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JP3304468B2 - 1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン類及び1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブタンの製造方法 - Google Patents

1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン類及び1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブタンの製造方法

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JP3304468B2
JP3304468B2 JP03450493A JP3450493A JP3304468B2 JP 3304468 B2 JP3304468 B2 JP 3304468B2 JP 03450493 A JP03450493 A JP 03450493A JP 3450493 A JP3450493 A JP 3450493A JP 3304468 B2 JP3304468 B2 JP 3304468B2
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butene
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博一 青山
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、HCFCの代替物とし
て、発泡、洗浄、熱媒体として用いられる有用な化合物
である1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブタン
の製造方法、及びその反応中間体として得られ、工業薬
品として医農薬中間体等に使用可能な1,1,1,4,
4,4−ヘキサフルオロ−2,3−ジクロロ−2−ブテ
ン、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ク
ロロ−2−ブテン及び1,1,1,4,4,4−ヘキサ
フルオロ−2−ブテンからなる1,1,1,4,4,4
−ヘキサフルオロ−2−ブテン類の製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオ
ロ−2,3−ジクロロ−2−ブテンは、ヘキサクロロブ
タジエンの塩化フッ素化によって合成できることが知ら
れている(米国特許第3149170 号公報)。また、1,
1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−クロロ−2
−ブテンは、ヘキサクロロ−1,3−ブタジエンをハロ
ゲン化アンチモンの存在下でHFによってフッ素化する
ことによって生成することが知られている(特開昭64−
50830 号公報)。
【0003】しかし、公知の方法において原料として用
いるヘキサクロロブタジエンは高価であり、大量に入手
することは困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、1,
1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2,3−ジクロ
ロ−2−ブテン、1,1,1,4,4,4−ヘキサフル
オロ−2−クロロ−2−ブテン及び1,1,1,4,
4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンのより安価な工業
的製造法を提供し、かつ、これらの還元によって1,
1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブタンの安価な工
業的製造法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、工業的に有
用で安価な1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−
2,3−ジクロロ−2−ブテン、1,1,1,4,4,
4−ヘキサフルオロ−2−クロロ−2−ブテン及び1,
1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンの製
法を確立するとともに、それらの混合物から1,1,
1,4,4,4−ヘキサフルオロブタンの製法を確立す
るために鋭意検討した結果、安価で容易に入手可能なブ
タン、ブテン及びブタジエンの少なくとも1つを適切な
触媒の存在下に塩素およびHFと反応することにより、
目的物である1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ
−2,3−ジクロロ−2−ブテン、1,1,1,4,
4,4−ヘキサフルオロ−2−クロロ−2−ブテン及び
1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン
の混合物(1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−
2−ブテン類)が一段階で収率良く生成すること、かつ
それらの生成物を貴金属触媒の存在下に還元することに
より、選択率良く1,1,1,4,4,4−ヘキサフル
オロブタンが得られることを見出し、本発明を完成させ
た。
【0006】本発明の方法において、ブタン、ブテン、
ブタジエンは単独に又は混合物として原料に用いること
ができる。また、反応の中間体である一部塩素化又は/
及びフッ素化したブタン、ブタジエン、2−ブテンも反
応生成物から分離して用いることができる。塩素化又は
/及びフッ素化したブタン、ブタジエン、2−ブテンを
別法により合成して反応に用いることもできる。
【0007】反応に用いる触媒は、金属塩の溶液よりア
ルカリを用いて析出させた金属(例えばクロム)の酸化
物をHFを用いてフッ素化した金属フッ素化物及び/又
は金属オキシフッ素化物を用いることができる。金属塩
として、塩酸塩、硝酸塩を用いることができる。アルカ
リとしては、アンモニア、尿素、金属水酸化物を用いる
ことができる。
【0008】金属としては、アルミニウム、クロム、マ
ンガン、ニッケル、コバルト、鉄及び亜鉛の中から選ば
れる1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
また、上記金属のハロゲン化物をフッ素化した金属フッ
化物及び/又はこれを酸化して得られる金属オキシフッ
化物も用いることができる。
【0009】それらの金属フッ素化物は単独に用いるか
または適当な担体に担持することもできる。担体として
は、触媒活性に影響を与えないものであれば良く、一例
を挙げれば、活性炭、フッ化アルミニウムなどを用いる
ことができる。
【0010】反応温度は 250℃〜450 ℃の範囲で適当に
選べるが、反応温度が低ければ反応は遅く、実用的では
ない。好ましくは 300℃〜400 ℃で行う。
【0011】反応は発熱的であるが、HFの量、及びリ
サイクルする中間体の量を適切に選ぶことで、容易に反
応温度は制御できる。
【0012】反応温度、HF量、塩素量によって1,
1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2,3−ジクロ
ロ−2−ブテン、1,1,1,4,4,4−ヘキサフル
オロ−2−クロロ−2−ブテン及び1,1,1,4,
4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンの生成割合は容易
に制御できるので、これらは目的とする選択率に従って
適切に選ばれなくてはならない。
【0013】一般に、HFは反応させるブタン、ブテ
ン、ブタジエンに対して5〜50倍モル、塩素は反応させ
るブタンに対して8〜80倍モル用いられる。しかし、こ
れらの値は一般的なものであって、実際の合成では一部
フッ素化及び/又は塩素化されたブタン、2−ブテンが
リサイクルされるので、リサイクル量によってこれらは
増減される。
【0014】ブタン、ブテン、ブタジエンの塩フッ素化
では、反応条件により一部不完全に反応したものも生成
するが、それらは蒸留などの適切な手段を用いて分離
し、反応器内にリサイクルすることができる。
【0015】一部不完全に反応した生成物を取り除き、
実質的に1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−
2,3−ジクロロ−2−ブテン、1,1,1,4,4,
4−ヘキサフルオロ−2−クロロ−2−ブテン及び1,
1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンだけ
を含む混合物を原料として、貴金属触媒下での還元反応
により,1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブタ
ンの合成を行うことが好ましい。
【0016】この還元反応(水素化反応)に用いる貴金
属触媒は、貴金属を通常用いられる方法で担体に担持し
たものを用いるのがよい。貴金属としてはPt、Pdな
どが挙げられる。担体は、反応に直接関与しないもので
あればよく、例えばアルミナ、活性炭などが挙げられ
る。
【0017】水素化に用いる水素は一般に、上記混合物
に対して1〜10倍モルとするのがよい。
【0018】水素化反応の反応温度は20℃〜300 ℃の範
囲で適切に選べる。反応温度が低い場合、塩素を含むブ
タンが生成し、温度を高くすると還元触媒の劣化を速め
ることとなり易い。しかし、塩素を含むブタンは蒸留な
ど通常の方法で分離できるので、分離後これらをリサイ
クルすることができる。
【0019】
【発明の作用効果】本発明の方法によれば、安価で入手
容易なブタン、ブテン及びブタジエンの少なくとも1つ
を適切な触媒の存在下に塩素およびHFと反応すること
により、目的物である1,1,1,4,4,4−ヘキサ
フルオロ−2,3−ジクロロ−2−ブテン、1,1,
1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−クロロ−2−ブ
テン及び1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2
−ブテンの混合物(1,1,1,4,4,4−ヘキサフ
ルオロ−2−ブテン類)が一段階で収率良く生成し、か
つそれらの生成物を貴金属触媒の存在下に還元すること
により、選択率良く1,1,1,4,4,4−ヘキサフ
ルオロブタンが得られる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、以下の
実施例は本発明を限定するものではなく、その技術的思
想に基いて種々変形が可能である。
【0021】実施例1 一般的な方法で調製した酸化クロムを3mmΦ×3mmのペ
レットとした。この触媒を反応管に50cc充填後、HFで
フッ素化した。反応管の温度を 350℃に調整後、HF 5
00cc/min 、塩素 200cc/min をガスで導入した。これ
にブタン20cc/min を導入した。生成物は水洗後、GL
C分析を行った。
【0022】生成物の選択率を下記の表−1に示す。
【0023】実施例2 一般的な方法で調製した酸化アルミニウムを3mmΦ×3
mmのペレットとした。この触媒を反応管に50cc充填後、
HFでフッ素化した。反応管の温度を 350℃に調整後、
HF 500cc/min 、塩素 200cc/min をガスで導入し
た。これにブタン20cc/min を導入した。生成物は水洗
後、GLC分析を行った。
【0024】生成物の選択率を下記の表−2に示す。
【0025】実施例3 一般的な方法で調製した酸化マンガンを3mmΦ×3mmの
ペレットとした。この触媒を反応管に50cc充填後、HF
でフッ素化した。反応管の温度を 350℃に調整後、HF
500cc/min 、塩素 200cc/min をガスで導入した。こ
れにブタン20cc/min を導入した。生成物は水洗後、G
LC分析を行った。
【0026】生成物の選択率を下記の表−3に示す。
【0027】実施例4 一般的な方法で調製した酸化ニッケルを3mmΦ×3mmの
ペレットとした。この触媒を反応管に50cc充填後、HF
でフッ素化した。反応管の温度を 350℃に調整後、HF
500cc/min 、塩素 200cc/min をガスで導入した。こ
れにブタン20cc/min を導入した。生成物は水洗後、G
LC分析を行った。
【0028】生成物の選択率を下記の表−4に示す。
【0029】実施例5 一般的な方法で調製した酸化コバルトを3mmΦ×3mmの
ペレットとした。この触媒を反応管に50cc充填後、HF
でフッ素化した。反応管の温度を 350℃に調整後、HF
500cc/min 、塩素 200cc/min をガスで導入した。こ
れにブタン20cc/min を導入した。生成物は水洗後、G
LC分析を行った。
【0030】生成物の選択率を下記の表−5に示す。
【0031】実施例6 重量で1%のPdをヤシガラ活性炭に担持した触媒10g
を反応管に充填し、水素で活性化した。反応温度を 150
℃に保ち、これに実施例1で得られたブテン3種の混合
物を 100cc/min 、水素を 300cc/min 導入した。
【0032】生成物は水洗後、GLCで分析を行った。
生成物の選択率を下記の表−6に示す。
【0033】実施例7 重量で1%のPtをヤシガラ活性炭に担持した触媒10g
を反応管に充填し、水素で活性化した。反応温度を 150
℃に保ち、これに実施例1で得られたブテン3種の混合
物を 100cc/min 、水素を 300cc/min 導入した。
【0034】生成物は水洗後、GLCで分析を行った。
生成物の選択率を下記の表−7に示す。
【0035】実施例8 一般的な方法で調製した酸化クロムを3mmΦ×3mmのペ
レットとした。この触媒を反応管に50cc充填後、HFで
フッ素化した。反応管の温度を 350℃に調整後、HF 5
00cc/min 、塩素 200cc/min をガスで導入した。これ
にブタジエン20cc/min を導入した。生成物は水洗後、
GLC分析を行った。
【0036】生成物の選択率を下記の表−8に示す。
【0037】実施例9 一般的な方法で調製した酸化クロムを3mmΦ×3mmのペ
レットとした。この触媒を反応管に50cc充填後、HFで
フッ素化した。反応管の温度を 350℃に調整後、HF 5
00cc/min 、塩素 200cc/min をガスで導入した。これ
に2−ブテン20cc/min を導入した。生成物は水洗後、
GLC分析を行った。
【0038】生成物の選択率を下記の表−9に示す。
【0039】上記の表−1〜表−9の結果から、本発明
に基づく反応によって、中間体であるヘキサフルオロ−
2−ブテン類及び目的物であるヘキサフルオロブタンを
容易にかつ高選択率で得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07C 21/18 C07C 21/18 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (56)参考文献 特開 昭47−767(JP,A) 特開 平1−146831(JP,A) 特開 平4−211026(JP,A) 特公 昭50−13238(JP,B1) 特公 昭50−28407(JP,B1) 特公 昭43−29563(JP,B1) 特表 平6−505237(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 19/08 C07C 17/00 - 17/42 CASREACT(STN) REGISTRY(STN) CA(STN)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブタン、ブテン及びブタジエンの少なく
    とも1つを気相において触媒の存在下にフッ化水素及び
    塩素と反応させることを特徴とする、1,1,1,4,
    4,4−ヘキサフルオロ−2,3−ジクロロ−2−ブテ
    ン、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ク
    ロロ−2−ブテン及び1,1,1,4,4,4−ヘキサ
    フルオロ−2−ブテンからなる1,1,1,4,4,4
    −ヘキサフルオロ−2−ブテン類の製造方法。
  2. 【請求項2】 触媒が、アルミニウム、クロム、マンガ
    ン、ニッケル、コバルト、鉄及び亜鉛からなる群より選
    ばれた1または2以上の金属のフッ化物及び/又はオキ
    シフッ化物である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 触媒が、アルミニウム、クロム、マンガ
    ン、ニッケル、コバルト、鉄及び亜鉛からなる群より選
    ばれた1または2以上の金属の酸化物をフッ化水素によ
    ってフッ素化したフッ化物及び/又はオキシフッ化物で
    ある、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 触媒が、クロムの酸化物をフッ化水素に
    よってフッ素化して得られるフッ化物及び/又はオキシ
    フッ化物である、請求項3に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 反応温度が 250℃〜450 ℃の範囲であ
    る、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1で得られた1,1,1,4,
    4,4−ヘキサフルオロ−2,3−ジクロロ−2−ブテ
    ン、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ク
    ロロ−2−ブテン及び1,1,1,4,4,4−ヘキサ
    フルオロ−2−ブテンの混合物を貴金属触媒の存在下に
    還元する、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブ
    タンの製造方法。
  7. 【請求項7】 還元触媒が、貴金属を担体に担持したも
    のである、請求項6に記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 還元反応を20℃から300 ℃の反応温度で
    行う、請求項6又は7に記載の製造方法。
JP03450493A 1993-01-29 1993-01-29 1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン類及び1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブタンの製造方法 Expired - Fee Related JP3304468B2 (ja)

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PCT/JP1994/000068 WO1994017020A1 (en) 1993-01-29 1994-01-19 Process for producing 1,1,1,4,4,4-hexafluoro-2-butenes and 1,1,1,4,4,4-hexafluorobutane
EP94904740A EP0682001B1 (en) 1993-01-29 1994-01-19 Process for producing 1,1,1,4,4,4-hexafluoro-2-butenes and 1,1,1,4,4,4-hexafluorobutane
US08/495,662 US5608128A (en) 1993-01-29 1994-01-19 Production methods of 1,1,1,4,4,4-hexsfluoro-2-butene compounds and 1,1,1,4,4,4,-hexafluorobutane
DE69419005T DE69419005T2 (de) 1993-01-29 1994-01-19 Verfahren zur herstellung von 1,1,1,4,4,4-hexafluoro-2-butenen und 1,1,4,4,4,4-hexafluorobutan

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