JP3257509B2 - 低シリカフォージャサイト型ゼオライトおよびその製造方法 - Google Patents
低シリカフォージャサイト型ゼオライトおよびその製造方法Info
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Description
能、特に窒素吸着性能に優れ、酸素と窒素の混合ガスか
ら吸着法によって酸素を分離濃縮するゼオライト吸着分
離剤の母剤として有用な、SiO2/Al2O3モル比が
1.9〜2.1の低シリカフォージャサイト型ゼオライ
ト及びその製造方法に関する。
2.1の低シリカフォージャサイト型ゼオライト(以
下、「LSX」という)の製造方法については種々の方
法が開示されている。例えば、特開昭53−8400号
公報にはナトリウム、カリウム、アルミネート、及びシ
リケートを含む混合物を50℃以下の温度で結晶化する
か、あるいは50℃以下の温度で15時間から72時間
と極めて長い時間熟成し、ついで60〜100℃の温度
範囲で結晶化する方法が開示されている。
er,451〜457頁(1987年)には、原料のS
iO2/Al2O3モル比、K/(Na+K)のモル比、
アルカリ濃度、熟成条件、結晶化条件が低シリカフォー
ジャサイト型ゼオライトの生成に与える影響について詳
細に開示されており、熟成・結晶化はシールされたプラ
スチック容器で行われている。
ナトリウム、カリウム、アルミネートを含む混合物とシ
リケートを含む混合物を4〜12℃という低温で混合、
ゲル化し、次いでこのゲルを36℃で48時間熟成した
後、70℃に昇温し結晶化する方法が開示されており、
最終混合における冷却及び過大な機械的エネルギー発生
の回避が重要であると明示されている。
ゼオライトの製造は、ナトリウム、カリウム、アルミネ
ートを及びシリケートを含む溶液を低温で混合し、ゲル
化させた後は、静置状態で長時間熟成し、さらに静置状
態で結晶化温度まで昇温・結晶化することが必須の条件
であると考えられてきた。しかし、原料を低温まで冷却
することは工業的に不利であり、さらに、ゲルは伝熱特
性が極めて悪いために、大規模での合成においては静置
状態で温度の均一化に非常に長時間を必要とするという
困難さがあった。
記載の背景において、高純度なLSX提供することにあ
り、また、高純度なLSXを短時間に合成する方法、特
に高純度なLSXを大規模で短時間に製造する方法を提
供することにある。
LSXを大規模に、連続的かつ安定的に合成する方法に
ついて鋭意検討した結果、以下の点を見い出し本発明を
完成するに至った。すなわち、アルミネートを含む溶液
とシリケートを含む溶液を混合し、ゲル化し、その後、
熟成、結晶化を行うことによりSiO2/Al2O3モル
比が1.9〜2.1のLSXを製造する方法において、
生成するLSXとは別にゼオライトを反応容器に加える
ことで熟成に要する時間を短縮でき、このために極めて
短時間でしかも高純度でかつ独特の一次粒子径の分布を
持ったLSXを合成することができ、この方法はLSX
を大規模に製造することもできることを見い出した。さ
らに、これらの加えられるゼオライトの内でもフォージ
ャサイト型ゼオライトやA型ゼオライトを加えることで
その効果が顕著となり、また、加える時期としても、ア
ルミネートを含む溶液とシリケートを含む溶液を混合後
のゲル化時、あるいは生成したLSXを熟成する際にゼ
オライトを加えることでよりいっそう効果的となること
を見出した。そのうえ、上記したゼオライトによるLS
Xの生成促進効果が、従来の知見「熟成及び結晶化は静
置あるいは静置に近い状態で行う」こととはまったく逆
の傾向、すなわち熟成時の撹拌が強力であるほどLSX
が生成しやすくなり、従来技術では不可能とされていた
短時間の熟成時間でLSXを得ることが可能となること
を見いだし、さらに、従来技術では不可能とされていた
高濃度での合成が可能となることを見いだした。
サイト型ゼオライトのSiO2/Al2O3モル比は理論
的には2.0であるが、化学組成分析の測定上の誤差等
を考慮した場合、1.9〜2.1の組成の低シリカフォ
ージャサイト型ゼオライトが本発明の範囲に入ることは
明らかである。
する方法において、生成するLSXとは別に加えられる
ゼオライトを単にゼオライトあるいは加えられるゼオラ
イトと表現される。
度なかつ一次粒子径に特徴があるLSXに関する。すな
わち、X線回折法においてフォージャサイト単相であ
り、SiO2/Al2O3モル比が1.9〜2.1、Na
型としたときの水分吸着量が35.0%以上であり、か
つ、一次粒子径が小さい粒子と大きい粒子から成り、そ
の小さい粒子の一次粒子径が1μm以上8μm以下、大
きい粒子の一次粒子径が5μm以上15μm以下であ
り、粒子径の小さい粒子が粒子全体の個数の90%以上
を占めることを特徴とする高純度低シリカフォージャサ
イト型ゼオライトである。
法を用いることは一般的に行われている。LSXの合成
時に副生する不純物としてはA型ゼオライトやソーダラ
イト、Breck「Zeolite Molecula
r Sieves」Krieger1974の144ペ
ージに示されているF型ゼオライト、356ページに示
されているE型ゼオライト等がある。本発明における高
純度なLSXの特徴の一つは、X線回折法においてフォ
ージャサイト単相であり、上記した不純物を含まないこ
とにある。
量の不純物が複数存在する場合は、若干の純度の低下が
あってもX線回折法では不純物のピークが現れないた
め、X線回折においてフォージャサイト単相であること
は、純度が高いことを特徴づけるための必要条件の1つ
にすぎない。
オライトの種類とそのカチオンの種類により一定の値を
示す。例えば、ナトリウム型のA型ゼオライトではゼオ
ライト100gに対し28gの水を吸着し、ナトリウム
型のF型ゼオライトではゼオライト100gに対し27
gの水を吸着する。一方、ナトリウム型のLSXは、ゼ
オライト100gに対し36gの水を吸着し、不純物と
して生じやすいゼオライトよりも水分吸着量が多い。従
って、合成したLSXは水分吸着量をもとに純度を推定
することが可能である。本発明における高純度なLSX
は、X線回折においてフォージャサイト単相であるだけ
でなく、Na型としたときの水分吸着量が35.0%以
上、より好ましくは35.5%以上の値を示すことが特
徴である。
ゼオライトの最小単位である一次粒子単独、あるいは複
数の一次粒子が凝集した二次粒子で存在する。一般にゼ
オライトの一次粒子はその種類によって形状が決まって
いる。例えばA型ゼオライトであれば立方体であり、ま
た、フォージャサイト型ゼオライトでは8面体あるいは
球状でかどが発達した多面体の形状をしている。
に分布をもっている。分布を持った粒子から平均粒子径
を求める方法としては、たとえば、三輪茂雄著「粉体工
学通論」1981年日刊工業新聞社発行1〜30ページ
に詳細に述べられている。本発明における一次粒子径と
は、SEMで観察されるフォージャサイト型ゼオライト
の一次粒子を球に近似しその直径の個数平均粒子径で表
現される。
けでなく、その独特な一次粒子径に特徴がある。本発明
におけるLSXは、一次粒子径が小さい粒子と大きい粒
子径から成り、その小さい粒子が1μm以上8μm以
下、大きい粒子が5μm以上15μm以下であり、それ
ぞれが一つのピークを持ち、小さい粒子が粒子全体の個
数の90%以上を占めることに特徴がある。
粒子径の大きさの大小、分布が広い狭い等の違いはある
ものの、ピークは1つであり、異なる2つの分布を持っ
たLSXとはならず、本発明の高純度なLSXとは異な
る一次粒子径分布を示す。
来のLSXとは異なる一次粒子径を持つLSXが得られ
る原因は不明であるが、合成プロセス、すなわち、アル
ミネートを含む溶液とシリケートを含む溶液を混合し、
ゲル化し、その後、熟成、結晶化を行う方法において、
生成するゼオライトとは別に熟成終了までにゼオライト
を加えることにより合成されたことに由来するものと推
定される。
トを含む溶液とシリケートを含む溶液を混合し、ゲル化
し、その後、熟成、結晶化を行うことによりSiO2/
Al2O3モル比が1.9〜2.1の低シリカフォージャ
サイト型ゼオライトを製造する方法において、生成する
ゼオライトとは別に熟成終了までにゼオライトを加える
ことを特徴とする低シリカフォージャサイト型ゼオライ
トの製造方法である。
とシリケートを含む溶液を混合、ゲル化、熟成し、結晶
化を行いLSXを製造する方法としては、ナトリウム、
カリウム、アルミネート及びシリケートの各イオンを含
有する溶液を、ゲル化開始後の粘度を10〜10000
cpになるように保ち熟成し、その後結晶化を行う方
法、あるいは、アルミネートを含む溶液とシリケートを
含む溶液を20〜60℃の温度で混合、ゲル化して、ゲ
ル化開始後粘度が10〜10000cpのスラリーを調
製した後、熟成し、その後結晶化を行う方法を用いるこ
とが望ましい。なぜならば、この方法以外ではLSXを
工業的に有利で規模の拡大が容易な条件で合成すること
が困難であるためである。
ために検討を加えた結果、上記した方法において、生成
するLSXとは別にゼオライトを反応容器に加えること
で、驚くべきことに、極めて短時間でかつ高純度なLS
Xを合成することができることを見いだした。
特にその組成は限定されるものではなく、SiO2/A
l2O3モル比が1.9〜2.1であるLSX、SiO2
/Al2O3モル比が2.5前後のX型ゼオライト、Si
O2/Al2O3モル比が3.0以上のY型ゼオライトい
ずれも用いることができる。
おいて加える時期としては、ゲル化終了後ないし生成し
たゲルを熟成する際の熟成工程の初期にゼオライトを加
える。さらに本発明者らは加えられるフォージャサイト
型ゼオライトの量に関し詳細に検討を行った結果、その
量は驚くべきことに極めて少量でよく、生成するLSX
に対し、0.001重量%以上であればその効果を有す
ることが判明した。さらに、フォージャサイト型ゼオラ
イトの存在量が多いほど、より短時間の熟成時間で高純
度のLSXを合成することが可能となることを見いだし
た。しかし、工業的にLSXを生産することを考えた場
合、多量のフォージャサイト型ゼオライトを存在させる
ためには大がかりな投入設備が必要となるために現実的
ではなく、加えられるフォージャサイト型ゼオライトの
量としては、0.001〜10重量%の範囲が好まし
い。ここで、生成するLSXとは、アルミネートを含む
溶液とシリケートを含む溶液を混合する際のアルミネー
トとシリケートの量から100%のLSXが生成すると
仮定して導かれる理論量である。
し詳細に検討を行った結果、その量は驚くべきことに小
量でよく、生成するLSXに対し、0.001重量%以
上であればその効果を有することが判明した。さらに、
A型ゼオライトの存在量が多いほど、より短時間の熟成
時間で高純度のLSXを合成することが可能となること
を見いだした。しかし、熟成時に存在したA型ゼオライ
トは生成したLSXに含まれることになるため、多量の
A型ゼオライトを存在させることは最終的に得られるL
SXの純度がA型ゼオライトの存在量の分だけ低下する
ことになるため好ましくなく、加えられるA型ゼオライ
トの量としては、0.001重量%以上1重量%未満の
範囲が好ましい。
る方法としては特に限定されず種々の方法を用いること
ができる。例えば、原料であるアルミネートを含む溶液
やシリケートを含む溶液のどちらか一方あるいは両方に
あらかじめゼオライトを加えておき、ゲル化を行いその
後熟成する方法や、あらかじめ反応容器にゼオライトを
加えておきアルミネートを含む溶液とシリケートを含む
溶液を混合する方法が例示される。また、連続してLS
Xを合成する場合には、反応容器に前回生成したLSX
を一部残しておき、その容器を用いてアルミネートを含
む溶液とシリケートを含む溶液を混合する方法も可能で
ある。
因は不明であるが、上記した方法よりも、アルミネート
を含む溶液とシリケートを含む溶液を混合、ゲル化した
後に、ゼオライトを添加することがより効果的に高純度
のLSXを得ることが出来ることを見いだした。
は、特に限定されず、これらの粉末を直接添加してもよ
く、また、水等に分散させた後添加してもよい。また、
LSXを連続合成する場合においては、既に合成したL
SXを含むスラリーの一部を別の容器に保存しておき、
ゲル化後に添加してもよい。
で行ってもよいが、本発明の主旨、すなわち、高純度の
LSXを短時間の熟成時間で得るためには撹拌状態で行
うことが必要である。静置状態で熟成を行った場合、従
来技術で得られていた程度の純度のLSXを得るために
は、従来技術で必要とされてきた熟成時間が必要となる
ためである。従来の知見では熟成及び結晶化は静置ある
いは静置に近い状態で行うことが必要と考えられてき
た。ところが、本発明においてはこの知見とはとはまっ
たく逆の傾向、すなわち熟成時の撹拌が強力であるほど
LSXが生成しやすくなり、従来技術では不可能とされ
ていた短時間の熟成時間でLSXを得ることが可能とな
る。本発明において熟成時の撹拌は一般に知られている
プロペラやタービン、パドルといった撹拌羽根を用いて
行うことができる。撹拌は強力であればあるほどよく、
最低でも反応槽中にスラリーの停滞部分があると好まし
くない。具体的な撹拌の強さとしては、化学工学で定義
されている「スラリー単位体積当たりの撹拌所要動力:
単位kW/m3」を用いて表現することができ、最低で
も0.1kW/m3以上の撹拌の強さが必要であり、好
ましくは0.2kW/m3以上、より好ましくは0.4
kW/m3以上、さらに好ましくは化学工学において強
い撹拌と呼ばれている0.8kW/m3以上の撹拌を行
うことが望ましい。また、撹拌は強ければ強いほうがよ
いが、強い撹拌を行うためには強力なモーターが必要と
なるため、例えば、工業的に可能な3.0kW/m3程
度をスラリー単位体積当たりの撹拌所要動力の上限とし
て例示することができる。
するLSXの純度及び加えるゼオライトの種類とその
量、添加のタイミング、熟成時の撹拌強度等により変化
するため一義的に決めることはできないが、本発明の主
旨、すなわち、高純度なLSXを短時間に合成する方法
を提供することより考えた場合、長時間の熟成時間は意
味がなく、少なくとも24時間以下であることが好まし
く、より好ましくは15時間以下、さらに好ましくは1
2時間以下の熟成時間とすることがよい。また、驚くべ
きことに本発明を用いた場合、従来のLSXの合成にお
いて高純度なLSXを得ることは不可能とされてきた短
時間の熟成時間、すなわち0.5h以上10h以下であ
っても、加えるゼオライトの種類とその量、添加のタイ
ミング、熟成時の撹拌強度しだいでは、極めて高純度の
LSXを合成することが可能となる。
ないが、あまり低温であると熟成に必要な時間が長くな
るため好ましくなく、また、あまり高温であるとLSX
以外のゼオライトが生成する可能性があるため好ましく
なく、具体的な熟成温度として20〜70℃で実施する
ことが好ましい。
とシリケートを含む溶液を混合した後の、熟成に供する
スラリー組成は、特開昭53−8400号公報に記載さ
れている範囲SiO2/Al2O3 1.3〜2.2
(Na2O+K2O)/SiO2 2.0〜4.5Na
2O/(Na2O+K2O) 0.6〜0.9H2O/
(Na2O+K2O) 10〜 35を例示することが
できる。しかし、本発明では驚くべきことに、その一部
がこの範囲を逸脱しても、高純度なLSXを製造するこ
とが可能である。具体的には、反応終了時の低シリカフ
ォージャサイトの固形分濃度が反応液全体の重量に対し
て12.5重量%以上20.0重量%以下であることを
特徴として示すことができる。従来技術で示されている
組成範囲より理論的に生成するLSXの濃度を求める
と、通常8〜10重量%程度であり、高いものでも12
重量%程度である。本発明では、従来LSXの合成が不
可能と考えられていた12.5重量%以上のスラリー濃
度においても、熟成時に生成するゼオライトとは別にゼ
オライトを加えているためLSXが生成すると考えられ
る。また、理論的に生成する低シリカフォージャサイト
の濃度が20.0重量%を超えると、スラリーの粘度が
高くなり、撹拌が非常に困難となり不純物相が生成しや
すくなるために好ましくない。
時のスラリー濃度が高いほど、単位容積あたりに製造す
る量を増加させることが可能となるために好ましいこと
は明らかである。さらに、LSXは高アルカリ濃度で合
成されるため、合成終了後のスラリーの母液中には飽和
溶解度に相当するLSXが溶けており、その分、合成収
率の低下が生じている。組成によっても異なるが、例え
ば、理論的に10重量%となるようにLSXを合成した
場合、実際に得られるLSXは9.5重量%前後であ
り、残りの0.5重量%前後はスラリーの母液中に溶解
している。母液の量とアルカリ濃度を一定に保つように
してスラリー濃度を上げた場合、母液中に溶解して存在
するLSXの量は一定であるため相対的な収率を向上さ
せることができる。理論的に16.5重量%となるよう
にLSXを合成した場合、母液中に溶解するLSXの量
は0.5重量%前後であるため、実際に得られるLSX
は16.0重量%前後となる。合成収率はスラリー濃度
が10重量%の場合95%程度であったものが、スラリ
ー濃度が16.5重量%の場合97%程度となり、本発
明が工業的に与える優位性は明かである。
化の温度まで昇温する。本発明の方法により熟成したス
ラリーからはLSXが生成しやすく、昇温は一般に知ら
れている方法であればどの様な方法でも用いることがで
きる。ラボであれば撹拌を続けながら反応容器を入れた
ウォーターバスごと昇温してもよいし、また、反応容器
を所定の温度に保った乾燥器等に入れることにより昇温
してもよい。また、プラントであれば、化学工学で知ら
れている通常の操作、例えば、伝熱を良くするために撹
拌を継続しながら反応容器に付属しているジャケット等
の熱交換器にスチームあるいは熱媒体を通し昇温する方
法を例示することができる。また、昇温に必要な時間も
特に限定されず、0.5〜5時間を例示することができ
る。
はLSXが生成しやすく、結晶化は従来より知られてい
た静置結晶化は必要条件ではなく、撹拌下で結晶化を行
ってもよいし、静置下で行ってもよい。原因は不明であ
るが、撹拌結晶化を行った場合、静置結晶化と比較し
て、得られるLSXの一次粒径が小さく、粒子径の分布
が広くなるが、本発明の主旨、高純度なLSXを短時間
に合成する方法を提供することと考えた場合、特にどち
らの方法を採用してもよい。結晶化温度は、従来より知
られているLSXの結晶化温度を用いることができ、例
えば60〜100℃の温度を例示することができる。ま
た、結晶化の時間としては、熟成の条件や組成、結晶化
温度により一定しないが、4〜12時間程度で十分であ
り、これ以上の時間をかけてもよい。
l2O3モル比が1.9〜2.1の高純度な低シリカフォ
ージャサイト型ゼオライトを、濾過、洗浄し、乾燥す
る。濾過、洗浄、乾燥の方法としては公知の方法を用い
ることができる。
土バインダー等を用いて例えば球状や柱状のペレットに
成形したのち、LiイオンやCaイオン等で交換し、例
えば400℃で1時間程度活性化すれば、高い吸着性能
を有した吸着分離剤となり、その優れたガス吸着性能、
特に窒素吸着性能に優れていることから、酸素と窒素の
混合ガスから吸着法によって酸素を分離濃縮するゼオラ
イト吸着分離剤として好適に用いられる。
説明する。しかし、本発明はこれら実施例のみに限定さ
れるものではない。尚、実施例における各測定方法は以
下の通りである。
装置(パーキンエルマー社製、型式:optima 3
000)を用い、Na、K、Al、Siを測定し、これ
らをそれぞれ、Na2O、K2O、Al2O3、SiO2に
換算して求めた。
3)を用い測定した。 (3)水分平衡吸着量の測定方法 100℃で乾燥した粉末を相対湿度80%のデシケータ
ー中で16時間以上放置し、900℃1時間強熱し測定
した。すなわち、水分吸着後の重量をX1、これを90
0℃1時間強熱した後の重量をX2とし、水分平衡吸着
量(%)は、以下の数式から求めた。
0 (4)Na型LSXへのイオン交換方法 ZEOLITES,7巻,September,456
頁(1987年)に記載されている方法で行った。水酸
化ナトリウムを加えpH12に調製した1mol/Lの
塩化ナトリウム水溶液を、LSX1mol当たり塩化ナ
トリウムが1molとなるように加え、バッチ式で室温
でイオン交換した。この操作を5回行った。
トリウム水溶液(Na2O=3.8重量%、SiO2=1
2.6重量%)10770g、水1330g、水酸化ナ
トリウム(純度99%)1310g、工業用水酸化カリ
ウム水溶液(純度48%)3630gを入れ100rp
mで撹拌しながらウォーターバスを用い45℃に保っ
た。この溶液に40℃に保ったアルミン酸ナトリウム水
溶液(Na2O=20.0重量%、Al2O3=22.5
重量%)5390gを1分かけて投入した。投入直後よ
り白濁しゲル化が始まった。投入終了直前、ゲル全体の
粘度は上昇し、反応容器上部でスラリーの部分的な停滞
が生じたものの約3分後には全体が均一に流動化した。
スラリー全体が均一に流動化した時点でLSX粉末(強
熱減少量22.5%)4.22gを小量の水に分散し添
加した。このとき加えたLSXの量は、生成するLSX
に対し0.1重量%である。添加終了後のスラリーの組
成は、3.39Na20・1.31K2O・1.90Si
O2・Al2O3・74.1H20であり、理論的に生成す
るLSX濃度としては14.7重量%である。このまま
100rpmで撹拌を継続し、45℃で4時間熟成を行
った。撹拌モーターにかかるトルクをもとに熟成中のス
ラリー単位体積当たりの撹拌所要動力を計算したところ
0.25kW/m3であった。熟成後、撹拌を継続しな
がら1時間かけて70℃に昇温した。昇温後、撹拌を停
止し、70℃で8時間結晶化を行った。得られた結晶を
濾過し、純水で十分に洗浄した後、70℃で1晩乾燥し
た。
ォージャサイト型ゼオライト単相であり、また組成分析
の結果、このものの化学組成は0.72Na2O・0.
28K2O・Al2O3・2.0SiO2であり、水分平衡
吸着量は33.4%であった。得られた粉末をSEMで
観察した結果、不純物相はほとんど見られず、2つの一
次粒子径のピークが見られ、粒子径が4μmのLSXが
個数基準で約99.9%を占め、粒子径が8μmのLS
Xは個数基準で約0.1%であった。また、Na型にイ
オン交換し水分吸着量を求めたところ35.9%であっ
た。
に対し0.5重量%量を添加)とした以外は実施例1と
同じ操作を行った。
ォージャサイト型ゼオライト単相であり、また組成分析
の結果、このものの化学組成は0.72Na2O・0.
28K2O・Al2O3・2.0SiO2であり、水分平衡
吸着量は33.6%であった。得られた粉末をSEMで
観察した結果、不純物相はほとんど見られず、2つの一
次粒子径のピークが見られ、粒子径が2.5μmのLS
Xが個数基準で約99.5%を占め、粒子径が7μmの
LSXが個数基準で約0.5%であった。また、Na型
にイオン交換し水分吸着量を求めたところ36.0%で
あった。
った。
ォージャサイト型ゼオライト単相であり、また組成分析
の結果、このものの化学組成は0.73Na2O・0.
27K2O・Al2O3・2.0SiO2であり、水分平衡
吸着量は33.5%であった。得られた粉末をSEMで
観察した結果、不純物相はほとんど見られず、2つの一
次粒子径のピークが見られ、粒子径が5μmのLSXが
個数基準で約99.8%を占め、粒子径が10μmのL
SXが個数基準で約0.2%だけであった。また、Na
型にイオン交換し水分吸着量を求めたところ35.8%
であった。 実 施例4 実施例1と同じ条件でゲル化を行い、LSX粉末を添加
した後、撹拌回転数を75rpmに低下させて撹拌を継
続し、45℃で1時間熟成を行った。スラリー全体は緩
やかに流動しており、停滞部分は観察されなかった。撹
拌モーターにかかるトルクをもとに熟成中のスラリー単
位体積当たりの撹拌所要動力を計算したところ0.14
kW/m3であった。熟成後、実施例1と同じ操作で、
昇温、結晶化、濾過、洗浄、乾燥した。
ォージャサイト型ゼオライト相以外にトレース量のA型
ゼオライトが含まれていた。また組成分析の結果、この
ものの化学組成は0.73Na2O・0.27K2O・A
l2O3・2.0SiO2であり、水分平衡吸着量は3
3.1%であった。得られた粉末をSEMで観察した結
果、A型ゼオライトが一部見られたもののLSX粒子に
は2つの一次粒子径のピークが見られ、粒子径が6μm
のLSXが個数基準で約99.8%を占め、粒子径が1
0μmのLSXが個数基準で約0.2%であった。ま
た、Na型にイオン交換し水分吸着量を求めたところ3
5.5%であった。
った。
ォージャサイト型ゼオライト単相であり、また組成分析
の結果、このものの化学組成は0.73Na2O・0.
27K2O・Al2O3・2.0SiO2であり、水分平衡
吸着量は33.4%であった。得られた粉末をSEMで
観察した結果、不純物相はほとんど見られず、2つの一
次粒子径のピークが見られ、粒子径が5μmのLSXが
個数基準で約99.8%を占め、粒子径が9μmのLS
Xが個数基準で約0.2%であった。また、Na型にイ
オン交換し水分吸着量を求めたところ35.9%であっ
た。
した後、撹拌回転数を150rpmに増して撹拌を継続
し、45℃で1時間熟成を行った。撹拌モーターにかか
るトルクをもとに熟成中のスラリー単位体積当たりの撹
拌所要動力を計算したところ0.56kW/m3であっ
た。熟成後、実施例1と同じ操作で、昇温、結晶化、濾
過、洗浄、乾燥した。
ォージャサイト型ゼオライト単相であり、また組成分析
の結果、このものの化学組成は0.72Na2O・0.
28K2O・Al2O3・2.0SiO2であり、水分平衡
吸着量は33.4%であった。得られた粉末をSEMで
観察した結果、不純物相はほとんど見られず、2つの一
次粒子径のピークが見られ、粒子径が5μmのLSXが
個数基準で約99.1%を占め、粒子径が9μmのLS
Xが個数基準で約0.1%であった。また、Na型にイ
オン交換し水分吸着量を求めたところ35.9%であっ
た。
した後、撹拌を停止し、45℃で1時間熟成を行った。
熟成後、100mlのポリカップにスラリーを分取し、
70℃の乾燥器にいれ静置状態で昇温し、70℃で12
時間静置結晶化を行い、濾過、洗浄、乾燥した。
ォージャサイト型ゼオライト相以外にトレース量のA型
及びE型ゼオライトが含まれていた。また組成分析の結
果、このものの化学組成は0.73Na2O・0.27
K2O・Al2O3・2.0SiO2であり、水分平衡吸着
量は32.6%であった。得られた粉末をSEMで観察
した結果、粒子径が10μmのLSX以外に不純物相が
目立った。また、Na型にイオン交換し水分吸着量を求
めたところ34.9%であった。
った。
ォージャサイト型ゼオライト相以外にトレース量のA型
及びE型ゼオライトが含まれていた。また組成分析の結
果、このものの化学組成は0.73Na2O・0.27
K2O・Al2O3・2.0SiO2であり、水分平衡吸着
量は32.8%であった。得られた粉末をSEMで観察
した結果、粒子径が10μmのLSX以外に不純物相が
めだった。また、Na型にイオン交換し水分吸着量を求
めたところ35.1%であった。
が弱いと、ゼオライトの添加量や撹拌強度以外の熟成条
件が同じであっても、生成するLSXの純度が低下する
ことがわかる。一方、実施例4、5より熟成時の撹拌強
度が弱くとも熟成時間を延ばすことにより高純度のLS
Xが得られることがわかる。また、実施例4と比較例1
および実施例5と比較例6より、ゼオライトを添加し、
撹拌熟成をおこなえば、撹拌強度が弱くとも生成するL
SXの純度が向上することがわかる。
トリウム水溶液(Na2O=3.8重量%、SiO2=1
2.6重量%)7350g、水6000g、水酸化ナト
リウム(純度99%)1850g、工業用水酸化カリウ
ム水溶液(純度48%)3570gを入れ100rpm
で撹拌しながらウォーターバスを用い40℃に保ち、L
SX粉末(強熱減少量43%)を3.9g添加し分散さ
せた。このときに加えたLSXの量は、生成するLSX
に対し0.1重量%である。この溶液に35℃に保った
アルミン酸ナトリウム水溶液(Na2O=20.0重量
%、Al2O3=22.5重量%)3666gを1分かけ
て投入した。投入直後より白濁しゲル化が始まった。投
入終了直前、ゲル全体の粘度は上昇し、反応容器上部で
ゲルの部分的な停滞が生じかけたものの約1分後には全
体が均一に流動化した。添加終了後のスラリーの組成
は、4.88Na20・1.91K2O・1.90SiO
2・Al2O3・115H20であり、理論的に生成するL
SX濃度としては10.0重量%である。このまま10
0rpmで撹拌を継続し、45℃で4時間熟成を行っ
た。撹拌モーターにかかるトルクをもとに熟成中のスラ
リー単位体積当たりの撹拌所要動力を計算したところ
0.20kW/m3であった。熟成後、撹拌を継続しな
がら1時間かけて70℃に昇温した。昇温後、撹拌を停
止し、70℃で6時間結晶化を行った。得られた結晶を
濾過し、純水で十分に洗浄した後、70℃で1晩乾燥し
た。
ォージャサイト型ゼオライト相以外にトレース量のA型
ゼオライト及びE型ゼオライトが含まれていた。また組
成分析の結果、このものの化学組成は0.72Na2O
・0.28K2O・Al2O3・2.0SiO2であり、水
分平衡吸着量は33.0%であった。また、Na型にイ
オン交換し水分吸着量を求めたところ35.5%であっ
た。
行った。
ォージャサイト型ゼオライト単相であり、また組成分析
の結果、このものの化学組成は0.72Na2O・0.
28K2O・Al2O3・2.0SiO2であり、水分平衡
吸着量は33.2%であった。得られた粉末をSEMで
観察した結果、不純物相がわずかに見られたものの、L
SX粒子には2つの一次粒子径のピークが見られ、粒子
径が5μmのLSXが個数基準で約99.1%を占め、
粒子径が9μmのLSXが個数基準で約0.1%であっ
た。また、Na型にイオン交換し水分吸着量を求めたと
ころ35.7%であった。
トリウム水溶液(Na2O=3.8重量%、SiO2=1
2.6重量%)7350g、水6000g、水酸化ナト
リウム(純度99%)1850g、工業用水酸化カリウ
ム水溶液(純度48%)3570gを入れ100rpm
で撹拌しながらウォーターバスを用い40℃に保った。
この溶液に35℃に保ったアルミン酸ナトリウム水溶液
(Na2O=20.0重量%、Al2O3=22.5重量
%)3666gを1分かけて投入した。投入直後より白
濁しゲル化が始まった。投入終了直前、ゲル全体の粘度
は上昇し、反応容器上部でゲルの部分的な停滞が生じか
けたものの約1分後には全体が均一に流動化した。スラ
リー全体が均一に流動化した時点でLSX粉末(強熱減
少量43%)3.9gを小量の水に分散し添加した。こ
のとき加えたLSXの量は、生成するLSXに対し0.
1重量%である。添加終了後のスラリーの組成は、4.
88Na20・1.91K2O・1.90SiO2・Al2
O3・115H20であり、理論的に生成するLSX濃度
としては10.0重量%である。このまま100rpm
で撹拌を継続し、45℃で4時間熟成を行った。撹拌モ
ーターにかかるトルクをもとに熟成中のスラリー単位体
積当たりの撹拌所要動力を計算したところ0.20kW
/m3であった。熟成後、撹拌を継続しながら1時間か
けて70℃に昇温した。昇温後、撹拌を停止し、70℃
で4時間結晶化を行った。得られた結晶を濾過し、純水
で十分に洗浄した後、70℃で1晩乾燥した。
ォージャサイト型ゼオライト単相であり、また組成分析
の結果、このものの化学組成は0.73Na2O・0.
27K2O・Al2O3・2.0SiO2であり、水分平衡
吸着量は33.3%であった。得られた粉末をSEMで
観察した結果、不純物相はほとんど見られず、2つの1
次粒子径のピークが見られ、5μmのLSXが個数基準
で約99.9%を占め、粒子径が10μmのLSXが個
数基準で約0.1%であった。また、Na型にイオン交
換し水分吸着量を求めたところ35.9%であった。
るLSXに対し1.0重量%添加)とした以外は実施例
9と同じ操作を行った。
ォージャサイト型ゼオライト単相であり、また組成分析
の結果、このものの化学組成は0.72Na2O・0.
28K2O・Al2O3・2.0SiO2であり、水分平衡
吸着量は33.4%であった。得られた粉末をSEMで
観察した結果、不純物相はほとんど見られず、2つの1
次粒子径のピークが見られ、粒子径が2μmのLSXが
個数基準で約99.2%を占め、粒子径が6μmのLS
Xも約0.8%存在した。また、Na型にイオン交換し
水分吸着量を求めたところ35.9%であった。
成するLSXに対し0.01重量%添加)とした以外は
実施例9と同じ操作を行った。
ォージャサイト型ゼオライト相以外にトレース量のA型
ゼオライトが含まれていた。また組成分析の結果、この
ものの化学組成は0.73Na2O・0.27K2O・A
l2O3・2.0SiO2であり、水分平衡吸着量は3
3.0%であった。得られた粉末をSEMで観察した結
果、A型ゼオライトが観察されたものの、LSX粒子に
は2つの1次粒子径のピークが見られ、粒子径が7μm
のLSXが個数基準で約99.98%を占め、粒子径が
10μmのLSXが個数基準で約0.02%であった。
また、Na型にイオン交換し水分吸着量を求めたところ
35.9%であった。
を行った。
ォージャサイト型ゼオライト単相であり、また組成分析
の結果、このものの化学組成は0.73Na2O・0.
27K2O・Al2O3・2.0SiO2であり、水分平衡
吸着量は33.5%であった。得られた粉末をSEMで
観察した結果、不純物相はほとんど見られず、2つの1
次粒子径のピークが見られ、粒子径が4μmのLSXが
個数基準で約99.99%を占め、粒子径が8μmのL
SXが個数基準で約0.01%であった。また、Na型
にイオン交換し水分吸着量を求めたところ36.0%で
あった。
量を0.29g(強熱減少量22%:生成するLSXに
対し0.01重量%)とした以外は実施例12と同じ操
作を行った。
ォージャサイト型ゼオライト単相であり、また組成分析
の結果、このものの化学組成は0.73Na2O・0.
27K2O・Al2O3・2.0SiO2であり、水分平衡
吸着量は33.5%であった。得られた粉末をSEMで
観察した結果、不純物相はほとんど見られず、2つの1
次粒子径のピークが見られ、粒子径が4μmのLSXが
個数基準で約99.99%を占め、粒子径が8μmのL
SXが個数基準で約0.01%であった。また、Na型
にイオン交換し水分吸着量を求めたところ36.0%で
あった。
Al2O3モル比=3.4)にかえ、添加量を3.0g
(強熱減少量26%:生成するLSXに対し0.1重量
%)とした以外は実施例9と同じ操作を行った。
ォージャサイト型ゼオライト単相であり、また組成分析
の結果、このものの化学組成は0.73Na2O・0.
27K2O・Al2O3・2.0SiO2であり、水分平衡
吸着量は33.2%であった。得られた粉末をSEMで
観察した結果、不純物相はほとんど見られず、2つの1
次粒子径のピークが見られ、粒子径が4μmのLSXが
個数基準で約99.8%を占め、粒子径が8μmのLS
Xが個数基準で約0.2%であった。また、Na型にイ
オン交換し水分吸着量を求めたところ35.7%であっ
た。
作を行った。
果フォージャサイト型ゼオライトが主成分であり、トレ
ース量のA型ゼオライト、E型ゼオライト、同定不明相
が観察された。また組成分析の結果、このものの化学組
成は0.73Na2O・0.27K2O・Al2O3・2.
0SiO2であり、水分平衡吸着量は32.6%であっ
た。得られた粉末をSEMで観察した結果、粒子径が1
0μmのLSX以外に不純物相がめだった。また、Na
型にイオン交換し水分吸着量を求めたところ34.9%
であった。
を行った。
果フォージャサイト型ゼオライト単相であり、このもの
の化学組成は0.73Na2O・0.27K2O・Al2
O3・2.0SiO2であり、水分平衡吸着量は33.3
%であった。得られた粉末をSEMで観察した結果、不
純物相が若干見られ、LSXの1次粒子径には1つのピ
ークしか存在せず、粒子径が5μmのLSXが殆どをし
めた。また、Na型にイオン交換し水分吸着量を求めた
ところ35.7%であった。
いものの、比較例3よりも水分吸着量が多く、添加した
ゼオライトが、LXSの生成促進効果を示していること
がわかる。
液とシリケートを含む溶液を混合、ゲル化した後に、ゼ
オライトを添加することがより効果的に高純度のLSX
を得ることがわかる。
トの量が非常に微量であってもLXSの生成促進効果が
あることがわかる。
としては、LSXだけでなく、同じフォージャサイト構
造を持つもの、さらに異種のA型もLSXの生成促進効
果があることがわかる。
外の方法でも高純度のLSXを得ることは可能である
が、長時間の熟成を必要とするため、生産性に乏しいも
のであち、また、得られたLSX粒子の1次粒子径のピ
ークの数が1つであり、ピークの数が2つである本願発
明のLSX粒子とは異なる。
トリウム水溶液(Na2O=3.8重量%、SiO2=1
2.6重量%)12390g、水1020g、水酸化ナ
トリウム(純度99%)1025g、工業用水酸化カリ
ウム(純度95%)1772gを入れ100rpmで撹
拌しながらウォーターバスを用い40℃に保った。この
溶液に35℃に保ったアルミン酸ナトリウム水溶液(N
a2O=20.0重量%、Al2O3=22.5重量%)
6250gを1.5分かけて投入した。投入直後より白
濁しゲル化が始まった。投入終了直前、ゲル全体の粘度
は上昇し、反応容器上部でゲルの部分的な停滞が生じた
ものの約5分後には全体が均一に流動化した。スラリー
全体が均一に流動化した時点でLSX粉末(強熱減少量
22.5%)4.81gを小量の水に分散し添加した。
このとき加えたLSXの量は、生成するLSXに対し
0.1重量%である。添加終了後のスラリーの組成は、
2.94Na20・1.15K2O・1.89SiO2・
Al2O3・62.3H20であり、理論的に生成するL
SX濃度としては16.9重量%である。このまま10
0rpmで撹拌を継続し、45℃で6時間熟成を行っ
た。撹拌モーターにかかるトルクをもとに熟成中のスラ
リー単位体積当たりの撹拌所要動力を計算したところ
0.30kW/m3であった。熟成後、撹拌を継続しな
がら1時間かけて70℃に昇温した。昇温後、撹拌を停
止し、70℃で8時間結晶化を行った。得られた結晶を
濾過し、純水で十分に洗浄した後、70℃で1晩乾燥し
た。
ォージャサイト型ゼオライト単相であり、また組成分析
の結果、このものの化学組成は0.73Na2O・0.
27K2O・Al2O3・2.0SiO2であり、水分平衡
吸着量は33.2%であった。得られた粉末をSEMで
観察した結果、不純物相はほとんど見られず、2つの1
次粒子径のピークが見られ、粒子径が3μmのLSXが
個数基準で約99.9%を占め、粒子径が8μmのLS
Xが個数基準で約0.1%であった。また、Na型にイ
オン交換し水分吸着量を求めたところ35.7%であっ
た。
温度を55℃、熟成温度を60℃、熟成時間を2時間と
した以外は、実施例9と同じ操作を行った。
ォージャサイト型ゼオライト単相であり、また組成分析
の結果、このものの化学組成は0.73Na2O・0.
27K2O・Al2O3・2.0SiO2であり、水分平衡
吸着量は33.4%であった。得られた粉末をSEMで
観察した結果、不純物相はほとんど見られず、2つの1
次粒子径のピークが見られ、粒子径が5μmのLSXが
個数基準で約99.8%を占め、粒子径が10μmのL
SXが個数基準で約0.2%であった。また、Na型に
イオン交換し水分吸着量を求めたところ35.9%であ
った。
酸ナトリウム水溶液(Na2O=20.0重量%、Al2
O3=22.5重量%)3666g、水6000g、水
酸化ナトリウム(純度99%)1850g、工業用水酸
化カリウム水溶液(純度48%)3570gを入れ10
0rpmで撹拌しながらウォーターバスを用い40℃に
保った。この溶液に35℃に保ったケイ酸ナトリウム水
溶液(Na2O=3.8重量%、SiO2=12.6重量
%)7350gを4分かけて投入した。投入を開始し約
1.5分経過した後、白濁しゲル化が始まった。投入終
了直前、ゲル全体の粘度は上昇したものの、全体は均一
に流動した。ケイ曹の添加終了1分後、LSX粉末(強
熱減少量22.5%)2.89gを小量の水に分散し添
加した。このとき加えたLSXの量は、生成するLSX
に対し0.1重量%である。熟成後、撹拌を継続しなが
ら1時間かけて70℃に昇温した。昇温後、撹拌を停止
し、70℃で8時間結晶化を行った。得られた結晶を濾
過し、純水で十分に洗浄した後、70℃で1晩乾燥し
た。
ォージャサイト型ゼオライト単相であり、また組成分析
の結果、このものの化学組成は0.73Na2O・0.
27K2O・Al2O3・2.0SiO2であり、水分平衡
吸着量は33.0%であった。得られた粉末をSEMで
観察した結果、不純物相はほとんど見られず、2つの1
次粒子径のピークが見られ、粒子径が7μmのLSXが
個数基準で約99.9%を占め、粒子径が10μmのL
SXが個数基準で約0.1%であった。また、Na型に
イオン交換し水分吸着量を求めたところ35.5%であ
った。
は、実施例1と同じ操作を行った。
ォージャサイト型ゼオライト単相であり、また組成分析
の結果、このものの化学組成は0.73Na2O・0.
27K2O・Al2O3・2.0SiO2であり、水分平衡
吸着量は33.1%であった。得られた粉末をSEMで
観察した結果、不純物相はほとんど見られず、粒子径の
分布が広いものの、2つの1次粒子径のピークが見ら
れ、中心値が2.5μmのLSXが個数基準で約99.
9%を占め、粒子径が7μmのLSXが個数基準で約
0.1%であった。また、Na型にイオン交換し水分吸
着量を求めたところ35.6%であった。
酸ナトリウム水溶液(Na2O=3.8重量%、SiO2
=12.6重量%)10.7立方メートル、水6.7立
方メートルg、水酸化ナトリウム溶液(純度48%)
4.2立方メートル、工業用水酸化カリウム水溶液(純
度48%)3.9立方メートルを入れ、傾斜パドルを用
い120rpmで撹拌しながら45℃に保った。この溶
液に40℃に保ったアルミン酸ナトリウム水溶液(Na
2O=20.0重量%、Al2O3=22.5重量%)
4.1立方メートルを1分かけて投入した。アルミン酸
ナトリウム水溶液の添加終了5分後、LSX粉末(強熱
減少量22.5%)4.8kgを小量の水に分散し添加
した。このまま120rpmで撹拌を継続し、45℃で
3時間熟成を行った。熟成中のスラリー単位体積当たり
の撹拌所要動力は1.2kW/m3であった。熟成後、
撹拌を継続しながら1時間かけて70℃に昇温した。昇
温後、撹拌を停止し、70℃で4時間結晶化を行った。
得られた結晶を濾過し、純水で十分に洗浄した後、70
℃で1晩乾燥した。
ォージャサイト型ゼオライト単相であり、また組成分析
の結果、このものの化学組成は0.72Na2O・0.
28K2O・Al2O3・2.0SiO2であり、水分平衡
吸着量は33.3%であった。得られた粉末をSEMで
観察した結果、不純物相はほとんど見られず、2つの1
次粒子径のピークが見られ、粒子径が4μmのLSXが
個数基準で約99.9%を占め、粒子径が8μmのLS
Xが個数基準で約0.1%であった。また、Na型にイ
オン交換し水分吸着量を求めたところ35.8%であっ
た。
難であった極めて高純度なLSXを提供することができ
る。さらに、高純度なLSXを短時間に合成することが
でき、特に反応工程中長時間を要していた熟成工程の時
間を短縮できるために高純度なLSXを大規模で短時間
に製造することができ、工業的に有用な製造方法であ
る。
を用い、1,000倍の倍率で観察した写真である。
を用い、5,000倍の倍率で観察した写真である。
を用い、1,000倍の倍率で観察した写真である。
を用い、5,000倍の倍率で観察した写真である。
Claims (9)
- 【請求項1】X線回折法においてフォージャサイト単相
であり、SiO2/Al2O3モル比が1.9〜2.1で
あり、Na型としたときの水分吸着量が35.0%以上
であり、かつ、一次粒子径が小さい粒子と大きい粒子か
ら成り、その小さい粒子の一次粒子径が1μm以上8μ
m以下、大きい粒子の一次粒子径が5μm以上15μm
以下であり、それぞれが一つのピークを持ち、粒子径の
小さい粒子が粒子全体の個数の90%以上を占めること
を特徴とする高純度低シリカフォージャサイト型ゼオラ
イト。 - 【請求項2】アルミネートを含む溶液とシリケートを含
む溶液を混合し、ゲル化し、その後、熟成、結晶化を行
うことによりSiO2/Al2O3モル比が1.9〜2.
1の低シリカフォージャサイト型ゼオライトを製造する
方法において、生成するゼオライトとは別にゲル化から
熟成終了までにゼオライトを加えることを特徴とする低
シリカフォージャサイト型ゼオライトを製造する方法。 - 【請求項3】ゼオライトを加える時期がゲル化終了後又
は熟成の初期であることを特徴とする請求項2に記載の
低シリカフォージャサイト型ゼオライトの製造方法。 - 【請求項4】加えられるゼオライトが、フォージャサイ
ト型ゼオライト型及び/又はA型ゼオライトであること
を特徴とする請求項2〜3に記載の低シリカフォージャ
サイト型ゼオライトの製造方法。 - 【請求項5】加えられるゼオライトがフォージャサイト
型ゼオライトであり、その量が生成する低シリカフォー
ジャサイト型ゼオライトに対し、0.001重量%以上
10重量%以下であることを特徴とする請求項2〜4の
いずれかに記載の低シリカフォージャサイト型ゼオライ
トの製造方法。 - 【請求項6】加えられるゼオライトがA型ゼオライトで
あり、その量が生成する低シリカフォージャサイト型ゼ
オライトに対し、0.001重量%以上1重量%未満で
あることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の
低シリカフォージャサイト型ゼオライトの製造方法。 - 【請求項7】熟成を、スラリーの単位容積当たりの撹拌
所要動力が0.1kW/m3以上の撹拌下で行う請求項
2〜6記載の低シリカフォージャサイト型ゼオライトの
製造方法。 - 【請求項8】熟成時間が0.5時間以上10時間以下で
あることを特徴とする請求項2〜7記載の低シリカフォ
ージャサイト型ゼオライトの製造方法。 - 【請求項9】反応終了時の低シリカフォージャサイトの
固形分濃度が12.5重量%以上20.0重量%以下で
あることを特徴とする請求項2〜8記載の高濃度での低
シリカフォージャサイト型ゼオライトの製造方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15190298A JP3257509B2 (ja) | 1997-11-27 | 1998-05-18 | 低シリカフォージャサイト型ゼオライトおよびその製造方法 |
US09/198,601 US5993773A (en) | 1997-11-27 | 1998-11-24 | Low-silica faujasite type zeolite and method for producing the same |
DE69801884T DE69801884T2 (de) | 1997-11-27 | 1998-11-26 | Zeolith des Faujasitstyps mit niedrigem Kiedelsäuregehalts und Methode zu dessen Herstellung |
EP98309726A EP0922673B1 (en) | 1997-11-27 | 1998-11-26 | Low-silica faujasite type zeolite and method for producing the same |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9-325846 | 1997-11-27 | ||
JP32584697 | 1997-11-27 | ||
JP15190298A JP3257509B2 (ja) | 1997-11-27 | 1998-05-18 | 低シリカフォージャサイト型ゼオライトおよびその製造方法 |
Publications (2)
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