JP3494025B2 - 熱延鋼帯の圧延方法 - Google Patents
熱延鋼帯の圧延方法Info
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Description
に加熱したスラブを、粗圧延、仕上圧延して熱延鋼帯を
製造する圧延方法に関し、加熱炉内でスラブの長手方向
に発生する温度変動、特にスキッドマークを除去する熱
延鋼帯の圧延方法に関する。
粗圧延、仕上圧延して熱延鋼帯を製造する圧延方法にお
いて、スラブは加熱炉内でスキッドレール上に保持され
る。スラブのスキッドレールとの接触部分は、それ以外
の部分よりも低温になり、スラブの長手方向に周期的に
低温部分が発生する。この低温部分を以下の文中ではス
キッドマークと称することにする。スキッドマークは、
熱延鋼帯の板厚、板幅の変動を引き起こし問題である。
これは、スキッドマーク部では、被圧延材の変形抵抗が
高いために、他の部分より変形しにくいことに起因して
いる。
て、特開昭56−71501号公報が開示されている。
この従来技術は、粗圧延機と仕上圧延機の間に、粗バー
を加熱するための誘導加熱コイルを設置し、誘導加熱コ
イルへの投入電力を調整して、スキッドマークの温度を
均一化するというものである。
術には以下のような課題がある。スキッドマークによる
板厚、板幅の変動は、粗圧延終了後の粗バーにすでに存
在する。粗バーを加熱してスキッドマークの温度を均一
化してから仕上圧延を行っても、粗バーの板厚、板幅の
変動は、そのまま熱延鋼帯に引き継がれて残ることにな
る。
ために、スキッドマークに起因した熱延鋼帯長手方向の
板厚や板幅の変動を低減することが可能な熱延鋼帯の圧
延方法を提供することにある。
を達成するために、本発明は以下に示す手段を用いてい
る。 (1)本発明の圧延方法は、加熱炉にて加熱したスラブ
を粗圧延機で粗圧延して粗バーとなし、粗バーを加熱装
置で幅方向全体にわたって加熱した後、粗バーを仕上圧
延機で仕上圧延して熱延鋼帯とする圧延方法に関し、加
熱炉内でスラブの長手方向に発生した温度変動のスラブ
低温部分に相当する粗バーの位置を、加熱装置で加熱す
るにあたり、スラブ低温部分の加熱後の温度が、隣り合
ったスラブ非低温部分の加熱後の温度より高くなるよう
にすることを特徴とする、熱延鋼帯の圧延方法である。
延機の間に設置された粗バーの加熱装置がソレノイド型
誘導加熱装置であることを特徴とする、上記(1)に記
載の熱延鋼帯の圧延方法である。
前のスラブ非低温部分とスラブ低温部分の粗バーの温度
差をΔT1 、粗バーを加熱した後のスラブ非低温部分と
スラブ低温部分の粗バーの温度差をΔT2 、粗圧延でス
ラブに加えられる板厚方向の歪をεR 、仕上圧延で粗バ
ーに加えられる板厚方向の歪をεF と定義するとき、下
記(1)式を満たすように粗バーを加熱することを特徴
とする、上記(1)または(2)に記載の熱延鋼帯の圧
延方法である。
部分」の関係については、図3に示すように長手方向全
体に温度分布をもつ例などを考えると、絶対レベルでは
特定されない。従って、個々の低温部分を加熱する際に
はその隣り合った非低温部分(実際的には前後の平均
値)との相対的関係から加熱量を決定する必要がある。
に、本発明者らは鋭意検討を重ね、次のような知見を得
た。図2にスキッドマーク付近の粗バー長手方向温度分
布を示す。粗バーの加熱を行う前の温度分布は細実線で
ある。従来技術では、スキッドマークが存在しないと仮
定した場合の点線の温度分布まで、粗バーの加熱を行つ
ている。しかしながら、スキッドマークによる板厚や板
幅の変動は、粗圧延によってすでに発生している。スキ
ッドマーク部では、粗バーの板厚はその他の部分に比較
して厚く、板幅は狭くなっている。被圧延材のスキッド
マーク部は変形抵抗が高いために、板厚方向に圧下され
にくく、幅広がりも小さいことが原因である。このた
め、従来技術の方法でスキッドマークを除去しても、粗
バーに存在した長手方向の形状変動は、熱延鋼帯にもそ
のまま残ることになる。
度分布が、図2の太実線で表されるように、スキッドマ
ーク部の温度がその他の部分よりも高くなっている。こ
のような温度分布を付与すれば、被圧延材のスキッドマ
ーク部の変形抵抗が下がり、仕上圧延中に他の部分より
も大きな板厚方向の圧下を加えられ、幅広がりも大きく
なる。かくして、粗圧延によって粗バーに発生した板
厚、板幅の長手方向の変動は、仕上圧延によって打ち消
され、長手方向に形状の安定した熱延鋼帯を製造するこ
とができる。
起因した熱延鋼帯長手方向の形状変動をなるべく小さく
するためには、どのような加熱を行うべきかについて検
討を行った。その結果、粗圧延でスラブに加えられた板
厚方向の歪をεR 、仕上圧延で粗バーに加えられる板厚
方向の歪をεF とするとき、図2のΔT1 およびΔT2
が次式の関係を満たすように加熱すればよいということ
を見出した。
位置のみで定義されるように見えるが、実際にはスキッ
ドマーク部の任意の位置で定義される。
ーをソレノイド型誘導加熱装置で加熱する際、スラブ低
温部分の加熱後の温度がスラブ非低温部分の加熱後の温
度より高くなるように加熱制御するようにして、スキッ
ドマークに起因した熱延鋼帯長手方向の板厚や板幅の変
動を低減することが可能な熱延鋼帯の圧延方法を見出
し、本発明を完成させた。
る。本発明の圧延方法を実施する熱間圧延設備列の概略
側面図を図1に示す。スラブ加熱炉1で所定の温度に加
熱されたスラブは、粗圧延機2で粗圧延されて粗バーと
なる。粗バーは、さらに仕上圧延機7で仕上圧延されて
所定板厚の熱延鋼帯となる。加熱装置入側温度計3は、
粗バーのスキッドマークを検出するために設けられてい
る。ここで測定した粗バーの長手方向温度分布をもと
に、制御装置4は上述した長手方向温度分布を与えるよ
うに、粗バー加熱装置5を制御して粗バーを加熱する。
ここに示した熱間圧延設備列には、加熱装置出側温度計
6や、熱延鋼帯の形状を検出する板厚計8や板幅計9も
設置されている。
観点から、誘導加熱装置が考えられる。誘導加熱装置に
はトランスバース・フラックス型とソレノイド型の2種
類が知られている。しかしながら、トランスバース・フ
ラックス型には、インダクターの形状が複雑で大容量の
ものを作りにくく、高価であるということや、被加熱材
の幅端部が過加熱されるといった問題がある。さらに、
効率を比較すると、粗バー程度の板厚ではソレノイド型
のほうが高いことから、特にソレノイド型誘導加熱装置
を選択すべきである。
は、スキッドマーク部の長さよりも短くしなければなら
ない、実用的には1m以下とすればよい。また、図1に
は、粗バー加熱装置5は1台しか表示されていないが、
複数台設置してもかまわない。
本発明の実施形態について説明したが、スラブ加熱炉1
内でスラブの長手方向に発生した任意の温度変動に対し
て、本発明が適用できることはいうまでもない。以下に
本発明の実施例を挙げ、本発明の効果を立証する。
示すようなものであるが、粗バー加熱装置5として50
00kW級のソレノイド型誘導加熱装置が2台備えられ
ている。
200mmの鋼スラブをスラブ加熱炉1で1240℃に
加熱した後、粗圧延を行って板厚35mmの粗バーとし
た。さらに粗バーを仕上圧延して、板厚2.6mm、幅
1,200mmの熱延鋼帯を製造した。
バーの長手方向温度分布を示す。細実線は粗バーの加熱
を行わなかった場合(比較例)で、5個所にスキッドマ
ークが存在している。スキッドマークの谷底と、スキッ
ドマーク以外の部分の温度差は約30℃である。これは
つまり、スキッドマークの谷底ではΔT1 =30℃とい
うことである。点線のグラフは、従来技術の方法にのっ
とって、スキッドマークの温度を均一化したものであ
る。太実線は本発明を実施した場合の温度分布である。
加熱制御は次のようにして行われた。粗圧延で板厚方向
に加えられた真歪は、εR =ln(235/35)であ
る。仕上圧延で根厚方向に加えられた真歪は、εF =l
n(35/2.6)である。粗バー加熱後のスキッドマ
ーク部の、スキッドマーク以外の部分との温度差ΔT2
が、 ΔT2 =(εR /εF )・ΔT1 で与えられるように、加熱制御を行った。スキッドマー
クの谷底であった部分についてみると、加熱後はスキッ
ドマーク以外の部分に比べて約20℃高温になっている
ことがわかる。
の板厚と目標板厚の差を図4に示す。粗バー加熱を行わ
なかったときは、スキッドマークの影響によって±30
μmの板厚変動が発生している。従来技術の方法で粗バ
ーを加熱し、スキッドマークを均一化したときの板厚の
変化を点線のグラフに示す。依然として±10μm以上
の板厚変動が存在する。これは、粗バーの段階ですでに
生じていた変動が原因と考えられる。これらに対して、
本発明により粗バーを加熱したときの板厚変動は±10
μm以下におさえられている。
目標板幅の差を図5に示す。細実線のグラフで表されて
いるように、粗バーの加熱を行わなかったときは、3〜
6mmの板幅変動がある。点線で示される従来技術を適
用したときの結果では3〜5mmと、2mm程度のばら
つきがある。太実線の本発明のグラフをみると、仕上板
幅と目標板幅の差が約4mmのところで安定しているこ
とがわかる。以上の実施例から、本発明の熱延鋼帯の圧
延方法により、熱延鋼帯長手方向の形状変動を従来技術
よりも低減できることがわかる。
延鋼帯の長手方向について板厚や板幅の変動を低減する
ことができ、歩留りが向上する。さらに、需要家の信頼
を得ることができるなど、工業上の利用価値は高い。
略側面図。
の温度分布を従来技術と本発明例で比較した図。
の分布を従来技術と本発明例で比較した図。
標板厚の差を従来技術と本発明例で比較した図。
標板幅の差を従来技術と本発明例で比較した図。
Claims (3)
- 【請求項1】 加熱炉にて加熱したスラブを粗圧延機で
粗圧延して粗バーとなし、粗バーを加熱装置で幅方向全
体にわたって加熱した後、粗バーを仕上圧延機で仕上圧
延して熱延鋼帯とする圧延方法において、 加熱炉内でスラブの長手方向に発生した温度変動のスラ
ブ低温部分に相当する粗バーの位置を、加熱装置で加熱
するにあたり、スラブ低温部分の加熱後の温度が、隣り
合ったスラブ非低温部分の加熱後の温度より高くなるよ
うにすることを特徴とする、熱延鋼帯の圧延方法。 - 【請求項2】 粗圧延機と仕上圧延機の間に設置された
粗バーの加熱装置がソレノイド型誘導加熱装置であるこ
とを特徴とする、請求項1に記載の熱延鋼帯の圧延方
法。 - 【請求項3】 粗バーを加熱する前のスラブ非低温部分
とスラブ低温部分の粗バーの温度差をΔT1 、粗バーを
加熱した後のスラブ非低温部分とスラブ低温部分の粗バ
ーの温度差をΔT2 、粗圧延でスラブに加えられる板厚
方向の歪をεR 、仕上圧延で粗バーに加えられる板厚方
向の歪をεF と定義するとき、下記(1)式を満たすよ
うに粗バーを加熱することを特徴とする、請求項1また
は2に記載の熱延鋼帯の圧延方法。 ΔT2 =(εR /εF )・ΔT1 …(1)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP23843398A JP3494025B2 (ja) | 1998-08-25 | 1998-08-25 | 熱延鋼帯の圧延方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP23843398A JP3494025B2 (ja) | 1998-08-25 | 1998-08-25 | 熱延鋼帯の圧延方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000061503A JP2000061503A (ja) | 2000-02-29 |
JP3494025B2 true JP3494025B2 (ja) | 2004-02-03 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP23843398A Expired - Fee Related JP3494025B2 (ja) | 1998-08-25 | 1998-08-25 | 熱延鋼帯の圧延方法 |
Country Status (1)
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---|---|---|---|---|
CN1303229C (zh) | 2002-07-25 | 2007-03-07 | Posco公司 | 用于减小加热物体的温度差的方法和滑动件以及利用它们的滑动装置 |
-
1998
- 1998-08-25 JP JP23843398A patent/JP3494025B2/ja not_active Expired - Fee Related
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