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JP3385030B2 - フォトクロミック硬化性組成物 - Google Patents

フォトクロミック硬化性組成物

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JP3385030B2
JP3385030B2 JP53556396A JP53556396A JP3385030B2 JP 3385030 B2 JP3385030 B2 JP 3385030B2 JP 53556396 A JP53556396 A JP 53556396A JP 53556396 A JP53556396 A JP 53556396A JP 3385030 B2 JP3385030 B2 JP 3385030B2
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JP53556396A
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洋信 名郷
智史 伊村
隆 小早川
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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    • C09K9/00Tenebrescent materials, i.e. materials for which the range of wavelengths for energy absorption is changed as a result of excitation by some form of energy
    • C09K9/02Organic tenebrescent materials
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
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    • C08F222/1006Esters of polyhydric alcohols or polyhydric phenols
    • C08F222/102Esters of polyhydric alcohols or polyhydric phenols of dialcohols, e.g. ethylene glycol di(meth)acrylate or 1,4-butanediol dimethacrylate
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
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    • G03C1/72Photosensitive compositions not covered by the groups G03C1/005 - G03C1/705
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    • C08F220/02Monocarboxylic acids having less than ten carbon atoms; Derivatives thereof
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、フォトクロミック作用の耐久性の優れたフ
ォトクロミック硬化体の製造に好適に使用しうる硬化性
組成物に関する。
背景技術 フォトクロミズムとは、ここ数年来注目をひいてきた
現象であって、ある化合物に太陽光あるいは水銀灯の光
のような紫外線を含む光を照射すると速やかに色が変わ
り、光の照射を止めて暗所に置くと元の色に戻る可逆作
用のことである。この性質を有する化合物は、フォトク
ロミック化合物と呼ばれ、従来から種々の構造の化合物
が合成されてきたが、これらのフォトクロミック化合物
は、可逆的な耐久性に乏しいという欠点をもっている。
新規な耐久性が改善されたフォトクロミック化合物と
してフルギド系フォトクロミック化合物(以下、単にフ
ルギド化合物と略す)およびクロメン系フォトクロミッ
ク化合物(以下、単にクロメン化合物と略す)等が種々
知られている。(米国特許第4,882,438、4,960,678、5,
130,058および5,106,998号明細書、特開平2−28154
号、特開平3−11074号および特開平3−133988号公報
参照)。
特開平5−306392号公報では、フルギド化合物の耐久
性をさらに向上させる成分として、エポキシ基を有する
化合物を併用することが提案されている。
これらのフォトクロミック化合物およびそれらを含む
フォトクロミック硬化性組成物を重合、硬化させた硬化
体は一般に優れた可逆的な耐久性を示す。しかしなが
ら、これらの化合物と重合性単量体とを混合して重合を
行い得られたフォトクロミック硬化体を各種の用途に使
用するためには、良好なフォトクロミック作用の可逆的
な耐久性ばかりでなく、成形性に優れた組成物でありし
かも得られる硬化体の物性に優れているフォトクロミッ
ク硬化性組成物が要求される。
上記特開平5−306392号公報では、エポキシ基を有す
る化合物、上記したフォトクロミック化合物および重合
性単量体としてポリエチレングリコールジ(メタ)アク
リレートを用いるフォトクロミック硬化性組成物が提案
されているが、その組成物を重合、硬化させた硬化体は
フォトクロミック作用の可逆的な耐久性は優れているも
のの、フォトクロミック硬化体の吸水率が高いため、長
期間保存しておくと硬化体の吸水による経時変化により
初期のフォトクロミック性能が一定でなく、また重合収
縮率が高いためにその組成物を硬化させる際に型からの
ハガレが起きやすく、表面状態の悪い不良品を生じ、重
合歩留まりを低下させる等の問題点を有している。
発明の開示 本発明者らは、上記したフォトクロミック化合物を重
合性単量体と混合して重合を行い、フォトクロミックレ
ンズに代表されるフォトクロミック硬化体を得るための
硬化性組成物について鋭意研究を続けた。その結果、下
記特定組成のフォトクロミック硬化性組成物を用いるこ
とにより、フォトクロミック作用の耐久性が優れている
ばかりでなく、成形性に優れた組成物であり且つ硬化体
の物性が優れていることを見い出し、本発明を完成させ
るに至った。
即ち、本発明は、(A)分子中に少なくとも1個のエ
ポキシ基を有する化合物0.1〜30重量部、 (B)下記一般式(I)で表されるポリプロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート単量体30〜70重量部、 ここで、R1は水素原子またはメチル基であり、aおよび
bは互いに独立に0〜7の数である、但し、a+b=2
〜7である、 (C)下記一般式(II)で表されるポリエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート単量体20〜60重量部、 ここで、R1は水素原子またはメチル基であり、cは2〜
9の整数である、 および(D)(メタ)アクリレート単量体および/また
はスチリル単量体0〜35重量部からなる重合性単量体、
但し、(A)、(B)、(C)および(D)の合計は10
0重量部である、 (E)α−メチルスチレンダイマーを重合性単量体100
重量部に対して0.1〜2重量部、並びに (F)フォトクロミック化合物を重合性単量体100重量
部に対して0.001〜10重量部 を含有してなることを特徴とするフォトクロミック硬化
性組成物である。
本発明の組成物中に(A)成分の分子中に少なくとも
1個のエポキシ基を有する化合物(以下、エポキシ化合
物という)を配合することにより、その硬化体におい
て、(F)成分のフォトクロミック化合物の、特にフル
ギド化合物の可逆的な耐久性を向上させることができ
る。
本発明で用いられる(A)成分のエポキシ化合物とし
ては、公知の化合物を何ら制限なく採用される。例え
ば、一価、二価、三価アルコール等のアルコール性水酸
基含有化合物、またはフェノール、ハイドロキノン等の
フェノール性水酸基含有化合物とエピクロルヒドリンと
の反応生成物、或は安息香酸、テレフタル酸等のカルボ
ン酸とエピクロロヒドリンとの反応生成物等を挙げるこ
とができる。代表的なエポキシ化合物は、下記一般式
(III)で表わされる。
(但し、Aは、n価のアルコール性水酸基含有化合物の
残基、n価のフェノール性水酸基含有化合物の残基、ま
たは、n価のカルボン酸残基であり、R1は水素原子また
はメチル基であり、nは1〜4の整数である。) 本発明におけるエポキシ化合物は、分子中にさらに少
なくとも1個の不飽和二重結合基をも有するものである
ことが好ましい。このような不飽和二重結合基とエポキ
シ基とを有するエポキシ化合物を使用してフォトクロミ
ック硬化体を製造すれば、当該エポキシ化合物が重合性
単量体共々重合して高分子マトリックスに3次元的に固
定されるために、該エポキシ化合物を大量に使用しても
フォトクロミック硬化体の物性を損なうことがない。
不飽和二重結合基としては、例えばビニル基、アリル
基、アクリロイル基、メタクリロイル基等をあげること
ができるが、良好なフォトクロミック物性を得るために
はアクリロイル基またはメタクリロイル基が好ましい。
不飽和二重結合基を有さないエポキシ化合物として
は、前記した一般式(III)において、nは1または2
であり、Aは、nが1のときは水酸基で置換されていて
もよい炭素数2〜20のアルキル基、−R−(OR)−OH
(但し、Rは炭素数2〜4のアルキレン基であり、mは
1〜20の整数である。)で示される基、水酸基で置換さ
れていてもよい炭素数6〜7のシクロアルキル基、水酸
基で置換されていてもよいフェニル基、またはカルボキ
シル基で置換されていてもよいベンゾイル基であり;nが
2のときは水酸基で置換されていてもよい炭素数2〜20
のアルキレン基、−R−(OR)−(但し、Rは炭素数
2〜4のアルキレン基であり、mは1〜20の整数であ
る。)で示される基、水酸基で置換されていてもよい炭
素数6〜7のシクロアルキレン基、水酸基で置換されて
いてもよいフェニレン基、またはフタロイル基、イソフ
タロイル基、もしくはテレフタロイル基、または下記式 で示される基である化合物である。
少なくとも1個の不飽和二重結合基をも有するエポキ
シ化合物としては、本発明において好適に使用できる代
表的な化合物として、下記一般式(IV)で示される化合
物を挙げることができる。
(ただし、R1およびR4は、それぞれ水素原子またはメチ
ル基であり、R2およびR3は、それぞれ同種または異種の
ヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数1〜4の
アルキレン基、または下記式 で示される基であり、mおよびnは、それぞれ0または
1である。) 上記式中のR2で示されるアルキレン基としては、メチ
レン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、トリ
メチレン基、テトラメチレン基等を例示することができ
る。
エポキシ化合物として、本発明において好適に使用で
きる化合物を具体的に示すと次のとおりである。
分子中に少なくとも1個のエポキシ基を有するが不飽
和二重結合基を有さない化合物としては、例えば、エチ
レングリコールグリシジルエーテル、プロピレングリコ
ールグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジル
エーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ソ
ルビトールポリグリシジルエーテル、ブチルグリシジル
エーテル、フェニルグリシジルエーテル、ポリエチレン
グリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリ
コールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコール
ジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリ
シジルエーテル、ビスフェノールAまたは水素化ビスフ
ェノールAのプロピレンオキシド付加物、テレフタル酸
ジグリシジルエステル、スピログリコールジグリシジル
エーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル等を挙
げることができる。
また、分子中に少なくとも1個の不飽和二重結合基と
少なくとも1個のエポキシ基とを有する化合物として
は、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタ
クリレート、β−メチルグリシジルアクリレート、β−
メチルグリシジルメタクリレート、ビスフェノールA−
モノグリシジルエーテル−メタクリレート、4−グリシ
ジルオキシブチルメタクリレート、3−(グリシジル−
2−オキシエトキシ)−2−ヒドロキシプロピルメタク
リレート、3−(グリシジルオキシ−1−イソプロピル
オキシ)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−
(グリシジルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)
−2−ヒドロキシプロピルアクリレート等のメタクリレ
ート化合物またはアクリレート化合物を挙げることがで
きる。
本発明のエポキシ化合物の配合比は、フォトクロミッ
ク硬化体を使用する用途に合わせ適宜使用量を決めれば
よいが、わずかな量を用いることで効果を発揮するた
め、配合比は幅広い中から選択することができる。一般
には全重合性単量体100重量部中に、エポキシ化合物を
0.1〜30重量部、好ましくは0.1〜10重量部使用すれば本
発明の効果が発揮される。但し、不飽和二重結合決を有
さないエポキシ化合物を用いる場合、不飽和二重結合基
を有さないエポキシ化合物の量があまりにも多すぎると
硬化体の硬化の妨げになるため、全重合性単量体100重
量部中に0.1〜10重量部、さらに0.1〜5重量部の範囲で
あることが好適である。
なお上記した重合性単量体とは、ラジカル重合を起こ
しうるエポキシ基および/または不飽和二重結合基を有
する化合物を示し、全重合性単量体とは本発明の硬化性
組成物中、(A)、(B)、(C)および(D)成分の
総量を云う。従って、(E)成分のα−メチルスチレン
ダイマーは重合調製剤としての働きをなし重合性単量体
には含まれない。以下に述べる場合も、これに準じる。
本発明における(B)成分である前記一般式(I)で
表されるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート単量体を配合することにより、そのフォトクロミッ
ク硬化体の吸水率が低下し且つ重合収縮率が低下する。
その効果は、上記一般式(I)中の側鎖メチル基の寄与
によるものと推定されるが、側鎖がメチル基より炭素数
の多い化合物の場合、工業的に入手が困難であり、値段
が高価であるためメチル基のものが採用される。本発明
で(B)成分の配合比が多すぎる場合、その硬化体にお
いて、(F)成分のフォトクロミック化合物、特にフル
キミド化合物の可逆的な耐久性が低下し、また少なすぎ
る場合は上記した効果が発現しにくいため、全重合性単
量体100重量部中に、30〜70重量部が好適であり、40〜6
5重量部がより好ましい。上記一般式(I)中のa+b
は、オキシプロピレン鎖の鎖長を示すが、a+bの数が
長すぎると本発明の組成物よりなるフォトクロミック硬
化体の耐熱性が十分でないために、硬化体を加熱した際
に寸法変形が起こり好ましくない。また短すぎる場合、
硬化体の耐衝撃性が十分でない。従ってa+bの数は2
〜7の化合物が好適であり、a+bが3、4の化合物を
用いるのがより好ましい。また本発明の(B)成分はa
+bの数が単一のものを用いてもよいが、a+bの数が
2〜7の化合物の混合物を用いても何等差し支えない。
なお、本発明において(メタ)アクリレート単量体と称
した場合は、メタクリレート化合物とアクリレート化合
物の総称を意味する。
本発明における(C)成分である上記一般式(II)で
表されるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト単量体を配合することにより、(B)成分のポリプロ
ピレングリコールジ(メタ)アクリレート単量体を配合
した場合でも、(F)成分のフォトクロミック化合物の
可逆的な耐久性を損なわれない。本発明における(C)
成分の配合比は、少なすぎる場合フォトクロミック化合
物の可逆的な耐久性が低下し、また多すぎる場合は硬化
体の吸水率、重合収縮率が高くなりすぎるため、全重合
性単量体100重量部中に、20〜60重量部の範囲がよく、
さらに25〜50重量部がより好まく、40〜50重量部の配合
比が最も好適である。上記一般式(II)中のcは、オキ
シエチレン鎖の鎖長を示すが、cの数が長すぎると本発
明の組成物よりなるフォトクロミック硬化体の耐熱性が
十分でなくなるために、硬化体を加熱した際に寸法変形
が起こり好ましくない。また短すぎる場合、硬化体の耐
衝撃性が十分でない。従ってcの数は2〜9の化合物が
好適であり、cが3、4の化合物を用いるのがより好ま
しい。本発明における(C)成分としては、cの数が単
一のものを用いることができ、またcの数が2〜9の化
合物の混合物を用いることもできる。
本発明の組成物において、上記した(A)、(B)お
よび(C)成分の他に(D)成分として(メタ)アクリ
レート単量体および/またはスチリル単量体単量体を、
目的に応じて添加してもよい。好適に用いられる単量体
を例示すれば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)ア
クリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、イソボル
ニル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ベンジ
ル、(メタ)アクリル酸フェニル、トリブロモフェニル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレー
ト、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリ
レート、アルコキシポリエチレングリコール(メタ)ア
クリレート、アルコキシポリプロピレングリコール(メ
タ)アクリレート、トリフロロメチル(メタ)アクリレ
ート等の単官能(メタ)アクリレート単量体;ポリブチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサ
ンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリ
コールジ(メタ)アクリレート、2,2'−ビス(4−メタ
クリロイルオキシエトキシフェニル)プロパンのアクリ
ル酸およびメタクリル酸エステル化合物、2,2'−ビス
(4−メタクリロイルオキシ・ポリエトキシフェニル)
プロパンのアクリル酸およびメタクリル酸エステル化合
物、2,2'−ビス(4−メタクリロイルオキシプロポキシ
フェニル)プロパンのアクリル酸およびメタクリル酸エ
ステル化合物、2,2'−ビス(4−メタクリロイルオキシ
・ポリプロポキシフェニル)プロパンのアクリル酸およ
びメタクリル酸エステル化合物、2,2'−ビス(3,5−ジ
ブロモ−4−メタクリロイルオキシエトキシ)プロパン
のアクリル酸およびメタクリル酸エステル化合物、水添
加ビスフェノールAエチレンオキサイドまたはプロピレ
ンオキサイド付加物のアクリル酸およびメタクリル酸エ
ステル化合物、ジメチロールトリシクロデカンジ(メ
タ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンポリ
エトキシジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロ
パントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール
テトラ(メタ)アクリレート、エチレングリコールまた
はポリエチレングリコールとグリシジル(メタ)アクリ
レートの反応生成物、プロピレングリコールまたはポリ
プロピレングリコールとグリシジル(メタ)アクリレー
トの反応生成物、ビスフェノールAエチレンオキサイド
またはプロピレンオキサイド付加物とグリシジル(メ
タ)アクリレートの反応生成物、水添加ビスフェノール
Aエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド付加
物とグリシジル(メタ)アクリレートの反応生成物、ウ
レタンアクリレート等の多官能(メタ)アクリレート単
量体;スチレン、クロロスチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルナフタレン、イソプロペニルナフタレン、ブ
ロモスチレン、ジビニルベンゼン等のスチリル単量体で
ある。
これらの(メタ)アクリレート単量体および/または
スチリル単量体は一種または二種以上を混合して使用で
き、その配合比は使用する用途に応じて、決定していけ
ばよいが、あまり多すぎると本発明の効果を損ねるた
め、全重合性単量体100重量部中に、通常0〜35重量
部、好ましくは0〜25重量部、より好ましくは0〜15重
量部になるように選択するのが好適である。
次に、本発明における(E)成分であるα−メチルス
チレンダイマーは、本発明の組成物を硬化させる際の、
重合調整剤として配合される。その働きはα−メチルス
チレンダイマーの連鎖移動作用により、硬化中の急激な
重合、硬化を防止し、ゆるやかに重合、硬化を進行させ
ることができるため、硬化体の重合による歪みをを生じ
にくく、重合歩留まりを向上させる。配合比は、あまり
多すぎると、その硬化体において(F)成分のフォトク
ロミック化合物の可逆的な耐久性が低下するため、全重
合性単量体100重量部に対して、0.1〜2重量部が好適で
あり、0.5〜1重量部がより好ましい。
次に、本発明における(F)成分であるフォトクロミ
ック化合物としては、フォトクロミック作用を示す化合
物を何ら制限なく採用することができる。例えば、フル
ギド化合物、クロメン化合物およびスピロオキサジン化
合物等のフォトクロミック化合物がよく知られており、
本発明においてはこれらのフォトクロミック化合物を使
用することができる。上記のフルギド化合物およびクロ
メン化合物としては、米国特許第4,882,438、4,960,67
8、5,130,058および5,106,998号明細書等で公知の化合
物が好適に使用できる。
本発明において、フルギド化合物は、本発明によるフ
ォトクロミック性の耐久性の向上効果が他のフォトクロ
ミック化合物に比べて特に大きいために好適に使用する
ことができる。本発明において好適に使用できるフルギ
ド化合物を一般式で示すと、次一般式(V)で示すこと
ができる。
[ここで、下記式 で示される基はそれぞれ置換基を有していてもよい二価
の芳香族炭化水素基または二価の不飽和複素環基であ
り、R5は、アルキル基、アリール基または一価の複素環
基であり、下記式 で示される基は、ノルボルニリデン基またはアダマンチ
リデン基であり、Xは、酸素原子、 基 >N−R6、 基 >N−A1−B1−(A2)−(B2)−R7、 基 >N−A3−A4、または 基 >N−A3−R8であり、 (ここで、R6は、水素原子、アルキル基またはアリール
基であり、A1、A2およびA3は、同一もしくは異なり、ア
ルキレン基、アルキリデン基、シクロアルキレン基また
はアルキルシクロアルカン−ジイル基であり、B1および
B2は、同一もしくは異なり、下記式 で示される基であり、mおよびnは、それぞれ独立して
0または1を示すが、mが0のときはnは0であり、R7
は、アルキル基、ナフチル基またはナフチルアルキル基
であり、A4は、ナフチル基であり、R8は、ハロゲン原
子、シアノ基またはニトロ基である。)] 上記一般式(V)中、下記式 で示される二価の芳香族炭化水素基としては、例えばベ
ンゼン環1個またはその2〜3個の縮合環から誘導され
る二価の基を挙げることができ、また、二価の不飽和複
素環基としては、例えば酸素原子、窒素原子、またはイ
オウ原子を環構成原子として1〜2個含む5〜7員環ま
たはこれとベンゼン環との縮合環から誘導される二価の
基を挙げることができる。二価の芳香族炭化水素基を具
体的に例示すると、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナ
ントレン環、アントラセン環等から誘導される炭素数6
〜14の基をあげることができ、また、二価の不飽和複素
環基を具体的に例示すると、フラン環、ベンゾフラン
環、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、ピロー
ル環、チオフェン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン
環等から誘導される炭素数4〜9の基を挙げることがで
きる。
これらの置換基としては、特に制限されないが、例え
ば、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子:メチル基、
エチル基等の炭素数1〜4のアルキル基:メトキシ基、
エトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基:フェニル
基、トリル基、キシリル基等の炭素数6〜10のアリール
基:炭素数7〜14のアルコキシアリール基(炭素数1〜
4のアルコキシ基で置換された炭素数6〜10のアリール
基):アミノ基:ニトロ基:シアノ基等を例示すること
ができる。
上記一般式(V)中、R5で示されるアルキル基、アリ
ール基および複素環基は、上記した炭素数1〜4のアル
キル基、炭素数6〜10のアリール基、および、酸素原
子、窒素原子、またはイオウ原子を環構成原子として1
〜2個含む5〜7員環またはこれとベンゼン環との縮合
環から誘導される一価の基を挙げることができる。
上記一般式(V)中、R6で示されるアルキル基、アリ
ール基は上記R5と同様である。A1、A2およびA3で示され
るアルキレン基は、例えばメチレン基、エチレン基、プ
ロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等の炭
素数1〜4の基であることが好ましく、アルキリデン基
は、例えばエチリデン基、プロピリデン基、イソプロピ
リデン基等の炭素数2〜4の基であることが好ましく、
また、シクロアルキレン基は、例えばシクロヘキシレン
基であることが好ましく、さらにアルキルシクロアルカ
ン−ジイル基としては、例えばジメチルシクロヘキサン
−ジイル基が好ましい。
また、上記一般式(V)中、R7で示されるアルキル基
は上記R5と同様であり、ナフチルアルキル基は、例えば
ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等の炭素数11〜14
の基であることが好ましい。
上記一般式(V)で示されるフルギド化合物のなかで
も、フォトクロミック作用の耐久性等を勘案すると、R5
がアルキル基であり、Xが>N−Rであり、Rは炭素数
1〜4のシアノアルキル基、炭素数1〜4のニトロアル
キル基、または炭素数3〜9のアルコキシカルボニルア
ルキル基(炭素数1〜4のアルコキシ基と炭素数1〜4
のアルキレン基を含む)であり、下記式 で示される基はアダマンチリデン基であり、下記式 で示される基は、炭素数6〜10のアリール基、または炭
素数7〜14のアルコキシアリール基(炭素数1〜4のア
ルコキシ基で置換された炭素数6〜10のアリール基)で
置換されていてもよい複素環基、特にチオフェン環から
誘導される基である化合物が好ましい。
フォトクロミック化合物をメガネレンズに使用する場
合は、グレーまたはブラウン等の色調が好まれるが、こ
のような色調は単一のフォトクロミック化合物では得ら
れないために、二種以上の異なるフォトクロミック化合
物を混合する方法が採用される。上記したフルギド化合
物は一般に橙〜青に発色するが、これに黄〜橙に発色す
るクロメン化合物を混合することにより、グレー、ブラ
ウン等の中間色を得ることができる。しかし、上記した
フルギド化合物は、クロメン化合物に比べてフォトクロ
ミック性の耐久性に乏しい化合物であるために、時間の
経過に伴って色調の変化が生じ、このために、フルギド
化合物とクロメン化合物との混合色も経時的に変化する
という問題があった。しかし、本発明に従って、フルギ
ド化合物のフォトクロミック性の耐久性を向上させてク
ロメン化合物の耐久性に近付けることにより、経時的な
色調のずれを少なくすることができる。
フルギド化合物と混合して中間色を得るために好適に
使用されるクロメン化合物は、下記一般式(VI)で示す
ことができる。
(但し、R9、R10、R11およびR12は、それぞれ同一また
は異なる水素原子、アルキル基、アリール基、置換アミ
ノ基または飽和複素環基であり、R11およびR12は、一緒
になって環を形成していてもよく、下記式 で示される基は、それぞれ二価の芳香族炭化水素基また
は二価の不飽和複素環基である。) 上記一般式(VI)中、R9、R10、R11およびR12で示さ
れるアルキル基、アリール基は、前記式(V)について
説明したアルキル基およびアリール基と同じものを採用
でき、置換アミノ基は、上記したようなアルキル基また
はアリール基で水素原子の少なくとも1つが置換された
アミノ基を挙げることができ、また、飽和複素環基は、
ピロリジン環、イミダゾリジン環、ピペリジン環、ピペ
ラジン環、モルホリン環等の窒素原子、酸素原子、また
はイオウ原子を環構成原子として1〜2個含む5〜6員
環から誘導される一価の基を挙げることができる。
上記一般式(VI)中、R11およびR12が一緒になって形
成する環は、ノルボルニリデン基、ビシクロ[3.3.1]
9−ノニリデン基等をあげることができる。
また、上記式(VI)中、下記式 で示される二価の芳香族炭化水素基または二価の不飽和
複素環基は、前記式(V)における基と同様であり、こ
れらの各基の置換基は特に制限されないが、例えば、塩
素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子:メチル基、エチル
基等の炭素数1〜20のアルキル基:メトキシ基、エトキ
シ基等の炭素数1〜20のアルコキシ基:フェニル基、ト
リル基、キシリル基等の炭素数6〜10のアリール基;ア
ミノ基:ニトロ基:シアノ基等を例示することができ
る。
クロメン化合物としては、特にR9およびR10は共に水
素原子であり、R11およびR12は、それぞれ同一または異
なる炭素数1〜4のアルキル基であるか、これらが一緒
になって形成されたビシクロ[3.3.1]9−ノニリデン
基またはノルボルニリデン基であり、下記式 で示される基は、炭素数1〜20のアルキル基または炭素
数1〜20のアルコキシ基で置換されていてもよいナフタ
レン環から誘導される基である化合物が好適に使用でき
る。
本発明において好適に使用できるフルギド化合物およ
びクロメン化合物を示すと、次のような化合物を例示す
ることができる。
フルギド化合物: (1)N−シアノメチル−6,7−ジヒドロ−4−メチル
−2−フェニルスピロ(5,6−ベンゾ[b]チオフェン
ジカルボキシイミド−7,2−トリシクロ[3.3.1.1]デカ
ン) (2)N−シアノメチル−6,7−ジヒドロ−2−(p−
メトキシフェニル)−4−メチルスピロ(5,6−ベンゾ
[b]チオフェンジカルボキシイミド−7,2−トリシク
ロ[3.3.1.1]デカン) (3)N−シアノメチル−6,7−ジヒドロ−4−メチル
スピロ(5,6−ベンゾ[b]チオフェンジカルボキシイ
ミド−7,2−トリシクロ[3.3.1.1)デカン) (4)6,7−ジヒドロ−N−メトキシカルボニルメチル
−4−メチル−2−フェニルスピロ(5,6−ベンゾ
[b]チオフェンジカルボキシイミド−7,2−トリシク
ロ[3.3.1.1]デカン) (5)6,7−ジヒドロ−4−メチル−2−(p−メチル
フェニル)−N−ニトロメチルスピロ(5,6−ベンゾ
[b]チオフェンジカルボキシイミド−7,2−トリシク
ロ[3.3.1.1]デカン) (6)N−シアノメチル−6,7−ジヒドロ−4−シクロ
プロピル−3−メチルスピロ(5,6−ベンゾ[b]チオ
フェンジカルボキシイミド−7,2−トリシクロ[3.3.1.
1]デカン) (7)N−シアノメチル−6,7−ジヒドロ−4−シクロ
プロピル−スピロ(5,6−ベンゾ[b]チオフェンジカ
ルボキシイミド−7,2−トリシクロ[3.3.1.1]デカン) クロメン化合物: (1)スピロ(ノルボルナン−2,2'−[2H]ベンゾ
[h」]クロメン) (2)スピロ(ビシクロ「3.3.1]ノナン−9,2'−[2
H]ベンゾ[h]クロメン) (3)7'−メトキシスピロ(ビシクロ[3.3.1]ノナン
−9,2'−[2H]ベンゾ[h]クロメン) (4)7'−メトキシスピロ(ノルボルナン−2,2'−[2
H]ベンゾ[f]クロメン) (5)2,2−ジメチル−7−オクトキシ[2H]ベンゾ
[h]クロメン またフルギミド化合物、クロメン化合物の他にスピロ
オキサジン化合物(以下オキサジン化合物と略す)を用
いてもよい。オキサジン化合物は、スピロオキサジン骨
格を有し、フォトクロミック性を有する公知の化合物が
何等制限なく採用でき、下記一般式(VII)で示される
スピロオキサジン化合物が好適に使用される。
ここで、一般式(VII)において、R13、R14およびR15
は、それぞれ同一または異なるアルキル基、シクロアル
キル基、シクロアルアルキル基、アルコキシ基、アルキ
レンオキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アル
コキシカルボニルアルキル基、アリール基、アラルキル
基、アリーロキシ基、アルキレンチオアルキル基、アシ
ル基、アシロキシ基またはアミノ基であり、R14およびR
15は、一緒になって環を形成してもよく、R13、R14およ
びR15は置換基を有してもよく、置換基としては上記の
ような基のほかに、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基
または複素環基等が挙げられる。また、下記式 で示される基は、それぞれ置換されていてもよい二価の
芳香族炭化水素基または二価の不飽和複素環基であり、
下記式 で示される基は、それぞれ置換されていてもよい二価の
芳香族炭化水素基または二価の不飽和複素環基であり、
具体的には、前記式(V)で例示されたものが同じく採
用される。置換基としては上記のR13、R14およびR15
述べたものと同じ基を選択できるが、中でも下記式 −NR16R17 (但し、R16およびR17は置換されてもよい、アルキル
基、アルコキシ基またはアリル基等であり、またR16
よびR17は互いに結合、環化し、含窒素複素環を形成し
てもよい。) で示される基が初期のフォトクロミック性能においてそ
の発色濃度が高い点で好適である。
本発明において、好適に使用できるオキサジン化合物
を具体的に示すと、次のような化合物を例示することが
できる。
(1)1'−メトキシカルボニルメチル−8''−メトキシ
−6''−(4−メチルピペラジノ)ジスピロ(シクロヘ
キサン−1,3'−[3H]インドール−2'−[2H],3''−
[3]ナフト「3,2−a][1,4]オキサジン) (2)6'−フルオロ−1',5'−ジメチル−6''−モルホリ
ノジスピロ(シクロヘキサン−1,3'−[3H]インドール
−2'−[2H],3''−[3H]ナフト[3,2−a][1,4]オ
キサジン) (3)6'−フルオロ−5'−メチル−1'−イソブチル−
6''−モルホリノジスピロ(シクロヘキサン−1,3'−[3
H]インドール−2'−[2H],3''−[3]ナフト[3,2−
a][1,4]オキサジン) 本発明において、(F)成分であるフォトクロミック
化合物の配合比は、低配合量であっても(A)成分のエ
ポキシ化合物および(C)成分のポリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート単量体の寄与によりフォトク
ロミック性能の可逆的な耐久性を損なうことないが、あ
まりに多いときにはフォトクロミック化合物の凝集が起
き、耐久性が急激に低下する。このため、全重合性単量
体100重量部に対して、フォトクロミック化合物は、好
ましくは0.001〜10重量部の範囲で用いられ、より好ま
しくは0.01〜5重量部、特に好ましくは0.01〜1重量部
の範囲で用いられ、この範囲において最も良好なフォト
クロミック性能が得られる。
本発明のフォトクロミック硬化性組成物には、さらに
離型剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、紫外線安定剤、
酸化防止剤、着色防止剤、帯電防止剤、蛍光染料、染
料、顔料、香料等の各種安定剤、添加剤を必要に応じて
混合して使用することができる。
上記した紫外線安定剤を混合して使用するとフォトク
ロミック化合物の耐久性をさらに向上させることができ
るために好適である。特に、フルギド化合物は、紫外線
安定剤による耐久性向上の効果が大きいために、前記し
たようなフルギド化合物とクロメン化合物とを混合して
使用する場合にこれらの化合物の中間色の経時的な変化
を良好に防止することができる。
紫外線安定剤としては、ヒンダードアミン光安定剤、
ヒンダードフェノール光安定剤、イオウ系酸化防止剤を
好適に使用することができる。
紫外線安定剤の使用量は特に制限されるものではない
が、通常は、全重合性単量体100重量部に対して各紫外
線安定剤の配合量が0.001〜10重量部、さらに0.01〜1
重量部の範囲であることが好適である。
さらに、フルギド化合物とクロメン化合物とを併用す
る場合には、亜リン酸エステル化合物を加えることによ
り、これらのフォトクロミック化合物の混合色の経時的
な変化を抑えることができる。従って、フルギド化合物
とクロメン化合物とを併用する系に上記した紫外線安定
剤と亜リン酸エステル化合物の両者を使用することは、
本発明において最も好適である。亜リン酸エステル化合
物の配合量は、全重合性単量体100重量部に対して、0.0
01〜10重量部、さらに0.01〜1重量部であることが好ま
しい。
さらにまた、赤外線吸収剤を混合して使用すると、フ
ォトクロミック作用の他にも赤外線吸収能を有するフォ
トクロミック硬化体を得ることができる。赤外線吸収剤
としてはポリメチン系化合物、ジイモニウム系化合物、
シアニン系化合物、アントラキノン系化合物、アルミニ
ウム系化合物が使用できるが、分子吸光係数が大きく、
小量の添加で効果を発揮するジイモニウム系化合物が好
適である。
赤外線吸収剤の配合量は、全重合性単量体100重量部
に対して、0.0001〜1重量部、さらに0.001〜0.01重量
部であることが好ましい。
本発明のフォトクロミック硬化体組成物から硬化体を
得る重合方法は特に限定的でなく、公知のラジカル重合
方法を採用できる。重合開始手段は、種々の過酸化物や
アゾ化合物等のラジカル重合開始剤の使用、または、紫
外線、α線、β線、γ線等の照射あるいは両者の併用に
よって行うことができる。代表的な重合方法を例示する
と、エラストマーガスケットまたはスペーサーで保持さ
れているモールド間に、ラジカル重合開始剤を混合した
本発明のフォトクロミック硬化体組成物を注入し、空気
炉中で酸化させた後、取り外す注型重合が採用される。
ラジカル重合開始剤としては特に限定されず、公知の
ものが使用できるが、代表的なものを例示すると、ベン
ゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキ
サイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオ
キサイド、アセチルパーオキサイド等のジアシルパーオ
キサイド;t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネー
ト、t−ブチルパーオキシネオデカネート、クミルパー
オキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシベンゾエ
ート等のパーオキシエステル;ジイソプロピルパーオキ
シジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカー
ボネート等のパーカーボネート;アゾビスイソブチロニ
トリル等のアゾ化合物等を挙げることができる。
ラジカル重合開始剤の使用量は、重合条件や開始剤の
種類、前記の単量体の組成によって異なり、一概に限定
できないが、一般的には、全重合性単量体100重量部に
対して0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部の
範囲が好適である。
重合条件のうち、特に温度は得られるフォトクロミッ
ク硬化体の性状に影響を与える。この温度条件は、開始
剤の種類と量や単量体の種類によって影響を受けるので
一概に限定はできないが、一般的に比較的低温で重合を
開始し、ゆっくりと温度を上げていき、重合終了時に高
温下に硬化させる所謂テーパ型の2段重合を行うのが好
適である。重合時間も温度と同様に各種の要因によって
異なるので、予めこれらの条件に応じた最適の時間を決
定するのが好適であるが、一般に2〜40時間で重合が完
結するように条件を選ぶのが好ましい。
さらに、上記の方法で得られるフォトクロミック硬化
体は、その用途に応じて以下のような処理を施すことも
できる。即ち、分散染料等の染料を用いる染色、シラン
カップリング剤やケイ素、ジルコニウム、アンチモン、
アルミニウム、スズ、タングステン等のゾルを主成分と
するハードコート剤や、SiO2、TiO2、ZrO2等の金属酸化
物の薄膜の蒸着や有機高分子の薄膜の塗布による反射防
止処理、帯電防止処理等の加工および2次処理を施すこ
とも可能である。
本発明のフォトクロミック硬化性組成物を重合して得
られる硬化体は、フォトクロミック作用の耐久性に優れ
るばかりでなく、成形性が優れ、硬化体の長期保間に対
しても初期のフォトクロ性能を保つことができる。さら
に透明性、表面硬度、耐溶剤性、耐熱性、耐衝撃性、コ
ート性および染色性に優れたフォトクロミック硬化体を
得ることができる。
従って、本発明のフォトクロミック硬化性組成物を重
合して得られる硬化体は、フォトクロミック性を有する
有機ガラスとして有用であり、例えば、フォトクロミッ
クレンズ等の用途に好適に使用することができる。
実施例 以下、本発明を具体的に説明するために、実施例を掲
げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
以下の例で使用した(A)〜(F)成分および(G)
成分の紫外線安定剤は下記の化合物である。
(A)エポキシ化合物: GMA:グリシジルメタクリレート MGA:β−メチルグリシジルアクリレート BPMGMA:ビスフェノールA−モノグリシジルエーテルメ
タクリレート EGGE:エチレングリコールグリシジルエーテル (B)ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト: 3PG:トリプロピレングリコールジメタクリレート 4PG:テトラプロピレングリコールジメタクリレート(ポ
リプロピレングリコールジメタクリレートの混合物で、
オキシプロピレン鎖の平均モル数が4である単量体) (C)ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート 3G:トリエチレングリコールジメタクリレート 4G:テトラエチレングリコールジメタクリレート(ポリ
エチレングリコールジメタクリレートの混合物で、オキ
シエチレン鎖の平均モル数が4である単量体) (D)(メタ)アクリレート単量体およびスチリル単量
体 MMA:メタクリル酸メチル MS:α−メチルスチレン BzMA:メタクリル酸ベンジル HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート (E)α−メチルスチレンダイマー (F)フォトクロミック化合物: [フルギド化合物]; f1:N−シアノメチル−6,7−ジヒドロ−4−メチル−2
−フェニルスピロ(5,6−ベンゾ[b]チオフェンジカ
ルボキシイミド−7,2−トリシクロ[3.3.1.1]デカン) f2:N−シアノメチル−6,7−ジヒドロ−2−(p−メト
キシフェニル)−4−メチルスピロ(5,6−ベンゾ
[b]チオフェンジカルボキシイミド−7,2−トリシク
ロ[3.3.1.1]デカン) f3:N−シアノメチル−6,7−ジヒドロ−4−メチルスピ
ロ(5,6−ベンゾ[b]チオフェンジカルボキシイミド
−7,2−トリシクロ[3.3.1.1]デカン) [クロメン化合物]; c1:スピロ(ノルボルナン−2,2'−[2H]ベンゾ[h]
クロメン) c2:スピロ(ビシクロ[3.3.1]ノナン−9,2'−[2H]ベ
ンゾ[h]クロメン) c3:7'−メトキシスピロ(ビシクロ[3.3.1]ノナン−9,
2'−[2H]ベンゾ[h]クロメン) [スピロオキサジン化合物]; s1:6'−フルオロ−1',5'−ジメチル−6''−モルホリノ
ジスピロ(シクロヘキサン−1,3'−[3H]インドール−
2'−[2H],3''−[3H]ナフト[3,2−a][1,4]オキ
サジン) (G)紫外線安定剤 LS−2626:サノールLS−2626(商品名:三共(株)社
製) LA−63A:LA−63A(商品名:旭電化社製);1,2,3,4−ブ
タンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4
−ピペリジノールとβ,β,β',β’−テトラメチル−
3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカ
ン)ジエタノールとの縮合物 HBP:HBP[商品名:城北化学工業(株)社製];水添ビ
スフェノールA・ホスファイトポリマー 実施例1〜14、比較例1〜3 表1に示した(A)〜(F)成分および(G)成分と
して紫外線安定剤よりなる硬化性組成物に、ラジカル重
合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキ
サネートを1重量部添加してよく混合した。この混合液
をガラス板とエチレン−酢酸ビニル共重合体からなるガ
スケットで構成された鋳型の中へ注入し、注型重合を行
った。重合は空気炉を用い、30℃から90℃で18時間か
け、徐々に温度を上げていき、90℃に2時間保持した。
重合終了後、鋳型を空気炉から取り外し、放冷後、硬化
体を鋳型のガラス型から取り外した。
得られたフォトクロミック硬化体のフォトクロミック
特性、硬化体の物性および重合歩留まりを以下の方法で
試験した。結果を表2に示した。
(1)発色色調および発色濃度 得られたフォトクロミック硬化体(厚み2mm)に浜松
ホトニクス製のキセノンランプL−2480(300W)SHL−1
00をエアロマスフィルター(コーニング社製)を介して
20℃±1℃、フォトクロミック硬化体表面でのビーム強
度365nm=2.4mW/cm2、245nm=24μW/cm2で120秒間照射
して発色させ、目視で発色色調を判断した。また、ε
(120秒)−ε(0秒)の値を求め、発色濃度とした。
但し、ε(120秒)は、最大吸収波長におけるフォトク
ロミック硬化体の上記条件下での光照射120秒間の後の
吸光度であり、ε(0秒)は、光照射時の最大吸収波長
における未照射硬化体の吸光体である。
(2)耐久性 スガ試験機(株)製キセノンフェードメーターFAC−2
5AX−HCにより疲労寿命を測定した。疲労寿命(T1/2
は、フォトクロミック化合物に基づく最大吸収波長にお
ける吸光度が初期(To)の吸光度の1/2に低下するのに
要する時間で表した。但し、ToおよびT1/2の吸光度
は、いずれも最大吸収波長における未照射硬化体の吸光
度を引いた値である。
(3)光線透過率 光線透過率は(株)日立製作所製の分光光度計220Aを
用いて500nmの光線透過率を測定した。
(4)表面硬度 ロックウエル硬度計を用い、厚さ2mmの硬化体につい
てL−スケールでの値を測定した。
(5)飽和吸水率 厚み2mmの円盤平板状の硬化体を用いて、50℃の温水
に含浸し飽和吸水率に達した時の増加重量から算出し
た。
(6)吸水した硬化体の発色濃度変化 フォトクロミック硬化体の長期保管を想定した過酷条
件下の促進試験として、以下の方法で吸水した硬化体の
発色濃度変化を測定した。重合終了直後の厚み2mmの硬
化体を上記(1)発色濃度測定法に従い発色濃度(初
期)を測定した。さらにその硬化体に光を当てることな
く50℃の温水に含浸し飽和吸水率に達した時の発色濃度
(吸水後)を測定した。変化率を下記式に基づき計算し
た。
変化率(%) ={[発色濃度(吸水後)−発色濃度(初期)]/発色
濃度(初期)}*100 (7)重合収縮率 フォトクロミック硬化性組成物の比重および硬化体の
比重より算出した。
(8)重合歩留まり 直径70mmの円形状レンズで中心厚2mm、周辺部の厚み1
0mmの硬化体を作成した際の重合歩留まりについて下記
ランクに分類した。
○:10枚作成した中で、すべて重合ハガレを生じず表面
状態の良好なものが得られた。
△:10枚作成した中で、重合ハガレが生じなかった良品
が5〜9枚であった。
×:10枚作成した中で、重合ハガレが生じなかった良品
が5枚以下であった。
(9)落球試験 中心厚2mmのレンズ10枚の中心に127cmの高さから鋼球
を落下させた際に、レンズが破損またはヒビが入った鋼
球の重量の平均値を示した。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−306392(JP,A) 特開 平2−55784(JP,A) 特開 平3−261945(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 9/02 C08L 33/00 - 33/26 G02C 7/02 G03C 1/73 503

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)分子中に少なくとも1個のエポキシ
    基を有する化合物0.1〜30重量部、 (B)下記一般式(I)で表されるポリプロピレングリ
    コールジ(メタ)アクリレート単量体30〜70重量部、 ここで、R1は水素原子またはメチル基であり、aおよび
    bは互いに独立に0〜7の数である、但し、a+b=2
    〜7である、 (C)下記一般式(II)で表されるポリエチレングリコ
    ールジ(メタ)アクリレート単量体20〜60重量部、 ここで、R1は水素原子またはメチル基であり、cは2〜
    9の整数である、 および(D)(メタ)アクリレート単量体および/また
    はスチリル単量体0〜35重量部からなる重合性単量体、
    但し、(A)、(B)、(C)および(D)の合計は10
    0重量部である、 (E)α−メチルスチレンダイマーを重合性単量体100
    重量部に対して0.1〜2重量部、並びに (F)フォトクロミック化合物を重合性単量体100重量
    部に対して0.001〜10重量部 を含有してなることを特徴とするフォトクロミック硬化
    性組成物。
  2. 【請求項2】分子中に少なくとも1個のエポキシ基を有
    する化合物が下記式(III) (但し、Aは、n価のアルコール性水酸基含有化合物の
    残基、n価のフェノール性水酸基含有化合物の残基、ま
    たは、n価のカルボン酸残基であり、R1は水素原子また
    はメチル基であり、nは1〜4の整数である。) で表される化合物である請求項1に記載の硬化性組成
    物。
  3. 【請求項3】分子中に少なくとも1個のエポキシ基を有
    する化合物が下記式(IV) (ただし、R1およびR4は、それぞれ水素原子またはメチ
    ル基であり、R2およびR3は、それぞれ同種または異種の
    ヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数1〜4の
    アルキレン基、または下記式 で示される基であり、mおよびnは、それぞれ0または
    1である。) で表される化合物である請求項1に記載の硬化性組成
    物。
  4. 【請求項4】フォトクロミック化合物が下記一般式
    (V) [ここで、下記式 で示される基はそれぞれ置換基を有していてもよい二価
    の芳香族炭化水素基または二価の不飽和複素環基であ
    り、R5は、アルキル基、アリール基または一価の複素環
    基であり、下記式 で示される基は、ノルボルニリデン基またはアダマンチ
    リデン基であり、Xは、酸素原子、 基 >N−R6、 基 >N−A1−B1−(A2)−(B2)−R7、 基 >N−A3−A4、または 基 >N−A3−R8であり、 (ここで、R6は、水素原子、アルキル基またはアリール
    基であり、A1、A2およびA3は、同一もしくは異なり、ア
    ルキレン基、アルキリデン基、シクロアルキレン基また
    はアルキルシクロアルカン−ジイル基であり、B1および
    B2は、同一もしくは異なり、下記式 で示される基であり、mおよびnは、それぞれ独立して
    0または1を示すが、mが0のときはnは0であり、R7
    は、アルキル基、ナフチル基またはナフチルアルキル基
    であり、A4は、ナフチル基であり、R8は、ハロゲン原
    子、シアノ基またはニトロ基である。)] で表されるフルギド化合物である請求項1に記載の硬化
    性組成物。
  5. 【請求項5】フォトクロミック化合物が下記式(VI) ここで、R9、R10、R11およびR12は、それぞれ同一また
    は異なる水素原子、アルキル基、アリール基、置換アミ
    ノ基または飽和複素環基であり、R11およびR12は、一緒
    になって環を形成していてもよく、下記式 で示される基は、それぞれ置換されていてもよい二価の
    芳香族炭化水素基または二価の不飽和複素環基である、 で表されるクロメン化合物である請求項1に記載の硬化
    性組成物。
  6. 【請求項6】フォトクロミック化合物が下記式(VII) ここで、R13、R14およびR15は、それぞれ同一または異
    なり、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルアル
    キル基、アルコキシ基、アルキレンオキシアルキル基、
    アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルアルキ
    ル基、アリール基、アラルキル基、アリーロキシ基、ア
    ルキレンチオアルキル基、アシル基、アシロキシ基また
    はアミノ基であり、R14およびR15は、一緒になって環を
    形成してもよく、またR13、R14およびR15は置換基を有
    してもよく、そして下記式 で示される部分は、それぞれ独立に、それぞれ置換され
    ていてもよい二価の芳香族炭化水素基または二価の不飽
    和複素環基である、 で表されるスピロオキサジン化合物である請求項1に記
    載の硬化性組成物。
  7. 【請求項7】フォトクロミック化合物が、上記式(V)
    で表されるフルギド化合物、上記式(VI)で表されるク
    ロメン化合物および上記式(VII)で表されるスピロオ
    キサジン化合物の組合せである請求項1に記載の硬化性
    組成物。
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