JP3128479B2 - 多段軸の製造方法 - Google Patents
多段軸の製造方法Info
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Description
鍛造による前方押出し加工によって成形する多段軸の製
造方法に関する。
ョイントのボールスタッドや変速機に使用されるミッシ
ョンシャフト等には、軸部が多段に成形される多段軸が
形成されるものがあった。そして多段軸は、一般に冷間
鍛造による前方押出し加工で成形されていた。この多段
軸の成形工程をボールスタッドを例にとり、図5に基づ
いて説明する。図5の(イ)は円柱状の円柱素材131
で、この円柱素材131の一端端部に前方押出し加工を
施して、円柱素材131の軸部(第一の軸部)102よ
り小径の第二の軸部103と、第一の軸部102と第二
の軸部103をつなぐテーパ状の第一の連接部105と
を設けた中間成形材111を成形する。続いて、中間成
形材111の第二の軸部103側端部に前方押出し加工
を施して、第二の軸部103より小径の第三の軸部10
4と、第二の軸部103と第三の軸部104をつなぐテ
ーパ状の第二の連接部106と、第一の軸部102側端
部にすえ込み加工を施して球状の球頭部107とを成形
したボールスタッド101を製造していた。
間成形材111を成形する工程を図6に基づいて説明す
る。
ダイセット170を表すもので、左半部が成形前の状態
を表し、右半部が成形後の状態を表す。181は固定型
で、軸線方向に延び第一の軸部102と同径の貫通孔1
83を有する固定ダイ182と、固定ダイ182を保持
する固定ホルダ187とを備え、貫通孔183の中間
に、中心に向かって突出するランド部184が周状に形
成されている。このランド部184は、漸次小径となる
テーパ面184a、貫通孔183と平行に延びる内壁面
184b及び漸次大径となる逆テーパ面184cとから
なり、テーパ面184aは第一の連接部105と同形
状、内壁面184bは第二の軸部103と同径である。
そして貫通孔183内には、ランド部184の内壁面よ
り小径のノックアウトパンチ186が設置される。ま
た、171はスライド型で、固定ダイ182の貫通孔1
83に対向するパンチ172と、パンチ172を嵌挿す
るスライドダイ173と、スライドダイ173を保持す
るスライドホルダ174とを備える。
ら中間成形材111を成形する場合、図6左半部に示す
如く、まず固定ダイ182の貫通孔183に円柱素材1
31を投入する。このとき円柱素材131は、貫通孔1
83に形成されたランド部184により規制され、貫通
孔183内に配置される。続いて、スライド型171を
前進させ、図6右半部に示す如く、パンチ172が貫通
孔183進入後、円柱素材131に当接すると同時に円
柱素材131を前方へ押出す。これにより円柱素材13
1の一端端部は、ランド部184のテーパ面184a及
び内壁面184bを通過して、第一の連接部105及び
第二の軸部103が成形される。その後、スライド型1
71を後退させるとともにノックアウトパンチ186が
突出し、成形された中間成形材111が固定型181か
ら取り出され、この工程が完了する。
101を成形する工程においても同様に、中間成形材1
11における第二の軸部103の端部に、ランド部18
4による前方押出し加工を施して、第三の軸部104及
び第二の連接部106を成形していた。
3,104及び連接部105,106を順次成形する多
段軸の製造方法としては、特開昭56−50743号公
報等多数ある。
31から軸部103,104及び連接部105,106
を順次成形することにより、多段軸101を短時間に製
造することができる。しかし、円柱素材131は、ラン
ド部184のテーパ面184aに案内されて漸次小径に
押出され、その後、内壁面184bに沿って第一の連接
部105及び第二の軸部103が成形されるため、円柱
素材131のランド部184側端面外周部がテーパ面1
84aに案内されて漸次小径に押出される際に剥離し、
内壁面184bに剥離した素材片が付着することがあ
る。この付着した素材片により、成形した軸部103,
104外周に傷138,139(鍛造一般に言う「かじ
り」)が発生し、品質が低下するということがある。ま
た素材片が内壁面184bに付着すると、その付着した
素材片を取り除くための作業が必要となり、生産性が低
下するということがある。
し、軸部外周の傷の発生を抑制し、品質及び生産性が安
定する多段軸の製造方法を提供することを目的とする。
ある。
の異なる軸部と軸部をつなぐ連接部とを有する多段軸を
成形する多段軸の製造方法において、まず円柱状の円柱
素材を成形する第一工程と、円柱素材の一端端部に、各
テーパ状の連接部と略同一形状の予備連接部が連続的に
つながる予備連接群を成形する第二工程と、予備連接群
が成形された端部側から前方押出し加工により各軸部を
成形する第三工程とからなる。
て説明する。
軸径の異なる三段の軸部2,3,4と、各軸部2,3,
4をつなぐテーパ状の連接部5,6とを有するボールス
タッドを例にとり、円柱素材31からボールスタッド1
を成形する工程を説明する。図1の(イ)は円柱素材3
1で、線材を完成のボールスタッド1の体積と同一に切
断形成したものである。この円柱素材31の一端端部
に、完成したボールスタッド1の連接部5,6と略同一
形状の予備連接部25,26が連続的につながる予備連
接群29を設けた、図1の(ロ)に示す如き予備成形材
21を成形する。この円柱素材31から予備成形材21
を成形する工程を図2に基づいて詳細に説明する。
ダイセット50を表すもので、左半部が成形前の状態を
表し、右半部が成形後の状態を表す。61は固定型で、
軸線方向に延びる貫通孔63を有する固定ダイ62と、
固定ダイ62を保持する固定ホルダ67とを備える。貫
通孔63は、円柱素材31を投入する投入部68と、投
入部68に連続するボールスタッド1の連接部5,6と
略同一形状の第一テーパ面64及び第二テーパ面65
と、ノックアウトパンチ66が嵌挿されるノックアウト
孔69からなる。また51はスライド型で、固定ダイ6
2の貫通孔63に対向するパンチ52と、パンチ52を
嵌挿するスライドダイ53と、スライドダイ53を保持
するスライドホルダ54とを備える。
備成形材21を成形する場合、図2左半部に示す如く、
固定ダイ62の貫通孔63に、投入部68側から円柱素
材31を投入する。このとき円柱素材31は、貫通孔6
3に形成された第一テーパ面64により規制され、貫通
孔63内に配置される。続いて、スライド型51を前進
させ、図2右半部に示す如く、パンチ52が貫通孔63
進入後、円柱素材31に当接すると同時に前方へ押出
す。これにより円柱素材31の一端端部は、第一テーパ
面64、第二テーパ面65及びノックアウトパンチ66
の対向する端面とにより画成された空間に押出され、第
一の予備連接部25及び第二の予備連接部26からなる
予備連接群29が成形される。その後、スライド型51
を後退させるとともにノックアウトパンチ66が突出
し、成形された予備成形材21が固定型61から取り出
され、この工程が完了する。
21に前方押出し加工を施して、図1の(ハ)に示す如
く、予備成形材21の軸部(第一の軸部)2より小径の
第二の軸部3と、第一の軸部2と第二の軸部3をつなぐ
テーパ状の第一の連接部5とを設けた中間成形材11を
形成する。この予備成形材21から中間成形材11を成
形する工程を図3に基づいて詳細に説明する。
ダイセット70を表すもので、左半部が成形前の状態を
表し、右半部が成形後の状態を表す。81は固定型で、
軸線方向に延び第一の軸部2と同径の貫通孔83を有す
る固定ダイ82と、固定ダイ82を保持する固定ホルダ
87とを備え、貫通孔83の中間に、中心に向かって突
出するランド部84が周状に形成されている。このラン
ド部84は、漸次小径となるテーパ面84a、貫通孔8
3と平行に延びる内壁面84b及び漸次大径となる逆テ
ーパ面84cとからなり、テーパ面84aは第一の連接
部5と同形状、内壁面84bは第二の軸部3と同径であ
る。そして貫通孔83内には、ランド部84の内壁面よ
り小径のノックアウトパンチ86が設置される。また、
71はスライド型で、固定ダイ82の貫通孔83に対向
するパンチ72と、パンチ72を嵌挿するスライドダイ
73と、スライドダイ73を保持するスライドホルダ7
4とを備える。
中間成形材11を成形する場合、図3左半部に示す如く
固定ダイ82の貫通孔83に、予備連接群29が成形さ
れた端部から予備成形材21を投入する。このとき予備
成形材21は、予備連接群29の第一の予備連接部25
が固定ダイ82におけるランド部84のテーパ面84a
に着座することにより規制され、貫通孔83内に配置さ
れる。また、予備連接群29の第二の予備連接部26は
固定ダイ82の内壁面84b内に延出されている。続い
て、この状態からスライド型71を前進させ、図3右半
部に示す如く、パンチ72が貫通孔83進入後、予備成
形材21に当接すると同時に前方へ押出す。この前方押
出し加工状態を図4により説明すると、図4の(イ)に
示す如く固定ダイ82におけるランド部84のテーパ面
84aに着座された予備成形材21はパンチに押圧され
て、図4の(ロ)に示す如く第二の予備連接部26の形
状を保持した状態で前方に押出される。このとき予備成
形材21の第一の予備連接部25がランド部84のテー
パ面84aに沿って流動するため成形がスムーズに行な
われ、予備成形材21の素材片が剥離することがない。
そして更に成形が進み、図4の(ハ)に示す如く第二の
軸部3と第一の連接部5が成形される。その後、図3右
半部に示すスライド型71を後退させるとともにノック
アウトパンチ86が突出し、成形された中間成形材11
が固定型61から取り出され、この工程が完了する。
部3側端部に上述と同様に前方押出し加工を施して、第
二の軸部3より小径の第三の軸部4と、第二の軸部3と
第三の軸部4をつなぐテーパ状の第二の連接部6とを成
形すると同時に、第一の軸部2側端部にすえ込み加工を
施して球状の球頭部7を成形して、図1の(ニ)に示す
如くボールスタッド1を製造する。尚、第三の軸部4及
び第二の連接部6を前方押出し加工により成形するダイ
セットは、予備成形材21から中間成形材11を成形す
るダイセット70と同様であり省略するが、ランド部の
テーパ面は第二の連接部6と同形状であることは言うま
でもない。
ると、予備連接部がランド部のテーパ面に沿って流動す
るので、軸部及び連接部の成形がスムーズに行なわれ
る。
おける製造方法を説明したが、多段軸の段数は三段に限
定されるものではなく、多段であれば何段でも良い。
成形されたが、一工程で複数の軸部を成形しても良い。
による前方押出し加工により、径の異なる軸部と軸部を
つなぐ連接部とを有する多段軸を成形する多段軸の製造
方法において、まず円柱状の円柱素材を成形する第一工
程と、円柱素材の一端端部に、各テーパ状の連接部と略
同一形状の予備連接部が連続的につながる予備連接群を
成形する第二工程と、予備連接群が成形された端部側か
ら前方押出し加工により各軸部を成形する第三工程とか
らなるため、予備連接部がランド部のテーパ面に沿って
流動するので、軸部及び連接部の成形がスムーズに行わ
れ、軸部外周の傷の発生を抑制でき、よって、品質及び
生産性を安定させることができる。
段階的説明図である。
成形するダイセットの断面平面図である。
に成形するダイセットの断面平面図である。
に成形する状態を表す段階的要部拡大図である。
明図である。
ダイセットの断面平面図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 冷間鍛造による前方押出し加工により、
径の異なる軸部(2),(3),(4)と該軸部
(2),(3),(4)をつなぐ連接部(5),(6)
とを有する多段軸(1)を成形する多段軸の製造方法に
おいて、まず円柱状の円柱素材(31)を成形する第一
工程と、該円柱素材(31)の一端端部に、各テーパ状
の連接部(5),(6)と略同一形状の予備連接部(2
5),(26)が連続的につながる予備連接群(29)
を成形する第二工程と、該予備連接群(29)が成形さ
れた端部側から前方押出し加工により各軸部(3),
(4)を成形する第三工程とからなることを特徴とする
多段軸の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07188073A JP3128479B2 (ja) | 1995-06-30 | 1995-06-30 | 多段軸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07188073A JP3128479B2 (ja) | 1995-06-30 | 1995-06-30 | 多段軸の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0919737A JPH0919737A (ja) | 1997-01-21 |
JP3128479B2 true JP3128479B2 (ja) | 2001-01-29 |
Family
ID=16217237
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07188073A Expired - Fee Related JP3128479B2 (ja) | 1995-06-30 | 1995-06-30 | 多段軸の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3128479B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100895446B1 (ko) * | 2008-08-18 | 2009-05-07 | (주)보원화스너 | 차량용 리클라이닝장치의 리클라이너샤프트 제조방법 |
-
1995
- 1995-06-30 JP JP07188073A patent/JP3128479B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0919737A (ja) | 1997-01-21 |
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