JP3422973B2 - 細片化したイネ科植物のγ−アミノ酪酸含量を高める方法 - Google Patents
細片化したイネ科植物のγ−アミノ酪酸含量を高める方法Info
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Description
化物またはその搾汁中のγ−アミノ酪酸の含量を高める
方法、この含量を高められた細片化物あるいは搾汁また
はこれらの乾燥粉末、並びにこの乾燥粉末を含む、食品
素材、または医薬品原料に関する。
う)は、血圧降下作用を有することから、高血圧症の人
々のためにGABAを多く含有する食品の開発が検討さ
れている。例えば、従来から、お茶の製造過程で、摘採
した茶葉を嫌気条件に置き、茶葉中にGABAを多量に
蓄積させた、いわゆるギャバロン茶が知られている。ま
た、特開平8−173111号公報には、コーヒー生葉
を無酸素状態で処理後110℃以上の高温で熱処理、乾
燥処理をする方法でGABA濃度の高いコーヒー葉茶を
得たことが記載されている。さらに、特開平9−205
989号公報には、茶葉に赤外線を照射してGABAの
含量を向上させることが記載されている。
葉は、ビタミン類、ミネラル類、不溶性食物繊維に富
み、有害物質の吸着、腸内環境の改善、コレステロール
の吸収抑制、食後血糖値の急上昇防止、スーパーオキサ
イドディスムターゼ(SOD)の活性化などの効果を有
する健康食品の素材として注目を浴びている。このよう
な健康食品素材が高濃度でGABAを含有すれば、上記
の効果に加えさらに抗高血圧効果が期待できる。
濃度で含有するイネ科植物由来の食品素材が望まれてい
る。
物に含まれる新規な有用成分について検討を行った結
果、イネ科植物に抗高血圧成分として知られるGABA
が含まれていることを発見した。そして、これらのイネ
科植物の葉または茎を細片化し、または搾汁にした後
に、グルタミン酸および/またはその塩またはそれらを
含有する他の食品素材を添加することにより、あるいは
保温処理および/または嫌気処理することにより、イネ
科植物体の細片化物または搾汁中のGABA含量が高め
ることができることを見出して、本発明を完成させた。
総称して「イネ科植物体」という。
搾汁に、グルタミン酸および/またはその塩またはそれ
らを含む他の食品素材を添加する工程を含む、GABA
含量が高められたイネ科植物体の細片化物または搾汁を
製造する方法に関する。
たは搾汁を保温および/または嫌気処理する工程を含
む、GABA含量が高められたイネ科植物体の細片化物
または搾汁を製造する方法に関する。
細片化物または搾汁に無機塩化物を添加して行われる。
含量が高められたイネ科植物体の細片化物または搾汁を
乾燥粉末化する工程を含む、GABA含量が高められた
イネ科植物体の細片化物または搾汁の乾燥粉末を製造す
る方法に関する。
物が、80%以上が平均径1mm以下となるように緑葉
を細片化したものである。
イネ科植物が麦類である。
GABA含量が高められたイネ科植物体の細片化物もし
くは搾汁またはそれらの乾燥粉末を含む食品素材または
医薬品原料に関する。
は、植物分類表において、イネ科に分類されるすべての
植物を指す。具体的には大麦、小麦、ライ麦、えん麦、
ハト麦、イタリアンライグラス、イタリアンエースなど
の麦類;イネ、あわ、笹、ひえ、きび、とうもろこし、
ソルガム、サトウキビ等が例示されるが、これらに限定
されない。このうち、麦類が特に好ましい。
の葉および/または茎をいうが、本発明においては緑葉
が好ましく、成熟期前に収穫された若葉であることがさ
らに好ましい。
れないが、植物体としては、大麦、小麦、ライ麦、えん
麦、ハト麦、イタリアンライグラス、イタリアンエース
などの麦類が用いられ、それらの若葉が好適に用いられ
得る。好ましくは、これらの麦類の若葉は、分けつ開始
期から出穂開始前期(背丈が20〜40cm程度)に収
穫された麦類の若葉である。より好ましくは大麦の若葉
が用いられる。
で付着した泥などを洗浄した後に細片化された後、GA
BAが増加されるように処理(以下、GABA富化処理
という)される。
ス、破砕、細断などのイネ科植物体を細片化する方法で
行われる。細片化にはスラリー化も含まれる。スラリー
化はジューサー、ブレンダー、マスコロイダー等で処理
して行われる。これによりイネ科植物体は、どろどろし
た粥状(液体と固体粒子との懸濁液)になる。イネ科植
物体は、細片の80%以上が平均径1mm以下、好まし
くは0.5mm以下、より好ましくは0.1mm以下、最
も好ましくは0.05mmとなるように細片化され、流
動性を有するようになる。
物ということもある)を圧搾して得られる搾汁をGAB
A富化処理しても良い。
接か、あるいはイネ科植物体を細片化した後に圧搾する
ことにより、そしてさらにそれらを遠心分離またはろ過
することにより得られる。搾汁の調製は、必要に応じて
水、エタノール溶液または緩衝液(等張液を含む)など
の当業者が通常用いる溶媒を添加した後に行っても良
い。
化物または搾汁にグルタミン酸および/またはその塩、
またはそれらを含有する食品素材もしくはその抽出物を
添加することによって行われ得る。
タミン酸ナトリウム、グルタミン酸カリウム、グルタミ
ン酸カルシウム、グルタミン酸マグネシウムなどの当業
者に公知のグルタミン酸の塩が挙げられる。グルタミン
酸またはその塩は、直接添加してもよいし、高濃度で含
有する溶液を添加してもよい。
またはその塩を含む他の食品素材とは、用いるイネ科植
物体の細片化物または搾汁以外の、グルタミン酸または
その塩を含む食品素材をいう。例えば、昆布、ワカメな
どの海藻、シイタケ、マイタケのようなきのこ類、かつ
お(かつお節を含む)、いわしなどの魚類、あさり、し
じみなどの貝類、米、小麦、大豆(これらの胚芽を含
む)、茶葉、桑葉、野菜(例えば、トマト)、柑橘類
(中果皮、じょうのう膜)などが挙げられ、グルタミン
酸および/またはその塩を比較的高濃度に含む食品素材
が好ましく用いられる。これには可食性タンパク質に酵
素処理、加熱処理などを施してグルタミン酸を遊離また
は生成させたものなども含まれる。
科植物体の細片化物または搾汁に添加される。これらの
食品素材をそのまま、細片化物または搾汁に添加しても
良く、食品素材を細片化して、あるいは食品素材を搾汁
して、細片化物または搾汁に添加してもよい。また、こ
れらの食品素材の乾燥粉末を細片化物または搾汁に添加
しても良い。あるいはその食品素材に含まれる成分を
水、エタノール溶液、緩衝液(等張液を含む)などに、
必要に応じて加熱して溶出させた溶液を添加してもよ
く、あるいは、溶出した成分の乾燥粉末を細片化物また
は搾汁に添加しても良い。例えば、グルタミン酸を含有
する食品素材が乾燥昆布である場合、乾燥昆布を細片化
してイネ科植物体の細片化物または搾汁に浸漬、攪拌す
ることにより、効率的にGABAが増加される。
からGABAへの変換を触媒する酵素が失活されない範
囲で行われ、好ましくは20〜50℃、より好ましくは
25〜45℃にて行われ得る。
整は当業者が通常用いるpH調整剤、例えば、クエン
酸、コハク酸、酒石酸、炭酸、リン酸またはそれらの塩
などを添加して調整できる。あるいは、食酢、かんすい
などの食品または食品添加物を用いることもできる。
GABA富化処理のpHは、通常3.5〜9.0、好ま
しくは4.0〜8.0、より好ましくは4.5〜7.0、
最も好ましくは5.0〜6.0で行われる。pH−8で
もGABA量は2倍以上となり、イネ科植物の緑葉を用
いた場合、酸性で処理したものおよびpHを調整しなか
ったものと比較して鮮やかな緑色を呈するようになる。
pH−4以下では、GABA富化効率が低下するのに加
え、イネ科植物の緑葉が褐変するためあまり好ましくな
い。なお、GABA富化処理後に、イネ科植物体の細片
化物または搾汁にアルカリ性の物質またはその溶液を添
加して、緑色を鮮やかにすることもできる。
〜24時間行われる。30分以上行えばGABAは2倍
以上に増加される。
塩、またはそれらを含む食品素材は、イネ科植物体の細
片化物もしくはその搾汁に対して任意の量添加され得る
が、通常、細片化物または搾汁の容量に対して0.01
〜40%、好ましくは0.02〜20%、より好ましく
は0.05〜10%となるように添加される。グルタミ
ン酸および/またはその塩を含む食品素材も任意の量で
添加され得るが、グルタミン酸の塩の濃度が20%以上
となるように添加しても、それ以上の効果は期待できな
い。なお、本明細書において、特に記さない限りグルタ
ミン酸またはその塩の濃度は重量%とする。
植物体またはその搾汁を保温および/または嫌気処理す
ることによっても行われ得る。この処理は、上記のグル
タミン酸および/またはその塩またはそれらを含む食品
素材の添加の前もしくは後、または同時に行われ、さら
に効率的なGABA富化が行われ得る。
酸素の気体で処理することを意味する。真空状態も含
む。気体としては、窒素ガス、二酸化炭素が好ましく用
いられる。例えば、窒素などの気体を直接イネ科植物体
の細片化物または搾汁にバブリングするか、周辺の気体
を置換するか、脱気することにより行われ得る。
10分から24時間が好ましく、1〜6時間がより好ま
しい。保温処理および/または嫌気処理の温度は、約2
0〜50℃が好ましく、約30〜45℃がより好まし
い。
汁にピリドキサールリン酸、食塩などの無機塩化物など
を添加することにより、また有機酸もしくはATPなど
の阻害剤を反応系から取り除くことにより、GABA富
化効率を高めることができる。
ウム(食塩)、塩化カルシウム、塩化カリウム、塩化マ
グネシウムなどの当業者が通常用いる無機塩化物が挙げ
られる。にがり、粗塩などを用いても良い。これらは、
任意の濃度で添加され得るが、通常、終濃度が0.01
〜20%、好ましくは0.02〜10%となるように添
加される。例えば、0.05mm程度に細片化した10
0gの大麦若葉に、400mlの水を加え、さらにグル
タミン酸ナトリウムが3%となるように添加して30℃
にて5時間インキュベートする場合、これに塩化ナトリ
ウムを終濃度で0.5重量%となるように添加してイン
キュベートすれば、添加しない場合と比較してGABA
は3割程度増加される。
科植物体の細片化物または搾汁と、グルタミン酸および
/またはその塩またはそれらを含む他の食品素材との混
合物は、それぞれが含有するGABA量と比較しては、
通常2倍、好ましくは3倍、より好ましくは5倍以上に
増加され得る。
片化物からエキスを調製することもできる。イネ科植物
体のエキスは、細片化物に水、エタノール溶液、緩衝液
(等張液を含む)などの当業者が通常用いる溶媒を加
え、必要に応じて加温して抽出したもの(抽出物および
その濃縮物を含む)である。本明細書において、エキス
は搾汁に含まれるものとする。
植物体の細片化物または搾汁に、さらなる処理を施し
て、食品素材、または医薬品原料とすることができる。
食品素材とする場合は、イネ科植物体の細片化物または
搾汁は緑色を保っていることが好ましい。医薬品原料、
例えばGABAを抽出精製する場合は、必ずしも緑色で
なくてもよい。
細片化物および搾汁は、そのまま、変色(褪色を含
む)、変質等の原因となり得る酵素(クロロフィラー
ゼ、ペルオキシダーゼ、ポリフェノールオキシダーゼ)
を不活化させるために、その形態に応じて、常圧、加
圧、または減圧下、80〜150℃にて通常2〜180
秒間処理される。
イクロウェーブ処理は、イネ科植物体の細片化物または
搾汁中に存在する、変質に関与する酵素が失活するか、
加熱により緑色が失われない範囲で行なえばよい。その
ような範囲は、マイクロウェーブの波長、マイクロウェ
ーブ照射装置の出力、照射時間などにより適宜調節でき
る。例えば、2450MHz、500Wのマイクロウェ
ーブを当てる場合は、麦若葉100g(湿重量)あた
り、0.5〜10分、好ましくは0.5〜5分、より好ま
しくは0.5〜1分間処理される。0.5分に満たないと
酵素の失活が不十分で、該処理後の緑葉が褪色しやすく
なる。また、10分以上処理すると褪色し、GABAも
減少する傾向にある。
短時間であることが望ましく、加熱後、急冷処理を行う
ことがより好ましい。冷却処理は、例えば、水浴もしく
は氷浴に浸すか、または冷蔵して行われ得る。凍結して
も良い。この処理によって得られたイネ科植物体の細片
化物または搾汁は、イネ科植物体に含まれる変質に関す
る酵素が失活しているので、含有される成分を長期間安
定して保持することが可能である。しかも鮮やかな緑色
が保持されるため、例えば、健康食品あるいはその原科
として用いられたときの商品価値も高い。
細片化物または搾汁は、必要に応じてさらに乾燥粉末化
され得る。
は5%以下になるように行われる。例えば、イネ科植物
体の細片化物または搾汁は熱風乾燥、高圧蒸気乾燥、電
磁波乾燥、噴霧乾燥、凍結乾燥などの当業者が通常用い
る方法で乾燥される。加熱による乾燥は、好ましくは5
0℃〜80℃、より好ましくは55℃〜65℃にて加温
によりイネ科植物体の緑色が変色しない温度および時間
で行うことができる。中でも、凍結乾燥、噴霧乾燥など
が好ましく用いられる。噴霧乾燥に際しては、必要に応
じて、デキストリン、シクロデキストリン、デンプン、
マルトース等の賦形剤等を添加することもできる。
燥粉末が得られる。粉砕は、当業者が通常用いる方法に
従い、例えば、クラッシャー、ミル、ブレンダー、石臼
などを用いて行われ得る。乾燥粉末は必要に応じて篩に
かけられ、例えば、30〜250メッシュの篩を通過す
るものが用いられ得る。粒径が250メッシュより小さ
いと食品素材や医薬品原料としたときに、さらなる加工
が行なわれにくい。粒径が30メッシュより大きいと、
例えば、他の食品素材との均一な混合が妨げられる。
熱殺菌などの当業者が通常用いる任意の技術により殺菌
され得る。
て調製したイネ科植物体の細片化物の乾燥粉末(緑色で
あるかそうでないかを問わず)のGABAの量は、乾燥
重量換算で500mg/100g以上、好ましくは80
0mg/100g以上、より好ましくは1200mg/
100g以上、最も好ましくは1600mg/100g
以上である。これに対してGABA富化処理を行わなか
った場合、多くとも400mg/100g程度である。
て調製したイネ科植物体の搾汁粉末(緑色であるかそう
でないかを問わず)のGABA含量は、少なくとも80
0mg/100g以上、好ましくは1200mg/10
0g以上、より好ましくは1600mg/100g以
上、最も好ましくは2000mg/100g以上であ
る。これに対しGABA富化処理を行わなかった場合、
多くとも600mg/100g程度である。
たイネ科植物体の細片化物、搾汁、またはそれらの乾燥
粉末は、そのままか、賦形剤、増量剤、結合剤、増粘
剤、乳化剤、着色料、香料、食品添加物、調味料等と混
合されて食品、飲料およびそれらの素材、ならびに医薬
品用あるいは、家畜、ペットの飼料の原料として供する
ことができる。例えば、ローヤルゼリー、ビタミン、プ
ロテイン、カルシウム、キトサン、レシチンなどが配合
され、さらに糖液や調味料を加えて味を整えることもで
きる。あるいは、過剰のグルタミン酸および/またはそ
の塩を除去することもできる。そしてこれらは、必要に
応じてハードカプセル、ソフトカプセルなどのカプセル
剤、錠剤もしくは丸剤としてか、または粉末状、顆粒
状、茶状、ティーバック状もしくは、飴状などの形状に
成形され得る。これらは、その形状または好みに応じ
て、そのまま食されても良いし、あるいは水、お湯もし
くは牛乳などに溶いて飲んでも良いし、または成分を浸
出させてから飲んでも良い。
理された素材を原料として、GABAの純品を精製する
ことも可能である。
り、本発明を制限することを意図しない。
で刈り取った大麦の若葉を用いた。これを水洗いして付
着した泥などを洗い流した。麦若葉を湿式粉砕機(マス
コロイダー)を用いて、平均径が0.05mm程度に細
片化した(ほとんどが平均径0.1mm以下の細片であ
った)後、圧搾して搾汁を得た。次いでこの搾汁(10
0ml)に30重量%のグルタミン酸ナトリウム溶液
を、最終濃度が3%となるように添加し、表1に記載の
種々の温度にて4時間攪拌した。これを凍結乾燥した
後、ブレンダーを用いて200メッシュを90%程度が
通過するように粉砕して乾燥粉末とした。これらの乾燥
粉末のGABA含量を、アミノ酸自動分析機を用いて以
下の条件にて測定した。結果を表1に示す。なお、表中
に未処理とあるのは、圧搾して得られた搾汁を凍結乾燥
し、同様にして粉末化としたもののGABA含量であ
り、GABA富化率とあるのは、未処理の乾燥粉末にお
けるGABA含量を100%としたときのGABAの量
(%)である。
添加して、20〜50℃で処理することによりGABA
が増加することを示す。
汁(100ml)に30重量%のグルタミン酸ナトリウ
ム溶液を終濃度が3%となるように添加した後、クエン
酸または炭酸ナトリウムを用いて表2に記載の種々のp
Hに調整した。これを30℃にて4時間攪拌した後、凍
結乾燥し、ブレンダーを用いて200メッシュを90%
程度が通過するように粉砕した乾燥粉末のGABA含量
を測定した。結果を表2に示す。
いて、グルタミン酸ナトリウムの添加によりGABAが
増加することを示す。
汁に、終濃度が表3に記載の種々の濃度となるようにグ
ルタミン酸ナトリウムを添加した。次いで、これを30
℃にて4時間攪拌した後、凍結乾燥し、ブレンダーを用
いて200メッシュを90%程度が通過するように粉砕
した乾燥粉末のGABA含量を測定した。結果を表3に
示す。
タミン酸ナトリウムの添加により、十分にGABA含量
が増加することを示す。また、0%の欄に示されるよう
に保温処理によっても、GABAの量が増加することを
示す。
汁に、終濃度が3%となるように30重量%グルタミン
酸ナトリウムを添加した。これを30℃にて表4に記載
の種々の時間攪拌した後、凍結乾燥し、ブレンダーを用
いて200メッシュを90%程度が通過するように粉砕
した乾燥粉末のGABA含量を測定した。結果を表4に
示す。
ABA含量が増加することを示す。
5mm程度に細片化した100gの大麦の若葉に、20
0mlの水を加えた。これに、200メッシュを90%
程度が通過する程度に粉砕した市販の乾燥昆布を3g添
加した後、pH−6.0に調整し、30℃にて4時間攪
拌した。これを凍結乾燥し、200メッシュを90%程
度が通過するように粉砕した乾燥粉末のGABA含量を
測定した。結果を表5に示す。なお、乾燥昆布にGAB
Aは含まれていなかった。
が、グルタミン酸を含有する食品素材の添加により行わ
れることを示す。
5mm程度に細片化した100gの大麦の若葉に200
mlの水を加え、さらに30重量%のグルタミン酸ナト
リウム溶液および10重量%の塩化ナトリウム(食塩)
溶液をそれぞれ終濃度が3%および0.5%となるよう
に添加し、30℃にて4時間、攪拌した。また、塩化ナ
トリウム溶液を添加しないものについても同様にして処
理した。これらを凍結乾燥し、ブレンダーを用いて20
0メッシュを90%が通過する程度に粉砕した乾燥粉末
のGABA含量を測定した。結果を表6に示す。
加えてさらに食塩を添加することにより、GABA富化
が効率的に行われることを示す。
た大麦の若葉ならびに背丈が約20cmで刈り取ったイ
タリアンライグラスおよびイネ(コシヒカリ)の緑葉を
実施例1と同様にして粒径0.05mm程度に細片化し
た。これらの細片化物に、200mlの水を加え、さら
に30重量%のグルタミン酸ナトリウム溶液を終濃度が
3%となるように添加した後、30℃にて5時間、攪拌
した。これらを凍結乾燥、さらにブレンダーを用いて2
00メッシュを90%程度が通過するように粉砕した乾
燥粉末のGABA含量を測定した。結果を表7に示す。
が、イネ科植物であるイタリアンライグラスおよびイネ
の緑葉においても行い得ることを示す。
ルタミン酸および/またはその塩またはそれらを含有す
る食品素材を添加することにより、細片化物または搾汁
中のGABA含量が高められる。また、これを原料とし
てGABAを高濃度で含有するイネ科植物由来の食品素
材、または医薬品原料が得られる。
Claims (7)
- 【請求項1】 イネ科植物体の細片化物または搾汁にグ
ルタミン酸および/またはその塩またはそれらを含む他
の食品素材を添加する工程を含む、γ−アミノ酪酸含量
が高められたイネ科植物体の細片化物または搾汁を製造
する方法。 - 【請求項2】 イネ科植物体の細片化物または搾汁を保
温および/または嫌気処理する工程を含む、γ−アミノ
酪酸含量が高められたイネ科植物体の細片化物または搾
汁を製造する方法。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の工程が、前記
イネ科植物体の細片化物または搾汁に無機塩化物を添加
して行われる、請求項1または2に記載の方法。 - 【請求項4】 請求項1から3のいずれかの項に記載の
方法によりγ−アミノ酪酸含量が高められたイネ科植物
体の細片化物または搾汁を乾燥粉末化する工程を含む、
γ−アミノ酪酸含量が高められたイネ科植物体の細片化
物または搾汁の乾燥粉末を製造する方法。 - 【請求項5】 前記細片化物が、細片の80%以上が平
均径1mm以下となるように緑葉を処理したものであ
る、請求項1から4のいずれかの項に記載の方法。 - 【請求項6】 前記イネ科植物が麦類である、請求項1
から5のいずれかの項に記載の方法。 - 【請求項7】 請求項1から5のいずれかの項に記載の
方法により得られる、γ−アミノ酪酸含量が高められた
イネ科植物体の細片化物もしくは搾汁またはそれらの乾
燥粉末を含む食品素材または医薬品原料。
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