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JP3452119B2 - インクジェット式記録ヘッド - Google Patents

インクジェット式記録ヘッド

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JP3452119B2
JP3452119B2 JP30932897A JP30932897A JP3452119B2 JP 3452119 B2 JP3452119 B2 JP 3452119B2 JP 30932897 A JP30932897 A JP 30932897A JP 30932897 A JP30932897 A JP 30932897A JP 3452119 B2 JP3452119 B2 JP 3452119B2
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JP
Japan
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ink supply
supply port
ink
pressure generating
generating chamber
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強 北原
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Seiko Epson Corp
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧力発生室を構成
する弾性板を圧電振動子により弾性変形させて、圧力発
生室のインクをノズル開口からインク滴として吐出させ
るインクジェット式記録ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット式記録ヘッドは、外部の
タンクからインクの供給を受けるリザーバ、加圧手段に
より加圧を受ける圧力発生室、リザーバと圧力発生室と
を接続するインク供給口、及び圧力発生室と連通するノ
ズル開口とを備え、圧力発生室の膨張によりリザーバの
インクをインク供給口を経由して圧力発生室に吸引し、
また圧力発生室を収縮させて圧力発生室のインクをノズ
ル開口からインク滴を吐出させるように構成されてお
り、圧力発生手段の膨張、収縮を印字タイミングに一致
させて繰り返すことによりインク滴として吐出させて印
刷を行うものである。
【0003】インク滴の吐出は、ノズル開口に連通する
圧力発生室のインクを加圧により実行されるため、ノズ
ル開口に形成されているメニスカスがインク滴の吐出に
より、メニスカスには、インクの流れに起因する比較的
周波数が低い振動と、ノズル開口やインク供給口、及び
圧力発生室の形状により決まるコンプライアンスやイナ
ータンスに支配される比較的周波数が高いヘルムホルツ
共振とが生じ、この結果、図5の線図において点線で示
すメニスカスは、これら2種類の振動を重畳された振動
形態でノズル開口を変位することになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このメニスカスの変位
のため、インク滴の吐出後、次のインク滴を吐出させる
ためには、ノズル開口の表面からのメニスカスの突出量
が十分に小さくなっていることが、インク滴を安定に吐
出させる条件となる。
【0005】しかしながら、前述したようにメニスカス
の振動には周波数が高い分、運動エネルギが大きなヘル
ムホルツ共振の成分が含まれているため、メニスカスの
ノズル開口からの突出量だけではなく、ヘルムホルツ共
振の減衰を待つ必要があり、インク滴吐出の周期を延長
せざる得なくなり、高速駆動が困難になるという問題が
ある。本発明はこのような問題に鑑みてなされたもので
あって、その目的とするところは、メニスカスのインク
滴吐出可能位置へ速やかな復帰と、メニスカスの振動の
速やかな減衰により高速駆動することができるインクジ
ェット式記録ヘッドを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような問題を解消す
るために発明においては、一方の面を弾性板により、
また他方の面をノズル開口を有するノズルプレートによ
り封止され、前記弾性板を介して加圧手段により加圧さ
れる圧力発生室と、外部からのインクの供給を受けるリ
ザーバと、前記圧力発生室とリザーバとを接続する前記
ノズルプレート側に形成された第1のインク供給口と、
前記圧力発生室とリザーバとを接続する前記弾性板側に
形成された第2のインク供給口と、を備えたインクジェ
ット式記録ヘッドにおいて、前記第1のインク供給口と
前記第2のインク供給口との断面形状がそれぞれ異なる
ように構成され また前記第1のインク供給口、及び前
記第2のインク供給口のイナータンスをそれぞれM1、
M2、流体抵抗をそれぞれR1、R2としたとき、 M1≒M2 R1>R2 となるように設定され ている。
【0007】
【作用】ヘルムホルツ共振によるインク供給口での振動
を速やかに減衰させ、またインクがノズル開口を移動す
慣性流による減を小さくして、ノズル開口へのメニ
スカスの復帰を速める。
【0008】
【発明の実施の形態】そこで、以下に本発明の詳細を図
示した実施例に基づいて説明する。図1は、本発明の一
実施例を圧力発生室の中心線上での断面構造を示すもの
であって、図中符号1は、好ましくはシリコン単結晶基
板を異方性エッチングして形成された流路形成基板で、
通孔として形成された圧力発生室2と、外部からのイン
クの供給を受ける貫通孔として形成されたリザーバ3
と、両面に凹部として形成されて圧力発生室2とリザー
バ3を接続する第1、第2のインク供給口4、5が形成
されている。
【0009】リザーバ3は、表面を圧力発生室2に連通
するノズル開口6を備えたノズルプレート7により封止
され、裏面を圧電振動子8の変位を受けて圧力発生室2
の容積を膨張、縮小させる弾性板9で封止されている。
【0010】圧電振動子8は、この実施例では圧電定数
d31を有し、軸方向に変位する縦振動モードの圧電振動
子として構成され、固定基板10を介して一端を各圧力
発生室に対向する位置の弾性板9に当接させてヘッドホ
ルダ11に固定されている。
【0011】このように構成された記録ヘッドにおい
て、ノズルプレート側に位置する第1のインク供給口4
は、イナータンスM1、流路抵抗R1を有し、また圧電
振動子側に形成された第2のインク供給口5は、イナー
タンスM2、流路抵抗R2を有し、これらは、それぞれ
のイナータンスM1、M2が M1≒M2であり、 また流路抵抗R1、R2が R1>R2 となるようにサイズが選択されている。
【0012】すなわち、第1、第2のインク供給口4、
5は、流路長と開口面積をほぼ同一とするものの、第1
のインク供給口4の開口の長辺a1と短辺b1の比率
が、第2のインク供給口5の長辺a2と短辺b2との比
率より大きくなるように形成されいて、開口面積にほぼ
比例するイナータンスM1、M2が両者で同程度となる
ものの、短辺の大きさの3乗に比例する流路抵抗は、第
1のインク供給口4が第2のインク供給口5よりも非常
に大きくなる。
【0013】この結果、記録ヘッドのヘルムホルツ共振
周波数は、メニスカスの表面張力による振動の周波数よ
りも大きく、また第1のインク供給口4のインピーダン
スZ1=jωM1+R1が、第2のインク供給口5のイ
ンピーダンスZ2=jωM2+R2となる。そして、メ
ニスカスの振動角周波数ωが大きなヘルムホルツ共振時
には各インク供給口4、5のインダクタンス成分ωM
1、ωM2が、また振動各周波数が低い慣性流による振
動成分は各インク供給口4、5の流体抵抗成分R1、R
2がメニスカスの振動を左右することになる。
【0014】すなわち、ヘルムホルツ共振周期の振動に
よるインク供給口4、5のインピーダンスZcのQ値
は、メニスカスがノズル開口6の先端側に移動するとき
のインク供給口4、5のインピーダンスZmのQ値より
も大きくなるように構成されている。
【0015】なお、インクジェット式記録ヘッドのヘル
ムホルツ共振振動の周波数fは、周知のように圧力発生
室2のインクの圧縮性に起因する流体コンプライアンス
をCi、また圧力発生室2を形成している弾性板9、ノ
ズルプレート7等の材料自体による剛性コンプライアン
スをCv、ノズル開口6のイナータンスをMn、インク
供給口4、5のイナータンスをM1、2とすると、図3
に示したような等価回路が想定され、その結果 f=1/2π×√〔(M1・M2+M2・Mn+Mn・M1)/
{(Mn・M1・M2)(Ci+Cv)}〕 により表される。また、メニスカスのコンプライアンス
をCnとすると、メニスカスの固有振動周期Tmは次式
で示される。 Tm=2π×√{(Mn+M1+M2)Cn} また、圧力発生室2の体積をV、インクの密度をρ、イ
ンク中での音速をcとすると、流体コンプライアンスC
iは次式で示される。 Ci=V/(ρ・c2) さらに圧力発生室2の剛性コンプライアンスCvは、圧
力発生室2に単位圧力を印加したときの圧力発生室2の
静的な変形率に一致する。
【0016】ヘルムホルツ共振周波数での振動において
は、イナータンスM1、M2が略等しいため、第1、第
2のインク供給口4、5には同流量のインクの流れが生
じる。そして本実施例においては第1のインク供給口4
の流路抵抗R1が、第2のインク供給口5の流路抵抗R
2よりも大きく構成されているため、第2のインク供給
口4でのヘルムホルツ共振周波数によるインクの振動の
方が短時間で減衰することになる。
【0017】一方、インクがノズル開口6のメニスカス
の表面張力により移動する場合には、各インク供給口
4、5の流体抵抗R1、R2の比に按分された流量でイ
ンクが第1、第2のインク供給口4、5を流れる。した
がって、流体抵抗R2が小さい第2のインク供給口5の
方を多くのインクが流れるから、ノズル開口6に速やか
にインクを供給できることになる。
【0018】つまり、ヘルムホルツ共振周波数で圧力発
生室2の内部のインクが振動すると、インクの振動エネ
ルギーは、インク供給口での減衰力が大きいため、減衰
時定数が短くなる。これに対してインクがノズル開口6
のメニスカスの表面張力により移動する場合には、イン
ク供給口での減衰力が小さく、減衰時定数が長くなる。
【0019】この実施例において、圧電振動子8に駆動
信号を印加して充電すると、圧電振動子8が収縮して圧
力発生室2の容積が膨張する。この膨張により第1、第
2のインク供給口4、5を介してリザーバ3のインクが
圧力発生室2に流れ込む。
【0020】ついで、圧電振動子8の電荷を放電させる
と、圧電振動子8が元の状態に伸長して圧力発生室2の
容積を縮小させて圧力発生室2を加圧し、ノズル開口6
からインク滴が吐出する。
【0021】インク滴吐出後にはノズル開口6のメニス
カスは、図において実線で示した線図のごとく慣性流
による比較的低い周波数での振動に、ヘルムホルツ共振
の高周波振動重畳されてノズル開口6を変位する。
【0022】一方、インク供給口4、5のヘルムホルツ
共振に対するインピーダンスZcのQ値は、第1のイン
ク供給口4の減衰力が高いため大きく、したがってヘル
ムホルツ共振の振幅が小さくなる。これに対してインク
供給口4、5の慣性流による振動に対するインピーダン
スZmのQ値は、慣性流の周波数が低いため小さく、無
用な減衰を受けることなく運動を継続する。
【0023】このため、メニスカスは運動エネルギを速
やかに減少させてかつ速やかにノズル開口6の先端側に
戻ることになり、図における実線で示す線図の符号▽
Aで示す時点で次のインク滴を吐出させることが可能と
なる。
【0024】これに対してメニスカスに重畳しているヘ
ルムホルツ共振の振動の減衰が弱い従来の記録ヘッドに
おいては、メニスカスの変位(図中、点線で示す線図)
がノズル開口よりも奥に位置してる時点(図中、▽Bで
示す時点)でも、ヘルムホルツ共振の振幅が大きく、つ
まり運動エネルギが大きいため、インク滴を安定に吐出
させることが不可能である。
【0025】なお、上述の実施例のおいては、流路形成
基板1の両面にインク供給口4、5を形成し、それぞれ
のインク供給口の流体特性を違えたものについて説明し
たが、流路形成基板1の一方の面にのみインク供給口を
形成する場合には、図2に示したように幅W1、W2が
異なるように仕切り20により2つのインク供給口2
1、22を形成しても同様の作用を奏する。
【0026】このように形成された第1のインク供給口
21と第2のインク供給口22は、イナータンスM3、
M4が幅W1、W2に対して1乗で、また流路抵抗R
3、R4が幅W1、W2の3乗で作用するため、相互の
流体特性が異なることになり、ヘルムホルツ共振周期の
振動によるインク供給口21、22のインピーダンスZ
cのQ値は、メニスカスがノズル開口6の先端側に移動
するときのインク供給口21、22のインピーダンスZ
mのQ値よりも大きくなる。
【0027】また、図4(イ)、(ロ)に示したように
弾性板30に形成されたたわみ変位する圧電振動子31
により容積の変化を受け、またインク供給口形成基板3
2に穿設されたインク供給口33、34を介してリザー
バ35のインクの供給を受け、かつヘルムホルツ共振周
波数が、メニスカスの表面張力による振動の周波数より
も大きくなるように構成さたインクジェット式記録ヘッ
ドにあっては、各圧力発生室36に対して2つのインク
供給口33、34を設け、図4(ロ)に示したようにそ
れぞれの開口面積を略同一とするものの、偏平率を異な
らせてもよい。
【0028】すなわち、イナータンスは面積に左右され
るものの、形状の影響はほとんど受けないが、流路抵抗
は開口面積よりも間隙の幅に大きく左右されるから、第
1のインク供給口33のイナータンスM5と流路抵抗R
5、及び第2のインク供給口34のイナータンスM6と
流路抵抗R6は、 M5≒M6 R5<R6 なる関係を有することになり、やはりヘルムホルツ共振
周波数が、メニスカスの表面張力による振動の周波数よ
りも大きいため、メニスカスのヘルムホルツ共振の成分
を速やかに減衰させることができる。
【0029】なお、上述の実施例においてはインク供給
口を2個とした場合に例を採って説明したが、3個以上
のインク供給口をそれぞれイナータンスをほぼ同一とす
る一方、流路抵抗を違えて形成しても同様の作用を奏す
る。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、
性流によるメニスカスの戻り速度を無用に抑制すること
なく、運動エネルギの大きなヘルムホルツ共振成分を選
択的に減衰させて、インク滴吐出後のメニスカスの戻り
時間と、メニスカスの運動エネルギの減衰時間を短縮す
ることができ、記録ヘッドを安定に高速駆動することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図(イ)、(ロ)は、それぞれ本発明のインク
ジェット式記録ヘッドの一実施例を、圧力発生室の中心
線での断面構造、及びノズル開口の断面を示す図であ
る。
【図2】本発明の他の実施例を流路形成基板の構造で示
す図である。
【図3】同上記録ヘッドの流体等価回路を示す図であ
る。
【図4】図(イ)、(ロ)は、それぞれ本発明の他の実
施例を圧力発生室の中心線での断面、及び1つの圧力発
生室に連通するインク供給口の開口の形状を示す図であ
る。
【図5】本発明、及び従来のインクジェット式記録ヘッ
ドのメニスカスの変位を示す線図である。
【符号の説明】
1 流路形成基板 2 圧力発生室 3 リザーバ 4、5 インク供給口 6 ノズル開口 8 圧電振動子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−85207(JP,A) 特開 平8−58089(JP,A) 特開 平6−255109(JP,A) 特開 平4−355146(JP,A) 特開 昭63−4958(JP,A) 特開 昭58−7363(JP,A) 特開 平8−290571(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/045 B41J 2/055

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の面を弾性板により、また他方の面
    をノズル開口を有するノズルプレートにより封止され、
    前記弾性板を介して加圧手段により加圧される圧力発生
    室と、外部からのインクの供給を受けるリザーバと、前
    記圧力発生室とリザーバとを接続する前記ノズルプレー
    ト側に形成された第1のインク供給口と、前記圧力発生
    室とリザーバとを接続する前記弾性板側に形成された第
    2のインク供給口と、を備えたインクジェット式記録ヘ
    ッドにおいて、 前記第1のインク供給口と前記第2のインク供給口との
    断面形状がそれぞれ異なるように構成され、 また前記第1のインク供給口、及び前記第2のインク供
    給口のイナータンスをそれぞれM1、M2、流体抵抗を
    それぞれR1、R2としたとき、 M1≒M2 R1>R2 となるように設定されているインクジェット式記録ヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】 前記各インク供給口の流路抵抗とイナー
    タンスとの比が異なる請求項1に記載のインクジェット
    式記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記第1のインク供給口の開口の長辺と
    短辺の比率が、前記第2のインク供給口の開口の長辺と
    短辺の比率よりも大きくなるように形成されている請求
    項1に記載のインクジェット式記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記第1のインク供給口と前記第2のイ
    ンク供給口の開口の偏平率が異なる請求項1に記載のイ
    ンクジェット式記録ヘッド。
JP30932897A 1997-10-23 1997-10-23 インクジェット式記録ヘッド Expired - Lifetime JP3452119B2 (ja)

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