JP3448939B2 - 面発光型半導体レーザ - Google Patents
面発光型半導体レーザInfo
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Description
ザ光を発振し、かつ、その偏波面の方向を特定方向に設
定できる面発光型半導体レーザに関する。
ーザは、第50回応用物理学会学術講演会の講演予稿集
第3分冊p.909 29a−ZG−7(1989年9月
27日発行)に開示されている。この従来技術によれ
ば、図12に示すように、先ず、(602)n型GaA
s基板に(603)n型AlGaAs/AlAs多層
膜、(604)n型AlGaAsクラッド層、(60
5)p型GaAs活性層、(606)p型AlGaAs
クラッド層を順次成長させて形成している。その後、円
柱状の領域を残してエッチングし、(607)p型、
(608)n型、(609)p型、(610)p型の順
にAlGaAsを液相成長させて形成し、円柱状領域の
周囲を埋め込む。しかる後、(610)p型AlGaA
sキャップ層の上部に(611)誘電体多層膜を蒸着
し、(612)p型オーミック電極、(601)n型オ
ーミック電極を形成することで、面発光型半導体レーザ
を構成している。
分に電流が流れるのを防ぐ手段として、埋込み層に(6
07−608)から成るp−n接合を設けている。
窄を得ることは難しく、完全には無効電流を抑制できな
い。このため、従来技術では素子の発熱に起因して、室
温での連続発振駆動することが困難であり、実用性に欠
けている。また埋込み層を、従来のようにp−n接合を
形成するための多層構造にした場合、埋込み層のp−n
界面の位置は、円柱状に残した各成長層の界面位置を考
慮する必要がある。従って、多層構造の各埋込み成長層
の膜厚制御が難しく、再現性良く面発光型半導体レーザ
を製造することは極めて困難である。また、従来技術の
ように液相成長により円柱の周囲に埋込み層を形成する
と円柱部分が折れてしまう危険性が高く、歩留まりが悪
く、特性の改善が構造上の原因から制約されてしまう。
きるII-VI 族化合物半導体エピタキシャル層にて、光共
振器の一部の柱状部分の周囲に埋込み層を形成する技術
を提案している(特開平4−363081)。
することで、完全な電流狭窄が可能な構造を有し、極め
て簡単に製造できる高効率の面発光半導体レーザを実現
できる。さらに、複数の発光部を近接させることがで
き、各発光部からのレーザ光の位相を同期させることが
できる。また、複数の発光部からの位相同期したレーザ
光を一つの光束を持った光とし、その発光スポットが大
きく、レーザ光の放射角が狭い面発光型半導体レーザを
実現できる。
発光型半導体レーザでは、レーザ光の偏波面をある特定
方向に設定することが非常に重要な課題である。この偏
波面とは、レーザ光の振幅する面であり、レーザ光はこ
の偏波面が一方向に固定されながら進行する性質があ
る。
ーザ光の偏波面と鏡の角度とにより反射率が変化するこ
とが知られている。この性質により、レーザ光を利用し
た機器、例えばレーザプリンタ等を設計する際に、この
レーザ光の偏波面の方向が非常に重要なパラメータとな
る。例えば、一つのレーザ光を鏡にて反射させるとき、
その反射光に所望の光強度を得るためには、素子の位置
を調整して偏波面の方向を設定する必要がある。そし
て、素子毎にそれぞれレーザ光の偏波面の方向が異なっ
ていれば、この素子毎の位置調整がきわめて煩雑であ
る。さらに加えて、一つの素子に複数の半導体レーザが
形成される場合に、その偏波面の方向がそれぞればらば
らであると、各レーザ光に対する鏡の反射率が変わり、
得られる反射率の強度が変わってしまう。これ以外にも
例えば偏光フィルタなどにレーザ光を透過させる光通信
などの技術の分野においても、この偏光フィルタにて特
定方向の偏波面を持つレーザ光のみを透過させる必要が
あり、偏波面の方向をある特定方向に設定することが重
要な課題となっている。
ザのレーザ光の偏波面を測定したところ、各素子間にて
ばらつきがあり、かつ、一素子内に複数のレーザが配置
される場合には、その一素子内より出射される各レーザ
光の偏波面方向にもばらつきがあることが判明した。
調べたところ、半導体基板に平行な共振器の断面形状に
偏波面の方向が依存していることが判った。特に、共振
器を柱状に形成した後、LPE(液相成長)法を用いて
共振器の周りに埋込層を形成する場合には、その結晶成
長法の性質上、メルトバックと呼ばれる現象が生ずる。
このメルトバックとは、高温の溶融原料が共振器の側面
に接触することで、柱状の共振器の側面を溶かしてその
形状を変化させてしまうことである。このメルトバック
による溶け方は非常に不安定であり、表面の状態や結晶
方位等によりその溶け方が種々様々となっている。した
がって、エッチング技術により、所定の断面形状を持つ
共振器を形成したとしても、その後のLPE法の実施時
に、メルトバックにより共振器の断面形状が変化してし
まい、それゆえこの共振器から出射される偏波面の方向
もある特定方向に設定することができなかった。
射されるレーザ光の偏波面の方向をある特定方向に設定
することができる面発光型半導体レーザを提供すること
にある。
直な方向に光を出射する面発光型半導体レーザにおい
て、反射率の異なる一対の反射鏡とそれらの間の多層の
半導体層とを有し、前記半導体層のうちの少なくともク
ラッド層が複数本の柱状に形成されている光共振器と、
前記柱状部分の周囲に埋め込まれている埋込み層と、前
記柱状部分の表面にコンクタトし、かつ、前記柱状部分
と対向する領域に光出射口を有し、少なくとも前記光出
射口内に前記一対の反射鏡のうちの光出射側の反射鏡が
形成される光出射側の電極と、を有し、前記柱状部分
は、前記半導体基板に平行な横断面形状が長辺と短辺か
らなる矩形であり、出射されるレーザ光の偏波面の方向
が、前記短辺の方向と平行であることを特徴とする。
器に形成された断面矩形の柱状部分の短辺の方向と平行
な方向に揃うことが実験的に確かめられた。したがっ
て、一素子内に複数の共振器を形成する場合にも、その
各共振器から出射されるレーザ光の偏波面の方向を、各
共振器が有する断面矩形の柱状部分の短辺の方向に揃え
ることができる。
おいて、光共振器に形成された柱状部分は、半導体基板
に平行な断面形状が、長辺と短辺からなる矩形となって
いる。この断面矩形の形状は、プロセスによって多少変
動しても、長辺および短辺はそのまま残り、断面形状と
して大きく変化することはない。
状部分を矩形断面としなくても、請求項2に示すよう
に、光出射側の電極に形成される光出射口の開口形状を
矩形とし、その矩辺の方向と平行な方向に設定すること
ができる。この構造は、光共振器の柱状の部分の二次元
面上での配置上の制約により柱状部分を矩形とできない
場合に有効である。
化合物半導体エピタキシャル層を用いると良い。この高
抵抗層で形成された埋込み層への注入電流のもれは生じ
ず、極めて有効な電流狭窄が達成される。そして、無効
電流を低減できるので、しきい値電流を下げることが可
能となる。このエピタキシャル層は気相成長法を用いて
形成でき、従来のLPE法を用いた場合のメルトバック
の現象は生ずることはない。さらに、II−VI族化合物半
導体エピタキシャル層は、気相成長法により埋込み幅が
狭くても確実に形成できるため、複数本の柱状半導体層
を近接配置できる効果がある。
り形成できるII−VI族化合物半導体エピタキシャル層と
する他に、少なくとも光共振器との界面を絶縁性シリコ
ン化合物にて覆う構成としても良い。この絶縁性シリコ
ン化合物として、シリコン酸化物、シリコン窒化物ある
いはシリコン炭化物を挙げることができる。さらに好ま
しくは、絶縁性シリコン化合物薄膜と平坦化用絶縁層の
二重層構造とするとよい。絶縁性シリコン化合物例えば
シリコン酸化膜は常圧熱CVD等により比較的低温度で
形成できる。しかも、この絶縁性シリコン化合物を薄膜
にて形成することで、光共振器が熱に晒される時間を短
縮でき、熱による結晶へのダメージをより少なくするこ
とができる。平坦化用絶縁層は、絶縁性であれば良く、
平坦化が容易なSOG膜の他、ポリイミドなどの耐熱性
樹脂、多結晶のII−VI族化合物半導体膜(例えばZeS
eなど)、あるいは前記絶縁性シリコン化合物薄膜より
も低温プロセスにて形成された絶縁性シリコン化合物膜
(例えば電子ビーム蒸着法で形成されたSiOx など)
を挙げることができる。
共振器が、複数本の柱状の半導体層に分離するための分
離溝を有する。この分離溝に埋込み層が埋め込まれ、各
柱状の半導体層にそれぞれ発光部が形成される。光共振
器を構成する半導体層のうちの活性層に分離溝が到達し
ないようにする。こうすると、活性層を介して各発光部
が影響し合い、各発光部での光の位相は同期する。
溝に、出射するレーザ光の波長に対して透明な埋込み層
を埋め込む。さらに、光出射側の反射鏡を、複数本の前
記柱状の各端面及び前記分離溝に埋め込まれた埋込み層
と対向する領域に亘って形成する。こうすると、柱状の
発光部に挾まれた領域も垂直共振器構造となり、その領
域にもれた光も有効にレーザ発振に寄与して発光スポッ
トが広がる。さらに、位相同期したレーザ光が重ね合わ
されるため、光出力が増加し、放射角も小さくなる。
ーザ(100)の発光部の断面を示す斜視図で、図1
(b)半導体レーザの平面図で、図2は本発明の実施例
における半導体レーザの製造工程を示す断面図である。
3)n型GaAsバッファ層を形成し、n型Al0.7 G
a0.3 As層とn型Al0.1 Ga0.9 As層からなり波
長870nm付近の光に対し98%以上の反射率を持つ
30ペアの(104)分布反射型多層膜ミラーを形成す
る。さらに、(105)n型Al0.4 Ga0.6 Asクラ
ッド層、(106)p型GaAs活性層、(107)p
型Al0.4 Ga0.6 Asクラッド層、(108)p型A
l0.1 Ga0.9 Asコンタクト層を順次MOCVD法で
エピタキシャル成長する(図2(a))。この時例え
ば、成長温度は700℃、成長圧力は150Torr
で、III 族原料にTMGa(トリメチルガリウム)、T
MAl(トリメチルアルミニウム)の有機金属を用い、
V族原料にAsH3 、n型ドーパントにH2 Se、p型
ドーパントにDEZn(ジエチルジンク)を用いた。
2)SiO2 層を形成した後、反応性イオンビームエッ
チング法(以下、RIBE法と記す)により、(11
3)ハードベイクレジストで覆われた円柱状の発光部を
残して、(107)p型Al0.4Ga0.6 Asクラッド
層の途中までエッチングする(図2(b))。このエッ
チングプロセスの実施により、共振器の柱状部分は、そ
の上の(113)ハードベークレジスト層の輪郭形状と
同じ断面を持つ。本実施例では図1(b)に示すよう
に、(102)半導体基板に平行な断面が、長辺Aおよ
び短辺Bからなる矩形となる。この際、エッチングガス
には塩素とアルゴンの混合ガスを用い、ガス圧1×10
-3Torr、引出し電圧400Vで行った。ここで、
(107)p型Al0.4 Ga0.6 Asクラッド層の途中
までしかエッチングしないのは、活性層の水平方向の注
入キャリアと光の閉じ込めを、リブ導波路型の屈折率導
波構造にするためである。
0.6 Asクラッド層上に、埋込み層を形成する。このた
めに、実施例では、(113)レジストを取り除いた
後、MOCVD法により、(109)ZnS0.06Se
0.94層を埋込み成長させる。このときの成長条件は、成
長温度を275℃、成長圧力を70Torrとし、「II
族有機化合物およびVI族有機化合物からなる付加体」と
しては、DMZn−DMSe付加体(ジメチル亜鉛とジ
メチルセレンとの付加体)を用いた。これがII族原料と
なる。また、「VI族水素化物」としては、H2 Se(セ
レン化水素)およびH2 S(硫化水素)を用いた。これ
らがVI族原料となる。このプロセスにより、(107)
p型Al0.4 Ga0.6 Asクラッド層のエッチングされ
た部分の上部には(109)単結晶のZnS0.06Se
0.94層が成長し、また、(112)SiO2 層の上部に
は(114)多結晶のZnS0.06Se0.94層が成長する
(図2(c))。このMOCVD法による(109)埋
込層の成長工程は、その成長温度が比較的低温(例えば
275℃)であり、また気相成長法であるため、従来の
ようにLPE法を用いた場合のメルトバックの現象は生
じず、断面矩形の柱状部分の断面形状が大きく変動する
ことはない。
厚く塗布し、この(115)レジストの表面を平坦化す
る(図2(d))。そして、RIBE法により,(11
2)SiO2 層が露出するまでエッチングを行う。この
とき、(115)レジストのエッチングレートと(11
4)多結晶のZnS0.06Se0.92層のエッチングレート
とほぼ同じであり、また、(112)SiO2 はエッチ
ングストップ層となるので、エッチング後の表面を平坦
にすることができる。
ェットエッチングにより除去した後、表面に4ペアの
(111)SiO2 /a−Si誘電体多層膜を電子ビー
ム蒸着により形成し、反応性イオンエッチング(RI
E)で、発光部の径よりやや小さい領域を残して取り去
る(図2(e))。波長870nmでの誘電体多層膜の
反射率は94%である。
面に(110)p型オーミック電極を蒸着し、さらに基
板側に(101)n型オーミック電極を蒸着し、N2 雰
囲気中で420℃でアロイングし、(100)面発光半
導体レーザを完成する(図2(f))。
体レーザは、埋込みに用いたZnS0.06Se0.94層が1
GΩ以上の抵抗を有し、埋込み層への注入電流のもれが
起こらないため、極めて有効な電流狭窄が達成される。
また埋込み層は多層構造にする必要がないため容易に成
長でき、バッチ間の再現性も高い。さらにGaAsに比
べ屈折率が十分小さいZnS0.06Se0.94層を用いたリ
ブ導波路構造により、より効果的な光の閉じ込めが実現
される。
されるレーザ光の偏波面は、断面矩形の柱状部分の短辺
Bの方向と一致している。したがって、この面発光型半
導体レーザ素子は素子間にてレーザ光の偏波面をある特
定方向にそろえることができる。したがって、素子をレ
ーザ応用機器に配置する場合に、その素子の細かな位置
調整を必ずしも要せずに、レーザ光の偏波面の方向をあ
る特定方向に容易に設定することが可能となる。
し、短辺の長さをBとした時、B<A<2Bであること
が好ましい。Aを2B以上とすると、出射口の形状も円
または正多角形とはならずに長方形になるため、発光ス
ポットが一つにならず、一つの出射口に複数の発光スポ
ットが形成されてしまう。また、共振器の体積も大きく
なるので、レーザ発振しきい値電流も増加してしまう。
≦A≦1.5×Bに設定すると良い。長辺の長さAが
1.1×B未満であると、埋込層形成時のプロセス変動
により、特にLPE法を用いて埋込層を形成した場合
に、その断面形状の変化によって偏波面制御の効果が落
ちるためである。また、レーザ発振しきい値電流が大き
く増加しない点を考慮すると、A≦1.5×Bに設定す
るものが良い。
0.94層)の界面に転移や欠陥が生じないようにするため
には成長温度を500℃以下にすることが望ましいが、
本実施例では、この成長温度が非常に低い(275℃)
ため、このZnS0.06Se0.94層の再成長界面として、
転移や欠陥の少ない安定した界面を得ることができる。
駆動電流と発振光出力の関係を示す図である。室温にお
いて連続発振が達成され、しきい値1mAと極めて低い
値を得た。また外部微分量子効率も高く、無効電流の抑
制がレーザの特性向上に貢献している。
器における柱状部分を断面矩形としているが、出射され
るレーザ光の形状は、(110)電極に形成される光出
射口の形状に主に依存する。したがって、この光出射口
の形状を、円または、正多角形としておけば、出射され
るレーザ光の形状を円のスポットビームとすることがで
きる。
における矩形断面の対角線の長さに対する近視野像の関
係を示す。10μm未満で基本モードで発振するが、そ
れ以上では、1次以上のモードで発振した。
ンタクト層の膜厚に関しては、3.0μm以下とするも
のが良い。コンタクト層での光吸収を低減できるからで
ある。より好ましくは0.3μm以下が最適で、素子抵
抗が低く、外部微分量子効率も高い。
0)半導体レーザの発光部の断面を示す斜視図で、図4
(b)は半導体レーザの平面図で、図5はその実施例に
おける(200)半導体レーザの製造工程を示す断面図
である。
(208)p型Al0.1 Ga0.9 Asコンタクト層から
(205)n型Al0.4 Ga0.6 Asクラッド層の一部
までを柱状に形成した点で、上述の実施例1と異なる。
3)n型GaAsバッファ層を形成し、n型AlAs層
とn型Al0.1 Ga0.9 As層からなり波長870nm
付近の光に対し98%以上の反射率を持つ30ペアの
(204)分布反射型多層膜ミラーを形成する。さら
に、(205)n型Al0.4 Ga0.6 Asクラッド層、
(206)p型GaAs活性層、(207)p型Al
0.4 Ga0.6 Asクラッド層、(208)p型Al0.1
Ga0.9 Asコンタクト層を順次MOCVD法でエピタ
キシャル成長させる(図5(a))。この時例えば、成
長温度は700℃、成長圧力は150Torrで、III
族原料にTMGa(トリメチルガリウム),TMAl
(トリメチルアルミニウム)の有機金属を用い、V族原
料にAsH3 、n型ドーパントにH2 Se、p型ドーパ
ントにDEZn(ジエチルジンク)を用いた。
2)SiO2 を形成した後、反応性イオンビームエッチ
ング法(以下、RIBE法と記す)により、(213)
ハードベイクレジストで覆われた円柱状の発光部を残し
て(205)p型Al0.4 Ga0.6 Asクラッド層の途
中までエッチングする(図5(b))。このエッチング
プロセスにおいて、光共振器の柱状部分は、その上の
(213)ハードベークレジスト層の輪郭形状に一致し
た断面となる。本実施例では、柱状部分は、(202)
半導体基板と平行な断面が、図4bに示すように、長辺
Aおよび短辺Bを有する矩形となる。長辺A、短辺Bの
長さに関しては、第1実施例と同様の理由から、好まし
くはB<A<2×B、さらに好ましくは1.1×B≦A
≦1.5×Bとする。
ンの混合ガスを用い、ガス圧1×10-3Torr、引出
し電圧400Vで行った。
のために、本実施例では、(213)レジストを取り除
いた後、MOCVD法により、(209)ZnS0.06S
e0.94層を埋込み成長させる。このときの成長条件は、
成長温度275℃、成長圧力を70Torrとし、「II
族有機化合物およびVI族有機化合物からなる付加体」と
しては、DMZn−DMSe付加体(ジメチルジンクと
ジメチルセレンとの付加体)を用いた。これがII族原料
となる。また、「VI族水素化物」としては、H2 Se
(セレン化水素)およびH2 S(硫化水素)を用いた。
これらがVI族原料となる。このプロセスにより、エッチ
ングされた部分の上部には(209)単結晶のZnS
0.06Se0.94層が成長し、また、(212)SiO2 層
の上部には(214)多結晶のZnS0.06Se0.94層が
成長する(図5(c))。このMOCVD法による埋込
層209の成長工程は、その成長温度が比較的低温(例
えば275℃)であり、また気相成長法であるため、従
来のようにLPE法を用いた場合のメルトバックの現象
は生じず、断面矩形の柱状部分の断面形状が大きく変動
することはない。
厚く塗布し、表面を平坦化する(図5(d))。そし
て、RIBE法により、(212)SiO2 層が露出す
るまでエッチングを行う。このとき、(215)レジス
トのエッチングレートと(214)多結晶のZnS0.06
Se0.94層のエッチングレートとはほぼ同じであり、ま
た、(212)SiO2 層はエッチングストップ層とな
るため、エッチング後の表面を平坦にすることができ
る。
ッチングにより除去した後、表面に4ペアの(211)
SiO2 /a−Si誘電体多層膜を電子ビーム蒸着によ
り形成し、RIEによるドライエッチングで、発光部の
径よりやや小さい領域を残して取り去る(図5
(e))。波長870nmでの誘電体多層膜の反射率は
94%である。
面に(210)p型オーミック電極を蒸着し、さらに基
板側に(201)n型オーミック電極を蒸着し、N2 雰
囲気中で420℃でアロイングし、面発光半導体レーザ
を完成する(図5(f))。
体レーザは、埋込みに用いたZnS0.06Se0.94層が1
GΩ以上の抵抗を有し、埋込み層への注入電流のもれが
起こらないため、極めて有効な電流狭窄が達成される。
また埋込み層は多層構造にする必要がないため容易に成
長でき、バッチ間の再現性も高い。さらにGaAsに比
べ屈折率が十分小さいZnS0.06Se0.94層を用い、活
性層を埋め込んだ埋込み型の屈折率導波路構造により、
より効果的な光の閉じ込めが実現される。
sとしたが、AlGaAsでも同様の効果が得られる。
さらにその他のIII −V族化合物半導体を柱状部に用い
た場合でも、適当なII−VI族化合物半導体を埋込み層に
選ぶことにより同様の効果が得られる。
されるレーザ光の偏波面は、断面矩形の柱状部分の短辺
の方向と一致している。したがって、この面発光型半導
体レーザ素子をレーザ応用機器に配置する場合に、その
素子の細かな位置調整を必ずしも要せずに、レーザ光の
偏波面の方向をある特定方向に容易に設定することが可
能となる。
0.94層)の成長温度も、実施例1と同様、非常に低い
(本実施例では275℃)ため、このZnS0.06Se
0.94層の再生長界面は、転移や欠陥の少ない安定した界
面を得ることができる。
は発光スポットを拡大できる(300)位相同期型半導
体レーザの発光部の断面を示す概略図であり、図6
(b)はその半導体レーザの平面図であり、図7はその
製造工程を示す断面図である。
07)p型Al0.5 Ga0.5 Asクラッド層を、互いに
分離溝で分離された複数の柱状部を形成した点で、上述
の実施例1および実施例2と異なる。
3)n型GaAsバッファ層を形成し、n型Al0.9 G
a0.1 As層とn型Al0.2 Ga0.8 As層からなり波
長780nmを中心に±30nmの光に対して98%以
上の反射率を持つ25ペアの(304)半導体多層膜ミ
ラーを形成する。さらに、(305)n型Al0.5 Ga
0.5 Asクラッド層、(306)p型Al0.1 3Ga
0.87As活性層、(307)p型Al0.5 Ga0.5 As
クラッド層、(308)p型Al0.15Ga0.85Asコン
タクト層を順次MOCVD法でエピタキシャル成長する
(図7(a))。この時の成長条件は、例えば成長温度
は720℃、成長圧力は150Torrで行い、III 族
原料にTMGa(トリメチルガリウム)、TMAl(ト
リメチルアルミニウム)の有機金属を用い、V族原料に
はAsH3 、n型ドーパントにH2 Se、p型ドーパン
トにDEZn(ジエチルジンク)を用いた。
12)SiO2 層を形成し、さらにその上にフォトレジ
ストを塗布し、高温で焼きしめて(313)ハードベー
クレジストを形成する。さらにこのハードベークレジス
ト上にEB蒸着法によりSiO2 層を形成する。
IE法と記す)を用いて、基板上に形成した各層をエッ
チングする。初めに(313)ハードベークレジスト上
に形成したSiO2 層上に通常用いられるフォトリソグ
ラフィー工程を施し、必要なレジストパターンを形成
し、このパターンをマスクとしてRIE法によりSiO
2 層をエッチングする。例えば、CF4 ガスを用いて、
ガス圧4.5Pa、入力RFパワー150W、サンプル
ホルダーを20℃にコントロールしてRIEを実施す
る。次にこのSiO2 層をマスクにして、RIE法によ
り(313)ハードベークレジストをエッチングする。
例えば、O2 ガスを用いて、ガス圧4.5Pa、入力パ
ワー150W、サンプルホルダーを20℃にコントロー
ルしてRIEを実施する。この時SiO2 層上に初めに
形成したレジストパターンも同時にエッチングされる。
次にパターン状に残っているSiO2 層とエピタキシャ
ル層上に形成した(312)SiO2 層を同時にエッチ
ングするために再びCF4 ガスを用いてエッチングを行
う。以上のように薄いSiO2 層をマスクにして、ドラ
イエッチングの1方法であるRIE法を(313)ハー
ドベークレジストに用いることにより、必要なパターン
形状を持ちながら、さらに基板に対して垂直な側面を持
った(313)ハードベークレジストが作成できる(図
7(b))。
ベークレジストをマスクにして、反応性イオンビームエ
ッチング法(以下、RIBE法と記す)を用いて、柱状
の発光部を残して(307)p型Al0.5 Ga0.5 As
クラッド層の途中までエッチングを行う(図7
(c))。
は、(302)半導体基板に平行な各断面が、図6
(b)に示すように、長辺Aおよび短辺Bを有する矩形
であり、各柱状部分の短辺Bの方向が平行となってい
る。長辺A、短辺Bの長さに関しては、第1実施例と同
様の理由から、好ましくはB<A<2×B、さらに好ま
しくは1.1×B≦A≦1.5×Bとする。この際、エ
ッチングガスには例えば塩素とアルゴンの混合ガスを用
い、ガス圧力5×10-4Torr、プラズマ引出し電圧
400V、エッチング試料上でのイオン電流密度400
μA/cm2 、サンプルホルダーを20℃に保って行っ
た。ここで、(307)p型Al0.5 Ga0.5Asクラ
ッド層の途中までしかエッチングしないのは、活性層の
水平方向の注入キャリアと光の閉じ込めを、屈折率導波
型のリブ導波路構造にして、活性層内の光の一部を活性
層水平方向に伝達できるようにするためである。
ドベークレジストとエッチング試料に対して垂直にイオ
ンをビーム状に照射してエッチングを行うRIBE法を
用いることにより、近接した(320)発光部を基板に
垂直な(314)分離溝で分離できると共に、面発光型
半導体レーザの特性向上に必要な垂直光共振器の作成が
可能となっている。
後、MOCVD法により、発振波長に対して透明な(3
09)ZnS0.06Se0.94層を埋込み成長させる。この
ときの成長条件は、成長温度を275℃、成長圧力を7
0Torrとし、「II族有機化合物およびVI族有機化合
物からなる付加体」としてのDMZn−DMSe付加体
(シメチルジンクとジメチルセレンとの付加体)をII族
原料として使用し、また、「VI族水素化物」としてのH
2 Se(セレン化水素)およびH2 S(硫化水素)をVI
族原料として使用する。これにより、エッチングされた
部分の上部には(309)単結晶のZnS0.06Se0.94
層が成長し、(312)SiO2 層の上部には(31
6)多結晶のZnS0.06Se0.94層が成長する(図7
(d))。
の成長工程は、その成長温度が比較的低温(例えば27
5℃)であり、また気相成長法であるため、従来のよう
にLPE法を用いた場合のメルトバックの現象は生じ
ず、断面矩形の柱状部分の断面形状が大きく変動するこ
とはない。
厚く塗布し、表面を平坦化する(図7(e))。そし
て、RIBE法により、(312)SiO2 層が露出す
るまでエッチングをする。このとき、(315)レジス
トのエッチングレートと(316)多結晶のZnS0.06
Se0.94層のエッチングレートとはほぼ同じであり、ま
た、(312)SiO2 層はエッチングストップ層とな
るため、エッチング後の表面を平坦にすることができ
る。
ッチングにより除去した後、表面に4ペアの(311)
SiO2 /a−Si誘電体多層膜反射鏡を電子ビーム蒸
着により形成し、ドライエッチングを用いて分離した
(320)発光部の一部と、(320)発光部で挟まれ
た埋込み層を残して取り去る(図7(f))。波長78
0nmでの誘電体多層膜反射鏡の反射率は、95%以上
である。ZnS0.06Se0.94で埋め込んだ(314)分
離溝上にも(311)誘電体多層膜反射鏡を作成するこ
とにより発光部に挟まれた領域も垂直共振器構造が形成
され、(314)分離溝にもれた光も有効にレーザ発振
に寄与し、また漏れた光を利用するため、(320)発
光部の位相に同期した発光となる。
以外の表面に(310)p型オーミック電極を蒸着し、
さらに基板側に(301)n型オーミック電極を蒸着
し、N2 雰囲気中で420℃でアロイングを行い、(3
00)面発光半導体レーザを完成する(図7(g))。
ここで、出射側の(310)n型オーミック電極は、各
(320)発光部の各(308)コンタクト層に導通す
るように形成される。
体レーザは、(309)埋込み層にZnSSeエピタキ
シャル層を用いることにより、従来使用していたAlG
aAs層のp−nジャンクションの逆バイアスを使用す
る電流ブロック構造よりも高抵抗である1GΩ以上の抵
抗を有し、最適な電流ブロック構造を持つとともに、埋
込み層が発振波長780nmに対して吸収を持たない透
過材料であることから(320)発光部からの漏れ光を
有効に利用できるものとなっている。
は、複数本の柱状部分より出射されるレーザ光の偏波面
は、矩形断面を有する各柱状部分の短辺の方向と一致し
ている。この各柱状部分の短辺の方向がそれぞれ平行で
あるため、一つの光出射口より出射されるレーザ光は、
発光スポットが大きく、位相が同期しており、かつ、そ
の偏波面の方向も一致していることになる。
実施例の面発光型半導体レーザの光が出射される側の形
状とレーザ発振時のNFPの強度分布を示したものであ
る。図8(a)は、図12に示す従来の面発光型半導体
レーザ(600)の共振器(620)をn−p接合の
(607−608)GaAlAsエピタキシャル層出埋
め込むことが可能な距離である5μm程度まで接近させ
た場合を示している。レーザの出射面には、誘電体多層
膜反射鏡とp型オーミック電極があるが、共振器の形状
を比較するために図では削除している。図8(b)は図
8(a)a−b間のNFP強度分布を示している。従来
の面発光型半導体レーザの発光部(620)を複数個、
埋め込み可能な距離まで接近させても発光スポットが複
数個現れるだけで、横方向の光の漏れが無いため、多峰
性のNFPとなり、1つの発光スポットにならない。
ーザの形状であり、分離溝を(409)NnS0.06Se
0.94層で埋め込んでおり、気相成長で埋め込むので分離
溝の最小幅は1μmである。図8(d)は図8(c)c
−d間のNFPである。(314)分離溝の上からも光
が出射されるので、発光点が広がることがNFPからわ
かる。さらに近接したレーザ光の位相が同期するので、
光出力が増加し、放射角も1°以下の円形ビームが得ら
れる。
レーザの(314)分離溝の幅とNFPから測定される
発振横モード次数の関係を示す。
ードは基本モードで発振するが、それ以上では1次以上
の高次モードでレーザ発振し、放射角が広がったり、ビ
ーム形状が楕円形になるので、応用上好ましくない。ま
た、0.5μmより狭い分離溝では円形ビームが得られ
にくい傾向がある。
て設けた一つの光共振器を有する半導体レーザについて
説明したが、このような光共振器を同一半導体基板上に
複数形成することもできる。そして、各光共振器毎に光
出射側のp型オーミック電極をそれぞれ独立して設けれ
ば、各光共振器からのレーザビームを、それぞれ独立し
てON,OFF,変調可能となる。
発光型半導体レーザについて説明したが、上述したよう
に、その他のIII −V 族系の面発光型半導体レーザにも
好適に適用でき、特に活性層はGa0.87Al0.13Asだ
けでなく、Alの組成を変えることで発振波長を変更す
ることもできる。
びに図8(c)に示した発光部の構造をもとに説明を行
ったが、本発明はこれにとらわれない。
4本の(320)発光部を有する光共振器を、(30
2)半導体基板上の4か所に配置した例を示している。
図9(a)においては、4本の(320)発光部と対向
する位置に一つの(330)光出射口を有する(31
0)電極を、各光共振器毎に形成している。そして、各
光共振器を構成する4本の(320)発光部の矩形断面
における短辺は、それぞれ平行な方向に設定されてい
る。したがって、4つの(330)光出射口より出射さ
れる各レーザ光の偏波面は、矩形断面の柱状部分の短辺
と平行な方向に揃っていることになる。
からの4本のレーザ光を、(340)偏光フィルターを
通過させる状態が図9(b)に示されている。4本のレ
ーザ光はそれぞれ偏波面が揃っているので、(340)
偏光フィルターを全て通過させることができる。
の短辺の方向が、2つの光共振器でそれぞれ異なってい
て、例えば相直交する方向に設定する場合を示してい
る。この場合、図9(d)に示すように、1本のレーザ
光は(340)偏光フィルターを通過させることができ
るが、他の1本のレーザ光は(340)偏光フィルター
を通過することがない。この技術を利用すれば、ある特
定方向のみの偏波面をもつレーザ光のみを選択的に通過
させることができ、光通信の分野に好適に応用すること
ができる。
した実施例は発光部をn個形成するものであり、この実
施例においても、図6に示した実施例と同様な効果が得
られると共に、発光スポットを任意の大きさ,形状にす
ることができる効果が得られている。図10に示すもの
はいずれも、基板と平行な2次元面上で横列及び/又は
縦列で等間隔に複数の発光部を配列することで、ライン
ビームを得ることができる。
ザ光の偏波面の方向を制御するために、光共振器に形成
された柱状部分の断面形状を矩形としていたが、出射側
の(110,210,310)電極に形成される(33
0)光出射口の開口形状を、矩形に形成することによっ
ても、その短辺の方向に揃った偏波面を有するレーザ光
を出射することができる。図11(a)に示す実施例に
おいては、柱状部分の断面形状は円形であるが、(11
0)電極に形成された(330)光出射口の開口形状
が、長辺aと短辺bとを有する矩形形状となっている。
この場合、出射されるレーザ光の偏波面の方向は、矩形
開口の(330)光出射口の短辺の方向に一致すること
になる。
さをbとした時、好ましくはb<a<2b、さらに好ま
しくは1.1×b≦a≦1.5×bとすると良い。この
理由は、b/aの比率を高くすると、それに応じて光共
振器の柱状部分の各辺の比率B/Aも高くなり、上述し
た各辺の長さA,Bの好適範囲外となってしまうからで
ある。柱状部分の断面形状および光出射口の開口形状の
双方を矩形としてもよい。
は、光共振器の柱状部分の断面を矩形にするよりもプロ
セス上簡便である。また、複数本の柱状部分を有する光
共振器を形成する場合、その柱状部分の配置の関係で各
柱状部分の断面を矩形にできない場合もあり、このよう
な場合に光出射口を矩形にすることで偏波面の方向を設
定することが有効である。図11(b)および図11
(c)はそれぞれ、4本の柱状部分の断面を円または正
多角形とし、各柱状部分と対向する領域に矩形の(33
0)光出射口を形成した例を示している。図11(d)
は、4本の柱状部分の各断面もそれぞれ矩形とし、この
4本の柱状部分と対向する領域に形成される(330)
光出射口の開口形状をも矩形としている。そして、矩形
断面の柱状部分の短辺と光出射口の短辺の方向がそれぞ
れ平行な方向に設定されている。この図11(d)に示
す場合には、出射される光ビームの偏波面の方向の設定
を、柱状部分の断面形状及び光出射口の開口形状の双方
の作用により設定できる点で優れている。
ザの発光部の断面を示す斜視図で、図15は多重量子井
戸構造(MQW構造)の活性層の断面図である。
性層の構造において前記第1実施例の(100)半導体
レーザと異なるが、その他の構造および製造プロセスは
基本的に同じである。
3)n型GaAsバッファ層を形成し、n型Al0.7 G
a0.3 As層とn型Al0.1 Ga0.9 As層からなり波
長870nm付近の光に対し98%以上の反射率を持つ
30ペアの(404)分布反射型多層膜ミラーを形成す
る。さらに、(405)n型Al0.4 Ga0.6 Asクラ
ッド層、(406)多重量子井戸構造の活性層、(40
7)p型Al0.4 Ga0.6 Asクラッド層、(408)
p型Al0.1 Ga0.9 Asコンタクト層を順次MOCV
D法でエピタキシャル成長する。ここで、(406)多
重量子井戸構造の活性層は、図14に示すように、例え
ば3層の(406a)ウェル層を有し、各(406a)
ウェル層は、上下の(406b)バリア層に挾まれるよ
うに形成される。(406a)ウェル層は、例えば厚さ
120オングストロームのi型GaGaAsで形成さ
れ、(406b)バリア層は、例えば150オングスト
ロームのi型Ga0.65Al0.35Asで形成される。
ト層および(407)p型Al0.4Ga0.6 Asクラッ
ド層を断面矩形にエッチングすること、GaAsと格子
整合する(409)ZnS0.06Se0.94層の埋込み成長
および(410),(401)オーミック電極の形成
は、前記第1実施例で述べたプロセスと同様に行われ、
(400)半導体レーザが製造される。
体レーザは、前記第1実施例と同様に、埋込みに用いた
ZnS0.06Se0.94層が1GΩ以上の抵抗を有し、埋込
み層への注入電流のもれが起こらないため、極めて有効
な電流狭窄が達成される。この結果、発振しきい値電流
を下げることができ、レーザ光の偏波面の方向を柱状部
分の矩形の短辺に揃えることができる。さらに、本実施
例では(406)活性層をMQW構造とすることでさら
に発振しきい値電流を下げることが可能となる。
ーザの駆動電流と発振光出力の関係を示す図である。本
実施例では、(409)埋込み層にII−VI族化合物半導
体層を用い、かつ、(406)活性層にMQW構造を採
用することで、室温において連続発振が達成され、しき
い値10μAと極めて低い値を得た。なお、活性層にM
QW構造を採用しない場合には、室温連続発振はする
が、しきい値電流が1mAと大きい。さらに、活性層に
MQW構造を採用しない場合と比べれば、その光出力
は、その5倍以上、例えば25mW以上確保できた。ま
た外部微分量子効率も高く、無効電流の抑制がレーザの
特性向上に貢献している。
層の利得が増大し、光出力を増加させることができる。
活性層の材質を変更すれば発振波長を変えられることは
もちろんであるが、本発明では同一材料を使用してMQ
W構造を変えることで発振波長を変えることが可能とな
る。
路構造であったが、図16に示すような、第2実施例と
同様な埋込み型の屈折率導波路構造に本発明を適用する
こともできる。この場合、下部の(405)クラッド層
まで矩形断面を持つ柱状半導体層に形成され、従って多
重量子井戸構造の(406)活性層も矩形断面を持つ柱
状に形成され、その周囲が(409)埋込み層となる。
ットを拡大できる位相同期型半導体レーザ(500)の
発光部の断面を示す概略図である。
3)n型GaAsバッファ層を形成し、n型Al0.9 G
a0.1 As層とn型Al0.2 Ga0.8 As層からなり波
長780nmを中心に±30nmの光に対して98%以
上の反射率を持つ25ペアの(504)半導体多層膜ミ
ラーを形成する。さらに、(505)n型Al0.5 Ga
0.5 Asクラッド層、(515)ウェーブガイド層、
(506)多重量子井戸構造の活性層、(507)p型
Al0.5 Ga0.5 Asクラッド層、(508)p型Al
0.15Ga0.85Asコンタクト層を順次MOCVD法でエ
ピタキシャル成長する(図6(a))。ここで、(50
6)多重量子井戸構造の活性層は、図14と同様に、例
えば3層の(506a)ウェル層を有し、各(506
a)ウェル層は、上下の(506b)バリア層に挾まれ
るように形成される。(506a)ウェル層は、例えば
厚さ80オングストロームのi型Ga0.65Al0.35As
で形成され、(506b)バリア層は、例えば60オン
グストロームのi型Ga0.95Al0.05Asで形成され
る。(515)ウェーブガイド層は、Alの組成が、
(506a)ウェル層,(506b)バリア層のそれぞ
れの組成の間の値とされ、例えばn型Ga0.75Al0.25
Asエピタキシャル層で形成される。このような、(5
15)ウェーブガイド層は、その屈折率が、(506)
MQW構造の活性層の等価屈折率より小さく、下層の
(505)クラッド層の屈折率より大きく設定される。
0.4 Ga0.6 Asクラッド層のエッチング、GaAsと
格子整合する(509)ZnS0.06Se0.94層の埋込み
成長および(510),(501)オーミック電極の形
成は、前記第3実施例で述べたプロセスと同様に行わ
れ、(500)半導体レーザが製造される。
Asクラッド層の途中までしかエッチングしないのは、
(506)多重量子井戸構造の活性層の水平方向の注入
キャリアと光の閉じ込めを、屈折率導波型のリブ導波路
構造にして、(506)活性層内の光の一部を活性層の
水平方向に伝達できるようにするためである。本実施例
では、水平方向の光伝搬は、(515)ウェーブガイド
層によっても確保される。
ザは、(509)埋込み層にZnSSeエピタキシャル
層を用いることにより、従来使用していたAlGaAs
層のp−nジャンクションの逆バイアスを使用する電流
ブロック構造よりも高抵抗である1GΩ以上の抵抗を有
し、最適な電流ブロック構造を持つ。従って、発振しき
い値電流は低減する。さらに加えて、(506)活性層
がMQW構造であることからも発振しきい値電流は低減
し、上記第4実施例と同様に、1μA程度となる。ま
た、(514)分離溝で分離された各(520)発光部
は、(506)活性層及び(515)ウェーブガイド層
により互いに影響し合い、各(520)発光部から位相
同期された光が発振され、結果として一つの光束を持つ
口径の大きな強度の強い光が発振され、しかもその偏波
面の方向を柱状部分の短辺の方向に設定できる。
小領域に2次元アレイ化された複数の柱状半導体層を形
成した場合にも、本発明の構造によれば無効電流を低減
できるので複数の素子を同時に室温連続駆動が可能とな
る実用性の高い面発光型半導体レーザを実現できる。位
相同期の効果を高くするために、MQW構造の活性層の
下層にウェーブガイド層を設けると良い。ウェーブガイ
ド層を設けると、発光部同士の影響力が強くなり、位相
同期がとれやすくなる。例えば、発光部間の距離が長く
ても位相同期が取れる。
半導体レーザにおいて、光出射側の前記(111)誘電
体多層膜ミラーは、(108)コンタクト層の表面積の
10%以上90%以下の面積で形成される。波長870
nmでの(111)誘電体多層膜ミラーの反射率は94
%である。
輪郭に沿って(115)開口が形成される。
側の電極の開口は、最も発光効率の高い領域、すなわ
ち、コンタクト層の幾何学的中心を服務範囲に形成され
る。そして、開口の面積が、コンタクト層の表面積の9
0%より大きいと、コンタクト抵抗が増加して室温連続
発振が困難となる。一方、開口の面積が、コンタクト層
の表面積の10%未満であると、開口面積が狭すぎて必
要な光出力は得られない。従って、開口面積はコンタク
ト層の表面積の10%以上90%以下の範囲の面積とす
べきであり、この範囲で所望の開口形状および開口面積
を設定することで、柱状半導体層の半導体基板と平行な
断面形状を変えることなく、開口形状,面積に応じて発
光スポットの形状,大きさを変えることができる。
体レーザは、前記第1実施例と同様に、埋込みに用いた
ZnS0.06Se0.94層が1GΩ以上の抵抗を有し、埋込
み層への注入電流のもれが起こらないため、極めて有効
な電流狭窄が達成される。また埋込み層は多層構造にす
る必要がないため容易に成長でき、バッチ間の再現性も
高い。さらにGaAsに比べ屈折率が十分小さいZnS
0.06Se0.94層を用いたリブ導波路構造により、より効
果的な光の閉じ込めが実現される。そして、室温におい
て連続発振が達成され、しきい値1mAと極めて低い値
を得た。また外部微分量子効率も高く、無効電流の抑制
がレーザの特性向上に貢献している。
いて考察すると、本実施例では(110)p型オーミッ
ク電極の開口の形状、すなわちこの開口に形成される
(111)誘電体多層膜ミラーの形状によりビーム形状
およびその大きさが定められ、発光部の矩形断面形状に
はあまり依存しない。図18(a),(b)に示すよう
に発光部の断面が矩形であっても円形の(130)開口
であると、きれいな円形ビームが得られ、そのビーム径
も図18(a)の方が図18(b)より大きくなる。す
なわち、(130)開口の形状,面積を変化させれば、
所望の形状及びビーム径のビームが得られる。なお、図
18(c),(d)のように(130)開口を正多角形
としても、疑似的な円形ビームが得られる。
路構造であったが、前記第2実施例と同様な埋込み型の
屈折率導波路構造のレーザ装置にも同様に適用すること
ができる。
半導体レーザにおいて、光出射側の(311)誘導体多
層膜ミラーは、複数の発光部の各(308)コンタクト
層の幾何学的中心を含みかつ、(308)コンタクト層
の表面積の10%以上90%以下の範囲で形成された開
口内に形成される。
9)埋込み層分離上に形成される開口の形状について説
明する。図19(a)〜(d)は矩形断面を持つ例えば
4つの(320)発光部及びその間の(309)埋込み
層と対向する位置に形成される(315)開口の形状の
例を示している。同図(a),(b)は円形の(33
0)開口を示し、同図(a)の方が同図(b)によりも
ビーム径の大きな円形ビームが得られる。同図(c)は
正方形の(330)開口を示し、この場合も疑似的な円
形ビームが得られ、その(330)開口の大きさを変え
れば所望のビーム径のレーザビームを発振できる。正方
形以外の正多角形の(330)開口としても良い。同図
(d)は、矩形断面の4つの(320)発光部及びその
間の(309)埋込み層上に形成される(330)開口
の例を示したものである。同図(a)〜(d)いずれの
場合も、(330)開口は、4つの(320)発光部の
幾何学的中心を含む範囲であって、各発光部(320)
の光出射端面の表面積の10%以上90%以下の範囲で
形成している。
上記実施例以外のものであっても良く、例えば(32
0)発光部を横列および/または縦列にて等間隔に配列
し、各(320)発光部およびその間の(309)埋込
み層と対向して(330)開口を形成すれば、ラインビ
ームを得ることができる。
の光束をもつビームを発振する場合にも、光出射側電極
の開口の形状,面積を変えることで、所望の発光スポッ
トを得ることができる。この場合特に、複数本の柱状半
導体層の断面形状,配置間隔などの変更を要せずに、発
光スポットの形状、大きさを変えられる効果がある。
器を半導体基板上に複数形成し、各共振器毎に独立し
て、一つの開口をそれぞれ有する複数の光出射側電極を
形成すれば、発光スポットの大きい複数のビームを独立
してON,OFF,変調制御することができる。
プリンタ,複写機等の印刷装置のみならず、ファクシミ
リ,ディスプレイ等に応用することができる。
て使用できる、II-VI 族化合物半導体層の製造装置の主
要構成図を示す。
DMSe付加体の入った(802)シリンダーを(80
1)水素ボンベから流す水素ガスでバブリングすること
によって供給する。一方、VI族原料は、水素で10%に
希釈された(804)H2 Seボンベと、同じく水素で
10%に希釈された(804)H2 Sボンベとにより、
供給する。各原料は、(805)反応管に供給され、
(808)高周波発振器により加熱された(806)カ
ーボンサセプタ上に基板に、ZnSSe層を成長させ
る。なお、(805)反応管内の圧力は(807)排気
装置の排気量により調整できる。
nSSe層を、低温で結晶性よく、かつ、広い範囲にわ
たって均一に成長させることができるという特徴を有し
ている。
は、II-VI 族化合物半導体層をZnS0.06Se0.94で形
成したが、例えば、ZnSe,ZnS,ZnCdS,C
dSSeで形成しても良い。他だし、埋込み層として
は、基板と格子定数が一致するものが好ましい。II−VI
族化合物半導体をこれらの材料で形成した場合に望まし
い付加体と水素化物を、表3に示す。
導体レーザの発光部の断面を示す斜視図である。この半
導体レーザは、上述した各実施例の半導体レーザと比較
して、主として共振器の周囲に埋め込み込まれる埋込み
層の材質を異ならせている点で相違している。以下、半
導体レーザの構造を製造工程順に説明する。
0.8 Ga0.2 As層とn型Al0.15Ga0.85As層を交
互に積層して波長800nm付近の光に対し99.5%
以上の反射率を持つ40ペアの(603)分布反射型多
層膜(DBR)ミラーを形成する。さらに、(604)
n型Al0.7 Ga0.3 Asクラッド層を形成した後、n
- 型GaAsウェル層とn- 型Al0.3 Ga0.7 Asバ
リア層を交互に積層した量子井戸構造の(605)活性
層を形成する。ここで、ウエル層の膜厚を40〜120
オングストローム,好ましくは61オングストローム、
バリア層の膜厚を40〜100オングストローム,好ま
しくは86オングストローム、ウエル層の総数を10〜
40層,好ましくは21層とするとよい。これにより、
面発光型半導体レーザの低閾値化、高出力化、温度特性
の向上、発振波長の再現性の向上が達成できるという効
果がある。
Asクラッド層、(609)p型Al0.15Ga0.85As
コンタクト層を順次積層する。上記の各層は、第1実施
例と同様に有機金属気相成長法を用いて形成される。
ング法(以下、RIBE法と記す)により、レジストで
覆われた柱状の発光部を残して、(606)p型Al
0.7 Ga0.3 Asクラッド層の途中までエッチングす
る。このエッチングプロセスの実施により、共振器の柱
状部分は、その上のレジスト層の輪郭形状と同じ断面を
持つ。
場合と同様に、(602)半導体基板に平行な共振器断
面が、長辺Aおよび短辺Bからなる矩形である。したが
って、この面発光型半導体レーザより出射されるレーザ
光の偏波面の方向を、上記実施例と同様に短辺Bの方向
と一致する特定方向に揃えることができる。また、第1
実施例と同様の理由から、好ましくはB<A<2×B、
さらに好もしくは1.1×B≦A≦1.5×Bとすると
良い。なお、(606)p型Al0.7 Ga0.3Asクラ
ッド層の途中までしかエッチングしない理由については
後述する。
0.3 Asクラッド層上に、埋込み層を形成する。第9実
施例では、この埋込み層の材質が、上述した各実施例と
異なっている。この実施例では、レジストを取り除いた
後、(607)絶縁性シリコン化合物薄膜と、(60
8)平坦化用絶縁層とを形成している。
ては、SiO2 などのシリコン酸化膜(SiOx )、S
i3 N4 などのシリコン窒化膜(SiNx )、SiCな
どのシリコン炭化膜(SiCx )等を挙げることができ
る。この(607)絶縁性シリコン化合物薄膜は、膜の
材質に応じて、常圧熱CVD法、減圧熱CVD法、プラ
ズマCVD法または反応性蒸着法等を用いて形成でき
る。本実施例では、(607)絶縁性シリコン化合物薄
膜をSiO2 膜等のSiOx 膜にて形成している。この
(607)SiOx 膜は常圧熱CVD法にて形成され、
その膜厚は好ましくは500〜2000オングストロー
ムである。この際のプロセス条件として、基板温度を4
50℃とし、プロセスガスとしてモノシラン(Si
H4 )を9sccm、酸素(O2 )を50sccm、キ
ャリアガスとして窒素(N2 )を5slmに流量設定し
た。このとき、SiOx の成長速度は12.5オングス
トローム/min であった。
07)絶縁性シリコン化合物薄膜よりも低温にて形成で
きる材質が好ましく、例えばSOG(Spin On
Grass)膜を用いることが好ましい。あるいはポリ
イミド膜を用いることができる。SOG膜の場合膜厚は
0.5〜1.5μm、ポリイミド膜の場合膜厚は4〜6
μmとすれば良い。いずれの膜の場合も、スピンコート
法、及びその後のベーキング工程の実施により形成でき
る。SOG膜をポリイミド膜より薄くしている理由は、
SOG膜の膜厚を厚くするとベーキング工程にてクラッ
クが生じやすいからである。このほか、(608)平坦
化用絶縁層として、ZnSeなどの多結晶のII−VI族化
合物半導体膜、あるいは(607)薄膜よりも低温プロ
セスにて形成できる絶縁性シリコン化合物(例えばSi
Ox ,SiNx ,SiCx 等)を用いることもできる。
例えば、電子ビーム蒸着法にてSiO2 などのSiOx
を形成すると、熱CVD法よりも低温にて、平坦化絶縁
層としての絶縁性シリコン化合物を形成できる。本実施
例では、SiO2 を20重量%含むガラス溶液を基板上
に塗布し、該基板を3000rpmにて20秒間回転さ
せて、(608)SOG膜をスピン塗布した。その後、
80℃にて1分間、150℃にて2分間、300℃にて
30分間、N2 雰囲気中でベーキング工程を実施した。
ックして、露出した(609)コンタクト層の表面と面
一になるように平坦化させた。このため、平行平板電極
を用いた反応性イオンエッチング(RIE)法を用い、
反応ガスとしてSF6 :Ar=1:1の混合ガスを用
い、チャンバー内を20mTorrの圧力に設定した。
このときのエッチング速度は1000オングストローム
/minであった。
7)SiOx 層が(608)SOG膜よりもエッチング
レートが遅いため、、次にこの(607)SiOx 層の
みのエッチングを行った。このために、同様に平行平板
電極を用いたRIE法を採用し、反応ガスとしてCHF
3 を導入し、チャンバー内圧力を18mTorrに設定
した。このときのエッチング速度は400オングストロ
ーム/minであった。
に接触する(612)コンタクト電極を形成する。(6
09)コンクタト層は(612)コンタクト電極の円形
開口を介して露出しており、この露出面を十分に覆うよ
うに、(611)誘電体多層膜ミラーを形成する。(6
11)ミラーは、SiO2 などのSiOx 層とTa2O
5 層を交互に例えば7ペア積層し、波長800nm付近
の光に対して98.8%以上の反射率をもつ。なお、こ
の第9実施例では、(611)ミラーを(612)電極
の開口内だけでなく、(612)電極上にも形成して7
ペアの積層厚さを確保している。この(611)誘電体
多層膜ミラーを構成するTa2 O5 層の代わりに、Zr
Ox 膜、ZrTiOx 膜、TiOx 膜も用いられる。こ
の(611)ミラーは、P型DBRミラーのようにミラ
ー自体に電流を流す構造でないため、(611)ミラー
での抵抗値を下げることができる。これにより、面発光
型半導体レーザの低閾値化、外部微分量子効率の向上が
達成できるという効果がある。
Au・Ge合金から成る(601)電極が形成されて、
(600)面発光半導体レーザが完成する。
下側電極との2つの電極間に順方向電圧が印加(本実施
例の場合は、上側電極から下側電極への方向に電圧が印
加される)されて電流注入が行なわれる。注入された電
流は、(605)量子井戸構造の活性層で光に変換さ
れ、(603)n型DBRミラーと(611)誘電体多
層膜ミラーとで構成される反射鏡の間をその光が往復す
ることにより増幅され、開口部から第1の方向610に
示す方向にレーザ光が放射される。
シリコン酸化膜(SiOx 膜)は、膜厚が500 〜2000オ
ングストロームという薄さで、常圧の熱CVD法(気相
成長方法)により形成したものである。(608)平坦
化用絶縁層は素子の表面を平坦化するために必要なもの
である。たとえば、平坦化用絶縁層を耐熱性樹脂とする
と、高抵抗とすることができるが、膜中に水分の残留が
発生しやすい。このため、直接に半導体層と接触させる
と、素子に長時間通電した場合に半導体層との界面に於
てボイドが発生し、素子の特性を劣化させる。そこで、
本実施例のように、シリコン酸化膜のような(607)
薄膜を半導体層との境界に形成すると、(607)シリ
コン酸化膜が保護膜となり、前述の劣化が生じない。
プラズマCVD法、反応性蒸着法など種類があるが、S
iH4 (モノシラン)ガスとO2 (酸素)ガスを用い、
N2(窒素)ガスをキャリアガスとする常圧熱CVD法
による成膜方法が最も適していた。その理由は、反応を
大気圧で行い、更にO2 が過剰な条件下で成膜するの
で、SiOx 膜中の酸素欠損が少なく緻密な膜となるこ
と、及び、ステップ・カバーレッジが良く、共振器の柱
状部分の側面と、(606)クラッド層との上に同じ膜
厚が得られることである。また、気相成長法であるの
で、液相成長のようにメルトバックによる共振器形状の
変化も生じない。
他の理由は、その後に形成する(608)絶縁物中の不
純物(例えばナトリウム、塩素、重金属等)が、その下
の(606)P型クラッド層106中や(605)量子
井戸構造の活性層中へ熱等により拡散することを阻止す
るためである。したがって、薄い(607)シリコン酸
化膜は、不純物を阻止できるだけの膜厚であればよいの
である。また、この薄い(607)シリコン酸化膜は、
熱CVDにより形成するので、その膜質は、その後形成
される(608)絶縁物と比較すると緻密である。しか
し、本実施例では熱CVDにより形成するため、素子へ
の熱の影響を考慮して、この(607)シリコン酸化膜
を厚くして単層とはしていない。薄い(607)シリコ
ン酸化膜と、膜質が緻密でなくてもより低温で形成でき
る(608)絶縁物との2層構造としたのである。した
がって、(607)シリコン化合物薄膜は、(608)
平坦化用絶縁層からの不純物の拡散を阻止する観点から
500オングストローム以上の膜厚とすることが好まし
く、形成プロセス時間を短時間として熱による悪影響を
低減する観点から、2000オングストローム以下の膜
厚とするのが良い。ただし、プロセス条件を変更するこ
と、特にプロセス温度下げることによって、(607)
シリコン化合物のみの単層によって埋込み層を形成する
こともできる。
(605)量子井戸構造の活性層との間に、(606)
P型クラッド層を好ましくは0〜0.58μmの厚さ残
すことが好ましい。この膜厚は、さらに好ましくは0〜
0.35μmがよい。これにより、面発光型半導体レー
ザ装置において、埋め込み層部分の界面再結合電流をな
くし、高効率化、高信頼性化が達成できるという効果が
ある。
面形状を矩形とせずに例えば円形とし、出射側の(61
2)電極に形成される光出射口の開口形状を、第11図
(a)のように長辺aと短辺bとを有する矩形とするこ
とによっても、その短辺bの方向に揃った偏波面を有す
るレーザ光を出射することができる。また、第4実施例
にて説明したように、好ましくはb<a<2b、さらに
好ましくは1.1×b≦a≦1.5×bとすると良い。
さらに、第4実施例にて説明した通り、柱状部分の断面
を矩形とし、かつ光出射口を矩形とし、両者の短辺の方
向をそれぞれ平行な方向に設定してもよい。
608)埋込み層により、第3実施例に示した複数本の
柱状部分を分離する分離溝を埋め込むこともできる。こ
れにより、各柱状部分と対応する複数の発光部から、位
相同期したレーザ光を出射することができる。さらに、
分離溝に埋め込まれる(607,608)埋込み層を、
レーザ光の波長に対してほぼ透明の材料とすることがで
きる。例えば、埋込み層の材料を、SiOx 、SiNx
とすると、埋込み層はレーザ発光波長に対してほぼ透明
となる。したがって、第3実施例と同様に、複数の発光
部からの光だけでなく、埋込み層に漏れた光も有効にレ
ーザ発振に寄与させて発光スポットを拡げることができ
る。さらに、この各柱状部分に形成される発光部を、ラ
イン状に配列することもできる。
光型半導体レーザによれば、柱状半導体層の断面形状あ
るいは光出射側電極に形成される光出射口の開口形状の
一方又は双方を、長辺および短辺から成る矩形とするこ
とで、発振されるレーザ光の偏波面の方向を短辺と平行
な方向に揃えることができる。
ーザの発光部の断面を示す斜視図、(b)はその平面図
である。
程を示す断面図である。
関係を示す図である。
ーザの発光部の断面を示す斜視図、(b)はその平面図
である。
ある。
型の面発光型半導体レーザの発光部の断面を示す概略
図、(b)はその平面図である。
程を示す断面図である。
ーザの形状の違いと発光近視野像の違いを示した図であ
り、同図(a)は従来の面発光型半導体レーザの光が出
射される側の形状を示しており、同図(b)は同図
(a)に示した半導体レーザの発光遠視野像の強度分布
を示す。同図(c)は本実施例に於ける半導体レーザの
光が出射される側の形状の一例を示しており、同図
(d)は同図(c)に示した半導体レーザの発光遠視野
像の強度分布を示すである。
の短辺の方向の設定例およびその短辺の方向に依存して
特定方向に偏波面をもつレーザ光を偏光フィルタにて透
過させた状態を示す概略説明図である。
ける位相同期型の面発光型半導体レーザの光が出射され
る側の形状を示す概略図である。
ける位相同期型の面発光型半導体レーザの光が出射され
る側の形状を示す概略図である。
斜視図である。
発光部の断面を示す斜視図である。
活性層の拡大断面図である。
力の関係を示す図である。
ーザの発光部の断面図を示す斜視図である。
発光型半導体レーザの発光部の断面を示す概略図であ
る。
ける半導体レーザの光出射側の電極の開口の形状を示す
概略説明図である。
ける半導体レーザの光出射電極の開口の形状を示す概略
説明図である。
−VI族化合物半導体層を製造するのに使用できる装置の
概略図である。
面を示す概略斜視図である。
導体基板 106,206,306,406,506,605 活
性層 107,207,307,407,507,606 ク
ラッド層 108,208,308,408,508,609 コ
ンタクト層 109,209,309,409,509 II−VI族化
合物半導体エピタキシャル層 111,211,311,411,511 光出射側反
射鏡 314 分離溝 320 発光部 607,608 埋込み層 A 柱状部分の矩形断面の長辺 B 柱状部分の矩形断面の短辺 a 矩形の光出射口の長辺 b 矩形の光出射口の短辺
Claims (10)
- 【請求項1】 半導体基板に垂直な方向に光を出射する
面発光型半導体レーザにおいて、 反射率の異なる一対の反射鏡とそれらの間の多層の半導
体層とを有し、前記半導体層のうちの少なくともクラッ
ド層が複数本の柱状に形成されている光共振器と、 前記柱状部分の周囲に埋め込まれている絶縁性の埋込み
層と、 前記柱状部分の表面にコンクタトし、かつ、前記柱状部
分と対向する領域に光出射口を有し、少なくとも前記光
出射口内に前記一対の反射鏡のうちの光出射側の反射鏡
が形成される光出射側の電極と、 を有し、 前記柱状部分は、前記半導体基板に平行な横断面形状が
長辺と短辺からなる矩形であり、出射されるレーザ光の
偏波面の方向が、前記短辺の方向と平行であることを特
徴とする面発光型半導体レーザ。 - 【請求項2】 半導体基板に垂直な方向に光を出射する
面発光型半導体レーザにおいて、 反射率の異なる一対の反射鏡とそれらの間の多層の半導
体層とを有し、前記半導体層のうちの少なくともクラッ
ド層が複数本の柱状に形成されている光共振器と、 前記柱状部分の周囲に埋め込まれている絶縁性の埋込み
層と、 前記柱状部分の表面にコンクタトし、かつ、前記柱状部
分と対向する領域に光出射口を有し、少なくとも前記光
出射口内に前記一対の反射鏡のうちの光出射側の反射鏡
が形成される光出射側の電極と、 を有し、 前記光出射口の開口形状が、長辺と短辺から成る矩形で
あり、出射されるレーザ光の偏波面の方向が、前記短辺
の方向と平行であることを特徴とする面発光型半導体レ
ーザ。 - 【請求項3】 請求項1または2において、 前記埋込み層は、II−VI族化合物半導体エピタキシャ
ル層であることを特徴とする面発光型半導体レーザ。 - 【請求項4】 請求項1または2において、 前記埋込み層は、少なくとも前記光共振器との界面を絶
縁性シリコン化合物にて覆っていることを特徴とする面
発光型半導体レーザ。 - 【請求項5】 請求項4において、 前記絶縁性シリコン化合物は、シリコン酸化物、シリコ
ン窒化物あるいはシリコン炭化物のいずれかであること
を特徴とする面発光型半導体レーザ。 - 【請求項6】 請求項4または5において、 前記埋込み層は、前記絶縁性シリコン化合物にて形成さ
れた薄膜の上に、前記光共振器の周囲を平坦化するため
の平坦化用絶縁層を含むことを特徴とする面発光型半導
体レーザ。 - 【請求項7】 請求項6において、 前記平坦化用絶縁層は、SOG膜、耐熱性樹脂膜、多結
晶のII−VI族化合物半導体膜、あるいは前記絶縁性シリ
コン化合物薄膜よりも低温プロセスにて形成された絶縁
性シリコン化合物膜のいずれかにて形成されていること
を特徴とする面発光型半導体レーザ。 - 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれかにおいて、 前記光共振器は、複数本の前記柱状部分に分離する分離
溝を有し、前記分離溝は前記半導体基板に対してほぼ垂
直な溝であり、前記埋込み層が前記分離溝に埋込み形成
されることで各柱状部分にそれぞれ発光部が形成され、 前記光共振器を構成する半導体層のうちの活性層には前
記分離溝が到達せず、各発光部での光の位相は同期して
いることを特徴とする面発光型半導体レーザ。 - 【請求項9】 請求項8において、 前記分離溝には、出射するレーザ光の波長に対して透明
な埋込み層が埋め込まれ、 光出射側の前記電極は、複数本の前記柱状部分の各端面
及び前記分離溝に埋め込まれた前記埋込み層と対向する
領域に亘って前記光出射口を有し、 前記各柱状部分の矩形横断面を形成する短辺の方向がそ
れぞれ平行であり、 各柱状部分およびその間の前記埋込み層から前記光出射
口を介して、位相および偏波面の方向が揃いかつ発光ス
ポットが一つのレーザ光を出射することを特徴とする面
発光型半導体レーザ。 - 【請求項10】 請求項8において、 前記分離溝には、出射するレーザ光の波長に対して透明
な埋込み層が埋め込まれ、 光出射側の前記電極は、複数本の前記柱状部分の各端面
及び前記分離溝に埋め込まれた前記埋込み層と対向する
領域に亘って開口する矩形の前記光出射口を有し、 各柱状部分およびその間の前記埋込み層から前記光出射
口を介して、位相および偏波面の方向が揃いかつ発光ス
ポットが一つのレーザ光を出射することを特徴とする面
発光型半導体レーザ。
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