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JP3360946B2 - ブラシレスモータの制御回路 - Google Patents

ブラシレスモータの制御回路

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JP3360946B2
JP3360946B2 JP18024594A JP18024594A JP3360946B2 JP 3360946 B2 JP3360946 B2 JP 3360946B2 JP 18024594 A JP18024594 A JP 18024594A JP 18024594 A JP18024594 A JP 18024594A JP 3360946 B2 JP3360946 B2 JP 3360946B2
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敏明 川島
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ビーオーシーエドワーズテクノロジーズ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、ブラシレスモータの制
御回路に係り、例えば、磁気軸受式ターボ分子ポンプや
磁気軸受スピンドル等に使用されるブラシレスモータの
制御回路に関する。 【0002】 【従来の技術】ブラシレスモータは、通常半導体ホール
素子を用いたホールセンサによって磁極(N極、S極)
の位置、角度を検出し、このホールセンサの出力信号
(ON/OFF信号)に基づいてモータの各巻線の電流
を切り換えるようにしている。 【0003】図9は、従来のブラシレスモータの制御回
路を表したものである。この図に示すように、ロータ1
0は、2極の永久磁石を有しており、ロータ10の周囲
には、永久磁石の磁束密度変化からロータ10の回転角
度を検出するための3つのホールセンサ12A、12
B、12Cが互いに120°の間隔をおいて配設されて
いる。 【0004】ホールセンサ12A、12B、12Cは、
モータ制御回路14にそれぞれ接続されており、モータ
制御回路14は、ホールセンサ12A、12B、12C
からの信号に基づいてそれぞれU相、V相、W相のモー
タ巻線16U、16V、16Wの電流を切り換えるよう
になっている。 【0005】図10は、モータ制御回路14によって電
流の切換制御が行われた場合の、各ホールセンサ12
A、12B、12Cの出力波形A、B、Cと、モータ巻
線16U、16V、16Wの電流Iu、Iv、Iw、電
圧VU N 、VV N 、VW N 、及び発生トルクTの
関係を表したものである。なお、電圧VU N 、VV
N 、VW N は、それぞれ、モータ巻線16U、16
V、16Wの中点N(図1参照)に対するU相、V相、
W相の電圧である。 【0006】この図に示すように、ホールセンサ12
A、12B、12Cの出力からは、それぞれA、B、C
で示すような波形の信号が得られ、モータ制御回路14
は、これら各信号の立上りや立ち下がりに応じて、電流
Iu、Iv、Iwを切り換える。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかし、一般にホール
センサは、磁束密度の検出感度が個々にばらついてお
り、また、その取付け位置にも若干のばらつきが生じる
ため、ロータ10が1回転する際に発生する各相毎のホ
ールセンサ12A、12B、12Cの出力信号が、図1
0に示したように均一な等間隔とはならない場合があ
る。 【0008】図11は、検出感度や取付け位置にばらつ
きがある場合のホールセンサ12A、12B、12Cの
出力波形A′、B′、C′と、電流Iu、Iv、Iwと
の関係を表したものである。各ホールセンサ12A、1
2B、12Cの検出感度や取付け位置にばらつきがある
と、図11に示すように、それらの出力波形A′、
B′、C′は、一点鎖線で示す角度位置から位相がずれ
てしまう。すなわち、ホールセンサ12A、12B、1
2Cの出力波形の立上り及び立ち下がりの間隔T1〜T
6が、図11にそれぞれ示すようにばらついてしまう。
また、このばらつきによって電流Iu、Iv、Iwの位
相も各相毎にばらついてしまう。 【0009】位相にばらつきのある巻線電流によってロ
ータ10を回転させると、トルクリップルやロータ10
に対して好ましくない吸引力が発生するため、従来のブ
ラシレスモータでは、回転時に振動や騒音が発生すると
いう問題があった。また、磁気軸受式ターボ分子ポンプ
等に組み込まれたブラシレスモータのように、磁気軸受
によって非接触で支持されているロータを直接ブラシレ
スモータで回転させる場合には、前述のようなセンサ出
力のばらつきに起因するトルクリップルや吸引力によっ
て、磁気軸受の低振動、低騒音といった特性が著しく損
なわれてしまう。 【0010】更に、制御型の磁気軸受の場合、ロータの
変位(振動)に対応してロータを磁気浮上させている電
磁石の磁力をフィードバック制御するため、ブラシレス
モータによってロータに振動が与えられると、磁気軸受
の制御系によって励振され、発振現象を引き起こすこと
がある。また、ロータの回転角を検出するための2つの
回転角検出センサを備えたブラシレスモータの制御回路
の場合、ロータが停止している角度位置によって、ロー
タを回転始動させることができない場合がある。 【0011】そこで、本発明は、振動や騒音を防止する
ことができるブラシレスモータの制御回路を提供するこ
とを第1の目的とする。また、本発明の目的は、どの角
度位置にロータが停止していても、ロータを回転始動さ
せることができる、2つの回転角検出センサを備えたブ
ラシレスモータの制御回路でを提供することを第2の目
的とする。 【0012】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、ロータを回転させる3相のモータ巻線と、前記ロー
タの回転角を検出して回転に同期した同期信号を出力す
る2つの回転角検出センサSA2,SB2と、前記ロー
タの回転数を検出する回転数検出手段と、この回転数検
出手段で検出された回転数が所定回転数以上であるか否
かを判断する回転数判断手段と前記回転数判断手段で
前記ロータの回転数が所定回転数以上であると判断され
た場合に、前記回転角検出センサSA2より出力された
同期信号から、前記ロータの回転数の3倍の周波数に同
期した逓倍同期信号を生成する逓倍同期信号生成回路
と、前記回転数判断手段で前記ロータの回転数が所定回
転数に満たないと判断された場合に、前記回転角検出セ
ンサSA2,SB2からの同期信号を基に前記モータ巻
線の電流を切り換え、前記ロータの回転数が所定回転数
以上であると判断された場合に、前記逓倍同期信号生成
回路で生成された逓倍同期信号に基づいて前記各モータ
巻き線の電流を切り換える巻線電流制御手段と、前記巻
線電流制御手段により切り換えられた前記各モータ巻き
線の電流の位相を調整する位相調整回路とを具備し、
記回転角検出センサSA2,SB2は、前記モータ巻き
線に対する相対的な位置が前記ロータの回転と反対方向
にずらして取り付けられ、前記位相調整回路は、前記回
転数判断手段で前記ロータの回転数が所定回転数以上で
あると判断された場合に、前記回転角検出センサの取付
け位置のずれ分だけ前記各モータ巻き線の電流の位相を
遅らせる、ことにより前記第1及び第2の目的を達成す
る。 【0013】 【0014】 【作用】請求項1に記載したブラシレスモータの制御回
路では、回転角検出センサSA2,SB2を、モータ巻
き線に対する相対的な位置がロータの回転と反対方向に
ずらして取り付け、回転数判断手段でロータの回転数が
所定回転数に満たないと判断された場合に、回転角検出
センサSA2,SB2からの同期信号を基にモータ巻線
の電流を切り換える。これにより、どの角度位置にロー
タが停止していても、ロータを回転始動させることがで
きる。 また、回転数判断手段でロータの回転数が所定回
転数以上であると判断された場合に、回転角検出センサ
SA2より出力された同期信号から、ロータの回転数の
3倍の周波数に同期した逓倍同期信号を生成し、生成さ
れた逓倍同期信号に基づいて各モータ巻き線の電流を切
り換え、回転角検出センサの取付け位置のずれ分だけ各
モータ巻き線の電流の位相を遅らせる。従って、各モー
タ巻線の電流には、位相のばらつきが発生せず、ロータ
に不要な吸引力やトルクリップルが発生しない。 【0015】 【0016】 【実施例】以下、本発明のブラシレスモータの制御回路
における一実施例を図1ないし図8を参照して詳細に説
明する。図1は、第1の実施例によるブラシレスモータ
の制御回路の主要構成を表したものである。 【0017】本実施例のブラシレスモータの制御回路2
0は、ロータ10の回転角度を検出するための3相の回
転角検出センサSA1、SB1、SC1と、ロータ10
を回転させるためのモータ巻線16U、16V、16W
と、モータ巻線16U、16V、16Wへの電流を制御
するモータ駆動回路22とを備えている。 【0018】回転角検出センサSA1、SB1、SC1
は、ロータ10の周囲においてその周方向に120°の
間隔をおいて配設されており、本実施例では、ロータ1
0が有する永久磁石の磁束密度を検出することでその回
転角を検出するホールセンサを用いる。この回転角検出
センサSA1、SB1、SC1の出力信号の波形は、図
10にそれぞれA、B、Cで示したものと略同様であ
る。 【0019】一方、モータ駆動回路22は、直流電源2
4と、三相ブリッジを形成する6つのトランジスタ2
6、28、30、32、34、36とを備えており、所
定のゲート信号が各トランジスタ26、28、30、3
2、34、36のベースにそれぞれ供給されることで、
モータ巻線16U、16V、16WにそれぞれU相、V
相、W相の三相交流電流を供給するようになっている。 【0020】なお、図1では、ロータ10とは別に示さ
れているが、モータ巻線16U、16V、16Wは、ロ
ータ10の外周部に配設されている。また、ブラシレス
モータの制御回路20は、回転角検出センサSA1の出
力信号を逓倍する逓倍同期パルス発生回路38を備えて
いる。この逓倍同期パルス発生回路38は、回転角検出
センサSA1の出力信号(図10における波形A参照)
からロータ10における回転数の3倍の周波数に同期し
た逓倍同期信号を発生するもので、本実施例では、例え
ば、PLL(Phase Locked Loop)方式により行うように
なっている。 【0021】一方、回転角検出センサSA1には、回転
数検出回路40も接続されている。回転数検出回路40
は、回転角検出センサSA1の出力信号からロータ10
の回転数を検出し、検出した回転数をコンパレータ42
に供給するようになっている。コンパレータ42には、
基準値設定回路44に予め設定された所定回転数の値
(基準値)が供給されるようになっており、この基準値
設定回路44からの所定回転数と、回転数検出回路40
からの検出回転数とを比較するようになっている。 【0022】また、本実施例におけるブラシレスモータ
の制御回路20は、ゲートドライブ信号生成回路46を
備えている。ゲートドライブ信号生成回路46は、モー
タ駆動回路22の各トランジスタ26、28、30、3
2、34、36のベースとそれぞれ接続されており、こ
れらに順次所定のタイミングでゲート信号を供給するこ
とで、モータ巻線16U、16V、16Wへの供給電流
を切り換えるようになっている。 【0023】また、ゲートドライブ信号生成回路46に
は、回転角検出センサSA1、SB1、SC1と逓倍同
期パルス発生回路38とが接続されており、回転角検出
センサSA1、SB1、SC1からは図10のA、B、
Cで示したような波形のセンサ信号が、逓倍同期パルス
発生回路38からは、ロータ10の回転数の3倍に同期
した逓倍同期信号(図2のD参照)が、それぞれ供給さ
れるようになっている。 【0024】更に、ゲートドライブ信号生成回路46に
は、コンパレータ42が接続されており、回転数検出回
路40の検出回転数と基準値設定回路44の所定回転数
との比較の結果、ロータ10の回転数が所定回転数以上
であるか否かを示す信号が、供給されるようになってい
る。 【0025】本実施例のゲートドライブ信号生成回路4
6では、コンパレータ42からの信号に応じて、回転角
検出センサSA1、SB1、SC1からのセンサ信号
と、逓倍同期パルス発生回路38からの逓倍同期信号の
いずれか一方に基づいて、モータ駆動回路22の制御を
行うようになっている。 【0026】すなわち、ロータ10の回転数が所定回転
数未満である旨を示す信号がコンパレータ42から供給
された場合には、回転角検出センサSA1、SB1、S
C1からのセンサ信号に同期して、所定回転数以上であ
る旨の信号が供給された場合には、逓倍同期パルス発生
回路38からの逓倍同期信号に同期して、モータ駆動回
路22へのゲート信号を出力するようになっている。 【0027】次に、このように構成された実施例の動作
について説明する。本実施例では、ロータ10の回転数
が所定の回転数未満の場合と以上の場合とで動作が異な
るので、以下、始動時を含め回転数が所定回転数未満の
時のロータ10の回転を低速回転、所定回転数以上の時
のロータ10の回転を定常回転として、それぞれの場合
の動作について説明する。 【0028】(低速回転時)ロータ10の回転始動時に
は、回転数検出回路40で検出されるロータ10の回転
数が0であるので、逓倍同期パルス発生回路38には、
周期性を有するセンサ信号を供給されず、逓倍同期信号
は発生しない。また、ゲートドライブ信号生成回路46
には、コンパレータ42からロータ10の回転数が基準
値設定回路44に設定された所定の回転数未満である旨
を示す信号が供給される。 【0029】これにより、ゲートドライブ信号生成回路
46は、回転角検出センサSA1、SB1、SC1から
の3つのセンサ信号を基に、モータ駆動回路22の制御
を行う。すなわち、図10のA、B、Cに示したような
回転角検出センサSA1、SB1、SC1のセンサ信号
の立上りや立上りに同期して所定のゲート信号を各トラ
ンジスタ26、28、30、32、34、36に順次供
給する。これにより、モータ巻線16U、16V、16
Wには、図10にIu、Iv、Iwで示したような電流
が供給され、同図にTで示したような回転トルクが発生
して、ロータ10を回転させる。 【0030】(定常回転時)ロータ10の回転数が上昇
し、基準値設定回路44に設定された所定回転数より速
くなると、コンパレータ42からゲートドライブ信号生
成回路46には、ロータ10の回転数が所定回転数以上
である旨の信号が供給される。 【0031】一方、逓倍同期パルス発生回路38では、
回転角検出センサSA1からロータ10の回転に同期し
た周期的なセンサ信号(図10のA参照)が供給される
ようになるので、このセンサ信号から回転数の3倍に同
期した逓倍同期信号が生成され、ゲートドライブ信号生
成回路46に供給される。 【0032】ゲートドライブ信号生成回路46は、コン
パレータ42から、ロータ10の回転数が所定回転数以
上になった旨の信号を受信しているので、回転角検出セ
ンサSA1、SB1、SC1からの信号の代わりに、逓
倍同期パルス発生回路38からの逓倍同期信号を基に、
モータ駆動回路22の制御を行う。すなわち、逓倍同期
信号の立上りや立ち下がりに同期して、モータ駆動回路
22の各トランジスタ26、28、30、32、34、
36に所定のゲート信号を順次供給する。 【0033】図2は、ゲートドライブ信号生成回路46
によるモータ駆動回路22の制御によって、各モータ巻
線16U、16V、16Wに供給される電流Iu、I
v、Iwを表したものである。この図に示すように、逓
倍同期パルス発生回路38で発生する逓倍同期信号D
は、回転角検出センサSA1におけるセンサ信号A1の
3倍の周波数を有している。 【0034】また、逓倍同期信号Dは、逓倍同期パルス
発生回路38によって生成された信号であるため、従来
の図11に示したセンサ信号A′、B′、C′のよう
に、個々のセンサの特性や取付け位置に起因した信号の
ばらつきが発生しない。そのため、図2においてT1〜
T6で示すように、逓倍同期信号Dの周期は、それぞれ
等間隔となる。 【0035】本実施例では、ゲートドライブ信号生成回
路46が、この等間隔の逓倍同期信号Dにおける立上り
や立ち下がりに同期して、モータ駆動回路22の制御を
行うので、図2に示すように、モータ巻線16U、16
V、16Wの電流Iu、Iv、Iwの波形にもばらつき
が生じない。従って、トルクリップルや不要な吸引力が
発生せず、振動や騒音の発生させることなくロータ10
を回転させることができる。 【0036】以上説明したように、本実施例では、回転
角検出センサSA1のセンサ信号A1から、逓倍同期信
号Dを生成するようにしているので、従来と同様の回転
角検出センサSA1、SB1、SC1を用いてブラシレ
スモータの制御回路20を構成することができ、回路構
成を簡単にすることができる。 【0037】また、前述したように、ロータ10が停止
状態の時には、逓倍同期パルス発生回路38において逓
倍同期信号が得られないので、本実施例では、低回転時
に従来と同様に回転角検出センサSA1、SB1、SC
1の3つのセンサ信号を用いてロータ10を始動させる
ようにしている。従って、起動時の発生トルクが大き
く、ロータ10をスムーズに回転始動させることができ
る。 【0038】更に、低振動、低騒音が可能な本実施例に
よるブラシレスモータの制御回路20を用いて磁気軸受
によって支持されたロータを回転駆動する場合には、発
振が起こりにくいので、磁気軸受による出力が小さくて
済み、運転効率が良くなる。次に、第2の実施例につい
て説明する。なお、第1の実施例と同様の構成について
は同一の符号を付し、その詳細な説明は適宜省略するこ
ととする。 【0039】図3は、第2の実施例によるブラシレスモ
ータの制御回路50の主要構成を表したものである。本
実施例におけるブラシレスモータの制御回路50は、ロ
ータ10の回転角を検出するための2つの回転角検出セ
ンサSA2、SB2を備えている。 【0040】これら回転角検出センサSA2、SB2
は、それぞれゲートドライブ信号生成回路46に接続さ
れ、回転角検出センサSA2は、更に逓倍同期パルス発
生回路38と回転数検出回路40とに接続されている。
逓倍同期パルス発生回路38は、回転角検出センサSA
2のセンサ信号から、ロータ10の回転数の3倍に同期
した逓倍同期信号を生成し、ゲートドライブ信号生成回
路46に供給するようになっている。 【0041】ゲートドライブ信号生成回路46は、第1
の実施例と同様に、コンパレータ42での比較結果に応
じて、低速回転時には回転角検出センサSA2、SB2
からのセンサ信号に基づいた駆動制御を行い、定常回転
時には逓倍同期パルス発生回路38からの逓倍同期信号
に基づいた駆動制御を行うようになっている。 【0042】本実施例では、回転角検出センサSA2
が、回転角検出センサSB2に対して図3において反時
計回りに120°回転した位置に取り付けられており、
両者の相対的な位置関係は、第1の実施例における回転
角検出センサSA1、SB1と同様である。 【0043】但し、本実施例では、図示されていない
が、モータ巻線16U、16V、16Wに対する回転角
検出センサSA2、SB2の相対的な位置が、ロータ1
0の回転と反対の方向に30°ずれている。図4は、回
転角検出センサSA2、SB2の取付け角度の例をいく
つか表したものである。 【0044】本実施例では、回転角検出センサSA2、
SB2が、図4(A)に示すように、矢印Rで示すロー
タ10の回転方向と反対の方向に30°回転した位置に
取り付けられている。一方、図示しないが、モータ巻線
16U、16V、16Wは第1の実施例と同様の位置に
配設されているため、回転角検出センサSA2、SB2
の取付け位置は、モータ巻線16U、16V、16Wに
対して30°ずれている。 【0045】なお、回転角検出センサSA2、SB2の
位置を第1の実施例と同様にし、モータ巻線16U、1
6V、16Wの位置の方を、ロータ10の回転方向(矢
印R方向)に30°ずらすことで、両者の相対的な位置
をずらしてもよい。本実施例において、回転角検出セン
サSA2、SB2の位置を第1の実施例の回転角検出セ
ンサSA1、SB1の位置より30°ずらしているの
は、以下の理由による。 【0046】すなわち、第1の実施例と同様に回転角検
出センサSA2、SB2を図4(B)に示す位置に配置
した場合、これらのセンサ信号を用いた低回転時の駆動
制御においては、モータ巻線16U、16V、16Wの
発生するトルクが、ロータ10の回転位置によって0に
なる場合があるからである。 【0047】図5は、図4(B)で示す位置に取付けら
れた回転角検出センサSA2、SB2のセンサ信号に基
づいて、ゲートドライブ信号生成回路46がモータ駆動
回路22の制御を行った場合の巻線電流、電圧及び発生
トルクを表したものである。図4(B)で示すように回
転角検出センサSA2、SB2を配置すると、これらの
センサ信号A2、B2に基づいて行われる低速回転時の
駆動制御では、図5におけるO点(0°)及びP点(1
80°)の角度位置において、発生トルクTが0となっ
てしまう。 【0048】従って、この角度位置で、ロータ10が停
止している状態では、ロータ10を回転始動させること
ができないという不都合が生じる。本実施例では、この
ようなトルクTが0となる角度位置をなくすために、回
転角検出センサSA2、SB2の取付け位置をずらして
いる。 【0049】図6は、図4(A)で示す位置に取付けら
れた回転角検出センサSA2、SB2のセンサ信号に基
づいて、ゲートドライブ信号生成回路46がモータ駆動
回路22の制御を行った場合の巻線電流、電圧及び発生
トルクを表したものである。本実施例のように、図4
(A)で示す位置に回転角検出センサSA2、SB2が
取り付けられていると、これらのセンサ信号A2、B2
を用いた低速回転時の駆動制御においては、図6に示す
ようにトルクTが0となる角度位置はない。従って、ど
の角度位置にロータ10が停止していても、ロータ10
を回転始動させることができる。 【0050】但し、この場合回転角検出センサSA2の
センサ信号A2の位相が30°進むので、逓倍同期パル
ス発生回路38において生成される逓倍同期信号の位相
もその分進んでしまう。従って、ゲートドライブ信号生
成回路46が逓倍同期信号に基づいてモータ駆動回路2
2を制御する定常回転時には、逓倍同期信号の位相の進
みに応じて巻線電流Iu、Iv、Iwの位相もずれてし
まう。 【0051】そこで、本実施例のブラシレスモータの制
御回路50は、逓倍同期信号を用いた定常回転時の駆動
制御において、ゲートドライブ信号生成回路46がモー
タ駆動回路22へと供給するゲート信号の位相を回転角
検出センサSA2の取付け位置のずれ分(30°)遅ら
せる位相調整回路52を備えている。 【0052】この位相調整回路52により、本実施例に
おいても、定常回転時における巻線電流の変化は、図2
に示したものと同様になる。なお、回転角検出センサS
A2、SB2は、他の位置に取り付けてもよい。例え
ば、図4(C)に示すように、一方の回転角検出センサ
SA2を第1の実施例における回転角検出センサSA1
と同じ位置に取付け、他方の回転角検出センサSB2を
回転角検出センサSA2から90°回転した位置に取り
付けてもよい。 【0053】図7は、図4(C)で示す位置に取付けら
れた回転角検出センサSA2、SB2のセンサ信号に基
づいて、ゲートドライブ信号生成回路46がモータ駆動
回路22の制御を行った場合の巻線電流、電圧及び発生
トルクを表したものである。回転角検出センサSA2、
SB2を図4(C)に示す位置取付けた場合でも、これ
らのセンサ信号を基にして行われる駆動制御において
は,図7に示すように、発生するトルクTが0となる角
度位置は存在しない。また、この場合、回転角検出セン
サSA2のセンサ信号A2の位相はずれないので、位相
調整回路52を設ける必要がなく、前記第2の実施例の
構成よりも簡易な構成にすることができる。 【0054】なお、図4(B)で示す位置に回転角検出
センサSA2、SB2を配置し、図5の点Oや点Pでロ
ータ10が停止しないような機構を設けることで、ロー
タ10の始動不能を防止してもよい。例えば、点Oや点
Pの位置にロータ10の永久磁石と反発する磁極を配設
し、その回転位置にロータ10が停止しないようにす
る。 【0055】次に、第3の実施例について説明する。な
お、第1及び第2の実施例と同様の構成については同一
の符号を付し、その詳細な説明は適宜省略することとす
る。図8は、第3の実施例によるブラシレスモータの制
御回路60の主要構成を表したものである。 【0056】この図に示すように、本実施例では、1つ
の回転角検出センサSA3のみが、ロータ10の周囲に
取り付けられている。この回転角検出センサSA3は、
ゲートドライブ信号生成回路46や逓倍同期パルス発生
回路38、及び回転数検出回路40と接続されており、
これらにセンサ信号を供給するようになっている。 【0057】また、本実施例のブラシレスモータの制御
回路は、ロータ10の回転位置に係わりなく、ゲートド
ライブ信号生成回路46に所定周波数の信号を供給する
ことで、ゲートドライブ信号生成回路46によってモー
タ駆動回路22を強制的に駆動させる自起動周波数発生
回路62を備えている。 【0058】すなわち、本実施例では、ロータ10の回
転角を検出する手段が回転角検出センサSA3のみであ
るため、ロータ10の回転始動時にその角度位置が分か
らない。このため、回転角検出センサSA3のセンサ信
号に基づいた巻線電流の切り換え制御を行うことができ
ず、回転始動できない。従って、本実施例では、自起動
周波数発生回路62がゲートドライブ信号生成回路46
に所定周波数の信号を供給し、巻線電流を強制的に切り
換えることで、ロータ10をパルスモータ的に始動させ
るようになっている。 【0059】他の構成、及び始動時以外の動作は、第1
及び第2の実施例と同様である。本実施例では、回転角
検出センサの数が他の実施例に比べて少ないので、製造
コストを低くすることができる。なお、以上の各実施例
では、回転角検出センサSA1、SB1、SC1、SA
2、SB2、及びSA3として、ホールセンサを用いた
が、他のセンサを用いてもよい。例えば、インダクタン
ス変換型の磁気センサを用いてもよい。但し、この場
合、ロータ10に磁性材料で形成された回転位置検出板
を取付ける。また、渦電流センサ、MR素子センサ、フ
ォトセンサ、レゾルバ等を用いてロータ10の回転角度
を検出するようにしてもよい。 【0060】また、以上の各実施例では、逓倍同期パル
ス発生回路38がPLL方式によってロータ10の回転
数の3倍に同期した逓倍同期信号を生成していたが、他
の方式によって同期信号を生成してもよい。更に、3相
以外の、例えば2相、あるいは4相のブラシレスモータ
についても、本発明を適用することができる。但し、2
相の場合には、逓倍同期パルス発生回路38は、回転角
検出センサのセンサ信号からロータ10の回転数の2倍
の周波数に同期した信号を、4相のブラシレスモータの
場合には、回転数の4倍の周波数に同期した信号を生成
するようにする。 【0061】 【発明の効果】本発明のブラシレスモータの制御回路に
よれば、回転角検出センサSA2,SB2を、モータ巻
き線に対する相対的な位置がロータの回転と反対方向に
ずらして取り付け、回転数判断手段でロータの回転数が
所定回転数に満たないと判断された場合に、回転角検出
センサSA2,SB2からの同期信号を基にモータ巻線
の電流を切り換えるので、どの角度位置にロータが停止
していても、ロータを回転始動させることができる。
た、回転数判断手段でロータの回転数が所定回転数以上
であると判断された場合に、回転角検出センサSA2よ
り出力された同期信号から、ロータの回転数の3倍の周
波数に同期した逓倍同期信号を生成し、生成された逓倍
同期信号に基づいて各モータ巻き線の電流を切り換え、
回転角検出センサの取付け位置のずれ分だけ各モータ巻
き線の電流の位相を遅らせるので、トルクリップルやロ
ータに対する不要な吸引力が発生せず振動や騒音を防止
することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の第1の実施例によるブラシレスモータ
の制御回路を示した説明図である。 【図2】同回路を用いてロータを回転させたときの巻線
電流、電圧、発生トルク等を示したタイミングチャート
である。 【図3】本発明の第2の実施例によるブラシレスモータ
の制御回路を示した説明図である。 【図4】同回路において設けられる回転角検出センサの
取付け位置の例を示した説明図である。 【図5】図4(B)で示す位置に回転角検出センサを取
付けた場合の巻線電流、電圧、発生トルク等を示したタ
イミングチャートである。 【図6】図4(A)で示す位置に回転角検出センサを取
付けた場合の巻線電流、電圧、発生トルク等を示したタ
イミングチャートである。 【図7】図4(C)で示す位置に回転角検出センサを取
付けた場合の巻線電流、電圧、発生トルク等を示したタ
イミングチャートである。 【図8】本発明の第3の実施例によるブラシレスモータ
の制御回路を示した説明図である。 【図9】従来のブラシレスモータの制御回路を示した説
明図である。 【図10】同回路を用いてロータを回転させたときの巻
線電流、電圧、発生トルク等の一例を示したタイミング
チャートである。 【図11】同回路を用いてロータを回転させたときの巻
線電流、電圧、発生トルク等の他例を示したタイミング
チャートである。 【符号の説明】 10 ロータ 16U、16V、16W モータ巻線 20、50、60 ブラシレスモータの制御回路 22 モータ駆動回路 24 直流電源 26、28、30、32、34、36 トランジスタ 38 逓倍同期パルス発生回路 40 回転数検出回路 42 コンパレータ 44 基準値設定回路 46 ゲートドライブ信号生成回路 52 位相調整回路 62 自起動周波数発生回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 6/10 H02P 6/06

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ロータを回転させる3相のモータ巻線
    と、 前記ロータの回転角を検出して回転に同期した同期信号
    を出力する2つの回転角検出センサSA2,SB2と、前記ロータの回転数を検出する回転数検出手段と、 この回転数検出手段で検出された回転数が所定回転数以
    上であるか否かを判断する回転数判断手段と前記回転数判断手段で前記ロータの回転数が所定回転数
    以上であると判断された場合に、前記 回転角検出センサ
    SA2より出力された同期信号から、前記ロータの回転
    数の3倍の周波数に同期した逓倍同期信号を生成する逓
    倍同期信号生成回路と、前記回転数判断手段で前記ロータの回転数が所定回転数
    に満たないと判断された場合に、前記回転角検出センサ
    SA2,SB2からの同期信号を基に前記モータ巻線の
    電流を切り換え、前記ロータの回転数が所定回転数以上
    であると判断された場合に、前記 逓倍同期信号生成回路
    で生成された逓倍同期信号に基づいて前記各モータ巻き
    線の電流を切り換える巻線電流制御手段と、 前記巻線電流制御手段により切り換えられた前記各モー
    タ巻き線の電流の位相を調整する位相調整回路とを具備
    し、前記回転角検出センサSA2,SB2は、前記モータ巻
    き線に対する相対的な位置が前記ロータの回転と反対方
    向にずらして取り付けられ、 前記位相調整回路は、前記回転数判断手段で前記ロータ
    の回転数が所定回転数以上であると判断された場合に、
    前記回転角検出センサの取付け位置のずれ分だけ前記各
    モータ巻き線の電流の位相を遅らせる ことを特徴とする
    ブラシレスモータの制御回路。
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