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JP3371727B2 - チェーンアジャスタのオイル供給構造 - Google Patents

チェーンアジャスタのオイル供給構造

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JP3371727B2 JP34112396A JP34112396A JP3371727B2 JP 3371727 B2 JP3371727 B2 JP 3371727B2 JP 34112396 A JP34112396 A JP 34112396A JP 34112396 A JP34112396 A JP 34112396A JP 3371727 B2 JP3371727 B2 JP 3371727B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】自動車、オートバイ、船外機
等に使われる内燃機関には、バルブの開閉を同期させる
ためにタイミングチェーンがクランクシャフトとカムシ
ャフトに掛け渡されているものがある。このクランクシ
ャフト、タイミングチェーン等の可動部にはオイルが供
給され、駆動力を円滑に伝えるようにされている。本発
明はタイミングチェーンを保持するチェーンアジャスタ
のオイル供給構造に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、自動車の内燃機関に設けたタイミ
ングチェーンは張力を維持するためにチェーンアジャス
タ装置が設けられている。図９に示すように、タイミン
グチェーン１はシリンダブロック２から突出したクラン
クシャフト３とカムシャフト４に掛け渡され、チェーン
アジャスタ装置５の作動部である湾曲した押圧板６に外
周を摺接させている。押圧板６の上部はボルト７により
軸支され、押圧板６の下部はチェーンアジャスタ装置５
の駆動部ブロック８のスプリング９に付勢されたロッド
10と接続されており、押圧板６がタイミングチェーン１
に圧接されている。
【０００３】チェーンアジャスタ装置５の駆動部ブロッ
ク８は、図10に示すように、シリンダブロック２の表面
から肉盛りした凸状の接合平面11にボルト12（図９参
照）で結合されるようになっており、結合位置（接合平
面11）には凹状のリザーブ室13が形成され、リザーブ室
13より深部にオイル通路14が交差して形成されている。
そして、リザーブ室13とオイル通路14は流入孔15で連通
されている。また、図11に示すように、オイル通路14の
先端は側面に貫通しているので、端部はプラグ16によっ
て閉じられている。
【０００４】このように構成したチェーンアジャスタ装
置５は、スプリング９の押し力によって駆動部ブロック
８のロッド10が伸長され、供給されるオイルの圧力で調
整されて押圧板６が押され、タイミングチェーン１の張
力が適切にされる（実開昭57-71711号公報参照）。この
ほか、オイルポンプからカムシャフト、バルブへ連通す
るオイル通路も形成されている（実開昭61-147312 号公
報参照）。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記、
チェーンアジャスタ装置５の駆動部ブロック８をシリン
ダブロック２のリザーブ室13の位置にボルト締めする構
造では、シリンダブロック２を横断するようにオイル通
路14を形成したとき、オイル通路14がシリンダブロック
２の表面に近接して設けられる。このため、オイル通路
14の端部が側方に向け開口するのでプラグ16を使用して
閉塞させるので加工工数が多くなり、コストが高くな
る。
【０００６】本発明は、チェーンアジャスタ装置の取り
付けを容易にし、しかもオイル供給が円滑に行えるチェ
ーンアジャスタのオイル供給構造を提供することを目的
とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、作動部と駆動部ブロックからなるチェーン
アジャスタ装置の前記駆動部ブロックにオイル供給孔を
設け、シリンダブロックのタイミングチェーン側の表面
に略逆Ｕ字形のオイル溝を穿設した台座を形成し、前記
オイル溝の一端にリザーブ室を設け、他端にアジャスタ
用のオイル通路を連通させ、前記オイル供給孔を前記リ
ザーブ室に整合するように前記駆動部ブロックを前記台
座に装着したことを特徴とする。
【０００８】上記構成において、逆Ｕ字形のオイル溝を
シリンダブロック表面より深く形成したことを特徴とす
る。また、クランクジャーナル周面に形成した通路と前
記オイル通路とを連結したことを特徴とする。
【０００９】本発明によるチェーンアジャスタ装置はタ
イミングチェーンが弛まないように張力を維持させるよ
うにしたもので、タイミングチェーンに圧接させる押圧
板（作動部）と、押圧板を動かすスプリングに付勢され
たロッド（駆動部）とを備え、駆動部を支持する駆動部
ブロックはオイル供給孔が設けられている。そして、シ
リンダブロックへ駆動部ブロックを取り付けるときに、
オイル供給孔をシリンダブロックのリザーブ室に整合さ
せる。したがって、本発明はチェーンアジャスタ装置の
作動部および駆動部の機能が同じであれば類似のチェー
ンアジャスタ装置に適用できる。
【００１０】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。まず、図８に示すように、シ
リンダブロック２にはクランクシャフト３が突出し、ク
ランクジャーナル17およびジャーナルメタル18によって
支持され、先端にオイルポンプ19のインナーローター20
およびアウターローター21が設けられている。そしてこ
れらを囲ってオイルポンプボディ22が設けられている。
オイルポンプ19にはリリースバルブ23が設けられ、ま
た、オイル吸込口24からオイルパン25に延びるパイプ26
先端にはオイルストレーナー27が接続されている。
【００１１】オイルポンプ19の吐出側はサブギャラリー
28を介してオイルフィルタ29と接続され、オイルフィル
タ29の出力側はメインギャラリー30を介してシリンダブ
ロック２内のジャーナルに向かうオイル通路31およびシ
リンダヘッドに向かう通路32に接続されている。ジャー
ナル側のオイル通路31はジャーナルメタル18背側の通路
33とも連通されている。さらに、ジャーナルメタル18に
は径方向に貫通するオイル孔34が形成され、ジャーナル
メタル18の内外周をオイルが潤湿しオイル通路として利
用される。一方、ジャーナルメタル18の斜め上方にシリ
ンダブロック２の表面より突出して台座35が設けら、ジ
ャーナルメタル18の外周部から台座35に延びる上向き傾
斜のオイル通路36が接続されている。なお、オイル通路
31およびオイル通路36の途中にボルト座ぐり37，37が交
差したときはオイルの通路として利用できる。
【００１２】また、シリンダブロック２のチェーンカバ
ー（図示略）はオイルポンプボディ22のカバー面（図示
略）を備えており、チェーンカバーを取り付けるシリン
ダブロック２の取付面2aはシリンダブロック２の表面2b
から突出した位置に設けられ、図１に示すチェーンアジ
ャスタ装置５の駆動部ブロック８を取り付ける台座35の
取付面（表面）35a と同じ高さにされている。
【００１３】駆動部ブロック８は図１および図５ないし
図７に示すように、一対の取付孔38が設けられ、取付面
8aにオイル供給孔39が開けられ、ブロック内部のラッシ
ュアジャスタ40にオイルが供給されるようになってい
る。また、スプリング９に付勢されたロッド10が進退自
在（伸長距離ａ）に設けられ、ロッド10は押圧板６をタ
イミングチェーン１に圧接させ、張力を調整するように
なっている（図９参照）。また、ラッシュアジャスタ40
はこのときのタイミングチェーン１の振動による反力を
吸収するようになっている。
【００１４】図２および図３に示すように、駆動部ブロ
ック８を設置する台座35には一対のねじ孔41が開けら
れ、台座表面35a には装着時、略逆Ｕ字形となる溝42が
形成され、隔壁部43を間にして一方はスペースを拡張し
たリザーブ室44を構成し、他方はリザーブ室44の下端よ
りも下方に延長したオイル昇降室45となっている。ま
た、略逆Ｕ字形の溝42はシリンダブロック２の表面2bよ
り深く鋳抜かれ、ジャーナル側から延びたオイル通路36
はシリンダブロック２の内部に形成され、オイル昇降室
45の下端の壁面にオイル通路36が開口されている。した
がって、台座35に駆動部ブロック８を設置した場合は、
図４に示すように、オイル供給孔39がリザーブ室44に整
合される。
【００１５】次に、駆動部ブロック８へのオイル供給に
ついて説明する。内燃機関の作動中、オイルはオイル吸
込口24からオイルポンプボディ22内に入り、オイルポン
プ19によってオイルフィルタ29を介してオイル通路31に
送出される。オイルはオイル通路31から座ぐり37を中継
してジャーナルメタル18のオイル孔34等を通り、台座35
に向かう上向き傾斜したオイル通路36に流れる。台座35
のオイル昇降室45の下端に送出されたオイルは、オイル
昇降室45内に貯溜されながら上昇し、隔壁部43を越えて
リザーブ室44に流入し、オイル供給孔39から駆動部ブロ
ック８に入りラッシュアジャスタ40に注入される。これ
により、チェーンアジャスタを円滑に行える。
【００１６】内燃機関が停止したときは、オイルポンプ
19の圧力がなくなるので台座35のオイル昇降室45内のオ
イルは下方に引き、リザーブ室44にはオイルが滞溜す
る。したがって、再始動時の初期にはリザーブ室44に滞
溜したオイルが流動して駆動部ブロック８を潤滑する。
これにより、チェーンアジャスタへの初期のオイル供給
時間を短くでき、アジャスタの性能が向上し、内燃機関
の騒音、排気を低減可能にする。
【００１７】また、オイルをメインギャラリー30からク
ランクジャーナル17部を介して供給するので、この通路
間でリークが促され、駆動部ブロック８内のラッシュア
ジャスタ40のオイルが高圧になり過ぎないようにされて
いる。さらに、オイル通路36から台座35に形成した逆Ｕ
字状の溝42に侵入した空気は溝42の上部に落ち着き、リ
ザーブ室44のオイルに混入しないので、ラッシュアジャ
スタ40に空気が入りにくくなり、タイミングチェーンの
張力調整が円滑に行われるようになる。
【００１８】このほか、シリンダブロック２の製作時
に、逆Ｕ字状のオイル溝42をシリンダブロック２の表面
2bより深く鋳抜いたことにより、また、上向き傾斜のオ
イル通路36をシリンダブロック２内で加工したので、オ
イル溝42とオイル通路36とを連通させることが容易にな
る。また、従来のオイル通路で使用されるプラグが不要
となり、加工工数の減少、部品点数の削減となり、軽量
化、製造コストの低減を図る。
【００１９】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成したもので
あり、チェーンアジャスタ装置の駆動部ブロックを取り
付ける台座に形成したリザーブ室が、内燃機関の停止後
においてもオイルを貯溜しているので、再始動時のオイ
ルの初期供給の時間が短縮され、騒音、排気の低減を図
ることができる。また、鋳造により、リザーブ室までの
オイル通路を製作できるので、従来と比較して部品点数
削減、軽量化を図ることができ、製造コストを低減する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による実施例のチェーンアジャスタのオ
イル供給構造の要部正面図である。
【図２】図１に示すシリンダブロックに形成した台座の
正面図である。
【図３】図２に示す台座のＡ−Ａ側断面図である。
【図４】図２に示す台座との位置関係を示す駆動部ブロ
ックの平面図である。
【図５】図４に示す駆動部ブロックの側面図である。
【図６】図４に示す駆動部ブロックの裏面図である。
【図７】図４に示す駆動部ブロックの側面図である。
【図８】図１に示すシリンダブロックの概要を示す正面
図である。
【図９】従来のシリンダブロックの全体を示す正面図で
ある。
【図１０】図９に示すチェーンアジャスタのオイル供給
構造の要部正面図である。
【図１１】図１０に示すオイル供給構造の側面図であ
る。
【符号の説明】
２ シリンダブロック 2b シリンダブロック表面 ５ チェーンアジャスタ装置 ６ 作動部 ８ 駆動部ブロック 34 通路 35 台座 36 オイル通路 39 オイル供給孔 42 オイル溝 44 リザーブ室

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 作動部と駆動部ブロックからなるチェー
    ンアジャスタ装置の前記駆動部ブロックにオイル供給孔
    を設け、 シリンダブロックのタイミングチェーン側の表面に略逆
    Ｕ字形のオイル溝を穿設した台座を形成し、前記オイル
    溝の一端にリザーブ室を設け、他端にアジャスタ用のオ
    イル通路を連通させ、 前記オイル供給孔を前記リザーブ室に整合するように前
    記駆動部ブロックを前記台座に装着したことを特徴とす
    るチェーンアジャスタのオイル供給構造。
  2. 【請求項２】 逆Ｕ字形のオイル溝をシリンダブロック
    表面より深く形成したことを特徴とする請求項１記載の
    チェーンアジャスタのオイル供給構造。
  3. 【請求項３】 クランクジャーナル周面に形成した通路
    と前記オイル通路とを連結したことを特徴とする請求項
    １記載のチェーンアジャスタのオイル供給構造。
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