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JP3284712B2 - 同期機のロータ構造および同期型モータ - Google Patents

同期機のロータ構造および同期型モータ

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JP3284712B2
JP3284712B2 JP30731293A JP30731293A JP3284712B2 JP 3284712 B2 JP3284712 B2 JP 3284712B2 JP 30731293 A JP30731293 A JP 30731293A JP 30731293 A JP30731293 A JP 30731293A JP 3284712 B2 JP3284712 B2 JP 3284712B2
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torque
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center
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徹也 三浦
康己 川端
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  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)
  • Synchronous Machinery (AREA)
  • Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)
  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、界磁磁石としての永久
磁石を回転子に備える同期型モータや同期発電機などの
同期機のロータ構造およびこのロータ構造を採用した同
期型モータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の同期機として同期型モー
タを例にとると、同期型モータでは、例えば特公昭62
−60906号公報に示すように、回転子の表面もしく
は内部に永久磁石を設け、固定子側のスロットに巻回さ
れたコイルにより回転磁界を発生させ、この相互作用に
より回転子を回転している。
【0003】また、図3に示すように、回転子A1の外
周に設けられた永久磁石A2の間の回転子鉄心部に突極
A3を設けたものが提案されている。この構成は、突極
A3により電機子電流によるq軸方向の磁束が回転子A
1の鉄心内を通り易くし、q軸のインダクタンスLqを
d軸のインダクタンスLdより大きくして、リラクタン
ストルク(反作用トルク)を有効利用しようとするもの
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】同期型モータの出力ト
ルクは、永久磁石の磁界によるマグネットトルクと前記
リラクタンストルクとを合成したものであるが、前記従
来の突極を有するものでは、両トルクのピーク時が一致
せず、このために、思うようなトルク増幅が図れなかっ
た。したがって、両トルクのピーク時を一致させて、モ
ータの出力トルクを増大したり、同一トルクにおいてモ
ータ形状を小型化する余地が、残されていた。
【0005】なお、こうした点は、同様の構成をとる同
期発電機でも同様であった。本発明は、永久磁石と突極
の位置関係を検討し、マグネットトルクとリラクタンス
トルクのピーク時を一致させることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
べく、前記課題を解決するための手段として、以下に示
す構成をとった。
【0007】即ち、本発明の同期機のロータ構造は、回
転子の外周に複数個の永久磁石を備えるとともに、該複
数個の永久磁石の間に透磁率の高い材料からなる突起形
状の突極を備えた同期機のロータ構造において、前記突
極を、該突極の中央が、前記永久磁石の中央より電気角
で45度以上90度未満の角度だけ前記回転子の回転方
向にずらした位置となるように配置したことを特徴とす
る。
【0008】前記永久磁石の中央と前記突極の中央との
なす角度は、好ましくは、電気角にして45度とするの
が良い。
【0009】本発明の同期型モータは、上述したロータ
構造の回転子を備える。なお、この同期型モータは、界
磁電流の位相を0にして最大トルクを得る制御手段を備
えた構成とするのが良い。本発明の同期機は、固定子巻
線を施した固定子と、該固定子の内側に回転可能に保持
される回転子とから構成され、前記回転子は、該回転子
の回転中心を中心とする同心円状に配置された複数個の
永久磁石と、該複数個の永久磁石の間に透磁率の高い材
料からなりリラクタンストルクを発生し得る部位とを備
える構造とすることで、マグネットトルクおよびリラク
タンストルクを利用可能とした同期機であって、前記回
転子は、前記リラクタンストルクを発生し得る部位を、
該部位の中央が、前記永久磁石の中央より電気角で45
度以上90度未満の角度だけ前記回転子の回転方向にず
らした位置となるように配置した構造であることを特徴
とする。
【0010】
【作用】永久磁石を用いた同期機として、同期電動機、
即ち同期型モータを例として説明すると、同期型モータ
の出力トルクは、マグネットトルクとリラクタンストル
クとの和により求められる。ここでは、従来技術の同期
型モータについて、まず説明する。同期型モータの出力
トルクTPRの変化を図5に示した。マグネットトルクT
mは図中1点鎖線に示すように cosθに比例して変化
し、リラクタンストルクTrは図中2点鎖線に示すよう
に sin2θに比例して変化する。この結果、両トルクT
m,Trの和である出力トルクTPRは、図中実線に示す
ように変化する。
【0011】マグネットトルクTmは0度でピークの値
をとり、リラクタンストルクTrは−45度でピークの
値をとることから、両トルクTm,Trの和である出力
トルクTPRは−45度より大きく0度未満の範囲でピー
ク値となる。この出力トルクTPRピーク値は、両トルク
Tm,Trのピーク時が相違することから、マグネット
トルクTmのピーク値とリラクタンストルクTrのピー
ク値とを加算した値より小さい。
【0012】翻って、請求項1に記載した本発明のロー
タ構造の回転子を備えた同期型モータは、永久磁石と突
のそれぞれの中央が電気角で45度以上90度未満の
角度だけずれる位置に配置されていることから、リラク
タンストルクTrの変化曲線を、図5に示す位置から、
ピーク値が電流位相θ=0度となる位置までの範囲で右
方向にらすことができる。この結果、リラクタンスト
ルクTrのピーク時をマグネットトルクTmのピーク時
側に移動して、両トルクTm,Trの和である出力トル
クTの最大値を図5に示した従来例よりも増大するよう
に働く。
【0013】請求項2に記載した本発明のロータ構造の
回転子を備えた同期型モータは、永久磁石の中央と突極
の中央とが電気角で45度だけずれる位置に配置されて
いることから、リラクタンストルクTrの変化曲線を、
図7に示すように、電流位相θ=0度でピーク値をとる
ように定める。
【0014】マグネットトルクTmは図7中1点鎖線に
示すように cosθに比例して変化し、リラクタンストル
クTrは図7中2点鎖線に示すように cos2θに比例し
て変化する。この結果、両トルクTm,Trのピーク時
は一致する。このため、両トルクTm,Trのピーク時
が一致する時点、即ちθが0度であるとき、マグネット
トルクTmのピーク値とリラクタンストルクTrのピー
ク値とを加算した最大の出力トルクTが得られる。した
がって、請求項3に記載の同期型モータは、出力トルク
を増大するように働く。なお、同期発電機の場合は、同
一のトルクで発電効率を高める。
【0015】請求項4に記載した本発明の同期型モータ
は、制御手段により界磁電流の大きさに無関係にその位
相を0に保持することにより、最大トルクを得るように
働く。請求項5に記載した本発明の同期機では、リラク
タンストルクを発生し得る部位の中央と永久磁石の中央
が電気角で45度以上90度未満の角度だけずれる位置
に配置されていることから、リラクタンストルクのピー
ク時をマグネットトルクのピーク時側に移行して、両ト
ルクの和である出力トルクの最大値を従来例よりも増大
するように働く。
【0016】
【実施例】以上説明した本発明の構成・作用を一層明ら
かにするために、以下本発明の好適な実施例について説
明する。
【0017】1.同期モータの構成 図1は、本発明の一実施例としての回転子20を組み込
んだ三相同期モータ10の構造を示す平面図、図2は、
その断面図である。
【0018】まず、図2を用いて、三相同期モータ10
の全体構造について説明する。この三相同期モータ10
は、固定子30と回転子20とこれらを収納するケース
40とからなる。回転子20は、その軸中心に設けられ
た回転軸22とケース40に設けられた軸受41,42
により回転自在に軸支されている。
【0019】回転子20は、無方向性電磁鋼板を打ち抜
いて成形したロータ24を複数枚積層したものである。
この回転子20は、図1に示すように、その外周の互い
に対向する2箇所に永久磁石26,27を備える。この
永久磁石26,27は、厚み方向に磁化されている。
【0020】さらに、ロータ24には、2箇所の突極5
1,52が形成されている。この突極51の位置は、永
久磁石26の配置された位置に対し回転子20の回転方
向(図1中、時計回り)に45度だけずらした位置とな
っている。ここで、このずらした45度という角度は、
永久磁石の数が一対であるから電気角において同じ45
度となる。また、もう一方側の突極52の位置は、同様
に永久磁石27の配置された位置に対し回転子20の回
転方向に45度だけずらした位置となっている。
【0021】ロータ24は、治具を用いて回転軸22の
軸方向に積層され、その後、回転軸22を圧入し、積層
したロータ24を仮止めする。この電磁鋼板を素材とす
るロータ24には、その表面に絶縁層と接着層が形成さ
れており、積層後所定温度に加熱して接着層を溶融・固
定することにより、回転子20が形成される。
【0022】一方、固定子30を構成するステータ32
は、ロータ24と同じく無方向性電磁鋼板の薄板を打ち
抜くことで形成されており、図1に示すように、計6個
のティース34を備える。ティース34間には、固定子
30に回転磁界を発生させるコイル36が巻回されてい
る(図2参照)。
【0023】固定子30は、板状のステータ32を積層
し互いに押圧した状態として、接着層を加熱・溶融する
ことで固定される。この状態で、コイル36をティース
34に巻回して固定子30を完成した後、これをケース
40に組み付ける。更に回転子20をケース40の軸受
41,42により回転自在に組み付けることにより、こ
の三相同期モータ10は完成する。
【0024】こうした構成の三相同期モータ10におい
て、固定子30のコイル36に回転磁界を発生するよう
に界磁電流を流すと、この回転磁界により固定子30の
突極51,52に磁気誘導による磁極を生じ、それが回
転磁界に引かれて回転する。この結果、回転子20は時
計回りの方向に回転する。
【0025】2.突極の位置 次に、突極51,52の位置について詳しく説明する。
この実施例では、突極51,52の位置は、永久磁石2
6,27の配置された位置に対し回転子20の回転方向
に電気角で45度だけそれぞれずらした位置となってい
るが、この位置は、どのような理由から定められたかを
以下詳述する。
【0026】永久磁石を用いた同期機の同期モータの出
力トルクTは、一般式として、次式(1)により求めら
れる。 T=Tm+Tr …(1) ここで、Tmは永久磁石の磁界Φmによるマグネットト
ルクであり、Trはリラクタンストルクである。Tm,
Trは、次式(2),(3)により求められる。
【0027】 Tm=P・Φm・Iq …(2) Tr=P(Ld−Lq)・Id・Iq …(3) ここで、Pは永久磁石の極対数、Lqはq軸インダクタ
ンス、Ldはd軸インダクタンス、Iq,Idは電機子
電流(界磁電流)の各軸成分である。なお、ここでは、
電機子電流のd軸成分は負の値をとるようにd軸の方向
が定められている。
【0028】(1)〜(3)式から、同期モータの出力
トルクTは次式(4)により求められる。
【数1】
【0029】ここで、従来の技術で説明した同期モータ
について説明をする。従来の同期モータは、永久磁石と
突極とが電気角で90度ずれる位置に配置されている。
このため、電機子電流の各軸成分Iq,Idは、図4の
電機子電流のベクトル図に示すように、電機子電流Iと
その方向θ(<0)とから次式(5),(6)に従う関
係を備える。 Id=Isinθ …(5) Iq=Icosθ …(6)
【0030】(4)〜(6)式から従来の同期モータの
出力トルクTPRは次式(7)により求められる。
【数2】
【0031】なお、sin2θ=2sinθ・cosθであるか
ら、次式(8)が導かれる。
【数3】
【0032】(8)式で求められる従来の同期モータの
出力トルクTPRの変化を図5に示した。(8)式のマグ
ネットトルクTmに関与する第1項の部分は、図中1点
鎖線に示すように cosθに比例して変化し、(8)式の
リラクタンストルクTrに関与する第2項の部分は、図
中2点鎖線に示すように sin2θに比例して変化する。
この結果、両トルクTm,Trの和である出力トルクT
PRは、図中実線に示すように変化する。
【0033】図5において、マグネットトルクTmは0
度でピークの値をとり、リラクタンストルクTrは−4
5度でピークの値をとることから、両トルクTm,Tr
の和である出力トルクTPRは−45度より大きく0度未
満の範囲でピーク値となる。この出力トルクTPRのピー
ク値は、両トルクTm,Trのピーク時が相違すること
から、マグネットトルクTmのピーク値とリラクタンス
トルクTrのピーク値とを加算した値より小さい。
【0034】翻って、本実施例の三相同期モータ10
は、永久磁石26,27と突極51,52とが電気角で
45度ずれる位置にそれぞれ配置されていることから、
マグネットトルクTmとリラクタンストルクTrとのピ
ーク時を一致させることができる。以下、その理由を説
明する。
【0035】永久磁石と突極とのなす角度を電気角にし
て45度ずらすということは、従来の同期モータにおけ
るその角度が90度となっている場合(図3参照)と比
較して、図6の模式図に示すように、q−d軸を回転子
の回転方向と逆の方向に45度だけ回転させることに他
ならない。この新たなq−d軸をq′−d′軸として図
6中に示した。こうしたことから、q′−d′軸上の電
機子電流の起磁力の方向はθをθ−π/4とすることに
よりq−d軸座標の値として求めることができる。従っ
て、(8)式中のθにθ−π/4を代入して変形するこ
とにより、本実施例の同期モータ10の出力トルクTは
次式(9)により求められる。
【0036】
【数4】
【0037】なお、(9)式において、Ld′,Lq′
は本実施例の同期モータ10のq軸インダクタンスおよ
びd軸インダクタンスである。
【0038】(9)式で求められる本実施例の同期モー
タ10の出力トルクTの変化を図7に示した。(9)式
のマグネットトルクTmに関与する第1項の部分は、図
中1点鎖線に示すように cosθに比例して変化し、
(9)式のリラクタンストルクTrに関与する第2項の
部分は、図中2点鎖線に示すように cos2θに比例して
変化する。この結果、両トルクTm,Trのピーク時が
一致することがわかる。
【0039】このため、両トルクTm,Trのピーク時
が一致する時点、即ちθが0度であるとき、図7中実線
に示す出力トルクTはマグネットトルクTmのピーク値
とリラクタンストルクTrのピーク値とを加算した値と
なる。従って、本実施例の同期モータ10では、従来例
に比べて、出力トルクTを増幅する。
【0040】3.従来例との比較 本実施例の同期モータ10の出力トルクは、従来例と比
べてどれほど増幅されるかを、次に説明する。まず、従
来の同期モータに関し、(8)式から出力トルクが最大
となる電流位相θを求める。この電流位相θは次式(1
0)により求められ、このときの最大トルクTPR(ma
x) は式(11)により求められる。
【0041】
【数5】
【0042】一方、本実施例の同期モータ10に関し、
出力トルクが最大となる電流位相θは0度であるから、
(9)式からこのときの最大トルクT(max) は式(1
2)により求められる。
【0043】
【数6】
【0044】(11),(12)式からT(max)/TP
R(max)が次式(13)により求められる。なお、ここ
では、本発明の同期モータと従来の同期モータとにおい
て磁界Φm,電機子電流Iはそれぞれ等しく、Ld′−
Lq′=Ld−Lq=△Lであるとした。
【0045】
【数7】
【0046】ここで、△L・I/2Φm=Yとすると、
T(max)/TPR(max)が次式(13)により求められ
る。
【数8】
【0047】(13)式で求められるT(max)/TPR
(max)の値の変化を図8に示した。この図から、Y
(=△L・I/2Φm)が負の値をとると、T(max)
/TPR(max)が値1.0より大きくなることがわか
る。ここで、IおよびΦmの値は正の値であり、また逆
突極性を示す同期機はLd<Lqの関係にあることか
ら、Yは必ず負の値をとる。従って、T(max)/TPR
(max)が値1.0より必ず大きくなり、本実施例の同
期モータ10の出力トルクは、従来の同期モータに比べ
て大きいことがわかる。そして、その大きさの差は△L
・I/Φmに応じて図8に示すように変化する。
【0048】図9は、従来の同期モータにおける出力ト
ルクTPRの変化を電機子電流Iの大きさに応じて示すグ
ラフである。この図から判るように、出力トルクTPRが
最大となる電流位相値θは、電機子電流Iの大きさに応
じて点P1,P2,…,Pnというように変化する。な
お、この点P1,P2,…,Pnは、前述した(10)
式から求まる電流位相θを示している。従って、従来の
同期モータの電流制御においては、電流位相θを電機子
電流Iの大きさに応じて、点P1,P2,…,Pnとい
うように最適に制御することにより最大の出力トルクが
得られる。
【0049】図10は、本実施例の同期モータ10にお
ける出力トルクTの変化を電機子電流Iの大きさに応じ
て示すグラフである。この図に示すように、出力トルク
TPRのピークは点Q1,Q2,…,Qnであり、そのと
きの電流位相θは常に値0である。従って、この実施例
の同期モータ10の電流位相制御においては、電流位相
θを0に制御することにより最大の出力トルクが得られ
る。
【0050】4.制御部の構成 同期モータ10の電機子電流の位相を0に制御して最大
トルク制御を行なう制御部について、次に説明する。図
11は、本実施例の同期モータ10に備えられる制御部
70の概略構成図である。同図に示すように、この制御
部70は、トルク−電流変換部71,演算回路73およ
びPWMインバータ75を備える。トルク−電流変換部
71は、上位のコントローラから送られてきたトルク信
号Tを入力して、トルク信号Tを電機子電流の各軸成分
Id,Iqに変換するもので、詳しくは、電機子電流の
位相を0度として電機子電流のd軸成分Idを値0とす
るとともに、前述した(9)式の関係に基づいてトルク
Tから電機子電流Iを求めてこの値をIqとし、これら
Id,Iqを出力する。
【0051】電機子電流の各軸成分Id,Iqは演算回
路73に送られ、同期モータ10に設けられた回転セン
サ77からの位相信号θを受けて、各種の固定子巻線の
電流を界磁磁束に対して適正位置(位相)に制御する。
そして、演算回路73から出力された各相電圧指令Vu
*,Vu*,Vu* をPWMインバータ75により三相交
流電圧Vu,Vu,Vu として同期モータ10に印加
する。
【0052】なお、上記構成において上位のコントロー
ラから送られてくるトルク信号Tは、例えば電気自動車
においては、アクセルペダルの操作量に応じた大きさで
あり、アクセルペダルの操作量に応じた出力トルクで同
期モータ10は回転する。
【0053】5.実施例の効果 以上詳述したように、本実施例の同期モータ10は、そ
の出力トルクを従来の同期モータに比べて大きくするこ
とができる。こうした結果、本実施例の同期モータ10
は、同一トルクを得るのであれば、モータ形状を小さく
かつ軽量にすることが可能となる。このことは、実施例
の三相同期モータ10を搭載した機器、例えば電気自動
車の性能(走行距離、最高時速など)を向上できること
を意味する。さらに、モータの効率が高まり、省エネル
ギに資すると共に、効率が改善された分だけ発熱を抑え
ることができる。
【0054】また、本実施例の同期モータ10に備えら
れる制御部70は、電機子電流の位相を0に制御して最
大トルク制御を行なう構成であることから、位相を0に
保持して電機子電流のq軸成分Iqのみを制御すれば足
り、比較的制御の難しい逆突極性を有しつつも極めて容
易な制御性が得られる。
【0055】なお、本実施例では、突極51の位置は、
永久磁石26の配置された位置に対し回転子20の回転
方向に45度だけずらした位置となっているが、これに
換えて、45度以上90度未満の角度としてもよい。こ
の構成によれば、その角度を90度とした従来の構成と
比較して、リラクタンストルクのピーク時をマグネット
トルクのピーク時に近づけることができ、その出力トル
クを従来の同期モータに比べて大きくすることができ
る。
【0056】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明はこうした実施例に何等限定されるものではな
く、例えば、回転子の外周に設けられる永久磁石の数を
2対とし、突極とのなす角度を回転子の回転方向に2
2.5度の角度とした構成や、さらに永久磁石の数を増
やした構成や、同期発電機に適用した構成など、本発明
の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる態様で実
施し得ることは勿論である。なお、本発明にかかるモー
タを電気自動車等に用いる場合、モータ回転方向を一定
方向とし、ギヤ等の組み合わせによる回転方向切り換え
手段を用いて車両の前後進を行なわせるとより効果的で
ある。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように本発明の同期機のロ
ータ構造では、マグネットトルクとリラクタンストルク
のピーク時が一致した同期機を容易に製造することがで
きる。また、本発明のロータ構造を採用した同期型モー
および本発明の同期機は、その出力トルクを大きくす
ることができる。従って、同一トルクなら形状を小さく
できる上、モータとしての効率を高め、省エネルギに資
することもできる。また、このモータを搭載した機器の
各種性能の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である三相同期型モータの構
造を示す平面図である。
【図2】実施例の回転子20を組み込んだ三相同期モー
タ10の構造を示す断面図である。
【図3】従来の同期モータの構造を模式的に示す説明図
である。
【図4】電機子電流のベクトル成分を示す説明図であ
る。
【図5】従来の同期モータの出力トルクTPRの変化を示
すグラフである。
【図6】実施例の同期モータの構造を模式的に示す説明
図である。
【図7】実施例の同期モータ10の出力トルクTの変化
を示すグラフである。
【図8】従来の出力トルクのピーク値と実施例の出力ト
ルクのピーク値との比率の変化を示すグラフである。
【図9】従来の同期モータにおける出力トルクTPRの変
化を電機子電流Iの大きさに応じて示すグラフである。
【図10】実施例の同期モータ10における出力トルク
Tの変化を電機子電流Iの大きさに応じて示すグラフで
ある。
【図11】本実施例の同期モータ10に備えられる制御
部70の概略構成図である。
【符号の説明】
10…三相同期モータ 20…回転子 22…回転軸 24…ロータ 26,27…永久磁石 30…固定子 32…ステータ 34…ティース 36…コイル 40…ケース 41,42…軸受 51,52…突極 70…制御部 71…電流変換部 73…演算回路 75…PWMインバータ 77…回転センサ I…電機子電流 Id…d軸成分 Iq…q軸成分 Ld…インダクタンス Lq…インダクタンス TPR,T…出力トルク Tm…マグネットトルク Tr…リラクタンストルク Φm…磁界 θ…電流位相
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 1/17,1/24 H02K 1/27 - 1/27 503 H02K 15/03 H02K 19/00 - 19/38

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転子の外周に複数個の永久磁石を備え
    るとともに、該複数個の永久磁石の間に透磁率の高い材
    料からなる突起形状の突極を備えた同期機のロータ構造
    において、 前記突極を、該突極の中央が、 前記永久磁石の中央より電気角で45
    度以上90度未満の角度だけ前記回転子の回転方向にず
    らした位置となるように配置したことを特徴とする同期
    機のロータ構造。
  2. 【請求項2】 前記永久磁石の中央と前記突極の中央
    のなす角度が電気角にして45度である請求項1記載の
    同期機のロータ構造。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のロータ構造の回
    転子を備えた同期型モータ。
  4. 【請求項4】 界磁電流の位相を0にして最大トルクを
    得る制御手段を備えた請求項3記載の同期型モータ。
  5. 【請求項5】 固定子巻線を施した固定子と、該固定子
    の内側に回転可能に保持される回転子とから構成され、
    前記回転子は、該回転子の回転中心を中心とする同心円
    状に配置された複数個の永久磁石と、該複数個の永久磁
    石の間に透磁率の高い材料からなりリラクタンストルク
    を発生し得る部位とを備える構造とすることで、マグネ
    ットトルクおよびリラクタンストルクを利用可能とした
    同期機であって、 前記回転子は、前記リラクタンストルクを発生し得る部位を、 該部位の中央が、前記永久磁石の中央より電気角で45
    度以上90度未満の角度だけ前記回転子の回転方向にず
    らした位置となるように配置した 構造である、同期機。
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