JP3353324B2 - スタンピング金型を摩耗させることの少ない銅合金冷間圧延条材およびその製造法 - Google Patents
スタンピング金型を摩耗させることの少ない銅合金冷間圧延条材およびその製造法Info
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Description
せることの少ない銅合金冷間圧延条材およびその製造法
に関するものである。
場合、銅合金条材にプレス打抜き、エンボシング、コイ
ニングなどの加工(以下、これらの加工をスタンピング
と総称する)を施すことは知られている。
銅合金条材は、高導電率および高温強度の優れた銅合金
で製造されており、かかる銅合金の成分組成は、質量%
でP:0.002〜4.25%、Mg:0.01〜5.
0%を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からな
り、上記PとMgの比が0.85:1の質量比をもつ銅
合金であることも知られている(特公昭49−1089
4号公報参照)。
製造するには、上記銅合金の鋳魂を熱間圧延して得られ
た熱間圧延銅合金厚板表面のスケールを除去し、ついで
650℃以下の中間焼鈍と冷間圧延を繰返し行い、圧延
率:10〜90%の最終冷間圧延したのち、Mgリン化
物析出による強度向上のための熱処理を施すことにより
製造されている。
Cu系銅合金条材は、最終冷間圧延直前の焼鈍において
必然的に結晶粒度が5μm未満の微細な結晶粒度を有し
ている。
来の銅合金条材はスタンピングする時にスタンピング金
型を摩耗させやすく、近年のようにスタンピングスピー
ドがますます早くなるとスタンピング金型の寿命がます
ます短くなり、上記金型が摩耗すると製品形状に悪影響
を及ぼすためにスタンピング金型を短時間で交換しなけ
ればならず、高価な金型を頻繁に交換することは上記電
気および電子部品のコストを高くするなどの課題があっ
た。
スタンピング時にスタンピング金型の摩耗の少ない銅合
金条材を開発すべく研究を行った結果、質量%で、M
g:0.1〜1.0%、P:0.001〜0.02%を
含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成の
鋳塊を熱間圧延し、ついで中間焼鈍と冷間圧延を繰返し
施し、最終冷間圧延前の焼鈍において平均結晶粒度を5
〜20μmに調整し、ついで圧延率:30〜85%の最
終冷間圧延を施して得られた銅合金冷間圧延条材は、最
終冷間圧延したのち熱処理を施して得られた従来の銅合
金条材に比べてスタンピング金型を摩耗することが極め
て少なく、その圧延表面の結晶粒は平均短径が5〜20
μmの範囲内にあり、かつ平均長径/平均短径の値が
1.4〜6.7の範囲内にある長円形状を有するという
知見を得たのである。
れたものであって、質量%で、 (1) Mg:0.1〜1.0%、P:0.001〜
0.02%を有し、残りがCuと不可避不純物からなる
組成を有し、かつ冷間圧延条材表面の結晶粒は平均短
径:5〜20μm、平均長径/平均短径:1.4〜6.
7なる寸法の長円形状を有するスタンピング金型摩耗の
少ない銅合金冷間圧延条材、 (2) Mg:0.1〜1.0%、P:0.001〜
0.02%を含有し、残りがCuおよび不可避不純物か
らなる組成のCu合金鋳塊を熱間圧延したのち、中間焼
鈍と冷間圧延を繰り返し施し、最終冷間圧延直前の最終
焼鈍において圧延表面の平均結晶粒径が5〜20μmの
範囲内になるように調整し、ついで圧延率:30〜85
%の最終冷間圧延するスタンピング金型を摩耗させるこ
との少ない銅合金冷間圧延条材の製造法、に特徴を有す
るものである。
度を上記の如く限定した理由を説明する。
ではさしたる効果はなく、1.0%を越えて含有させる
と溶解鋳造が困難になるとの理由によりその含有量を
0.1〜1.0%と定めた。
%未満では脱酸の作用がなく、0.02%を越えて含有
させると大きなMg燐化物が生成し、かえって金属組織
を不均一にするため、その含有量を0.001〜0.0
2%と定めた。
円形状を有し、その長円形状結晶粒の平均短径が5μm
未満ではスタンピング金型摩耗を少なくするに十分な効
果が得られず、一方、長円形状結晶粒の平均短径が20
μmを越えると部品の曲げ加工の際に肌荒れが生じやす
くなり、スタンピング金型摩耗をこれ以上少なくするこ
とができず、かえって銅合金冷間圧延条材の強度を低下
させるので好ましくない。そして上記長円形状結晶粒の
平均長径/平均短径の値が6.7を越えると金属組織が
完全に冷間圧延加工組織となりスタンピング金型の摩耗
を増加させるので好ましくなく、一方、平均長径/平均
短径の値が1.4より小さいと十分な強度が得られない
ので好ましくない。
織は完全に細長く引き伸ばされて、冷間圧延条材表面の
長円形状結晶粒の平均長径/平均短径が6.7を越え、
完全に冷間圧延加工組織となってスタンピング金型摩耗
を減少させる効果がなくなるので好ましくなく、一方、
最終冷間圧延率が30%より少ないと電気または電子部
品を製造するための条材として十分な強度が得られない
ので好ましくない。
%に定めた。
れらCu合金をコアレスタイプの誘導溶解炉を用いて溶
解し、次に半連続鋳造法により厚さ:180mm、幅:4
50mm、長さ:3000mmの鋳魂を得た。引続いて上記
鋳魂を加熱炉に装入して850℃したのち、熱間圧延を
行ない、圧延終了温度450℃で直ちに水冷し、厚さ:
11mmの熱間圧延板を得た。次に上記熱間圧延板表面の
スケール除去のために片面0.5mmの面削を両面にわた
って行ない、厚さ:10mmの面削板を得た。
中間焼鈍と冷間圧延を繰返し行い、ついで最終冷間圧延
直前の最終焼鈍を表1に示される条件で行ったのち表面
の結晶粒径を測定し、その結果を表1に示した。
ち、さらに表1に示される圧延率で最終冷間圧延を行な
い、厚さ:0.25mmの本発明銅合金冷間圧延条材1〜
9および比較銅合金冷間圧延条材1〜7を得た。
び比較銅合金冷間圧延条材1〜7の表面の長円形状結晶
粒の平均短径および平均長径を測定し、この測定値を表
1に示すとともに平均長径/平均短径の値を測定し、そ
れらの測定結果を表1に示した。
材1〜7において*印を付した値は、この発明の範囲か
ら外れていることを示した。
間圧延条材1〜9および比較銅合金冷間圧延条材1〜7
をW−Co系超硬合金金型を用いて縦:1.0mm、横:
2.0mmの長方形に毎分600ストロークで打抜き、ス
トローク数が100万回に達したときの上記金型の摩耗
量を測定し、その測定結果を表2に示した。
発明銅合金冷間圧延条材1〜9は、スタンピングに際し
て金型を摩耗させることが極めて少ないことがわかる。
ンピングして電気および電子部品を製造すると、金型の
交換回数を減らすことができるためコストを大幅に削減
することができ、産業上すぐれた効果を奏するものであ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 質量%で、Mg:0.1〜1.0%、
P:0.001〜0.02%を含有し、残りがCuおよ
び不可避不純物からなる組成の冷間圧延条材であって、
この冷間圧延条材の表面結晶粒は長円形状を有し、この
長円形状結晶粒の平均短径をa、平均長径をbとする
と、 a:5〜20μm、 1.4≦b/a≦6.7、 なる寸法を有することを特徴とするスタンピング金型を
摩耗させることの少ない銅合金冷間圧延条材。 - 【請求項2】 質量%で、Mg:0.1〜1.0%、
P:0.001〜0.02%を含有し、残りがCuおよ
び不可避不純物からなる組成のCu合金鋳塊を熱間圧延
したのち、中間焼鈍と冷間圧延を繰り返し施し、最終冷
間圧延直前の最終焼鈍において圧延表面の平均結晶粒径
が5〜20μmの範囲内になるように調整し、ついで圧
延率:30〜85%の最終冷間圧延することを特徴とす
るスタンピング金型を摩耗させることの少ない銅合金冷
間圧延条材の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP05751692A JP3353324B2 (ja) | 1992-02-10 | 1992-02-10 | スタンピング金型を摩耗させることの少ない銅合金冷間圧延条材およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP05751692A JP3353324B2 (ja) | 1992-02-10 | 1992-02-10 | スタンピング金型を摩耗させることの少ない銅合金冷間圧延条材およびその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH06340938A JPH06340938A (ja) | 1994-12-13 |
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Family
ID=13057907
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JP05751692A Expired - Lifetime JP3353324B2 (ja) | 1992-02-10 | 1992-02-10 | スタンピング金型を摩耗させることの少ない銅合金冷間圧延条材およびその製造法 |
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JP (1) | JP3353324B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2013031841A1 (ja) | 2011-08-29 | 2013-03-07 | 古河電気工業株式会社 | 銅合金材料およびその製造方法 |
EP2835433A4 (en) * | 2012-04-04 | 2016-09-07 | Mitsubishi Shindo Kk | CU-MG-P BASED COPPER ALLOY PLATE WITH EXCELLENT FATIGUE RESISTANCE AND MANUFACTURING METHOD THEREFOR |
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JP4516154B1 (ja) * | 2009-12-23 | 2010-08-04 | 三菱伸銅株式会社 | Cu−Mg−P系銅合金条材及びその製造方法 |
JP4563508B1 (ja) | 2010-02-24 | 2010-10-13 | 三菱伸銅株式会社 | Cu−Mg−P系銅合金条材及びその製造方法 |
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JP5908796B2 (ja) * | 2012-06-05 | 2016-04-26 | 三菱伸銅株式会社 | 機械的な成形性に優れたCu−Mg−P系銅合金板及びその製造方法 |
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