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JP3346454B2 - インクジェット式印刷装置及び印刷方法 - Google Patents

インクジェット式印刷装置及び印刷方法

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Publication number
JP3346454B2
JP3346454B2 JP00158797A JP158797A JP3346454B2 JP 3346454 B2 JP3346454 B2 JP 3346454B2 JP 00158797 A JP00158797 A JP 00158797A JP 158797 A JP158797 A JP 158797A JP 3346454 B2 JP3346454 B2 JP 3346454B2
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JP
Japan
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drive
ejection
ink
discharging
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JP00158797A
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薫 百瀬
隆廣 中
強 北原
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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Publication date
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  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Fax Reproducing Arrangements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、同一のノズルから
異なる大きさのインク滴を吐出することができるインク
ジェット式印刷装置及び印刷方法に関し、特に、一印刷
周期中に複数個の駆動波形を含んでなる駆動信号を振動
子に印加することによって異なる大きさのインク滴を吐
出可能なインクジェット式印刷装置及び印刷方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】インクジェット式印刷装置の一例として
のインクジェットプリンタは、副走査方向(垂直方向)
に多数のノズルが形成されたプリントヘッドを有してお
り、このプリントヘッドをキャリッジ機構によって主走
査方向(水平方向)に移動させつつノズルからインク滴
を吐出せしめ、所定の紙送りを行うことで所望の印刷結
果を得るものである。例えばホストコンピュータ等から
入力された印刷データを展開してなるドットパターンデ
ータに基づいて、プリントヘッドの各ノズルからインク
滴がそれぞれ所定のタイミングで吐出される。これらの
各インク滴が記録紙等の印刷記録媒体に着弾して付着す
ることにより、印刷が行われる。このように、インクジ
ェット式のプリンタは、インク滴を吐出するかしない
か、つまりドットのオンオフ制御を行うものであるた
め、このままでは灰色等の中間階調を印刷出力すること
ができない。
【0003】そこで、従来より、例えば、1つの画素を
4×4、8×8等の複数のドットで表現することによっ
て中間階調を実現する方法が採用されている。4×4の
ドットマトリクスで1つの画素を表現すれば、16階調
(全白を含めると17階調)で濃淡を表すことができ
る。画素の分解能を上げれば、より細やかに階調表現を
行うことができる。しかし、記録ドット径を変えずに階
調を上げると実質的な解像度は低下する。また、記録紙
上の記録ドット径が大きいと、低濃度領域の粒状性が目
立つようになる。従って、インク滴の重量を少なくして
記録ドット径を小さくする必要がある。
【0004】例えば、特開昭55−17589号公報等
に記載されているように、インクを収容した圧力室を膨
張させてから収縮させるという、いわゆる「引き打ち」
を行うことによって、吐出するインク滴の重量を少なく
し、記録ドット径を小さくすることが可能である。
【0005】記録ドット径が小さくなれば、低濃度領域
での粒状性が目立たず印刷品質を高めることができる
が、印刷速度が大幅に低下する。例えば、通常の記録ド
ット径の半分にした小径のドットを用いる場合は、通常
の記録ドット径を用いた場合の4倍の印刷時間を要す
る。印刷速度の低下を防止するためには、インク滴を吐
出する駆動周波数を4倍に高めるか、あるいはノズル数
を4倍に増やせばよいが、いずれも容易ではない。
【0006】そこで、同一のノズルから異なる重量のイ
ンク滴を吐出させ階調記憶を可能とする技術も提案され
ている(例えば、特公平4−15735号公報、米国特
許第5,285,215号明細書)。かかる技術では、
複数の波形信号を加えることによって微少なインク滴を
複数発生させ、記録紙上に着弾する前に、これら複数の
微少インク滴を合体させて大きなインク滴を生成するよ
うになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記公報記載の従来技
術によれば、微少なインク滴と大きなインク滴とを吐出
可能であるが、記録紙着弾前にインク滴を合体させるの
は難しい。また、記録紙に着弾する前に微少なインク滴
を合体させる必要があるため、記録ドット径の可変範囲
も狭いという問題がある。
【0008】一方、各ノズルを同時に駆動してインク滴
を吐出した場合には、インク滴の吐出速度(飛翔速度)
が低下して、いわゆるクロストーク現象が発生し、印字
品質等が低下することがある。
【0009】図22及び図23は、クロストーク現象を
説明する説明図である。まず、図22は、圧電振動子の
変位速度の変化に起因するクロストーク現象を主として
示している。プリントヘッド100には、副走査方向に
例えば64個等の複数のノズル101が形成されてい
る。
【0010】ここで、各ノズル101を同時に駆動して
インク滴を吐出させた場合には、インク滴吐出速度が低
下する。図22(A)の右側には、後述する波形ひずみ
によるクロストーク現象と圧電振動子に起因するクロス
トーク現象とが混合された状態で生じるインク滴吐出速
度のばらつきを示してある。
【0011】各圧電振動子はそれぞれ櫛歯状に形成され
ているため、各圧電振動子を同時に駆動した場合には、
その伸縮の変位速度にばらつきが生じ、インク滴の吐出
速度が低下する。従って、あるノズルを単独で駆動した
場合のインク滴吐出速度を二点鎖線で示すと、多数本の
ノズルを同時に駆動した場合には、図22(A)中に実
線で示すように、弓形あるいは鍋底形の速度分布を示
す。
【0012】つまり、プリントヘッド100の両端側に
位置するノズルではインク滴吐出速度が速く、プリント
ヘッド100の中央部付近に位置するノズルではインク
滴吐出速度が低下する。
【0013】このように、インク滴の吐出速度が不均一
になると、この吐出速度の変化に応じて着弾時間も変動
するため、縦方向のドットラインが弓形状または鍋底状
に変形することになる。特に、インク滴が小さくなるほ
ど、吐出後の空気抵抗によって速度が低下し易いため、
記録ドットの着弾位置ずれが現れやすい。
【0014】また、図22(B)に示すように、ノズル
101から吐出されるインク滴は、インク滴本体102
と、該インク滴本体102に続く複数の微少なサテライ
ト103とから構成されている。これら微少なサテライ
ト103の速度は、インク滴本体102の速度よりも遅
い。従って、インク滴吐出速度が低下すると、サテライ
ト103の速度は一層低下するため、図22(C)に符
号104で示すように、ノズル101の周辺に付着し易
くなる。
【0015】ここで、圧電振動子の変位速度に起因する
クロストーク現象が生じてインク滴の吐出速度が低下し
た場合、まず、微少なサテライト103が、ノズル面に
付着したインク104の表面張力に引かれるため、サテ
ライト103の吐出方向が変化するという「尾曲がり」
現象を生じる。さらに、インク滴の吐出速度が大幅に低
下した場合や多量のインクがノズル面に付着した場合に
は、サテライト103のみならず、インク滴本体102
の吐出方向まで曲がることになる。そして、かかる弾道
の変化により、インク滴の着弾点が変化し、記録ドット
の形成位置がずれて印字品質が低下する。
【0016】次に、図23は、ヘッド駆動回路で生じる
波形ひずみに起因するクロストーク現象を示している。
トランジスタオフ時に流れる貫通電流に起因するクロス
トーク現象として表現することもできる。図23(A)
の左側に示すように、単独でノズルを駆動する場合、即
ち、1個の圧電振動子にのみ駆動波形を入力する場合
は、波形にひずみが生じない。従って、この場合は、予
定された重量及び速度を有するインク滴が吐出される。
これに対し、図23(A)の右側に示すように、多数本
のノズルを同時に駆動する場合は、インダクタンス成分
(L成分)の影響によって、駆動波形にひずみが生じ
る。具体的には、波形の立上がり、立ち下がりにオーバ
ーシュートを生じると共に、その傾きも急になる。この
波形ひずみにより、インク滴の吐出速度が上昇し、イン
ク滴重量も少なくなる。
【0017】このような波形ひずみに起因するクロスト
ーク現象は、図23(B)に示すように、駆動されるノ
ズル数が多くなるほど、電流量が増大し、インク滴の吐
出速度が上昇するという性質を有する。図23(B)に
は、L成分の大小に応じたノズル駆動数とインク滴吐出
速度との関係が示されている。図23(B)に示す通
り、L成分が大きくなるほど、波形ひずみが大きくなっ
てインク滴吐出速度が上昇することが理解できる。かか
る波形ひずみによってインク滴吐出速度が大幅に上昇す
ると、メニスカスに気泡を巻き込みやすくなり、ドット
抜けや吐出ぶれ等が発生し易くなる。
【0018】実際にプリントヘッド100で生じるクロ
ストーク現象は、圧電振動子によるクロストークと波形
ひずみによるクロストークとが混合された状態で発生す
るものである。そして、波形ひずみによるクロストーク
現象は、インク滴吐出速度を増大させる方向に作用し、
圧電振動子によるクロストーク現象は、インク滴吐出速
度を低下させる方向に作用する。従って、両クロストー
ク現象が重なると、図22(A)の右側に示すように、
インク滴吐出速度が部分的に増大したり、あるいは低下
したりするため、全体として、弓形または鍋底形の吐出
速度分布パターンを形成する。
【0019】本発明は、上記のような種々の課題に鑑み
なされたものであり、その目的は、印刷速度を低下させ
ることなく同一ノズルからインク重量の異なる複数のイ
ンク滴を吐出できると共にクロストーク現象の発生を防
止できるようにしたインクジェット式印刷装置及び印刷
方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
発明に係るインクジェット式印刷装置では、一印刷周期
内に複数の駆動波形を含んでなる駆動信号を用い、各吐
出部を複数の吐出部群に分け、該各吐出部群毎に異なる
駆動波形によって各吐出部を駆動するようにしている。
【0021】すなわち、請求項1に係る発明では、入力
される駆動波形に応じて伸縮する振動子によりインク滴
を吐出する振動子駆動型の吐出部が複数個設けられたプ
リントヘッドを備え、前記プリントヘッドを印刷記録媒
体に対して相対的に移動させつつ前記各吐出部からイン
ク滴をそれぞれ吐出させることにより印刷を行うインク
ジェット式印刷装置において、前記各吐出部をその隣接
するものが異なる群となるように予め複数の吐出部群に
分け、一印刷周期内に少なくとも小量のインク滴吐出用
の駆動波形を2つと、それよりも大量のインク滴吐出用
の駆動波形を発生させる駆動信号発生手段と、前記2つ
の小量のインク滴吐出用の駆動波形のそれぞれを、前記
各吐出部群毎に印加して前記各吐出部を駆動する駆動制
御手段とを備えるようにした。
【0022】各吐出部群毎にそれぞれ異なる駆動波形を
入力することにより、各吐出部群に属する吐出部が駆動
される時期が異なるため、全ての吐出部が同時に駆動さ
れることがなくなり、クロストーク現象の発生を防止す
ることができる。
【0023】また、振動子は入力される駆動波形に応じ
て伸縮し、この伸縮動作によって各吐出部はインク滴を
吐出するため、一印刷周期内に含まれる複数の駆動波形
が同一形状の場合には、入力される駆動波形の数だけ吐
出部から同量のインク滴が吐出される。従って、入力す
る駆動波形の形状及び入力する駆動波形の数に応じて、
記録紙等の印刷記録媒体上に着弾するインク量を制御す
ることができ、記録ドット径を可変に制御してドット階
調を実現することができる。
【0024】請求項2に係る発明では、前記駆動信号発
生手段は、メニスカスを発振させることにより微少なイ
ンク滴を吐出させるための駆動波形を、一印刷周期内で
前記吐出部群の数に応じた数だけ含んでなる駆動信号を
発生させることを特徴としている。
【0025】例えば、ヘルムホルツ振動等を利用してメ
ニスカスを急激に発振させることにより、微少なインク
滴を吐出することができる。ここで、メニスカスを発振
させて微少インク滴を吐出させる場合は、振動子を急激
に伸縮させるため、クロストークが生じ易い。しかし、
各吐出部群毎にそれぞれ異なる駆動波形によって各吐出
部を駆動するため、クロストーク現象を防止することが
できる。
【0026】ここで、「吐出部群の数に応じた数だけ」
とは、各吐出部群に属する吐出部が必要とするだけの数
量という意味であり、吐出部群の数と同一数の場合に限
られない。例えば、各吐出部に駆動波形を1個または2
個印加することにより、ドット1個またはドット2個の
複数の階調を得る場合には、吐出部群の数に駆動波形の
最大使用数を乗じた数だけの駆動波形を駆動信号が含ん
でいればよい。具体的には、吐出部群を2群とし、駆動
波形の最大使用数を2個とした場合には、一印刷周期中
に4個の駆動波形を含む駆動信号を発生させる。
【0027】請求項3に係る発明では、前記駆動信号発
生手段は、メニスカスを発振させることにより微少な第
1のインク滴を吐出させるための第1の駆動波形を前記
吐出部群の数に応じた数だけ一印刷周期内に含むと共に
前記第1のインク滴よりも大きい第2のインク滴を吐出
させるための第2の駆動波形を当該印刷周期内に含んで
なる駆動信号を発生させ、前記駆動制御手段は、前記第
1の駆動波形によって前記吐出部を駆動する場合には、
前記各吐出部群毎にそれぞれ異なる前記第1の駆動波形
により前記各吐出部を駆動することを特徴としている。
【0028】重量の異なるインク滴を吐出させるため
に、第1の駆動波形と第2の駆動波形との2種類の駆動
波形を一印刷周期内に含んでなる駆動信号を用ることに
より、例えば、第1のインク滴のみ、第2のインク滴の
み、第1のインク滴及び第2のインク滴等のように、一
層の多階調表現を実現することができる。また、微少な
インク滴吐出に係る第1の駆動波形については、各吐出
部群毎にそれぞれ異なる第1の駆動波形によって各吐出
部を駆動させるため、クロストーク現象を防止すること
ができる。
【0029】請求項4に係る発明のように、前記駆動信
号発生手段は、メニスカスを発振させることにより微少
な第1のインク滴を吐出させるための第1の駆動波形を
前記吐出部群の数に応じた数だけ一印刷周期内に含むと
共に前記第1のインク滴よりも大きい第2のインク滴を
吐出させるための第2の駆動波形を当該印刷周期内に複
数個含んでなる駆動信号を発生させ、前記駆動制御手段
は、前記第1の駆動波形によって前記吐出部を駆動する
場合には、前記各吐出部群毎にそれぞれ異なる前記第1
の駆動波形によって前記各吐出部を駆動させ、前記第2
の駆動波形によって前記吐出部を駆動する場合には、前
記各第2の駆動波形のうちいずれか一つまたは複数の第
2の駆動波形によって前記各吐出部を駆動するように構
成することもできる。
【0030】即ち、クロストーク現象の生じやすい第1
のインク滴吐出に際しては、各吐出部群毎にそれぞれ異
なる第1の駆動波形を用いて各吐出部を駆動することに
より、クロストーク現象を防止することができる。これ
に加えて、第2のインク滴を吐出させるための第2の駆
動波形を駆動信号中に設け、第2のインク滴吐出時に
は、一または複数の第2の駆動波形によって各吐出部を
駆動することにより、例えば、第1のインク滴のみ、第
2のインク滴のみ、第1のインク滴及び第2のインク
滴、第2のインク滴2個等のように、階調値を向上する
ことができる。
【0031】請求項5に係る発明では、前記駆動信号発
生手段は、メニスカスを発振させることにより微少なイ
ンク滴を吐出させるための微少インク滴吐出用駆動波形
を前記吐出部群の数に応じた数だけ一印刷周期内に含む
と共にインク滴が吐出しない程度に前記振動子を振動さ
せるための無印刷用駆動波形を当該印刷周期内に含んで
なる駆動信号を発生させることを特徴としている。
【0032】インク滴が吐出しない程度に振動子を作動
させる無印刷用駆動波形を駆動信号中に設けることによ
り、インク粘度の増大を防止することができる。
【0033】具体的には、請求項6に係る発明のよう
に、前記微少インク滴吐出用駆動波形と共通の最大電位
を有する所定形状の台形波を該各微少インク滴吐出用駆
動波形の前にそれぞれ設け、前記台形波及び前記微少イ
ンク滴吐出用駆動波形をそれぞれ前記最大電位の点で幅
方向に分割して得られる波形要素を互いに連結すること
により、前記無印刷用駆動波形を前記駆動信号中に含ま
せることもできる。
【0034】ここで、「所定形状の台形波」とは、微少
インク滴吐出用駆動波形との波形要素の連結によって無
印刷用駆動波形を得られる形状を備えた台形波を意味
し、具体的には、波形前半の立上がり勾配または立ち下
がり勾配は、インク滴が吐出しない程度の勾配であるこ
と、及び波形頂部の電位(最大電位)は微少インク滴吐
出用駆動波形の最大電位と等しいこと、の2条件を満た
す形状を有する台形波を意味する。所定形状の台形波を
駆動信号中に設け、台形波を幅方向に分割してなる波形
要素と微少インク滴吐出用駆動波形を幅方向に分割して
なる波形要素とを連結することにより、元の駆動信号に
明示的に含まれない無印刷用駆動波形を得ることができ
る。これにより、複数の微少インク滴吐出用駆動波形を
含んでなる駆動信号中に無印刷用駆動波形を設けること
ができる。つまり、インク滴を吐出させずにメニスカス
に微振動を与えるためには、無印刷用駆動波形の立上が
り及び立ち下がりの勾配を比較的緩やかにする必要があ
るため、単に、無印刷用駆動波形を駆動信号中に挿入し
た場合には、該無印刷用駆動波形の分だけ時間的余裕が
少なくなる。しかし、波形要素の連結によって無印刷用
駆動波形を得る構成とすれば、無理なく無印刷用駆動波
形を生成することができる。
【0035】請求項7に係る発明では、隣接する吐出部
が互いに異なる吐出部群に属するように、前記各吐出部
を前記複数の吐出部群に分けたことを特徴としている。
【0036】隣接する吐出部が異なる吐出部群に属する
ように分けることにより、隣り合う吐出部同士が互いに
異なる駆動波形によって駆動されるため、例えば、櫛歯
状等の各振動子の構造に起因するクロストーク現象の発
生を効果的に防止することができる。
【0037】より具体的には、請求項8に係る発明のよ
うに、前記各吐出部に一連の番号をそれぞれ付与したと
きに、奇数番の吐出部は奇数番吐出部群に属し、偶数番
の吐出部は偶数番吐出部群に属するようにすることもで
きる。
【0038】これにより、奇数番の吐出部と偶数番の吐
出部とは、互いに異なる吐出部群に属し、異なる駆動波
形によって駆動されるため、クロストーク現象を効果的
に防止することができる。
【0039】請求項9に係る発明では、前記各吐出部か
らそれぞれ吐出されるインク滴が略同一の位置で前記印
刷記録媒体に着弾するように、前記各駆動波形間の時間
周期及び前記プリントヘッドと前記印刷記録媒体との相
対速度差に基づいた距離だけ、前記各吐出部を前記各吐
出部群毎に相対的に変位させて前記プリントヘッドに形
成したことを特徴としている。
【0040】例えば、各吐出部がプリントヘッドに一列
に形成されている場合、各吐出部群毎にそれぞれ異なる
駆動波形によって各吐出部を駆動すると、駆動波形間の
時間周期及びプリントヘッドと印刷記録媒体との相対速
度差に基づいた所定の距離だけ、インク滴の着弾点が変
化する。即ち、時間的に先行して発生する駆動波形によ
って駆動される吐出部と、後続する駆動波形によって駆
動される吐出部とでは、先行駆動波形と後続駆動波形と
の間の時間差だけインク滴吐出時期が異なるため、着弾
点が変動する。従って、予め各吐出部群毎に、各吐出部
の形成位置を前記所定の距離だけ変位させておくことに
より、先行する駆動波形によって駆動される吐出部から
のインク滴と後続する駆動波形によって駆動される吐出
部からのインク滴とを略同一の位置に着弾させることが
できる。
【0041】より具体的には、請求項10に係る発明の
ように、前記駆動制御手段は、前記各吐出部からそれぞ
れ吐出されるインク滴が略同一の位置で前記印刷記録媒
体に着弾するように、前記プリントヘッドの走査方向に
基づいて前記各吐出部群毎にそれぞれ異なる前記駆動波
形によって前記各吐出部を駆動することもできる。
【0042】印字モードとしては、一方向から印字を行
う単方向印刷モードと左右両方向から印字を行う双方向
印刷モードとがある。ここで、各駆動波形間の時間周期
差を考慮して各吐出部の形成位置を予め前記所定の距離
だけずらした状態で、双方向印刷を行うと、インク滴の
着弾点は前記所定の距離の約2倍程度に増大する。
【0043】そこで、プリントヘッドの走査方向(主走
査方向)を考慮して各吐出部に入力する駆動波形を選択
することにより、走査方向が反転した場合でも、略同一
の位置にインク滴を着弾させることができる。
【0044】また、請求項11に係る発明のように、前
記各振動子駆動型の吐出部は、インクが供給される圧力
発生室と、該圧力発生室に連通して設けられたノズル穴
と、前記圧力発生室の壁面に一体的に設けられた圧電振
動子とを備えてなり、前記圧電振動子の伸縮動作によっ
て前記圧力室を膨縮させることにより、前記ノズル穴か
らインク滴を吐出させる構成とすることができる。
【0045】これにより、圧電振動子によって圧力発生
室の壁面を変位させ、該圧力発生室の体積を膨縮させて
ノズル穴からインク滴を吐出させることができる。特
に、圧力発生室の体積を変化させることができるため、
インクを圧力発生室の外部に押し出すようにして吐出す
ることができる上に、インクを圧力発生室の内部に引き
込むときの発振現象を利用して微少なインク滴を吐出す
ることができる。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態について詳細に説明する。
【0047】1.第1の実施の形態 まず、図1は、本発明の第1の実施の形態が適用される
インクジェット式印刷装置としてのインクジェット式プ
リンタのブロック構成図である。
【0048】1−1 全体構成 インクジェット式プリンタは、プリンタコントローラ1
とプリントエンジン2とから構成されている。プリンタ
コントローラ1は、図外のホストコンピュータ等からの
印刷データ等を受信するインターフェース(以下「I/
F」という)3と、各種データの記憶等を行うRAM4
と、各種データ処理のためのルーチン等を記憶したRO
M5と、CPU等からなる制御部6と、発振回路7と、
後述のプリントヘッド10への駆動信号を発生させる
「駆動信号発生手段」としての駆動信号発生回路8と、
ドットパターンデータ(ビットマップデータ)に展開さ
れた印字データ及び駆動信号等をプリントエンジン2に
送信するためのI/F9とを備えている。
【0049】I/F3は、例えばキャラクタコード、制
御コード、イメージデータのいずれか1つのデータまた
は複数のデータからなる印刷データをホストコンピュー
タ等から受信する。また、I/F3は、ホストコンピュ
ータに対してビジー信号(BUSY)やアクノレッジ信
号(ACK)等を出力することができる。
【0050】RAM4は、受信バッファ4A、中間バッ
ファ4B、出力バッファ4C及びワークメモリ(図示せ
ず)等として利用されるものである。受信バッファ4A
には、I/F3が受信したホストコンピュータからの印
刷データが一時的に記憶される。中間バッファ4Bに
は、制御部6によって中間コードに変換された中間コー
ドデータが記憶される。出力バッファ4Cには、後述の
ように階調データをデコードした後のドットパターンデ
ータが展開される。ROM5は、制御部6によって実行
される各種制御ルーチンとフォントデータ及びグラフィ
ック関数、各種手続き等を記憶している。
【0051】制御部6は、受信バッファ4A内の印刷デ
ータを読み出して中間コードに変換し、この中間コード
データを中間バッファ4Bに記憶する。次に、制御部6
は、中間バッファ4Bから読み出した中間コードデータ
を解析し、ROM5内のフォントデータ及びグラフィッ
ク関数等を参照して中間コードデータをドットパターン
データに展開する。この展開されたドットパターンデー
タは、必要な装飾処理が行われた後、出力バッファ4C
に記憶される。
【0052】プリントヘッド10の1行分に相当するド
ットパターンデータが得られると、この1行分のドット
パターンデータは、I/F9を介してプリントヘッド1
0にシリアル伝送される。出力バッファ4Cから1行分
のドットパターンデータが出力されると、中間バッファ
4Bの内容が消去されて、次の中間コード変換が行われ
る。ここで、ドットパターンデータに展開された印字デ
ータは、後述するように、各ノズル毎の階調データとし
て例えば4ビット(あるいは3ビットまたは5ビット)
で構成されている。
【0053】プリントエンジン2は、プリントヘッド1
0と、紙送り機構(図中「紙送り」と略記)11と、キ
ャリッジ機構(図中「キャリッジ」と略記)12とを備
えている。紙送り機構11は、紙送りモータ及び紙送り
ローラ等からなり、記録紙等の印刷記録媒体を順次送り
だして副走査を行うものである。キャリッジ機構12
は、プリントヘッド10を搭載するキャリッジと、該キ
ャリッジをタイミングベルト等を介して走行させるキャ
リッジモータ等からなり、プリントヘッド10を主走査
させるものである。
【0054】プリントヘッド10は、副走査方向に例え
ば64個等の多数のノズルを有し、所定のタイミングで
各ノズルからインク滴を吐出させるものである。ドット
パターンデータに展開された印字データは、発振回路7
からのクロック信号(CK)に同期して、I/F9から
シフトレジスタ13にシリアル伝送される。このシリア
ル転送された印字データ(SI)は、一旦、ラッチ回路
14によってラッチされる。ラッチされた印字データ
は、電圧増幅器であるレベルシフタ15によって、スイ
ッチ回路16を駆動できる電圧、例えば数十ボルト程度
の所定の電圧値まで昇圧される。所定の電圧値まで昇圧
された印字データは、スイッチ回路16に与えられる。
スイッチ回路16の入力側には、駆動信号発生回路8か
らの駆動信号(COM)が印加されており、スイッチ回
路16の出力側には、圧電振動子17が接続されてい
る。
【0055】印字データは、スイッチ回路16の作動を
制御する。例えば、スイッチ回路16に加わる印字デー
タが「1」である期間中は、駆動信号が圧電振動子17
に印加され、この駆動信号に応じて圧電振動子は伸縮を
行う。一方、スイッチ回路16に加わる印字データが
「0」の期間中は、圧電振動子17への駆動信号の供給
が遮断される。
【0056】1−2 プリントヘッドの具体的構成 プリントヘッド10の構成を具体的に示したのが図2の
回路図である。図1中のシフトレジスタ回路13、ラッ
チ回路14、レベルシフタ15、スイッチ回路16及び
圧電振動子17は、それぞれプリントヘッド10の各ノ
ズルに対応した素子13A〜13N、14A〜14N、
15A〜15N、16A〜16N、17A〜17Nから
構成されている。印字データは、(1010)、(01
00)等の如く、各ノズル毎に、最上位のビット3から
最下位のビット0までの合計4ビットデータで構成され
ている。そして、全てのノズルについての各桁のビット
データが一印刷周期内にシフトレジスタ13A〜13N
に入力される。
【0057】即ち、全ノズル分の最上位のビット3のデ
ータがシフトレジスタ13A〜13Nにシリアル転送さ
れた後、この全ノズル分のビット3のデータはラッチ素
子14A〜14Nによってラッチされる。このラッチに
より、次に、全ノズル分のビット2のデータがシフトレ
ジスタ13A〜13Nに転送される。同様に、次いで全
ノズル分のビット1のデータ、全ノズル分のビット0の
データが順次シリアル転送される。
【0058】そして、例えばアナログスイッチとして構
成される各スイッチ素子16A〜16Nに加わるビット
データが「1」の場合は、駆動信号(COM)が圧電振
動子17A〜17Nに直接印加され、各圧電振動子17
A〜17Nは駆動信号の信号波形に応じて変位する。逆
に、各スイッチ素子16A〜16Nに加わるビットデー
タが「0」の場合は、各圧電振動子17A〜17Nへの
駆動信号が遮断され、各圧電振動子17A〜17Nは直
前の電荷を保持する。
【0059】1−3 プリントヘッドの機械的構成の一
例 図3は、プリントヘッド10の機械的構造の一例を示し
ている。基板ユニット21は、ノズル穴22Aが形成さ
れたノズルプレート22とアイランド部23Aが形成さ
れた振動板23とによって流路形成板24を挟持するこ
とにより、構成されている。流路形成板24には、イン
ク室25、インク供給口26及び圧力発生室27が形成
されている。
【0060】基台28には収容室29が形成されてお
り、収容室29内には圧電振動子17(正確には圧電振
動子17A〜17Nのいずれか)が取り付けられてい
る。圧電振動子17は、その先端が振動板23のアイラ
ンド部23Aに当接するように、固定基板30を介して
固定されている。ここで、圧電振動子17には、例えば
縦振動横効果のPZTが用いられ、充電されると収縮
し、放電すると伸長するようになっている。圧電振動子
17への充放電はリード線31を介して行われる。
【0061】なお、圧電振動子17は、縦振動横効果の
PZTに限らず、たわみ振動型のPZTでもよい。この
場合は、充電すると伸長し、放電すると縮小する。ま
た、入力される駆動波形に応じて伸縮する振動子として
は、圧電振動子17に限らず、例えば、磁歪素子等の他
の振動子を用いてもよい。
【0062】圧電振動子17を充電すると、圧電振動子
17が収縮して圧力発生室27が膨張し、圧力発生室2
7内の圧力が低下してインク室25から圧力発生室27
内にインクが流入する。圧電振動子17を放電させる
と、圧電振動子17が伸長して圧力発生室27が縮小
し、圧力発生室27内の圧力が上昇して圧力発生室27
内のインクがノズル穴22Aを介して外部に吐出され
る。なお、圧力発生室27の容積変化(圧力変化)とイ
ンク滴の吐出との関係は、さらに後述する。
【0063】1−4 各駆動波形と階調表現の関係 次に、駆動信号と吐出されるインク滴及び階調表現方法
について図4を参照しつつ説明する。図4には、駆動信
号の各駆動波形と吐出されるインク滴の大小関係とが示
されていると共に、駆動信号を用いたドット階調表現の
方法が示されている。駆動信号発生回路8が発生させる
駆動信号は、「第1の駆動波形」としての第2波形及び
第4波形と、「第2の駆動波形」としての第1波形及び
第3波形との、合計4個の波形が示されている。
【0064】ここで、第2の駆動波形を構成する第1波
形及び第3波形は、それぞれ同一の波形形状を有し、例
えば、約10ngの中程度のインク滴を吐出するための
ものである。この第1波形、第3波形によって得られる
記録ドット径は、中程度の大きさになるため、これら第
1波形及び第3波形によって構成される第2の駆動波形
を「中ドット相当インク滴吐出用駆動波形」として表現
することもできる。
【0065】第1の駆動波形を構成する第2波形と第4
波形とは、それぞれ同一の波形形状を有し、第1波形と
第3波形との間に設けられている。第1の駆動波形を構
成する第2波形及び第4波形は、例えば、約2ng(上
述した中程度のインク滴の約1/5)の小さいインク滴
をそれぞれ吐出させるためのものであり、これによって
小さい記録ドット径が得られる。従って、第2波形及び
第4波形によって構成される第1の駆動波形を「微少イ
ンク滴吐出用駆動波形」として表現することもできる。
【0066】1−5 各駆動波形の詳細 次に、駆動信号を構成する各波形について、図4中に示
す如く、各波形の各部分に付したP11、P21等の符
号を参照しつつ説明する。なお、第1波形及び第3波
形、第2波形及び第4波形は、それぞれ同一形状である
から、第1波形と第2波形とを主として説明する。
【0067】まず、第2の駆動波形を構成する第1波形
は、図4中に示すように、その電圧値が中間電位Vmか
らスタートし(P11)、中間電位Vmから所定の電圧
勾配θCMで最大電位VPMまで上昇し(P12)、最
大電位VPMを所定時間だけ維持する(P13)。次
に、第1波形の電圧値は、最大電位VPMから所定の電
圧勾配θDMをもって最低電位VLまで下降する(P1
4)。
【0068】ここで、充電時の電圧勾配θCMよりも放
電時の電圧勾配θDMの方が大きくなるように設定され
ている。また、第1波形の電圧値が最大電位VPMから
最低電位VLまで低下するのに要する時間は、圧電振動
子17の固有振動周期TAと略同一に設定されている。
なお、最低電位VLは、圧電振動子17の分極反転を防
止するために、グランドレベル(0V)と同じか、ある
いはプラス電位であることが好ましい。
【0069】そして、第1波形の電圧値は、最低電位V
Lを所定時間だけ保持した後(P15)、再び中間電位
Vmまで上昇する(P16)。ここで、最大電位VPM
からの電圧下降の開始から最低電位VLの維持終了まで
の時間は、インクの固有周期(ヘルムホルツ周期)と略
同一に設定されている。
【0070】第1の駆動波形を構成する第2波形の電圧
値は、第1波形と同様に中間電位Vmからスタートし
(P21)、所定の電圧勾配θCSで最大電位VPSま
で上昇する(P22)。この第2波形の最大電位VPS
は、第1波形及び第3波形の最大電位VPMよりも小さ
い。そして、第2波形の電圧値は、最大電位VPSを所
定時間だけ維持した後(P23)、所定の電圧勾配θD
Sをもって中間電位Vmまで下降する(P24)。ここ
で、第2波形では、充電時の電圧勾配θCSの方が放電
時の電圧勾配θDSよりも大きくなるように設定されて
いる。これにより、圧電振動子17への充電時には、メ
ニスカスが急激に引き込まれてヘルムホルツ振動を起こ
、微少なインク滴が吐出する。このように圧電振動子
17の伸縮に伴ってメニスカスが急激に引き込まれて振
動を開始することを、本願発明では、「メニスカスの発
振」と定義する。
【0071】なお、第1波形と第3波形との間の時間周
期及び第2波形と第4波形との間の時間周期は、それぞ
れ印刷周期の半分となっている。具体的には、例えば印
刷周期を14.4kHz(69.4μs)とすると、第
1波形と第3波形との間及び第2波形と第4波形との間
は、それぞれ28.8kHz(34.7μs)に設定さ
れている。
【0072】次に、駆動信号の各波形単独によるノズル
穴22A付近のインク滴の吐出状態の概略について、図
5及び図6を参照しつつ説明する。まず、図5は、第2
の駆動波形を構成する第1波形または第3波形によるイ
ンク滴の吐出状態を示す説明図である。
【0073】中間電位VmにあるP11の状態では、メ
ニスカス40はノズル穴22Aの吐出面から若干引き込
まれた位置にある。次に、中間電位Vmから最大電位V
PMに上昇するP12の状態では、圧電振動子17が収
縮して圧力発生室27が膨張し、メニスカス40がノズ
ル穴22A内に引き込まれる。このとき、圧力発生室2
7は、圧電振動子17の収縮速度に応じた速度で膨張す
る。P13の状態では、一旦引き込まれたメニスカス4
0が引き込まれる直前の位置に復帰しない程度の時間だ
け、最大電位VPMを保持する。
【0074】P14の状態では、メニスカス40をノズ
ル穴22Aの奥に引き込んだ状態で、圧電振動子17を
最大電位VPMから最低電位VLまで急速に放電させ
る。これにより、圧電振動子17が伸長して圧力発生室
27が収縮し、メニスカス40がノズル穴22Aの吐出
面から突出しはじめる。このとき、圧力発生室27は、
圧電振動子17の伸長速度に応じた速度で収縮する。最
低電位VLを維持するP15の状態でも、慣性によりメ
ニスカス40の突出が続く。そして、P16の状態で
は、メニスカス40が突出した状態で圧電振動子17を
再び中間電位Vmまで充電する。これにより、圧電振動
子17が収縮して圧力発生室27が膨張し、ノズル穴2
2Aから外部に突出したインクが引きちぎれて、中ドッ
トに相当する量のインク滴が吐出される。なお、P16
に示す状態より先では、図21と共に従来技術で述べた
ように、インク滴本体と、該インク滴本体に続く微少な
サテライトとが、記録紙に向けて飛翔する。
【0075】図6には、第1の駆動波形を構成する第2
波形または第4波形を単独で圧電振動子17に印加した
場合のインクの変動状態が示されている。中間電位Vm
にあるP21の状態では、メニスカス40はノズル穴2
2Aの吐出面から若干引き込んだ位置にある。次に、中
間電位Vmから最大電位VPSまで急速に昇圧させる
と、圧電振動子17が収縮して圧力発生室27が膨張す
るため、メニスカス40はノズル22A内に引き込まれ
る。P23の状態では、メニスカス40が元の位置に復
帰しない程度の短時間だけ最大電位VPSを保持する。
これにより、P24a,P24bに示すように、ヘルム
ホルツ振動によってメニスカスが発振し、微少なインク
滴が吐出される。
【0076】1−6 印字データの転送タイミング 次に、第1波形(中ドット)、第2波形(小ドット)、
第3波形(中ドット)、第4波形(小ドット)を一また
は複数選択して多階調表現する方法を、図4及び図7等
を参照しつつ説明する。
【0077】上述したように、シフトレジスタ13から
ラッチ回路14等を経てスイッチ回路16に加わる印字
データのビットが「1」の期間中には、駆動信号が圧電
振動子17に印加され、圧電振動子17は駆動信号の波
形に応じて伸縮する。一方、印字データのビットが
「0」の期間中には、圧電振動子17への駆動信号の供
給が遮断され、圧電振動子17は直前の状態を保持す
る。従って、印字データのビットを第1〜第4波形の発
生タイミングに同期させれば、第1〜第4波形のうちい
ずれか1つあるいは複数の波形を選択することができ
る。
【0078】例えば、ドットを形成しない無ドットの場
合(階調値1)、小ドットのみ形成する場合(階調値
2)、1個の中ドットのみを形成する場合(階調値
3)、2個の中ドットで大ドットを形成する場合(階調
値4)の4パターンで記録紙上に記録ドットを形成すれ
ば、4段階のドット階調を行うことができる。なお、4
階調の場合、階調値1を(00)、階調値2を(0
1)、階調値3を(10)、階調値4を(11)のよう
に、各階調値を2ビットデータで表すことができる。
【0079】インク滴を吐出しない無ドットの階調値1
の場合は、圧電振動子17に駆動信号を供給しなければ
よい。従って、階調値1の場合は、スイッチ回路16に
対して、駆動信号の全期間に「0」を印加すればよい。
つまり、階調値1を示す2ビットのデータ(00)を4
ビットデータ(0000)に翻訳(デコード)すること
により、無ドットの階調値1を実現することができる。
【0080】同様に、スイッチ回路16に対して、第1
波形、第3波形及び第4波形の期間中に「0」を与え、
第2波形に同期させて「1」を印加すれば、つまり、4
ビットデータ(0100)を所定のタイミングでスイッ
チ回路16に与えれば、第2波形のみが圧電振動子17
に供給され、これにより、小ドット相当のインク滴を記
録紙に着弾させて階調値2を実現することができる。な
お、後述するように、本実施の形態では、階調値2を実
現するに際して、第2波形または第4波形のいずれかを
圧電振動子17に入力する。従って、図4中の下側に示
すように、階調値2の場合には、4ビットの印字データ
(0100)または(0001)のいずれかが圧電振動
子17に入力される。
【0081】同様に、4ビットデータ(1000)をス
イッチ回路16に与えれば、第1波形のみが圧電振動子
17に印加され、これにより、記録紙に中ドットが1個
形成されて階調値3が実現される。なお、階調値3の実
現に際しても、上記同様に、第1波形または第3波形の
いずれかを用いて圧電振動子17を作動させるため、4
ビットデータ(1000)または(0010)のいずれ
かが圧電振動子17に入力される。
【0082】4ビットデータ(1010)をスイッチ回
路16に与えれば、中ドットを形成する第1波形及び第
3波形のみが圧電振動子17に供給される。これによ
り、記録紙上に中ドット相当のインク滴が続けて2発着
弾し、各インク滴が混じり合って実質的に1つの大ドッ
トが形成される。
【0083】このように、各駆動波形毎に1ビットのデ
ータを割り当てて印字データを構成すれば、各ビットの
値によって所望の駆動波形のみを選択することができ
る。この各駆動波形それぞれに割り当てられる1ビット
のデータは、「波形選択信号」として表現することがで
きる。また、印字データの生成は「印字データ生成手
段」として表現可能な制御部6によって行われ、これに
より生成された印字データは、出力バッファ4Cに記憶
される。ここで、後述するように、制御部6は、同一量
のインク滴を吐出させる場合に、各圧電振動子17に対
して異なる駆動波形を入力させるべく、圧電振動子17
に付与された番号に応じて印字データを生成するように
なっている。
【0084】次に、4ビットの印字データをスイッチ回
路16等に与える具体的構成について、図7の波形図を
参照しつつ説明する。
【0085】まず、各ノズルについての2ビットの階調
値(b1,b0)は、上述した4ビットの印字データ
(D1,D2,D3,D4)に翻訳された状態で出力バ
ッファ4Cに記憶されている。ここで、D1は第1波形
の選択信号、D2は第2波形の選択信号、D3は第3波
形の選択信号、D4は第4波形の選択信号である。この
4ビットの印字データは、一印刷周期内にプリントヘッ
ド10の各ノズルに対応したスイッチ回路16に与えら
れる。
【0086】ここで、プリントヘッド10のノズル数を
n個とし、副走査方向のある位置における1番目のノズ
ルの印字データを(D11,D21,D31,D4
1)、2番目のノズルの印字データを(D12,D2
2,D32,D42)のように表した場合、シフトレジ
スタ13には、全ノズルについての第1波形選択信号D
1のデータ(D11,D12,D13,...D1n)
がクロック信号に同期してシリアル入力される。同様に
して、全ノズルについての第2波形選択信号D2のデー
タ(D21,D22,D23,...D2n)、全ノズ
ルについての第3波形選択信号D3のデータ(D31,
D32,D33,...D3n)、全ノズルについての
第4波形選択信号D4のデータ(D41,D42,D4
3,...D4n)が、一印刷周期内でシフトレジスタ
13に転送される。
【0087】より具体的には、目的とする駆動波形が発
生する前に、当該駆動波形を選択する印字データがシフ
トレジスタ13に転送される。そして、目的とする波形
の発生に同期させて、シフトレジスタ13が記憶した印
字データをラッチ回路14に転送して記憶させる。ラッ
チ回路14に移された印字データは、レベルシフタ15
により所定電圧に昇圧されてからスイッチ回路16に入
力される。
【0088】例えば、図7に示す如く、第1波形を選択
するD1のデータは、第1波形の直前の第4波形発生期
間内にシフトレジスタ13に転送されている。そして、
第1波形の発生に合わせてラッチ信号が出力され、この
ラッチ信号により、シフトレジスタ13が記憶したD1
の印字データは、パラレル信号に変換されてラッチ回路
14に転送される。このラッチ回路14に転送されたD
1の印字データは、レベルシフタ15によって所定の電
圧値に昇圧された後、スイッチ回路16に供給される。
これにより、ノズルに与えられたD1の値が「1」の場
合は、第1波形に従って圧電振動子17が伸縮するた
め、該ノズルから中ドット相当のインク滴が吐出され、
中ドットの記録ドットが形成される。一方、与えられた
D1の値が「0」であるノズルは、第1波形が圧電振動
子17に印加されないため、インク滴を吐出しない。同
様にして、D2のデータ、D3のデータ、D4のデータ
は、それぞれ目的とする駆動波形が発生する直前の期間
内にシフトレジスタ13に転送される。
【0089】1−7 印字データの生成 次に、印字データの具体的な生成方法について図8及び
図9を参照しつつ説明する。まず、図8は、プリンタコ
ントローラ1の主要な機能を示す機能ブロック図であ
る。
【0090】制御部6によって具体化される解釈部50
は、受信バッファ4A内に記憶された印刷データを読み
出し、この印刷データを解釈して、上述した印字データ
を生成する。本実施の形態では、一連のノズル穴22A
(圧電振動子17)に一連の番号を付与し、奇数番の圧
電振動子17には奇数番用の印字データを与え、偶数番
の圧電振動子17には偶数番の印字データを与えること
により、各圧電振動子17が同時に駆動されてクロスト
ーク現象が生じるのを防止している。
【0091】従って、解釈部50は、各圧電振動子17
の属する群、即ち、奇数番ノズル群か偶数番ノズル群か
を判定して、印字データを生成する。具体的には、解釈
部50は、変換テーブル51の記憶内容を呼び出して、
当該印刷データがいずれの群に属するデータであるか否
かを判定し、この判定結果に応じて印字データを生成す
る。ここで、変換テーブル51は、プリンタシステムの
ハードウエアとソフトウエアとのインターフェースであ
るBIOS(Basic Input Output System)からヘッド
位置及び紙送り量等の必要な情報を受け取って管理する
ものである。このようにして生成された印字データは、
展開部52によって出力バッファ4Cに展開され、プリ
ントヘッド10に送信される。
【0092】図9には、奇数番ノズル群、偶数番ノズル
群にそれぞれ属する圧電振動子17に対して入力される
印字データと波形との関係が示されている。
【0093】ドットを形成しない階調値1の場合(2ビ
ット階調データ(00))は、奇数番ノズル群に属する
各圧電振動子17及び偶数番ノズル群に属する各圧電振
動子17のいずれにも、(0000)の印字データが与
えられる。
【0094】小ドットを1個だけ形成する階調値2の場
合(2ビット階調データ(01))は、第1の駆動波形
を構成する第2波形と第4波形とのうち、いずれか一方
の波形を各圧電振動子17に与えればよい。しかし、全
ての圧電振動子17に対して同一の波形を入力すると、
クロストーク現象が発生して印字品質が低下する。そこ
で、本実施の形態では、奇数番ノズル群に属する各圧電
振動子17には第4波形を入力し(印字データ(000
1)を与える)、偶数番ノズル群に属する各圧電振動子
17には第2波形を入力する(印字データ(0100)
を与える)。これにより、各ノズル穴22Aから時期を
違えて小ドット相当の微少なインク滴が吐出される。
【0095】中ドットを1個だけ形成する階調値3の場
合(2ビット階調データ(10))は、前記階調値2の
場合と同様に、第2の駆動波形を構成する第1波形と第
3波形とのうち、いずれか一方の波形を各圧電振動子1
7に与えればよい。ここで、中ドット相当のインク滴を
吐出させる第1波形及び第3波形は、小ドット相当のイ
ンク滴を吐出させる第2波形及び第4波形とは異なり、
メニスカスを急激に発振させるものではないから、各圧
電振動子17に同一の波形を入力した場合でも、クロス
トーク現象が生じるおそれは少ない。しかし、本実施の
形態では、中ドット相当のインク滴を吐出させる第1波
形及び第3波形についても、隣接する圧電振動子17に
は異なる波形を入力することとし、より一層、クロスト
ーク現象を防止するようにしている。従って、階調値3
を実現する場合は、図9に示すように、奇数番ノズル群
に属する各圧電振動子17には第3波形を入力し(印字
データ(0010)を与える)、偶数番ノズル群に属す
る各圧電振動子17には第1波形を入力する(印字デー
タ(1000)を与える)。これにより、各ノズル穴2
2Aからは、吐出時期を違えて、中ドット相当のインク
滴がそれぞれ吐出される。
【0096】階調値4の場合(2ビット階調データ(1
1))は、中ドット相当のインク滴を2発続けて記録紙
上に着弾させることにより実現することができる。従っ
て、奇数番ノズル群及び偶数番ノズル群の別を問わず、
全ての各圧電振動子17に第1波形及び第3波形が入力
される(印字データ(1010)を与える)。
【0097】図10は、各波形の組み合わせにより得ら
れる他のパターンを示している。印字データ(110
0)を各圧電振動子17に与えれば、中ドット相当のイ
ンク滴を着弾させた後、小ドット相当のインク滴を続け
て着弾させることができる。これにより、中ドットと中
ドット2発による大ドットとの中間の記録ドットを得る
ことが可能である。この場合、奇数番ノズル群に属する
圧電振動子17には、印字データ(1100)を与え
て、該各圧電振動子17を第1波形及び第2波形に従っ
て伸縮させる一方、偶数番ノズル群に属する各圧電振動
子17には、印字データ(0011)を与えて、該各圧
電振動子17を第3波形及び第4波形に従って伸縮させ
るのが好ましい。
【0098】また、場合によっては、図10の下段に示
すように、第1波形、第2波形、第3波形の3つの波形
を圧電振動子17に印加してもよい。
【0099】本実施の形態によれば、複数の駆動波形に
よって基本波形たる駆動信号を形成し、各ノズル群毎に
それぞれ異なる駆動波形を印加してインク滴を吐出させ
る構成のため、各圧電振動子17が同時に駆動すること
がなく、クロストーク現象を防止して印字品質を向上す
ることができる。
【0100】ここで、例えば、特開昭61−18994
4号公報(以下、第1公報という)、特開昭63−15
8264号公報(以下、第2公報という)等には、プリ
ンタ分野において駆動部材を時分割で駆動する技術思想
が開示されている。しかし、第1公報は、インクを一定
温度に保持するためのヒータを時分割駆動することによ
り、電源部の小型化等を図るものであり、クロストーク
現象の解決を目的とする本発明とは相違する。また、第
2公報は、インク滴を押し出すためのヒータを時分割駆
動することにより、突入電流を抑制して電源部の小型化
を図るものであり、本発明の課題であるクロストーク現
象の防止を図るものではない。本発明の解決課題である
クロストーク現象(圧電振動子17の構造に起因するク
ロストーク現象)は、インク滴を外部に押し出すことに
より吐出させる印刷装置よりも、振動子の伸縮作用によ
る発振を利用してインク滴を吐出させる本発明の印刷装
置に特有の現象である。
【0101】また、本実施の形態によれば、小ドット相
当のインク滴を吐出させる第1の駆動波形としての第2
波形及び第4波形と中ドット相当のインク滴を吐出させ
る第2の駆動波形としての第1波形及び第3波形とから
一つの駆動信号を形成し、各圧電振動子17にいずれか
一つまたは複数の波形を印加可能な構成のため、インク
重量の異なるインク滴を吐出させることができる。従っ
て、印字速度を低下させることなく、記録ドット径を可
変に制御して多階調印刷を行うことができ、高品位印刷
を実現することができる。
【0102】さらに、本実施の形態では、メニスカスを
発振させることによりインク滴を吐出させる構成のた
め、微少なインク滴を吐出させることができる。即ち、
単に圧力を高めてインクを押し出す場合には、インク滴
の少量化に限界があり、微少なインク滴を安定して得る
のが難しい。これに対し、本発明は、メニスカスを急速
に引き込んでヘルムホルツ振動させることにより、イン
ク滴を吐出させることができるため、微少なインク滴を
安定的に得ることができる。
【0103】また、本実施の形態では、全ノズルを奇数
番ノズル群と偶数番ノズル群とに大別し、各群毎にそれ
ぞれ異なる駆動波形を用いてインク滴を吐出させる構成
のため、隣接する圧電振動子17同士が同時に駆動され
るのを防止することができ、クロストーク現象を有効に
防止することができる。
【0104】つまり、圧電振動子17によるクロストー
ク現象は、図22と共に上述した通り、圧電振動子17
の変位速度のばらつきに起因しており、この変位速度の
ばらつきは、圧電振動子17の構造(櫛歯状)に依存す
る。従って、構造的なクロストーク現象として把握する
ことができる。従って、奇数番ノズル群と偶数番ノズル
群とに大別して異なる駆動波形をそれぞれ印加すること
により、かかる構造的なクロストーク現象を有効に防止
することができる。
【0105】図11には、全ノズルからインク滴を吐出
させた場合のインク滴吐出速度の分布パターンが示され
ている。図11から明らかなように、プリントヘッド1
0の両端からそれぞれn1個のノズルまでは、吐出速度
が低下しており、これら両端側を除く他のノズルでは、
インク滴吐出速度が一定になる。
【0106】換言すれば、n2個以上のノズルを同時に
駆動すると、インク滴の吐出速度にばらつきが生じるこ
とを示している。ここで、実験によって、n2が32以
上の場合、即ち、全ノズルのうち32個以上連続したノ
ズルを同時に駆動した場合には、インク滴吐出速度にば
らつきを生じることが判明している。従って、例えば、
128個のノズルを有するプリントヘッドを用いた場合
に、上側の64個と下側の64個とにノズル群を大別し
ても、圧電振動子17の構造に起因するクロストーク現
象の防止効果は少ない。ただし、この場合でも、電流量
は少なくなるため、波形ひずみに起因するクロストーク
現象の低減を図ることはできる。
【0107】図11(B)は、全ノズルから3個のノズ
ルを選択して駆動する場合、その選択のパターンによっ
てインク滴吐出速度が変化する様子を示している。連続
する3個のノズルを駆動する場合よりも、3個のノズル
を1個おきに駆動する場合の方がインク滴吐出速度が増
大する。さらに、3個のノズルを2個おきに駆動する
と、一層インク滴吐出速度が改善される。このように、
圧電振動子17の変位速度によるクロストーク現象は、
圧電振動子17の構造に起因する現象であるため、隣り
合うノズル同士に異なる駆動波形を印加することによ
り、大幅に改善できることが理解できる。
【0108】なお、本実施の形態では、中ドット相当の
インク滴を吐出する場合も、時分割駆動するため、特
に、128個以上のノズルを備えたプリントヘッドを用
いる場合に、電流量を少なくして波形ひずみを防止する
ことができる。
【0109】2.第2の実施の形態 図12及び図13に基づいて本発明の第2の実施の形態
を説明する。なお、以下の各実施の形態では、上述した
第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付
し、その説明を省略するものとする。
【0110】まず、図12は、上述した第1の実施の形
態によって形成される記録ドットの状態を説明する説明
図であり、階調値2の場合を例示してある。
【0111】即ち、例えば#1〜#10までの全ノズル
穴22Aから微少なインク滴を吐出させて記録紙上に小
ドットを形成する場合、上述した通り、奇数番ノズル群
に属する圧電振動子17には、印字データ(0001)
が入力されるため、該各圧電振動子17は第4波形に従
って伸縮し、微少なインク滴を吐出する。一方、偶数番
ノズル群に属する各圧電振動子17には、印字データ
(0100)が入力されるため、該各圧電振動子17は
第2波形に従って伸縮し、微少なインク滴を吐出する。
【0112】従って、厳密には、図12の右側に示すよ
うに、奇数番ノズル群に属するノズル穴22Aから吐出
されたインク滴により形成される小ドットと、偶数番ノ
ズル群に属するノズル穴22Aから吐出されたインク滴
により形成される小ドットとは、その形成位置がΔLだ
けずれることになる。ここで、印刷周期を14.4kH
z、印刷解像度を720dpiとすると、着弾点のずれ
量ΔLは、1/1440inch(約17.6μm)と
なる。
【0113】そこで、本実施の形態では、図13に示す
ように、奇数番ノズル群に属するノズル穴61Aと偶数
番ノズル群に属するノズル穴61Bとを、前記ΔLだけ
相対的にすらした状態で、プリントヘッド60に形成し
ている。即ち、後続波形である第3波形または第4波形
が印加される奇数番ノズル群に属する各ノズル穴61A
は、先行波形である第1波形または第2波形が印加され
る偶数ノズル群に属する各ノズル穴61Bよりも、ΔL
だけプリントヘッド60の主走査方向後側に配置されて
いる。
【0114】このように構成される本実施の形態によれ
ば、駆動波形間の時間差等に起因する着弾位置のずれ量
ΔLの分だけ、奇数番ノズル群に属する各ノズル穴61
Aと偶数番ノズル群に属する各ノズル穴61Bとを相対
的に変位させて形成する構成のため、各ノズル穴61
A,61Bから吐出されるインク滴の着弾位置がずれる
のを防止することができる。なお、中ドット相当のイン
ク滴を2発着弾させる階調値4の場合は、ΔLだけ着弾
点がずれることになるが、記録ドット径が大きいため、
印字品質に与える影響は少ない。
【0115】3.第3の実施の形態 図14は、本発明の第3の実施の形態に係るインクジェ
ット式プリンタの特徴的構成を示す説明図である。
【0116】前記第2の実施の形態で述べたように、各
ノズル群に属するノズル穴の形成位置を予めΔLだけず
らしておけば、インク滴を略同一位置に着弾させること
ができる。
【0117】ここで、印字モードには、常に、一方向か
ら印刷を行う単方向印刷モードと、左右両方向から印刷
を行う双方向印刷モードとがある。単方向印刷モード
は、イメージ等の高品位印刷に用いられ、双方向印刷モ
ードは、キャラクタ等の高速印刷に用いられることが多
い。
【0118】単方向印刷モードと双方向印刷モードとの
2種類のモードを切り換えて印刷可能である場合、一方
の方向に合わせてノズル穴の形成位置をずらすと、主走
査方向が反転したときに、ドット形成位置がΔLの約2
倍ずれることになる。即ち、高品位印刷用の単方向印刷
モードに合わせてノズル穴の形成位置を設定すると、高
速印刷用の双方向印刷モードでの印字品質が低下する可
能性がある。
【0119】そこで、本実施の形態では、プリントヘッ
ド60の主走査方向に応じて、各ノズル群に属する圧電
振動子17に入力させる波形を交替させている。具体的
には、図14に示すように、主走査方向P1の場合は、
前記各実施の形態で述べたように、偶数番ノズル群に属
する各圧電振動子17には、先行波形である第1波形ま
たは第2波形を入力し、奇数番ノズル群に属する各圧電
振動子17には、後続波形である第3波形または第4波
形を入力させる。
【0120】そして、主走査方向が反転してP2となっ
た場合には、上記とは逆に、偶数番ノズル群に属する各
圧電振動子17には後続波形である第3波形または第4
波形を入力し、奇数番ノズル群に属する各圧電振動子1
7には先行波形である第1波形または第2波形を入力す
る。
【0121】本実施の形態では、主走査方向に応じて各
ノズル群に属する圧電振動子17に用いる駆動波形を交
替させる構成のため、双方向印刷モードの場合に印字品
質が低下するのを防止することができる。
【0122】4.第4の実施の形態 以下の各実施の形態では、駆動信号の具体例を例示す
る。図15は、第4の実施の形態に係る駆動信号を示す
波形図である。なお、同一形状の波形については、その
一方の波形を主として説明し、他方の波形の説明を省略
する。
【0123】本実施の形態による駆動信号は、ベース電
位VBが電圧変化の基準になっており、各駆動波形は台
形状に形成されている。第2の駆動波形を構成する第1
波形及び第3波形は、例えばグランドレベルのベース電
位VBから始まり(P11)、次に、最大電位VPMま
で所定の電圧勾配θCMで上昇する(P12)。そし
て、この最大電位VPMを所定時間だけ維持した後(P
13)、ベース電位VBまで所定の電圧勾配θDMで低
下し(P14)、ベース電位VBを維持する(P1
5)。ここで、放電時の電圧勾配θDMは、充電時の電
圧勾配θCMよりも大きい。また、最大電位VPMを保
持する時間は、メニスカスが直前の状態に戻らない程度
の短時間に設定されている。
【0124】第1の駆動波形を構成する第2波形及び第
4波形は、ベース電位VBから所定の電圧勾配θCSを
もって最大電位VPSまで上昇し(P21)、この最大
電位VPSをメニスカスが直前の位置に復帰しない程度
の短時間だけ維持する(P22)。そして、最大電位V
PSから所定の電圧勾配θDSでベース電位VBまで低
下する(P23)。ここで、充電時の電圧勾配θCSの
方が放電時の電圧勾配θDSよりも大きい。
【0125】このように構成される本実施の形態でも、
上述した各実施の形態と同様の作用効果を得ることがで
きる。
【0126】5.第5の実施の形態 図16は、本発明の第5の実施の形態に係る駆動信号を
示している。
【0127】第2の駆動波形を構成する第1波形及び第
3波形は、中間電位Vmから始まり(P11)、次に、
中間電位Vmから最低電位VLMまで所定の電圧勾配θ
DMで下降する(P12)。そして、最低電位VLMを
メニスカスが直前の位置に復帰しない程度の短時間だけ
維持した後(P13)、中間電位Vmまで所定の電圧勾
配θCMで上昇し(P14)、この中間電位Vmを維持
する(P15)。ここで、放電時の電圧勾配θDMは、
充電時の電圧勾配θCMよりも大きい。
【0128】第1の駆動波形を構成する第2波形及び第
4波形は、中間電位Vmから所定の電圧勾配θCSをも
って最大電位VPSまで上昇し(P21)、この最大電
位VPSをメニスカスが直前の位置に復帰しない程度の
短時間だけ維持した後(P22)、所定の電圧勾配θD
Sで中間電位Vmまで低下する(P23)。ここで、充
電時の電圧勾配θCSの方が放電時の電圧勾配θDSよ
りも大きい。
【0129】図16に示すように、本実施の形態でも、
各ノズル群に応じて印字データを生成することにより、
隣接する圧電振動子17が同時に駆動されてクロストー
ク現象が発生するのを防止することができる。
【0130】6.第6の実施の形態 図17及び図18は、本発明の第6の実施の形態による
駆動信号を示す波形図である。本駆動信号は、微少なイ
ンク滴を吐出するための第1波形及び第3波形と、該各
波形間に設けられた中ドット相当のインク滴を吐出する
第2波形とから構成されている。
【0131】各波形は、共通の最大電位VPを短時間維
持するパルス頂部をそれぞれ備えている。各波形の詳細
は、第1の実施の形態の説明が援用される。即ち、本実
施の形態の第1波形及び第3波形は第1の実施の形態の
第2波形と、本実施の形態の第2波形は第1の実施の形
態の第1波形と、それぞれ略同一形状である。なお、充
電時の電圧勾配及び放電時の電圧勾配には、波形毎の数
字を添え字として付記している(第1波形及び第2波形
のみ図示)。
【0132】本実施の形態では、第1波形の発生期間を
期間T1と期間T2とに分割すると共に、第2波形の発
生期間を期間T3と期間T4とに分割し、これにより得
られた合計5つの各期間T1〜T5毎に印字データのビ
ットを割り当てている。従って、本実施の形態では、印
字データは5ビットデータとして構成されており、これ
により、第1波形を期間T1に係る波形要素と期間T2
に係る波形要素とに分割でき、同様に、第2波形を期間
T3に係る波形要素と期間T4に係る波形要素とに分割
することができる。
【0133】従って、図18の下段に示すように、第1
波形の波形要素と第2波形の波形要素とを連結すること
により、大ドット相当のインク滴を吐出可能な新たな波
形を得ることができる。
【0134】このように構成される本実施の形態でも、
上述した各実施の形態と同様の作用効果を得ることがで
きる。
【0135】7.第7の実施の形態 図19及び図20は、本発明の第7の実施の形態に係る
駆動信号を示す波形図である。
【0136】第1の駆動波形を構成する第1波形及び第
3波形は、中間電位Vmからスタートし(P11)、電
圧勾配θC1で最大電位VPまで上昇する(P12)。
そして、最大電位VPを維持した後(P13)、電圧勾
配θD1で中間電位Vmまで低下し(P14)、中間電
位Vmを短時間だけ保持する(P15)。ここで、放電
時の電圧勾配θD1の方が充電時の電圧勾配θC1より
も急峻である。
【0137】第2波形は、中間電位Vmから所定の電圧
勾配θD2で最低電位VLまで低下し(P21)、最低
電位VLを維持した後(P22)、所定の電圧勾配θC
2で中間電位Vmに復帰する。また、P15で中間電位
Vmを短時間保持した後に第2パルスを発生させている
のは、スイッチングトランジスタのタイミングをとるた
めである。このP15における待ち時間は可及的に短い
方が好ましい。
【0138】本実施の形態では、3個の波形を期間毎の
波形要素に分割することなく用いているため、印字デー
タは3ビットデータとして構成される。
【0139】このように構成される本実施の形態でも、
図20に示すように、各ノズル群に応じて印字データを
生成することにより、微少インク滴吐出時に、各圧電振
動子17が同時に駆動するのを防止してクロストーク現
象が生じるのを防止することができる。
【0140】8.第8の実施の形態 図21は、本発明の第8の実施の形態に係る駆動信号を
示す波形図である。本実施の形態では、中ドット相当の
インク滴を吐出させる第2の駆動波形としての第1波形
及び第4波形と、小ドット相当のインク滴を吐出させる
第1の駆動波形としての第3波形及び第6波形と、「所
定形状の台形波」としての第2波形及び第5波形との、
合計6個の波形から駆動信号が構成されている。また、
第2波形、第3波形、第5波形及び第6波形は、それぞ
れ期間毎に分割できるように印字データが生成される。
従って、本実施の形態では、印字データは、10ビット
データとして構成されている。
【0141】このように構成される本実施の形態では、
図21の下段に示すように、第2波形の波形要素と第3
波形の波形要素とを連結させることにより第1の微振動
波形を得ることができ、第5波形の波形要素と第6波形
の波形要素とを連結することにより第2の微振動波形を
得ることができる。従って、例えば、プリントヘッドの
空走中に微振動波形を各圧電振動子17に印加すること
により、インク滴が吐出しない程度にメニスカスを微振
動させて、インクの粘度が増大するのを防止することが
できる。
【0142】なお、当業者であれば、各実施の形態に記
載された本発明の要旨の範囲内で種々の追加、変更等が
可能である。例えば、2ビットの階調データから4ビッ
トの印字データへの変換をデコード回路によって行って
もよい。
【0143】また、カラーインクジェットプリンタや複
写機、ファクシミリ装置等の他のインクジェット式印刷
装置及び印刷方法にも適用することができる。
【0144】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明に係るインク
ジェット式印刷装置及び印刷方法によれば、各吐出部が
同時に駆動するのを防止して、クロストーク現象が生じ
るのを防止することができ、高品位な印刷を行うことが
できる。また、複数の駆動波形から単一の駆動信号を構
成するため、各吐出部から重量の異なるインク滴を吐出
させることができ、記録ドット径を可変に制御して多階
調印刷を高速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態が適用されるインクジェッ
ト式プリンタの全体構成を示す構成説明図。
【図2】プリントヘッド駆動回路の要部を示す回路図。
【図3】プリントヘッドの機械的構造を示す構成説明
図。
【図4】本発明の第1の実施の形態に用いられる駆動信
号と階調値等との関係を示す説明図。
【図5】第2の駆動波形である第1波形または第3波形
を単独で圧電振動子に印加した場合のメニスカスの挙動
を示す説明図。
【図6】第1の駆動波形である第2波形または第4波形
を単独で圧電振動子に印加した場合のメニスカスの挙動
を示す説明図。
【図7】駆動信号の各波形と印字データの転送タイミン
グ等との関係を示すタイムチャート。
【図8】本実施の形態の機能ブロック図。
【図9】各ノズル群毎に与えられる印字データを示す説
明図。
【図10】駆動波形の他の選択パターンを示す波形図。
【図11】隣接するノズルにそれぞれ異なる駆動波形を
印加する場合の有利性を説明するための説明図。
【図12】本発明の第2の実施の形態の説明に用いられ
るドット形成位置のずれを示す説明図。
【図13】第2の実施の形態によるノズル形成位置を示
す説明図。
【図14】本発明の第3の実施の形態に係り、主走査の
方向による波形選択の交替を示す説明図。
【図15】本発明の第4の実施の形態に係る駆動信号を
示す波形図。
【図16】本発明の第5の実施の形態に係る駆動信号を
示す波形図。
【図17】本発明の第6の実施の形態に係る駆動信号等
を示すタイムチャート。
【図18】駆動信号の選択パターンを示す波形図。
【図19】本発明の第7の実施の形態に係る駆動信号等
を示すタイムチャート。
【図20】駆動信号の選択パターンを示す波形図。
【図21】本発明の第8の実施の形態に係る駆動信号の
選択パターンを示す波形図。
【図22】圧電振動子によるクロストーク現象を示す説
明図。
【図23】波形ひずみによるクロストーク現象を示す説
明図。
【符号の説明】
1 プリンタコントローラ 2 プリントエンジン 6 制御部 8 駆動信号発生回路 10 プリントヘッド 16 スイッチ回路 17 圧電振動子 22A ノズル穴 27 圧力発生室 50 解釈部 51 変換テーブル 60 プリントヘッド 61A 奇数番ノズル群のノズル穴 61B 偶数番ノズル群のノズル穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−1798(JP,A) 特開 平5−84902(JP,A) 特開 平10−138475(JP,A) 特開 平10−109433(JP,A) 特開 平10−81014(JP,A) 特開 平9−11457(JP,A) 特開 平5−301377(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/01 B41J 2/205 B41J 2/045 B41J 2/055

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力される駆動波形に応じて伸縮する振
    動子によりインク滴を吐出する振動子駆動型の吐出部が
    複数個設けられたプリントヘッドを備え、前記プリント
    ヘッドを印刷記録媒体に対して相対的に移動させつつ前
    記各吐出部からインク滴をそれぞれ吐出させることによ
    り印刷を行うインクジェット式印刷装置において、 前記各吐出部をその隣接するものが異なる群となるよう
    に予め複数の吐出部群に分け一印刷周期内に少なくと
    も小量のインク滴吐出用の駆動波形を2つと、それより
    も大量のインク滴吐出用の駆動波形を発生させる駆動信
    号発生手段と、前記2つの小量のインク滴吐出用の駆動波形のそれぞれ
    を、 前記各吐出部群毎に印加して前記各吐出部を駆動す
    る駆動制御手段と、 を備えたことを特徴とするインクジェット式印刷装置。
  2. 【請求項2】 前記駆動信号発生手段は、メニスカスを
    発振させることにより微少なインク滴を吐出させるため
    の駆動波形を、一印刷周期内で前記吐出部群の数に応じ
    た数だけ含んでなる駆動信号を発生させることを特徴と
    する請求項1に記載のインクジェット式印刷装置。
  3. 【請求項3】 前記駆動信号発生手段は、メニスカスを
    発振させることにより微少な第1のインク滴を吐出させ
    るための第1の駆動波形を前記吐出部群の数に応じた数
    だけ一印刷周期内に含むと共に前記第1のインク滴より
    も大きい第2のインク滴を吐出させるための第2の駆動
    波形を当該印刷周期内に含んでなる駆動信号を発生さ
    せ、 前記駆動制御手段は、前記第1の駆動波形によって前記
    吐出部を駆動する場合には、前記各吐出部群毎にそれぞ
    れ異なる前記第1の駆動波形により前記各吐出部を駆動
    することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット
    式印刷装置。
  4. 【請求項4】 前記駆動信号発生手段は、メニスカスを
    発振させることにより微少な第1のインク滴を吐出させ
    るための第1の駆動波形を前記吐出部群の数に応じた数
    だけ一印刷周期内に含むと共に前記第1のインク滴より
    も大きい第2のインク滴を吐出させるための第2の駆動
    波形を当該印刷周期内に複数個含んでなる駆動信号を発
    生させ、 前記駆動制御手段は、前記第1の駆動波形によって前記
    吐出部を駆動する場合には、前記各吐出部群毎にそれぞ
    れ異なる前記第1の駆動波形によって前記各吐出部を駆
    動させ、前記第2の駆動波形によって前記吐出部を駆動
    する場合には、前記各第2の駆動波形のうちいずれか一
    つまたは複数の第2の駆動波形によって前記各吐出部を
    駆動することを特徴とする請求項1に記載のインクジェ
    ット式印刷装置。
  5. 【請求項5】 前記駆動信号発生手段は、メニスカスを
    発振させることにより微少なインク滴を吐出させるため
    の微少インク滴吐出用駆動波形を前記吐出部群の数に応
    じた数だけ一印刷周期内に含むと共にインク滴が吐出し
    ない程度に前記振動子を振動させるための無印刷用駆動
    波形を当該印刷周期内に含んでなる駆動信号を発生させ
    ることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット式
    印刷装置。
  6. 【請求項6】 前記微少インク滴吐出用駆動波形と共通
    の最大電位を有する所定形状の台形波を該各微少インク
    滴吐出用駆動波形の前にそれぞれ設け、前記台形波及び
    前記微少インク滴吐出用駆動波形をそれぞれ前記最大電
    位の点で幅方向に分割して得られる波形要素を互いに連
    結することにより、前記無印刷用駆動波形を前記駆動信
    号中に含ませることを特徴とする請求項5に記載のイン
    クジェット式印刷装置。
  7. 【請求項7】 隣接する吐出部が互いに異なる吐出部群
    に属するように、前記各吐出部を前記複数の吐出部群に
    分けたことを特徴とする請求項2〜請求項6のいずれか
    に記載のインクジェット式印刷装置。
  8. 【請求項8】 前記各吐出部に一連の番号をそれぞれ付
    与したときに、奇数番の吐出部は奇数番吐出部群に属
    し、偶数番の吐出部は偶数番吐出部群に属することを特
    徴とする請求項2〜請求項6のいずれかに記載のインク
    ジェット式印刷装置。
  9. 【請求項9】 前記各吐出部からそれぞれ吐出されるイ
    ンク滴が略同一の位置で前記印刷記録媒体に着弾するよ
    うに、前記各駆動波形間の時間周期及び前記プリントヘ
    ッドと前記印刷記録媒体との相対速度差に基づいた距離
    だけ、前記各吐出部を前記各吐出部群毎に相対的に変位
    させて前記プリントヘッドに形成したことを特徴とする
    請求項2〜請求項8のいずれかに記載のインクジェット
    式印刷装置。
  10. 【請求項10】 前記駆動制御手段は、前記各吐出部か
    らそれぞれ吐出されるインク滴が略同一の位置で前記印
    刷記録媒体に着弾するように、前記プリントヘッドの走
    査方向に基づいて前記各吐出部群毎にそれぞれ異なる前
    記駆動波形によって前記各吐出部を駆動することを特徴
    とする請求項9に記載のインクジェット式印刷装置。
  11. 【請求項11】 前記各振動子駆動型の吐出部は、イン
    クが供給される圧力発生室と、該圧力発生室に連通して
    設けられたノズル穴と、前記圧力発生室の壁面に一体的
    に設けられた圧電振動子とを備えてなり、前記圧電振動
    子の伸縮動作によって前記圧力室を膨縮させることによ
    り、前記ノズル穴からインク滴を吐出させる構成とした
    ことを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれかに記
    載のインクジェット式印刷装置。
  12. 【請求項12】 入力される駆動波形に応じて伸縮する
    振動子によりインク滴を吐出する振動子駆動型の吐出部
    が複数個設けられたプリントヘッドを用い、前記プリン
    トヘッドを印刷記録媒体に対して相対的に移動させつつ
    前記各吐出部からインク滴をそれぞれ吐出させることに
    より印刷を行うインクジェット式印刷方法において、 隣接する吐出部が異なる吐出部群に属するように前記各
    吐出部を複数の吐出部群に分け、 メニスカスを発振させることにより微少な第1のインク
    滴を吐出させるための第1の駆動波形と前記第1のイン
    ク滴よりも大きい第2のインク滴を吐出させるための第
    2の駆動波形とを、前記吐出部群の数に応じた数だけ一
    印刷周期内に含んでなる駆動信号を発生させるステップ
    と、 前記第1のインク滴を前記各吐出部から吐出させる場合
    は、前記各吐出部群毎にそれぞれ異なる第1の駆動波形
    により前記各吐出部を駆動するステップと、 前記第2のインク滴を前記各吐出部から単独で吐出させ
    る場合は、前記各吐出部群毎にそれぞれ異なる第2の駆
    動波形によって前記各吐出部を駆動するステップと、 前記第2のインク滴を前記各吐出部から連続的に吐出さ
    せる場合には、前記各第2の駆動波形によって前記各吐
    出部を駆動するステップと、 を含んでなることを特徴とするインクジェット式印刷方
    法。
  13. 【請求項13】 前記各振動子駆動型の吐出部は、イン
    クが供給される圧力発生室と、該圧力発生室に連通して
    設けられたノズル穴と、前記圧力発生室の壁面に一体的
    に設けられた圧電振動子とを備えてなり、前記圧電振動
    子の伸縮動作によって前記圧力室を膨縮させることによ
    り、前記ノズル穴からインク滴を吐出させる構成とした
    ことを特徴とする請求項12に記載のインクジェット式
    印刷方法。
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