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JP3226321B2 - 新規な発毛・育毛促進剤 - Google Patents

新規な発毛・育毛促進剤

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JP3226321B2
JP3226321B2 JP10343492A JP10343492A JP3226321B2 JP 3226321 B2 JP3226321 B2 JP 3226321B2 JP 10343492 A JP10343492 A JP 10343492A JP 10343492 A JP10343492 A JP 10343492A JP 3226321 B2 JP3226321 B2 JP 3226321B2
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Japan
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extract
methanol
aconitine
water
hair growth
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JP10343492A
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JPH05255099A (ja
Inventor
光雄 村山
Original Assignee
三和生薬株式会社
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Publication date
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Priority to DE69309810T priority patent/DE69309810T2/de
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Priority to DE0584365T priority patent/DE584365T1/de
Priority to US08/140,002 priority patent/US5401503A/en
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は新規な発毛・育毛促進剤に関する
ものでり、さらに詳しく言えば、トリカブトの根より得
られる非アコニチン型アルカロイド成分を含有する画
分、即ち、トリカブトの根のエキスからアコニチン型ア
ルカロイドを除去した画分を用いることを特徴とする発
毛・育毛促進剤に関するものである。
【0002】
【背景技術】脱毛症の原因としては、栄養摂取のアンバ
ランス、ふけの過剰発生による頭皮の生理機能の低下、
末梢血管の血流量の減少による毛乳頭部位への血液供給
不足による新陳代謝の低下、皮脂腺及び毛包、毛根部に
おける男性ホルモンの関与による毛包機能の低下、精神
的ストレス等が知られており、さまざまな薬剤が脱毛症
等の治療に用いられている。例えば、抗アンドロジェン
作用を示すエチニルエストラジオール、末梢の血管血流
促進作用を示すビタミンE、センブリエキス、ニンジン
エキス、セファランチン等、局所刺激作用を示すトウガ
ラシチンキ、ハッカ油、1−メントール等が挙げられる
が、いまだ満足すべきものがないのが現状である。
【0003】本発明者は、先に「トリカブトの根、茎又
は葉の水又はアルコール抽出物を含有することを特徴と
する発毛・育毛剤」を提供した(特開平3−27121
3号)が、その後、さらに研究した結果、トリカブトの
根の非アコニチン型アルカロイド成分を含有する画分
が、単なるトリカブトの根の水又はアルコールの抽出物
よりも顕著な発毛・育毛促進作用を有し、かつ、安全性
の面でも著しく優れていることを見出した。本発明はか
かる知見に基づくものである。
【0004】従来、トリカブトの根の非アコニチン型ア
ルカロイド成分が、発毛・育毛促進作用を有することは
知られていない。本発明はトリカブトの根の非アコニチ
ン型アルカロイド成分を含有する画分を有効成分として
用いることを特徴とする新規な発毛・育毛促進剤を提供
するものである。
【0005】
【発明の開示】本発明は、トリカブトの根のエキスを含
む発毛・育毛促進剤の製造方法であって、トリカブトの
根を水又はアルコールで抽出処理し、得られた水エキス
又はアルコールエキスから、固相−液相間又は液相−液
相間の物質分配による分離操作によってアコニチン型ア
ルカロイド成分を除去し、得られた非アコニチン型アル
カロイド成分を含有する画分を有効成分として用いるこ
とを特徴とする、前記方法に関する。また本発明は、分
離操作をポリアミド、活性炭、活性シリカゲル、活性ア
ルミナ及びセファデックスからなる群から選択される担
体を用いて行うことを特徴とする、前記方法に関する。
さらに本発明は、トリカブトの根のエキスの非アコニチ
ン型アルカロイド成分を有効成分として含み、アコニチ
ン型アルカロイド成分を実質的に含まない発毛・育毛促
進剤であって、前記の方法によって製造されることを特
徴とする、前記促進剤に関する。以下に、本発明を詳細
に説明する。本発明で用いる原料のトリカブトはキンポ
ウゲ科(Ranunclaceae)トリカブト属植物(Aconitum ) で
あり、主な種としては、オクトリカブト(Aconitum jap
onicumTHUNB., Aconitum subcuneatum NAKAI) 、ヤマト
リカブト(Aconitum japonicumTHUNB. var.montanum )
、ハナトリカブト(Aconitum carmichaeli DEBX.) 、
エゾトリカブト(Aconitum yesoense NAKAI) などがあ
り、この他にも数多くの種が知られている。
【0006】本発明の発毛・育毛促進剤における有効成
分である上記の画分を製造する方法としては、前記のト
リカブトの根を好ましくは細切し、これに、水又はアル
コール、例えばメタノール又はエタノールを加え、室温
で又は加熱下に、抽出処理し、得られた水エキス又はア
ルコールエキスを固相−液相間又は液相−液相間の物質
分配による分離操作により処理し、アコニチン型アルカ
ロイド成分を除去して、非アコニチン型アルカロイド成
分を含有する画分を得るという方法が用いられる。
【0007】一般に、トリカブトの根は猛毒性アルカロ
イドを含んでいるため、その水又はアルコールの抽出物
は特に取り扱いに注意を要する。その点から見た場合、
トリカブトの根に加熱等の処理を施し、減毒したものを
用いるのが好ましい。そのような処理の例としては、
(1)トリカブトの根をオートクレーブにて加圧・加熱
処理する、(2)蒸籠で蒸す、(3)鍋で煮るなどをあ
げることができる。
【0008】前記のトリカブトの根の抽出を行う場合に
は、抽出溶媒として水とアルコールの混合溶媒を用いて
もよい。アルコールを用いて加熱抽出する場合は、還流
により行うことが好ましい。抽出操作は、攪拌機を用い
て攪拌しながら行ってもよく、また、超音波を用いて行
ってもよい。
【0009】前記の固相−液相、液相−液相等の二相間
の物質の分配又は吸着性の差を利用した分離操作として
は、吸着クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラ
フィー、分配クロマトグラフィー等の各種のクロマトグ
ラフィーを用いることができる。また、この分離操作と
しては、分子の大きさの相違により物質を分離する方法
であるゲルろ過等を用いることができる。これらの方法
を用いて、前記の水エキス又はアルコールエキスを処理
し、アコニチン型アルカロイド成分を除去することによ
り、非アコニチン型アルカロイド成分を含有する画分を
得ることができる。
【0010】前記の吸着クロマトグラフィーは、通常カ
ラムクロマトグラフィーで用いられる吸着剤、例えばポ
リアミド、活性炭、活性シリカゲル、活性アルミナ等の
担体を用いて行うことができる。担体としてポリアミド
を用いる場合は、トリカブトの根を水又はアルコールで
抽出処理し、得られた抽出物について、水抽出物の場合
はそのまま、アルコール抽出物の場合はそれを濃縮乾固
して得られたアルコールエキスを水に懸濁して、その水
抽出物又はアルコール抽出物の水懸濁液をそれぞれポリ
アミドを充填したカラムに付し、水にて洗浄し、アコニ
チン型アルカロイド成分を除去した後、適当な溶媒、例
えばアンモニアアルカリ性のエタノールにて溶出するこ
とにより、非アコニチン型アルカロイド成分を含有する
画分を得ることができる。
【0011】担体として活性炭を用いる場合は、トリカ
ブトの根を水又はアルコールで抽出処理し、得られた抽
出物について、水抽出物の場合はそのまま、アルコール
抽出物の場合はそれを濃縮乾固して得られたアルコール
エキスを水に懸濁して、その水抽出物又はアルコール抽
出物の水懸濁液をそれぞれ活性炭を充填したカラムに付
し、適当な溶媒、例えば20%メタノールにて洗浄した
後、適当な溶媒、例えばアンモニアアルカリ性のメタノ
ールにて溶出することにより、非アコニチン型アルカロ
イド成分を含有する画分を得ることができる。
【0012】担体としてシリカゲルを用いる場合は、ト
リカブトの根を水又はアルコールで抽出処理し、得られ
た抽出物を濃縮乾固して得られる水エキス又はアルコー
ルエキスを少量のメタノールに懸濁し、それぞれシリカ
ゲルを充填したカラムに付し、適当な混合溶媒、例えば
クロロホルム・メタノール・アンモニア水(50:1
0:1)にて洗浄し、アコニチン型アルカロイド成分を
除去した後、適当な混合溶媒、例えばクロロホルム・メ
タノール・水(6:4:1)にて溶出することにより、
非アコニチン型アルカロイド成分を含有する画分を得る
ことができる。
【0013】担体としてアルミナを用いる場合は、トリ
カブトの根を水又はアルコールで抽出処理し、得られた
抽出物を濃縮乾固して得られる水エキス又はアルコール
エキスを少量のメタノールに懸濁し、それぞれアルミナ
を充填したカラムに付し、適当な混合溶媒、例えばクロ
ロホルム・メタノール(4:1)にて洗浄し、アコニチ
ン型アルカロイド成分を除去した後、適当な混合溶媒、
例えばクロロホルム・メタノール・水 (12:10:
3)にて溶出することにより、非アコニチン型アルカロ
イド成分を含有する画分を得ることができる。
【0014】前記のイオン交換クロマトグラフィーは、
交換体として、例えばイオン交換樹脂、イオン交換セル
ロース、イオン交換デキストラン等を用いて行うことが
できる。例えば、イオン交換デキストランのCM−セフ
ァデックスC−25を用いる場合は、トリカブトの根を
水又はアルコールで抽出処理し、得られた抽出物につい
て、水抽出物の場合はそのまま、アルコール抽出物の場
合はそれを濃縮乾固して得られたアルコールエキスを水
に懸濁して、その水抽出物又はアルコール抽出物の水懸
濁液をそれぞれCM−セファデックスC−25を充填し
たカラムに付し、水にて溶出することにより非アコニチ
ン型アルカロイド成分を含有する画分を得ることができ
る。
【0015】前記の分配クロマトグラフィーでは、カラ
ムクロマトグラフィーを用いる場合、固定相を保持する
物質として、シリカゲル、セファデックス等を用いるこ
とができる。例えば、固定相を保持する物質としてCM
−セファデックスC−25を用いる場合は、トリカブト
の根を水又はアルコールで抽出処理し、得られた抽出物
について、水抽出物の場合はそのまま、アルコール抽出
物の場合はそれを濃縮乾固して得られたアルコールエキ
スを水に懸濁して、その水抽出物又はアルコールエキス
の水懸濁液をそれぞれCM−セファデックスC−25を
充填したカラムに付し、水にて溶出することにより非ア
コニチン型アルカロイド成分を含有する画分を得ること
ができる。水−有機溶媒系の分配を用いる場合は、水系
の溶媒として、例えば酸性又はアルカリ性の水溶液を、
有機系の溶媒として、例えばエーテル及びn−ブタノー
ル等を用いることができる。例えば、トリカブトの根を
水又はアルコールで抽出処理し、得られた抽出物を濃縮
乾固して得られる水エキス又はアルコールエキスを1N
アンモニア水に溶解し、エーテルを用いて洗浄し、水層
に塩酸を加えて酸性にした後、水層をn−ブタノールを
用いて抽出し、n−ブタノール抽出液を塩酸にて洗浄す
ることにより、非アコニチン型アルカロイド成分を含有
する画分を得ることができる。
【0016】前記のゲルろ過では、網目構造を有する適
当なゲル粒子を担体として用いることができる。例え
ば、市販のトヨパールHW40Fを用いる場合は、トリ
カブトの根を水又はアルコールで抽出処理し、得られた
抽出物を濃縮乾固して得られる水エキス又はアルコール
エキスを、適当な溶媒、例えば50%メタノールに懸濁
し、それぞれトヨパールHW40Fを充填したカラムに
付し、適当量の50%メタノールで洗浄後、50%メタ
ノールにて溶出することにより非アコニチン型アルカロ
イド成分を含有する画分を得ることができる。
【0017】本発明において用いるトリカブトの根から
得られる非アコニチン型アルカロイド成分を含有する画
分は、液状のまま、あるいは濃縮乾固して、適当な基剤
を使用して、その基剤に対し希釈して使用する。基剤と
しては、化粧品、医薬品等の業界で通常用いられる任意
所要の担体、乳化剤、懸濁化剤、芳香剤等の添加剤が用
いられ、慣用の方法で製剤化する。これらの材料の例と
しては、オレイン酸、トリエタノールアミン、サラシミ
ツロウ、セチルアルコール、ラウリル硫酸ナトリウム、
グリセリン、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、カ
ルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロー
ス、ベントナイト、ワセリン、流動パラフィン、アルコ
ール及びそのエステル、例えば、エタノール、プロピレ
ングリコール、セトステアリルアルコール、ソルビタン
モノステアレート等があげられ、剤形は、ヘヤートニッ
ク、ヘヤークリーム、ヘヤーローション、ヘアーシャン
プー等、その他種々の形で提供することができる。ま
た、軟膏用組成物、あるいは硬膏用組成物の形でも提供
することができる。これら各製剤は周知の製剤用担体、
例えば、ワセリン、パラフィン、加水ラノリン、プラス
チベース、親水ワセリン、マクロゴール類、ロウ、樹
脂、精製ラノリン、ゴム等を含有していてもよい。これ
等外用剤に含有させるトリカブトの根の非アコニチン型
アルカロイド成分を含有する画分は、その画分の濃縮乾
固物として、含量は約0.05〜10%、好ましくは
0.1〜5%である。
【0018】以下に、本発明に用いるトリカブトの根の
非アコニチン型アルカロイド成分を含有する画分の製造
実施例、純度試験(アコニチン型アルカロイドの確
認)、薬理作用試験、安全性試験及び処方例について述
べる。
【0019】
【実施例】
〔実施例1〕 トリカブトの根をオートクレーブにて110℃で4
0分間処理し、乾燥後粉砕する。 得られた粉砕物1kgにメタノール4リットルを加
え、水浴上30分間加熱還流抽出を行う。抽出後、静置
し、上澄液をろ過する。残留物にメタノール4リットル
を加え、さらに同様に加熱還流抽出の操作を繰返し行
い、得られたろ液を前のろ液と合わせ、減圧下に濃縮乾
固し、メタノールエキス100gを得る。 上記のメタノールエキス16gを水10mlに懸濁
した後、この懸濁液をポリアミド75gを充填したカラ
ムに吸着させ、水1リットルにて洗浄後、3%アンモニ
アアルカリ性エタノール1リットルにて溶出する。溶出
液を減圧下濃縮乾固し、非アコニチン型アルカロイド含
有画分1.8gを得る。 [純度試験]前記の操作により得られた非アコニチン型
アルカロイド含有画分10mgをメタール1mlに溶解
し、ポリアミド0.5gを加え、よくかき混ぜた後、メ
タノールを留去する。残留物をポリアミド2gを充填し
たカラムに付し、水40mlにて溶出する。溶出液を減
圧下に濃縮乾固し、得られた残留物をメタノール1ml
に溶解し、試料溶液とする。試料溶液の3μlを薄層ク
ロマトグラフ用シリカゲルを用いて調製した薄層板にス
ポットする。次に、アンモニア飽和クロロホルム・メタ
ノール混液(15:1)を展開溶媒として展開した後、
薄層板を風乾する。これにドラーゲンドルフ試液(注
1)を均一に噴霧する。橙色のスポットを認めない。 (注1)次硝酸ビスマス0.85gを氷酢酸10mlに
溶かした溶液2mlに、ヨウ化カリウム8gを水20m
lに溶かした溶液2ml及び20%酢酸溶液20mlを
加えて調製する。
【0020】[前記純度試験における標品添加回収実
験] (実験1)本試験:アコニチン約3mgを精密に量り
(a)、メタノール1mlに溶解し、ポリアミド0.5
gを加え、よくかき混ぜた後、メタノールを留去し、ポ
リアミド2gを充填したカラムに付す。次に、水40m
lにて溶出し、溶出液を濃縮乾固した後、残留物の重量
(b)を測定した。 空試験:前記本試験のアコニチンのメタノール溶液1m
lの代わりに、メタノール1mlを用い、他は前記と同
様の操作を行い、残留物の重量(c)測定した。尚、メ
サコニチン、ヒパコニチン、ジェサコニチンのそれぞれ
について、アコニチンの場合と同様の試験を行った。各
標品につき、それぞれ3回試験を繰り返した。結果を下
記の表1に示す。表1中の「回収した標品の重量」及び
「回収率」は、下記の式により求めた。 (回収した標品の重量)=b−c (回収率)=(b−c)×100/a
【0021】
【表1】
【0022】(実験2)本試験:前記の実施例1で得ら
れた非アコニチン型アルカロイド含有画分20mgをメ
タノール2mlに溶解し、その1mlをA液、残りの1
mlをB液とする。アコニチン約3mgを精密に量り
(a)、A液に溶解し、ポリアアミド0.5gを加え、
よくかき混ぜた後、メタノールを留去し、ポリアミド2
gを充填したカラムに付す。次に、水40mlにて溶出
し、溶出液を濃縮乾固した後、残留物の重量(b)を測
定した。空試験:前記本試験のアコニチンを溶解したA
液の代わりにB液を用い、他は前記本試験と同様の操作
をすることにより行い、残留物の重量(c)を測定し
た。尚、メサコニチン、ヒパコニチン、ジェサコニチン
のそれぞれについて、アコニチンの場合と同様の試験を
行った。各標品につき、それぞれ3回試験を繰り返し
た。結果を下記の表2に示す。表2中の「回収した標品
の重量」及び「回収率」は、下記の式により求めた。 (回収した標品の重量)=b−c (回収率)=(b−c)×100/a
【0023】
【表2】
【0024】以上、(実験1)及び(実験2)の結果か
らこの純度試験は、アコニチン型アルカロイドの高い回
収率が得られており、また相対標準偏差の値から判断し
て、再現性の高い純度試験であることが確認された。以
下の実施例での純度試験は上記の純度試験法と同様にし
て行ったものである。
【0025】〔実施例2〕実施例1に記載した及び
と同様の操作を行い、メタノールエキスを得る。メタノ
ールエキス4gを水10mlに懸濁した後、活性炭20
gを充填したカラムに吸着させる。次に、20%メタノ
ール600mlにて洗浄後、3%アンモニアアルカリ性
メタノール600mlにて溶出する。溶出液を濃縮乾固
し、非アコニチン型アルカロイド含有画分766mgを
得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0026】〔実施例3〕実施例1に記載した及び
と同様の操作を行い、メタノールエキスを得る。メタノ
ールエキス4gを1Nアンモニア水100mlに懸濁し
た後、エーテル100mlにて5回洗浄した後、水層に
10N塩酸17mlを加え、n−ブタノール100ml
にて2回抽出し、抽出液を1N塩酸20mlにて5回洗
浄後、濃縮乾固し、非アコニチン型アルカロイド含有画
分424mgを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0027】〔実施例4〕実施例1に記載した及び
と同様の操作を行い、メタノールエキスを得る。メタノ
ールエキス0.9gを水5mlに懸濁した後、CM−セ
ファデックスC−25(Pharmacia Fine
Chemicals)45gを充填したカラムに吸着
させる。次に水450mlにて溶出した画分を濃縮乾固
し、非アコニチン型アルカロイド含有画分630mgを
得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0028】〔実施例5〕実施例1に記載した及び
と同様の操作を行い、メタノールエキスを得る。メタノ
ールエキス1gをメタノール1mlに懸濁し、アルミナ
100gを充填したカラムに吸着させる。次にクロロホ
ルム・メタノール混液(4:1)400mlにて洗浄
後、クロロホルム・メタノール・水混液(12:10:
3)300mlにて溶出した画分を濃縮乾固し、非アコ
ニチン型アルカロイド含有画分60mgを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0029】〔実施例6〕実施例1に記載した及び
と同様の操作を行い、メタノールエキスを得る。メタノ
ールエキス0.2gをメタノール0.5mlに懸濁した
後、シリカゲル20gを充填したカラムに吸着させる。
次にクロロホルム・メタノール・アンモニア水混液(5
0:10:1)300mlにて洗浄後、クロロホルム・
メタノール・水混液(6:4:1)150mlにて溶出
した画分を濃縮乾固し、非アコニチン型アルカロイド含
有画分42mgを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0030】〔実施例7〕実施例1に記載した及び
と同様の操作を行い、メタノールエキスを得る。メタノ
ールエキス0.38gを50%メタノール0.5mlこ
懸濁した後、トヨパールHW40F 70mlを充填し
たカラムに吸着させる。次に50%メタノール45ml
にて洗浄後、50%メタノール120mlにて溶出した
画分を濃縮乾固し、非アコニチン型アルカロイド含有画
分228mgを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0031】〔実施例8〕 トリカブトの根を細切したもの1kgにメタノール
4リットルを加え、水浴上30分間加熱還流抽出を行
う。抽出後、静置し、上澄液をろ過する。残留物にメタ
ノール4リットルを加え、上記の抽出の操作を繰返し行
い、ろ液を前記のろ過のろ液と合わせ、減圧下濃縮乾固
し、メタノールエキス150gを得る。 得られたメタノールエキス16gを水10mlに懸
濁した後、この懸濁液をポリアミド75gを充填したカ
ラムに吸着させ、水1リットルにて洗浄後、3%アンモ
ニアアルカリ性エタノール1リットルにて溶出する。溶
出液を減圧下濃縮乾固し、非アコニチン型アルカロイド
含有画分1.8gを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0032】〔実施例9〕実施例8と同様の抽出操作
により、メタノールエキスを得る。そのメタノールエキ
ス4gを水10mlに懸濁した後、活性炭20gを充填
したカラムに吸着させる。次に、20%メタノール60
0mlにて洗浄後、3%アンモニアアルカリ性メタノー
ル600mlにて溶出する。溶出液を濃縮乾固し、非ア
コニチン型アルカロイド含有画分770mgを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0033】〔実施例10〕実施例8と同様の抽出操
作により、メタノールエキスを得る。そのメタノールエ
キス4gを1Nアンモニア水100mlに懸濁した後、
エーテル100mlにて5回洗浄した後、水層に10N
塩酸17mlを加え、n−ブタノール100mlにて2
回抽出し、抽出液を1N塩酸20mlにて5回洗浄後、
濃縮乾固し、非アコニチン型アルカロイド含有画分42
1mgを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0034】〔実施例11〕実施例8と同様の抽出操
作により、メタノールエキスを得る。そのメタノールエ
キス0.9gを水5mlに懸濁し、CM−セファデック
スC−25(Pharmacia Fine Chem
icals)45gを充填したカラムに吸着させる。次
に水450mlにて溶出した画分を濃縮乾固し、非アコ
ニチン型アルカロイド含有画分625mgを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった
【0035】〔実施例12〕実施例8と同様の抽出操
作により、メタノールエキスを得る。そのメタノールエ
キス1gをメタノール1mlに懸濁し、アルミナ100
gを充填したカラムに吸着させる。次にクロロホルム・
メタノール混液(4:1)400mlにて洗浄後、クロ
ロホルム・メタノール・水混液(12:10:3)30
0mlにて溶出した画分を濃縮乾固し、非アコニチン型
アルカロイド含有画分62mgを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0036】〔実施例13〕実施例8と同様の抽出操
作により、メタノールエキスを得る。そのメタノールエ
キス0.2gをメタノール0.5mlに溶解した後、シ
リカゲル20gを充填したカラムに吸着させる。次にク
ロロホルム・メタノール・アンモニア水混液(50:1
0:1)300mlにて洗浄後、クロロホルム・メタノ
ール・水混液(6:4:1)150mlにて溶出した画
分を濃縮乾固し、非アコニチン型アルカロイド含有画分
44mgを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0037】〔実施例14〕実施例8と同様の抽出操
作により、メタノールエキスを得る。そのメタノールエ
キス0.38gを50%メタノール0.5mlに懸濁し
た後、トヨパールHW40F 70mlを充填したカラ
ムに吸着させる。次に50%メタノール45mlにて洗
浄後、50%メタノール120mlにて溶出した画分を
濃縮乾固し、非アコニチン型アルカロイド含有画分23
0mgを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0038】〔実施例15〕トリカブトの根をオートク
レーブにて110℃で40分間処理し、乾燥後粉砕す
る。得られた粉砕物100gに水1リットルを加え、約
100℃で1.5時間加熱抽出する。得られた抽出液を
室温にて放冷した後、遠心分離し、上清をポリアミド1
50gを充填したカラムに吸着させ、水2リットルにて
洗浄後、3%アンモニアアルカリ性エタノール2リット
ルにて溶出する。溶出液を減圧下濃縮乾固し、非アコニ
チン型アルカロイド含有画分1.5gを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0039】〔実施例16〕トリカブトの根をオートク
レーブにて110℃で40分間処理し、乾燥後粉砕す
る。得られた粉砕物100gに水1リットルを加え、約
100℃で1.5時間加熱抽出する。抽出液を室温にて
放冷した後、遠心分離し、上清を活性炭150gを充填
したカラムに吸着させる。次に、20%メタノール5リ
ットルにて洗浄後、3%アンモニアアルカリ性メタノー
ル4.5リットルにて溶出する。溶出液を濃縮乾固し、
非アコニチン型アルカロイド含有画分2.8gを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0040】〔実施例17〕 トリカブトの根をオートクレーブにて110℃で4
0分間処理し、乾燥後粉砕する。得られた粉砕物100
gに水1リットルを加え、約100℃で1.5時間加熱
抽出する。抽出液を室温にて放冷した後、遠心分離し、
上清を減圧下濃縮乾固し、水エキスを得る。 水エキス4gを1Nアンモニア水100mlに懸濁
した後、エーテル100mlにて5回洗浄した後、水層
に10N塩酸17mlを加え、n−ブタノール100m
lにて2回抽出し、抽出液を1N塩酸20mlにて5回
洗浄後、濃縮乾固し、非アコニチン型アルカロイド含有
画分200mgを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0041】〔実施例18〕トリカブトの根をオートク
レーブにて110℃で40分間処理し、乾燥後粉砕す
る。得られた粉砕物100gに水1リットルを加え、約
100℃で1.5時間加熱抽出する。抽出液を室温にて
放冷した後、遠心分離し、上清を水にて1リットルに調
製し、その100mlをCM−セファデックスC−25
(Pharmacia Fine Chemical
s)80gを充填したカラムに吸着させる。次に水80
0mlにて溶出した画分を濃縮乾固し、非アコニチン型
アルカロイド含有画分800mgを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0042】〔実施例19〕実施例17のと同様の抽
出操作により、水エキスを得る。その水エキス1gをメ
タノール1mlに懸濁し、アルミナ100gを充填した
カラムに吸着させる。次にクロロホルム・メタノール混
液(4:1)400mlにて洗浄後、クロロホルム・メ
タノール・水混液(12:10:3)300mlにて溶
出した画分を濃縮乾固し、非アコニチン型アルカロイド
含有画分25mgを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0043】〔実施例20〕実施例17のと同様の抽
出操作処理により、水エキスを得る。その水エキス0.
2gをメタノール0.5mlに懸濁した後、シリカゲル
20gを充填したカラムに吸着させる。次にクロロホル
ム・メタノール・アンモニア水混液(50:10:1)
300mlにて洗浄後、クロロホルム・メタノール・水
混液(6:4:1)150mlにて溶出した画分を濃縮
乾固し、非アコニチン型アルカロイド含有画分19mg
を得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0044】〔実施例21〕実施例17と同様の抽出
操作により、水エキスを得る。その水エキス0.4gを
50%メタノール0.5mlに懸濁した後、トヨパール
HW40F70mlを充填したカラムに吸着させる。次
に50%メタノール45mlにて洗浄後、50%メタノ
ール120mlにて溶出した画分を濃縮乾固し、非アコ
ニチン型アルカロイド含有画分100mgを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0045】〔実施例22〕トリカブトの根を細切した
もの100gに水1リットルを加え、約100℃で1.
5時間加熱抽出する。抽出液を室温にて放冷した後、遠
心分離し、上清をポリアミド150gを充填したカラム
に吸着させ、水2リットルにて洗浄後、3%アンモニア
アルカリ性エタノール2リットルにて溶出する。溶出液
を減圧下濃縮乾固し、非アコニチン型アルカロイド含有
画分1.6gを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0046】〔実施例23〕 トリカブトの根を細切したもの100gに水1リットル
を加え、約100℃で1.5時間加熱抽出する。抽出液
を室温にて放冷した後、遠心分離し、上清を活性炭15
0gを充填したカラムに吸着させる。次に、20%メタ
ノール5リットルにて洗浄後、3%アンモニアアルカリ
性メタノール4.5リットルにて溶出する。溶出液を濃
縮乾固し、非アコニチン型アルカロイド含有画分2.9
gを得る。 [純度試験] 実施例1の純度試験と同様の操作を行い、橙色のスポッ
トは認められなかった。
【0047】〔実施例24〕 トリカブトの根を細切したもの100gに水1リッ
トルを加え、約100℃で1.5時間加熱抽出する。抽
出液を室温にて放冷した後、遠心分離し、上清を減圧下
濃縮乾固し水エキスを得る。 水エキス4gを1Nアンモニア水100に懸濁した
後、エーテル100mlにて5回洗浄した後、水層に1
0N塩酸17mlを加え、n−ブタノール100mlに
て2回抽出し、抽出液を1N塩酸20mlにて5回洗浄
後、濃縮乾固し、非アコニチン型アルカロイド含有画分
197mgを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0048】〔実施例25〕トリカブトの根を細切した
もの100gに水1リットルを加え、約100℃で1.
5時間加熱抽出する。抽出液を室温にて放冷した後、遠
心分離し、上清をCM−セファデックスC−25(Ph
armacia Fine Chemicals)80
gを充填したカラムに吸着させる。次に水800mlに
て溶出した画分を濃縮乾固し、非アコニチン型アルカロ
イド含有画分795mgを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0049】〔実施例26〕実施例24と同様の抽出
操作により、水エキスを得る。その水エキス1gをメタ
ノール1mlに懸濁し、アルミナ100gを充填したカ
ラムに吸着させる。次にクロロホルム・メタノール混液
(4:1)400mlにて洗浄後、クロロホルム・メタ
ノール・水混液(12:10:3)300mlにて溶出
した画分を濃縮乾固し、非アコニチン型アルカロイド含
有画分25mgを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0050】〔実施例27〕 実施例24と同様の抽出操作により、水エキスを得
る。その水エキス0.2gをメタノール0.5mlに懸
濁した後、シリカゲル20gを充填したカラムに吸着さ
せる。次にクロロホルム・メタノール・アンモニア水混
液(50:10:1)300mlにて洗浄後、クロロホ
ルム・メタノール・水混液(6:4:1)150mlに
て溶出した画分を濃縮乾固し、非アコニチン型アルカロ
イド含有画分20mgを得る。 [純度試験] 実施例1の純度試験と同様の操作を行い、橙色のスポッ
トは認められなかった。
【0051】〔実施例28〕実施例24と同様の抽出
操作により、水エキスを得る。その水エキス0.4gを
50%メタノール0.5mlに懸濁した後、トヨパール
HW40F70mlを充填したカラムに吸着させる。次
に50%メタノール45mlにて洗浄後、50%メタノ
ール120mlにて溶出した画分を濃縮乾固し、非アコ
ニチン型アルカロイド含有画分105mgを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0052】以下に、本発明に係る発毛・育毛促進剤に
用いられるトリカブトの根の非アコニチン型アルカロイ
ド含有画分の発毛・育毛効果、急性毒性及び安全性につ
いての実験例を示す。下記の実験例で用いるトリカブト
の根の水又はエタノールの抽出物は、以下のとおりにし
て調製したものを用いた。 〔トリカブトの根のエタノール抽出物の調製〕トリカブ
トの根を粉砕し、その1kgをエタノール10リットル
にて約1.5時間加熱還流抽出し、抽出液をろ過後、ろ
液を減圧下濃縮乾固し、エタノールエキス140gを得
る。 〔トリカブトの根の水抽出物の調製〕トリカブトの根を
粉砕し、その1kgを水10リットルにて約100℃で
1.5時間加熱抽出する。抽出液をステンレスろ材(網
目約0.246mm)で遠心分離(回転数1350rp
m)にてろ過する。ろ液を濃縮乾固し、水性エキス35
0gを得る。
【0053】〔実験例1〕この実験においては、St
d:ddY系雄性マウス(体重30〜35g)を1群7
匹として使用した。動物は室温24〜25℃,自由な摂
水、摂食及び12時間周期の明暗条件下で飼育した。マ
ウスは実験開始前日に脱毛クリームにて背部を除毛して
用いた。各試料それぞれ0.1gを、60%エタノール
20mlに溶解し、試料溶液とした。試料溶液の0.1
mlを、毎日朝夕の2回、除毛した背部に塗布し、60
%エタノールのみを試料として用いたものを陰性対照群
とした。判定は肉眼的観察により行い、判定基準は下記
の基準に従った。 判定基準 評価点 陰性対照群と比較して著しい差がある 3 陰性対照群と比較して明らかに差がある 2 陰性対照群と比較して差がある 1陰性対照群と比較してなんら差がない 0 結果を表3に示す。表3の結果から見られるように、本
発明の発毛・育毛促進剤で用いるトリカブトの根の非ア
コニチン型アルカロイド含有画分については、単なる水
又はアルコールの抽出物に比し、はるかに優れた発毛・
育毛促進効果を示すことが認められた。また、実験経過
中及び実験終了後において、上記の非アコニチン型アル
カロイド含有画分の試料溶液塗布群には皮膚刺激性、ア
レルギー性は全く認められなかった。
【0054】
【表3】
【0055】〔実験例2〕この実験においては、St
d:ddY系雄性マウス(体重30〜35g)を1群7
匹として使用した。動物は室温24〜25℃,自由な摂
水、摂食及び12時間周期の明暗条件下で飼育した。マ
ウスは実験開始前日に脱毛クリームにて背部を除毛して
用いた。試料溶液は実験例1で使用したものと同じもの
を用いた。試料溶液の約0.1mlを、毎日朝夕の2
回、除毛した箇所に塗布し、塗布後21日及び28日に
除毛部位から発生した新生毛についてサンプリングを行
い、体毛長を測定した。体毛長の測定は実体顕微鏡を用
いて行い、サンプリングした任意の20本の中から最も
長いものを5本選び、その平均値を求め、マウスの体毛
長とした。群間比較による薬物投与群の有意差検定は、
ステューデントのt−検定により行った。結果を表4に
示す。表4に見られるように、上記のトリカブトの根の
非アコニチン型アルカロイド含有画分は、陰性対照群及
び単なるトリカブトの根の水又はエタノールの抽出物に
対して、いずれもP<0.01の有意な毛成長促進効果
を示した。
【0056】
【表4】
【0057】〔実験例3〕(急性毒性) この実験においては、Std:ddY系雄性マウス(2
0〜25g)を使用した。各試料はそれぞれ適量を用い
て水に懸濁し、表5に示す投与量で被検動物に経口投与
し、投与後72時間の致死数を求めた。その結果を表5
に示す。表5に示すように、本発明の発毛・育毛促進剤
で用いるトリカブトの根の非アコニチン型アルカロイド
含有画分は、3g/kgの経口投与で死亡例は認められ
ず、単なるトリカブトの根の水又はエタノールの抽出物
と対比してはるかに低毒性であることが認められた。
【0058】
【表5】
【0059】〔実験例4〕(安全性) 試験方法は24時間人体前腕クローズドバッチテストを
用いた。被試験者は成人男子3名、成人女子1名であ
る。判定基準は下記の基準に従った。試料は、実施例1
で得られた非アコニチン型アルカロイド含有画分を用
い、処方例1に従って調製したものを用いた。 ++:強紅斑 ± :微かな紅斑 + :紅斑 − :陰性 結果を表6に示す。表6に示すように、この試料溶液に
は皮膚刺激性、アレルギー性は全く認められず、皮膚に
対する安全性は極めて高いものであった。また、被検者
において、試験中、副作用は特に認められなかった。
【0060】
【表6】
【0061】以下に本発明に係る発毛・育毛促進剤の処
方例を示す。 〔処方例1〕ヘヤートニック エタノール 60ml プロピレングリコール 3g 実施例1で得られた非アコニチン型アルカロイド含有画分 1g香料 適量 精製水を加えて、100mlとする。
【0062】 〔処方例2〕ヘヤーローション エタノール 2g グリセリン 0.5g イソプロピルメチルフェノール 0.4g レゾルシン 2g 1−メントール 1g 実施例1で得られた非アコニチン型アルカロイド含有画分 1g香料 適量 精製水を加えて、100mlとする。
【0063】 〔処方例3〕ヘヤークリーム (A)下記の組成により、油相成分を調製する。 流動パラフィン 40g サラシミツロウ 2.5g ポリオキシエチレンステアリルエーテル(20E.0.)1.5g ポリオキシエチレンステアリルエーテル(5E.0.) 3.0g モノステアリン酸ソルビタン 1.5g 実施例1で得られた非アコニチン型アルカロイド含有画分 1g (B)下記の組成により、水相成分を調製する。 ホウ砂 0.4g エデト酸四ナトリウム 1g プロピレングリコール 5g 精製水 適量(全量が100mlとなるように加える) (A)の油相成分を75℃に、(B)の水相成分を77
℃に、加温、撹拌し、撹拌しながら(A)に(B)を徐
々に加えて乳化液とする。
【0064】 〔処方例4〕ヘヤーシャンプー (A)成分 ラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン 15g ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 5g エチレングリコールモノステアレート 2g (B)成分 実施例1で得られた非アコニチン型アルカロイド含有画分 1g ラウリル硫酸ナトリウム 5g 精製水 適量(全量が100mlとなるように加える) (A)成分及び(B)成分をそれぞれ、加温、撹拌した
後、撹拌しながら(B)成分を(A)成分に徐々に加え
シャンプー用溶液を調製する。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 35/78 F A61K 7/047 A61P 17/14

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トリカブトの根のエキスを含む発毛・育
    毛促進剤の製造方法であって、トリカブトの根を水又は
    アルコールで抽出処理し、得られた水エキス又はアルコ
    ールエキスから、固相−液相間又は液相−液相間の物質
    分配による分離操作によってアコニチン型アルカロイド
    成分を除去し、得られた非アコニチン型アルカロイド成
    分を含有する画分を有効成分として用いることを特徴と
    する、前記方法。
  2. 【請求項2】 分離操作をポリアミド、活性炭、活性シ
    リカゲル、活性アルミナ及びセファデックスからなる群
    から選択される担体を用いて行うことを特徴とする、請
    求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 トリカブトの根のエキスの非アコニチン
    型アルカロイド成分を有効成分として含み、アコニチン
    型アルカロイド成分を実質的に含まない発毛・育毛促進
    剤であって、請求項1又は2に記載の方法によって製造
    されることを特徴とする、前記促進剤。
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