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JP3362458B2 - 芳香族アミド化合物の製造法 - Google Patents

芳香族アミド化合物の製造法

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JP3362458B2
JP3362458B2 JP17806593A JP17806593A JP3362458B2 JP 3362458 B2 JP3362458 B2 JP 3362458B2 JP 17806593 A JP17806593 A JP 17806593A JP 17806593 A JP17806593 A JP 17806593A JP 3362458 B2 JP3362458 B2 JP 3362458B2
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amide compound
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ゆかり 藤本
隆行 東井
英樹 牛尾
努 松本
正好 南井
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芳香族アミン誘導体の
アミノ基を選択的にアシル化する芳香族アミド化合物の
製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、酸ハロゲン化物を用いた酸アミド
の合成においては、反応の結果生じるハロゲン化水素を
捕捉するために、塩基を存在させる。該塩基としては、
通常第三級アミンを用いるが、例えば、トリエチルアミ
ン等の脂肪族アミンを用いた場合、芳香環をヒドロキシ
ル基により置換された芳香族第1級アミン誘導体の酸ア
ミド化を行うと、ヒドロキシル基もアシル化された化合
物が主生成物となり、目的の化合物が得られない。ま
た、ピリジン、ピコリン等の無置換またはモノアルキル
置換複素環式化合物をハロゲン化水素の捕捉に用いる
と、酸アミド化合物が優先的に得られるようになるが、
工業的に使用するためには、ピリジン、ピコリン類は水
に対する溶解度が高い為、回収方法が煩雑であり、ま
た、製造過程において生じる排水の環境に対する負荷も
大きい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ヒドロキシル基置換芳
香族第1級アミン誘導体のアミノ基のみを工業的に有利
な方法により選択的にアシル化する、芳香族アミド化合
物の製造法を開発することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、ヒドロキシル基置換芳香族第1級アミン誘導体
のアミノ基の選択的アシル化による芳香族アミド化合物
の製造法として、酸ハロゲン化物を用い、脱酸剤として
ジアルキル置換ピリジンを用いることにより、工業的に
有利な製造法を見い出すにいたった。即ち、本発明は、 Ar−NH2 ・(A)n (1) ここでX1 およびX2 はそれぞれ水素原子、アルキル
基、アルコキシ基、アシル基またはハロゲン原子を示
し、AはHCl、H2 SO4 、HBr、p−トルエンス
ルホン酸、メタンスルホン酸から選ばれるいずれか1つ
を示し、nは0または1を示す。)で示される芳香族ア
ミン誘導体と 一般式(2) (式中、Rは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜
10のアルコキシ基、フェニル置換炭素数1〜10のアルキ
ル基、フェニル置換炭素数1〜10のアルコキシ基を表わ
す。ここでアルキル基またはアルコキシ基は、ハロゲン
原子で置換されていてもよい。Zは、ハロゲン原子を示
す。)で示される酸ハロゲン化物とを、脱酸剤として 一般式(3) (式中、X3 およびX4 はそれぞれ低級アルキル基を示
す。)で示されるジアルキル置換ピリジン類の存在下反
応させることを特徴とする。) 一般式(4) (式中、ArおよびRは前記と同じ意味を示す。)で示
される芳香族アミド化合物の選択的製造法を提供するも
のである。
【0005】本発明の化合物を表わす一般式に於いて、
1 およびX2 は、それぞれ、メチル、エチル、プロピ
ル、ブチルのごときアルキル基、メトキシ、エトキシ、
プロポキシ、ブトキシのごときアルコキシ基、アセチ
ル、プロピオニル、ブチリル、ペンチリルのごときアシ
ル基、フッ素、塩素、臭素のごときハロゲン原子を表わ
し、Rは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチ
ル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、
2,4−ジメチルヘキシル、2,3,6−トリメチルヘ
プチル、イソブチル、イソプロピル、s−ブチル、t−
ブチル、1−メチルブチル、シクロヘキシルのごときア
ルキル基、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキ
シ、ペンチルオキシ、、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキ
シ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、
2,4−ジメチルヘキシルオキシ、2,3,6−トリメ
チルヘプチルオキシ、イソブチルオキシ、イソプロピル
オキシ、s−ブチルオキシ、t−ブチルオキシ、1−メ
チルブチルオキシのごときアルコキシ基、ベンジル、2
−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニ
ルブチル、5−フェニルペンチル、6−フェニルヘキシ
ル、7−フェニルヘプチル、8−フェニルオクチル、9
−フェニルノニル、10−フェニルデシル、ベンジルオキ
シ、2−フェニルエチルオキシ、3−フェニルプロピル
オキシ、4−フェニルブチルオキシ、5−フェニルペン
チルオキシ、6−フェニルヘキシルオキシ、7−フェニ
ルヘプチルオキシ、8−フェニルオクチルオキシ、9−
フェニルノニルオキシ、10−フェニルデシルオキシ、ハ
ロメチル、2−ハロエチル、3−ハロプロピル、4−ハ
ロブチル、5−ハロペンチル、6−ハロヘキシル、7−
ハロヘプチル、8−ハロオクチル、9−ハロノニル、10
−ハロデシルのごときハロアルキル基、ハロメトキシ、
2−ハロエトキシ、3−ハロプロポキシ、4−ハロブト
キシ、5−ハロペンチルオキシ、6−ハロヘキシルオキ
シ、7−ハロヘプチルオキシ、8−ハロオクチルオキ
シ、9−ハロノニルオキシ、10−ハロデシルオキシのご
ときハロアルコキシ基、を表わす。ここでハロとは塩素
>原子または臭素原子を表わす。Zは、フッ素原子、塩
素原子、臭素原子のごときハロゲン原子を表わす。
【0006】本発明で用いられるジアルキル置換ピリジ
ン(3)としては、例えば、5−エチル−2−メチルピ
リジン、2,3−ジメチルピリジン、2,4−ジメチル
ピリジン、2,5−ジメチルピリジン、2,6−ジメチ
ルピリジン、3,4−ジメチルピリジン、3,5−ジメ
チルピリジン、2,6−ジイソプロピルピリジン、2,
6−ジ−t−ブチルピリジン等が挙げられる。
【0007】芳香族アミン誘導体(1)と酸ハロゲン化
物(2)とを反応させ、芳香族アミド化合物(4)を得
る反応において、酸ハロゲン化物(2)の使用量は、ア
ミン誘導体(1)に対して、通常 0.3〜2倍当量である
が、好ましくは 0.9〜1.5 倍当量である。また、反応の
結果生じるハロゲン化水素を捕捉するために用いるジア
ルキル置換ピリジン(3)の使用量は、1〜10倍当量
であるが、好ましくは1〜5倍当量である。ただし、芳
香族アミン誘導体(1)として酸との塩を用いた場合に
は2〜6倍当量が好ましい。
【0008】上記反応において、溶媒を使用する場合、
その溶媒としては、例えばヘキサン、トルエン、ベンゼ
ン、クロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、
四塩化炭素、テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ア
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン
等の脂肪族もしくは芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水
素、エーテル、ケトン等の反応に不活性な溶媒の単独ま
たは混合物が挙げられる。また、その使用量について
は、特に制限されない。
【0009】反応温度は、通常−30〜100℃である
が、好ましくは0〜80℃である。反応時間は特に制限
されず、原料の芳香族アミン誘導体(1)または酸ハロ
ゲン化物(2)が消失した時点を反応の終点とすること
ができる。反応終了後、通常の分離手段、例えば抽出、
分液、濃縮等の操作により、芳香族アミド化合物(4)
を収率よく得ることができ、必要に応じて、再結晶、蒸
留等により、精製することもできる。
【0010】
【発明の効果】本発明の製造法によれば、ヒドロキシル
基置換芳香族第1級アミン誘導体のアミノ基のみを、有
利な方法により、選択的にアシル化し、芳香族アミド化
合物を製造することができ、排水の負荷も少なく工業的
に極めて有利である。
【0011】
【実施例】以下、実施例により、本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0012】実施例1 攪拌装置、温度計を装置した4つ口フラスコに、2−ア
ミノ−フェノール10.9g、5−エチル−2−メチルピリ
ジン35.4gおよびトルエン200mlを仕込み、0〜10
℃に冷却した。その中に、安息香酸クロリド14.1gを温
度を0〜10℃に保ちながら、滴下することにより加
え、10時間反応させた。反応終了後、反応混合物を5
%HCl水、水洗ののち、減圧下濃縮して褐色残査を
得、これを再結晶により精製することにより、ベンゾイ
ル−2−ヒドロキシアニリド17.9g(収率90%)を得
た。
【0013】実施例2〜10 表−1に示した出発原料を用い、実施例1に準じた方法
により、反応、後処理を行うことによって芳香族アミド
化合物(3)を得ることができる。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】比較例 実施例4において、5−エチル−2−メチルピリジンに
代えて、トリエチルアミンを用いる以外は実施例4に準
じて反応を行なった。主生成物は、ヒドロキシル基、ア
ミノ基ともにアシル化されたものであり、目的のアミノ
基のみがアシル化された芳香族アミド化合物は収率7%
程度しか得られなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 努 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友 化学工業株式会社内 (72)発明者 南井 正好 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友 化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭52−62234(JP,A) 特開 平4−211674(JP,A) 特開 昭63−159342(JP,A) 特開 昭49−35303(JP,A) 特公 昭49−35612(JP,B1) 英国特許出願公開1088295(GB,A) 米国特許4046905(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 231/02 C07C 233/75 C07C 235/56 C07B 43/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) Ar−NH2 ・(A)n (1) ここでX1 およびX2 は、それぞれ水素原子、アルキル
    基、アルコキシ基、アシル基またはハロゲン原子を示
    し、AはHCl、H2 SO4 、HBr、p−トルエンス
    ルホン酸、メタンスルホン酸から選ばれるいずれか1つ
    を示し、nは0または1を示す。)で示される芳香族ア
    ミン誘導体と一般式(2) (式中、Rは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜
    10のアルコキシ基、フェニル置換炭素数1〜10のアルキ
    ル基、フェニル置換炭素数1〜10のアルコキシ基を表わ
    す。ここでアルキル基またはアルコキシ基は、ハロゲン
    原子で置換されていてもよい。Zは、ハロゲン原子を示
    す。)で示される酸ハロゲン化物とを、脱酸剤として一
    般式(3) (式中、X3 およびX4 はそれぞれ低級アルキル基を示
    す。)で示されるジアルキル置換ピリジン類の存在下反
    応させることを特徴とする一般式(4) (式中、ArおよびRは、前記と同じ意味を示す。)で
    示される芳香族アミド化合物の製造法。
  2. 【請求項2】ジアルキル置換ピリジン類が、5−エチル
    −2−メチルピリジンである請求項1記載の製造法。
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