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JP3348260B2 - 製紙用フエルト - Google Patents

製紙用フエルト

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JP3348260B2
JP3348260B2 JP14224494A JP14224494A JP3348260B2 JP 3348260 B2 JP3348260 B2 JP 3348260B2 JP 14224494 A JP14224494 A JP 14224494A JP 14224494 A JP14224494 A JP 14224494A JP 3348260 B2 JP3348260 B2 JP 3348260B2
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papermaking
fiber
felt
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montmorillonite
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純一 金子
裕二 高山
才登 日達
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、製紙用フエルトに関
し、詳しくは層状珪酸塩を含むポリアミド系樹脂からな
る繊維を用いた製紙用フエルトに関する。
【0002】
【従来の技術】紙の製造方法は、公知のごとく、まず、
パルプを含む懸濁液をフォーミングワイヤーと呼ばれる
メッシュ状の織物の上に流し、ある程度液体成分を除去
することによって湿紙のシートを形成させる。このシー
ト状の湿紙は、製紙機械のプレスセクションとドライセ
クションに送られる。プレスセクションにおいては、こ
の湿紙はフェルトによって運搬され、フェルトと共にプ
レスロールのニップの間を通され脱水される。湿紙から
脱水された水は、フェルトが受け取り排出される。最後
にドライヤーセクションで乾燥されて紙が製造される。
【0003】製紙用フエルトは、一般に織成した基布に
短繊維のウエップをニードルパンチングすることによつ
て製造され、ワイヤーセクションとドライヤーセクショ
ンの間のプレスセクションの湿紙の支持も行う。プレス
ロールのニップでは、大きな圧力により繊維は大きな変
形を受ける。製紙用フエルトの耐摩耗性も中性抄紙の高
まりとともに重要性を増している。中性抄紙の場合、紙
の原料中に添加する無機質が炭酸カルシュウムであるた
め、通常の酸性抄紙の際に使用されるクレーと違い、抄
紙用具の摩耗が著しく大きい。
【0004】従来より、優れた圧縮回復性と耐摩耗性を
得るために、高分子量タイプのポリアミド繊維が基布織
物および短繊維のウェッブに使用されている。また、ポ
リアミドにポリエーテルを共重合させたポリアミドエラ
ストマーの繊維等も使用されているが、圧縮回復性、耐
摩耗性において、近年の抄紙機の高速化ならびに高圧力
化に対応しきれてはいない欠点があった。
【0005】また、ポリアミド系樹脂に層状珪酸塩を均
一に混合した樹脂からなるフィラメントは、特開平3−
81364号公報に開示されているが、このフィラメン
ト、ステープルファイバーを用いた製紙用フエルトは知
られていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のポリ
アミド繊維からなる製紙用フエルトの問題点を改良し、
優れた圧縮回復性および耐摩耗性を具備した製紙用フエ
ルトを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、ポリアミドを含む樹脂に対し層状珪酸塩
を0.1〜5.0重量部含有させたポリアミド系樹脂組
成物から得られる繊維を基布又は/及びバット層に用い
た製紙用フエルトに関するものである。
【0008】ポリアミド系樹脂としては、ナイロン4、
6、11、12、4・6、6・6、6・10、6・1
2、単独もしくはこれらの共重合体またはこれらのブレ
ンド物が挙げられる。ポリアミド系樹脂としては、前記
のポリアミド樹脂にポリエーテルを共重合したブロック
ポリエーテルアミド樹脂あるいは前記のポリアミド樹脂
とブロックポリエーテルアミド樹脂のブレンド物が挙げ
られる。
【0009】また、ブロックポリエーテルアミド樹脂と
しては、特公昭63−55535号公報に開示されてい
る、ポリアミド形成性モノマーとジカルボン酸との重縮
合によって得られる両末端にカルボキシル基を有するポ
リアミドと、末端アミノポリオキシアルキレン、及び脂
肪族ジアミン、脂環族ジアミン、芳香族ジアミンから選
ばれるジアミンを重縮合させることによって得られるも
のが用いられる。
【0010】そして、ポリアミド系の樹脂の数平均分子
量としては、15000〜30000が好ましい。数平
均分子量が15000以下であると、耐久性の面で劣
り、数平均分子量が30000以上であると、紡糸が難
しくなる。
【0011】ポリアミド系樹脂に均一に分散させる層状
珪酸塩の原料として、モンモリロナイト、サボナイト、
バイデライト等のスメクタイト系粘土鉱物及びバーミキ
ュライト、ハロイサイト等が挙げることができ、このな
かで最も好ましいものは、モンモリロナイトである。
【0012】樹脂成分に対する層状珪酸塩の含有割合
は、樹脂100重量部に対して層状珪酸塩が0.1から
5.0重量部であることが好ましい。層状珪酸塩成分が
0.1重量部以下であると、圧縮回復性及び耐摩耗性が
不十分であり、5.0重量部を超えると、紡糸が難しく
なるため好ましくない。層状珪酸塩が多層状粘度鉱物で
ある場合には、アミン類、アミノ酸類あるいはカプロラ
クタム類のようなラクタム類の膨潤化剤と接触させて、
あらかじめ層間を広げて層間にモノマーを取り込みやす
くした後、ポリアミドモノマーと混合し重合する方法も
特開昭62−74957号公報に開示されている。ま
た、膨潤化剤を用い、あらかじめ層間を20Å以上に広
げて、これをポリアミド樹脂あるいはポリアミド系樹脂
と溶融混練して均一に分散させる方法でもよい。層状珪
酸塩は、ポリアミド系樹脂に分散された際に、層状珪酸
塩と樹脂との間にイオン結合による橋かけ構造を作る。
この橋かけ構造は、溶融紡糸された繊維の内部でも有効
に働き、製紙用フエルトが使用中に受ける機械的な変形
及び摩擦に対し、優れた回復性と耐摩耗性を付与するも
のである。
【0013】層状珪酸塩は、厚みが6〜20オングスト
ロームで、1辺が0.002〜1μmの層状の物が一つ
の単位になっている。このような層状珪酸塩が塊を形成
することなく均一に分散していることが好ましい。
【0014】本発明にかかわる製紙用フエルトは、基布
とバットをニードリングによって一体化して作られるも
のである。層状珪酸塩が均一に含有させている上述のポ
リアミド系樹脂を溶融紡糸して、モノ又はマルチフィラ
メント及びクリンプのあるステープルファイバーが製造
される。溶融紡糸時の延伸倍率は繊維物性を決定する上
で重要な因子であり、本発明では、紡糸時の延伸倍率が
低い方が好ましい。延伸倍率を高めて分子の配向性を大
きくすると、繊維の軸方向の強度に関しては問題がなく
なるが、繊維の軸方向に対して90度の方向、つまり繊
維の断面方向のヤング率が低下し、かつ分子間の滑りが
起き易いことから、圧縮変形に対する永久歪が増大す
る。製紙用フエルトが、製紙機械のプレスロールにおい
て圧縮される際、繊維軸が厚み方向よりも平面方向に向
いている繊維が圧倒的に多いため、その圧縮力は、主と
して繊維の断面方向に働く。従って、製紙用フエルトに
使用するステープルファイバーとモノまたはマルチフィ
ラメントは、耐圧縮性、耐摩耗性のために軸方向と断面
方向の物性に対し、適度なバランスが必要である。
【0015】溶融紡糸された前記のモノ又はマルチフィ
ラメントは、製紙用フエルトの基布を形成するために使
用され、ステープルファイバーは、基布にニードリング
されるバット層に使用される。本発明では、製紙用フエ
ルトの構造を形成しているすべての繊維を、層状珪酸塩
を含む繊維で製造すること、また基布層のみあるいはバ
ット層のみあるいは基布層の一部に、あるいはバット層
に一部混繊しての使用も可能である。耐摩耗性を主とし
て発揮させるには、製紙機械及び付属の洗浄装置などに
接触する製紙用フエルトの面に使用することが好まし
い。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳述するが、本
発明はこの範囲に限定されるものではない。
【0017】基布として下記の構成のものを用意する。
【0018】基布1 モンモリロナイトを2%含有する、数平均分子量220
00の6ナイロン樹脂から、延伸倍率5倍の条件で、溶
融紡糸して直径0.2mmのモノフィラメントを作り、
このモノフィラメントを4本撚り合わせた糸を、経糸と
緯糸に用いて経方向が2重構造になっていて、経糸の本
数は上糸も下糸も同じで、インチ当たり25本、緯糸は
インチ当たり35本である二重織構造の基布を製作し
た。
【0019】基布2 数平均分子量22000の6ナイロン樹脂から、延伸倍
率5倍の条件で、溶融紡糸して直径0.2mmのモノフ
ィラメントを作り、このモノフィラメントを4本撚り合
わせた糸を、経糸と緯糸に用いて基布1と同一の二重織
構造の基布を製作した。
【0020】基布3 モンモリロナイトを2%含有する、数平均分子量220
00の6ナイロン樹脂から、延伸倍率5倍の条件で、溶
融紡糸して直径0.2mmのモノフィラメントを作り、
このモノフィラメントを4本撚り合わせた糸を経糸に用
い、モンモリロナイトを含有させずに他の条件は経糸と
まったく同一の条件で製作した撚糸を、緯糸に用いて基
布1と同一の二重織構造の基布を製作した。
【0021】実施例1 モンモリロナイトを2%含有する、数平均分子量220
00の6ナイロン樹脂から、延伸倍率4.5倍の条件で
溶融紡糸して、繊度15デニール、繊維長76mmのス
テープルファイバーを製作した。この繊維の切断強度
は、4.3gf/d、切断伸度は65%であった。この
モンモリロナイトを含むステープルファイバーと、製紙
用フエルト用に一般に市販されている繊度15デニー
ル、繊維長76mmの6ナイロンの繊維とを、7対3の
割合で混繊した目付100g/m2 のバット層を8層、
ニードリングによって、基布1の片面表面に一体化させ
て、製紙用フエルトを得た。この製紙用フエルトの目付
は1250g/m2 、密度は0.387、圧縮回復率は
107.8%、摩耗量は0.220gであった。
【0022】実施例2 モンモリロナイトを2%含有する、数平均分子量220
00の6ナイロン樹脂から、延伸倍率4.5倍の条件で
溶融紡糸して、繊度15デニール、繊維長76mmのス
テープルファイバーを製作した。この繊維の切断強度は
4.3gf/d、切断伸度は65%であった。このモン
モリロナイトを含むステープルファイバーと、製紙用フ
エルト用に一般に市販されている繊度15デニール、繊
維長76mmの6ナイロンの繊維とを、7対3の割合で
混繊した目付100g/m2 のバット層を8層、ニード
リングによって、基布3の片面表面に一体化させて、製
紙用フエルトを得た。この製紙用フエルトの目付は12
60g/m2 、密度は0.377、圧縮回復率は10
7.7%、摩耗量は0.223gであった。
【0023】実施例3 モンモリロナイトを2%含有する、数平均分子量220
00の6ナイロン樹脂から、延伸倍率4.5倍の条件で
溶融紡糸して、繊度15デニール、繊維長76mmのス
テープルファイバーを製作した。この繊維の切断強度は
4.3gf/d、切断伸度は65%であった。このモン
モリロナイトを含むステープルファイバーのみで製作さ
れた、目付100g/m2 のバット層を8層、ニードリ
ングによって、基布1の片面表面に一体化させて、製紙
用フエルトを得た。この製紙用フエルトの目付は125
0g/m2 、密度は0.372、圧縮回復率は108.
3%、摩耗量は0.202gであった。
【0024】実施例4 モンモリロナイトを2%含有する、数平均分子量220
00の6ナイロン樹脂から、延伸倍率6.0倍の条件で
溶融紡糸して、繊度15デニール、繊維長76mmのス
テープルファイバーを製作した。この繊維の切断強度は
5.3gf/d、切断伸度は44%であった。このモン
モリロナイトを含むステープルファイバーと、製紙用フ
エルト用に一般に市販されている繊度15デニール、繊
維長76mmの6ナイロンの繊維とを、7対3の割合で
混繊した目付100g/m2 のバット層を8層、ニード
リングによって、基布1の片面表面に一体化させて、製
紙用フエルトを得た。この製紙用フエルトの目付は12
80g/m2 、密度は0.369、圧縮回復率は10
7.1%、摩耗量は0.305gであった。
【0025】実施例5 ポリアミドエラストマー樹脂(12ナイロン成分とポリ
エーテル成分の比が1対1の割合で共重合している)に
モンモリロナイトを2%含有させ、延伸倍率3.5倍の
条件で、溶融紡糸して、繊度15デニール、繊維長76
mmのステープルファイバーを製作した。この繊維の切
断強度は3.6gf/dで、切断伸度は63%であっ
た。このモンモリロナイトを含むステープルファイバー
と、製紙用フエルト用に一般に市販されている繊度15
デニール、繊維長76mmの6ナイロンの繊維とを、7
対3の割合で混繊した目付100g/m2 のバット層を
8層、ニードリングによって、基布1の片面表面に一体
化させて製紙用フエルトを得た。この製紙用フエルトの
目付は1190g/m2 、密度は0.385、圧縮回復
率は111.8%、摩耗量は0.249gであった。
【0026】実施例6 モンモリロナイトを2%含有する数平均分子量2200
0の6ナイロン樹脂から、延伸倍率6.0倍の条件で溶
融紡糸して、繊度15デニール、繊維長76mmのステ
ープルファイバーを製作した。このモンモリロナイトを
含むステープルファイバーと、製紙用フエルト用に一般
に市販されている繊度15デニール、繊維長76mmの
6ナイロンの繊維とを7対3の割合で混繊した、目付1
00g/m2 のバット層を8層、ニードリングによっ
て、基布2の片面表面に一体化させて製紙用フエルトを
得た。この製紙用フエルトの目付は1240g/m2
密度は0.369、圧縮回復率は106.0%、摩耗量
は0.301gであった。
【0027】実施例7 モンモリロナイトを4%含有する、数平均分子量220
00の6ナイロン樹脂から、延伸倍率4.5倍の条件で
溶融紡糸して、繊度15デニール、繊維長76mmのス
テープルファイバーを製作した。この繊維の切断強度
は、5.8gf/d、切断伸度は38%であった。この
モンモリロナイトを含むステープルファイバーと、製紙
用フエルト用に一般に市販されている繊度15デニー
ル、繊維長76mmの6ナイロンの繊維とを7対3の割
合で混繊した、目付100g/m2 のバット層を8層、
ニードリングによって、基布2の片面表面に一体化させ
て、製紙用フエルトを得た。この製紙用フエルトの目付
は1290g/m2 、密度は0.367、圧縮回復率は
106.1%、摩耗量は0.325gであった。
【0028】実施例8 モンモリロナイトを0.5%含有する、数平均分子量2
2000の6ナイロン樹脂から、延伸倍率4.5倍の条
件で溶融紡糸して、繊度15デニール、繊維長76mm
のステープルファイバーを製作した。この繊維の切断強
度は、4.1gf/d、切断伸度は70%であった。こ
のモンモリロナイトを含むステープルファイバーと、製
紙用フエルト用に一般に市販されている繊度15デニー
ル、繊維長76mmの6ナイロンの繊維とを7対3の割
合で混繊した、目付100g/m2 のバット層を8層、
ニードリングによって、基布2の片面表面に一体化させ
て、製紙用フエルトを得た。この製紙用フエルトの目付
は1230g/m2 、密度は0.371、圧縮回復率は
105.9%、摩耗量は0.335gであった。
【0029】実施例9 モンモリロナイトを2%含有する、数平均分子量220
00の6ナイロン樹脂から、延伸倍率4.5倍の条件で
溶融紡糸して、繊度15デニール、繊維長76mmのス
テープルファイバーを製作した。この繊維の切断強度
は、4.3gf/d、切断伸度は65%であった。この
モンモリロナイトを含むステープルファイバーのみによ
る目付100g/m2 のバット層を最上層に1層、その
下層に製紙用フエルト用に一般に市販されている繊度1
5デニール、繊維長76mmの6ナイロンの繊維の目付
100g/m2 のバット層を7層、合計8層をニードリ
ングによって、基布1の片面表面に一体化させて、製紙
用フエルトを得た。この製紙用フエルトの目付は121
0g/m2 、密度は0.374、圧縮回復率は105.
0%、摩耗量は0.221gであった。
【0030】実施例10 モンモリロナイトを2%含有する、数平均分子量220
00の6ナイロン樹脂から、延伸倍率4.5倍の条件
で、溶融紡糸して、繊度15デニール、繊維長76mm
のステープルファイバーを製作した。この繊維の切断強
度は、4.3gf/d、切断伸度は65%であった。こ
のモンモリロナイトを含むステープルファイバーと、製
紙用フエルト用に一般に市販されている繊度15デニー
ル、繊維長76mmの6ナイロンの繊維とを7対3の割
合で混繊した、目付100g/m2のバット層を8層、
ニードリングによって、基布1の片面表面に7層、反対
面に1層を一体化させて、製紙用フエルトを得た。この
製紙用フエルトの目付は1260g/m2 、密度は0.
378、圧縮回復率は107.8%、摩耗量は0.22
0gであった。
【0031】比較例1 数平均分子量22000の6ナイロン樹脂から、延伸倍
率4.5倍の条件で溶融紡糸して、繊度15デニール、
繊維長76mmのステープルファイバーを製作した。こ
の繊維の切断強度は、4.3gf/d、切断伸度は70
%であった。この繊維のみによる目付100g/m2
バット層を8層、ニードリングによって、基布2の片面
に一体化させて、製紙用フエルトを得た。この製紙用フ
エルトの目付は1260g/m2 、密度は0.376、
圧縮回復率は104.2%、摩耗量は0.457gであ
った。
【0032】比較例2 モンモリロナイトを0.05%含有する、数平均分子量
22000の6ナイロン樹脂から、延伸倍率4.5倍の
条件で、溶融紡糸して、繊度15デニール、繊維長76
mmのステープルファイバーを製作した。この繊維の切
断強度は4.2gf/d、切断伸度は72%であった。
このモンモリロナイトを含むステープルファイバーと、
製紙用フエルト用に一般に市販されている繊度15デニ
ール、繊維長76mmの6ナイロンの繊維とを7対3の
割合で混繊した、目付100g/m2 のバット層を8
層、ニードリングによって基布2の片面に一体化させ
て、製紙用フエルトを得た。この製紙用フエルトの目付
は1250g/m2 、密度は0.377、圧縮回復率は
104.1%、摩耗量は0.443gであった。
【0033】上記各実施例における層状珪酸塩を含んだ
繊維を使用して作られたフエルトは、比較例における層
状珪酸塩を含まない、又は0.1重量部以下の繊維を使
用して作られたフエルトと比較して、回復性が著しく良
いことがわかる。また、摩耗量が示すように、層状珪酸
塩を混入させることによって耐摩耗性が著しく向上して
いることが明らかである。
【0034】上記各実施例における製紙用フエルトの物
性は、下記の試験方法で測定された。圧縮回復性試験
(圧縮回復率) 直径30cmの一対のロールで線圧500kg/cmを
かけ、100回のプレスを行う(このプレス試験は通常
のプレス条件と比較して1万倍以上の促進試験に相当す
る)。圧縮回復率(%)は、プレス直後の製紙用フエル
トの厚みを基準とし、プレス処理後24時間放置後の厚
さを百分率で表わしたものである。
【0035】摩耗試験(摩耗量) 摩耗試験機は学振型を用い、摩耗子は400番の紙やす
りを使用し、大きさは2cm×2cmである。荷重は4
00g、摩耗子のストロークは10cm、ストローク回
数は2000回の条件で製紙用フエルトの表面の摩耗試
験を行った。摩耗量(g)は、摩耗によって脱落した重
量で表す。
【0036】
【発明の効果】本発明に用いた層状珪酸塩は、ポリアミ
ド分子鎖との間にイオン結合を作りだしている。層状珪
酸塩の厚みが6〜10オングストロームであり、均一に
分散し繊維の内部に架橋構造の形成されていることと、
繊維の軸方向と断面方向の物性に適度なバランスがある
ことにより、本発明のポリアミド系樹脂に対し層状珪酸
塩を0.1〜5.0重量部含有させたポリアミド系樹脂
組成物から得られた繊維を用いて作られた製紙用フエル
トは、耐圧縮性、耐摩耗性に優れた効果を発揮するもの
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日達 才登 愛知県宝飯郡小坂井町大字伊奈字南山新 田528番地 (56)参考文献 特開 平3−81364(JP,A) 特開 平4−222244(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21F 7/08 D01F 6/90 301

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミドを含む樹脂に対し層状珪酸塩
    を0.1〜5.0重量部含有させたポリアミド系樹脂組
    成物から得られる繊維を基布又は/及びバット層に用い
    たことを特徴とする製紙用フエルト。
  2. 【請求項2】 請求項1で得られた繊維を製紙用フエル
    トの基布の経糸と緯糸又は経糸に用いたことを特徴とす
    る製紙用フエルト。
  3. 【請求項3】 請求項1で得られた繊維を100%又は
    他の繊維を混繊してバット層に用いたことを特徴とする
    製紙用フエルト。
  4. 【請求項4】 請求項1で得られた繊維を基布の片面又
    は両面のバット層に用いたことを特徴とする製紙用フエ
    ルト。
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