JP3327196B2 - 誘電体フィルタ及び誘電体デュプレクサ - Google Patents
誘電体フィルタ及び誘電体デュプレクサInfo
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Description
び誘電体デュプレクサ、特に、マイクロ波帯やミリ波帯
の通信装置等に使用されるデュアルバンド用誘電体フィ
ルタ及び誘電体デュプレクサに関する。
用されるデュアルバンド用高周波回路部を構成する場
合、従来は、図10及び図11に示しているバンドパス
フィルタ(帯域通過フィルタ)101,121を2個組
合わせて構成していた。図10に示しているバンドパス
フィルタ101は、TEMモードを利用した共振器を3
個備えたものである。図10において、102は誘電体
ブロック、103は内壁面に内導体が形成されている貫
通孔、104はTEMモード共振器のそれぞれの共振周
波数や相互間の電磁気的結合を調整するための電極パタ
ーン、105は開放側端面102aを残して誘電体ブロ
ック102の外壁面に形成されている外導体、106は
TEMモード用入出力電極である。
ルタ121は、TEモードを利用した共振器を3個備え
たものである。図11において、122は誘電体ブロッ
ク、123はTEモード結合のためのライン状導体、1
24a,124bは誘電体ブロック122の上下面に形
成されかつライン状導体123を介して導通している外
導体、125はTEモード用入力電極である。
路部を、デュプレクサを利用した1入力2出力タイプの
バンドパスフィルタで構成する場合もあった。
ント基板等に実装する際には、バンドパスフィルタ2個
分の占有スペースを確保しなければならないという問題
があった。
決するために、図10及び図11にそれぞれ示したTE
Mモードバンドパスフィルタ101とTEモードバンド
パスフィルタ121を一体的に組み合わせて小型化した
複合部品が考えられる。しかしながら、単にTEMモー
ドバンドパスフィルタ101とTEモードバンドパスフ
ィルタ121を一体的に組み合わせただけでは、TEモ
ード結合のためのライン状導体123を、TEMモード
バンドパスフィルタ101の開放側端面102aに形成
された電極パターン104間に形成しなければならない
ため、TEMモード共振器相互の電磁気的結合がライン
状導体123により影響を受けることになる。従って、
TEMモードバンドパスフィルタとTEモードバンドパ
スフィルタをそれぞれ独立して設計することが困難であ
った。さらに、開放側端面102aには、電極パターン
104が形成されているので、ライン状導体123の形
成位置が開放側端面102aの所定の部分に限定され、
TEモード共振器の共振周波数及び共振器数の設定が制
約される等の新たな問題が生ずる。
ードの共振器を独立して設計することができる小型のデ
ュアルバンド用誘電体フィルタ及び誘電体デュプレクサ
を提供することにある。
するため、本発明に係る誘電体フィルタ、あるいは誘電
体デュプレクサは、略直方体形状の誘電体ブロックの第
1の面から該第1の面に対向した第2の面に貫通する貫
通孔を複数個有し、前記貫通孔の内壁面に前記第1の面
側に内導体非形成部を有した内導体を設けると共に、前
記誘電体ブロックの第2の面及び相互に対向する第3,
第4の面に外導体を設け、かつ、前記第3,第4の面に
それぞれ設けた外導体を電気的に接続するライン状導体
を前記第1の面に設け、TEMモード共振器とTEモー
ド共振器、又は、TEMモード共振器とTMモード共振
器のいずれか一方の組合わせからなる複数の共振器を構
成したことを特徴とする。ここに、入出力外部電極は、
誘電体ブロックの相互に対向する第5,第6の面にそれ
ぞれ設けられている。
内導体は、外導体及び誘電体ブロックと共に、複数個の
TEMモード共振器を構成する。一方、ライン状導体や
結合用孔や結合用溝は結合セサプタンスとして作用し、
外導体及び誘電体ブロックはこのライン状導体や結合用
孔や結合用溝にて区切られた複数個のTEモード共振器
あるいはTMモード共振器を構成する。
体が、誘電体ブロックの第2の面側にも内導体非形成部
を有することにより、TEMモード共振器は1/2波長
の共振器となる。
タ及び誘電体デュプレクサの実施形態について添付図面
を参照して説明する。各実施形態において、同一部品及
び同一部分には同じ符号を付した。
ように、誘電体フィルタ1は、誘電体材料からなる直方
体形状の誘電体ブロック2を有している。誘電体ブロッ
ク2には、手前側の面2aから奥側の面2bに貫通する
複数個(第1実施形態では2個)の貫通孔3が形成され
ている。貫通孔3の内壁面にはそれぞれ内導体4が形成
されており、この内導体4は手前側の面2a側に内導体
非形成部4aを有している。
面2aを残して外導体5が形成されている。すなわち、
外導体5は、誘電体ブロック2の手前側の面2a(以
下、開放側端面2aと記す)では、内導体4から電気的
に開放(分離)され、奥側の面2b(以下、短絡側端面
2bと記す)では、内導体4に電気的に短絡(導通)さ
れている。
間に、誘電体ブロック2の上面から下面に到るライン状
導体7が設けられている。ライン状導体7は、誘電体ブ
ロック2の上面に設けられた外導体部分5aと下面に設
けられた外導体部分5bを開放側端面2aにおいて電気
的に接続する。誘電体ブロック2の左右の側面部には、
それぞれTEモード用入力電極11a,TEMモード用
入力電極12a及びTEモード用出力電極11b,TE
Mモード用出力電極12bが、外導体5との間に所定の
ギャップをおいて形成されている。
5及び誘電体ブロック2と共に、誘電体ブロック2の開
放側端面2a及び短絡側端面2bをそれぞれオープン面
及びショート面とする2個の1/4波長のTEMモード
誘電体共振器16a,16bを構成する。そして、これ
らのTEMモード誘電体共振器16a,16bは、電磁
気的に相互に結合してTEMモードの2段バンドパスフ
ィルタを形成する。
に設けられたライン状導体7は、結合サセプタンスとし
て作用する。従って、外導体5及び誘電体ブロック2
は、このライン状導体7にて区切られた2個のTEモー
ド(例えば、TE101,TE102等のように低次のモード
が好ましい)誘電体共振器15a,15bを構成する。
そして、これらのTEモード誘電体共振器15a,15
bは、ライン状導体7を介して電磁気的に相互に結合し
てTEモードの2段バンドパスフィルタを形成する。す
なわち、ライン状導体7は、TEモード誘電体共振器1
5a,15bを電磁気的に結合するだけでなく、共振器
15a,15bの反射係数の大きな電磁気的境界部とし
ても機能している。
図である。この誘電体フィルタ1は、TEMモードバン
ドパスフィルタとTEモードバンドパスフィルタを内蔵
した、2入力2出力のデュアルバンド誘電体フィルタで
ある。すなわち、図3に示すように、誘電体フィルタ1
は通過帯域を二つ有しており、例えば通過帯域AはTE
Mモードバンドパスフィルタによる通過帯域であり、通
過帯域BはTEモードバンドパスフィルタによる通過帯
域である。
いて、各貫通孔3に設けた内導体4が内導体非形成部4
aを有しており、この内導体非形成部4aの寸法や配設
位置等を適宜設定することにより、TEMモード誘電体
共振器16a,16bのそれぞれの共振周波数や相互間
の電磁気的結合を調整することができる。従って、TE
Mモードバンドパスフィルタの通過帯域幅や中心周波数
等を変更することができる。
に設けたライン状導体7の数や寸法あるいは開放側端面
2a上での配設位置等を適宜設定することにより、TE
モード誘電体共振器15a,15b相互間の電磁気的結
合を調整することができる。従って、TEモードバンド
パスフィルタの通過帯域幅や中心周波数等を変更するこ
とができる。
モード誘電体共振器16a,16bのそれぞれの共振周
波数や相互間の電磁気的結合を調整するための内導体非
形成部4aを貫通孔3内に設けているので、開放側端面
2a上に形成されたライン状導体7からの電磁気的影響
を受けにくい。さらに、誘電体ブロック2の開放側端面
2aには、ライン状導体7の他には、電極パターンを形
成する必要がないので、ライン状導体7の形成位置の制
限が緩く、TEモード誘電体共振器15a,15bの共
振周波数の設定の自由度が高い。以上の結果から、TE
MモードバンドパスフィルタとTEモードバンドパスフ
ィルタをそれぞれ独立して設計することができる小型の
誘電体フィルタ1を得ることができる。
すように、誘電体フィルタ21は、誘電体ブロック2に
開放側端面2aから短絡側端面2bに貫通する3個の貫
通孔3が形成されている。貫通孔3の内壁面にはそれぞ
れ内導体4が形成されており、この内導体4は開放側端
面2a側に内導体非形成部4aを有している。誘電体ブ
ロック2の外壁面には、開放側端面2a及び左右の側面
2c,2dを残して外導体25が形成されている。
孔3にオーバーラップして、誘電体ブロック2の上面か
ら下面に到るライン状導体7が設けられている。ライン
状導体7は、誘電体ブロック2の上面に設けられた外導
体部分25aと下面に設けられた外導体部分25bを開
放側端面2aにおいて電気的に接続する。誘電体ブロッ
ク2の左右の側面2c,2dには、それぞれTEモード
及びTEMモード共用入力電極27、TEモード用出力
電極28、TEMモード用出力電極29が、外導体25
との間に所定のギャップをおいて形成されている。
25及び誘電体ブロック2と共に、3個の1/4波長の
TEMモード誘電体共振器16a,16b,16cを構
成する。そして、これらのTEMモード誘電体共振器1
6a〜16cは電磁気的に相互に結合してTEMモード
の3段バンドパスフィルタを形成する。また、外導体5
及び誘電体ブロック2は、ライン状導体7にて区切られ
た2個のTEモード誘電体共振器15a,15bを構成
する。
路図である。この誘電体フィルタ21は、TEMモード
バンドパスフィルタと、TEモードバンドパスフィルタ
を内蔵した、1入力2出力のデュアルバンド用誘電体フ
ィルタである。
ルバンド誘電体フィルタ21は、前記第1実施形態の誘
電体フィルタ1と同様の作用効果を奏すると共に、誘電
体ブロック2の左右の側面2c,2dは、表面に外導体
が形成されていないので、反射係数の大きな電磁気的壁
として機能する。従って、TEモード誘電体共振器15
a,15bの小型化が図れ、誘電体ブロック2のサイズ
を小さくすることができる。さらに、ライン状導体7を
貫通孔3にオーバーラップさせて開放側端面2aに形成
しても、内導体4が開放側端面2a側に内導体非形成部
4aを有しているので、TEMモード誘電体共振器16
bのオープン面がライン状導体7によって短絡する心配
もない。従って、ライン状導体7の形成位置は、開放側
端面2aにおいて制限がなく、TEモード誘電体共振器
15a,15bの共振周波数の設定の自由度が高い。
すように、誘電体フィルタ31は、略直方体形状の誘電
体ブロック32を有している。誘電体ブロック32の左
側部及び右側部には、それぞれ開放側端面32aから開
放側端面32bに貫通する2個の貫通孔3が形成されて
いる。貫通孔3の内壁面にはそれぞれ内導体4が形成さ
れており、この内導体4は開放側端面32a側及び開放
側端面32b側に内導体非形成部4a,4bを有してい
る。
2a,32bの中央部には、それぞれ結合用溝37a,
37bが対向して形成されている。この結合用溝37
a,37bは、誘電体ブロック32の上面から下面に渡
っている。さらに、誘電体ブロック32の中央部、言い
換えると結合用溝37a,37bの間には結合用孔38
が形成されている。結合用孔38の内壁面には内導体が
形成されている。
に外導体35が形成されている。結合用溝37a,37
bの壁面には外導体35が形成され、結合用孔38の内
導体はその両端が外導体35に導通している。誘電体ブ
ロック32の左右の側面部には、それぞれTEモード及
びTEMモード共用入力電極39、TEモード用出力電
極40及びTEMモード用出力電極41が、外導体35
との間に所定のギャップをおいて形成されている。
35及び誘電体ブロック32と共に、誘電体ブロック3
2の開放側端面32a及び開放側端面32bをいずれも
オープン面とする2個の1/2波長のTEMモード誘電
体共振器16a,16bを構成する。そして、これらの
TEMモード誘電体共振器16a,16bは電磁気的に
相互に結合してTEMモードの2段のバンドパスフィル
タを構成する。
合用溝37a,37b並びに内導体が形成された貫通孔
38は、それぞれ結合サセプタンスとして作用する。従
って、外導体35及び誘電体ブロック32は、結合用溝
37a,37b及び貫通孔38によって区切られた2個
のTEモード誘電体共振器15a,15bを構成する。
そして、これらのTEモード誘電体共振器15a,15
bは、結合用溝37a,37bによって幅の狭くなった
誘電体ブロック32の部分並びに結合用孔38を介し
て、電磁気的に相互に結合してTEモードの2段バンド
パスフィルタを形成する。すなわち、結合用溝37a,
37bや結合用孔38は、TEモード誘電体共振器15
a,15bを電磁気的に結合するだけでなく、共振器1
5a,15bの反射係数の大きな電磁気的境界部として
も機能している。なお、結合用溝37a,37bと貫通
孔38は必ずしも両者を併設する必要はなく、結合用溝
37a,37b又は貫通孔38のいずれか一方のみを設
けたものであっても同様の作用効果が得られる。
路図である。この誘電体フィルタ31は、TEMモード
バンドパスフィルタとTEモードバンドパスフィルタを
内蔵した1入力2出力のデュアルバンド誘電体フィルタ
である。
おいて、各貫通孔3に設けた内導体4が内導体非形成部
4a,4bを有しており、この内導体非形成部4a,4
bの寸法や配設位置等を適宜設定することにより、TE
Mモード誘電体共振器16a,16bのそれぞれの共振
周波数や相互間の電磁気的結合を調整することができ
る。従って、TEMモードバンドパスフィルタの通過帯
域幅や中心周波数等を変更することができる。
2a,32bのそれぞれに設けた結合用溝37a,37
b並びに誘電体ブロック32の中央部に設けた結合用孔
38の数や寸法あるいは配設位置等を適宜設定すること
により、TEモード誘電体共振器15a,15b相互間
の電磁気的結合を調整することができる。従って、TE
モードバンドパスフィルタの通過帯域幅や中心周波数等
を変更することができる。
Mモード誘電体共振器16a,16bのそれぞれの共振
周波数や相互間の電磁気的結合を調整するための内導体
非形成部4a,4bを貫通孔3内に設けているので、開
放側端面32a,32bや誘電体ブロック32中央部に
形成された結合用溝37a,37bや結合用孔38から
の電磁気的影響を受けにくい。以上の結果から、TEM
モードバンドパスフィルタとTEモードバンドパスフィ
ルタをそれぞれ独立して設計することができる誘電体フ
ィルタ31を得ることができる。
形態は、自動車電話、携帯電話等の移動通信機器に使用
される誘電体デュプレクサについて説明する。図8に示
すように、誘電体フィルタ51は、誘電体材料からなる
直方体形状の誘電体ブロック52を有している。誘電体
ブロック52には、開放側端面52aから短絡側端面5
2bに貫通する4個の貫通孔53a,53b,53c,
53dが一列状に形成されている。貫通孔53a〜53
dの内壁面にはそれぞれ内導体54が形成されており、
この内導体54は開放側端面52a側に内導体非形成部
54aを有している。さらに、貫通孔53bと53cの
間には、誘電体ブロック52の開放側端面52aの中央
部から短絡側端面52bの中央部に貫通する外部結合孔
63が形成されている。外部結合孔63の内壁面には内
導体が形成されている。
端面52aを残して外導体55が略形成されている。す
なわち、外導体55は、誘電体ブロック52の上面にお
いて、所定のギャップを確保して左側半分及び右側半分
にそれぞれ外導体部分55a,55cが形成され、誘電
体ブロック52の下面において、所定のギャップを確保
して左側半分及び右側半分にそれぞれ外導体部分55
b,55dが形成されている。そして、外導体55は、
誘電体ブロック52の開放側端面52aでは、貫通孔5
3a〜53dの内導体4から電気的に開放(分離)さ
れ、短絡側端面52bでは、内導体4に電気的に短絡
(導通)されている。
3aと53bの間に、誘電体ブロック52の上面から下
面に到るライン状導体57が設けられると共に、貫通孔
53cと53dにそれぞれオーバーラップさせて、誘電
体ブロック52の上面から下面に到るライン状導体5
8,59が設けられている。ライン状導体57は、誘電
体ブロック52の上面に設けられた外導体部分55aと
下面に設けられた外導体部分55bを、開放側端面52
aにおいて電気的に接続する。ライン状導体58,59
は、それぞれ誘電体ブロック52の上面に設けられた外
導体部分56aと下面に設けられた外導体部分56b
を、開放側端面52aにおいて電気的に接続する。
それぞれTEモード及びTEMモード共用の入力電極で
ある受信側電極Rx,送信側電極Txが、外導体55と
の間に所定のギャップをおいて形成されている。誘電体
ブロック52の開放側端面52aの中央部には、TEモ
ード及びTEMモード共用の入力電極であるアンテナ電
極ANTが、外部結合孔63の内導体に導通した状態で
形成されている。すなわち、外部結合孔63の内導体
は、開放側端面52aでは外導体55と電気的に分離
し、短絡側端面52bでは外導体55と電気的に導通し
ている。
54は、外導体55及び誘電体ブロック52のそれぞれ
の左半分と共に、誘電体ブロック52の開放側端面52
a及び短絡側端面52bをそれぞれオープン面及びショ
ート面とする2個の1/4波長のTEMモード誘電体共
振器16a,16bを構成する。そして、これらのTE
Mモード誘電体共振器16a,16bは電磁気的に相互
に結合してTEMモードの2段バンドパスフィルタを形
成する。
2aに設けられたライン状導体57は、結合サセプタン
スとして作用する。従って、外導体55及び誘電体ブロ
ック52のそれぞれ左半分は、このライン状導体57に
て区切られた2個のTEモード誘電体共振器15a,1
5bを構成する。そして、これらのTEモード誘電体共
振器15a,15bは、ライン状導体57を介して電磁
気的に相互に結合してTEモードの2段バンドパスフィ
ルタを形成する。すなわち、ライン状導体57は、TE
モード誘電体共振器15a,15bを電磁気的に結合す
るだけでなく、共振器15a,15bの反射係数の大き
な電磁気的境界部としても機能している。
54は、外導体55及び誘電体ブロック52のそれぞれ
の右半分と共に、誘電体ブロック52の開放側端面52
a及び短絡側端面52bをそれぞれオープン面及びショ
ート面とする2個の1/4波長のTEMモード誘電体共
振器16c,16dを構成する。そして、これらのTE
Mモード誘電体共振器16c,16dは電磁気的に相互
に結合してTEMモードの2段バンドパスフィルタを形
成する。
2aに設けられたライン状導体58,59は、結合サセ
プタンスとして作用する。従って、外導体55及び誘電
体ブロック52のそれぞれ右半分は、このライン状導体
58,59にて区切られた3個のTEモード誘電体共振
器15c,15d,15eを構成する。そして、これら
のTEモード誘電体共振器15c〜15eは、ライン状
導体58,59を介して電磁気的に相互に結合してTE
モードの3段バンドパスフィルタを形成する。
1において、誘電体ブロック52の右側半分に配設され
た共振器15c〜15e,16c,16dは送信フィル
タ60Aを形成する。そして、誘電体ブロック52の左
側半分に配設された共振器15a,15b,16a,1
6bは受信フィルタ60Bを形成する。この誘電体デュ
プレクサ51は、図示しない送信回路系から送信側電極
Txに入った送信信号を、送信フィルタ60Aを介して
アンテナ電極ANTから出力すると共に、アンテナ電極
ANTに入った受信信号を、受信フィルタ60Bを介し
て受信側電極Rxから図示しない受信回路系に出力す
る。図9は、誘電体デュプレクサ51の電気等価回路図
である。
a〜53dに設けた内導体54が内導体非形成部54a
を有しており、この内導体非形成部54aの寸法や配設
位置等を適宜設定することにより、TEMモード誘電体
共振器16a〜16dのそれぞれの共振周波数や相互間
の電磁気的結合を調整することができる。従って、TE
Mモードバンドパスフィルタの通過帯域幅や中心周波数
等を変更することができる。一方、誘電体ブロック52
の開放側端面52aに設けたライン状導体57〜59の
数や寸法あるいは開放側端面52a上での配設位置等を
適宜設定することにより、TEモード誘電体共振器15
a〜15e相互間の電磁気的結合を調整することができ
る。従って、TEモードバンドパスフィルタの通過帯域
幅や中心周波数等を変更することができる。
TEMモード誘電体共振器16a〜16dのそれぞれの
共振周波数や相互間の電磁気的結合を調整するための内
導体非形成部54aを貫通孔53a〜53d内に設けて
いるので、開放側端面52a上に形成されたTEモード
誘電体共振器相互間の電磁気的結合を調整するためのラ
イン状導体57〜59からの電磁気的影響を受けにく
い。さらに、誘電体ブロック52の開放側端面52aに
おいて、ライン状導体57〜59の形成位置の制限が緩
く、TEモード誘電体共振器15a〜15eの共振周波
数の設定の自由度が高い。以上の結果から、TEMモー
ドバンドパスフィルタとTEモードバンドパスフィルタ
をそれぞれ独立して設計することができる小型の誘電体
デュプレクサ51を得ることができる。
体フィルタ及び誘電体デュプレクサは前記実施形態に限
定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更す
ることができる。前記実施形態は、TEMモードバンド
パスフィルタとTEモードバンドパスフィルタを内蔵し
た誘電体フィルタや誘電体デュプレクサについて説明し
たが、TEモードバンドパスフィルタの構造とTMモー
ドバンドパスフィルタの構造は同じであるので、前記各
実施形態の誘電体フィルタや誘電体デュプレクサは、T
Eモードの信号の替わりにTMモードの信号を入力させ
ることにより、TEMモードバンドパスフィルタとTM
モードバンドパスフィルタを内蔵した誘電体フィルタや
誘電体デュプレクサとして取り扱うことができる。
クサ51において、ライン状導体57〜59の替わりに
結合用孔又は結合用溝を設けてもよいし、貫通孔53a
〜53dの内導体54が更に短絡側端面52bの側にも
内導体非形成部を有するものであってもよい。
よれば、複数個の貫通とその内導体と外導体と誘電体ブ
ロックとで、複数個のTEMモード共振器を構成する。
一方、ライン状導体や結合用孔や結合用溝は結合サセプ
タンスとして作用し、外導体及び誘電体ブロックはこの
ライン状導体や結合用孔や結合用溝にて区切られた複数
個のTEモード共振器、あるいはTMモード共振器を構
成する。そして、TEMモード誘電体共振器のそれぞれ
の共振周波数や相互間の電磁気的結合を調整するための
内導体非形成部は、貫通孔内に設けられているので、T
Eモード又はTMモード誘電体共振器相互間の電磁気的
結合を調整するためのライン状導体や結合用溝や結合用
孔からの電磁気的影響を受けにくい。この結果、内蔵さ
れた各モードの共振器を独立して設計することができる
小型のデュアルバンド用誘電体フィルタや誘電体デュプ
レクサを得ることができる。
示す斜視図。
回路図。
を示すグラフ。
示す斜視図。
回路図。
示す斜視図。
回路図。
を示す斜視図。
等価回路図。
斜視図。
視図。
誘電体共振器 16a,16b,16c,16d…TEMモード誘電体
共振器 21…誘電体フィルタ 25…外導体 27…TEモード及びTEMモード共用入力電極 28…TEモード用出力電極 29…TEMモード用出力電極 31…誘電体フィルタ 32…誘電体ブロック 32a,32b…開放側端面 35…外導体 37a,37b…結合用溝 38…結合用孔 39…TEモード及びTEMモード共用入力電極 40…TEモード用出力電極 41…TEMモード用出力電極 51…誘電体デュプレクサ 52…誘電体ブロック 52a…開放側端面 52b…短絡側端面 53a,53b,53c,53d…貫通孔 54…内導体 54a…内導体非形成部 55…外導体 Tx…送信側電極 Rx…受信側電極 ANT…アンテナ電極
Claims (8)
- 【請求項1】 略直方体形状の誘電体ブロックの第1の
面から該第1の面に対向した第2の面に貫通する貫通孔
を複数個有し、前記貫通孔の内壁面に前記第1の面側に
内導体非形成部を有した内導体を設けると共に、前記誘
電体ブロックの第2の面及び相互に対向する第3,第4
の面に外導体を設け、かつ、前記第3,第4の面にそれ
ぞれ設けた外導体を電気的に接続するライン状導体を前
記第1の面に設け、TEMモード共振器とTEモード共
振器、又は、TEMモード共振器とTMモード共振器の
いずれか一方の組合わせからなる複数の共振器を構成し
たことを特徴とする誘電体フィルタ。 - 【請求項2】 略直方体形状の誘電体ブロックの第1の
面から該第1の面に対向した第2の面に貫通する貫通孔
を複数個有し、前記貫通孔の内壁面に前記第1の面側に
内導体非形成部を有した内導体を設けると共に、前記誘
電体ブロックの第1,第2の面及び相互に対向する第
3,第4の面に外導体を設け、前記第3の面から第4の
面に貫通して第3,第4の面にそれぞれ設けた外導体を
電気的に接続する結合用孔又は前記第1,第2の面にそ
れぞれ設けられかつ前記第3の面から第4の面に渡る結
合用溝の少なくともいずれか一方を有し、TEMモード
共振器とTEモード共振器、又は、TEMモード共振器
とTMモード共振器のいずれか一方の組合わせからなる
複数の共振器を構成したことを特徴とする誘電体フィル
タ。 - 【請求項3】 前記貫通孔の内壁面に設けられた内導体
が、さらに、第2の面側にも内導体非形成部を有してい
ることを特徴とする請求項2記載の誘電体フィルタ。 - 【請求項4】 前記誘電体ブロックの相互に対向する第
5,第6の面のそれぞれに、入出力外部電極を設けたこ
とを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の
誘電体フィルタ。 - 【請求項5】 略直方体形状の誘電体ブロックの第1の
面から該第1の面に対向した第2の面に貫通する貫通孔
を複数個有し、前記貫通孔の内壁面に前記第1の面側に
内導体非形成部を有した内導体を設けると共に、前記誘
電体ブロックの第2の面及び相互に対向する第3,第4
の面に外導体を設け、かつ、前記第3,第4の面にそれ
ぞれ設けた外導体を電気的に接続するライン状導体を前
記第1の面に設け、TEMモード共振器とTEモード共
振器、又は、TEMモード共振器とTMモード共振器の
いずれか一方の組合わせからなる複数の共振器を構成し
たことを特徴とする誘電体デュプレクサ。 - 【請求項6】 略直方体形状の誘電体ブロックの第1の
面から該第1の面に対向した第2の面に貫通する貫通孔
を複数個有し、前記貫通孔の内壁面に前記第1の面側に
内導体非形成部を有した内導体を設けると共に、前記誘
電体ブロックの第1,第2の面及び相互に対向する第
3,第4の面に外導体を設け、前記第3の面から第4の
面に貫通して第3,第4の面にそれぞれ設けた外導体を
電気的に接続する結合用孔又は前記第1,第2の面にそ
れぞれ設けられかつ前記第3の面から第4の面に渡る結
合用溝の少なくともいずれか一方を有し、TEMモード
共振器とTEモード共振器、又は、TEMモード共振器
とTMモード共振器のいずれか一方の組合わせからなる
複数の共振器を構成したことを特徴とする誘電体デュプ
レクサ。 - 【請求項7】 前記貫通孔の内壁面に設けられた内導体
が、さらに、前記第2の面側にも内導体非形成部を有し
ていることを特徴とする請求項2記載の誘電体デュプレ
クサ。 - 【請求項8】 前記誘電体ブロックの相互に対向する第
5,第6の面のそれぞれに、入出力外部電極を設けたこ
とを特徴とする請求項5、請求項6又は請求項7記載の
誘電体デュプレクサ。
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