JP3306685B2 - 密閉型光酸素2次電池 - Google Patents
密閉型光酸素2次電池Info
- Publication number
- JP3306685B2 JP3306685B2 JP26761293A JP26761293A JP3306685B2 JP 3306685 B2 JP3306685 B2 JP 3306685B2 JP 26761293 A JP26761293 A JP 26761293A JP 26761293 A JP26761293 A JP 26761293A JP 3306685 B2 JP3306685 B2 JP 3306685B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oxygen
- negative electrode
- electrolyte
- secondary battery
- positive electrode
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Hybrid Cells (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、充電と放電の双方が可
能な2次電池に係わり、光エネルギーによる充電が可能
であり、充電器を必要としない省エネルギー性に優れた
密閉型光酸素2次電池に関するものである。
能な2次電池に係わり、光エネルギーによる充電が可能
であり、充電器を必要としない省エネルギー性に優れた
密閉型光酸素2次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】太陽可視光等の光エネルギーで発生した
酸素の酸化還元反応を利用して発電する試みは、以前か
らなされており、この種の電池としては、図5に示すよ
うに、US-A-4042758の光化学電池が知られている。ここ
で、符号1は光化学電池であり、この光化学電池1は、
パイプ状のユージオメーター2と、このユージオメータ
ー2を中心に並設されたパイプ状のライトアーム3およ
びレフトアーム4とを有する。これらユージオメーター
2、ライトアーム3、レフトアーム4では、これらの内
部が連通されている。
酸素の酸化還元反応を利用して発電する試みは、以前か
らなされており、この種の電池としては、図5に示すよ
うに、US-A-4042758の光化学電池が知られている。ここ
で、符号1は光化学電池であり、この光化学電池1は、
パイプ状のユージオメーター2と、このユージオメータ
ー2を中心に並設されたパイプ状のライトアーム3およ
びレフトアーム4とを有する。これらユージオメーター
2、ライトアーム3、レフトアーム4では、これらの内
部が連通されている。
【0003】これらライトアーム3、レフトアーム4に
は、これらを密封する上部止め栓3a、4a、下部止め
栓3b、4bがそれぞれ設けられている。これらライト
アーム3とレフトアーム4とは、これらを連通させるブ
リッジ5でそれぞれ接続されている。また、ユージオメ
ーター2には、中央バルブ2aが上部に形成され、下部
がブリッジ5に連通されている。これらライトアーム
3、レフトアーム4、ブリッジ5には、電解質6が充満
されている。
は、これらを密封する上部止め栓3a、4a、下部止め
栓3b、4bがそれぞれ設けられている。これらライト
アーム3とレフトアーム4とは、これらを連通させるブ
リッジ5でそれぞれ接続されている。また、ユージオメ
ーター2には、中央バルブ2aが上部に形成され、下部
がブリッジ5に連通されている。これらライトアーム
3、レフトアーム4、ブリッジ5には、電解質6が充満
されている。
【0004】また、ライトアーム3には、上部に空気1
0が充填され、下部に電解質6が充填され、この電解質
6の中にアノード7が配されている。一方、レフトアー
ム4には、上部に空気11が充填され、下部に電解質6
が充填され、これら空気11と電解質6とにわたってカ
ソード8が配されている。これらアノード7とカソード
8とには、それぞれ導線7a、8aが接続され、これら
導線7a、8aは負荷9を介して接続されている。
0が充填され、下部に電解質6が充填され、この電解質
6の中にアノード7が配されている。一方、レフトアー
ム4には、上部に空気11が充填され、下部に電解質6
が充填され、これら空気11と電解質6とにわたってカ
ソード8が配されている。これらアノード7とカソード
8とには、それぞれ導線7a、8aが接続され、これら
導線7a、8aは負荷9を介して接続されている。
【0005】また、アノード7に光を照射する光源12
が、ライトアーム3の外側付近に隣接設置されている。
この光源12は、水銀ランプ13と、この水銀ランプ1
3の光を集束してアノード7に照射するレンズ14とか
ら構成されている。このような光化学電池1は、表面に
二酸化チタンを形成したアノード7に光エネルギーを照
射することにより、酸素を発生させる。この酸素をアノ
ード7から白金製カソード8に導いて還元させることに
より、光エネルギーを電気化学的に電気エネルギーに変
換するものである。
が、ライトアーム3の外側付近に隣接設置されている。
この光源12は、水銀ランプ13と、この水銀ランプ1
3の光を集束してアノード7に照射するレンズ14とか
ら構成されている。このような光化学電池1は、表面に
二酸化チタンを形成したアノード7に光エネルギーを照
射することにより、酸素を発生させる。この酸素をアノ
ード7から白金製カソード8に導いて還元させることに
より、光エネルギーを電気化学的に電気エネルギーに変
換するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
光化学電池にあっては、光エネルギーを照射している間
のみ発電するため、光エネルギー蓄積機能、すなわち、
2次電池機能がなく、光照射下でなければ放電できない
という欠点があった。また、光エネルギーから電気化学
エネルギーへの変換に比較的高価な半導体材料よりなる
アノード7が必要であり、このアノード7の存在なしに
は、光充電が行えず、光電池として機能しないという問
題があった。さらに、比較的大電流の放電を行うために
は、アノード7で発生した酸素をカソード8へ速やかに
移動させる必要があるが、従来の光化学電池では、電解
質6中の酸素の移動速度が遅いため、大電流の放電がで
きないという欠点があった。
光化学電池にあっては、光エネルギーを照射している間
のみ発電するため、光エネルギー蓄積機能、すなわち、
2次電池機能がなく、光照射下でなければ放電できない
という欠点があった。また、光エネルギーから電気化学
エネルギーへの変換に比較的高価な半導体材料よりなる
アノード7が必要であり、このアノード7の存在なしに
は、光充電が行えず、光電池として機能しないという問
題があった。さらに、比較的大電流の放電を行うために
は、アノード7で発生した酸素をカソード8へ速やかに
移動させる必要があるが、従来の光化学電池では、電解
質6中の酸素の移動速度が遅いため、大電流の放電がで
きないという欠点があった。
【0007】ところで、従来の光化学電池は、光エネル
ギーにより酸素を発生させるための光電極として機能す
るアノード7と、酸素を還元するためのカソード8との
二つの電極よりなる二電極系で構成される。この従来の
光化学電池は、2次電池としての機能を有していないた
め、2電極系で構成しても問題はない。しかし、2次電
池機能(光エネルギー蓄積機能)を有する光化学2次電
池を実現するためには、いわゆる放電反応を行うための
正極および負極と、光エネルギーを電気化学的に変換し
て充電反応を進行させるための光電極とが必要になる。
このため、正極、負極、光電極の少なくとも三つ以上の
電極が必要になり、この光化学2次電池は3電極以上の
系で構成しなければならず、光化学2次電池の構造が複
雑になるという欠点があった。
ギーにより酸素を発生させるための光電極として機能す
るアノード7と、酸素を還元するためのカソード8との
二つの電極よりなる二電極系で構成される。この従来の
光化学電池は、2次電池としての機能を有していないた
め、2電極系で構成しても問題はない。しかし、2次電
池機能(光エネルギー蓄積機能)を有する光化学2次電
池を実現するためには、いわゆる放電反応を行うための
正極および負極と、光エネルギーを電気化学的に変換し
て充電反応を進行させるための光電極とが必要になる。
このため、正極、負極、光電極の少なくとも三つ以上の
電極が必要になり、この光化学2次電池は3電極以上の
系で構成しなければならず、光化学2次電池の構造が複
雑になるという欠点があった。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、光エネルギーの蓄積、すなわち、光エネルギーによ
る充電が可能であり、充電器を必要としない省エネルギ
ー性に優れた光酸素2次電池を提供することにある。特
に、その主眼は、半導体や、光化学励起物質よりなる光
電極が不要な2電極系よりなる簡単な構成で、かつ、正
極活物質である酸素の正極表面への速やかな移動が可能
な構成にすることにより、大電流放電が可能な密閉型光
酸素2次電池を提供することを目的としている。
で、光エネルギーの蓄積、すなわち、光エネルギーによ
る充電が可能であり、充電器を必要としない省エネルギ
ー性に優れた光酸素2次電池を提供することにある。特
に、その主眼は、半導体や、光化学励起物質よりなる光
電極が不要な2電極系よりなる簡単な構成で、かつ、正
極活物質である酸素の正極表面への速やかな移動が可能
な構成にすることにより、大電流放電が可能な密閉型光
酸素2次電池を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の密閉型光
酸素2次電池は、酸素触媒からなる正極と、金属製の負
極部材からなる負極と、これら正極と負極とに接触する
電解質と、上記正極と上記負極と上記電解質とが収容さ
れる電池ケースとを有し、該電池ケースには、上記負極
をなす負極部材に光を入射する受光部が設けられた密閉
型光酸素2次電池であって、上記電解質は水酸イオンを
含み、かつ多孔体に吸収・保持され、上記負極部材を構
成する金属の酸化反応と酸素の還元反応により放電さ
れ、該放電により負極部材に生成した金属酸化物に光エ
ネルギーを作用させることにより、該金属酸化物を還元
させるとともに酸素を生成して充電されることを特徴と
するものである。
酸素2次電池は、酸素触媒からなる正極と、金属製の負
極部材からなる負極と、これら正極と負極とに接触する
電解質と、上記正極と上記負極と上記電解質とが収容さ
れる電池ケースとを有し、該電池ケースには、上記負極
をなす負極部材に光を入射する受光部が設けられた密閉
型光酸素2次電池であって、上記電解質は水酸イオンを
含み、かつ多孔体に吸収・保持され、上記負極部材を構
成する金属の酸化反応と酸素の還元反応により放電さ
れ、該放電により負極部材に生成した金属酸化物に光エ
ネルギーを作用させることにより、該金属酸化物を還元
させるとともに酸素を生成して充電されることを特徴と
するものである。
【0010】請求項2記載の密閉型光酸素2次電池は、
上記電解質には、酸素が溶存され、光照射充電時に負極
で生成された酸素と上記電解質中の酸素との両方が上記
正極における放電反応の活物質として作用することを特
徴とするものである。
上記電解質には、酸素が溶存され、光照射充電時に負極
で生成された酸素と上記電解質中の酸素との両方が上記
正極における放電反応の活物質として作用することを特
徴とするものである。
【0011】請求項3記載の密閉型光酸素2次電池は、
上記多孔体には、該多孔体の空隙に酸素が保持され、光
照射充電時に上記負極で生成された酸素と多孔体中の酸
素の両方が上記正極における放電反応の活物質として作
用することを特徴とするものである。
上記多孔体には、該多孔体の空隙に酸素が保持され、光
照射充電時に上記負極で生成された酸素と多孔体中の酸
素の両方が上記正極における放電反応の活物質として作
用することを特徴とするものである。
【0012】
【作用】本発明の密閉型光酸素2次電池にあっては、金
属製の負極部材の表面に生成される放電生成物である金
属酸化物が半導体特性を示し、この金属酸化物の光反応
を利用することにより、光充電反応が実現される。これ
により、負極を半導体電極で構成する必要がなくなる。
また、電解質を多孔体に吸収・保持させたので、多孔体
に保持された電解質中に空隙が形成され、負極と正極と
の間に、気体が移動する通路が形成される。このため、
光充電時に負極で生成され、電池内に蓄積された酸素
を、放電時に正極の酸素触媒上へ素早く拡散することが
可能になる。また、本発明は、正極表面に酸素と電解質
と酸素触媒とによる気ー液ー固の3相界面が容易に形成
されるので、正極に特に撥水処理を施す必要がなくな
る。したがって、正極の酸素触媒が外気中の酸素と接触
する構成にしなくても、比較的大電流で放電することが
可能になる。
属製の負極部材の表面に生成される放電生成物である金
属酸化物が半導体特性を示し、この金属酸化物の光反応
を利用することにより、光充電反応が実現される。これ
により、負極を半導体電極で構成する必要がなくなる。
また、電解質を多孔体に吸収・保持させたので、多孔体
に保持された電解質中に空隙が形成され、負極と正極と
の間に、気体が移動する通路が形成される。このため、
光充電時に負極で生成され、電池内に蓄積された酸素
を、放電時に正極の酸素触媒上へ素早く拡散することが
可能になる。また、本発明は、正極表面に酸素と電解質
と酸素触媒とによる気ー液ー固の3相界面が容易に形成
されるので、正極に特に撥水処理を施す必要がなくな
る。したがって、正極の酸素触媒が外気中の酸素と接触
する構成にしなくても、比較的大電流で放電することが
可能になる。
【0013】
【実施例】第1の実施例 まず、本発明の密閉型光酸素2次電池の第1の実施例
を、図1および図2を用いて説明する。ここで、図2は
本実施例の光酸素2次電池の外観図を示し、図1は図2
のXーX´線に沿う断面図である。図中符号21は酸素
触媒よりなる正極、22は金属製の負極部材22aから
なる負極、23は正極21と負極22とに接触する電解
質、24は電解質23を吸収・保持する多孔体、25は
正極21に電気的に接続された正極端子、26は負極2
2に電気的に接続された負極端子、27は電池ケースで
ある。
を、図1および図2を用いて説明する。ここで、図2は
本実施例の光酸素2次電池の外観図を示し、図1は図2
のXーX´線に沿う断面図である。図中符号21は酸素
触媒よりなる正極、22は金属製の負極部材22aから
なる負極、23は正極21と負極22とに接触する電解
質、24は電解質23を吸収・保持する多孔体、25は
正極21に電気的に接続された正極端子、26は負極2
2に電気的に接続された負極端子、27は電池ケースで
ある。
【0014】この電池ケース27は、角箱状に形成され
ており、表面を兼ねる光透過材等からなる受光部27a
と、裏面に設けられた板状の底部27bとを有する。電
池ケース27には、底部27b側に配設された正極21
と、受光部27a側に配設された負極22とが並設され
て収納され、これら底部27bと正極21との間、正極
21と負極22との間、および負極22と受光部27a
との間にそれぞれ多孔体24が収納されている。この多
孔体24には、液状電解質23が吸収・保持されてい
る。
ており、表面を兼ねる光透過材等からなる受光部27a
と、裏面に設けられた板状の底部27bとを有する。電
池ケース27には、底部27b側に配設された正極21
と、受光部27a側に配設された負極22とが並設され
て収納され、これら底部27bと正極21との間、正極
21と負極22との間、および負極22と受光部27a
との間にそれぞれ多孔体24が収納されている。この多
孔体24には、液状電解質23が吸収・保持されてい
る。
【0015】また、電池ケース27は、ABS樹脂やフ
ッ素樹脂等の電解質23に侵されない材質であれば特に
限定されない。ただし、電池ケース27の受光部27a
は、ガラス、石英ガラス、アクリル、スチロール等の少
なくとも可視光の一部や紫外光の一部を透過する(無色
あるいは有色の)透明板や透明フィルム等で構成され
る。もちろん電池ケース27全体をこれら透明板や透明
フィルム等の部材で構成してもよい。
ッ素樹脂等の電解質23に侵されない材質であれば特に
限定されない。ただし、電池ケース27の受光部27a
は、ガラス、石英ガラス、アクリル、スチロール等の少
なくとも可視光の一部や紫外光の一部を透過する(無色
あるいは有色の)透明板や透明フィルム等で構成され
る。もちろん電池ケース27全体をこれら透明板や透明
フィルム等の部材で構成してもよい。
【0016】すなわち、光充電反応が進行するために
は、照射光が負極22をなす負極部材22aの表面に到
達する必要があるが、照射光が電池ケース27によって
吸収あるいは反射される結果、負極部材22aの表面に
到達する光エネルギーが極端に低下するのを防止するた
め、受光部27aを透明板や透明フィルムで構成するの
が好ましい。
は、照射光が負極22をなす負極部材22aの表面に到
達する必要があるが、照射光が電池ケース27によって
吸収あるいは反射される結果、負極部材22aの表面に
到達する光エネルギーが極端に低下するのを防止するた
め、受光部27aを透明板や透明フィルムで構成するの
が好ましい。
【0017】このような密閉型光酸素2次電池は、電解
液23の減少を防止するために、光酸素2次電池の構造
を密封構造とし、光照射(充電時)に負極22で生成さ
れ、電池ケース27内に蓄積された酸素を、正極活物質
として放電する構成にされている。すなわち、電解液2
3は電池ケース27内に密封されている。このように光
酸素2次電池を密封構造とすることにより、酸素を正極
活物質とした構成であるにも拘わらず、電解質23の減
少を防止して、耐久性に優れた光酸素2次電池を実現で
きる。
液23の減少を防止するために、光酸素2次電池の構造
を密封構造とし、光照射(充電時)に負極22で生成さ
れ、電池ケース27内に蓄積された酸素を、正極活物質
として放電する構成にされている。すなわち、電解液2
3は電池ケース27内に密封されている。このように光
酸素2次電池を密封構造とすることにより、酸素を正極
活物質とした構成であるにも拘わらず、電解質23の減
少を防止して、耐久性に優れた光酸素2次電池を実現で
きる。
【0018】また、電池ケース27内に蓄積された酸素
を放電時に正極21の酸素触媒上に素早く拡散させ、高
率(大電流)放電特性を向上させるために、電解質23
は多孔体24に吸収・保持される。すなわち、電解質2
3中に空隙30が形成され、負極22と正極21との間
に気体が移動できる通路が形成される。この結果、光充
電時に負極22で生成され、電池ケース27内に蓄積さ
れた酸素を、放電時に正極21の酸素触媒上に素早く拡
散することが可能になる。さらに、電解質23を多孔体
24に吸収・保持させることにより、正極21を特に撥
水処理を施した酸素触媒で構成しなくても、正極21の
表面に、酸素と電解質23と酸素触媒とによる気ー液ー
固の3相界面が容易に形成され、放電反応を円滑に進行
させることができる。
を放電時に正極21の酸素触媒上に素早く拡散させ、高
率(大電流)放電特性を向上させるために、電解質23
は多孔体24に吸収・保持される。すなわち、電解質2
3中に空隙30が形成され、負極22と正極21との間
に気体が移動できる通路が形成される。この結果、光充
電時に負極22で生成され、電池ケース27内に蓄積さ
れた酸素を、放電時に正極21の酸素触媒上に素早く拡
散することが可能になる。さらに、電解質23を多孔体
24に吸収・保持させることにより、正極21を特に撥
水処理を施した酸素触媒で構成しなくても、正極21の
表面に、酸素と電解質23と酸素触媒とによる気ー液ー
固の3相界面が容易に形成され、放電反応を円滑に進行
させることができる。
【0019】上記正極21は、カーボン(多孔炭素)や
多孔ニッケル、および、これらにPtやPdを担持した
多孔性酸素触媒(Pt−C,Pd−C,Pt−Ni,P
d−Ni)、さらに、Pt,Pd,Ir,Rh,Os,
Ru,Pt−Co,Pt−Au,Pt−Sn,Pd−A
u,Ru−Ta,Pt−Pd−Au,Pt−酸化物,A
u,Ag,Ag−C,Ni−P,Ag−Ni−P,ラネ
ーニッケル,Ni−Mn,Ni−酸化コバルト、Cu−
Ag,Cu−Au,ラネー銀等の貴金属および合金,ホ
ウ化ニッケル,ホウ化コバルト,炭化タングステン,水
酸化チタン,リン化タングステン,リン化ニオブ,遷移
金属の炭化物,スピネル化合物,酸化銀,酸化タングス
テン,遷移金属のペロブスカイト型イオン結晶等の無機
化合物、および、バクテリア、非イオン活性剤、フタロ
シアニン,金属フタロシアニン,活性炭,キノン類等の
有機化合物のいずれかで構成されるのが好ましい。
多孔ニッケル、および、これらにPtやPdを担持した
多孔性酸素触媒(Pt−C,Pd−C,Pt−Ni,P
d−Ni)、さらに、Pt,Pd,Ir,Rh,Os,
Ru,Pt−Co,Pt−Au,Pt−Sn,Pd−A
u,Ru−Ta,Pt−Pd−Au,Pt−酸化物,A
u,Ag,Ag−C,Ni−P,Ag−Ni−P,ラネ
ーニッケル,Ni−Mn,Ni−酸化コバルト、Cu−
Ag,Cu−Au,ラネー銀等の貴金属および合金,ホ
ウ化ニッケル,ホウ化コバルト,炭化タングステン,水
酸化チタン,リン化タングステン,リン化ニオブ,遷移
金属の炭化物,スピネル化合物,酸化銀,酸化タングス
テン,遷移金属のペロブスカイト型イオン結晶等の無機
化合物、および、バクテリア、非イオン活性剤、フタロ
シアニン,金属フタロシアニン,活性炭,キノン類等の
有機化合物のいずれかで構成されるのが好ましい。
【0020】また、負極22をなす負極部材22aの材
料としては、Ti,Zn,Fe,Pb,Al,Co,H
f,V,Nb,Ni,Pd,Pt,Cu,Ag,Cd,
In,Ge,Sn,Bi,Th,Ta,Cr,Mo,
W,Pr,Bi,U等のその酸化物が半導体特性を示す
金属、および、これらの複合成分系金属、合金等で構成
される。なお、これらの金属は、空気中の酸素、窒素、
二酸化炭素、あるいは、電解質23との接触により微量
の金属酸化物、窒化物、炭化物、水酸化物、あるいはこ
れらの複合化合物をその表面に自然生成するが、半導体
特性を示す生成物は光充電反応を促進することになり、
このような化合物が負極部材22a中に含まれることは
好ましい。
料としては、Ti,Zn,Fe,Pb,Al,Co,H
f,V,Nb,Ni,Pd,Pt,Cu,Ag,Cd,
In,Ge,Sn,Bi,Th,Ta,Cr,Mo,
W,Pr,Bi,U等のその酸化物が半導体特性を示す
金属、および、これらの複合成分系金属、合金等で構成
される。なお、これらの金属は、空気中の酸素、窒素、
二酸化炭素、あるいは、電解質23との接触により微量
の金属酸化物、窒化物、炭化物、水酸化物、あるいはこ
れらの複合化合物をその表面に自然生成するが、半導体
特性を示す生成物は光充電反応を促進することになり、
このような化合物が負極部材22a中に含まれることは
好ましい。
【0021】また、電解質23として、水酸化カリウ
ム、水酸化ナトリウム、塩化アンモニウム等の塩基や、
弱酸等の液状電解質が用いられる。また、充電性能は低
下するが、硫酸、塩酸等の強酸や塩を使うこともでき
る。
ム、水酸化ナトリウム、塩化アンモニウム等の塩基や、
弱酸等の液状電解質が用いられる。また、充電性能は低
下するが、硫酸、塩酸等の強酸や塩を使うこともでき
る。
【0022】多孔体24は、ガラス繊維やポリアミド系
繊維不織布、ポリオレフィン系繊維不織布、セルロー
ス、合成樹脂等の電解質23に対する耐久性、すなわ
ち、耐塩基性又は耐酸性を有するものであれば特に限定
されない。ただし、光充電に必要な照射光の強度が上記
多孔体24に吸収されて減衰するのを避けるため、全多
孔体24の中で少なくとも電池ケース27の受光部27
aと負極22との間に配される部分は、ガラス繊維のよ
うな可視光の一部または紫外光の一部に対する透過性を
有する部材で構成するか、又は、薄膜状に形成するのが
好ましい。
繊維不織布、ポリオレフィン系繊維不織布、セルロー
ス、合成樹脂等の電解質23に対する耐久性、すなわ
ち、耐塩基性又は耐酸性を有するものであれば特に限定
されない。ただし、光充電に必要な照射光の強度が上記
多孔体24に吸収されて減衰するのを避けるため、全多
孔体24の中で少なくとも電池ケース27の受光部27
aと負極22との間に配される部分は、ガラス繊維のよ
うな可視光の一部または紫外光の一部に対する透過性を
有する部材で構成するか、又は、薄膜状に形成するのが
好ましい。
【0023】第2の実施例 次に、密閉型光酸素2次電池の第2の実施例について、
図3を用いて説明する。図3は本発明の第2の実施例を
説明する図であり、図3(A)は第2の実施例の密閉型
光酸素2次電池の断面図であり、図3(B)は図3
(A)の電解質部分を拡大したときの構成図である。図
中、符号28は水溶液の電解質23に溶存させた酸素で
あり、他の符号は全て第1の実施例と同一である。本実
施例においては、電解質23には、水溶液の電解質23
中にバブリング等の方法により酸素28が強制的に溶存
され、他の構成は、全て第1の実施例と同じである。
図3を用いて説明する。図3は本発明の第2の実施例を
説明する図であり、図3(A)は第2の実施例の密閉型
光酸素2次電池の断面図であり、図3(B)は図3
(A)の電解質部分を拡大したときの構成図である。図
中、符号28は水溶液の電解質23に溶存させた酸素で
あり、他の符号は全て第1の実施例と同一である。本実
施例においては、電解質23には、水溶液の電解質23
中にバブリング等の方法により酸素28が強制的に溶存
され、他の構成は、全て第1の実施例と同じである。
【0024】このような密閉型光酸素2次電池では、光
照射充電時に負極22で生成された酸素と上記水溶液の
電解質23中に溶存させた酸素28の両方が上記正極2
1における放電反応の活物質として利用される。
照射充電時に負極22で生成された酸素と上記水溶液の
電解質23中に溶存させた酸素28の両方が上記正極2
1における放電反応の活物質として利用される。
【0025】第3の実施例 次に、密閉型光酸素2次電池の第3の実施例について、
図4を用いて説明する。図4(A)は密閉型光酸素2次
電池の第3の実施例を示す断面図であり、図4(B)は
図4(A)の電解質の部分を拡大したときの構成図であ
る。図中、符号29は多孔体24の空隙30中に保持さ
せた酸素であり、他の符号は、全て第1の実施例と同一
である。本実施例において、多孔体24には、酸素ボン
ベを用いた圧入等の方法により多孔体24の空隙30中
に酸素29が強制的に保持され、他の構成は、全て第1
の実施例と同じである。このような第3の実施例では、
光照射充電時に負極22で生成された酸素と上記多孔体
24の空隙30に保持させた酸素29の両方を上記正極
21における放電反応の活物質として作用させることが
できる。
図4を用いて説明する。図4(A)は密閉型光酸素2次
電池の第3の実施例を示す断面図であり、図4(B)は
図4(A)の電解質の部分を拡大したときの構成図であ
る。図中、符号29は多孔体24の空隙30中に保持さ
せた酸素であり、他の符号は、全て第1の実施例と同一
である。本実施例において、多孔体24には、酸素ボン
ベを用いた圧入等の方法により多孔体24の空隙30中
に酸素29が強制的に保持され、他の構成は、全て第1
の実施例と同じである。このような第3の実施例では、
光照射充電時に負極22で生成された酸素と上記多孔体
24の空隙30に保持させた酸素29の両方を上記正極
21における放電反応の活物質として作用させることが
できる。
【0026】以下、上述した実施例における密閉型光酸
素2次電池の充放電時の動作を簡単に説明する。放電時
には、負極22上で、負極22をなす金属製の負極部材
22aと電解質23中の水酸イオンとが反応して、最終
的に金属酸化物と水とが生成するとともに、負極端子2
6を通じて電子を外部負荷に供給する。
素2次電池の充放電時の動作を簡単に説明する。放電時
には、負極22上で、負極22をなす金属製の負極部材
22aと電解質23中の水酸イオンとが反応して、最終
的に金属酸化物と水とが生成するとともに、負極端子2
6を通じて電子を外部負荷に供給する。
【0027】一方、正極21上では、酸素と電解質23
と酸素触媒(正極)21により形成される三相界面にお
いて、酸素と電解質23中の水及び負極22から負荷を
通して供給(放出)されてきた電子とが反応して、水酸
イオンを生成する。この放電反応においては、電池系全
体では正極21と負極22での反応が相殺される結果、
電解質23の減少は全く起きない。結局、本放電反応に
よって消費されるのは金属製の負極部材22aであり、
金属酸化物が生成する。従って、本実施例の密閉型光酸
素2次電池を充電するということは、金属酸化物を還元
するということにほかならない。
と酸素触媒(正極)21により形成される三相界面にお
いて、酸素と電解質23中の水及び負極22から負荷を
通して供給(放出)されてきた電子とが反応して、水酸
イオンを生成する。この放電反応においては、電池系全
体では正極21と負極22での反応が相殺される結果、
電解質23の減少は全く起きない。結局、本放電反応に
よって消費されるのは金属製の負極部材22aであり、
金属酸化物が生成する。従って、本実施例の密閉型光酸
素2次電池を充電するということは、金属酸化物を還元
するということにほかならない。
【0028】ところで、一般に光充電を実現するために
は、正極21と負極22との他に光反応を行うための光
電極が必要である。しかし、本実施例の密閉型光酸素2
次電池には、このような光電極は存在しない。それにも
かかわらず、光充電を行えるのは、以下の理由による。
本実施例においては、上記放電反応により負極22の表
面に生成された金属酸化物が、光電極として機能する結
果、光電極が存在しなくても光充電反応が進行する。こ
の充電反応を更に詳しく説明する。
は、正極21と負極22との他に光反応を行うための光
電極が必要である。しかし、本実施例の密閉型光酸素2
次電池には、このような光電極は存在しない。それにも
かかわらず、光充電を行えるのは、以下の理由による。
本実施例においては、上記放電反応により負極22の表
面に生成された金属酸化物が、光電極として機能する結
果、光電極が存在しなくても光充電反応が進行する。こ
の充電反応を更に詳しく説明する。
【0029】放電生成物である金属酸化物は半導体特性
を示し、この放電生成物と電解質23との接触界面にお
いて、放電生成物のエネルギーバンドは電解質23側へ
向って上方曲りとなる。このときに、放電生成物の表面
に太陽や蛍光燈等の光エネルギーが照射されると、放電
生成物の伝導帯に電子を励起して価電子帯にホールを生
む。このホールは、上記バンドの曲りに沿って電解質2
3側へ運ばれ、負極部材22a表面で水酸イオンと反応
して酸素と水を生成する。一方、伝導帯に励起された電
子は、バンドの曲りに沿って、まだ酸化されていない負
極部材22aへ移動し、やがて、金属製の負極部材22
aー金属酸化物ー電解質23の界面に達する。ここで、
上記電子が、電解質23中の水と反応して水酸イオンを
生成するとともに、未反応の金属部分はこれ以上還元で
きないため、金属酸化物である放電生成物を還元する。
以上の経過を経て、光充電反応が進行する。
を示し、この放電生成物と電解質23との接触界面にお
いて、放電生成物のエネルギーバンドは電解質23側へ
向って上方曲りとなる。このときに、放電生成物の表面
に太陽や蛍光燈等の光エネルギーが照射されると、放電
生成物の伝導帯に電子を励起して価電子帯にホールを生
む。このホールは、上記バンドの曲りに沿って電解質2
3側へ運ばれ、負極部材22a表面で水酸イオンと反応
して酸素と水を生成する。一方、伝導帯に励起された電
子は、バンドの曲りに沿って、まだ酸化されていない負
極部材22aへ移動し、やがて、金属製の負極部材22
aー金属酸化物ー電解質23の界面に達する。ここで、
上記電子が、電解質23中の水と反応して水酸イオンを
生成するとともに、未反応の金属部分はこれ以上還元で
きないため、金属酸化物である放電生成物を還元する。
以上の経過を経て、光充電反応が進行する。
【0030】以上説明したように、第1の実施例、第2
の実施例、第3の実施例に示した構成をとることによっ
て、従来の密閉型光酸素2次電池にはない、酸素をエネ
ルギー源とした放電と光エネルギーによる充電が可能
で、充電器を必要としない省エネルギー性に優れた2次
電池を提供することができる。特に、高温環境下で長期
に使用しても、電解質23が減少する恐れのない、耐久
性に優れた密閉型光酸素2次電池を提供することができ
る。
の実施例、第3の実施例に示した構成をとることによっ
て、従来の密閉型光酸素2次電池にはない、酸素をエネ
ルギー源とした放電と光エネルギーによる充電が可能
で、充電器を必要としない省エネルギー性に優れた2次
電池を提供することができる。特に、高温環境下で長期
に使用しても、電解質23が減少する恐れのない、耐久
性に優れた密閉型光酸素2次電池を提供することができ
る。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の密閉型光
酸素2次電池によれば、以下の効果を奏することができ
る。請求項1記載の密閉型光酸素2次電池によれば、酸
素触媒からなる正極と、金属製の負極部材からなる負極
と、これら正極と負極とに接触する電解質と、上記正極
と上記負極と上記電解質とが収容される電池ケースとを
有し、該電池ケースには、上記負極をなす負極部材に光
を入射する受光部が設けられ、上記負極部材の酸化反応
と酸素の還元反応により放電され、該放電により負極部
材に生成した放電生成物に光エネルギーを作用させるこ
とにより、該放電生成物を還元させるとともに酸素を生
成して充電されるので、放電時に負極の表面に生成する
放電生成物の光反応性を利用して、光エネルギーによる
充電が実現する。すなわち、放電生成物である金属酸化
物は半導体特性を示し、この放電生成物と電解質との接
触界面において、放電生成物のエネルギーバンドは電解
質側へ向って上方曲りとなる。この放電生成物に光エネ
ルギーを作用させ、放電生成物の伝導帯に電子を励起さ
せて価電子帯にホールを生じせしめる。このホールを上
記エネルギーバンドの曲りに沿って電解質側へ運び、負
極部材の表面で水酸イオンと反応させて酸素と水を生成
する。一方、伝導帯に励起された電子をエネルギーバン
ドの曲りに沿って負極部材へ移動させ、金属製の負極部
材ー金属酸化物ー電解質の界面に達する。ここで、上記
電子が、電解質中の水と反応し、水酸イオンを生成する
とともに、放電生成物を還元する。
酸素2次電池によれば、以下の効果を奏することができ
る。請求項1記載の密閉型光酸素2次電池によれば、酸
素触媒からなる正極と、金属製の負極部材からなる負極
と、これら正極と負極とに接触する電解質と、上記正極
と上記負極と上記電解質とが収容される電池ケースとを
有し、該電池ケースには、上記負極をなす負極部材に光
を入射する受光部が設けられ、上記負極部材の酸化反応
と酸素の還元反応により放電され、該放電により負極部
材に生成した放電生成物に光エネルギーを作用させるこ
とにより、該放電生成物を還元させるとともに酸素を生
成して充電されるので、放電時に負極の表面に生成する
放電生成物の光反応性を利用して、光エネルギーによる
充電が実現する。すなわち、放電生成物である金属酸化
物は半導体特性を示し、この放電生成物と電解質との接
触界面において、放電生成物のエネルギーバンドは電解
質側へ向って上方曲りとなる。この放電生成物に光エネ
ルギーを作用させ、放電生成物の伝導帯に電子を励起さ
せて価電子帯にホールを生じせしめる。このホールを上
記エネルギーバンドの曲りに沿って電解質側へ運び、負
極部材の表面で水酸イオンと反応させて酸素と水を生成
する。一方、伝導帯に励起された電子をエネルギーバン
ドの曲りに沿って負極部材へ移動させ、金属製の負極部
材ー金属酸化物ー電解質の界面に達する。ここで、上記
電子が、電解質中の水と反応し、水酸イオンを生成する
とともに、放電生成物を還元する。
【0032】したがって、光2次電池であるにも拘わら
ず、半導体や化学励起物質よりなる光電極が不要にな
り、2電極系の簡単な構造になり、電池構造を簡易化す
ることができる。そして、電解質を多孔体に吸収・保持
させているので、多孔体中に保持された電解質中に空隙
が形成され、負極と正極との間に、気体が移動する通路
が形成される。このため、正極表面への酸素の拡散が円
滑になり、放電性能の優れた光酸素2次電池を実現でき
る。よって、放電性能に優れ、かつ、構造および製造が
簡単で、省エネルギー性に優れ、光充電が可能な密閉型
光酸素2次電池を提供することができる。
ず、半導体や化学励起物質よりなる光電極が不要にな
り、2電極系の簡単な構造になり、電池構造を簡易化す
ることができる。そして、電解質を多孔体に吸収・保持
させているので、多孔体中に保持された電解質中に空隙
が形成され、負極と正極との間に、気体が移動する通路
が形成される。このため、正極表面への酸素の拡散が円
滑になり、放電性能の優れた光酸素2次電池を実現でき
る。よって、放電性能に優れ、かつ、構造および製造が
簡単で、省エネルギー性に優れ、光充電が可能な密閉型
光酸素2次電池を提供することができる。
【0033】また、請求項2記載の密閉型光酸素2次電
池によれば、充電時に負極で生成された酸素に加え、電
解質中に溶存させた酸素も放電反応の活物質として作用
するので、さらに大電流の放電が可能になる。
池によれば、充電時に負極で生成された酸素に加え、電
解質中に溶存させた酸素も放電反応の活物質として作用
するので、さらに大電流の放電が可能になる。
【0034】さらに、請求項3記載の密閉型光酸素2次
電池によれば、電解質中だけに酸素を溶存させる場合に
比べ、多孔体の空隙に多量の酸素を存在させることがで
き、電解質中への酸素の溶解度による酸素量に限定され
ず、さらに、大電流の放電が可能である。
電池によれば、電解質中だけに酸素を溶存させる場合に
比べ、多孔体の空隙に多量の酸素を存在させることがで
き、電解質中への酸素の溶解度による酸素量に限定され
ず、さらに、大電流の放電が可能である。
【図1】本発明の密閉型光酸素2次電池に係る第1の実
施例を示し、図2のX−X’線に沿う断面図である。
施例を示し、図2のX−X’線に沿う断面図である。
【図2】図1に示す第1の実施例の密閉型光酸素2次電
池の斜視図である。
池の斜視図である。
【図3】本発明の密閉型光酸素2次電池に係る第2の実
施例を示す断面図である。
施例を示す断面図である。
【図4】本発明の密閉型光酸素2次電池に係る第3の実
施例を示す断面図である。
施例を示す断面図である。
【図5】従来の光化学電池を示す構成図である。
21…正極 22…負極 22a…負極部材 23…電解質 24…多孔体 27…電池ケース 27a…受光部 28・29…酸素 30…空隙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾形 努 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 昭50−28645(JP,A) 特開 平4−171681(JP,A) 特開 平6−111859(JP,A) 特開 平5−266932(JP,A) 特開 平6−215807(JP,A) 特開 昭52−143791(JP,A) 特開 昭52−74831(JP,A) 米国特許4042758(US,A) 阿久戸敬治、加藤直樹、竹内正明、尾 形努,光空気2次電池,電子情報通信学 会技術研究報告,日本,社団法人電子情 報通信学会,1992年1月24日,Vol. 91,No.439,p.15−20 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 14/00 H01L 31/04
Claims (3)
- 【請求項1】 酸素触媒からなる正極と、金属製の負極
部材からなる負極と、これら正極と負極とに接触する電
解質と、上記正極と上記負極と上記電解質とが収容され
る電池ケースとを有し、該電池ケースには、上記負極を
なす負極部材に光を入射する受光部が設けられた密閉型
光酸素2次電池であって、上記電解質は水酸イオンを含
み、かつ多孔体に吸収・保持され、上記負極部材を構成
する金属の酸化反応と酸素の還元反応により放電され、
該放電により負極部材に生成した金属酸化物に光エネル
ギーを作用させることにより、該金属酸化物を還元させ
るとともに酸素を生成して充電されることを特徴とする
密閉型光酸素2次電池。 - 【請求項2】 上記電解質には、酸素が溶存され、光照
射充電時に負極で生成された酸素と上記電解質中の酸素
との両方が上記正極における放電反応の活物質として作
用することを特徴とする請求項1記載の密閉型光酸素2
次電池。 - 【請求項3】 上記多孔体には、該多孔体の空隙に酸素
が保持され、光照射充電時に上記負極で生成された酸素
と多孔体中の酸素の両方が上記正極における放電反応の
活物質として作用することを特徴とする請求項1記載の
密閉型光酸素2次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26761293A JP3306685B2 (ja) | 1993-10-26 | 1993-10-26 | 密閉型光酸素2次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26761293A JP3306685B2 (ja) | 1993-10-26 | 1993-10-26 | 密閉型光酸素2次電池 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07122305A JPH07122305A (ja) | 1995-05-12 |
JP3306685B2 true JP3306685B2 (ja) | 2002-07-24 |
Family
ID=17447137
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26761293A Expired - Fee Related JP3306685B2 (ja) | 1993-10-26 | 1993-10-26 | 密閉型光酸素2次電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3306685B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4415482B2 (ja) * | 2000-03-28 | 2010-02-17 | パナソニック電工株式会社 | 光電変換素子 |
AU2004302117B2 (en) * | 2003-08-06 | 2008-05-15 | Fujikura Ltd. | Photoelectric converter and method for manufacturing same |
JP5125461B2 (ja) * | 2007-01-18 | 2013-01-23 | 株式会社豊田中央研究所 | リチウム空気電池 |
-
1993
- 1993-10-26 JP JP26761293A patent/JP3306685B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
阿久戸敬治、加藤直樹、竹内正明、尾形努,光空気2次電池,電子情報通信学会技術研究報告,日本,社団法人電子情報通信学会,1992年1月24日,Vol.91,No.439,p.15−20 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07122305A (ja) | 1995-05-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4381978A (en) | Photoelectrochemical system and a method of using the same | |
US3432354A (en) | Electrochemical power supply with movable anode material | |
Anastasijević et al. | Oxygen reduction on a ruthenium electrode in alkaline electrolytes | |
BR9408576A (pt) | Pilha recarregável isenta de mercúrio e processo de fabricação de um anodo de zinco isento de mercúrio | |
US20070184309A1 (en) | Methods for use of a photobiofuel cell in production of hydrogen and other materials | |
JP2003151567A (ja) | 酸素還元用複合電極 | |
Cameron et al. | Direct methanol fuel cells | |
US20090023028A1 (en) | Fuel Cell | |
US5438556A (en) | Horological piece comprising a photovoltaic cell having a photelectrochemical region | |
WO1991002385A1 (en) | Battery containing solid protonically conducting electrolyte | |
US6444337B1 (en) | Fuel cell with low cathodic polarization and high power density | |
EP0553023B1 (en) | Photochargeable air battery | |
JP3306685B2 (ja) | 密閉型光酸素2次電池 | |
US5804325A (en) | Non poisoning fuel cell and method | |
JP3304006B2 (ja) | 光化学2次電池 | |
JPH09259942A (ja) | 光水素化空気二次電池 | |
US20040023112A1 (en) | Granular anode for metal-air fuel cell battery | |
US4242423A (en) | Optical-charging type half-cell, and photochemical battery using the same | |
JP3194448B2 (ja) | 光空気2次電池 | |
JP3301454B2 (ja) | 光化学2次電池 | |
JP2998765B2 (ja) | 光空気2次電池 | |
JP3273477B2 (ja) | 光空気2次電池 | |
JP3196151B2 (ja) | 光空気2次電池 | |
JPH06215807A (ja) | 光2次電池 | |
JP3194449B2 (ja) | 光空気2次電池 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |