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JP3478889B2 - ヒューズ及びその製造方法 - Google Patents

ヒューズ及びその製造方法

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JP3478889B2
JP3478889B2 JP32392294A JP32392294A JP3478889B2 JP 3478889 B2 JP3478889 B2 JP 3478889B2 JP 32392294 A JP32392294 A JP 32392294A JP 32392294 A JP32392294 A JP 32392294A JP 3478889 B2 JP3478889 B2 JP 3478889B2
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fuse
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metal cap
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悦二 山岡
作之 御子柴
啓 小林
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はヒューズに係り、特にプ
リント配線基板等に表面実装可能な超小型のヒューズ及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のヒューズとしては種々の
型式のものが提案されている。例えば実開昭59−11
9546号公報によれば、樹脂封止のヒューズが提案さ
れており、チップ形状のボディーに中空空間を備え、該
中空空間内にヒューズ線が張架された構造となってい
る。又、実開平5−72033号公報によれば、角柱体
の本体内に中空空間が設けられ、該中空空間内にヒュー
ズ線を斜めに張架してその両端をキャップで封じる構造
のヒューズが提案されている。さらに又、実公昭59−
21500号公報によれば、箱状のセラミックケースの
両端に凸状のヒューズ線係止部を備え、内部を中空空間
とし、両端の係止部間にヒューズ線を張架してセラミッ
クの蓋を被せ、直方体状のヒューズとする超小型のヒュ
ーズが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ヒューズにおいては、
ヒューズ線の張りがなくなり緩みを生じてヒューズ線の
長さを一定とすることができない場合には、溶断性能が
極めてまちまちとなる問題点がある。又、短絡遮断性能
試験等において100ボルト以上100アンペア程度の
電流を通じてヒューズ線が溶断する時には、アーク電流
が発生する。ヒューズ線溶断後もアーク電流によって通
電が生じ、通電時間が長くなることから、ケース内の発
熱量が高くなり、結果として内部圧力の上昇によりケー
スが破壊されるという問題点がある。これはヒューズ線
が溶断する時にはケース内にヒューズ線の両端を固着す
るハンダ等の固着剤の昇華したものが中空空間内にガス
化しており、このガスが核となってアーク電流を継続さ
せるものと考えられる。
【0004】このため、実公昭59−21500号公報
においては、ヒューズ線を張架する中空空間にクランク
状凸部の壁を設け、その壁の外側でケースにヒューズ線
の両端を固着する技術が提案されている。しかしなが
ら、実公昭59−21500号公報に提案された構造で
は、中空空間部端にクランク状凸部を設けその両端にヒ
ューズ線を張架している。このため、構造が複雑とな
り、ヒューズ線の張架等の組立が簡単では無いという問
題がある。
【0005】本発明は上述の事情に鑑みて為されたもの
で、ヒューズ線を一定の張力を保持したまま張架でき、
中空部分に隔壁を設けその外側にヒューズ線の金属キャ
ップへの固着部を設けることによりヒューズ線の溶断時
のアーク放電の発生という問題を防止し、且つ組立てが
容易で生産性の高いヒューズ及びその製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のチップ型ヒュー
ズは、嵌め合わされて内部が中空で外部が直方体状を為
すセラミックケース本体及び蓋体により構成されるケー
スと、該ケースの両端部でセラミックケース本体と蓋体
との嵌合面に形成されたくぼみ部分に保持されるととも
に、接着剤により前記くぼみ部分に固着されてケース内
部の中空部分に張架されたヒューズ線と、該ケースの両
端部に被せられ前記ヒューズ線と導通した金属キャップ
とからなり、前記中空部とヒューズ線の金属キャップ接
合部の間に、前記セラミックケース本体と前記蓋体とに
より形成される隔壁を設け、前記金属キャップはその3
面が前記ケースの面と平坦になっていて、下面電極とな
る他の一面が前記金属キャップの厚み分だけ前記ケース
の面より出ていることを特徴とする。
【0007】又、本発明のチップ型ヒューズの製造方法
は、嵌め合わされて内部が中空で外部が直方体状を為す
セラミックケース本体と蓋体を準備し、該セラミックケ
ース本体と蓋体との嵌合面に設けたくぼみ部にヒューズ
線を張力をかけた状態で落とし込み接着剤で前記くぼみ
部に固定した後に該ヒューズ線を切断し、前記セラミッ
クケース本体と蓋体とを接着して固定し、前記セラミッ
クケース本体と蓋体とを嵌め合わせることにより隔壁を
形成して内部が中空状となった部分に該ヒューズ線を張
架し、前記セラミックケース本体と蓋体とを嵌め合わせ
て形成されたケースの両端部に金属キャップを嵌め込
み、前記金属キャップはその3面が前記ケースの面と平
坦になっていて、下面電極となる他の一面が前記金属キ
ャップの厚み分だけ前記ケースの面より出ているように
なし、前記金属キャップ内に装填したハンダにより前記
隔壁外側で前記ヒューズ線の両端と接続したことを特徴
とする。
【0008】
【作用】嵌め合わされて外部が直方体状をなし、内部の
中空空間内にヒューズ線の両端が張架されているので、
ヒューズ線は一定の張力により中空空間内に張架され
る。これにより溶断特性のバラツキという問題が解消さ
れる。そして、ヒューズ線の両端は、本体又は蓋体のく
ぼみ部分に保持されてケース隔壁に遮られた外側でハン
ダにより金属キャップに固着されるので、溶断時の中空
部分への固着剤の拡散が生ぜずアーク放電の継続という
問題が防止される。更に、ヒューズ線に張力をかけた状
態でセラミックケース本体と蓋体とを嵌着し、金属キャ
ップを被せ、ハンダと融着することにより極めて容易に
上記構造のヒューズを製造することができる。したがっ
て、本発明によれば溶断特性の良好な、アーク放電の問
題を生じないヒューズを低製造コストで量産することが
できる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例について添付図面を
参照しながら説明する。なお、各図中同一符号は同一又
は相当部分を示す。
【0010】図1は、本発明の一実施例のチップ型ヒュ
ーズの分解図である。ヒューズ線1は、セラミックケー
ス本体2と蓋体3とが嵌着されて形成される直方体状の
ケースの中空空間内に張架される。ヒューズ線1は、ケ
ース本体2のくぼみ部5に落とし込まれ、蓋体3の両端
部下側端面6により挟み込まれる。セラミックケース本
体2及び蓋体3は、嵌着されて外形が直方体形状をな
し、その両端には金属キャップ7,7が被せられる。
【0011】ヒューズ線1の両端は、ケース本体2のく
ぼみ部5に接着剤で仮り止めされ、その両端がケース本
体2の側端面2Aに添って折り曲げられている。セラミ
ックケースの蓋体3の側端面3Bにはエポキシ等の接着
剤が塗布され、蓋体3がケース本体2に嵌着され、蓋体
3の両側端面3B,3Bがケース本体2の内側端面2
C,2Cに接着されるようになっている。又、金属キャ
ップ7は、例えばCu材又はCu合金材にハンダメッキ
がなされたもので、ケース本体2の端面2Aと対面する
内端面7Cには予備ハンダ9が被着されている。したが
って、ケース本体2に蓋体3が嵌着されて直方体形状を
なしたケースの両側端部に金属キャップ7を嵌着し、加
熱すると予備ハンダ9が図2のヒューズ線の折り曲げ部
分1Dと融着する。これにより金属キャップ7がセラミ
ックケース及びヒューズ線1の折り曲げ部1D,1Dに
固着される。又、フタ3の両端部上面に塗布された接着
剤10は、金属キャップ7の内上面7Bと接着し固定す
る。
【0012】このようにチップ型ヒューズのケースは本
体2と蓋体3の二分割構造となっており、この分割され
た二つのケースを接着剤で貼り合わせてから、金属キャ
ップを圧入嵌着する。図示するように、ケース本体2の
符号2E部分に切欠を作り、蓋体3の符号3Eで示す部
分と嵌着する際に、ストッパとなり蓋体3の位置合わせ
を容易にすることができる。金属キャップの嵌着前の本
体2と蓋体3のケース貼り合わせによって寸法バラツキ
が生じると、キャップの圧入嵌着が適正に行えなくな
る。したがって、金属キャップ嵌着部分が安定するよう
に、蓋体3は本体2のみぞ部に落とし込むことで寸法精
度を高める。よって、蓋体3の寸法Aはケース本体2の
寸法Bよりも小さく、蓋体3の寸法Cはケース本体の寸
法Dよりもそれぞれ小さく設定されている。同様に、蓋
体3の長手方向の長さEはケース本体2の長手方向の長
さFより小さくなっており、蓋体3がケース本体2から
飛び出さないようになっている。又ケース本体2の端面
2Aの縦横の寸法は、金属キャップ7の内端面寸法とす
ることで必要な精度を出している。
【0013】図2は、本発明の第2実施例のヒューズの
(A)側面図、及び(B)上面図である。本実施例にお
いては、プリント基板に実装する際のプリント基板のラ
ンドパターンとハンダ付けする下面電極はケースよりキ
ャップ厚み分だけ出るが、他の3面はキャップとセラミ
ックケース面とが平坦になっている。本実施例において
は、チップケースの上端面を金属キャップ部分を含めて
フラットとすることにより、プリント基板搭載時のバキ
ュームチャックを容易とする。又、上端面に表示印を印
刷する際にその作業を容易とし、また捺印スペースを広
くすることができる。
【0014】図3は、上述したヒューズの製造方法を示
す。先ず、(A)に示すようにケース本体2の下側面2
Bにマーキングを行う。そして、ヒューズ線をフィーダ
から一定の張力(テンション)をかけて引出し、ケース
本体2のくぼみ部5に落とし込む。そして、くぼみ部5
に接着剤で仮止めし、本体端面2Aから少し余して切断
し、ヒューズ線を端面2Aに添って折り曲げる。そし
て、(B)に示すように蓋体3の側端面3Bにエポキシ
等の接着剤を塗布し、本体2に蓋体3を嵌着する。そし
て、蓋体3を本体2に加圧しながら例えば150℃に1
5分程度加温することにより、接着剤が硬化し、蓋体3
と本体2とを固着する。次に金属キャップ7の内端面7
Cにハンダ片又はクリームハンダを供給して加熱して予
備ハンダ部分9を形成する。そして、直方体状のチップ
ケースの蓋体3上の金属キャップの嵌着部分にエポキシ
等の接着剤10を塗布する。そして、(C)に示すよう
に予備ハンダ部分9を形成したキャップ7を直方体状の
チップケースの両端部に圧入嵌着して、例えば300
℃、3秒程度加熱することにより接着剤を硬化しキャッ
プ7をチップケースに固着するとともに、ハンダを溶着
し、ヒューズ線1Dと金属キャップ7との電気的な接続
を強固なものとする。これにより上述した実施例のヒュ
ーズの製造工程を終了し、電気的特性の測定検査等を経
て本実施例のヒューズが完成する。
【0015】なお、図2に示す第2実施例のような上端
面をフラットな構造とするためには、チップケースの両
端部の金属キャップ嵌着部分を予め金属キャップの肉厚
部分だけ薄くしておく必要がある。本体2の両端部に上
述したような加工を予め施しておくことにより、図2に
示す第2実施例のヒューズを上述と全く同じ製造工程で
製造することができる。
【0016】ヒューズの品質として重要なことは、溶断
特性の安定性である。従来技術の例えば管ヒューズで
は、管にヒューズ線を通し、切断を管の縁に投げ込んで
キャップ圧入している。従って、ヒューズ線は管の縁に
引き掛けてあるだけで張力を加えていないので、ヒュー
ズ線に弛みが生じてヒューズ線長がバラツキ、このバラ
ツキが溶断特性のバラツキとなる。本実施例のヒューズ
は上述したようにヒューズ線を張力を加えたままケース
の両端部分のくぼみ部分5に張架し、接着剤で固定する
ので、ヒューズ線長が一定し、溶断特性の安定化ができ
る。
【0017】又、前述したように超小型のヒューズにお
いては、ヒューズ線とその端子電極への固定部分が同一
中空空間内にあると、短絡遮断時にアーク放電を起こし
易い。上述した本実施例のヒューズにおいては、ヒュー
ズ線1は本体2のくぼみ部5を通して蓋体3との間に挟
み込まれている。そして、本体2と蓋体3で構成される
壁面であるケースの外側端面で金属キャップ7にハンダ
で溶着されている。したがって、ヒューズ線1が溶断す
る中空空間内からは、ハンダの溶着部分が本体2と蓋体
3の側端面が隔壁として作用し隔離されている。このた
め、ヒューズ線の溶断時に際してヒューズ線の固着部分
即ちハンダで融着した部分がガス化してアーク放電を継
続させるという問題が防止でき、短絡遮断試験等で安定
した遮断特性が得られる。
【0018】即ち、本実施例の電気用品取締法別表第3
附表第2に規定される短絡遮断性能試験において、10
0ボルト以上100A(アンペア)を通じた場合、隔壁
のない構造品は、アーク電流が発生して、ヒューズ溶断
後もアーク電流によって通電が生じ、通電時間が長くな
ることから、ケース内の発熱量が高く、結果として、内
部圧力の上昇によるケース破損を起こすケースがしばし
ばあった。本実施例の隔壁を設けた場合の同様の試験に
おいては、溶断後のアーク電流の発生はなく、内部発熱
量が低いことから、ケースの破損は生じない。このよう
に、隔壁を設けることによって、遮断時のアーク電流の
継続という問題が発生せず、高電流のヒューズが可能と
なる。
【0019】また本実施例のヒューズは、そのケースが
2分割構造であり、ヒューズ線がケース内の中空空間部
分の略中央に直線的に張られるため、構造が簡単であり
その製造が容易である。このためヒューズ線が取付け易
く、変更線や取付け後ヒューズエレメントの線中央部分
へのハンダ部分等の取付けによりタイムラグ特性を改善
すること等の処理を容易に行える。
【0020】又、本実施例においては、ヒューズ線を落
とし込むくぼみ部5をケース本体2側に設けたが、蓋体
3側に設けてもよいのはもちろんのことである。又、ケ
ース本体の両端面2A,2Aに導体を印刷焼成しておい
てもよい。これにより、ヒューズ線折り曲げ部1D,1
Dとの接続がより容易となる。
【0021】
【発明の効果】以上に説明したように本発明のヒューズ
は、2分割構造のケースの中空部分中央にヒューズ線を
張架して、中空空間部分とヒューズ線の固着部分との間
に隔壁を設けたものである。従って、温度上昇特性、通
電特性、溶断特性のバラツキが少なく、アーク放電の防
止に伴い良好な短絡遮断特性が容易に達成される。そし
て、ケースが2分割構造であるため、構造が簡単で製造
が容易である。従って量産における不良率が非常に少な
く安定した生産が可能で、製造コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のヒューズの分解図。
【図2】本発明の第2実施例のヒューズの(A)側面
図、(B)上面図。
【図3】本発明の一実施例のチップ型抵抗器の製造工程
を示す説明図。
【符号の説明】
1 ヒューズ線 2 ケース本体 3 蓋体 5 くぼみ部 7 金属キャップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−106845(JP,A) 特開 平3−222231(JP,A) 特開 平6−342623(JP,A) 特開 昭60−221920(JP,A) 実開 平5−48190(JP,U) 実開 平5−72033(JP,U) 実開 昭64−56135(JP,U) 実開 平1−95050(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01H 85/045 H01H 69/02 H01H 85/157 H01H 85/17

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 嵌め合わされて内部が中空で外部が直方
    体状を為すセラミックケース本体及び蓋体により構成さ
    れるケースと、該ケースの両端部でセラミックケース本
    体と蓋体との嵌合面に形成されたくぼみ部分に保持され
    るとともに、接着剤により前記くぼみ部分に固着されて
    ケース内部の中空部分に張架されたヒューズ線と、該ケ
    ースの両端部に被せられ前記ヒューズ線と導通した金属
    キャップとからなり、前記中空部とヒューズ線の金属キ
    ャップ接合部の間に、前記セラミックケース本体と前記
    蓋体とにより形成される隔壁を設け、前記金属キャップ
    はその3面が前記ケースの面と平坦になっていて、下面
    電極となる他の一面が前記金属キャップの厚み分だけ前
    記ケースの面より出ていることを特徴とするヒューズ。
  2. 【請求項2】 嵌め合わされて内部が中空で外部が直方
    体状を為すセラミックケース本体と蓋体を準備し、該セ
    ラミックケース本体と蓋体との嵌合面に設けたくぼみ部
    にヒューズ線を張力をかけた状態で落とし込み接着剤で
    前記くぼみ部に固定した後に該ヒューズ線を切断し、前
    記セラミックケース本体と蓋体とを接着して固定し、前
    記セラミックケース本体と蓋体とを嵌め合わせることに
    より隔壁を形成して内部が中空状となった部分に該ヒュ
    ーズ線を張架し、前記セラミックケース本体と蓋体とを
    嵌め合わせて形成されたケースの両端部に金属キャップ
    を嵌め込み、前記金属キャップはその3面が前記ケース
    の面と平坦になっていて、下面電極となる他の一面が前
    記金属キャップの厚み分だけ前記ケースの面より出てい
    るようになし、前記金属キャップ内に装填したハンダに
    より前記隔壁外側で前記ヒューズ線の両端と接続したこ
    とを特徴とするヒューズの製造方法。
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