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JP3267914B2 - 電子レンジ加温用中華まん類の製造方法 - Google Patents

電子レンジ加温用中華まん類の製造方法

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JP3267914B2
JP3267914B2 JP34107397A JP34107397A JP3267914B2 JP 3267914 B2 JP3267914 B2 JP 3267914B2 JP 34107397 A JP34107397 A JP 34107397A JP 34107397 A JP34107397 A JP 34107397A JP 3267914 B2 JP3267914 B2 JP 3267914B2
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JP
Japan
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water
chinese
heating
soluble hemicellulose
microwave oven
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博樹 成松
裕一 前田
知子 鍛冶
彰宏 中村
陽子 佐藤
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Fuji Oil Co Ltd
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Fuji Oil Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子レンジ加温用中
華まん類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の中華まんは、これを冷蔵乃至冷凍
保存した後、食するに際して電子レンジで加温すると、
非常に引きが強く、歯切れの悪い食感となるばかりでな
く、冷めるに従い急激に硬化して収縮し表面にしわが出
来る等の欠点があった。このような欠点を改善する方法
として、例えば特開平4-287669号公報には中華まんの肉
あんに寒天ゼリ−を混入した電子レンジ用冷凍中華まん
が開示されている。また、特開平3-22941 号公報には植
物繊維の粉末を混入した事を特徴とする電子レンジ加熱
に適する冷凍中華まんが開示されている。
【0003】しかしながら、これらの方法は中華まんの
配合変更やゼリ−等の添加であるため、電子レンジ加温
による中華まんの変質はある程度解決できても、本来の
風味或いは食感が変わってしまう。その上、作業の煩雑
さが欠点として残り、電子レンジ加温直後は比較的良好
であっても、冷めるに従って固くなるというその後の経
時的な食感あるいは外観の変化については考慮されてお
らず、上記課題の充分な解決法とは言えないのが現状で
ある。
【0004】
【発明が解決すべき課題】本発明は電子レンジ加温後の
食感の引き、表面のしわ及び経時的な硬化、収縮等の欠
点を解決した、外観、風味及び食感の良好な電子レンジ
加温用中華まん類の製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、如上の課
題の解決を志向して鋭意研究した結果、水溶性ヘミセル
ロースを添加することにより、中華まんの本来の風味、
食感を変えることなく電子レンジ加温後の引き、しわ、
硬化、収縮等を改良し得るとの知見を得た。本発明は以
上の知見に基づいて完成されたものである。
【0006】即ち本発明は、中華まん生地原料に大豆由
来の水溶性ヘミセルロースを添加し、常法により蒸し上
げた後、冷蔵乃至冷凍することを特徴とする電子レンジ
加温用中華まん類の製造方法、である。
【0007】本発明における水溶性ヘミセルロースは油
糧種子や穀類由来のもの、特に豆類、中でも大豆由来の
ものが好ましい。
【0008】上記の水溶性ヘミセルロースは平均分子量
(標準プルラン(昭和電工株式会社販売)を標準物質と
して0.1MのNaNO3 溶液中の粘度を測定する極限粘度法に
より求めた値)が5万〜100 万、好ましくは10万〜40万
であって、水に可溶な植物由来のヘミセルロースであ
る。
【0009】また、上の水溶性ヘミセルロースは構成糖
がラムノース、フコース、アラビノース、キシロース、
ガラクトース、グルコース及びウロン酸からなるものが
適当である。しかし、平均分子量あるいは植物の種類に
よってはラムノース、フコースの何れか一方又は両方と
も無いものや、マンノース、フラクトースを含むものも
適している。なお、ウロン酸の測定はBlumenkrantz法に
より、中性糖の測定はアルジトールアセテート化した後
GLC により測定されたものである。
【0010】水溶性ヘミセルロースは、ヘミセルロース
を含む原料から水抽出や、場合によっては酸、アルカリ
条件下で加熱溶出させるか、酵素により分解溶出させる
ことが出来る。水溶性ヘミセルロース製造法の一例を示
すと以下のようである。
【0011】即ち、大豆の油脂や蛋白質を除去した殻を
原料とすることが出来、大豆から豆腐や、豆乳、分離大
豆蛋白を製造するときに副生するオカラを利用すること
ができる。
【0012】これらの原料を酸性乃至アルカリ性の条件
下、好ましくは各々の蛋白質の等電点付近のpHで、好ま
しくは130 ℃以下80℃以上、より好ましくは130 ℃以下
100℃以上にて加熱分解し、水溶性画分を分取した後、
そのまま乾燥するか、好ましくは活性炭処理若しくは樹
脂吸着処理或いはエタノール沈殿処理を行って疎水性物
質或いは低分子物質を除去した後、乾燥することによっ
て、所望の水溶性ヘミセルロースを得ることができる。
【0013】本発明においては、以上の水溶性ヘミセル
ロースを中華まん原料の小麦粉100重量部に対して0.1
〜5重量部、好ましくは0.3 〜2.0 重量部の割合で添加
することにより効果を得ることができる。下限未満では
効果が得られず、上限を越えると蒸す前の生地が弱くな
り又食感、風味も悪くなる。
【0014】なお、中華まん類を製造するに際して水溶
性ヘミセルロースは、予め原料である小麦粉に添加して
おくか、あるいは他の原料と一緒に添加し混合すればよ
く、後は常法どおりにして製造することができる。
【0015】本発明における中華まん類は、いわゆる豚
マン、餡マン、ピザマン、カレーマンあるいはこれに類
似して蒸し上げる各種饅頭類が例示でき、本発明は特に
冷蔵乃至冷凍温度域において販売流通される食品に有効
である。これらの食品は、一度蒸し上げたものを冷蔵乃
至冷凍保存し、食する前に電子レンジで加温乃至加熱す
るという、蒸し上げ済みの饅頭類である。
【0016】
【実施例】以下、実施例により本発明の実施態様を説明
するが、これは例示であって本発明の精神がこれらの例
示によって制限されるものではない。
【0017】実施例1〜2 ○水溶性ヘミセルロースの調製 分離大豆蛋白製造工程において得られた生オカラに2倍
量の水を加え、塩酸にてpHを4.5 に調整し、120 ℃で1.
5 時間加水分解した。冷却後遠心分離(10000G×30分)
し、上澄と沈澱部に分離した。こうして分離した沈澱部
を更に等重量の水で水洗し、遠心分離して得た上澄を先
の上澄と一緒にした後、活性炭カラム処理をし、乾燥し
て水溶性ヘミセルロースを得た。性状は以下の通り。
【0018】 水溶性ヘミセルロースの成分組成(重量% ) ───────────────────── 水分 5.71 粗蛋白質 1.93 粗灰分 5.29 炭水化物含量 87.07 ───────────────────── 平均分子量 178,000
【0019】 水溶性ヘミセルロースの糖組成(重量% ) ───────────────────── ウロン酸 20.4 ラムノース 1.6 フコース 2.7 アラビノース 19.9 キシロース 6.4 ガラクトース 47.3 グルコース 1.8 ─────────────────────
【0020】以下の中華まん配合および工程により中華
まんを製造した。 配合(重量部) ─────────────────────────────────── 実施例 実施例 比較例 比較例 原料 1 2 1 2 ─────────────────────────────────── 強力小麦粉 40 40 40 40 薄力小麦粉 60 60 60 60 砂糖 15 15 15 15 食塩 0.5 0.5 0.5 0.5 ベーキングパウダー 1.0 1.0 1.0 1.0 イースト 2.5 2.5 2.5 2.5 マーガリン 8 8 8 8 水 54 54 54 54 水溶性ヘミセルロース 1.0 0.5 0.08 − ───────────────────────────────────
【0021】○中華まん製造工程 ・ミキシング :低速5分、中速1分(捏上温度26
℃) ・ミキシングはオ−ルインミックス法 ・醗酵室温/湿度 :28℃/70% ・フロアタイム:20分 ・分割重量:60g ・ベンチタイム:10分 ・成形 包餡 :中華具材,30g ・ホイロ温度/湿度:35℃/60% ・蒸し時間:12分 ・蒸し温度:103℃ なお、工程中水溶性ヘミセルロース添加による生地の状
態は良好であった。
【0022】以上の配合および工程にて中華まんを製造
し、これを冷凍にて10日間保存後、電子レンジにて加
温した。電子レンジ加温は、500W,4分30秒で行
い加温後10分後の状態、食感を評価した。
【0023】 ○評価 ─────────────────────────────────── 評価項目 実施例1 実施例2 比較例1 比較例2 ─────────────────────────────────── 焼成前の生地状態 4 4 4 4 電子レンジ加温後の状態 外観(収縮(しわ)) 4 4 4 4 食感(歯切れ,引き) 5 4 3 3 風味 4 4 4 4 経時変化(10分後の硬さ) 5 4 2 2 ─────────────────────────────────── 注)5:極めて良好、4:良好、3:普通、2:あまり良くない、1:明らかに 良くない。
【0024】比較例3 実施例1に準じ、水溶性ヘミセルロースを使用する代わ
りに水不溶性食物繊維を使用し、以下の中華まんの配合
にて製造し、同様に評価した。
【0025】 ○中華まん配合 ─────────────────────────────────── 実施例 比較例 比較例 原料 1 1 3 ─────────────────────────────────── 強力小麦粉 40 40 40 薄力小麦粉 60 60 60 砂糖 15 15 15 食塩 0.5 0.5 0.5 ベーキングパウダー 1.0 1.0 1.0 イースト 2.5 2.5 2.5 マーガリン 8 8 8 水 54 54 54 水溶性大豆ヘミセルロース 1.0 − − 植物繊維* − − 1.6 ───────────────────────────────────
【0026】*食物繊維:プロプラス500N(商品
名,不二製油(株)製),炭水化物含量:55.5重量
% 、植物繊維の配合量は、水溶性ヘミセルロースの炭水
化物含量(87.07%)と等しくなるように調整して
添加した。
【0027】 ○評価 ─────────────────────────────────── 評価項目 実施例1 比較例1 比較例3 ─────────────────────────────────── 焼成前の生地状態 4 4 3 電子レンジ加温後の状態 外観(収縮(しわ)) 4 4 4 食感(歯切れ,引き) 5 3 3 風味 4 4 4 経時変化(10分後の硬さ) 5 2 2 ─────────────────────────────────── 注)5:極めて良好、4:良好、3:普通、2:あまり良くない、1:明らかに 良くない。
【0028】以上に示すように、実施例1で得たもの
は、比較例1〜3と比較して電子レンジ加温後の外観
(水分の飛散によるしわの有無等)、食感(歯切れ、引
き等)、風味及び経時変化(収縮、硬化等)が改良され
ており、目的とする食感(歯切れ、引き等)、経時変化
において硬化することのない良好なものが得られた。
【0029】
【発明の効果】以上のように、本発明の方法によれば電
子レンジ加温により生じる歯切れや引き、経時的な収
縮、硬化等といった欠点を解決することができ、外観、
風味、及び食感共に良好な電子レンジ加温に適した中華
まん類を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 陽子 大阪府泉佐野市住吉町1番地 不二製油 株式会社阪南工場内 審査官 平田 和男 (56)参考文献 食品と開発,27(9),(1992)p. 47−49 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/48 A21D JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中華まん生地原料に大豆由来の水溶性ヘミ
    セルロースを添加し、常法により蒸し上げた後、冷蔵乃
    至冷凍することを特徴とする電子レンジ加温用中華まん
    類の製造方法。
  2. 【請求項2】大豆由来の水溶性ヘミセルロースを中華ま
    ん生地原料の小麦粉100重量部に対して、0.1〜
    5.0重量部の割合で添加する、請求項1記載の製造方
    法。
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EP98310093A EP0922389B1 (en) 1997-12-11 1998-12-09 Process for producing flour-containing foods for microwave oven heating
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WO2014103833A1 (ja) 2012-12-26 2014-07-03 不二製油株式会社 水溶性エンドウ多糖類からなる小麦主体食品の物性改良剤

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食品と開発,27(9),(1992)p.47−49

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