JP3216776B2 - 回路遮断器 - Google Patents
回路遮断器Info
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- H01H9/34—Stationary parts for restricting or subdividing the arc, e.g. barrier plate
- H01H9/342—Venting arrangements for arc chutes
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Description
遮断器などの回路遮断器に関し、特に電磁反発形の回路
遮断器の消弧手段に関する。
9に示すいわゆるデアイオン形のものが知られている。
この消弧装置は可動接触子1が通るV字形の切欠を持つ
グリッド2を適当な間隔で積み重ね、これらを絶縁物
(ファイバ、ポリエステルガラスマット積層板など)の
支持板3で支持したもので、グリッド2は支持板3に接
着やかしめ加工により固定されている。
た回路遮断器の電源側部分を示す縦断面図で、電源側端
子4が一体形成された固定接触子5の端部5aは可動接
触子1に沿うようにU字状に折り返され、この折り返し
端部5aの先端に可動接触子1の可動接点6と接触する
固定接点7が設けられている。また、固定接触子5には
可動・固定接点6,7間に発生したアーク8を消弧装置
に向かって導くアークホーン9が取り付けられている。
とこれに平行な可動接触子1とをそれぞれ流れる電流の
向きは矢印Aで示すように互いに逆向きであるため、こ
れらの電流間には電磁反発力が作用し、短絡電流などの
大電流が流れると可動接触子1はこの電磁反発力で撥ね
上げられる。その結果、作動原理は省略するが可動接触
子1は限流機構10に駆動されて開閉機構11の作動を
待たずに鎖線で示す開離位置まで急速に駆動される。そ
の際、アーク8は折り返し端部5aを流れる電流の磁界
により矢印B方向に力を受け、消弧装置の奥に向かって
駆動される。このアーク8はグリッド2の存在により生
じる自身の磁束の片寄りにより更にその奥まで引き込ま
れ、グリッド2により分断されてアーク電圧が高められ
る。同時に、アーク8は支持板3を構成している絶縁物
から発生する消弧性のガスで冷却され、ケース12内の
圧力の上昇による絞込み作用とあいまって急速に消弧さ
れる。
回路遮断器において、固定接触子5の折り返し端部5a
にU字形の磁気駆動鉄心を取り付け、この折り返し端部
5aを流れる上述電流の磁束を磁気駆動鉄心に収束させ
てアークに対する磁界の作用を強めた回路遮断器が特開
平2−132716号公報などにより知られている。
られたグリッドを有するデアイオン形消弧装置が可動・
固定接触子を囲んで配置された回路遮断器において、従
来はグリッドがかしめ加工や接着により支持板に固定さ
れるため、グリッドの取付け作業に多くの工数を要し
た。また、グリッドをアークから遮蔽する有効な手段を
持たないため、グリッドがアークと接触して溶融、飛散
し、金属微粒子が開閉機構部に付着してその円滑な作動
を阻害したり、相間や極間の絶縁強度を低下させたりす
る危険が多かった。一方、固定接点が設けられた固定接
触子の折り返し端部に磁気駆動鉄心が取り付けられた回
路遮断器においては、従来は上記特開平2−13271
6号公報にも見られるように、グリッドを支持する支持
板と磁気駆動鉄心を被覆する絶縁部材とが別々に設けら
れているため、構造が複雑とならざるを得なかった。そ
こで、この発明は、消弧装置部分の構造を簡単にして組
立工数の低減を図るとともに、アークによるグリッドの
損傷を防止し、併せて遮断性能の向上を図った回路遮断
器を提供することを目的とするものである。
に、請求項1に係るこの発明は、固定接点が設けられた
固定接触子の端部が可動接触子に沿うようにU字状に折
り返され、多段に積み重ねられたグリッドを備えた消弧
装置が前記可動・固定接触子を囲んで配置された回路遮
断器において、互いに連結された左右一対の側壁を有す
る絶縁体をモールド樹脂の一体成形により設け、この絶
縁体の前記側壁の対向面に多段に形成した条溝にそれぞ
れグリッドを挿入するものとする。
2に係るこの発明は、固定接点が設けられた固定接触子
の端部が可動接触子に沿うようにU字状に折り返され、
この折り返し端部にU字形の磁気駆動鉄心が取り付けら
れるとともに、多段に積み重ねられたグリッドを備えた
消弧装置が前記可動・固定接触子を囲んで配置された回
路遮断器において、互いに連結された左右一対の側壁を
有する絶縁体をモールド樹脂の一体成形により設け、こ
の絶縁体の前記側壁の対向面に多段に形成した条溝にそ
れぞれグリッドを挿入するとともに、この絶縁体を前記
側壁の底面に形成した凹部を介して磁気駆動鉄心の脚部
に被嵌するものとする。
条溝の周囲に、この条溝に挿入したグリッドに被さる張
出部を一体形成すれば、グリッドのアークからの保護が
より完全となる。
構側の端部に、可動接触子の移動経路を除いて側壁間を
閉塞する遮蔽壁を一体形成すれば、開閉機構側へのアー
クガスの進入の阻止に有効である。
する条溝を絶縁体の側壁の電源側端面から負荷側端面の
手前まで形成した場合には、この条溝に挿入した前記グ
リッドは前記絶縁体に装着した防護板で押さえて固定す
ることができる。その場合、上記防護板には電流遮断時
に発生するアークガスを弁体の弾性変形により排出する
ガス抜き弁を設けることができる。また、グリッドを挿
入する条溝を絶縁体の側壁の負荷側端面から電源側端面
の手前まで形成した場合には、前記絶縁体に装着した絶
縁隔壁で押さえて固定することができる。
の空間の幅を固定接点付近から電源側に向かってハ字状
に広げる構成とすれば、グリッドの奥方向へのアークの
移動を促進する上で有効である。更に、絶縁体の左右の
側壁の内側に、これらの側壁の間隔を調整する補助側壁
を装着することができる。
成形した絶縁体の側壁対向面に条溝を形成してグリッド
を挿入する。これにより、グリッドの取付けは条溝に挿
入するだけで済み、かしめ加工や接着作業が不要にな
る。また、モールド樹脂からなる絶縁体は側壁の肉厚を
十分に取ることが可能なので、絶縁体内の空間容積を小
さくして電流遮断時のアーク周りの内圧を大きくして、
アークの絞り込み作用を高めるとともに、絶縁体とアー
クとを接近させて絶縁体からの消弧性ガスが大量に発生
させ、アークの冷却効果を高めることが容易となる。そ
の際、上記内圧はまず絶縁体により受け止められるの
で、回路遮断器本体のケースやカバーに対する圧力負荷
が減り、その耐圧設計条件が緩和される。
動鉄心を有する場合には、絶縁体を側壁底面に形成した
凹部を介して磁気駆動鉄心の脚部に被嵌する。これによ
り、グリッドの支持板と磁気駆動鉄心の絶縁部材とが絶
縁体に一体化され、構造が簡単となる。また、磁気駆動
鉄心は絶縁体で覆われるので、アークによる損傷を受け
なくなる。
その中に収まるようにすれば、それのみでグリッドをア
ークから有効に保護することができるが、更に条溝の周
囲にグリッドの外面に被さる張出部を一体形成すれば、
グリッドは露出面が全くなくなりアークからの防御が完
全となる。
塞する遮蔽壁を絶縁体の開閉機構側の端部に一体形成す
れば、絶縁体内で生じたアークガスの開閉機構部への移
動が抑制され、アークガス中の接点溶融物などの付着に
よる開閉機構の動作不良や絶縁強度の低下の危険が減少
する。また、遮蔽壁により絶縁体の閉鎖性が高まり、内
圧上昇による消弧も一層促進されることになる。その場
合、絶縁体の電源側の端部に遮蔽板を装着すれば、内圧
上昇はより顕著となる。
の一方の端面から他方の端面の手前まで、一端が閉じた
溝として形成するのがよいが、その場合の条溝の開口
端、つまりグリッド挿入端は電源側と負荷側のいずれの
側でもよい。グリッドを側壁端面の電源側から挿入した
場合には、絶縁体のアークガス放出口に異物の侵入防止
のために装着した防護板でグリッドを押さえて固定する
ことができ、また負荷側から挿入した場合には、アーク
ガスの開閉機構部への侵入防止のために絶縁体に装着し
た絶縁隔壁で押さえて固定することができる。上記防護
板には弁体の弾性変形によりアークガスを排出するガス
抜き弁を設けるのがよく、これによりアークガスの排出
が円滑となる。
から電源側に向かってハ字状に広げる構成とすれば、固
定接点上で発生したアークがアークガスの圧力で電源側
への移動が促進され、固定接点の消耗が少なくなる。
を冷却してアーク電圧を高め、いわゆるI2t(I:通過
電流,t:アーク時間)を減少させる必要があるが、反
面、アーク電圧が高まるとアークパワーAP (通過電流
とアーク電圧との積)が増大して内圧が上昇し、場合に
よっては過大な内圧が回路遮断器本体のケースやカバー
の強度を超えることが懸念される。従って、絶縁体の側
壁間隔はケースやカバーの許容圧力と消弧性能とのバラ
ンスを考慮して適切に選ぶ必要があるが、上記間隔の調
整手段として絶縁体の左右の側壁の内側に補助側壁を装
着するようにすれば、遮断容量の異なる回路遮断器に共
通の絶縁体を用い、その側壁の間隔を遮断容量に応じて
適宜に調整することができる。
施例を説明する。なお、従来例と対応する部分には同一
の符号を用いるものとする。図1は絶縁体、グリッド及
び磁気駆動鉄心を縦に破断して示した状態の可動・固定
接触子部分の斜視図、図2は絶縁体とこれに挿入される
グリッドの斜視図、図3は磁気駆動鉄心が取り付けられ
た固定接触子とこれから開離した状態の可動接触子の斜
視図である。
れた固定接触子5は反対側の端部5aがU字状に折り返
され、この折り返し端部5aの先端上面に固定接点7が
接合され、また下面側から磁気駆動鉄心13が取り付け
られている。折り返し端部5aの幅は、図示の通り主体
部分5bより狭くなっている。主体部分5bには、磁気
駆動鉄心13に駆動されたアークの脚をグリッド2側に
導くためのアークホーン9が取り付けられている。この
アークホーン9はその基部が主体部分5bの角穴に差し
込まれ、その先端がかしめ加工されて固定されている。
とこれらを連結する連結部13bとからなるU字形で、
連結部13bの前後幅は脚部13aより狭くなってい
る。また、連結部13bの左右幅は固定接触子5の折り
返し端部5aよりも広く、折り返し端部5aの側面と脚
部13aの内壁面との間には明確には図示できないが若
干の隙間があいている。この磁気駆動鉄心13は連結部
13bを貫通する図示しないねじにより、折り返し端部
5aに締め付けられている。
一対の側壁14aと、これらを上部及び前部でそれぞれ
互いに連結する連結部14b及び14cとからなり、耐
アーク性のメラミン系モールド樹脂により一体成形され
ている。左右の側壁14aの対向面にはグリッド2が挿
入される断面方形の条溝15が、側壁14aの電源側端
面(図2の左側端面)から負荷側端面(同じく右側端
面)の手前まで斜めに下降するように、多段(ここでは
5段)に形成されている。
切欠16を持ち、左右の側壁14aに跨がるようにして
図2の矢印方向に各条溝15に挿入される。その場合、
グリッド2の両脚部2aは条溝15内に隠れるように収
められ、またこれらを連結する連結部2bは絶縁体14
の前面(図2の左側の端面)から没するまで押し込まれ
て、両脚部2aの先端が条溝15の奥壁に突き当たるよ
うになっている。また、グリッド2の横幅は条溝15の
対向する底面間の距離より僅かに大きく、グリッド2は
この底面間に圧入されて固定される。
面から、前面にも開口する凹部17が形成され、絶縁体
14はこの凹部17を介して磁気駆動鉄心13(図3)
の脚部13aに被嵌される。その場合、凹部17で左右
に2分された各側壁14aの内側部分は、固定接触子5
の折り返し端部5aと磁気駆動鉄心13の脚部13aと
の上述した隙間に入り込んで磁気駆動鉄心13の連結部
13bに突き当たり、下方向及び左右方向に位置決めさ
れる。また、前方向(図3の左方向)には、凹部17の
奥壁17aが磁気駆動鉄心13の脚部13aの図3の手
前側の端面に突き当たって位置決めされる。図1はこの
ようにして、グリッド2を保持した絶縁体14が固定接
触子5の磁気駆動鉄心13に被嵌された状態を示してお
り、この絶縁体14は回路遮断器の図示しないケース内
において、これに被着されたカバーにより、上部連結部
14bの図1の手前側の角部が押さえられて固定され
る。
ド2を支持する支持板と磁気駆動鉄心13を覆う絶縁部
材とは絶縁体14として一体化されている。したがっ
て、従来の2部品が1部品となり、その分、構成が簡単
となっている。また、モールド樹脂により一体成形され
た絶縁体14はグリッド2を支持する側壁14aの肉厚
を従来の支持板に比べて図示の通り大きくして、グリッ
ド2の両脚部2aが条溝15内に完全に収まるようにす
ることが可能である。そのため、両脚部2aのアークに
よる損傷、したがって溶融金属の飛散が少ない。それ
に、グリッド2は条溝15に圧入するだけで固定される
ので、接着やかしめ加工など手間が不要である。
がって、左右の側壁14aが狭い間隔で対向する絶縁体
14はその内側空間が閉鎖的である。そのため、アーク
ガスの発生によるアーク周りの内圧上昇が大きく、これ
により絞り込まれたアークの電圧上昇も著しい。その場
合、この内圧はまず絶縁体14により受け止められるの
で、内圧上昇が大きいにもかかわらず、回路遮断器本体
のケースやカバーに対する圧力負荷は小さい。
接触しやすいので、絶縁体14から多量の消弧性ガスが
発生し、アークは消イオン作用を受けるとともに比較的
低温の壁面で冷却されて急速な絶縁の回復がもたらされ
る。その場合、絶縁体14の成形材料として、アーク冷
却効果の高い水素ガスが発生しやすいポリメチルペンテ
ン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアセター
ル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂などを用いれば遮断性能が一層向上する。
の周囲に、グリッド2に被さる張出部14dを一体形成
した実施例の要部斜視図である。図は張出部14dを中
心で切断してその片側を側壁14aの内側から示したも
のであるが、張出部14dは左右の側壁に跨がるU字形
に形成され、前面(図の左端面)のみ開口した袋状とな
っている。このような構成によれば、グリッド2は条溝
15から露出する上下面及びU字形の切欠16に沿う内
周面までも全て絶縁体14で覆われ、アークから完全に
保護される。
の底面に食い込ませる爪2cを一体に設けたグリッド2
の実施例を示すものである。爪2cの側面間寸法は条溝
15の底面間寸法より僅かに大きく設定されており、グ
リッド2が条溝15に圧入される際は脚部2aが内側に
弾性変形して爪2cが奥まで進入し、条溝15の底面に
食い込む。このような構成によれば、グリッド2の固定
がより確実になり、回路遮断器の通電電流に基づく交番
磁界によりグリッド2が振動することがなくなる。
を一体形成した実施例を示すものである。磁気駆動鉄心
13は例えば鉄板からのプレス成形により製作可能であ
り、その際にアークホーン9も切り曲げにより図示の通
り一体形成すれば、部品点数が減って構成が一層簡素と
なる。
側壁14a間を閉塞する遮蔽壁14eを一体形成した実
施例を示すもので、(A)は正面図、(B)はその縦断
面図である。遮蔽壁14eには可動接触子1の移動経路
に沿って上下にスリット18が設けられている。このよ
うな構成によれば、絶縁体14内で生じたアークガスの
開閉機構部への移動が遮蔽板14eで抑制され、アーク
ガス中の接点溶融物などの付着による開閉機構の動作不
良や絶縁強度の低下の危険が減少する。また、絶縁体1
4の内側空間がより閉鎖的となり、内圧上昇による消弧
作用も一層促進される。
面側(図の左側)の端部において、側壁14aの対向面
には条溝15と交叉して縦溝19が設けられ、この縦溝
19にファイバなどからなる短冊形の遮蔽板20(鎖線
で示す)が矢印で示すように挿入されるようになってい
る。このような構成によれば、絶縁体14内の内圧上昇
はより顕著となり遮断性能が一層向上する。なお、その
場合に内圧が高くなり過ぎて絶縁体14が破損する危険
があれば、遮蔽板20に適宜に穴をあけて圧力を調整す
る。この種の遮蔽板は通常は回路遮断器本体のモールド
ケースに装着されているが、絶縁体14に装着すれば遮
蔽板20が消弧装置に組み込まれ、組立構成が簡単とな
る。
たグリッドを防護板で押さえて固定する実施例を示すも
ので、図8の(A)は防護板の正面図、(B)はその側
面図、図9の(A)は絶縁体の正面図、(B)はその側
面図である。ここで、この実施例では、絶縁体14に内
圧上昇を目的とする遮蔽板は装着されておらず、アーク
ガス排出口(図9(B)の左側開口)からの異物の侵入
を防止するために防護板21が絶縁体14に装着され
る。
ら図8の形状に一体成形され、図9の絶縁体14におけ
る側壁14aの電源側端面(図9(B)の左側端面)に
沿う左右一対の押さえ板21aと、これらを上端部で結
ぶ連結板21bと、押さえ板21a間の開口を前後の隙
間を介して塞ぐ短冊形の塞ぎ板21cと、一端部が押さ
え板21aの下端部につながる左右一対のU形の取付脚
21dと、この取付脚21dの他端部と塞ぎ板21cの
下端部とを連結する左右一対の連結棒21eと、押さえ
板21aの上端部から延びる左右一対のフック21fか
らなっている。そして、押さえ板21aの側壁14aと
対面する側(図8(B)の右側)には条溝15に合わせ
て押さえ突起21gが多段に設けられ、また取付脚21
dの下面にはそれぞれ山形の係合突起21hが設けられ
ている。
面から負荷側端面(図9(B)の右側端面)の手前まで
条溝15が形成され、側板14aの上部に防護板21の
フック21fに合わせて係合段部14fが設けられてい
る。この絶縁体14には、その電源側からグリッド2が
挿入された後、防護板21がフック21fが係合段部1
4fに係止され、次いで取付脚21dが側壁14aの凹
部17に押し込まれて図9(B)に鎖線で示したように
装着される。なお、いまの場合、凹部17の前面下部に
は壁14gが設けられており、凹部17に押し込まれた
取付脚21dは係合突起21hが壁14gに係止されて
固定される。この状態で押さえ板21aは側板14aの
端面に接し、押さえ突起21gでグリッド2の端面を押
さえてこれを固定する。これにより、条溝15への圧入
のみでは振動が生じるような場合にも、グリッド2は確
実に固定される。一方、防護板21は塞ぎ板21cによ
り絶縁体14の開口を前後の隙間を介して塞ぎ、電線屑
などの異物の侵入を阻止するとともに、前記隙間からア
ークガスを放出させる。
したグリッドを絶縁隔壁で押さえて固定する実施例を示
すもので、図10は絶縁体とこれに挿入されるグリッド
の斜視図、図11は絶縁体の底面図、図12の(A)は
絶縁隔壁の正面図、(B)はそのB−B線に沿う断面
図、(C)はその背面図、(D)は(B)の平面図、図
13の(A)は防護板の正面図、(B)はその側面図、
図14は図10の絶縁体を固定接触子に装着した状態の
側面図である。
体14には、側壁14aの負荷側端面から電源側端面の
手前まで条溝15が形成され、負荷側から矢印方向に条
溝15に挿入されたグリッド2は、図14に示すように
絶縁体14に装着された絶縁隔壁22により端面を押さ
えられて固定される。絶縁隔壁22は図7における絶縁
体14に一体形成された遮蔽壁14eに代えて装着され
るものであり、絶縁体14内で生じたアークガスの開閉
機構部への移動を阻止し、アークガス中の接点溶融物な
どの付着による開閉機構の動作不良や絶縁強度の低下を
防止する。
性樹脂から一体成形された絶縁隔壁22は、可動接触子
1(図3)の移動経路に沿うスリット23が設けられた
平板状の隔壁本体22aと、固定接触子5(図14)の
折り返し部を覆う逆U字状の接触子カバー22bとから
なっている。そして、隔壁本体22aにはスリット23
の両側にグリッド2を押さえる舌状の押さえ片22cが
コ字形の切込みにより上下に配列形成され、またその外
側に後述するように絶縁体14に嵌合する左右一対の突
部22dが形成されている。更に、接触子カバー22b
の両側には、後述するように絶縁体14に嵌合する左右
一対のフック22eが設けられている。押さえ片22c
の各先端には、上下に積層されるグリッド2の端面位置
に合わせて突出高さが上から下に漸増する押さえ突起2
2fが設けられている。
た絶縁体14に、その底部から嵌め込まれる。すなわ
ち、図11に示すように絶縁体14の凹部17の負荷側
(図の右側)の壁には絶縁隔壁22のフック22eに合
わせてスリット14hが入れられ、この部分に係合段部
14gが形成されている。そこで、絶縁隔壁22の接触
子カバー22bを絶縁体14の側壁14a間の空間24
にその底部から合わせ、同時にフック22eの基部をス
リット14hに合わせて、絶縁隔壁22を絶縁体14に
下から上に押し込む。その間、絶縁隔壁22の隔壁本体
22aは突部22dが側壁14aの端面と干渉して図1
4に鎖線で示すように弾性的に湾曲変形するが、やがて
この突部22dが側壁14aの端面に設けられた図示し
ない凹部に達すると、突部22dはこれに落ち込んで嵌
合し、絶縁隔壁22は図14に実線で示すように装着さ
れる。この状態で、絶縁隔壁22の押さえ突起22fは
各グリッド2の端面を押さえてこれを固定する。
る防護板21はH形の切込み25により上下一対の舌状
の弁体21iが形成され、また下部には断面く字状の取
付部21jが設けられている。これに対して図10にお
いて、絶縁体14には連結部14cに防護板21の取付
部21jに対応してスリット状の取付穴26が前後に貫
通するように設けられ、また側壁14aの電源側端面の
上部に防護板21の上端の左右両肩部21kに合わせて
取付溝27が設けられている。そこで、防護板21はま
ず上端肩部21kを取付溝27に下方から挿入し、次い
で取付部21jを取付穴26に前方から挿入して図14
に示すように絶縁体14に装着する。図示しないが取付
穴26の下縁部には係合突起が設けられ、取付穴26に
挿入された取付部21jは係合穴28がこの係合突起に
嵌合して係止される。
内圧上昇により弁体21jが図13(B)に鎖線で示す
ように押しあけられ、アークガスを排出させる。ここで
図11に示すように、絶縁体14の側壁14a間の空間
24はその幅が固定接点7の付近から電源側に向かって
ハ字状に広げられている。このような構成によればアー
クガスが電源側に膨出しやすくなるため、固定接点7上
で発生したアークがこのアークガスの圧力で電源側への
移動を促され、固定接点7上での滞留時間が短くなるた
め固定接点7の消耗が少なくなる。防護板21及び絶縁
隔壁22が装着された絶縁体14は、図14に示すよう
に、凹部17を介して磁気駆動鉄心13被嵌する。な
お、図14では磁気駆動鉄心13は図6に示したアーク
ホーン一体形のものが用いられている。
回路遮断器におけるものであるが、モールド樹脂の絶縁
体でグリッドを支持する構成を磁気駆動鉄心を持たない
回路遮断器に適用した実施例を図15及び図16に示
す。ここで、図15は絶縁体及びグリッドを縦に破断し
て示した状態の可動・固定接触子部分の斜視図、図16
は要部の分解斜視図である。この実施例は磁気駆動鉄心
がない点を除けば、図1及び図2に示した実施例を実質
的に同一構成である。ただし、この場合は絶縁体14は
側壁14aの下端面が固定接触子5における主体部分5
bの上面に接して支持され、またグリッド2を押さえる
役目もする防護板29には図16に示すようにガス抜き
弁30が設けられている。更に、この場合は条溝15に
おけるグリッド2の脚部2aが収まる部分は側壁14a
の内側が閉じており、脚部2aはアークから完全に遮蔽
されるようになっている。
り、かつ耐弧性も強いナイロンなどの樹脂から一体成形
され、前面板29a、その両側の側板29b及びその上
端部間に渡る上面板29cからなり、上面板29cの延
長上には上部フック29dが形成され、また前面板29
aの延長上に下部フック29eが形成されている。ガス
抜き弁30は前面板29a内に図13におけるものと同
様のH形のスリットを介して上下開きの一対の弁体30
aが一体形成されることにより構成され、電流遮断時に
は弁体30aがガス圧により鎖線で示すように弾性変形
してアークガスを排出する。防護板29は絶縁体14の
取付穴26に下部フック29eが挿入されて図示しない
係合突起に係止され、次いで上部フック29dが係合段
部14fに係止されて装着される。この装着状態で防護
板29の側板29bは条溝15の端部に対面し、グリッ
ド2を押さえる。
たI2t(I:通過電流,t:アーク時間)及びアークパ
ワーAP (通過電流とアーク電圧との積)は、絶縁体1
4の側壁14aの間隔G(図15参照)の影響を受け
る。図18の線図はその関係を例えばG=8mmの場合
を100%として、模式的に示したものである。図にお
いて側壁間隔Gが小さくなるとI2tは減少し、逆にAP
は増大する。これは側壁間隔Gが小さくなると絶縁体1
4内の空間が減少する一方、アークと側壁14aとが接
近して絶縁体14からのガス発生量が増え、アークの絞
り込みと冷却の両方の作用が高まって電流Iが減少する
一方、アーク電圧がそれ以上に上昇するためである。す
なわち、側壁間隔Gが小さいほど消弧性能は向上する。
しかし、アークパワーAP が増大すると回路遮断器の内
圧がそれに応じて上昇し、ケースやカバーに対する負荷
力が増大し、これを破損する危険が生じる。従って、側
壁間隔Gは回路遮断器の遮断容量とケースやカバーの強
度との兼ね合いから適切に設定する必要がある。
して、上記側壁間隔Gを容易に調整できるようにした実
施例を示すものである。補助側壁31は絶縁体14と同
質のモールド樹脂から成形され、左右に直立する一対の
側壁31aとこれらを開閉機構側(図17の右側)の下
部で連結する水平な連結板31bとからなり、側壁31
aの上端部にフック31cを備えている。補助側壁31
は図示の通り絶縁体14にその下方から挿入され、フッ
ク31cが側壁14aの内側上部の図示しない凹部に係
合することにより装着される。補助側壁31が装着され
た絶縁体14が固定接触子5に取り付けられると、補助
側壁31の連結板31bは固定接触子5の折り返し端部
5aの上面に接する。このような構成によれば、側壁3
1aの間隔Gを変えた補助側壁31を装着することによ
り、1種類の絶縁体14を用いて、個々の回路遮断器の
必要性能とケースやカバーの強度とに応じた最適な側壁
間隔Gを設定することができる。
下のような効果が得られる。 (1) グリッドの支持板と磁気駆動鉄心の絶縁部材とが一
体化されて構造が簡素となり、組立作業や部品管理が容
易となる。 (2) モールド樹脂からなる絶縁体は側壁の肉厚を十分に
取ることが可能なので、条溝を深くしてグリッドをその
中に収め、グリッドをアークから保護することができ
る。特に、条溝の周囲にグリッドに被さる張出部を一体
形成すれば、グリッドの露出面をなくしてアークによる
グリッドの損傷を完全に防止することが可能となる。 (3) グリッドは条溝に圧入するだけで固定でき、接着や
かしめ加工は不要なので組立工数が低減できる。 (4) グリッドを支持する絶縁体は内側空間が閉鎖的なの
で電流遮断時の内圧上昇が著しく、アークの絞り込み作
用によるアーク電圧の上昇が大きくなって優れた遮断性
能が得られる。 (5) 電流遮断時の内圧上昇が絶縁体により受け止められ
るので、モールドケースに対する圧力負荷が減り、その
耐圧設計条件が緩和される。 (6) 絶縁体の側壁肉厚を大きく取ることにより、絶縁体
とアークとを接近させて絶縁体から多量の消弧性ガスの
発生させ、アークの冷却効果を高めることができる。 (7) 可動接触子の移動経路を除いて側壁間を閉塞する遮
蔽壁を絶縁体の開閉機構側の端部に一体形成し、更に反
対側の端部に遮蔽板を装着すれば内圧上昇が顕著とな
り、アークの絞り込みによる消弧作用が一層高まる。 (8) 絶縁体へのグリッドの挿入は電源側及び負荷側のい
ずれの側からも可能であるが、電源側から挿入した場合
には絶縁体に装着した防護板で、また負荷側から挿入し
た場合には同じく絶縁隔壁でグリッドを押さえて固定を
確実にすることにより、交番磁界によるグリッドの振動
を有効に抑えることが可能となる。 (9) 絶縁体の側壁間空間の幅を固定接点付近から電源側
に向かってハ字状に広げれば、アークガスの圧力による
アークの電源側への移動が促進され、アークの滞留時間
が短縮されて固定接点の消耗が少なくなる。 (10)絶縁体の左右の側壁の内側に補助側壁を装着するこ
とにより、絶縁体の内部空間の幅を個々の回路遮断器の
必要性能とケースやカバーの強度にと合わせて適正に設
定することが容易となる。
部分の斜視図である。
ある。
ある。
側から見た要部斜視図である。
斜視図である。
心の斜視図である。
絶縁体の正面図、(B)はその縦断面図である。
絶縁体の正面図、(B)はその側面図である。
は正面図、(B)はその側面図である。
リッドの分解斜視図である。
(A)は正面図、(B)はB−B線に沿う断面図、
(C)はその背面図、(D)は(B)の平面図である。
(A)は正面図、(B)はその側面図である。
側面図である。
した絶縁体部分の斜視図である。
れに装着される補助側壁の斜視図である。
アークパワーAP との関係を模式的に示す線図である。
電源側半部の縦断面図である。
Claims (6)
- 【請求項1】固定接点が設けられた固定接触子の端部が
可動接触子に沿うようにU字状に折り返され、多段に積
み重ねられたグリッドを備えた消弧装置が前記可動・固
定接触子を囲んで配置された回路遮断器において、 互いに連結された左右一対の側壁を有する絶縁体をモー
ルド樹脂の一体成形により設け、この絶縁体の前記側壁
の対向面に、この側壁の電源側端面から負荷側端面の手
前まで条溝を多段に形成し、これらの条溝にそれぞれグ
リッドを挿入するとともに、前記グリッドを前記絶縁体
に装着した防護板で押さえて固定したことを特徴とする
回路遮断器。 - 【請求項2】固定接点が設けられた固定接触子の端部が
可動接触子に沿うようにU字状に折り返され、この折り
返し端部にU字形の磁気駆動鉄心が取り付けられるとと
もに、多段に積み重ねられたグリッドを備えた消弧装置
が前記可動・固定接触子を囲んで配置された回路遮断器
において、 互いに連結された左右一対の側壁を有する絶縁体をモー
ルド樹脂の一体成形により設け、この絶縁体の前記側壁
の対向面に、この側壁の電源側端面から負荷側端面の手
前まで条溝を多段に形成し、これらの条溝にそれぞれグ
リッドを挿入するとともに、前記グリッドを前記絶縁体
に装着した防護板で押さえて固定し、前記絶縁体を前記
側壁の底面に形成した凹部を介して前記磁気駆動鉄心の
脚部に被嵌したことを特徴とする回路遮断器。 - 【請求項3】電流遮断時に発生するアークガスを弁体の
弾性変形により排出するガス抜き弁を前記防護板に設け
たことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の回路遮
断器。 - 【請求項4】前記グリッドを挿入する条溝を前記絶縁体
の側壁の負荷側端面から電源側端面の手前まで形成し、
この条溝に挿入した前記グリッドを前記絶縁体に装着し
た絶縁隔壁で押さえて固定したことを特徴とする請求項
1又は請求項2記載の回路遮断器。 - 【請求項5】前記絶縁体の側壁間の空間の幅を固定接点
付近から電源側に向かってハ字状に広げたことを特徴と
する請求項1〜請求項4のいずれかに記載の回路遮断
器。 - 【請求項6】絶縁体の左右の側壁の内側に、これらの側
壁の間隔を調整する補助側壁を装着したことを特徴とす
る請求項1〜請求項5のいずれかに記載の回路遮断器。
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- 1995-06-07 JP JP16473395A patent/JP3216776B2/ja not_active Expired - Fee Related
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