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JP2005273025A - ポリアミド繊維 - Google Patents

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JP2005273025A
JP2005273025A JP2004083777A JP2004083777A JP2005273025A JP 2005273025 A JP2005273025 A JP 2005273025A JP 2004083777 A JP2004083777 A JP 2004083777A JP 2004083777 A JP2004083777 A JP 2004083777A JP 2005273025 A JP2005273025 A JP 2005273025A
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Japan
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polyamide
polyamide fiber
fiber
copolymer
present
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JP2004083777A
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Toyohiko Masuda
豊彦 増田
Yuhei Maeda
裕平 前田
Akira Kinoshita
明 木下
Akira Sakugi
朗 柵木
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Toray Monofilament Co Ltd
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Monofilament Co Ltd
Toray Industries Inc
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Abstract

【課題】 優れた耐摩耗性を備えたポリアミド繊維およびそれからなる工業用繊維資材の提供。
【解決手段】 ポリアミド以外の成分としてエチレン・1-オクテン共重合体[好ましくはDSC法(窒素ガス中、昇温速度10℃/分)融点が50℃以上、かつショアA硬度(ASTM D−2240に準拠)が70以上である]0.1〜20重量%を含有するポリアミド繊維。このポリアミド繊維は、好ましくは抄紙プレスフェルト基布を代表とする工業用繊維資材用として使用される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、従来のものより優れた耐摩耗性を有し、抄紙プレスフェルト基布を代表とする各種工業用繊維資材の構成素材として有用なポリアミド繊維に関するものである。
ポリアミド繊維は、良好な物性を有しているため、抄紙プレスフェルト基布を代表とする工業用繊維資材の構成素材として広く使用されてきた。
上記した抄紙プレスフェルト基布とは、抄紙工程で漉き揚げた紙を搾水するために使用されるフェルトの芯を構成する、ポリアミドモノフィラメントで製織された目の粗い織物のことであり、繰り返し高速・高圧で圧縮・回復・吸引を繰り返し受けるフェルトの強度と形状を維持する役割上、抗張力に優れることと、耐摩耗性に優れることが必要特性として要求されてきた。ところが近年、製紙の高速度化が進み、従来よりも優れた耐摩耗性を有するポリアミドモノフィラメントが要求されるようになった。
この要求に応えるために、特定範囲の曲げ弾性率と特定値以上の永久伸びを有するポリアミド系樹脂(ポリエーテルポリアミドブロック共重合体)またはポリエステル系樹脂(ポリエステルポリエーテルブロック共重合体もしくはポリエステルポリエステルブロック共重合体)からなる繊維を、製紙用ニードルフェルトのバット層または基布に使用する技術(例えば、特許文献1参照)が提案されているが、この技術は、基布の素材としての耐摩耗性および寸法安定性を十分に満たすものではなかった。
特開平04−34095号公報(第1〜7頁)
本発明は、上述した従来技術における問題点を解決するために検討した結果なされたものであり、従来のものより耐摩耗性が良好で抄紙プレスフェルト基布を代表とする各種工業用繊維資材の構成素材として有用なポリアミド繊維の提供を目的とするものである。
上記の目的を達成するために本発明によれば、ポリアミド以外の成分としてエチレン・1-オクテン共重合体0.1〜20重量%を含有することを特徴とするポリアミド繊維が提供される。
なお本発明のポリアミド繊維においては、
前記エチレン・1-オクテン共重合体のDSC法(窒素ガス中、昇温速度10℃/分)融点が50℃以上、かつショアA硬度(ASTM D−2240に準拠)が70以上であること、および
繊維がモノフィラメントであること
がいずれも好ましい条件であり、これらの条件の少なくとも一つを満たすことによって、一層優れた効果の取得を期待することができる。
また、本発明のポリアミド繊維は、工業用繊維資材の少なくとも一部の構成素材であることを特徴とし、抄紙プレスフェルト基布である場合に最良の効果を発揮する。
以下に説明するとおり、本発明のポリアミド繊維は、耐摩耗性に優れたものであり、特に抄紙プレスフェルト基布を代表とする各種工業用繊維資材の少なくとも一部の構成素材として有用なことから、抄紙産業などにおける利用価値の高いものである。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明のポリアミド繊維を構成するポリアミドは、各種ラクタム類の開環重合、各種ジアミン類と各種ジカルボン酸類との重縮合および各種アミノカルボン酸類の重縮合によって得られる各種ポリアミド類、およびこれらの重縮合と開環重合とを組み合わせた共重合ポリアミド類であり、具体的には、例えば、ポリカプラミド、ポリヘキサメチレンアジパミド、ナイロン610、ナイロン46、ナイロンMDX6、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12およびポリカプラミドとポリヘキサメチレンアジパミドとの共重合体などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
これらのポリアミドの中でも、ポリカプラミド(以下、ナイロン6という)、ポリヘキサメチレンアジパミド(以下、ナイロン66という)およびポリカプラミドとポリヘキサメチレンアジパミドとの共重合体(以下、ナイロン6/66という)から選ばれた少なくとも1種が好適であり、とりわけ ナイロン6/66共重合体が好ましく使用される。ナイロン6/66の共重合比率は、ナイロン6成分70〜98重量%/ナイロン66成分30〜2重量%の範囲が好ましい。
なお、本発明におけるポリアミドは、目的に応じて、酸化防止剤、酸化チタン、酸化ケイ素、炭酸カルシウム、カーボンブラックなどの各種無機粒子、各種金属粒子などの粒子類のほか、従来公知の金属イオン封鎖剤、イオン交換剤、着色防止剤、耐光剤、帯電防止剤、各種着色剤、ワックス類、シリコーンオイルなどが添加されていてもよい。
本発明のポリアミド繊維は、エチレンと1-オクテンとの共重合体(以下、ET/OCT共重合体という)を0.1〜20重量%含有するものである。
ET/OCT共重合体は、エチレンと1-オクテンとを原料に一種のメタロセン触媒系で製造された共重合体であり、比較的均一な分子量分布を有し、可撓性、柔軟性、ゴム弾性、低永久ひずみ性および耐熱性などを有する共重合体である。
ET/OCT共重合体は、エチレンと1-オクテンとの共重合比率によって、硬度および融点の異なったものが存在し、いずれのものも使用することができるが、なかでもDSC法(窒素ガス中、昇温速度10℃/分)で測定した融点が50℃以上で、ASTM D−2240に準拠して測定したショアA硬度が55以上であるET/OCT共重合体を使用する場合には、得られるポリアミド繊維の耐摩耗性が一層良好なものとなることから好ましい。融点が60℃以上でショアA硬度が70以上のET/OCT共重合体であることがさらに好ましく、融点が70℃以上でショアA硬度が80以上のET/OCT共重合体であることが一層好ましい。
ET/OCT共重合体としては、エンゲージ(登録商標)(デュポン ダウ エラストマージャパン社製品)が市販されており、これを入手して使用することができる。
ポリアミド繊維中に含まれるET/OCT共重合体の含有量は、0.1〜20重量%、特に0.5〜15重量%の範囲が好ましく、含有量が1重量%未満ではポリアミド繊維の耐加水分解性が不足し、20重量%を超えるとポリアミド繊維の強度が不足するため好ましくない。
本発明のポリアミド繊維の製造は、ポリアミドと所定量のET/OCT共重合体とを溶融混練した後、溶融紡糸することで行うことができる。
本発明のポリアミド繊維の具体的な製造例としては、例えば、1軸もしくは2軸エクストルダに必要量のポリアミドペレットとET/OCT共重合体ペレットとを計量供給し、溶融混練した後、エクストルダ先端に設けた計量ギアポンプを介して紡糸口金より押し出し、冷却・延伸・熱セットを行う方法を挙げることができる。
本発明のポリアミド繊維単糸の繊維軸方向に垂直な断面の形状(以下、断面形状もしくは断面という)は、円、中空、扁平、正方形、T形、Y形、半月状、三角形、5角以上の多角形、多葉状、ドッグボーン状、繭型などいかなる断面形状を有するものでもよい。
本発明のポリアミド繊維の形態は、マルチフィラメント、モノフィラメント、短繊維、綿状および不織布など任意であるが、本発明のポリアミド繊維が各種工業用織物の構成素材である場合にはモノフィラメントであることが特に好ましい。モノフィラメントは、1本の単糸からなる連続糸である。
本発明のポリアミド繊維を工業用繊維資材の構成素材として用いる場合には、繊維の断面形状が円もしくは扁平の形状が好ましい。
本発明のポリアミド繊維が耐摩耗性に優れる理由については明確ではないが、各種用途においてポリアミド繊維に加えられる衝撃、擦過等の外力を、本発明のポリアミド繊維中に分散して存在するET/OCT共重合体が吸収分散し、外力に対する応力が集中してポリアミド繊維の一部が摩耗することを抑制していることに起因するものであると考えられる。
かくして得られる本発明のポリアミド繊維は、従来のものより耐摩耗性に優れ、かつ十分な耐熱性を有するものであり、例えば抄紙プレスフェルト基布、各種フィルター織物などの工業用繊維資材の少なくとも一部の構成素材、釣り糸および草刈り線材などとして好適である。これらの中でも、特に優れた耐摩耗性が必要な抄紙プレスフェルト基布の少なくとも一部の構成素材として好適である。
以下、本発明のポリアミド繊維の好ましい形態であるポリアミドモノフィラメントの実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。
なお、以下の実施例における特性値は各実施例の中で特に記さない限り、次に示す方法によって測定したものである。
〔切断屈曲摩耗回数の測定〕
JIS L−1095−9.10.2Bに準じて、固定された直径1.0mmの摩擦子(硬質鋼線(SWP−A))の上に接触させた繊維を、摩擦子の左右各55度角度で斜め下に設けたフリーローラー2個(ローラー間距離70mm)の下に掛け、別の1個のフリーローラーの上を介して繊維の一端に0.196cN/dtexの荷重をかけてセットする。この繊維資料を往復回数120回/分、往復ストローク25mmで摩擦子に接触往復させて、同一試料につき各10本のモノフィラメントについて、夫々切断するまでの往復屈曲摩耗回数を室温にて測定して平均値を求めた。平均値が大きいほど耐屈曲摩耗性が良好なことを表す。
〔実施例1〜3,比較例1〕
ナイロン6である東レ(株)製品、“アミラン”ポリアミドCM1021(ηr3.4)チップ(以下、ナイロン6チップという)、ET/OCT共重合体の1種であり融点50℃、ショアA硬度60のエンゲージ(登録商標)(以下“Eng”という)(デュポン ダウ エラストマージャパン(株)製品)ENR8137(ブロッキング防止剤としてペレット表面にタルク1重量%以下含有)、同じくET/OCT共重合体の1種であり融点60℃、ショアA硬度75の“Eng”8200、および同じくET/OCT共重合体の1種であり融点98℃、ショアA硬度94の“Eng”8440を準備した。
前記のナイロン6チップおよび各“Eng”とを表1に示した量比で計量しながら、1軸エクストルダー紡糸機に連続供給し、1軸エクストルダー内で約270℃で3分間溶融混練した溶融ポリマを、ギアポンプを経て紡糸パック内の濾過層を通して円形断面糸用紡糸口金より紡出し、20℃の冷却水槽で冷却固化した後、引き続いて95℃温浴中で3.8倍に延伸し、さらに180℃の熱風中で延伸してトータル5.3倍の延伸を行った。次いで0.9倍で弛緩熱セットを行い、直径0.22mmのポリアミドモノフィラメントを得た。
得られた各モノフィラメントの組成および特性を表1に示す。
Figure 2005273025
実施例1〜3および比較例1の結果から、ET/OCT共重合体類を含有する本発明のポリアミド繊維(ポリアミドモノフィラメント)は優れた耐摩耗性を有するものであり、耐摩耗性の必要な各種工業用繊維資材、特に抄紙プレスフェルト基布の少なくとも一部の構成素材用として有用なものであることがわかる。
本発明のポリアミド繊維は、十分な耐摩耗性を有するものであることから、抄紙プレスフェルト基布を代表とする優れた耐摩耗性が必要な工業用繊維資材の少なくとも一部の構成素材用として有用であり、従来より長期間の使用が可能となり産業用の利用価値の高いものとなる。

Claims (5)

  1. ポリアミド以外の成分としてエチレン・1-オクテン共重合体0.1〜20重量%を含有することを特徴とするポリアミド繊維。
  2. 前記エチレン・1-オクテン共重合体のDSC法(窒素ガス中、昇温速度10℃/分)融点が50℃以上、かつショアA硬度(ASTM D−2240に準拠)が70以上であることを特徴とする請求項1記載のポリアミド繊維。
  3. モノフィラメントであることを特徴とする請求項1または2記載のポリアミド繊維。
  4. 工業用繊維資材の少なくとも1部の構成素材として使用するためのものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のポリアミド繊維。
  5. 工業用繊維資材が抄紙プレスフェルト基布であることを特徴とする請求項4記載のポリアミド繊維。
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