系装置14を回転可能に支持し被検体1
0についてX線撮影を行う本体となるもので、床面15
に設置され直立部の略中央部には被検体テーブル9を水
平方向に挿入するための略円形の開口部16が形成され
ている。 【0011】上記ガントリ本体11の内部には、図3に
示すように、回転支持器12が設けられている。この回
転支持器12は、X線管装置13及び映像系装置14を
回転可能に支持するもので、上記開口部16の中心に回
転中心を有するリング状に形成されると共に、該開口部
16の周りに回転可能に設けられている。そして、図示
省略の公知の駆動機構により矢印C,D方向に正逆回転
されるようになっている。なお、上記回転支持器12の
回転角度範囲は、被検体10に対するX線照射角度が例
えば最大360度とすると、停止位置から回転を始めX線
照射を開始するまでの加速区間と、X線照射が終了して
から回転を停止するまでの減速区間とを加えて、例えば
最大約500度とされている。 【0012】また、上記回転支持器12は、図示省略の
公知の駆動機構により、図2に示す矢印E,Fのように
被検体10の頭方向及び足方向に傾倒可能とされてい
る。そして、この回転支持器12の矢印E,F方向への
傾倒動作の角度範囲は、該回転支持器12の回転面が被
検体10の体軸方向と直交する位置を基準として、例え
ば被検体10の頭方向(E方向)へ最大約30度、足方向
(F方向)へ最大約30度の合計約60度とされている。な
お、上記回転支持器12の回転動作及び傾倒動作の角度
は、回転動作の角度が図1に示す回転支持器12の外周
面に習接されたエンコーダ17aによって検出され、傾
倒動作の角度が図1に示す回転支持器12の傾倒動作の
支軸に設けられたエンコーダ17bによって検出される
ようになっている。 【0013】第一のX線管装置13は、上記被検体テー
ブル9上に寝載された被検体10にX線を照射するもの
で、上記回転支持器12上の一箇所に固定され、後述の
X線制御器36から所定の高電圧を供給されるようにな
っている。また、映像系装置14は、被検体10の透過
X線像を光学像に変換すると共にこの出力光学像を撮影
して映像信号に変換するもので、上記X線管装置13か
ら照射され被検体10を透過したX線像を検出して光学
像に変換するイメージインテンシファイア(以下「I.
I.」と略称する)18と、このI.I.18から出力された
光学像を撮影して電気信号に変換するテレビカメラ19
とから成る。そして、上記回転支持器12上で前記X線
管装置13と対向して配置されている。 【0014】そして、上記のような各構成要素を含むガ
ントリ本体11は、図3に示すように、その全体が箱状
の外カバー20で覆われている。また、その中央部に形
成され被検体テーブル9を挿入する開口部16の周囲
は、上記被検体テーブル9に寝載して挿入された被検体
10を保護するために円筒型カバーで覆われている。従
って、通常は、被検体10からは見えない状態で上記X
線管装置13及び映像系装置14が回転支持器12と共
に回転することとなる。 【0015】被検体テーブル9は、その上面に被検体1
0を寝載してX線管装置13によるX線照射域に診断部
位を位置決めできるように、図2に示す床面15に対し
て平行な水平面を被検体10の体軸方向と幅方向とに移
動可能に公知の支持機構で支持されている。回転立体撮
影においては、被検体10の周りにX線管装置13及び
映像系装置14を回転させながらX線撮影を行うため、
被検体10の診断部位がその回転中心付近にないと撮影
途中にX線照射域から診断部位が外れてしまう恐れがあ
る。そのため、図3に示すガントリ本体11に設けられ
た開口部16の径寸法は、上記被検体テーブル9が挿入
可能なだけではなく、被検体10の診断部位を上記の回
転中心付近に位置させることができるだけの寸法とする
必要がある。なお、上記の被検体テーブル9は、後述の
透視撮影用支持装置2のX線管装置23によるX線照射
域に対しても、被検体10の診断部位を位置決めできる
ように移動可能とされている。 【0016】一方、透視撮影用支持装置2は、被検体テ
ーブル9上の被検体10の診断部位について所望の角度
方向から精密診断を行うために、X線管装置及び撮像系
装置の静止状態にてX線を照射しその透過X線像を検出
して画像処理し表示装置に撮影像を表示する透視撮影を
行うための支持装置で、図2に示すように、架台部21
と、C字形アーム22と、第二のX線管装置23と、撮
像系装置24とから成る。架台部21は、後述のアーム
22及び第二のX線管装置23並びに撮像系装置24を
移動可能に支持するもので、例えば天井面25に設置さ
れ上記被検体テーブル9の長手方向及び幅方向に沿って
レール手段等により移動可能に吊下されている。 【0017】上記架台部21の下端部には、図4に示す
ように、C字形アーム22が設けられている。このC字
形アーム22は、X線管装置23及び撮像系装置24を
被検体10の周りに任意に移動可能に支持するもので、
上記架台部21の下端部に設けられたスライド結合部2
6に円弧方向にスライド可能に嵌合されると共に、その
両端部が被検体テーブル9を間に挟むようにして伸びて
いる。そして、上記スライド結合部26内に設けられた
公知の駆動機構により、C字形アーム22は、そのC字
形状の略中心を回動中心として被検体10の体軸周りに
矢印G,Hのようにスライド移動するようになってお
り、さらに、図2に示すように、上記架台部21の下端
部のある点Lを中心として矢印J,Kのように被検体1
0の頭方向及び足方向に傾倒可能とされている。なお、
上記C字形アーム22の円弧方向のスライド動作及び傾
倒動作の角度は、スライド動作の角度が図1に示すC字
形アーム22の外周面に習接されたエンコーダ27aに
よって検出され、傾倒動作の角度が図4に示すスライド
結合部26の根本の支軸に設けられたエンコーダ27b
によって検出されるようになっている。 【0018】第二のX線管装置23は、前記被検体テー
ブル9に寝載されて位置決めされた被検体10にX線を
照射するもので、図4に示すようにC字形アーム22の
一端部に取り付けられ、後述のX線制御器36から所定
の高電圧を供給されるようになっている。また、撮像系
装置24は、被検体10の透過X線像を光学像に変換す
ると共にこの出力光学像を撮影して映像信号に変換する
もので、上記X線管装置23から照射され被検体10を
透過したX線像を検出して光学像に変換するI.I.28
と、このI.I.28から出力された光学像を撮影して電気
信号に変換するテレビカメラ29とから成り、図4に示
すように、C字形アーム22の他端部にてX線管装置2
3と対向配置されると共に被検体10に対し接近、退避
可能に設けられている。すなわち、上記C字形アーム2
2の他端部にはX線管装置23に対して直線移動可能な
構造を有する撮像系支持部30が設けられており、この
撮像系支持部30の直線移動構造部に上記I.I.28及び
テレビカメラ29を取り付けることにより、図示省略の
公知の駆動機構により矢印L,Mのように接近、退避可
能に支持されている。なお、上記撮像系装置24は、I.
I.28及びテレビカメラ29から成るものに限らず、通
常のX線フィルム撮影装置としてもよい。また、図2及
び図4の実施例では、架台部21を天井面25から吊下
するものとして示したが、本発明はこれに限らず、床面
15上に架台部21を設置する構造としてもよい。 【0019】図1に示す画像処理装置3は、前記回転立
体撮影用支持装置1の映像系装置14及び透視撮影用支
持装置2の撮像系装置24からの映像信号をディジタル
化すると共にこのディジタル信号を処理して画像を構成
し記憶するもので、それぞれの支持装置1,2のテレビ
カメラ19,29から出力されるアナログの映像信号を
入力してディジタル信号に変換するA/D変換器31
と、このA/D変換器31から出力される画像データを
記憶する記憶器32と、この記憶器32から読み出した
画像データを入力して再びアナログの映像信号に変換す
るD/A変換器33と、上記A/D変換器31から出力
される多数の画像データを記憶する大容量記憶器34
と、上記記憶器32及び大容量記憶器34などからの画
像データを取り込んで所要の演算をするデータ演算器3
5とで構成されている。そして、表示装置4は、上記画
像処理装置3から出力される映像信号を入力して画像と
して表示するもので、例えば1台又は複数台のテレビモ
ニタから成る。 【0020】回転制御装置5は、前記回転立体撮影用支
持装置1の回転支持器12の回転方向及び速度、角度な
どの回転動作を制御するもので、該回転支持器12の実
位置を検出するエンコーダ17a,17bからの信号を
入力するようになっている。また、アーム制御装置6
は、前記透視撮影用支持装置2のC字形アーム22のス
ライド動作及び傾倒動作と、I.I.28の被検体10に対
する接近、退避動作などを制御するもので、該C字形ア
ーム22の実位置を検出するエンコーダ27a,27b
からの信号を入力するようになっている。 【0021】そして、システム制御装置7は、上記各構
成要素の動作を制御するもので、操作器8から入力され
た各種の操作指令を取り込んで、画像処理装置3や回転
制御装置5,アーム制御装置6,X線制御器36などに
制御信号を送出するようになっており、例えばCPU
(中央処理装置)から成る。なお、上記X線制御器36
は、前記回転立体撮影用支持装置1及び透視撮影用支持
装置2のX線管装置13,23に高電圧を供給すると共
に、X線照射の制御を行うものである。 【0022】次に、このように構成されたディジタルX
線撮影装置の動作について説明する。ここでは、例えば
被検体内の血管病変部の診断を行うため、最初に透視撮
影用支持装置2を使用したX線透視下において診断部位
までカテーテルを導入し、その後回転立体撮影用支持装
置1を使用して図1に示すI.I.18がQ点の位置から撮
影を開始し矢印C方向に1回転してQ点にて撮影を終了
するという360度撮影方式を実施し、最後に再び上記透
視撮影用支持装置2を使用して静止状態における精密診
断のための撮影を行う場合を例として説明する。 【0023】まず、図2において、被検体テーブル9に
寝載された被検体10は、透視撮影用支持装置2のX線
管装置23とI.I.28によるX線照射域へ位置決めさ
れ、X線透視下で造影剤注入のための診断部位へのカテ
ーテル導入が行われる。この場合、カテーテル導入時は
被検体10に対するX線照射方向の角度付けは行わず、
図2及び図4に示すようにI.I.28が被検体10の真上
に位置する状態とされている。このような状態で被検体
10の診断部位に対するカテーテル導入が終了したら、
図2において被検体テーブル9を矢印N方向に水平移動
し、被検体10の診断部位をガントリ本体1内に挿入
し、回転立体撮影用支持装置1による回転撮影の撮影中
心付近に位置するように位置決めする。 【0024】次に、操作者が操作器8に設けられた回転
支持器操作スイッチを操作することにより、回転支持器
12は図2に示す矢印E,F方向へ傾倒して適宜の傾斜
角度にて停止すると共に、図1に示す矢印C,D方向へ
回転して撮影準備位置であるP点にI.I.18が位置する
ように移動して停止する。その後、操作器8によって撮
影開始操作を行うと、図示省略の公知の造影剤注入器か
らカテーテルを通じて被検体10の診断部位へ造影剤の
注入が実施されると共に、回転支持器12は矢印C方向
へ回転を開始し、I.I.18が撮影開始位置のQ点に達す
る直前に所定の回転角速度に到達して、その後定常回転
を続ける。 【0025】そして、上記I.I.18がQ点に達したこと
をエンコーダ17aが検出すると、その検出信号が回転
制御装置5へ送出され、この回転制御装置5は入力した
検出信号をシステム制御装置7へ送出する。このシステ
ム制御装置7は、上記検出信号の入力によりX線制御器
36へ撮影開始の制御信号を送出する。すると、この時
点から上記X線制御器36は、例えば4msのパルス状高
電圧を発生してX線管装置13へ供給する。これによ
り、上記X線管装置13からパルス状X線が放射され、
被検体テーブル9上の被検体10に照射される。この状
態で上記被検体10を透過したX線像は、I.I.18に入
射して光学像に変換され、この出力光学像がテレビカメ
ラ19で撮影される。 【0026】次に、上記テレビカメラ19から出力され
た映像信号は、画像処理装置3内のA/D変換器31へ
入力され、ディジタル信号に変換されて画像データとし
て記憶器32に記憶される。このとき、回転支持器12
に設けられたエンコーダ17a,17bからの角度検出
信号は、回転制御装置5及びシステム制御装置7を介し
て画像処理装置3へ入力され、上記画像データと合わせ
て記憶器32に記憶される。このようにして、図1に示
す矢印C方向の回転中に順次撮影された被検体10の周
りの撮影角度情報付の画像データが記憶器32に記憶さ
れ、この記憶器32から読み出された画像データはD/
A変換器33でアナログの画像信号に変換される。そし
て、この画像信号が表示装置4へ送られ、連続する複数
の画像が順次表示される。この表示装置4に連続表示さ
れる画像は、各画像ごとに被検体10に対するX線照射
方向が異なっているので、人間の眼の残像効果によって
立体的な画像として観察される。 【0027】上記のように回転支持器12が連続回転し
て被検体10について回転立体撮影が行われ、前記I.I.
18が図1に示す矢印C方向に360度回転して撮影終了
位置のQ点に到達すると、これをエンコーダ17aが検
出し、回転制御装置5及びシステム制御装置7並びにX
線制御器36を介して、X線管装置13からのX線放射
が停止される。これと同時に、上記システム制御装置7
は、回転制御装置5を介して回転支持器12の回転停止
の動作をさせ、Q点から減速を始めR点で回転を停止さ
せる。これにより、一連の回転立体撮影が終了する。そ
の後、同じ部位又は異なる診断部位について回転立体撮
影を行うには、上述と同じ手順を繰り返せばよい。 【0028】以上のようにして回転立体撮影が終了した
後、撮影画像を再生するには、操作器8に設けられた画
像再生スイッチを操作する。すると、この入力された再
生指令がシステム制御装置7を介して画像処理装置3へ
送られ、大容量記憶器34に記憶された一連の回転立体
撮影画像を順次読み出し、D/A変換器33を介して表
示装置4に連続する画像が再生表示される。これによ
り、操作者は、連続して表示される動画像によって血管
病変部の立体的な画像を観察し、その後上記血管病変部
の関心領域が最も明確に見える撮影角度の画像を1枚選
択する。そして、上記画像再生スイッチをもう一度操作
して、上記選択した1枚の画像を静止画として表示装置
4に表示する。 【0029】この状態から、透視撮影用支持装置2を使
用しての静止状態での透視撮影に移行する。すなわち、
操作者は、操作器8に設けられた画像選択スイッチを操
作する。すると、この入力された選択指令がシステム制
御装置7を介して画像処理装置3へ送られ、いま表示装
置4に表示されている画像に付加して記録された撮影角
度情報が読み出される。そして、この撮影角度情報が画
像処理装置3からシステム制御装置7へ送出され、この
システム制御装置7は、アーム制御装置6に対して上記
送られてきた撮影角度情報を目標値としてC字形アーム
22を円弧方向のスライド動作及び傾倒動作させるよう
に指令信号を出す。アーム制御装置6は、上記指令信号
を入力して図示省略の公知の駆動機構を制御してC字形
アーム22を移動させ、エンコーダ27a,27bから
の実位置信号を基にC字形アーム22による撮影角度が
上記の目標値と一致する位置で上記C字形アーム22の
移動を停止させる。 【0030】このようにしてC字形アーム22による撮
影角度の位置が自動設定されたら、図2において、被検
体テーブル9を矢印O方向に移動させ、被検体10の診
断部位がX線管装置23とI.I.28によるX線照射域に
入るように位置決めする。そして、操作器8に設けられ
たI.I.移動スイッチを操作することにより、図4におい
てI.I.28が矢印L方向に下降して被検体10に接近
し、被検体表面に接する程度の適宜位置にて停止させ
る。この状態で、操作者が操作器8を操作して撮影開始
操作を行うと、前述の造影剤注入器からカテーテルを通
じて造影剤の注入が開始されると共に、システム制御装
置7からX線制御器36へ撮影開始の制御信号が送出さ
れ、該X線制御器36から高電圧がX線管装置23へ供
給されて、被検体10にX線が照射される。 【0031】上記被検体10を透過したX線像は、I.I.
28及びテレビカメラ29によって映像信号化され、そ
の映像信号が画像処理装置3へ入力されて、ここで所要
の画像処理が施されて画像を構成し記憶される。このよ
うにして適当回数の透視撮影が行われ、得られた画像が
表示装置4に表示され、この画像を観察して医師等によ
って被検体10の血管病変部などの精密診断が行われ
る。なお、前述の回転立体撮影による好適な撮影角度の
画像が2枚以上ある場合は、上記の手順を繰り返して透
視撮影用支持装置2の撮影角度を変えて複数回の撮影を
実施すればよい。 【0032】なお、以上の説明では、回転立体撮影にお
いて、図2に示す回転支持器12の矢印E,F方向の傾
倒角度をある角度位置に固定した状態で回転撮影するこ
ととしたが、これに限らず、上記回転支持器12の矢印
E,F方向の傾倒動作をさせながら回転撮影を行っても
よい。また、上記回転支持器12の図1に示す矢印C,
D方向の回転動作は停止した状態で、図2に示す矢印
E,F方向の傾倒動作のみをさせて撮影を行ってもよ
い。さらに、被検体10の診断部位については、血管病
変部の診断だけではなく、例えば肺ガン検査等のように
回転立体撮影による診断が有効な他の部位の診断にも適
用することができる。 【0033】 【発明の効果】本発明は以上のように構成されたので、
回転立体撮影用支持装置により被検体の周りに回転立体
撮影を行い、透視撮影用支持装置により上記被検体につ
いてアームの停止状態での透視撮影を行い、画像処理装
置で上記回転立体撮影用支持装置及び透視撮影用支持装
置からの映像信号を処理して画像を構成し、表示装置に
より上記画像処理装置からの画像信号を入力して画像表
示し、回転制御装置で上記回転立体撮影用支持装置の回
転支持器の回転動作を制御し、アーム制御装置で上記透
視撮影用支持装置のアームの移動動作を制御し、中央処
理装置から成るシステム制御装置により、操作器からの
操作指令を取り込んで上記各構成要素の動作を制御する
と共に、上記回転立体撮影用支持装置で撮影した一連の
画像のうちから操作器で入力された選択指令により選択
された画像の撮影角度情報を画像処理装置から読み出し
てアーム制御装置へ送り、上記選択画像の撮影角度位置
に透視撮影用支持装置のアームを自動設定することがで
きる。これにより、被検体の周りに回転立体撮影をして
例えば病変部を確認した後、通常の透視撮影による精密
診断のための撮影角度の設定及び再現が容易、迅速に実
行できる。従って、全体として被検体の診断について検
査時間を短縮できると共に、被検体に対するX線被曝も
軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるディジタルX線撮影装置の全体構
成を示すシステムブロック図である。 【図2】上記ディジタルX線撮影装置の具体的な構造例
を示す正面図である。 【図3】図2のA−A線から見た回転立体撮影用支持装
置を示す側面図である。 【図4】図2のB−B線から見た透視撮影用支持装置を
示す側面図である。 【符号の説明】 1…回転立体撮影用支持装置 2…透視撮影用支持装置 3…画像処理装置 4…表示装置 5…回転制御装置 6…アーム制御装置 7…システム制御装置 8…操作器 9…被検体テーブル 10…被検体 11…ガントリ本体 12…回転支持器 13,23…X線管装置 14…映像系装置 16…開口部 18,28…I.I. 19,29…テレビカメラ 21…架台部 22…C字形アーム 24…撮像系装置 36…X線制御部
成を示すシステムブロック図である。 【図2】上記ディジタルX線撮影装置の具体的な構造例
を示す正面図である。 【図3】図2のA−A線から見た回転立体撮影用支持装
置を示す側面図である。 【図4】図2のB−B線から見た透視撮影用支持装置を
示す側面図である。 【符号の説明】 1…回転立体撮影用支持装置 2…透視撮影用支持装置 3…画像処理装置 4…表示装置 5…回転制御装置 6…アーム制御装置 7…システム制御装置 8…操作器 9…被検体テーブル 10…被検体 11…ガントリ本体 12…回転支持器 13,23…X線管装置 14…映像系装置 16…開口部 18,28…I.I. 19,29…テレビカメラ 21…架台部 22…C字形アーム 24…撮像系装置 36…X線制御部
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(56)参考文献 特開 平2−156778(JP,A)
特開 平4−327837(JP,A)
特開 平1−185247(JP,A)
特開 平4−51937(JP,A)
特開 平1−185246(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
A61B 6/00
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】床面に設置されたガントリ本体の略中央部
に形成され被検体テーブルを水平方向に挿入するための
開口部の周りに回転可能に設けられたリング状の回転支
持器に取り付けられた第一のX線管装置で被検体にX線
を照射し、上記回転支持器上で第一のX線管装置と対向
配置された映像系装置により被検体の透過X線像を光学
像に変換すると共にこの出力光学像を撮影して映像信号
に変換し、上記被検体の周りに回転立体撮影を行うため
の回転立体撮影用支持装置と、 上記被検体テーブルの長手方向及び幅方向に沿って移動
可能に設けられ両端部が被検体テーブルを間に挟んで伸
びると共に被検体の周りに任意に移動可能とされたアー
ムの一端部に取り付けられた第二のX線管装置で被検体
にX線を照射し、上記アームの他端部にて第二のX線管
装置と対向配置され被検体に対し接近、退避可能に設け
られた撮像系装置により被検体の透過X線像を光学像に
変換すると共にこの出力光学像を撮影して映像信号に変
換し、上記被検体についてアームの停止状態での透視撮
影を行うための透視撮影用支持装置と、上記回転立体撮影用支持装置の映像系装置及び透視撮影
用支持装置の撮像系装置からの映像信号を処理して画像
を構成する画像処理装置と、 この画像処理装置からの画像信号を入力して画像表示す
る一つ又は複数の表示装置と、 上記回転立体撮影用支持装置の回転支持器の回転動作を
制御する回転制御装置と、 上記透視撮影用支持装置のアームの移動動作を制御する
アーム制御装置と、 操作器からの操作指令を取り込んで上記各構成要素の動
作を制御すると共に、上記回転立体撮影用支持装置で撮
影した一連の画像のうちから操作器で入力された選択指
令により選択された画像の撮影角度情報を画像処理装置
から読み出してアーム制御装置へ送り、上記選択画像の
撮影角度位置に透視撮影用支持装置のアームを自動設定
するように演算、制御する中央処理装置から成るシステ
ム制御装置と、 を備えて成ることを特徴とするディジタルX線撮影装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06651594A JP3432270B2 (ja) | 1994-03-11 | 1994-03-11 | ディジタルx線撮影装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06651594A JP3432270B2 (ja) | 1994-03-11 | 1994-03-11 | ディジタルx線撮影装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07250829A JPH07250829A (ja) | 1995-10-03 |
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Family
ID=13318075
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06651594A Expired - Fee Related JP3432270B2 (ja) | 1994-03-11 | 1994-03-11 | ディジタルx線撮影装置 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3432270B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007061426A (ja) * | 2005-08-31 | 2007-03-15 | Toshiba Corp | X線ct装置及びx線撮影方法 |
US10111639B2 (en) | 2015-01-30 | 2018-10-30 | Toshiba Medical Systems Corporation | Medical image diagnostic apparatus and medical image diagnostic method |
Families Citing this family (4)
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US7108421B2 (en) | 2002-03-19 | 2006-09-19 | Breakaway Imaging, Llc | Systems and methods for imaging large field-of-view objects |
JP2006149542A (ja) * | 2004-11-26 | 2006-06-15 | Shimadzu Corp | 診察用x線撮影装置 |
JP5924411B2 (ja) * | 2012-07-03 | 2016-05-25 | 株式会社島津製作所 | 放射線撮影装置 |
-
1994
- 1994-03-11 JP JP06651594A patent/JP3432270B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007061426A (ja) * | 2005-08-31 | 2007-03-15 | Toshiba Corp | X線ct装置及びx線撮影方法 |
US10111639B2 (en) | 2015-01-30 | 2018-10-30 | Toshiba Medical Systems Corporation | Medical image diagnostic apparatus and medical image diagnostic method |
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---|---|
JPH07250829A (ja) | 1995-10-03 |
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