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JP3233385B2 - 扉体の支持装置 - Google Patents

扉体の支持装置

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JP3233385B2
JP3233385B2 JP29210194A JP29210194A JP3233385B2 JP 3233385 B2 JP3233385 B2 JP 3233385B2 JP 29210194 A JP29210194 A JP 29210194A JP 29210194 A JP29210194 A JP 29210194A JP 3233385 B2 JP3233385 B2 JP 3233385B2
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桂一郎 松田
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オーリス株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、作り付け収納部の開閉
扉や各種収納家具の開閉扉として使用される引き違い
扉、特に、閉じたときに各扉体表面が面一に並ぶように
構成された引き違い扉の、平行リンクで支持される扉体
の支持装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】閉じたときに各扉体表面
が面一状態に並ぶ引き違い扉としては各種のものが知ら
れているが、何れも構造、特にガイドレール構造が非常
に複雑なもので、実用的なものではなかった。このよう
な問題点を解消し得るものとして、実公平1−2206
8号公報に記載されているように、一方の第一扉体を一
般的な引き違い扉と同様に左右直線運動のみ可能に第一
ガイドレールに支持し、他方の第二扉体は、第二ガイド
レールに左右直線運動のみ可能に支持された走行ユニッ
トに平行リンクを介して内外方向に平行移動可能に支持
して成る引き違い扉が考えられた。
【0003】この平行リンク利用の引き違い扉では、平
行リンクで支持される扉体の上下両端外側に平行リンク
の外端部が垂直なリンク支軸で軸支されることになる
が、実公平1−22068号公報に記載されている構成
では、扉体の上端側に平行リンクを介して上側走行ユニ
ットを取付けておき、この上側走行ユニットを上側ガイ
ドレールに対し上から嵌合支持させ、この後、下側ガイ
ドレールに係合させた下側走行ユニットと扉体下端部と
を平行リンクで連結しなければならない。
【0004】従って、扉体の上側には、単に上側平行リ
ンクを水平揺動させるために必要な空間よりも上下高さ
が大きな広い空間を確保しておく必要があり、家具など
にこの種の引き違い扉を組み込む場合の問題点となって
いた。また、扉体のセッティング作業に際して、扉体の
上端側に平行リンクを介して上側走行ユニットを取付け
てある状態で当該扉体を取り扱うことになるので、平行
リンクや上側走行ユニットが他物と接触して変形したり
破損する恐れが大きく、取り扱い難いという問題点もあ
った。本発明は、上記のような従来の問題点を解消する
ことを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の構成上の特徴を後述する実施例の参照符号を
付して示すと、上下一対のガイドレール(3A,3B) に係合
する上下一対の走行ユニット(4A,4B) に平行リンク(5a,
5b) を介して上下両端部が支持される扉体の支持装置で
あって、4つの軸受ユニット(28a,28b,31a,31b) を備
え、各軸受ユニット(28a,28b,31a,31b) は、扉体(2) の
内側四隅近傍に取付けられる本体(40)と、この本体(40)
の凹部(41)に対し扉体内側面(2b)に対する直角方向にの
み嵌合離脱自在な軸受部材(42)と、当該軸受部材(42)を
本体凹部(41)に嵌合した位置で係止する抜け止め用係止
手段(43)と、軸受部材(42)に支持された垂直なリンク支
軸(29,32) を備え、各リンク支軸(29,32) は、扉体(2)
の上下両端より上下方向に突出する一端において平行リ
ンク(5a,5b) を支承し、軸受ユニット(28a,28b,31a,31
b) の抜け止め用係止手段(43)は、軸受部材(42)の左右
両側から連設されて遊端部が本体凹部(41)から外方に突
出する左右一対の弾性係止片(46)と、本体凹部(41)の左
右両側に形成された抜け止め用被係止部(45)とから成
り、左右一対の弾性係止片(46)は、軸受部材(42)を本体
凹部(41)内に嵌合させたときに抜け止め用被係止部(45)
に係合して軸受部材(42)を抜け止めする係止部(47)を備
えている点に特徴を有する。
【0006】本発明を実施するに際し、上側走行ユニッ
ト(4A)が支持用水平軸ホィール(23)を備えた扉体吊下タ
イプの引き違い扉の支持装置である場合、上側の軸受ユ
ニット(28a,31a) の本体凹部(41)と軸受部材(42)とに
は、本体凹部(41)に嵌合した軸受部材(42)に対し本体(4
0)が下降して互いに嵌合する上下方向嵌合部(50)を設け
ておくことができる。
【0007】
【0008】
【0009】
【実施例】先ず、本発明の支持装置を利用して構成した
引き違い扉装置の全体の構造と作用とを図1〜図4に基
づいて説明すると、図1において、第一扉体1は、第二
扉体2を支持案内する上下一対の直線状の第二ガイドレ
ール3A,3Bと平行な第一ガイドレール(図示省略)
に往復移動自在に支持されている。第二扉体2は、第二
ガイドレール3A,3Bに係合する上下一対の走行ユニ
ット4A,4Bに平行リンク5a,5bを介して支持さ
れ、第一扉体1の走行経路と重なる内側位置P1(図1
A参照)と、第一扉体1の走行経路に対する外側位置P
2との間で平行移動可能である。
【0010】図2〜図4に基づいて具体的に説明する
と、第一扉体1を支持案内する第一ガイドレールは、上
側第一ガイドレール6Aと下側第一ガイドレール6Bと
の上下一対から成り、上側の第一及び第二両ガイドレー
ル6A,3Aは、第二ガイドレール3Aが上側になるよ
うに上下2段に一体化され、下側の第一及び第二両ガイ
ドレール6B,3Bは、第一ガイドレール6Bが上側に
なるように上下2段に一体に連設されている。
【0011】上側第一ガイドレール6Aは、上側第二ガ
イドレール3Aの直下に位置する外向きに開口した溝形
レール部7と、その直下に位置する下向きに開口した溝
形レール部8とを備え、上側第二ガイドレール3Aは、
上下に相対向する上下一対の溝形レール部9a,9b
と、上側溝形レール部9aの近くで外向きに開口するス
リット10とを備えた断面略Cの字形のものである。ま
た、下側第一ガイドレール6Bは下向きに開口した溝形
レール部11を備え、下側第二ガイドレール3Bは上向
きに開口する溝形レール部12を備えている。これら両
ガイドレール6B,3Bが、その中間に外向きのスリッ
ト13を形成するように上下2段に一体に連設されて、
断面略Cの字形の1本のガイドレールを形成している。
【0012】第一扉体1は、上下一対の走行ユニット1
4A,14Bを介して第一ガイドレール6A,6Bに支
持されている。上側走行ユニット14Aは、第一扉体1
の走行方向両端近傍の内側に取付けられた2つのホィー
ルユニット15a,15bから成り、各ホィールユニッ
ト15a,15bは同一構造のもので、夫々、上側第一
ガイドレール6Aの溝形レール部7に遊嵌してその底面
である水平レール面7a上を転動する支持用水平軸ホィ
ール16と、上側第一ガイドレール6Aの溝形レール部
8に遊嵌して転動する垂直軸ホィール17とを備えてい
る。下側走行ユニット14Bは、第一扉体1の走行方向
両端近傍の内側に取付けられた2つのホィールユニット
18a,18bから成り、各ホィールユニット18a,
18bは同一構造のもので、夫々、下側第一ガイドレー
ル6Bの溝形レール部11に遊嵌して転動する垂直軸ホ
ィール19を備えている。
【0013】第二扉体2を支持する上側走行ユニット4
Aは、2つのトロリー20a,20bとこの両者を互い
に連結一体化する連結部材21とから構成され、各トロ
リー20a,20bは、上側第二ガイドレール3Aの上
下一対の溝形レール部9a,9bに遊嵌して転動する上
下一対の垂直軸ホィール22a,22bと、下側溝形レ
ール部9bに遊嵌してその底面である水平レール面9c
上を転動する支持用水平軸ホィール23とを備えてい
る。下側走行ユニット4Bは、2つのトロリー24a,
24bとこの両者を互いに連結一体化する連結部材25
とから構成され、各トロリー24a,24bは、下側第
二ガイドレール3Bの溝形レール部12に遊嵌して転動
する垂直軸ホィール26を備えている。
【0014】平行リンク5a,5bは、上下各走行ユニ
ット4A,4Bごとに配設され、上側走行ユニット4A
と第二扉体2の上端部とを連結する平行リンク5a,5
bは、上側走行ユニット4Aの各トロリー20a,20
bに垂直に支持されたリンク支軸27と、第二扉体2の
上端で走行方向両端部に取付けられた軸受ユニット28
a,31aに垂直に支持されたリンク支軸29とに両端
が支承されている。なお、各トロリー20a,20b側
のリンク支軸27は、トロリー20a,20bから下方
に突出する下端部と、トロリー20a,20bの上側で
平行リンク5a,5bより上方に突出する上端部とで前
記垂直軸ホィール22a,22bを支承している。下側
走行ユニット4Bと第二扉体2の下端部とを連結する平
行リンク5a,5bは、下側走行ユニット4Bの各トロ
リー24a,24bに垂直に支持されたリンク支軸30
と、第二扉体2の下端で走行方向両端部に取付けられた
軸受ユニット28b,31bに垂直に支持されたリンク
支軸32とに両端が支承されている。なお、各トロリー
24a,24b側のリンク支軸30は、垂直軸ホィール
26の支軸を兼用している。
【0015】図2に示すように、この実施例では上側走
行ユニット4Aの連結部材21と片側の平行リンク5a
との間に引張コイルスプリング33が介装されている。
このスプリング33は、第二扉体2を外側位置(図1B
のP2で示す位置)から内側位置(図1AのP1で示す
位置)に戻す方向に付勢するものである。従って、各ト
ロリー20a,20b,24a,24bと平行リンク5
a,5bとの間や、各平行リンク5a,5bと軸受ユニ
ット28a,28b,31a,31bとの間、あるいは
走行ユニット4A,4Bと第二扉体2との間などに介装
することもできるし、介装場所によっては、引張コイル
スプリングではなく捩じりスプリングを使用することも
できる。
【0016】第二扉体2の内側四隅には、垂直軸ローラ
34a,34b及び35a,35bが軸支されている。
上側の2つの垂直軸ローラ34a,35aは、上側の平
行リンク5a,5bを軸支する軸受ユニット28a,3
1aに軸支され、下側の2つの垂直軸ローラ34b,3
5bは、下側の平行リンク5a,5bを軸支する軸受ユ
ニット28b,31bに軸支されている。しかして、第
二扉体2がスプリング33の付勢力で第二ガイドレール
3A,3Bに接近する内向きに付勢されることにより、
上側の2つの垂直軸ローラ34a,35aは上側第二ガ
イドレール3Aの表面3aに当接し、下側の2つの垂直
軸ローラ34b,35bは下側第一ガイドレール6Bの
表面6aに当接することにより、第二扉体2を、第一扉
体1と表面が面一になる内側位置P1に保持する。
【0017】一方、第一扉体1及び第二扉体2の上下両
端には、その走行方向全長にわたって連続する帯状カバ
ー部材36a,36b及び37a,37bが装着されて
いる。これら帯状カバー部材36a〜37bは、木製の
各扉体1,2の上下両端縁を保護するとともに、デザイ
ン的効果を得るためのものであるが、第二扉体2に軸支
された上側の2つの垂直軸ローラ34a,35aは上側
の帯状カバー部材36a,37aと同一レベルに軸支さ
れ、下側の2つの垂直軸ローラ34b,35bは下側の
帯状カバー部材36b,37bと同一レベルに軸支され
ている。
【0018】また、図1A、図2及び図3に示すように
第二扉体2が第一扉体1の走行経路に重なる内側位置P
1にあって、両扉体1,2で収納空間の開口部を閉じて
いるとき、第二扉体2の端部に隣接する第一扉体1の端
部1aは、横断面形状において斜め外向きの傾斜面を有
する楔形に形成され、当該楔形端部1aに隣接する第二
扉体2の端部2aは、横断面形状において斜め内向きの
傾斜面を有する楔形に形成されて、両端部1a,2aが
互いに小間隙を隔てて重なり合うように構成されてい
る。そして各扉体1,2の帯状カバー部材36a〜37
bの端部も楔形端部1a,2aに沿うように折曲され、
第一扉体1の楔形端部1aに重なる上下両帯状カバー部
材36a,36bの端部により、傾斜案内部38a,3
8bが形成されている。
【0019】以上のように構成された引き違い扉装置に
おいて、図1A、図2及び図3に示すように第二扉体2
が第一扉体1の走行経路に重なる内側位置P1にあっ
て、両扉体1,2で収納空間の開口部を閉じている状態
では、両扉体1,2の表面は面一状態に連続している。
この閉扉状態から第一扉体1を図1Bに示すように第二
扉体2の方へ開動させると、当該第一扉体1の楔形端部
1aにおける上下一対の傾斜案内部38a,38bが、
図2及び図3に示すように隣接している第二扉体2の上
下一対の垂直軸ローラ34a,34bを介して第二扉体
2を外側へ押し出すことになる。従って、図1Bに示す
ように平行リンク5a,5bで支持されている当該第二
扉体2は、第一扉体1の走行経路の外側へ平行移動する
ことになる。
【0020】図1Cに示すように、第一扉体1が走行経
路端部まで開動すると、両扉体1,2で閉じられていた
収納空間の開口部の内、第一扉体1によって閉じられて
いた略半分の領域が開かれる。係る状態から第一扉体1
を図1Aに示す元の位置まで閉動するときは、第二扉体
2が一体に移動するのを手で止めながら第一扉体1を第
二扉体2の内側から引き抜くように閉動させれば良い。
第一扉体1が第二扉体2の内側から脱出すると、スプリ
ング33の付勢力により第二扉体2が外側位置P2から
内側位置P1まで平行移動し、収納空間の開口部が、表
面が面一状態に直列する両扉体1,2によって再び閉じ
られる。
【0021】第二扉体2で閉じられている側を開くとき
は、当該第二扉体2を第一扉体1のある側へ開動させる
ことになるが、このときは、図2及び図3に示すように
第二扉体2の楔形端部2aにおける上下一対の垂直軸ロ
ーラ34a,34bが、第一扉体1の楔形端部1aにお
ける上下一対の傾斜案内部38a,38b上に乗り上げ
ることにより、第二扉体2が第一扉体1の外側へ平行移
動しながら開動することになる。そして第二扉体2が、
図1Dに示すように第一扉体1の外側に重なる走行経路
端部まで開動することにより、両扉体1,2で閉じられ
ていた収納空間の開口部の内、第二扉体2によって閉じ
られていた略半分の領域が開かれる。
【0022】次に上記構成の引き違い扉装置における第
二扉体2の軸受ユニット28a,28b,31a,31
bについて、図5〜図8に基づいて説明すると、これら
各軸受ユニットは、第二扉体2の内側四隅に埋設される
本体40と、この本体40の凹部41に対し扉体内側面
2b(図3及び図4参照)に対する直角方向にのみ嵌合
離脱自在な軸受部材42と、当該軸受部材42を本体凹
部41に嵌合した位置で係止する抜け止め用係止手段4
3と、この軸受部材42に支持された垂直なリンク支軸
29,32を備え、各リンク支軸29,32は、第二扉
体2の上下両端より上下方向に突出する一端において平
行リンク5a,5bを支承している。
【0023】さらに詳述すれば、本体40は、取付け用
フランジ部40aが扉体内側面2bに当接するように第
二扉体2に埋没され、取付け用フランジ部40aにおい
て螺子44により固定されている。なお、第二扉体2の
楔形端部2aに隣接する軸受ユニット28a,31a
は、一側辺が当該楔形端部2aと面一になるように形成
されている。抜け止め用係止手段43は、図6及び図7
に示すように、本体凹部41の左右両側部に形成された
抜け止め用被係止部45と、軸受部材42の左右両側か
ら一体に連設されて遊端部が本体凹部41から外方に突
出する左右一対の弾性係止片46とから構成され、両弾
性係止片46には、軸受部材42を本体凹部41内に嵌
合させたときに抜け止め用被係止部45に係合して軸受
部材42を抜け止めする係止部47が形成されている。
【0024】一方、第二扉体2を吊り下げる上側の平行
リンク5a,5bを軸支する軸受ユニット28a,31
aには、図5A及び図8に示すように、その軸受部材4
2に対しリンク支軸29をその軸芯方向に位置調整する
高さ調整手段48が設けられている。即ち、この軸受ユ
ニット28a,31aの軸受部材42に支承されるリン
ク支軸29は、角軸部29aによって軸受部材42に対
し昇降移動のみ可能で自転不能に支持され、当該リンク
支軸29の下端螺軸部29bに螺嵌する回転雌ねじ体4
9が軸受部材42を受け止めるように構成されている。
【0025】しかして、この回転雌ねじ体49をリンク
支軸29に対し上昇するように正転させることにより、
リンク支軸29に対して軸受ユニット28a,31a、
即ち第二扉体2が持ち上げられ、逆に、回転雌ねじ体4
9をリンク支軸29に対して下降するように逆転させる
ことにより、リンク支軸29に対し軸受ユニット28
a,31a、即ち第二扉体2が重力で下降する。従っ
て、両軸受ユニット28a,31aの高さ調整手段48
を上記のように操作することにより、第二扉体2を平行
に昇降移動させてレベル調整を行ったり、走行方向の傾
きを調整することができる。
【0026】図5Bに示す下側の平行リンク5a,5b
を軸支する軸受ユニット28b,31bのリンク支軸3
2は、軸受部材42に対して完全に固定しても良いし、
自転可能に支承しても良い。また、図5A、図6、及び
図8に示すように、平行リンク5a,5bを介して第二
扉体2を吊り下げる上側の軸受ユニット28a,31a
の本体凹部41と軸受部材42とには、本体凹部41に
嵌合した軸受部材42に対し本体40(第二扉体2)が
下降して互いに嵌合する上下方向嵌合部50が設けられ
ている。図5Bに示す下側の軸受ユニット28b,31
bの本体凹部41と軸受部材42とには、本体凹部41
に嵌合した軸受部材42が本体40(第二扉体2)に対
して下降して互いに嵌合する上下方向嵌合部51が設け
られている。これら嵌合部50,51は、本体凹部41
側の窪みと軸受部材42側の突起とで構成されている。
【0027】第二扉体2の組付け作業方法を説明する
と、上側走行ユニット4Aが前もってセットされている
上側第二ガイドレール3Aが所定位置に取付けられてい
るが、当該走行ユニット4Aには平行リンク5a,5b
の一端がリンク支軸27で支承され、当該平行リンク5
a,5bの他端には、対応する軸受ユニット28a,3
1aの本体40から取り外された軸受部材42がリンク
支軸29を介して支承されている。また、所定位置に取
付けられた下側の第二ガイドレール3Bには走行ユニッ
ト4Bが係合され、当該走行ユニット4Bには平行リン
ク5a,5bの一端がリンク支軸30で支承され、当該
平行リンク5a,5bの他端には、対応する軸受ユニッ
ト28b,31bの本体40から取り外された軸受部材
42がリンク支軸32を介して支承されている。
【0028】第二扉体2の内側四隅には各軸受ユニット
28a,28b,31a,31bの本体40が取付けら
れている。この第二扉体2を、その上側の軸受ユニット
28a,31aの本体が上側走行ユニット4Aから突出
している平行リンク5a,5bの端部の軸受部材42に
隣接するように移動させ、当該軸受部材42を本体凹部
41内に嵌合させる。このとき、軸受部材42の左右一
対の弾性係止片46は、本体凹部41側の左右一対の抜
け止め用被係止部45を係止部47が乗り越えるときに
一旦内側に弾性変形した後、弾性復帰して、当該抜け止
め用被係止部45に係止部47が係合し、軸受部材42
を本体凹部41内に係止する。同時に、第二扉体2を若
干下げることにより、両軸受ユニット28a,31aの
軸受部材42に対し本体40を下降させて、その両者間
の上下方向嵌合部50を互いに嵌合させる。
【0029】上記のように上側走行ユニット4Aに平行
リンク5a,5bと軸受ユニット28a,31aとを介
して第二扉体2を吊り下げたならば、次に、当該第二扉
体2の下側の軸受ユニット28b,31bの本体40
と、下側走行ユニット4Bから突出している平行リンク
5a,5bの端部の軸受部材42とを隣接させ、当該軸
受部材42を軸受ユニット28b,31bの本体凹部4
1内に前記の要領で嵌合し、抜け止め用係止手段43に
より係止させる。なお、この下側の軸受ユニット28
b,31bにおいては、軸受部材42を平行リンク5
a,5b及び走行ユニット4Bとともに本体40(第二
扉体2)に対し若干下げることにより、両軸受ユニット
28b,31bの軸受部材42を本体40に対して下降
させて、その両者間の上下方向嵌合部51を互いに嵌合
させる。
【0030】第二扉体2を取り外す必要が生じたとき
は、下側の軸受ユニット28b,31bにおいて、本体
凹部41から突出している左右一対の弾性係止片46の
端部を指先で挟んで、係止部47を本体凹部41側の抜
け止め用被係止部45から離脱させるとともに、軸受部
材42を少し持ち上げて本体凹部41と軸受部材42と
の間の上下方向嵌合部51を互いに離脱させ、係る状態
で軸受部材42と第二扉体2とを引き離すようにして、
当該軸受部材42を本体凹部41内から、扉体内側面2
bに対し直角内方へ相対的に離脱させる。次に、上側の
軸受ユニット28a,31aにおいて、前記の要領で弾
性係止片46の係止部47を本体凹部41側の抜け止め
用被係止部45から離脱させるとともに、第二扉体2を
少し持ち上げて本体凹部41と軸受部材42との間の上
下方向嵌合部50を互いに離脱させ、係る状態で軸受部
材42と第二扉体2とを引き離すようにして当該軸受部
材42を本体凹部41内から、扉体内側面2bに対し直
角内方へ相対的に離脱させれば良い。
【0031】
【発明の作用及び効果】本発明の扉体支持装置は、上記
実施例のように、扉体の上下両端部を上下一対の走行ユ
ニット(4A,4B) に夫々走行方向一対の平行リンク(5a,5
b) によって平行移動可能に支持しなければならない引
き違い扉装置の扉体の支持手段として活用することがで
きるものであって、係る本発明装置によれば、扉体の内
側四隅には軸受ユニット(28a,28b,31a,31b) の本体(40)
のみを取付けておき、これら軸受ユニット(28a,28b,31
a,31b) の本体(40)に対し嵌合離脱自在な軸受部材(42)
は、走行ユニット(4A,4B) から突出している平行リンク
(5a,5b) の端部に前もってリンク支軸(29,32) により軸
支しておくことにより、これら各軸受部材(42)を扉体内
側に取付けられている本体(40)の凹部(41)に嵌合させる
だけで、当該扉体(2) を上下一対の走行ユニット(4A,4
B) に平行リンク(5a,5b) を介して支持させることがで
きる。
【0032】このように、扉体(2) のセッティング作業
が非常に簡単容易に行えるのであるが、特に本発明の構
成によれば、軸受ユニット(28a,28b,31a,31b) の本体凹
部(41)と軸受部材(42)とは、扉体内側面(2b)に対する直
角方向にのみ嵌合離脱自在であるから、扉体(2) の着脱
時には、当該扉体(2) を水平前後方向に移動させること
ができれば良く、扉体(2) の上下に当該扉体(2) を上下
移動させるための空間は不要である。即ち、扉体(2) の
上下には、平行リンク(5a,5b) が水平揺動し得るだけの
狭い空間を確保しておけば良く、家具などへの組み込み
に際して、扉体の上端には家具の天板や天井面を接近さ
せ、扉体の下端には家具の底板や床面などを接近配置す
ることができる。
【0033】しかも本発明によれば、本体凹部(41)に嵌
合させた軸受部材(42)を自動的に係止することができる
とともに、扉体(2) の取り外しに際しても、本体凹部(4
1)から突出している左右一対の弾性係止片(46)を指先で
挟んで軸受部材(42)を本体凹部(41)から引き出せば良
く、扉体の取付け取り外し作業が一層容易且つ能率的に
行える。
【0034】尚、請求項2に記載の構成によれば、本体
凹部(41)と軸受部材(42)とに設けた上下方向嵌合部(50)
によって、扉体(2) を一旦持ち上げて上下方向嵌合部(5
0)を互いに離脱させない限り、軸受部材(42)を本体凹部
(41)から引き出すことができないので、仮に抜け止め用
係止手段(43)が破損しても直ちに扉体(2) が外れてしま
うこともなく安全である。また、扉体(2) の取り外しに
際しても、軸受部材(42)と本体凹部(41)との係止を解除
しただけでは扉体(2) が手前に倒れてくるようなことが
なく、安全に作業を行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 A図〜C図は第一扉体の開動操作時の状態を
示す概略平面図であり、D図は第二扉体の開動操作時の
状態を示す概略平面図である。
【図2】 各扉体の上側の支持案内構成を示す横断平面
図である。
【図3】 各扉体の下側の支持案内構成を示す横断平面
図である。
【図4】 第一扉体を開動させた状態での縦断側面図で
ある。
【図5】 A図は、第二扉体の上側左右一対の軸受ユニ
ットを内側から見た立面図であり、B図は、第二扉体の
下側左右一対の軸受ユニットを内側から見た立面図であ
る。
【図6】 軸受ユニットの本体と軸受部材とを離脱させ
た状態での横断底面図である。
【図7】 軸受ユニットの本体に軸受部材を嵌合係止さ
せた状態の横断底面図である。
【図8】 図7の縦断側面図(上半部と下半部とで縦断
位置が異なる)である。
【符号の説明】
1 第一扉体 2 第二扉体 3A 上側第二ガイドレール 3B 下側第二ガイドレール 4A 第二扉体の上側走行ユニット 4B 第二扉体の下側走行ユニット 5a 平行リンク 5b 平行リンク 6A 第一扉体の上側ガイドレール 6B 第一扉体の下側ガイドレール 14A 第一扉体の上側走行ユニット 14B 第一扉体の下側走行ユニット 16 支持用水平軸ホィール 17 垂直軸ホィール 19 垂直軸ホィール 22a 垂直軸ホィール 22b 垂直軸ホィール 23 支持用水平軸ホィール 26 垂直軸ホィール 27 リンク支軸 28a 軸受ユニット 28b 軸受ユニット 29 リンク支軸 29a 角軸部 29b 螺軸部 30 リンク支軸 31a 軸受ユニット 31b 軸受ユニット 32 リンク支軸 33 引張コイルスプリング 34a 垂直軸ローラ 34b 垂直軸ローラ 35a 垂直軸ローラ 35b 垂直軸ローラ 36a 帯状カバー部材 36b 帯状カバー部材 37a 帯状カバー部材 37b 帯状カバー部材 38a 傾斜案内部 38b 傾斜案内部 40 軸受ユニットの本体 41 本体凹部 42 軸受ユニットの軸受部材 43 抜け止め用係止手段 45 抜け止め用被係止部 46 弾性係止片 47 係止部 48 高さ調整手段 49 回転雌ねじ体 50 上下方向嵌合部 51 上下方向嵌合部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上下一対のガイドレール(3A,3B) に係合す
    る上下一対の走行ユニット(4A,4B)に平行リンク(5a,5b)
    を介して上下両端部が支持される扉体の支持装置であ
    って、4つの軸受ユニット(28a,28b,31a,31b) を備え、 各軸受ユニット(28a,28b,31a,31b) は、扉体(2) の内側
    四隅近傍に取付けられる本体(40)と、この本体(40)の凹
    部(41)に対し扉体内側面(2b)に対する直角方向にのみ嵌
    合離脱自在な軸受部材(42)と、当該軸受部材(42)を本体
    凹部(41)に嵌合した位置で係止する抜け止め用係止手段
    (43)と、軸受部材(42)に支持された垂直なリンク支軸(2
    9,32) を備え、各リンク支軸(29,32) は、扉体(2) の上
    下両端より上下方向に突出する一端において平行リンク
    (5a,5b) を支承し、 軸受ユニット(28a,28b,31a,31b) の抜け止め用係止手段
    (43)は、軸受部材(42)の左右両側から連設されて遊端部
    が本体凹部(41)から外方に突出する左右一対の弾性係止
    片(46)と、本体凹部(41)の左右両側に形成された抜け止
    め用被係止部(45)とから成り、左右一対の弾性係止片(4
    6)は、軸受部材(42)を本体凹部(41)内に嵌合させたとき
    に抜け止め用被係止部(45)に係合して軸受部材(42)を抜
    け止めする係止部(47)を備えている 扉体の支持装置。
  2. 【請求項2】上側走行ユニット(4A)が支持用水平軸ホィ
    ール(23)を備えた扉体吊下タイプの引き違い扉の支持装
    置であって、 上側の軸受ユニット(28a,31a) の本体凹部(41)と軸受部
    材(42)とには、本体凹部(41)に嵌合した軸受部材(42)に
    対し本体(40)が下降して互いに嵌合する上下方向嵌合部
    (50)が設けられている 請求項1に記載の扉体の支持装
    置。
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