JP3479895B2 - 二酸化チタンを含有する化粧料 - Google Patents
二酸化チタンを含有する化粧料Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の平均粒子径
及び比表面積をもつ二酸化チタンを含有する化粧料に関
し、更に詳しくは、適度な隠蔽力、紫外線遮断能及び分
散性に優れ、配合したとき自然な仕上がり、つまり青白
さがなく、適度な隠蔽力が得られる二酸化チタンを含有
する化粧料に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、化学的に安定で、安全性の高い二
酸化チタンは、白色顔料として各種業界で多く用いられ
てきている。たとえば、平均粒子径が0.2〜0.25
μmの顔料級二酸化チタンはその高い隠蔽力や着色力が
利用されており、また平均粒子径が0.03〜0.05
μm程度の微粒子二酸化チタンは高い紫外線遮断能を持
つことから、紫外線防止剤として配合されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、顔料級
二酸化チタンはその紫外線遮断効果を向上させるため
に、多量に配合すると、隠蔽力や着色力が高くなり、白
くなりすぎ、その塗膜もいわゆる白塗り、白浮きなどが
生じ不自然であった。また、微粒子二酸化チタンは高い
紫外線遮断能を有するが、最近の紫外線防止に対する意
識の高揚により、紫外線遮断効果を高めるため多量に配
合すると、微粒子二酸化チタン特有の青白さが出て組成
物及び塗膜等も青白く不自然な仕上がりになっていた。
更に、微粒子二酸化チタンは、UV−B領域(290〜
320nm)に於ける遮断能は高いが、UV−A領域
(320〜400nm)における遮断能はあまり高くな
いという特性がある。更に、顔料級二酸化チタン及び微
粒子二酸化チタンは、分散性が良くないため、組成物に
配合すると凝集し仕上がりが悪くなるという欠点があっ
た。特に、化粧品業界に於いては、仕上がりに加えて官
能も品質を決定する上で、重要な因子である。顔料級の
二酸化チタンは多量に配合すると、とまりがきつくな
り、微粒子二酸化チタンを配合するとなめらかさがなく
なるなどの欠点があった。これらの欠点を解消するため
に、顔料級二酸化チタンと微粒子二酸化チタンの粒子径
の異なる二酸化チタンを組み合わせ紫外線遮断能を上げ
たり、形状の異なる二酸化チタンを組み合わせて官能面
を向上させたりしているが、よりよい効果を得るために
は、配合比や配合量を限定する必要があり、また、分散
性を向上させるために予め油分散物や水分散物に調製し
て配合するなど煩雑な前処理を行うことから、各業界で
満足できるものは得られていなかった。そこで適度な隠
蔽力、紫外線遮断能(UV−A及びUV−B遮断能)及
び分散性に優れ、組成物に配合した時、青白さがなく適
度に隠蔽されている状態である自然な仕上がりが得られ
る二酸化チタンが望まれていた。 【0004】 【課題を解決するための手段】かかる事情に鑑み、本発
明者らは、鋭意研究を行った結果、特定の粒子径及び比
表面積をもつ二酸化チタンが適度な隠蔽力、紫外線遮断
能(UV−A及びUV−B遮断能)及び分散性に優れ、
これを含有する化粧料は、仕上がりが自然で、紫外線遮
断能にも優れていることを見出し、本発明を完成するに
至った。すなわち本発明は、二酸化チタンを含有する化
粧料において、該二酸化チタンが、硫酸チタニル、四塩
化チタン又はチタンアルコキシドの加水分解(但し、火
炎加水分解は除く)、或は四塩化チタンの直接酸化によ
って得られた二酸化チタンであり、且つ平均粒子径が
0.10μmを超えて0.14μm以下であり、全粒子
中の70重量%以上が平均粒子径の±0.03μmであ
り、比表面積が10〜30m2/gであることを特徴と
する化粧料である。 【0005】【発明の実施の形態】 以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の平均粒子径が0.10μmを超えて0.14μ
m以下である二酸化チタン(以下「本発明の二酸化チタ
ン」と記述する)は、平均粒子径が0.10μmを超え
て0.14μm以下で、且つ比表面積が10m2/g〜
30m2/gであれば、その形状は球状、板状、扁平
状、針状、紡錘状、不定形等いずれのものであっても構
わない。本発明の二酸化チタンを調製する方法は、平均
粒子径0.10μmを超えて0.14μm以下で、且つ
比表面積が10m2/g〜30m2/gの二酸化チタン
が得られれば、いずれの方法でも調製ができる。具体的
には、少なくとも0.10μmよりも小さい平均粒子径
に調製された二酸化チタンを焼成し、粒子を成長させる
ことによって、その一次粒子の平均径が0.10μmを
超えて0.14μm以下である二酸化チタンを得る。前
記、0.10μmよりも小さい二酸化チタンを製造する
方法は、特に限定するものではないが、例えば、硫酸チ
タニルあるいは四塩化チタンの加水分解(但し、火炎加
水分解は除く)、四塩化チタンの直接酸化ないしチタン
アルコキシドの加水分解(但し、火炎加水分解は除く)
等をあげることができる。かかる方法によって得られた
焼成物は、エネルギー流体ミル等の粉砕機によって粉砕
し、用途に応じて水洗あるいは表面処理を施すことがで
きる。 【0006】また、本発明の二酸化チタンは、全粒子中
70重量%(以下、単に「%」で示す)以上が平均粒子
径の±0.03μmの巾に含まれることが好ましい。こ
の巾の二酸化チタンは組成物に配合したとき、更に良好
な分散状態が得られ、これを配合した組成物、特に化粧
料は更に使用感及び紫外線遮断などの光学的特性が向上
する。 【0007】本発明の二酸化チタンは、更に目的に応じ
て、例えば金属酸化物、金属水酸化物、フッ素化合物、
シリコーン系油剤、金属石鹸、ロウ、油脂、炭化水素等
で表面処理して用いることが可能である。また、本発明
の二酸化チタンは、粒子径、比表面積又は形状の異なる
2種以上を組み合わせて用いることができる。 【0008】 本発明の二酸化チタンは、化粧料、塗
料、インキ、プラスチック、繊維、ゴム、トナー等の各
種組成物に配合することができる。本発明の二酸化チタ
ンを含有する化粧料の剤型は、粉末状、粉末固型状、ク
リーム状、乳液状、ローション状、油性固型状、油性液
状、ペースト状等のいずれであってもよく、特にメーク
アップ化粧料、スキンケア化粧料、ヘアケア化粧料等と
することが好ましい。効果がより発現する点ではメーク
アップ化粧料が最も好ましい。本発明のメークアップ化
粧料としては、ファンデーション、白粉、ほほ紅、口
紅、美爪料、アイ製品、日焼け止め化粧料、コンシーラ
ー等が挙げられる。化粧料中の本発明の二酸化チタンの
配合量は、その化粧料の特質に応じて任意に選択される
が、官能上の特性及び効果の発現において、0.1〜5
0%が好ましい。 【0009】本発明の化粧料には通常化粧料に用いられ
る成分を必要に応じて適宜配合することが出来る。粉体
としては、例えば、タルク、カオリン、セリサイト、マ
イカ、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アル
ミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマ
グネシウム、ケイ酸カルシウム、無水ケイ酸等の無機体
質顔料、酸化亜鉛等の無機白色顔料、ベンガラ、黄酸化
鉄、黒酸化鉄、グンジョウ、コンジョウ、カーボンブラ
ック等の無機着色顔料、雲母チタン、酸化鉄雲母チタ
ン、オキシ塩化ビスマス等のパール剤、タール色素、天
然色素等の有機着色顔料、ナイロンパウダー、シルクパ
ウダー、ポリエチレンパウダー、結晶セルロース、N−
アシルリジン等の有機粉体が挙げられる。なお、これら
粉体は、フッ素化合物、シリコーン系油剤、金属石鹸、
ロウ、油脂、炭化水素等を用いて表面処理を施したもの
であってもよい。また、本発明の二酸化チタンの利点を
損なわない範囲において、顔料級二酸化チタン及び微粒
子二酸化チタンを併用することも可能である。油分とし
ては、例えば、オリーブ油、ひまし油、ホホバ油、ミン
ク油等の油脂類、ミツロウ、ラノリン、キャンデリラロ
ウ等のロウ類、流動パラフィン、スクワラン、ワセリ
ン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワック
ス等の炭化水素、ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪
酸、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアル
コール等の高級アルコール、ミリスチン酸イソプロピ
ル、トリオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸
ジグリセリル等のエステル類、ラノリン脂肪酸イソプロ
ピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、ジメチ
ルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の
シリコーン油、ポリオキシアルキレン変性やアルキルで
変性したシリコーン油、パーフルオロデカン、パーフル
オロオクタン等のフッ素系油類等を挙げることができ
る。その他、有機溶剤、樹脂、可塑剤、紫外線吸収剤、
酸化防止剤、防腐剤、界面活性剤、保湿剤、香料、水、
アルコール、増粘剤等が挙げられる。 【0010】 【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に説明する
が、本発明はこれによって何ら限定されるものではな
い。 【0011】製造実施例1 本発明の二酸化チタン
(0.12μm二酸化チタン) 常法により硫酸チタニル溶液を加熱分解し、ろ過、洗浄
した含水酸化チタンスラリーに苛性ソーダ溶液を攪拌し
ながら投入し、95℃で2時間加熱した。次いでこの処
理物を十分洗浄して得られたスラリーに塩酸を攪拌しな
がら投入し、95℃で2時間加熱しチタニアゾルを作成
した。この様にして得られたチタニアゾルを80℃でp
H値7.0に調整し、ろ過、水洗し、105℃で乾燥し
た。これを電気炉にて850℃で2時間焼成した後、エ
アージェットミルにて粉砕することで平均粒子径0.1
2μmの二酸化チタンを得た。上記の方法で調製された
二酸化チタンを透過型電子顕微鏡を用いて粒子径及びそ
の分布を測定したところ、平均粒子径は0.12μm
で、全粒子中70重量%以上が平均粒子径の±0.03
μmの範囲にはいることが確認された。また、BET法
により比表面積を測定したところ、比表面積は10m2
/g〜30m2/gの範囲にはいることが確認された。 【0012】製造比較例1 混合0.12μm二酸化チ
タン 顔料級二酸化チタン{酸化チタンJR−701:テイカ
社製(平均粒子径0.25μm)}32重量部と微粒子
二酸化チタン{微粒子酸化チタンP−25:デグッサ社
製(平均粒子径0.03μm)}68重量部を混合攪拌
し平均粒子径を0.12μmとした混合の0.12μm
二酸化チタンを得た。BET法により比表面積を測定し
たところ、比表面積は30m2/gを超えるものであっ
た。 【0013】(試験方法)製造実施例1の0.12μm
二酸化チタンと製造比較例1の混合0.12μm二酸化
チタン、顔料級二酸化チタン及び微粒子二酸化チタンに
ついて分光曲線、特定波長における透過率及び分散性を
測定した。 【0014】(1)分光曲線及び遮断率 石英板上にポリビニルピロリドンのアルコール溶液を2
5μmのドクターブレードを用いて塗布した。アルコー
ル蒸発後、粘着面に柔らかいブラシにて各二酸化チタン
を均一に塗布し、測定用検体とした。上記検体について
島津自記分光光度計UV−265FM及び同ユニット積
分計ISR−260にて透過率を測定した。測定波長は
可視光領域(400〜800nm)、UV−A領域(3
20〜400nm)、UV−B領域(290〜320n
m)とし、分光曲線を測定し、各領域の透過面積をチャ
ートより求めた。分光曲線の測定結果を図1に示した。
遮断率は、下記式(1)により算出し、その結果を表1
に示した。 【0015】 【図1】 【0016】 【数1】 【0017】(2)分散性 各二酸化チタンを10%濃度で1,3−ブチレングリコ
ール中に混合し、ロールミルを用いて1回分散させたも
のを測定用検体とし、下記判定基準に従って、目視にて
分散性を判定した。その結果も併せて表1に示した。 (判定基準) ○:分散性が良好で、凝集が観察されない。 △:分散性は良好であるが、少し凝集が観察される。 ×:分散性が悪く、かなり凝集が観察される。 【0018】 【表1】 【0019】表1から明かなように、製造実施例1の
0.12μm二酸化チタンは可視光においては、顔料級
二酸化チタンよりも遮断率が低く、透明性が高いことが
示され、また紫外線領域においては、顔料級二酸化チタ
ン及び混合0.12μm二酸化チタンよりも遮断率が高
いことが示された。紫外線領域の中でもUV−Aの波長
領域については四者の中で最も遮断率が高かった。これ
らの二酸化チタンを肌上に塗布したとき、その塗布膜の
外観は、顔料級二酸化チタンでは白く厚ぼったく、微粒
子二酸化チタンでは青白く、混合0.12μm二酸化チ
タンは白い中に青さが見えるのに対し、製造実施例1の
0.12μm二酸化チタンでは青白さのない適度な白さ
の自然な外観が得られた。本発明の二酸化チタンは、可
視光線の中〜長波長の光散乱が短波長光散乱に比べて低
いことから、肌色を構成する主たる波長域(黄色〜赤
色)の光は化粧膜を透過しやすく、且つ、くすんだ肌、
色素沈着した肌等が有する青色系の短波長の光を化粧塗
膜中で散乱するため、自然で健康的な肌色を演出する効
果に優れている。 【0020】また、分散性については、顔料級二酸化チ
タン、微粒子二酸化チタン及び混合0.12μm二酸化
チタンは、凝集が観察されたのに対し、本発明の0.1
2μm二酸化チタンは、分散性も良好で、凝集が観察さ
れなかった。 【0021】更に、塗布時の感触は、顔料級二酸化チタ
ンはのびが悪く止まりがきつく、微粒子二酸化チタンで
はきしみ感があり、混合0.12μm二酸化チタンはの
びが悪く、きしみ感があるのに対して、本発明の0.1
2μm二酸化チタンではのびが良くソフトな感触であっ
た。 【0022】製造実施例2.本発明の二酸化チタン
(0.14μm二酸化チタン) 製造実施例1の焼成温度を880℃に変更することで平
均粒子径0.14μmの二酸化チタンを得た。上記方法
により得られた二酸化チタンをBET法により比表面積
を測定したところ、比表面積は10m2/g〜30m2
/gの範囲にはいることが確認された。 【0023】実施例1〜4及び比較例1〜3 パウダー
ファンデーション 表2に示す組成のパウダーファンデーションを調製し、
使用性(のび・ひろがり)、隠蔽力(カバー力)、自然
な仕上がり(白く厚ぼったさのなさ)、くすみのなさ
(青白さのなさ)について官能評価を行い、紫外線遮断
効果については透過率を測定し判定した。その結果も併
せて表2に示す。 【0024】 【表2】【0025】(製法) A:成分1〜8を混合する。 B:成分9〜12を加熱溶解し混合する。 C:AとBを混合分散し、金皿に充填する。 【0026】(評価方法) (評価項目) 1.のび・ひろがり 2.カバー力 3.白く厚ぼったさのなさ 4.青白さのなさ 5.紫外線遮断効果 【0027】(評価及び評価基準)項目1〜4は、専門
パネル16人による使用テストを行ない、5段階評価の
平均点に基づいて下記基準で判定した。 評価基準 5点:非常に良好 4点:良好 3点:普通 2点:やや不良 1点:不良 判定基準 ◎:4.0〜5.0点 ○:3.0〜4.0点未満 △:2.0〜3.0点未満 ×:1.0〜2.0点未満 【0028】項目5は各試料について製造実施例1にお
ける試験方法を用い、以下のように紫外線遮断効果を判
定した。 ◎:紫外部の透過率が非常に低く、遮断効果が高い。 ○:紫外部の透過率が低く、遮断効果がやや高い。 △:紫外部の透過率がやや高く、遮断効果がやや低い ×:紫外部の透過率が高く、遮断効果が劣っている。 【0029】本発明の0.12μm二酸化チタンを配合
した実施例1〜4のパウダーファンデーションは比較例
1〜3に比べ、使用性、隠蔽力、自然な仕上がり、くす
みのなさ、紫外線遮断効果の全ての点で優れたものであ
った。 【0030】実施例5及び比較例4〜5 O/W型日焼
け止め乳液 表3に示す組成のO/W型日焼け止め乳液を調製し、使
用性(のび・ひろがり)、隠蔽力(カバー力)、自然な
仕上がり(白く厚ぼったさのなさ)、くすみのなさ(青
白さのなさ)、紫外線遮断効果について実施例1〜4及
び比較例1〜3の評価方法と同様の評価を行った。但
し、紫外線遮断効果に用いた試料は石英板に直接ドクタ
ーブレードを使用して塗布した。その結果も併せて表3
に示す。 【0031】 【表3】【0032】(製法) A:成分1〜9を加熱し混合分散する。 B:成分10〜13を混合分散する。 C:AとBを混合し乳化する。 D:Cに成分14〜17を加えて混合する。 本発明の二酸化チタンを配合した実施例5のO/W型日
焼け止め乳液は比較例4、5に比べ、使用性、隠蔽力、
自然な仕上がり、くすみのなさ、紫外線遮断効果の全て
の点で優れたものであった。 【0033】実施例6及び比較例6、7 W/O型クリ
ーム 表4に示す組成のW/O型クリームを調製し、使用性
(のび・ひろがり)、隠蔽力(カバー力)、自然な仕上
がり(白く厚ぼったさのなさ)、くすみのなさ(青白さ
のなさ)、紫外線遮断効果について実施例1〜4及び比
較例1〜3の評価方法と同様の評価を行った。但し、紫
外線遮断効果に用いた試料は、石英板に直接ドクターブ
レードを使用して塗布した。 【0034】 【表4】【0035】(製法) A:成分1〜9を加えて混合分散する。 B:Aに成分12〜13を加えて乳化する。 C:Bに成分10〜11を加えて混合する。 本発明の0.12μm二酸化チタンを配合した実施例6
のW/O型クリームは比較例6〜7に比べて、使用性、
隠蔽力、自然な仕上がり、くすみのなさ、紫外線遮断効
果の全ての点で優れたものであった。 【0036】実施例7:コンシーラー (成分) (%) 1.キャンデリラワックス 4.0 2.パラフィンワックス 6.0 3.ワセリン 5.0 4.メチルポリシロキサン 10.0 5.スクワラン 10.0 6.トリイソステアリン酸ジグリセリル 残量 7.0.12μm二酸化チタン 45.0 8.ナイロンパウダー 5.0 9.着色顔料 適量 10.抗酸化剤 適量 11.香料 適量 【0037】(製法)成分1〜6を加熱溶解した後、7
〜11を加え均一に混合し、冷却固化してコンシーラー
を得た。本発明のコンシーラーは、使用性、隠蔽力、自
然な仕上がり、くすみのなさ、紫外線遮断効果共に優れ
たものであった。 【0038】実施例8:口紅 (成分) (%) 1.マイクロクリスタリンワックス 9.0 2.キャンデリラワックス 6.0 3.パラフィンワックス 5.0 4.トリイソステアリン酸ジグリセリル 残量 5.トリオクタン酸グリセリル 20.0 6.スクワラン 3.0 7.赤色202号 3.0 8.黄色4号 1.0 9.0.12μm二酸化チタン 0.5 10.美容成分 適量 11.香料 適量 【0039】(製法)成分1〜6を110℃〜120℃
に加熱溶解した後7〜11を加え均一に混合し、成型用
の型に流し込み、冷却固化して口紅を製造した。本発明
の口紅は、使用性、隠蔽力、自然な仕上がり、くすみの
なさ、紫外線遮断効果共に優れたものであった。 【0040】 【発明の効果】本発明の二酸化チタンは、適度な隠蔽力
を有すると共に紫外線遮断能(UV−A及びUV−B遮
断能)及び分散性に優れ、更には本発明の二酸化チタン
を配合した化粧料は自然な仕上がりが得られ、紫外線遮
断能に優れるものであった。
及び比表面積をもつ二酸化チタンを含有する化粧料に関
し、更に詳しくは、適度な隠蔽力、紫外線遮断能及び分
散性に優れ、配合したとき自然な仕上がり、つまり青白
さがなく、適度な隠蔽力が得られる二酸化チタンを含有
する化粧料に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、化学的に安定で、安全性の高い二
酸化チタンは、白色顔料として各種業界で多く用いられ
てきている。たとえば、平均粒子径が0.2〜0.25
μmの顔料級二酸化チタンはその高い隠蔽力や着色力が
利用されており、また平均粒子径が0.03〜0.05
μm程度の微粒子二酸化チタンは高い紫外線遮断能を持
つことから、紫外線防止剤として配合されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、顔料級
二酸化チタンはその紫外線遮断効果を向上させるため
に、多量に配合すると、隠蔽力や着色力が高くなり、白
くなりすぎ、その塗膜もいわゆる白塗り、白浮きなどが
生じ不自然であった。また、微粒子二酸化チタンは高い
紫外線遮断能を有するが、最近の紫外線防止に対する意
識の高揚により、紫外線遮断効果を高めるため多量に配
合すると、微粒子二酸化チタン特有の青白さが出て組成
物及び塗膜等も青白く不自然な仕上がりになっていた。
更に、微粒子二酸化チタンは、UV−B領域(290〜
320nm)に於ける遮断能は高いが、UV−A領域
(320〜400nm)における遮断能はあまり高くな
いという特性がある。更に、顔料級二酸化チタン及び微
粒子二酸化チタンは、分散性が良くないため、組成物に
配合すると凝集し仕上がりが悪くなるという欠点があっ
た。特に、化粧品業界に於いては、仕上がりに加えて官
能も品質を決定する上で、重要な因子である。顔料級の
二酸化チタンは多量に配合すると、とまりがきつくな
り、微粒子二酸化チタンを配合するとなめらかさがなく
なるなどの欠点があった。これらの欠点を解消するため
に、顔料級二酸化チタンと微粒子二酸化チタンの粒子径
の異なる二酸化チタンを組み合わせ紫外線遮断能を上げ
たり、形状の異なる二酸化チタンを組み合わせて官能面
を向上させたりしているが、よりよい効果を得るために
は、配合比や配合量を限定する必要があり、また、分散
性を向上させるために予め油分散物や水分散物に調製し
て配合するなど煩雑な前処理を行うことから、各業界で
満足できるものは得られていなかった。そこで適度な隠
蔽力、紫外線遮断能(UV−A及びUV−B遮断能)及
び分散性に優れ、組成物に配合した時、青白さがなく適
度に隠蔽されている状態である自然な仕上がりが得られ
る二酸化チタンが望まれていた。 【0004】 【課題を解決するための手段】かかる事情に鑑み、本発
明者らは、鋭意研究を行った結果、特定の粒子径及び比
表面積をもつ二酸化チタンが適度な隠蔽力、紫外線遮断
能(UV−A及びUV−B遮断能)及び分散性に優れ、
これを含有する化粧料は、仕上がりが自然で、紫外線遮
断能にも優れていることを見出し、本発明を完成するに
至った。すなわち本発明は、二酸化チタンを含有する化
粧料において、該二酸化チタンが、硫酸チタニル、四塩
化チタン又はチタンアルコキシドの加水分解(但し、火
炎加水分解は除く)、或は四塩化チタンの直接酸化によ
って得られた二酸化チタンであり、且つ平均粒子径が
0.10μmを超えて0.14μm以下であり、全粒子
中の70重量%以上が平均粒子径の±0.03μmであ
り、比表面積が10〜30m2/gであることを特徴と
する化粧料である。 【0005】【発明の実施の形態】 以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の平均粒子径が0.10μmを超えて0.14μ
m以下である二酸化チタン(以下「本発明の二酸化チタ
ン」と記述する)は、平均粒子径が0.10μmを超え
て0.14μm以下で、且つ比表面積が10m2/g〜
30m2/gであれば、その形状は球状、板状、扁平
状、針状、紡錘状、不定形等いずれのものであっても構
わない。本発明の二酸化チタンを調製する方法は、平均
粒子径0.10μmを超えて0.14μm以下で、且つ
比表面積が10m2/g〜30m2/gの二酸化チタン
が得られれば、いずれの方法でも調製ができる。具体的
には、少なくとも0.10μmよりも小さい平均粒子径
に調製された二酸化チタンを焼成し、粒子を成長させる
ことによって、その一次粒子の平均径が0.10μmを
超えて0.14μm以下である二酸化チタンを得る。前
記、0.10μmよりも小さい二酸化チタンを製造する
方法は、特に限定するものではないが、例えば、硫酸チ
タニルあるいは四塩化チタンの加水分解(但し、火炎加
水分解は除く)、四塩化チタンの直接酸化ないしチタン
アルコキシドの加水分解(但し、火炎加水分解は除く)
等をあげることができる。かかる方法によって得られた
焼成物は、エネルギー流体ミル等の粉砕機によって粉砕
し、用途に応じて水洗あるいは表面処理を施すことがで
きる。 【0006】また、本発明の二酸化チタンは、全粒子中
70重量%(以下、単に「%」で示す)以上が平均粒子
径の±0.03μmの巾に含まれることが好ましい。こ
の巾の二酸化チタンは組成物に配合したとき、更に良好
な分散状態が得られ、これを配合した組成物、特に化粧
料は更に使用感及び紫外線遮断などの光学的特性が向上
する。 【0007】本発明の二酸化チタンは、更に目的に応じ
て、例えば金属酸化物、金属水酸化物、フッ素化合物、
シリコーン系油剤、金属石鹸、ロウ、油脂、炭化水素等
で表面処理して用いることが可能である。また、本発明
の二酸化チタンは、粒子径、比表面積又は形状の異なる
2種以上を組み合わせて用いることができる。 【0008】 本発明の二酸化チタンは、化粧料、塗
料、インキ、プラスチック、繊維、ゴム、トナー等の各
種組成物に配合することができる。本発明の二酸化チタ
ンを含有する化粧料の剤型は、粉末状、粉末固型状、ク
リーム状、乳液状、ローション状、油性固型状、油性液
状、ペースト状等のいずれであってもよく、特にメーク
アップ化粧料、スキンケア化粧料、ヘアケア化粧料等と
することが好ましい。効果がより発現する点ではメーク
アップ化粧料が最も好ましい。本発明のメークアップ化
粧料としては、ファンデーション、白粉、ほほ紅、口
紅、美爪料、アイ製品、日焼け止め化粧料、コンシーラ
ー等が挙げられる。化粧料中の本発明の二酸化チタンの
配合量は、その化粧料の特質に応じて任意に選択される
が、官能上の特性及び効果の発現において、0.1〜5
0%が好ましい。 【0009】本発明の化粧料には通常化粧料に用いられ
る成分を必要に応じて適宜配合することが出来る。粉体
としては、例えば、タルク、カオリン、セリサイト、マ
イカ、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アル
ミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマ
グネシウム、ケイ酸カルシウム、無水ケイ酸等の無機体
質顔料、酸化亜鉛等の無機白色顔料、ベンガラ、黄酸化
鉄、黒酸化鉄、グンジョウ、コンジョウ、カーボンブラ
ック等の無機着色顔料、雲母チタン、酸化鉄雲母チタ
ン、オキシ塩化ビスマス等のパール剤、タール色素、天
然色素等の有機着色顔料、ナイロンパウダー、シルクパ
ウダー、ポリエチレンパウダー、結晶セルロース、N−
アシルリジン等の有機粉体が挙げられる。なお、これら
粉体は、フッ素化合物、シリコーン系油剤、金属石鹸、
ロウ、油脂、炭化水素等を用いて表面処理を施したもの
であってもよい。また、本発明の二酸化チタンの利点を
損なわない範囲において、顔料級二酸化チタン及び微粒
子二酸化チタンを併用することも可能である。油分とし
ては、例えば、オリーブ油、ひまし油、ホホバ油、ミン
ク油等の油脂類、ミツロウ、ラノリン、キャンデリラロ
ウ等のロウ類、流動パラフィン、スクワラン、ワセリ
ン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワック
ス等の炭化水素、ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪
酸、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアル
コール等の高級アルコール、ミリスチン酸イソプロピ
ル、トリオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸
ジグリセリル等のエステル類、ラノリン脂肪酸イソプロ
ピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、ジメチ
ルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の
シリコーン油、ポリオキシアルキレン変性やアルキルで
変性したシリコーン油、パーフルオロデカン、パーフル
オロオクタン等のフッ素系油類等を挙げることができ
る。その他、有機溶剤、樹脂、可塑剤、紫外線吸収剤、
酸化防止剤、防腐剤、界面活性剤、保湿剤、香料、水、
アルコール、増粘剤等が挙げられる。 【0010】 【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に説明する
が、本発明はこれによって何ら限定されるものではな
い。 【0011】製造実施例1 本発明の二酸化チタン
(0.12μm二酸化チタン) 常法により硫酸チタニル溶液を加熱分解し、ろ過、洗浄
した含水酸化チタンスラリーに苛性ソーダ溶液を攪拌し
ながら投入し、95℃で2時間加熱した。次いでこの処
理物を十分洗浄して得られたスラリーに塩酸を攪拌しな
がら投入し、95℃で2時間加熱しチタニアゾルを作成
した。この様にして得られたチタニアゾルを80℃でp
H値7.0に調整し、ろ過、水洗し、105℃で乾燥し
た。これを電気炉にて850℃で2時間焼成した後、エ
アージェットミルにて粉砕することで平均粒子径0.1
2μmの二酸化チタンを得た。上記の方法で調製された
二酸化チタンを透過型電子顕微鏡を用いて粒子径及びそ
の分布を測定したところ、平均粒子径は0.12μm
で、全粒子中70重量%以上が平均粒子径の±0.03
μmの範囲にはいることが確認された。また、BET法
により比表面積を測定したところ、比表面積は10m2
/g〜30m2/gの範囲にはいることが確認された。 【0012】製造比較例1 混合0.12μm二酸化チ
タン 顔料級二酸化チタン{酸化チタンJR−701:テイカ
社製(平均粒子径0.25μm)}32重量部と微粒子
二酸化チタン{微粒子酸化チタンP−25:デグッサ社
製(平均粒子径0.03μm)}68重量部を混合攪拌
し平均粒子径を0.12μmとした混合の0.12μm
二酸化チタンを得た。BET法により比表面積を測定し
たところ、比表面積は30m2/gを超えるものであっ
た。 【0013】(試験方法)製造実施例1の0.12μm
二酸化チタンと製造比較例1の混合0.12μm二酸化
チタン、顔料級二酸化チタン及び微粒子二酸化チタンに
ついて分光曲線、特定波長における透過率及び分散性を
測定した。 【0014】(1)分光曲線及び遮断率 石英板上にポリビニルピロリドンのアルコール溶液を2
5μmのドクターブレードを用いて塗布した。アルコー
ル蒸発後、粘着面に柔らかいブラシにて各二酸化チタン
を均一に塗布し、測定用検体とした。上記検体について
島津自記分光光度計UV−265FM及び同ユニット積
分計ISR−260にて透過率を測定した。測定波長は
可視光領域(400〜800nm)、UV−A領域(3
20〜400nm)、UV−B領域(290〜320n
m)とし、分光曲線を測定し、各領域の透過面積をチャ
ートより求めた。分光曲線の測定結果を図1に示した。
遮断率は、下記式(1)により算出し、その結果を表1
に示した。 【0015】 【図1】 【0016】 【数1】 【0017】(2)分散性 各二酸化チタンを10%濃度で1,3−ブチレングリコ
ール中に混合し、ロールミルを用いて1回分散させたも
のを測定用検体とし、下記判定基準に従って、目視にて
分散性を判定した。その結果も併せて表1に示した。 (判定基準) ○:分散性が良好で、凝集が観察されない。 △:分散性は良好であるが、少し凝集が観察される。 ×:分散性が悪く、かなり凝集が観察される。 【0018】 【表1】 【0019】表1から明かなように、製造実施例1の
0.12μm二酸化チタンは可視光においては、顔料級
二酸化チタンよりも遮断率が低く、透明性が高いことが
示され、また紫外線領域においては、顔料級二酸化チタ
ン及び混合0.12μm二酸化チタンよりも遮断率が高
いことが示された。紫外線領域の中でもUV−Aの波長
領域については四者の中で最も遮断率が高かった。これ
らの二酸化チタンを肌上に塗布したとき、その塗布膜の
外観は、顔料級二酸化チタンでは白く厚ぼったく、微粒
子二酸化チタンでは青白く、混合0.12μm二酸化チ
タンは白い中に青さが見えるのに対し、製造実施例1の
0.12μm二酸化チタンでは青白さのない適度な白さ
の自然な外観が得られた。本発明の二酸化チタンは、可
視光線の中〜長波長の光散乱が短波長光散乱に比べて低
いことから、肌色を構成する主たる波長域(黄色〜赤
色)の光は化粧膜を透過しやすく、且つ、くすんだ肌、
色素沈着した肌等が有する青色系の短波長の光を化粧塗
膜中で散乱するため、自然で健康的な肌色を演出する効
果に優れている。 【0020】また、分散性については、顔料級二酸化チ
タン、微粒子二酸化チタン及び混合0.12μm二酸化
チタンは、凝集が観察されたのに対し、本発明の0.1
2μm二酸化チタンは、分散性も良好で、凝集が観察さ
れなかった。 【0021】更に、塗布時の感触は、顔料級二酸化チタ
ンはのびが悪く止まりがきつく、微粒子二酸化チタンで
はきしみ感があり、混合0.12μm二酸化チタンはの
びが悪く、きしみ感があるのに対して、本発明の0.1
2μm二酸化チタンではのびが良くソフトな感触であっ
た。 【0022】製造実施例2.本発明の二酸化チタン
(0.14μm二酸化チタン) 製造実施例1の焼成温度を880℃に変更することで平
均粒子径0.14μmの二酸化チタンを得た。上記方法
により得られた二酸化チタンをBET法により比表面積
を測定したところ、比表面積は10m2/g〜30m2
/gの範囲にはいることが確認された。 【0023】実施例1〜4及び比較例1〜3 パウダー
ファンデーション 表2に示す組成のパウダーファンデーションを調製し、
使用性(のび・ひろがり)、隠蔽力(カバー力)、自然
な仕上がり(白く厚ぼったさのなさ)、くすみのなさ
(青白さのなさ)について官能評価を行い、紫外線遮断
効果については透過率を測定し判定した。その結果も併
せて表2に示す。 【0024】 【表2】【0025】(製法) A:成分1〜8を混合する。 B:成分9〜12を加熱溶解し混合する。 C:AとBを混合分散し、金皿に充填する。 【0026】(評価方法) (評価項目) 1.のび・ひろがり 2.カバー力 3.白く厚ぼったさのなさ 4.青白さのなさ 5.紫外線遮断効果 【0027】(評価及び評価基準)項目1〜4は、専門
パネル16人による使用テストを行ない、5段階評価の
平均点に基づいて下記基準で判定した。 評価基準 5点:非常に良好 4点:良好 3点:普通 2点:やや不良 1点:不良 判定基準 ◎:4.0〜5.0点 ○:3.0〜4.0点未満 △:2.0〜3.0点未満 ×:1.0〜2.0点未満 【0028】項目5は各試料について製造実施例1にお
ける試験方法を用い、以下のように紫外線遮断効果を判
定した。 ◎:紫外部の透過率が非常に低く、遮断効果が高い。 ○:紫外部の透過率が低く、遮断効果がやや高い。 △:紫外部の透過率がやや高く、遮断効果がやや低い ×:紫外部の透過率が高く、遮断効果が劣っている。 【0029】本発明の0.12μm二酸化チタンを配合
した実施例1〜4のパウダーファンデーションは比較例
1〜3に比べ、使用性、隠蔽力、自然な仕上がり、くす
みのなさ、紫外線遮断効果の全ての点で優れたものであ
った。 【0030】実施例5及び比較例4〜5 O/W型日焼
け止め乳液 表3に示す組成のO/W型日焼け止め乳液を調製し、使
用性(のび・ひろがり)、隠蔽力(カバー力)、自然な
仕上がり(白く厚ぼったさのなさ)、くすみのなさ(青
白さのなさ)、紫外線遮断効果について実施例1〜4及
び比較例1〜3の評価方法と同様の評価を行った。但
し、紫外線遮断効果に用いた試料は石英板に直接ドクタ
ーブレードを使用して塗布した。その結果も併せて表3
に示す。 【0031】 【表3】【0032】(製法) A:成分1〜9を加熱し混合分散する。 B:成分10〜13を混合分散する。 C:AとBを混合し乳化する。 D:Cに成分14〜17を加えて混合する。 本発明の二酸化チタンを配合した実施例5のO/W型日
焼け止め乳液は比較例4、5に比べ、使用性、隠蔽力、
自然な仕上がり、くすみのなさ、紫外線遮断効果の全て
の点で優れたものであった。 【0033】実施例6及び比較例6、7 W/O型クリ
ーム 表4に示す組成のW/O型クリームを調製し、使用性
(のび・ひろがり)、隠蔽力(カバー力)、自然な仕上
がり(白く厚ぼったさのなさ)、くすみのなさ(青白さ
のなさ)、紫外線遮断効果について実施例1〜4及び比
較例1〜3の評価方法と同様の評価を行った。但し、紫
外線遮断効果に用いた試料は、石英板に直接ドクターブ
レードを使用して塗布した。 【0034】 【表4】【0035】(製法) A:成分1〜9を加えて混合分散する。 B:Aに成分12〜13を加えて乳化する。 C:Bに成分10〜11を加えて混合する。 本発明の0.12μm二酸化チタンを配合した実施例6
のW/O型クリームは比較例6〜7に比べて、使用性、
隠蔽力、自然な仕上がり、くすみのなさ、紫外線遮断効
果の全ての点で優れたものであった。 【0036】実施例7:コンシーラー (成分) (%) 1.キャンデリラワックス 4.0 2.パラフィンワックス 6.0 3.ワセリン 5.0 4.メチルポリシロキサン 10.0 5.スクワラン 10.0 6.トリイソステアリン酸ジグリセリル 残量 7.0.12μm二酸化チタン 45.0 8.ナイロンパウダー 5.0 9.着色顔料 適量 10.抗酸化剤 適量 11.香料 適量 【0037】(製法)成分1〜6を加熱溶解した後、7
〜11を加え均一に混合し、冷却固化してコンシーラー
を得た。本発明のコンシーラーは、使用性、隠蔽力、自
然な仕上がり、くすみのなさ、紫外線遮断効果共に優れ
たものであった。 【0038】実施例8:口紅 (成分) (%) 1.マイクロクリスタリンワックス 9.0 2.キャンデリラワックス 6.0 3.パラフィンワックス 5.0 4.トリイソステアリン酸ジグリセリル 残量 5.トリオクタン酸グリセリル 20.0 6.スクワラン 3.0 7.赤色202号 3.0 8.黄色4号 1.0 9.0.12μm二酸化チタン 0.5 10.美容成分 適量 11.香料 適量 【0039】(製法)成分1〜6を110℃〜120℃
に加熱溶解した後7〜11を加え均一に混合し、成型用
の型に流し込み、冷却固化して口紅を製造した。本発明
の口紅は、使用性、隠蔽力、自然な仕上がり、くすみの
なさ、紫外線遮断効果共に優れたものであった。 【0040】 【発明の効果】本発明の二酸化チタンは、適度な隠蔽力
を有すると共に紫外線遮断能(UV−A及びUV−B遮
断能)及び分散性に優れ、更には本発明の二酸化チタン
を配合した化粧料は自然な仕上がりが得られ、紫外線遮
断能に優れるものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の二酸化チタン及び比較例の二酸化チ
タンの分光曲線。
タンの分光曲線。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI
C09K 3/00 104 C09K 3/00 104Z
(56)参考文献 特開 平8−217654(JP,A)
特開 平8−277208(JP,A)
特開 平8−12961(JP,A)
特開 平7−330338(JP,A)
特開 平7−291629(JP,A)
特開 平7−138021(JP,A)
特開 平5−339122(JP,A)
特開 昭63−122615(JP,A)
特開 昭61−229809(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
A61K 7/00 - 7/50
C01G 1/00 - 23/08
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】二酸化チタンを含有する化粧料において、
該二酸化チタンが、硫酸チタニル、四塩化チタン又はチ
タンアルコキシドの加水分解(但し、火炎加水分解は除
く)、或は四塩化チタンの直接酸化によって得られた二
酸化チタンであり、且つ平均粒子径が0.10μmを超
えて0.14μm以下であり、全粒子中の70重量%以
上が平均粒子径の±0.03μmであり、比表面積が1
0〜30m2/gであることを特徴とする化粧料。
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