JP3362732B2 - インクジェットヘッド駆動方法 - Google Patents
インクジェットヘッド駆動方法Info
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- JP3362732B2 JP3362732B2 JP2001143183A JP2001143183A JP3362732B2 JP 3362732 B2 JP3362732 B2 JP 3362732B2 JP 2001143183 A JP2001143183 A JP 2001143183A JP 2001143183 A JP2001143183 A JP 2001143183A JP 3362732 B2 JP3362732 B2 JP 3362732B2
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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- B41J—TYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
- B41J2/00—Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
- B41J2/005—Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
- B41J2/01—Ink jet
- B41J2/135—Nozzles
- B41J2/14—Structure thereof only for on-demand ink jet heads
- B41J2002/14338—Multiple pressure elements per ink chamber
Landscapes
- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインク滴を飛翔させ記録
紙等の媒体上にインク像を形成するインクジェット方式
の記録装置に関し、さらに詳細には、オンデマンドイン
クジェットヘッドとその駆動方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来のインクジェットヘッドは、1つの
ノズルに対し1つのインク加圧室を持ち、そのインク加
圧室を加圧することによりインクを噴射させている。し
かし記録速度の高速化が望まれる今日、前記ヘッド構成
ではインク噴射繰り返し周波数に限界が生じている。そ
こで1つのノズルに対し2つの圧力室および圧力手段を
設け高速応答を可能とする特開平2−162048号、
特開平3−43253号、特開平2−303845号が
開示されている。具体的には、 (従来例1)特開平2−162048号は、図15に示
すように圧力室200を互いに連通する第1の圧力室2
01及び第2の圧力室202に分割する。これら2つの
圧力室201、202の圧電素子203、204を遅延
時間を付与して駆動することにより、インク供給能力を
高めメニスカスの後退をおさえ、より高い周波数でイン
ク滴の噴射を可能とするものである。 【0003】(従来例2)特開平3−43253号は、
図16に示すように1つのノズル205に対して各々別
個に加圧することのできる2つの圧力室206、207
を有する。これら2つの圧力室を時間差を持たせて加圧
することにより、低電圧での駆動が可能であり、且つイ
ンク滴吐出の限界繰り返し周波数を高めるものである。 【0004】(従来例3)特開平2−303845号
は、図17に示すように圧力室208を加圧する為の第
1のエネルギー発生手段209と、圧力室208を経ず
にノズル210に通じる副流路211と、副流路211
の内部を加圧するための第2のエネルギー発生手段21
2を有している。そのためインク滴噴射後のメニスカス
の初期位置への復帰が速く、より周波数特性のよい高速
記録を可能とするものである。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】上記従来技術のインク
ジェットヘッドはいずれにおいても、1つのノズルにつ
いて2つの圧力発生手段を有することにより、高周波数
でインク滴を吐出させることのみに着目した構成が開示
されている。 【0006】一方、このようなインクジェットヘッド
は、圧力室で加圧したインクをノズルからインク滴とし
て記録用紙に吐出させて印刷を行う関係上、ノズル開口
からの溶媒の蒸発に起因するインク粘度の上昇や、イン
クの固化、塵埃の付着、さらには気泡の混入などによ
り、吐出周波数の低下や、ノズル開口の目詰まり、吐出
するインク滴に飛行曲がり等が発生し、印刷不良を起こ
すという問題があった。 【0007】つまり、上記従来技術に記載されたインク
ジェットヘッドのように高周波数のインク滴吐出を実現
させるためには、印字待機中においてノズル内のメニス
カスを形成するインクの増粘を防止する対策が必要とな
る。 【0008】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的とするところは、圧力室を2つ
有することにより得られる、高周波数でインク滴を吐出
できる特性を長期で維持することができるインクジェッ
トヘッドを提供することである。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
ヘッド駆動方法は、インクタンクのインクが供給される
第1の圧力室と、第1の圧力室と連通する第2の圧力室
と、第2の圧力室と連通するノズルとを有し、第1の圧
力室には複数の第2の圧力室が共通に連通されており、
第1の圧力室には第1の圧力発生手段、第2の圧力室に
は第2の圧力発生手段を具備したインクジェットヘッド
の駆動方法であって、ノズルからインク滴を吐出するタ
イミングにおいては、第1、第2の圧力発生手段を同時
に駆動させ、ノズルからインク滴を吐出するタイミング
外においては、第1の圧力発生手段のみを駆動させノズ
ル内のメニスカスを吐出しない程度に振動させることを
特徴とする。 【0010】 【0011】 【実施例】図1は、本発明のインクジェットヘッドの第
1実施例の斜視図である。このインクジェットヘッド
は、複数のノズル2(図1では5つ)を有している。図
1のヘッドは、エッチング技術や、薄板を複数枚積層す
る方法や、プラスチックの射出成型によりインク流路と
なる凹凸面を設けた基盤1と圧力板3を積層して接合す
ることにより、インク流路を形成している。圧力板3の
片面には、共通電極4がメッキあるいはスパッタリング
により形成されている。共通電極4の上面には、1つの
第1の圧電素子(以降PZTという)6と各ノズルに対
応した複数の第2のPZT5が電気導電性を有するよう
に接着されている。第1のPZT6と第2のPZT5の
両面には電極が設けられており、図示しない信号線によ
り図示しない駆動回路と接続している。第1の圧力発生
手段は第1のPZT6と圧力板3とにより構成されてお
り、第2の圧力発生手段は、第2のPZT5と圧力板3
とにより構成されている。インクは、図示しないインク
タンクからチューブ7を介して供給され、インクタンク
からノズル2までのインク流路の内部を充満している。 【0012】図2は、図1のインクジェットヘッドの平
面図であり、図3は、A−A´断面図である。以下図2
と図3を用いてインク流路構造を説明する。 【0013】9は、すべてのノズルに共通な第1の圧力
室であり、第1の圧力室9に対応する位置に第1のPZ
T6が配設されている。第1の圧力室9には、隔壁10
により隔てられた複数の第2の圧力室8が連通してい
る。第2の圧力室8に対応する位置に第2のPZT5が
それぞれ配設されている。ノズル2は、第2の圧力室8
からテーパ状に断面形状が狭くなるように形成されてい
る。14は、供給口であり第1の圧力室9及び第2の圧
力室8の体積変化により発生したインクタンク方向への
インクの流れをおさえる役割を果たす。11は、パイプ
でありチューブ7と接合される。パイプ11の内部に
は、導入路12が形成されていて、インクタンクからの
インクをインクジェットヘッドの内部に導く役割を果た
す。ここで、インクタンクから導入路12に至るインク
流路の音響インピーダンス、すなわち流路抵抗とイナー
タンスは、インク滴の吐出特性に影響を与えないように
極力小さく設定されている。また、圧力板3と第1のP
ZT6及び第2のPZT5は、変形の振幅が大きく且つ
合成コンプライアンスが大きくなるような組み合わせを
選定して採用している。本実施例では圧力発生手段とし
てPZTを使用したが、他の実施例としてボイスコイル
や気泡の膨張運動を利用することも可能である。 【0014】図4は、本発明のインクジェットヘッドの
第1実施例の駆動方法を説明する駆動波形図、図5
(a)〜(c)は吐出動作を説明する図、図6(a)〜
(c)は非吐出動作を説明する図である。 【0015】図4において、V1は第1のPZT6に印
加される駆動波形を表し、V2は第2のPZT5に印加
される駆動波形を表している。さらに、時間t1から時
間t4は、インク滴を吐出する場合の駆動波形であり、
時間t5から時間t8は、非吐出の場合に使用する駆動
波形である。以下第1実施例の吐出及び非吐出動作を説
明する。 【0016】(第1実施例における吐出動作)t1以前
の初期状態時、第1のPZT6と第2のPZT5には電
圧15、16がそれぞれ印加されている。この時、第1
のPZT6と第2のPZT5は縮小状態に変形してい
る。そのため、圧力板3は、曲げ応力の作用により第1
圧力室9及び第2の圧力室8の体積を減ずる方向に橈み
変形して静止している。 【0017】しかし、図5(a)に示す時間t1から時
間t2の過程では、徐々に第1及び第2のPZTへの印
加電圧が減少するため、第1のPZT6は、矢印22の
方向に、また第2のPZT5は矢印21の方向に変形す
る。すなわち、第1の圧力室9と第2の圧力室8は拡大
変形する。この変形により、第1の圧力室9と第2の圧
力室8の内部のインクには流れが発生する。供給口14
と第1の圧力室9においては矢印26、25方向にイン
クが流れ、ノズル2と第2の圧力室8においては矢印2
3、24方向のインクの流れが発生する。特にノズル2
においては、大きく引き込まれたメニスカス36が形成
される。 【0018】図5(b)に示す時間t2から時間t3の
過程では、第1のPZT6と第2のPZT5への印加電
圧はゼロでありPZTの運動は停止する。しかし、供給
口14と第1の圧力室9と第2の圧力室8の内部のイン
クは、慣性による矢印27〜30の方向に流れが生じ
る。この流れによりノズル2におけるメニスカスは37
のように縮小する。矢印27〜30の方向の流れが発生
する理由は、時間t1から時間t2においてメニスカス
36が引き込まれた結果、時間t2において矢印23、
24方向のインクの運動エネルギーが矢印25、26方
向のインクの運動エネルギーよりも小さくなったためで
ある。 【0019】図5(c)に示す時間t3からt4の過程
では、再び第1のPZT6と第2のPZT5へ電圧の印
加が開始される。それに伴い第1のPZT6と第2のP
ZT5は、矢印32、31の方向に橈み変形を開始す
る。すなわち、第1の圧力室9と第2の圧力室8は縮小
変形する。その結果第1の圧力室9と第2の圧力室8の
内部では、前記慣性による矢印27〜30方向の流れと
足し合わされた矢印33、34、35方向の流れが発生
する。特に矢印33の流れは高速のためインクはノズル
からインク柱38となり押し出され、最終的にはインク
滴となり飛翔する。また、供給口14へ向かう矢印35
の流れは、矢印33の流れと比較して十分に小さくな
る。 【0020】(第1実施例における非吐出動作)t5以
前の状態時は、吐出動作の初期状態と同様、第1圧力室
9及び第2の圧力室8は第1のPZT6及び第2のPZ
T5により体積を減ずる方向に橈み変形して静止してい
る。 【0021】図6(a)に示す時間t5から時間t6の
過程をでは、徐々に第1のPZT6への印加電圧が減少
するため、第1のPZT6は矢印39の方向に変形し、
第1の圧力室9の体積を拡大する。しかし、第2のPZ
T5には、印加電圧の変化がないために体積変化は生じ
ない。第1の圧力室9の体積だけが拡大変形することに
より、第1の圧力室9と第2の圧力室8の内部のインク
には図5(a)の矢印23〜26の流れよりも小さな矢
印40、41方向の流れが発生する。また、ノズル2に
おけるメニスカスは46のように引き込まれる。 【0022】図6(b)に示す時間t6から時間t7の
過程では、第1のPZT6への印加電圧がゼロとなり、
第1のPZT6の運動は停止する。しかし、供給口14
と第1の圧力室9と第2の圧力室8の内部のインクは慣
性により矢印42の方向に流れが生じる。この矢印42
方向の流れも図5(b)の矢印27〜30方向の流れよ
りも小さい流れである。矢印42方向の流れによりノズ
ル2のメニスカスは元の位置47に復帰する。 【0023】図6(c)に示す時間t7から時間t8の
過程では、再び第1のPZT6へ電圧の印加が開始され
る。それに伴い第1のPZT6は矢印43の方向に橈み
変形を開始し、第1の圧力室の体積は縮小変形する。そ
の結果、第2の圧力室8の内部には矢印44方向の流れ
が発生する。また、第1の圧力室9と供給路14の内部
には矢印45方向のインクの流れが発生する。しかし、
矢印44の方向のインクの流れ速度は小さいため、イン
クはノズル2から48に示す程度突出するがインクの表
面張力に打ち勝ってインク滴として飛翔することはな
く、メニスカス表面を微小振動させる。 【0024】以上説明したように、第1のPZT6には
インクを吐出する場合も吐出しない場合においても、駆
動波形V1の様な周期的な駆動波形が印加されノズル内
のメニスカスを微小振動させる。この微小振動はノズル
内に形成されたメニスカス表面のインクを攪拌させる効
果を有する。 【0025】また、第2のPZT5には、インク滴を吐
出したい場合のみ駆動波形V1の駆動タイミングにあわ
せて駆動を行なうように構成されている。 【0026】なお図4には、駆動波形V1、V2は、時
間t1、t2、t3、t4において同時に変化を開始す
るように示されているが、必ずしも完全に一致する必要
はない。さらに、駆動波形として台形波を採用している
が、矩形波、正弦波、指数関数波や、これらの波形の組
み合わせによる波形を用いることも可能である。 【0027】図7は、第1の駆動方法でインクジェット
ヘッドを駆動させた場合のメニスカスの変位量(体積)
の時間変化を表したグラフである。ここで、W1は吐出
動作時、W2は非吐出動作時のメニスカスの時間変化を
表している。図7の時間t1、t2、t3、t4は、図
4における時間t1、t2、t3、t4またはt5、t
6、t7、t8にそれぞれ対応している。前述の動作説
明と重複するが、まずW1について説明する。 【0028】時間t1から時間t2にかけてメニスカス
が引き込まれる。メニスカスの最大引き込み量50は、
メニスカス36の最大体積を表している。時間t2から
時間t3にかけてメニスカス37は縮小を続ける。縮小
速度が徐々に減少しているのは流路抵抗が作用して流速
が減衰している為である。時間t3から時間t4にかけ
て、インク柱が形成される。時間t4において、メニス
カス変位量の不連続点が存在する。これは、インク柱が
ノズル2から離れてインク滴として飛行を開始したこと
を表している。49はインク滴の体積を表している。時
間t4以降メニスカスは僅かに振動しながら元の位置に
静定する。本実施例のインクジェットヘッドは、時間t
4から静定までの時間が短く周波数応答性が良好であ
る。 【0029】次にW2について説明する。時間t1から
時間t2においてメニスカスは引き込まれる。時間t2
から時間t3において、第1の圧力板6の運動が停止す
るが、インクの慣性力によりメニスカスが縮小する方向
にインクの流れが発生する。但し、このメニスカスの縮
小速度はW1に示したメニスカスの縮小速度よりも小さ
い。その理由は、時間t2におけるメニスカス46の引
き込み量がメニスカス36の引き込み量よりも小さいた
め、ノズル2におけるイナータンスの減少量がW2の方
が小さいからである。すなわち、矢印41の方向の流れ
の運動エネルギーと矢印40の方向の流れの運動エネル
ギーの差が小さいために、矢印42の流れが小さくなっ
た為である。従って、時間t3では、メニスカスが完全
に戻りきらない。時間t3から時間t4において、メニ
スカスはノズル2の外側に押し出されるが、インクの表
面張力の作用によりインク滴として吐出することなく時
間t4以降に徐々に振動が減衰して静定する。 【0030】図8は、本発明のインクジェットヘッドの
第2実施例の駆動方法を説明する駆動波形図、図9
(a)〜(c)は吐出動作を説明する図、図10(a)
〜(c)は非吐出動作の1つを説明する図、図11
(a)〜(c)は別の非吐出動作を説明する図である。 【0031】図8において、V3は、第1のPZT6に
印加される駆動波形である。波形V4は、吐出動作時に
第2のPZT5に印加される駆動波形である。波形V5
は、非吐出動作時に第2のPZT5に印加される駆動波
形であり、波形V6は、別の非吐出動作時に第2のPZ
T5に印加される駆動波形である。以下第2実施例の吐
出及び非吐出動作を説明する。 【0032】(第2実施例における吐出動作)t1以前
の初期状態時、第1のPZT6には電圧52が印加され
ている。この時、第1のPZT6は縮小状態に変形して
いる。そのため、圧力板3は、曲げ応力の作用により第
1の圧力室9の体積を減ずる方向に橈み変形して静止し
ている。 【0033】しかし、図9(a)に示す時間t1から時
間t2の過程では、徐々に第1のPZT6への印加電圧
が減少するため、第1のPZT6は、矢印55の方向に
変形する。すなわち第1の圧力室9は拡大変形する。し
かし、第2のPZT5には、印加電圧の変化がないため
変形は発生しない。第1の圧力室9の体積変化により、
第1の圧力室9と第2の圧力室8の内部のインクには、
矢印56〜59方向の流れが発生する。それと同時にノ
ズル2の内部にメニスカス69が引き込まれる。 【0034】図9(b)に示す時間t2から時間t3の
過程では、第1のPZT6への印加電圧がゼロになり、
第1のPZT6の運動は停止する。しかし、供給口14
と第1の圧力室9と第2の圧力室8の内部のインクは慣
性により矢印60〜63の方向の流れが生じる。この流
れによりノズル2におけるメニスカスは70のように縮
小する。 【0035】図9(c)に示す時間t3から時間t4の
過程では、第1のPZT6と第2のPZT5へ電圧の印
加が開始される。それに伴い第1のPZT6と第2のP
ZT5は矢印65、64の方向に橈み変形を開始し、第
1の圧力室9と第2の圧力室8の体積は縮小変形する。
その結果第1の圧力室9と第2の圧力室8の内部では、
前記慣性による矢印60〜63の方向の流れと足し合わ
された矢印66、67、68の方向の流れが発生する。
特に矢印66の流れは高速のため、インクはノズルから
インク柱71となり押し出され、最終的にはインク滴と
なり飛翔する。また、供給口14へ向かう矢印68の流
れは、矢印66の流れと比較して十分に小さくなる。 【0036】(第2実施例における非吐出動作)図8の
波形V3とV5を用いて第2実施例の非吐出動作過程を
説明する。 【0037】時間t1から時間t3の駆動波形は吐出動
作時と同じであり、インクの流れは図9(a)、(b)
に示したものと同様になる。それを再度図10(a)、
(b)に示してある。 【0038】図10(c)に示す時間t3から時間t4
の過程では、第1のPZT6へ電圧の印加が開始され
る。それに伴い、第1のPZT6は矢印74の方向に橈
み変形を開始し、第1の圧力室の体積を縮小変形する。
しかし、第2のPZT5には電圧は印加されないため第
2の圧力室の体積は変化しない。その結果、第1の圧力
室9と第2の圧力室8の内部には慣性により生じた矢印
60〜63の方向の流れと足し合わせた矢印72の方向
の流れが発生する。インクはノズル2から73に示す程
度突出するがインクの表面張力に打ち勝ってインク滴と
して飛翔することはなく、メニスカス表面を微小振動さ
せる。この微小振動はノズル内に形成されたメニスカス
表面のインクを攪拌させる効果を有する。 【0039】以上説明したように、第1のPZT6には
インクを吐出する場合も吐出しない場合においても、駆
動波形V1の様な周期的な駆動波形が印加されノズル内
のメニスカスを微小振動させる構成となっている。 【0040】(第2実施例における別の非吐出動作)図
8の波形V3とV6を用いて別の非吐出動作過程を説明
する。 【0041】t1以前の初期状態時、第1のPZT6に
は電圧52が印加され、第2のPZT5には電圧は印加
されていないため第1の圧力室の体積は縮小状態に、第
2の圧力室の体積は拡大状態に変形して静止している。 【0042】図11(a)に示す時間t1から時間t2
の過程では、徐々に第1のPZT6に印加されていた電
圧が減少し、それとは逆に第2のPZT5に電圧が印加
される。したがって、第1の圧力室9は縮小状態から拡
大変形し、第2の圧力室8は拡大状態から縮小変形す
る。そのため、発生するインクの流れは、第1の圧力室
9の内部における矢印77、78の方向の流れだけとな
る。但し、複数個あるノズル2全てにおいて、インク滴
を吐出することが要求されていない場合、前述した矢印
77、78の方向の流れは発生しない。 【0043】図11(b)に示す時間t2から時間t3
の過程では、第1のPZT6は印加電圧がゼロの状態
で、また第2のPZT5は印加電圧54の状態で静止し
ている。この時、矢印79、80の方向の流れが慣性に
より発生する。そのため、メニスカス87は、ノズル2
の外部に突出する。但し、インクの流れ速度が小さいた
め、メニスカス87はインク滴として飛翔することな
く、微小振動することでメニスカス近傍のインクを攪拌
させる。 【0044】図11(c)に示す時間t3から時間t4
の過程では、徐々に第1のPZT6への印加電圧が増加
し、それとは逆に第2のPZT5の印加電圧が減少す
る。そのため、第1のPZT6は、矢印82の方向に変
位し第1の圧力室9を縮小変形させる。また、第2のP
ZT5は、矢印81の方向に変位し第2の圧力室8を拡
大変形させる。その結果、矢印83、84、85の方向
にインクの流れが発生し、それぞれの流れと第1の圧力
室9と第2の圧力室8の体積変化とによりメニスカス8
8はほとんど振動しない。 【0045】以上説明したように、第1のPZT6には
インクを吐出する場合も吐出しない場合においても、駆
動波形V3の様な周期的な電圧が印加される。インク滴
を吐出する場合、第2のPZT5に駆動波形V3の駆動
タイミングにあわせて駆動波形V4で駆動を行なうよう
になっている。それに対してインク滴を吐出しない場
合、第2のPZT5の駆動には駆動波形V5またはV6
を使用する。 【0046】なお、駆動波形として台形波を採用してい
るが、矩形波、正弦波、指数関数波や、これらの波形の
組み合わせによる波形を用いることも可能である。 【0047】図12は、本発明の一実施例であるインク
ジェットヘッドの駆動方法を使用した場合のメニスカス
の変位量(体積)の時間変化を表したグラフである。こ
こで、W3は駆動波形V3、V4を用いた時の吐出動作
の場合である。W4は駆動波形V3、V5を用いた時の
非吐出動作の場合であり、W5は駆動波形V3、V6を
用いた時の非吐出動作の場合である。図7の中の時間t
1、t2、t3、t4、t9、t10は、図4における
時間t1、t2、t3、t4、t9、t10とそれぞれ
対応している。前述の動作説明と重複するが、まずW3
について説明する。 時間t1から時間t2にかけてメ
ニスカス69が引き込まれる。メニスカス69の最大引
き込み量90は、メニスカス69の最大体積を表してい
る。時間t2から時間t3にかけてメニスカス70は縮
小を続ける。縮小速度が徐々に減少しているのは流路内
の抵抗が作用している為である。時間t3から時間t4
にかけて、インク柱が形成される。時間t4においてイ
ンク滴がノズル2から離れてインク滴として飛行を開始
する。89は、この場合のインク滴の体積を表してい
る。時間t4以降メニスカスは僅かに振動しながら元の
位置に静定する。本実施例のインクジェットヘッドは、
時間t4から静定までの時間が短く周波数応答性が良好
である。 【0048】次にW4について説明する。時間t1から
時間t2においてメニスカス69は引き込まれる。時間
t2から時間t3において、第1の圧力板6の運動は停
止するが、インクの慣性力によりメニスカス70が縮小
する方向にインクの流れが発生する。このメニスカス7
0の縮小速度はW3に示したメニスカス70の縮小速度
と同等である。時間t3から時間t4において、メニス
カス73はノズル2の外側に押し出されるが、インクの
表面張力の作用によりインク滴として吐出することはな
くメニスカスを微小振動させる。この微小振動はノズル
内に形成されたメニスカス表面のインクを攪拌させる効
果を有する。また、メニスカス73は時間t4以降に徐
々に振動が減衰して静定する。 【0049】次にW5について説明する。時間t1から
時間t2においてメニスカス86は振動しない。この理
由は、第1の圧力室9が拡大変形するのと同時に第2の
圧力室8が縮小変形するからである。時間t2から時間
t3にかけてメニスカス87はノズル2の外部に押し出
される。しかし、インクの表面張力に打ち勝ってインク
滴として飛翔する程大きい運動エネルギーは有していな
い。時間t3から時間t4にかけてメニスカス88は殆
ど静定した状態になる。 【0050】図13は、本発明インクジェットヘッドの
別の実施例を表す斜視図である。101は、ノズルであ
り、ノズルプレート100に直線状に列設されている。
インクジェットヘッドはノズルプレート100と第1の
フレーム103とフィルム104と第2のフレーム10
5を積層して接合することにより構成されている。10
2は、インク供給パイプであり図示しないインクタンク
からのインクをインクジェットヘッドに供給している。
106は、FPCであり、図示しない回路基盤からPZ
T108を駆動するための駆動信号を伝達する役割を果
たす。 【0051】図14は、図13で説明したインクジェッ
トヘッドの断面図である。ノズルプレート100には、
ホーン形状をしたノズル101が形成されている。11
5は、振動子であり圧力発生手段である。振動子115
は、PZT108と弾性板109の積層により構成され
ている。また、振動子115は一端を固定端、他端を自
由端にした片持ち梁構造である。固定端は、スペーサ1
07とFPC106を介してノズルプレート100と第
1のフレーム103に挾持されている。自由端は、ノズ
ルプレート100と微小間隙114を隔ててノズル10
1に対向するように構成されている。PZT108に電
圧が印加されると、振動子115は橈み振動をする。こ
の橈み振動は、振動子115の自由端がノズル101の
方向に変形する振動である。また、ノズル101に対し
て振動子115が1対1で対応するように構成されてい
る。積層PZT110も圧力発生手段であり、一端を第
2のフレーム105に固定され、他端をフィルム104
に接合されている。電極111、112に図示しない回
路基盤からの電圧が印加されると積層PZT110は、
伸び変形する。この変形は、フィルム104を介して圧
力室113の体積変化をもたらす。インクジェットヘッ
ド1個につき、複数の積層PZT110を形成すること
も可能であるが、本実施例では、1個の積層PZT11
0のみを使用している。また、微小間隙114とノズル
101はインクで満たされている。 【0052】本実施例のインクジェットヘッドは、積層
PZT110を使用したために5気圧以上の発生圧力が
得られるのが特徴である。また、第2の圧力発生手段と
して、橈み振動する振動子115を使用したため、ノズ
ル101上での絶対的な変位量を大きく(例えば10μ
m)とれる。そのため、振動子115の振幅により、ノ
ズル2の音響インピーダンスを大きく制御できるため、
積層PZT110の発生圧力が大きい場合でも良好なイ
ンク滴を吐出できるという特徴がある。 【0053】本実施例と図1に示した実施例を比較する
と、圧力室113が第1の圧力室9に相当し、微小間隙
114が第2の圧力室8に相当している。また、積層P
ZT110が第1のPZT6に、振動子115が第2の
PZT5にそれぞれ対応している。したがって、駆動方
法は図4と図8に示した方法で行うことができる。 【0054】 【発明の効果】本発明のインクジェットヘッド駆動方法
は、インクタンクのインクが供給される第1の圧力室
と、第1の圧力室と連通する第2の圧力室と、第2の圧
力室と連通するノズルとを有し、第1の圧力室には複数
の第2の圧力室が共通に連通されており、第1の圧力室
には第1の圧力発生手段、第2の圧力室には第2の圧力
発生手段を具備したインクジェットヘッドの駆動方法で
あって、ノズルからインク滴を吐出するタイミングにお
いては、第1、第2の圧力発生手段を同時に駆動させ、
ノズルからインク滴を吐出するタイミング外において
は、第1の圧力発生手段のみを駆動させノズル内のメニ
スカスを吐出しない程度に振動させる構成であることに
より、インク滴の吐出、非吐出にかかわらず全てのノズ
ル、第2圧力室に共通に連通する第1の圧力発生手段を
駆動することによって、一つの圧力発生手段を用いて吐
出動作の行われないすべてのノズルのメニスカスを効率
的に常時振動させることが可能となる。従って、複雑な
駆動回路を用いずに全てのノズル開口近傍のインクの増
粘が抑えられ、高周波数でインク滴を吐出できる構成を
長期で維持することができるという効果を有する。
紙等の媒体上にインク像を形成するインクジェット方式
の記録装置に関し、さらに詳細には、オンデマンドイン
クジェットヘッドとその駆動方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来のインクジェットヘッドは、1つの
ノズルに対し1つのインク加圧室を持ち、そのインク加
圧室を加圧することによりインクを噴射させている。し
かし記録速度の高速化が望まれる今日、前記ヘッド構成
ではインク噴射繰り返し周波数に限界が生じている。そ
こで1つのノズルに対し2つの圧力室および圧力手段を
設け高速応答を可能とする特開平2−162048号、
特開平3−43253号、特開平2−303845号が
開示されている。具体的には、 (従来例1)特開平2−162048号は、図15に示
すように圧力室200を互いに連通する第1の圧力室2
01及び第2の圧力室202に分割する。これら2つの
圧力室201、202の圧電素子203、204を遅延
時間を付与して駆動することにより、インク供給能力を
高めメニスカスの後退をおさえ、より高い周波数でイン
ク滴の噴射を可能とするものである。 【0003】(従来例2)特開平3−43253号は、
図16に示すように1つのノズル205に対して各々別
個に加圧することのできる2つの圧力室206、207
を有する。これら2つの圧力室を時間差を持たせて加圧
することにより、低電圧での駆動が可能であり、且つイ
ンク滴吐出の限界繰り返し周波数を高めるものである。 【0004】(従来例3)特開平2−303845号
は、図17に示すように圧力室208を加圧する為の第
1のエネルギー発生手段209と、圧力室208を経ず
にノズル210に通じる副流路211と、副流路211
の内部を加圧するための第2のエネルギー発生手段21
2を有している。そのためインク滴噴射後のメニスカス
の初期位置への復帰が速く、より周波数特性のよい高速
記録を可能とするものである。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】上記従来技術のインク
ジェットヘッドはいずれにおいても、1つのノズルにつ
いて2つの圧力発生手段を有することにより、高周波数
でインク滴を吐出させることのみに着目した構成が開示
されている。 【0006】一方、このようなインクジェットヘッド
は、圧力室で加圧したインクをノズルからインク滴とし
て記録用紙に吐出させて印刷を行う関係上、ノズル開口
からの溶媒の蒸発に起因するインク粘度の上昇や、イン
クの固化、塵埃の付着、さらには気泡の混入などによ
り、吐出周波数の低下や、ノズル開口の目詰まり、吐出
するインク滴に飛行曲がり等が発生し、印刷不良を起こ
すという問題があった。 【0007】つまり、上記従来技術に記載されたインク
ジェットヘッドのように高周波数のインク滴吐出を実現
させるためには、印字待機中においてノズル内のメニス
カスを形成するインクの増粘を防止する対策が必要とな
る。 【0008】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的とするところは、圧力室を2つ
有することにより得られる、高周波数でインク滴を吐出
できる特性を長期で維持することができるインクジェッ
トヘッドを提供することである。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
ヘッド駆動方法は、インクタンクのインクが供給される
第1の圧力室と、第1の圧力室と連通する第2の圧力室
と、第2の圧力室と連通するノズルとを有し、第1の圧
力室には複数の第2の圧力室が共通に連通されており、
第1の圧力室には第1の圧力発生手段、第2の圧力室に
は第2の圧力発生手段を具備したインクジェットヘッド
の駆動方法であって、ノズルからインク滴を吐出するタ
イミングにおいては、第1、第2の圧力発生手段を同時
に駆動させ、ノズルからインク滴を吐出するタイミング
外においては、第1の圧力発生手段のみを駆動させノズ
ル内のメニスカスを吐出しない程度に振動させることを
特徴とする。 【0010】 【0011】 【実施例】図1は、本発明のインクジェットヘッドの第
1実施例の斜視図である。このインクジェットヘッド
は、複数のノズル2(図1では5つ)を有している。図
1のヘッドは、エッチング技術や、薄板を複数枚積層す
る方法や、プラスチックの射出成型によりインク流路と
なる凹凸面を設けた基盤1と圧力板3を積層して接合す
ることにより、インク流路を形成している。圧力板3の
片面には、共通電極4がメッキあるいはスパッタリング
により形成されている。共通電極4の上面には、1つの
第1の圧電素子(以降PZTという)6と各ノズルに対
応した複数の第2のPZT5が電気導電性を有するよう
に接着されている。第1のPZT6と第2のPZT5の
両面には電極が設けられており、図示しない信号線によ
り図示しない駆動回路と接続している。第1の圧力発生
手段は第1のPZT6と圧力板3とにより構成されてお
り、第2の圧力発生手段は、第2のPZT5と圧力板3
とにより構成されている。インクは、図示しないインク
タンクからチューブ7を介して供給され、インクタンク
からノズル2までのインク流路の内部を充満している。 【0012】図2は、図1のインクジェットヘッドの平
面図であり、図3は、A−A´断面図である。以下図2
と図3を用いてインク流路構造を説明する。 【0013】9は、すべてのノズルに共通な第1の圧力
室であり、第1の圧力室9に対応する位置に第1のPZ
T6が配設されている。第1の圧力室9には、隔壁10
により隔てられた複数の第2の圧力室8が連通してい
る。第2の圧力室8に対応する位置に第2のPZT5が
それぞれ配設されている。ノズル2は、第2の圧力室8
からテーパ状に断面形状が狭くなるように形成されてい
る。14は、供給口であり第1の圧力室9及び第2の圧
力室8の体積変化により発生したインクタンク方向への
インクの流れをおさえる役割を果たす。11は、パイプ
でありチューブ7と接合される。パイプ11の内部に
は、導入路12が形成されていて、インクタンクからの
インクをインクジェットヘッドの内部に導く役割を果た
す。ここで、インクタンクから導入路12に至るインク
流路の音響インピーダンス、すなわち流路抵抗とイナー
タンスは、インク滴の吐出特性に影響を与えないように
極力小さく設定されている。また、圧力板3と第1のP
ZT6及び第2のPZT5は、変形の振幅が大きく且つ
合成コンプライアンスが大きくなるような組み合わせを
選定して採用している。本実施例では圧力発生手段とし
てPZTを使用したが、他の実施例としてボイスコイル
や気泡の膨張運動を利用することも可能である。 【0014】図4は、本発明のインクジェットヘッドの
第1実施例の駆動方法を説明する駆動波形図、図5
(a)〜(c)は吐出動作を説明する図、図6(a)〜
(c)は非吐出動作を説明する図である。 【0015】図4において、V1は第1のPZT6に印
加される駆動波形を表し、V2は第2のPZT5に印加
される駆動波形を表している。さらに、時間t1から時
間t4は、インク滴を吐出する場合の駆動波形であり、
時間t5から時間t8は、非吐出の場合に使用する駆動
波形である。以下第1実施例の吐出及び非吐出動作を説
明する。 【0016】(第1実施例における吐出動作)t1以前
の初期状態時、第1のPZT6と第2のPZT5には電
圧15、16がそれぞれ印加されている。この時、第1
のPZT6と第2のPZT5は縮小状態に変形してい
る。そのため、圧力板3は、曲げ応力の作用により第1
圧力室9及び第2の圧力室8の体積を減ずる方向に橈み
変形して静止している。 【0017】しかし、図5(a)に示す時間t1から時
間t2の過程では、徐々に第1及び第2のPZTへの印
加電圧が減少するため、第1のPZT6は、矢印22の
方向に、また第2のPZT5は矢印21の方向に変形す
る。すなわち、第1の圧力室9と第2の圧力室8は拡大
変形する。この変形により、第1の圧力室9と第2の圧
力室8の内部のインクには流れが発生する。供給口14
と第1の圧力室9においては矢印26、25方向にイン
クが流れ、ノズル2と第2の圧力室8においては矢印2
3、24方向のインクの流れが発生する。特にノズル2
においては、大きく引き込まれたメニスカス36が形成
される。 【0018】図5(b)に示す時間t2から時間t3の
過程では、第1のPZT6と第2のPZT5への印加電
圧はゼロでありPZTの運動は停止する。しかし、供給
口14と第1の圧力室9と第2の圧力室8の内部のイン
クは、慣性による矢印27〜30の方向に流れが生じ
る。この流れによりノズル2におけるメニスカスは37
のように縮小する。矢印27〜30の方向の流れが発生
する理由は、時間t1から時間t2においてメニスカス
36が引き込まれた結果、時間t2において矢印23、
24方向のインクの運動エネルギーが矢印25、26方
向のインクの運動エネルギーよりも小さくなったためで
ある。 【0019】図5(c)に示す時間t3からt4の過程
では、再び第1のPZT6と第2のPZT5へ電圧の印
加が開始される。それに伴い第1のPZT6と第2のP
ZT5は、矢印32、31の方向に橈み変形を開始す
る。すなわち、第1の圧力室9と第2の圧力室8は縮小
変形する。その結果第1の圧力室9と第2の圧力室8の
内部では、前記慣性による矢印27〜30方向の流れと
足し合わされた矢印33、34、35方向の流れが発生
する。特に矢印33の流れは高速のためインクはノズル
からインク柱38となり押し出され、最終的にはインク
滴となり飛翔する。また、供給口14へ向かう矢印35
の流れは、矢印33の流れと比較して十分に小さくな
る。 【0020】(第1実施例における非吐出動作)t5以
前の状態時は、吐出動作の初期状態と同様、第1圧力室
9及び第2の圧力室8は第1のPZT6及び第2のPZ
T5により体積を減ずる方向に橈み変形して静止してい
る。 【0021】図6(a)に示す時間t5から時間t6の
過程をでは、徐々に第1のPZT6への印加電圧が減少
するため、第1のPZT6は矢印39の方向に変形し、
第1の圧力室9の体積を拡大する。しかし、第2のPZ
T5には、印加電圧の変化がないために体積変化は生じ
ない。第1の圧力室9の体積だけが拡大変形することに
より、第1の圧力室9と第2の圧力室8の内部のインク
には図5(a)の矢印23〜26の流れよりも小さな矢
印40、41方向の流れが発生する。また、ノズル2に
おけるメニスカスは46のように引き込まれる。 【0022】図6(b)に示す時間t6から時間t7の
過程では、第1のPZT6への印加電圧がゼロとなり、
第1のPZT6の運動は停止する。しかし、供給口14
と第1の圧力室9と第2の圧力室8の内部のインクは慣
性により矢印42の方向に流れが生じる。この矢印42
方向の流れも図5(b)の矢印27〜30方向の流れよ
りも小さい流れである。矢印42方向の流れによりノズ
ル2のメニスカスは元の位置47に復帰する。 【0023】図6(c)に示す時間t7から時間t8の
過程では、再び第1のPZT6へ電圧の印加が開始され
る。それに伴い第1のPZT6は矢印43の方向に橈み
変形を開始し、第1の圧力室の体積は縮小変形する。そ
の結果、第2の圧力室8の内部には矢印44方向の流れ
が発生する。また、第1の圧力室9と供給路14の内部
には矢印45方向のインクの流れが発生する。しかし、
矢印44の方向のインクの流れ速度は小さいため、イン
クはノズル2から48に示す程度突出するがインクの表
面張力に打ち勝ってインク滴として飛翔することはな
く、メニスカス表面を微小振動させる。 【0024】以上説明したように、第1のPZT6には
インクを吐出する場合も吐出しない場合においても、駆
動波形V1の様な周期的な駆動波形が印加されノズル内
のメニスカスを微小振動させる。この微小振動はノズル
内に形成されたメニスカス表面のインクを攪拌させる効
果を有する。 【0025】また、第2のPZT5には、インク滴を吐
出したい場合のみ駆動波形V1の駆動タイミングにあわ
せて駆動を行なうように構成されている。 【0026】なお図4には、駆動波形V1、V2は、時
間t1、t2、t3、t4において同時に変化を開始す
るように示されているが、必ずしも完全に一致する必要
はない。さらに、駆動波形として台形波を採用している
が、矩形波、正弦波、指数関数波や、これらの波形の組
み合わせによる波形を用いることも可能である。 【0027】図7は、第1の駆動方法でインクジェット
ヘッドを駆動させた場合のメニスカスの変位量(体積)
の時間変化を表したグラフである。ここで、W1は吐出
動作時、W2は非吐出動作時のメニスカスの時間変化を
表している。図7の時間t1、t2、t3、t4は、図
4における時間t1、t2、t3、t4またはt5、t
6、t7、t8にそれぞれ対応している。前述の動作説
明と重複するが、まずW1について説明する。 【0028】時間t1から時間t2にかけてメニスカス
が引き込まれる。メニスカスの最大引き込み量50は、
メニスカス36の最大体積を表している。時間t2から
時間t3にかけてメニスカス37は縮小を続ける。縮小
速度が徐々に減少しているのは流路抵抗が作用して流速
が減衰している為である。時間t3から時間t4にかけ
て、インク柱が形成される。時間t4において、メニス
カス変位量の不連続点が存在する。これは、インク柱が
ノズル2から離れてインク滴として飛行を開始したこと
を表している。49はインク滴の体積を表している。時
間t4以降メニスカスは僅かに振動しながら元の位置に
静定する。本実施例のインクジェットヘッドは、時間t
4から静定までの時間が短く周波数応答性が良好であ
る。 【0029】次にW2について説明する。時間t1から
時間t2においてメニスカスは引き込まれる。時間t2
から時間t3において、第1の圧力板6の運動が停止す
るが、インクの慣性力によりメニスカスが縮小する方向
にインクの流れが発生する。但し、このメニスカスの縮
小速度はW1に示したメニスカスの縮小速度よりも小さ
い。その理由は、時間t2におけるメニスカス46の引
き込み量がメニスカス36の引き込み量よりも小さいた
め、ノズル2におけるイナータンスの減少量がW2の方
が小さいからである。すなわち、矢印41の方向の流れ
の運動エネルギーと矢印40の方向の流れの運動エネル
ギーの差が小さいために、矢印42の流れが小さくなっ
た為である。従って、時間t3では、メニスカスが完全
に戻りきらない。時間t3から時間t4において、メニ
スカスはノズル2の外側に押し出されるが、インクの表
面張力の作用によりインク滴として吐出することなく時
間t4以降に徐々に振動が減衰して静定する。 【0030】図8は、本発明のインクジェットヘッドの
第2実施例の駆動方法を説明する駆動波形図、図9
(a)〜(c)は吐出動作を説明する図、図10(a)
〜(c)は非吐出動作の1つを説明する図、図11
(a)〜(c)は別の非吐出動作を説明する図である。 【0031】図8において、V3は、第1のPZT6に
印加される駆動波形である。波形V4は、吐出動作時に
第2のPZT5に印加される駆動波形である。波形V5
は、非吐出動作時に第2のPZT5に印加される駆動波
形であり、波形V6は、別の非吐出動作時に第2のPZ
T5に印加される駆動波形である。以下第2実施例の吐
出及び非吐出動作を説明する。 【0032】(第2実施例における吐出動作)t1以前
の初期状態時、第1のPZT6には電圧52が印加され
ている。この時、第1のPZT6は縮小状態に変形して
いる。そのため、圧力板3は、曲げ応力の作用により第
1の圧力室9の体積を減ずる方向に橈み変形して静止し
ている。 【0033】しかし、図9(a)に示す時間t1から時
間t2の過程では、徐々に第1のPZT6への印加電圧
が減少するため、第1のPZT6は、矢印55の方向に
変形する。すなわち第1の圧力室9は拡大変形する。し
かし、第2のPZT5には、印加電圧の変化がないため
変形は発生しない。第1の圧力室9の体積変化により、
第1の圧力室9と第2の圧力室8の内部のインクには、
矢印56〜59方向の流れが発生する。それと同時にノ
ズル2の内部にメニスカス69が引き込まれる。 【0034】図9(b)に示す時間t2から時間t3の
過程では、第1のPZT6への印加電圧がゼロになり、
第1のPZT6の運動は停止する。しかし、供給口14
と第1の圧力室9と第2の圧力室8の内部のインクは慣
性により矢印60〜63の方向の流れが生じる。この流
れによりノズル2におけるメニスカスは70のように縮
小する。 【0035】図9(c)に示す時間t3から時間t4の
過程では、第1のPZT6と第2のPZT5へ電圧の印
加が開始される。それに伴い第1のPZT6と第2のP
ZT5は矢印65、64の方向に橈み変形を開始し、第
1の圧力室9と第2の圧力室8の体積は縮小変形する。
その結果第1の圧力室9と第2の圧力室8の内部では、
前記慣性による矢印60〜63の方向の流れと足し合わ
された矢印66、67、68の方向の流れが発生する。
特に矢印66の流れは高速のため、インクはノズルから
インク柱71となり押し出され、最終的にはインク滴と
なり飛翔する。また、供給口14へ向かう矢印68の流
れは、矢印66の流れと比較して十分に小さくなる。 【0036】(第2実施例における非吐出動作)図8の
波形V3とV5を用いて第2実施例の非吐出動作過程を
説明する。 【0037】時間t1から時間t3の駆動波形は吐出動
作時と同じであり、インクの流れは図9(a)、(b)
に示したものと同様になる。それを再度図10(a)、
(b)に示してある。 【0038】図10(c)に示す時間t3から時間t4
の過程では、第1のPZT6へ電圧の印加が開始され
る。それに伴い、第1のPZT6は矢印74の方向に橈
み変形を開始し、第1の圧力室の体積を縮小変形する。
しかし、第2のPZT5には電圧は印加されないため第
2の圧力室の体積は変化しない。その結果、第1の圧力
室9と第2の圧力室8の内部には慣性により生じた矢印
60〜63の方向の流れと足し合わせた矢印72の方向
の流れが発生する。インクはノズル2から73に示す程
度突出するがインクの表面張力に打ち勝ってインク滴と
して飛翔することはなく、メニスカス表面を微小振動さ
せる。この微小振動はノズル内に形成されたメニスカス
表面のインクを攪拌させる効果を有する。 【0039】以上説明したように、第1のPZT6には
インクを吐出する場合も吐出しない場合においても、駆
動波形V1の様な周期的な駆動波形が印加されノズル内
のメニスカスを微小振動させる構成となっている。 【0040】(第2実施例における別の非吐出動作)図
8の波形V3とV6を用いて別の非吐出動作過程を説明
する。 【0041】t1以前の初期状態時、第1のPZT6に
は電圧52が印加され、第2のPZT5には電圧は印加
されていないため第1の圧力室の体積は縮小状態に、第
2の圧力室の体積は拡大状態に変形して静止している。 【0042】図11(a)に示す時間t1から時間t2
の過程では、徐々に第1のPZT6に印加されていた電
圧が減少し、それとは逆に第2のPZT5に電圧が印加
される。したがって、第1の圧力室9は縮小状態から拡
大変形し、第2の圧力室8は拡大状態から縮小変形す
る。そのため、発生するインクの流れは、第1の圧力室
9の内部における矢印77、78の方向の流れだけとな
る。但し、複数個あるノズル2全てにおいて、インク滴
を吐出することが要求されていない場合、前述した矢印
77、78の方向の流れは発生しない。 【0043】図11(b)に示す時間t2から時間t3
の過程では、第1のPZT6は印加電圧がゼロの状態
で、また第2のPZT5は印加電圧54の状態で静止し
ている。この時、矢印79、80の方向の流れが慣性に
より発生する。そのため、メニスカス87は、ノズル2
の外部に突出する。但し、インクの流れ速度が小さいた
め、メニスカス87はインク滴として飛翔することな
く、微小振動することでメニスカス近傍のインクを攪拌
させる。 【0044】図11(c)に示す時間t3から時間t4
の過程では、徐々に第1のPZT6への印加電圧が増加
し、それとは逆に第2のPZT5の印加電圧が減少す
る。そのため、第1のPZT6は、矢印82の方向に変
位し第1の圧力室9を縮小変形させる。また、第2のP
ZT5は、矢印81の方向に変位し第2の圧力室8を拡
大変形させる。その結果、矢印83、84、85の方向
にインクの流れが発生し、それぞれの流れと第1の圧力
室9と第2の圧力室8の体積変化とによりメニスカス8
8はほとんど振動しない。 【0045】以上説明したように、第1のPZT6には
インクを吐出する場合も吐出しない場合においても、駆
動波形V3の様な周期的な電圧が印加される。インク滴
を吐出する場合、第2のPZT5に駆動波形V3の駆動
タイミングにあわせて駆動波形V4で駆動を行なうよう
になっている。それに対してインク滴を吐出しない場
合、第2のPZT5の駆動には駆動波形V5またはV6
を使用する。 【0046】なお、駆動波形として台形波を採用してい
るが、矩形波、正弦波、指数関数波や、これらの波形の
組み合わせによる波形を用いることも可能である。 【0047】図12は、本発明の一実施例であるインク
ジェットヘッドの駆動方法を使用した場合のメニスカス
の変位量(体積)の時間変化を表したグラフである。こ
こで、W3は駆動波形V3、V4を用いた時の吐出動作
の場合である。W4は駆動波形V3、V5を用いた時の
非吐出動作の場合であり、W5は駆動波形V3、V6を
用いた時の非吐出動作の場合である。図7の中の時間t
1、t2、t3、t4、t9、t10は、図4における
時間t1、t2、t3、t4、t9、t10とそれぞれ
対応している。前述の動作説明と重複するが、まずW3
について説明する。 時間t1から時間t2にかけてメ
ニスカス69が引き込まれる。メニスカス69の最大引
き込み量90は、メニスカス69の最大体積を表してい
る。時間t2から時間t3にかけてメニスカス70は縮
小を続ける。縮小速度が徐々に減少しているのは流路内
の抵抗が作用している為である。時間t3から時間t4
にかけて、インク柱が形成される。時間t4においてイ
ンク滴がノズル2から離れてインク滴として飛行を開始
する。89は、この場合のインク滴の体積を表してい
る。時間t4以降メニスカスは僅かに振動しながら元の
位置に静定する。本実施例のインクジェットヘッドは、
時間t4から静定までの時間が短く周波数応答性が良好
である。 【0048】次にW4について説明する。時間t1から
時間t2においてメニスカス69は引き込まれる。時間
t2から時間t3において、第1の圧力板6の運動は停
止するが、インクの慣性力によりメニスカス70が縮小
する方向にインクの流れが発生する。このメニスカス7
0の縮小速度はW3に示したメニスカス70の縮小速度
と同等である。時間t3から時間t4において、メニス
カス73はノズル2の外側に押し出されるが、インクの
表面張力の作用によりインク滴として吐出することはな
くメニスカスを微小振動させる。この微小振動はノズル
内に形成されたメニスカス表面のインクを攪拌させる効
果を有する。また、メニスカス73は時間t4以降に徐
々に振動が減衰して静定する。 【0049】次にW5について説明する。時間t1から
時間t2においてメニスカス86は振動しない。この理
由は、第1の圧力室9が拡大変形するのと同時に第2の
圧力室8が縮小変形するからである。時間t2から時間
t3にかけてメニスカス87はノズル2の外部に押し出
される。しかし、インクの表面張力に打ち勝ってインク
滴として飛翔する程大きい運動エネルギーは有していな
い。時間t3から時間t4にかけてメニスカス88は殆
ど静定した状態になる。 【0050】図13は、本発明インクジェットヘッドの
別の実施例を表す斜視図である。101は、ノズルであ
り、ノズルプレート100に直線状に列設されている。
インクジェットヘッドはノズルプレート100と第1の
フレーム103とフィルム104と第2のフレーム10
5を積層して接合することにより構成されている。10
2は、インク供給パイプであり図示しないインクタンク
からのインクをインクジェットヘッドに供給している。
106は、FPCであり、図示しない回路基盤からPZ
T108を駆動するための駆動信号を伝達する役割を果
たす。 【0051】図14は、図13で説明したインクジェッ
トヘッドの断面図である。ノズルプレート100には、
ホーン形状をしたノズル101が形成されている。11
5は、振動子であり圧力発生手段である。振動子115
は、PZT108と弾性板109の積層により構成され
ている。また、振動子115は一端を固定端、他端を自
由端にした片持ち梁構造である。固定端は、スペーサ1
07とFPC106を介してノズルプレート100と第
1のフレーム103に挾持されている。自由端は、ノズ
ルプレート100と微小間隙114を隔ててノズル10
1に対向するように構成されている。PZT108に電
圧が印加されると、振動子115は橈み振動をする。こ
の橈み振動は、振動子115の自由端がノズル101の
方向に変形する振動である。また、ノズル101に対し
て振動子115が1対1で対応するように構成されてい
る。積層PZT110も圧力発生手段であり、一端を第
2のフレーム105に固定され、他端をフィルム104
に接合されている。電極111、112に図示しない回
路基盤からの電圧が印加されると積層PZT110は、
伸び変形する。この変形は、フィルム104を介して圧
力室113の体積変化をもたらす。インクジェットヘッ
ド1個につき、複数の積層PZT110を形成すること
も可能であるが、本実施例では、1個の積層PZT11
0のみを使用している。また、微小間隙114とノズル
101はインクで満たされている。 【0052】本実施例のインクジェットヘッドは、積層
PZT110を使用したために5気圧以上の発生圧力が
得られるのが特徴である。また、第2の圧力発生手段と
して、橈み振動する振動子115を使用したため、ノズ
ル101上での絶対的な変位量を大きく(例えば10μ
m)とれる。そのため、振動子115の振幅により、ノ
ズル2の音響インピーダンスを大きく制御できるため、
積層PZT110の発生圧力が大きい場合でも良好なイ
ンク滴を吐出できるという特徴がある。 【0053】本実施例と図1に示した実施例を比較する
と、圧力室113が第1の圧力室9に相当し、微小間隙
114が第2の圧力室8に相当している。また、積層P
ZT110が第1のPZT6に、振動子115が第2の
PZT5にそれぞれ対応している。したがって、駆動方
法は図4と図8に示した方法で行うことができる。 【0054】 【発明の効果】本発明のインクジェットヘッド駆動方法
は、インクタンクのインクが供給される第1の圧力室
と、第1の圧力室と連通する第2の圧力室と、第2の圧
力室と連通するノズルとを有し、第1の圧力室には複数
の第2の圧力室が共通に連通されており、第1の圧力室
には第1の圧力発生手段、第2の圧力室には第2の圧力
発生手段を具備したインクジェットヘッドの駆動方法で
あって、ノズルからインク滴を吐出するタイミングにお
いては、第1、第2の圧力発生手段を同時に駆動させ、
ノズルからインク滴を吐出するタイミング外において
は、第1の圧力発生手段のみを駆動させノズル内のメニ
スカスを吐出しない程度に振動させる構成であることに
より、インク滴の吐出、非吐出にかかわらず全てのノズ
ル、第2圧力室に共通に連通する第1の圧力発生手段を
駆動することによって、一つの圧力発生手段を用いて吐
出動作の行われないすべてのノズルのメニスカスを効率
的に常時振動させることが可能となる。従って、複雑な
駆動回路を用いずに全てのノズル開口近傍のインクの増
粘が抑えられ、高周波数でインク滴を吐出できる構成を
長期で維持することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例であるインクジェットヘッ
ドの斜視図である。 【図2】本発明の第1実施例であるインクジェットヘッ
ドの基盤上のインク流路形状を説明するための平面図で
ある。 【図3】本発明の第1実施例であるインクジェットヘッ
ドの断面図である。 【図4】本発明インクジェットヘッド駆動方法の第1実
施例を説明する駆動波形を表した図である。 【図5】同図(a)〜(c)は、本発明インクジェット
ヘッド駆動方法の第1実施例における吐出動作時に生じ
るインクジェットヘッド内部のインクの流れを表した図
である。 【図6】同図(a)〜(c)は、本発明インクジェット
ヘッド駆動方法の第1実施例における非吐出動作時に生
じるインクジェットヘッド内部のインクの流れを表した
図である。 【図7】本発明のインクジェットヘッド駆動方法の第1
実施例時の、ノズルメニスカスの時間変位を表したグラ
フである。 【図8】本発明インクジェットヘッド駆動方法の第2実
施例を説明する駆動波形を表した図である。 【図9】同図(a)〜(c)は、本発明インクジェット
ヘッド駆動方法の第2実施例における非吐出動作時に生
じるインクジェットヘッド内部のインクの流れを表した
図である。 【図10】同図(a)〜(c)は、本発明インクジェッ
トヘッド駆動方法の第2実施例における非吐出動作時に
生じるインクジェットヘッド内部のインクの流れを表し
た図である。 【図11】同図(a)〜(c)は、本発明インクジェッ
トヘッド駆動方法の第2実施例における別の非吐出動作
時に生じるインクジェットヘッド内部のインクの流れを
表した図である。 【図12】本発明のインクジェットヘッド駆動方法の第
2実施例時の、ノズルメニスカスの時間変位を表したグ
ラフである。 【図13】本発明の第2実施例であるインクジェットヘ
ッドの斜視図である。 【図14】本発明の第2実施例であるインクジェットヘ
ッドの断面図である。 【図15】従来例1のインクジェットヘッドの断面図で
ある。 【図16】従来例2のインクジェットヘッドのインク流
路を表した平面図である。 【図17】従来例3のインクジェットヘッドの断面図で
ある。 【符号の説明】 1 基盤 2 ノズル 3 圧力板 5 第2のPZT 6 第1のPZT 8 第2の圧力室 9 第1の圧力室
ドの斜視図である。 【図2】本発明の第1実施例であるインクジェットヘッ
ドの基盤上のインク流路形状を説明するための平面図で
ある。 【図3】本発明の第1実施例であるインクジェットヘッ
ドの断面図である。 【図4】本発明インクジェットヘッド駆動方法の第1実
施例を説明する駆動波形を表した図である。 【図5】同図(a)〜(c)は、本発明インクジェット
ヘッド駆動方法の第1実施例における吐出動作時に生じ
るインクジェットヘッド内部のインクの流れを表した図
である。 【図6】同図(a)〜(c)は、本発明インクジェット
ヘッド駆動方法の第1実施例における非吐出動作時に生
じるインクジェットヘッド内部のインクの流れを表した
図である。 【図7】本発明のインクジェットヘッド駆動方法の第1
実施例時の、ノズルメニスカスの時間変位を表したグラ
フである。 【図8】本発明インクジェットヘッド駆動方法の第2実
施例を説明する駆動波形を表した図である。 【図9】同図(a)〜(c)は、本発明インクジェット
ヘッド駆動方法の第2実施例における非吐出動作時に生
じるインクジェットヘッド内部のインクの流れを表した
図である。 【図10】同図(a)〜(c)は、本発明インクジェッ
トヘッド駆動方法の第2実施例における非吐出動作時に
生じるインクジェットヘッド内部のインクの流れを表し
た図である。 【図11】同図(a)〜(c)は、本発明インクジェッ
トヘッド駆動方法の第2実施例における別の非吐出動作
時に生じるインクジェットヘッド内部のインクの流れを
表した図である。 【図12】本発明のインクジェットヘッド駆動方法の第
2実施例時の、ノズルメニスカスの時間変位を表したグ
ラフである。 【図13】本発明の第2実施例であるインクジェットヘ
ッドの斜視図である。 【図14】本発明の第2実施例であるインクジェットヘ
ッドの断面図である。 【図15】従来例1のインクジェットヘッドの断面図で
ある。 【図16】従来例2のインクジェットヘッドのインク流
路を表した平面図である。 【図17】従来例3のインクジェットヘッドの断面図で
ある。 【符号の説明】 1 基盤 2 ノズル 3 圧力板 5 第2のPZT 6 第1のPZT 8 第2の圧力室 9 第1の圧力室
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B41J 2/045
B41J 2/055
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 インクタンクのインクが供給される第1
の圧力室と、前記第1の圧力室と連通する第2の圧力室
と、前記第2の圧力室と連通するノズルとを有し、前記
第1の圧力室には複数の前記第2の圧力室が共通に連通
されており、前記第1の圧力室には第1の圧力発生手
段、前記第2の圧力室には第2の圧力発生手段を具備し
たインクジェットヘッドの駆動方法であって、 前記ノズルからインク滴を吐出するタイミングにおいて
は、前記第1、第2の圧力発生手段を同時に駆動させ、 前記ノズルからインク滴を吐出するタイミング外におい
ては、前記第1の圧力発生手段のみを駆動させノズル内
のメニスカスを吐出しない程度に振動させることを特徴
とするインクジェットヘッドの駆動方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001143183A JP3362732B2 (ja) | 2001-05-14 | 2001-05-14 | インクジェットヘッド駆動方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001143183A JP3362732B2 (ja) | 2001-05-14 | 2001-05-14 | インクジェットヘッド駆動方法 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2007301948A (ja) * | 2006-05-15 | 2007-11-22 | Sony Corp | 液体吐出装置及びこの装置の制御方法 |
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-
2001
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