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JP3413864B2 - Cu合金製電気電子機器用コネクタ - Google Patents

Cu合金製電気電子機器用コネクタ

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JP3413864B2
JP3413864B2 JP04203193A JP4203193A JP3413864B2 JP 3413864 B2 JP3413864 B2 JP 3413864B2 JP 04203193 A JP04203193 A JP 04203193A JP 4203193 A JP4203193 A JP 4203193A JP 3413864 B2 JP3413864 B2 JP 3413864B2
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JP
Japan
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connector
alloy
electronic equipment
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solderability
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JP04203193A
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Inventor
竹四 鈴木
錬成 二塚
誠司 熊谷
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Mitsubishi Shindoh Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Shindoh Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、はんだ付け性に優
れ、かつ高温環境下でSnメッキの変色が起こりにくい
Cu合金製電気電子機器用コネクタに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、Cu合金製電気電子機器用コネク
タとして、重量%で(以下、%は重量%を示す)、 Zn:0.1〜3%、 Ni:0.5〜3%、 Si:0.08〜0.8%、 Sn:0.1〜0.9%、 Fe:0.007〜0.25%、 P:0.001〜0.2%、 を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成
を有するCu合金で構成されるCu合金製電気電子機器
用コネクタが知られている(特開平3−56636号公
報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のCu合金製電気電子機器用コネクタは、Zn:0.
1〜3%含有のZn含有量が少ないCu合金で構成され
ているために、 (1) 表面にSnメッキを施しても、高温環境下に曝
されると変色して接触抵抗が増加し、これを防止するた
めにはZnを3%越えて含有せしめたCu合金を使用す
る必要があるが、Znを3%を越えて添加したCu合金
ははんだ付け性が悪いところから、Zn:3%を越えて
含むCu合金製電気電子機器用コネクタははんだ付け性
が損なわれる、 (2) 打抜き加工、特に高速打抜き加工を行ってコネ
クタを製造するに際し、金型の摩耗が激しく、金型寿命
が短くなって金型の保守交換を頻繁に行なわなければな
らず、製造コストが上昇する、などの課題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
かかる課題を解決すべく研究を行った結果、Znを3%
を越えて含有したCu合金であっても、Mg:0.00
1〜0.2%を添加し、さらに必要に応じてPb:0.
001〜0.01%を添加したCu合金でコネクタを作
製すると、従来のコネクタに見られるようなはんだ付け
性を損なうことがなく、Snメッキが高温環境下に曝さ
れても変色して接触抵抗が増すことが少なく、さらに高
速打抜き加工に際して金型の摩耗を減少させることがで
きるという知見を得たのである。
【0005】この発明は、かかる知見にもとづいてなさ
れたものであって、 (イ)重量%で、 Zn:3超〜35%、 Ni:0.1〜3%、 Si:0.02〜1%、 Sn:0.01〜0.9%、 Fe:0.007〜0.25%、 P:0.001〜0.2%、 Mg:0.001〜0.2%、残りがCuおよび不可避
不純物からなる組成を有するCu合金で構成したCu合
金製電気電子機器用コネクタ、 (ロ) 重量%で、 Zn:3超〜35%、 Ni:0.1〜3%、 Si:0.02〜1%、 Sn:0.1〜0.9%、 Fe:0.007〜0.25%、 P:0.001〜0.2%、 Mg:0.001〜0.2%、 Pb:0.001〜0.01%、 残りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有するC
u合金で構成したCu合金製電気電子機器用コネクタ、
に特徴を有するものである。
【0006】つぎに、この発明の電気電子機器用コネク
タの製造に用いるCu合金の成分組成を上記の如く限定
した理由を説明する。
【0007】(a) Zn Znを3%を越えて添加すると、高温環境下でのSnメ
ッキの変色を防止して接触抵抗の増加を抑える作用を有
するが、はんだ付け性を損う。しかし、Mg:0.00
1〜0.2%を添加すると上記はんだ付け性を損うこと
はない。
【0008】一方、Znを35%を越えて添加すると、
冷間加工性が悪くなり、耳割れが発生するようになるこ
とからコネクタ素材としての信頼性が不十分となる。し
たがって、Zn含有量を3%超〜35%に定めた。
【0009】(b) NiおよびSi これら両成分には、一部素地に固溶するが、大部分は相
互に結合して化合物を形成し、もって導電率を大幅に損
なうことなく強度を一段と向上させると共に、軟化温度
を上げ、熱クリープ特性を向上させる作用があるが、そ
れらの含有量がそれぞれNi:0.1%未満、Si:
0.02%未満では前記作用に所望の向上効果が得られ
ず、一方、その含有量がそれぞれNi:3%およびS
i:1%を越えると、熱間圧延性およびメッキの加熱密
着性が低下するようになることから、それらの含有量を
Ni:0.1〜3%、Si:0.02〜1%に定めた。
【0010】(c) Sn Sn成分には、素地に固溶して強度、ばね性および曲げ
加工性を一段と向上させる作用があるが、その含有量が
0.01%未満では上記作用に所望の効果が得られず、
一方、その含有量が0.9%を越えると導電率が低下す
るようになることからその含有量を0.01〜0.9%
に定めた。
【0011】(d) Fe Fe成分には、NiとSiの化合物析出を微細化し、も
って強度およびメッキ加熱密着性を向上させる効果を通
じて、端子、コネクタの信頼性を高める作用があるが、
その含有量が0.007%未満では上記作用に所望の効
果が得られず、一方、その含有量が0.25%を越える
と、熱間圧延性が低下するようになることから、その含
有量を0.007〜0.25%と定めた。
【0012】(e) P P成分には、曲げ加工によって起こるばね性の低下を抑
制し、よって成形加工していた端子、コネクタの保持力
を向上させる作用があるが、その含有量が0.001%
未満では所望の効果が得られず、一方、その含有量が
0.2%を越えると、熱間圧延性を低下させると共に、
メッキ加熱密着性を損なうようになることから、その含
有量を0.001〜0.2%と定めた。
【0013】(f) Mg この成分には、鋳塊の大型化によって助長される凝固歪
およびSその他の不純物元素の偏折等による熱間圧延割
れを抑制し、かつ打抜き加工性を高めて耐金型摩耗性を
向上させ、さらに3%を越えるZnと共存することによ
りはんだ付け性を向上させる作用があるが、その含有量
が0.001%未満では上記作用に所望の効果が得られ
ず、一方、Mgが0.2%を越えて添加されると、酸化
物が巻き込まれやすくなり、鋳造欠陥が増加し、この鋳
造欠陥のある鋳塊を熱間圧延すると熱間圧延割れが発生
し、また導電性が損なわれるので好ましくない。したが
って、Mgの含有量は0.001〜0.2%に定めた。
【0014】(g) Pb Pbは、打抜き加工性を向上させる成分であるが、その
含有量が0.001%未満では所望の効果が得られず、
一方、0.01%を越えて含有すると熱間圧延時に割れ
が発生しやすくなりスリット削除部分が多くなるので好
ましくないところから、Pb含有量は0.001〜0.
01%と定めた。
【0015】
【実施例】通常の低周波溝型溶解炉を用い、大気中、木
炭被覆下でそれぞれ表1〜表2に示される成分組成のC
u合金を溶製し、半連続鋳造法により、厚さ:160m
m、幅:450mm、長さ:2400mmの寸法をもった鋳
塊を作製し、ついでこの鋳塊を750〜950℃の範囲
内の所定の温度で熱間圧延を開始して厚さ:10mmの熱
延板とし、水冷後、上下両面を0.5mmづつ面削した。
この面削時に熱延板全長にわたって目視にて5mm以上の
側端部割れの数および最大側端部割れの長さを観察し、
その結果を表3〜表4に示し、熱間圧延性を評価した。
【0016】上記最大側端割れのある熱延板は最大側端
割れが無くなるように側端部をスリットして除去し、さ
らに目視にて側端部割れが発見できなかった熱延板も安
全を見て両側端部を3mmづつ面削したのち、通常の条件
で冷間圧延と焼鈍を繰り返し行ない、75%の仕上げ圧
延にて厚さ:0.3mmの条材とし、この条材に200〜
500℃の範囲内の所定温度に1時間保持の条件で焼鈍
を施すことにより本発明Cu合金製コネクタ素材(以
下、本発明コネクタ素材という)1〜11、比較Cu合
金製コネクタ素材(以下、比較コネクタ素材という)1
〜6および従来Cu合金製コネクタ素材(以下、従来コ
ネクタ素材という)を作製した。
【0017】なお、比較コネク素材は、いずれも構成成
分のいずれかの成分含有量がこの発明の範囲から外れた
組成をもつものであり、表2において、外れた組成に*
印を付して示した。
【0018】このようにして得られた本発明コネクタ素
材1〜11、比較コネクタ素材1〜6および従来コネク
タ素材について、下記の試験を行ない、はんだ付け性、
金型摩耗性、およびSnメッキの耐熱変色性を調べ、こ
れらの結果を表3〜表4に示した。
【0019】(1) はんだ付け性試験 厚さ:0.3mm、幅:15mm、長さ:80mmの寸法をも
った試験片を、アセトン脱脂し、10%硫酸で酸洗し、
水洗乾燥し、ロジンフラックスで処理し、温度:230
℃の60%Sn−40%Pb合金のはんだ浴中に40mm
深さで5秒間浸漬し、引き上げた。この場合のはんだの
ぬれ面積が95%以上をはんだ付け性「良」、95%未
満をはんだ付け性「不良」として評価した。
【0020】(2) 打抜き加工による金型摩耗試験 市販のWC基超硬合金(Co:16%含有)製金型を用
い、上記各種条材に直径:2mmの円孔をプレス打抜きに
より100万個あけ、この場合、条材に形成される穴径
は金型が摩耗するに従って小径化するので、最初の穴径
と最後の穴径の変化量を100万で割って平均変化率を
求め、この求めた平均変化率のうち、従来Cu合金条材
の平均変化率を1として、これに対する相対割合を求め
評価した。したがって平均変化率が小さいほど金型を摩
耗させない条材であることを示す。
【0021】(3) Snメッキの加熱による変色試験
および密着性試験 上記各種条材を用いて厚さ:0.30mm、幅:50mm、
長さ:100mmの寸法を有する試験片を作製し、これに
通常の電気メッキ法により厚さ:2μmのSnメッキを
施し、このSnメッキされた試験片を160℃で200
時間加熱し、目視にて加熱後の黒変色の有無を観察し、
Snメッキの耐熱変色性を調べた。
【0022】ついで、上記加熱後の各試験片から幅:1
5mm、長さ:80mmの寸法をもった試験片を切り出し、
それらについて180°密着曲げし、再び180°曲げ
戻す条件で行ない、この180°曲げ部におけるメッキ
剥離の有無を観察し、その結果を表3〜表4に示し、S
nメッキの加熱密着性を評価した。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】
【発明の効果】表1〜表4に示される結果から、従来コ
ネクタ素材においてZnを3%を越えて添加するとはん
だ付け性が低下すると言われているが、Znが3%を越
えて含有してもMg:0.001〜0.2%を含有する
本発明コネクタ素材1〜11ははんだ付け性の低下がな
く、またMgを添加することによって熱間加工性が向上
して歩留り良く板材を製造することができ、このコネク
タ素材を用いて作製したコネクタのSnメッキは高温環
境下にあっても黒変色することがないことがわかる。
【0028】これに対して、この発明の条件から外れた
組成の比較コネクタ素材1〜6および従来コネクタ素材
は、熱間圧延時の割れ発生、はんだ付け性不良、高温下
でのSnメッキの黒変色、剥離、打抜き加工時の金型摩
耗の増大、および備考欄に示されるその他好ましくない
特性が少なくとも1つ現われるところから、この比較コ
ネクタ素材1〜6および従来コネクタ素材を用いてコネ
クタを作製しても信頼できるコネクタは得られないこと
がわかる。
【0029】なお、本発明コネクタ素材1〜11、比較
コネクタ素材1〜6および従来コネクタ素材の引張り強
さおよび伸びについてそれぞれ測定したが、本発明コネ
クタ素材1〜11および比較コネクタ素材1〜6の引張
り強さおよび延びは従来コネクタ素材とほぼ同等であっ
たので表3〜表4に記載することを省略した。
【0030】上述のように、Snメッキの高温下変色を
防止するためにZnを3%を越えて添加してもはんだ付
け性が損なわれることのない電気電子機器用コネクタを
提供することができ、電気電子産業の発展に大いに貢献
しうるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−224645(JP,A) 特開 平2−118037(JP,A) 特開 平2−170953(JP,A) 特開 平2−163331(JP,A) 特開 平2−141562(JP,A) 特開 平2−122039(JP,A) 特開 昭63−26320(JP,A) 特開 平3−56636(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 9/04 H01H 1/02 H01R 13/03

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 Zn:3超〜35%、 Ni:0.1〜3%、 Si:0.02〜1%、 Sn:0.01〜0.9%、 Fe:0.007〜0.25%、 P:0.001〜0.2%、 Mg:0.001〜0.2%、残りがCuおよび不可避
    不純物からなる組成を有するCu合金で構成したことを
    特徴とするCu合金製電気電子機器用コネクタ。
  2. 【請求項2】 重量%で、 Zn:3超〜35%、 Ni:0.1〜3%、 Si:0.02〜1%、 Sn:0.1〜0.9%、 Fe:0.007〜0.25%、 P:0.001〜0.2%、 Mg:0.001〜0.2%、 Pb:0.001〜0.01%、 残りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有するC
    u合金で構成したことを特徴とするCu合金製電気電子
    機器用コネクタ。
JP04203193A 1993-02-05 1993-02-05 Cu合金製電気電子機器用コネクタ Expired - Lifetime JP3413864B2 (ja)

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