JP3118236B2 - アンジオテンシンi変換酵素阻害剤の製造方法 - Google Patents
アンジオテンシンi変換酵素阻害剤の製造方法Info
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- JP3118236B2 JP3118236B2 JP2000055119A JP2000055119A JP3118236B2 JP 3118236 B2 JP3118236 B2 JP 3118236B2 JP 2000055119 A JP2000055119 A JP 2000055119A JP 2000055119 A JP2000055119 A JP 2000055119A JP 3118236 B2 JP3118236 B2 JP 3118236B2
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- ace
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
- Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規ペプチド、そ
れを有効成分とするアンジオテンシンI変換酵素阻害
剤、及びその製造方法に関するものであり、生化学、タ
ンパク化学の技術分野のみでなく、血圧降下剤、その他
の医療の技術分野においても非常に重要な役割を果たす
ものである。
れを有効成分とするアンジオテンシンI変換酵素阻害
剤、及びその製造方法に関するものであり、生化学、タ
ンパク化学の技術分野のみでなく、血圧降下剤、その他
の医療の技術分野においても非常に重要な役割を果たす
ものである。
【0002】
【従来の技術】アンジオテンシンI変換酵素(以下AC
Eと略記する)は、アンジオテンシンIを強力な昇圧ペ
プチドであるアンジオテンシンIIに変換すると共に降
圧ペプチドであるブラジキニンを不活化する反応を触媒
する。したがってACEを特異的に阻害する物質は血圧
上昇を抑制する作用を有し、この観点からの血圧降下剤
の開発が進められている。一方、食品工業においては、
ACE阻害活性を有するペプチドを、各種生物資源のタ
ンパク質に求め、これを食品として摂取することで高血
圧予防に役立てようとする研究開発が注目されている。
既に大豆タンパク質分解物、カゼイン分解物、魚肉タン
パク質分解物等から分離抽出された新規ペプチドの報告
等は多いが、しかし充分に実用化にまで至っていないの
が現状である。
Eと略記する)は、アンジオテンシンIを強力な昇圧ペ
プチドであるアンジオテンシンIIに変換すると共に降
圧ペプチドであるブラジキニンを不活化する反応を触媒
する。したがってACEを特異的に阻害する物質は血圧
上昇を抑制する作用を有し、この観点からの血圧降下剤
の開発が進められている。一方、食品工業においては、
ACE阻害活性を有するペプチドを、各種生物資源のタ
ンパク質に求め、これを食品として摂取することで高血
圧予防に役立てようとする研究開発が注目されている。
既に大豆タンパク質分解物、カゼイン分解物、魚肉タン
パク質分解物等から分離抽出された新規ペプチドの報告
等は多いが、しかし充分に実用化にまで至っていないの
が現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年各種生物資源の成
分の人体への生理機能に対する作用に注目した機能性物
質についての研究が行われている。まだまだ未知の部分
も多い中で、本発明の技術分野における新規ペプチドの
発見、及びこれを有効成分とするACE阻害剤や食品開
発等が注目されている。殊に、医薬品や食品の分野にお
いて、最近は、化学的合成品が安全性や消費者感情など
から忌避される傾向にあり、従来から食経験が豊富であ
る天然資源からの有効成分の利用は重要な課題となって
いる。本発明の目的は食品由来の新規ペプチドを有効成
分とするACE阻害剤の製法を提供することにある。
分の人体への生理機能に対する作用に注目した機能性物
質についての研究が行われている。まだまだ未知の部分
も多い中で、本発明の技術分野における新規ペプチドの
発見、及びこれを有効成分とするACE阻害剤や食品開
発等が注目されている。殊に、医薬品や食品の分野にお
いて、最近は、化学的合成品が安全性や消費者感情など
から忌避される傾向にあり、従来から食経験が豊富であ
る天然資源からの有効成分の利用は重要な課題となって
いる。本発明の目的は食品由来の新規ペプチドを有効成
分とするACE阻害剤の製法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明はACE阻害剤の製造方法に関する発明であって、
アクチン系タンパク質を加水分解して、下記式(化
1): Leu−Lys−Leu(化1) で示されるアミノ酸配列で表されるペプチドを含有して
いるACE阻害剤を得ることを特徴とする。
発明はACE阻害剤の製造方法に関する発明であって、
アクチン系タンパク質を加水分解して、下記式(化
1): Leu−Lys−Leu(化1) で示されるアミノ酸配列で表されるペプチドを含有して
いるACE阻害剤を得ることを特徴とする。
【0005】各種生物資源を原料とするACE阻害ペプ
チドについては、より実用化に沿った物質及び抽出方法
の研究や食品開発が進められる必要があったが、本発明
はかかる従来技術の課題を基に、鋭意研究された結果完
成されたものである。
チドについては、より実用化に沿った物質及び抽出方法
の研究や食品開発が進められる必要があったが、本発明
はかかる従来技術の課題を基に、鋭意研究された結果完
成されたものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。本発明における新規ペプチドはイワシを原料として
タンパク質分解酵素を用いることにより見出したもので
あり、新規ペプチドの安全性に何ら問題はない。またこ
の理由からもこのアミノ酸配列からなるペプチドであれ
ば他の生物資源から得られたものであってもあるいは合
成手法によるペプチドであっても安全に人体に供するこ
とができる。すなわち本発明では、生物資源としてイワ
シすり身を用い、これを市販のタンパク質分解酵素によ
ってペプチド化したものである。これらペプチドのAC
E阻害活性をカッシュマン アンド チュング( Cushm
an & Cheung ) の手法に従って検討することにより優れ
たACE阻害活性を有するペプチド画分を得ることがで
きた。これを更に各種クロマトグラフィーを用いること
により、ACE阻害活性を発現する新規ペプチドを見出
したものである。また、自然界に広くかつ大量に存在す
るアクチン系タンパク質を、同様に加水分解することに
よっても、ACE阻害活性を発現する前記3種の少なく
とも1つを含有する新規ペプチドを見出した。
る。本発明における新規ペプチドはイワシを原料として
タンパク質分解酵素を用いることにより見出したもので
あり、新規ペプチドの安全性に何ら問題はない。またこ
の理由からもこのアミノ酸配列からなるペプチドであれ
ば他の生物資源から得られたものであってもあるいは合
成手法によるペプチドであっても安全に人体に供するこ
とができる。すなわち本発明では、生物資源としてイワ
シすり身を用い、これを市販のタンパク質分解酵素によ
ってペプチド化したものである。これらペプチドのAC
E阻害活性をカッシュマン アンド チュング( Cushm
an & Cheung ) の手法に従って検討することにより優れ
たACE阻害活性を有するペプチド画分を得ることがで
きた。これを更に各種クロマトグラフィーを用いること
により、ACE阻害活性を発現する新規ペプチドを見出
したものである。また、自然界に広くかつ大量に存在す
るアクチン系タンパク質を、同様に加水分解することに
よっても、ACE阻害活性を発現する前記3種の少なく
とも1つを含有する新規ペプチドを見出した。
【0007】この優れたACE阻害活性を有する新規ペ
プチドの利用方法としては、血圧降下剤及び/又は血管
拡張剤として医薬に利用できるほか、高血圧予防を目的
とする健康食品、機能性食品などと称される各種食品と
しても大いに利用できる。
プチドの利用方法としては、血圧降下剤及び/又は血管
拡張剤として医薬に利用できるほか、高血圧予防を目的
とする健康食品、機能性食品などと称される各種食品と
しても大いに利用できる。
【0008】次に本発明を実験例を示しながら具体的に
説明する。 (ACE阻害活性測定)試料を試験管に50μl入れ、
これに100μlのACE(シグマ社製、2.5mM)溶
液を添加し、37℃で5分間保温後、基質として、10
0μlのBz−Gly−L−His−L−Leu(ペプ
チド研究所製、最終濃度5mM、NaCl400mMを含
む)を添加し、37℃で60分間反応させた。その後
0.5N塩酸0.25mlを添加して反応を停止させた
後、1.5mlの酢酸エチルを加え、15秒間激しくかく
はんした。その後3000rpm で10分間遠心して、酢
酸エチル層を140℃で20分間加熱し、溶媒を除去し
た。溶媒除去後、3mlの1MNaCl水溶液に溶解さ
せ、抽出された馬尿酸の吸収(228nmの吸光度)を測
定し、これを酵素活性とした。 阻害率=〔(A−B)/A〕×100(%) A;阻害剤を含まない場合の228nmの吸光度 B;阻害剤添加の場合の228nmの吸光度 そして、阻害率50%の時の試料濃度をIC50とする。
説明する。 (ACE阻害活性測定)試料を試験管に50μl入れ、
これに100μlのACE(シグマ社製、2.5mM)溶
液を添加し、37℃で5分間保温後、基質として、10
0μlのBz−Gly−L−His−L−Leu(ペプ
チド研究所製、最終濃度5mM、NaCl400mMを含
む)を添加し、37℃で60分間反応させた。その後
0.5N塩酸0.25mlを添加して反応を停止させた
後、1.5mlの酢酸エチルを加え、15秒間激しくかく
はんした。その後3000rpm で10分間遠心して、酢
酸エチル層を140℃で20分間加熱し、溶媒を除去し
た。溶媒除去後、3mlの1MNaCl水溶液に溶解さ
せ、抽出された馬尿酸の吸収(228nmの吸光度)を測
定し、これを酵素活性とした。 阻害率=〔(A−B)/A〕×100(%) A;阻害剤を含まない場合の228nmの吸光度 B;阻害剤添加の場合の228nmの吸光度 そして、阻害率50%の時の試料濃度をIC50とする。
【0009】(実験例)イワシすり身を加水後必要であ
れば細砕したあとタンパク質分解酵素を用いて加水分解
する。このとき原料と酵素剤との混合を良くする工夫が
あれば更に良い。適当な条件下で加水分解した後、加温
し、酵素活性を失活させたものを、遠心分離やその他の
ろ過方法によって分解液と残渣とに区分する。この分解
液をODS樹脂を充てんしたカラムに通液する。次に
水、及び濃度の異なるエタノール溶液によって順次ペプ
チド区分を分画し、分取することによって、ACE阻害
活性の高いペプチド部分を得る。
れば細砕したあとタンパク質分解酵素を用いて加水分解
する。このとき原料と酵素剤との混合を良くする工夫が
あれば更に良い。適当な条件下で加水分解した後、加温
し、酵素活性を失活させたものを、遠心分離やその他の
ろ過方法によって分解液と残渣とに区分する。この分解
液をODS樹脂を充てんしたカラムに通液する。次に
水、及び濃度の異なるエタノール溶液によって順次ペプ
チド区分を分画し、分取することによって、ACE阻害
活性の高いペプチド部分を得る。
【0010】このペプチド部分を得る方法は、用いてい
る原材料がイワシすり身、タンパク質分解酵素、エタノ
ールとすべて食品として長く用いられてきた物質ばかり
で構成される特長があり、分解手法としてもODS樹脂
を用いたことにより、ペプチドの鎖長を主たる要因に分
画したものであり、特殊なフラグメントを特殊な溶媒を
用いて収集したものではない。すなわちペプチド部分は
このまま直ちに食品として、あるいは食品原料として人
に供与されても全く問題ないものである。
る原材料がイワシすり身、タンパク質分解酵素、エタノ
ールとすべて食品として長く用いられてきた物質ばかり
で構成される特長があり、分解手法としてもODS樹脂
を用いたことにより、ペプチドの鎖長を主たる要因に分
画したものであり、特殊なフラグメントを特殊な溶媒を
用いて収集したものではない。すなわちペプチド部分は
このまま直ちに食品として、あるいは食品原料として人
に供与されても全く問題ないものである。
【0011】このペプチド部分から常法に従って、イオ
ン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィ
ー、逆相分配クロマトグラフィーなどの手法によって、
ペプチドフラグメントを得たのち、アミノ酸シークエン
サーを用いて構造決定し、アミノ酸分析機によって確認
する。
ン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィ
ー、逆相分配クロマトグラフィーなどの手法によって、
ペプチドフラグメントを得たのち、アミノ酸シークエン
サーを用いて構造決定し、アミノ酸分析機によって確認
する。
【0012】このようにして得られたペプチドフラグメ
ントは、全く新規な構造を有しており、過去に公知であ
るとの証拠は見当らない。またACE阻害活性は優れた
力価を示し、前述の応用分野における特長ある原料とし
て使用することが可能である。
ントは、全く新規な構造を有しており、過去に公知であ
るとの証拠は見当らない。またACE阻害活性は優れた
力価を示し、前述の応用分野における特長ある原料とし
て使用することが可能である。
【0013】
【実施例】以下本発明を実施例を用いて更に具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるもの
ではない。
明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるもの
ではない。
【0014】実施例1 イワシすり身50gに水500mlを加えた後、ホモゲナ
イザー/ポリトロン〔スイスのキネマチカ社( Kinemat
ica-mbH )〕で2分間ホモゲナイズした。このホモジネ
ート液を98℃で15分間インキュベートし、pHを3に
調整した。これにペプシン(ベーリンガーマンハイム
社)500mgを加え、ポリトロンで1分間更にホモゲナ
イズした。次に振とう下40℃で5時間加水分解した
後、pH7に調整し、98℃15分間の加熱により酵素を
失活させ、加水分解を終了した。この加水分解液は10
000rpm 、15分間遠心し、更に上清をろ紙ろ過する
ことにより、酵素分解液500mlを得た。この酵素分解
液をODS樹脂(YMC社製 ODS−AQ120 −S5
0)を充てんしたカラム(3.5cm×14cm)に通し、
水500ml(F−1)と10%エタノール溶液(F−
2)、25%エタノール溶液(F−3)、50%エタノ
ール溶液(F−4)、99.5%エタノール溶液(F−
5)それぞれ500mlを用いて分画分取した。それぞれ
の分画は表1に示すように高いACE阻害活性を有し、
分画前より優位に力価は上っている。
イザー/ポリトロン〔スイスのキネマチカ社( Kinemat
ica-mbH )〕で2分間ホモゲナイズした。このホモジネ
ート液を98℃で15分間インキュベートし、pHを3に
調整した。これにペプシン(ベーリンガーマンハイム
社)500mgを加え、ポリトロンで1分間更にホモゲナ
イズした。次に振とう下40℃で5時間加水分解した
後、pH7に調整し、98℃15分間の加熱により酵素を
失活させ、加水分解を終了した。この加水分解液は10
000rpm 、15分間遠心し、更に上清をろ紙ろ過する
ことにより、酵素分解液500mlを得た。この酵素分解
液をODS樹脂(YMC社製 ODS−AQ120 −S5
0)を充てんしたカラム(3.5cm×14cm)に通し、
水500ml(F−1)と10%エタノール溶液(F−
2)、25%エタノール溶液(F−3)、50%エタノ
ール溶液(F−4)、99.5%エタノール溶液(F−
5)それぞれ500mlを用いて分画分取した。それぞれ
の分画は表1に示すように高いACE阻害活性を有し、
分画前より優位に力価は上っている。
【0015】
【表1】
【0016】本発明により見出された新規ペプチドは2
5%エタノール(F−3)溶出画分に存在する。すなわ
ち25%エタノール(F−3)溶出画分は濃縮後、SP
−セファデックス C−25(H+ 型)カラム(1.5
cm×33cm)に通し、ギ酸アンモニウムのステップワイ
ズグラジエントで溶出し、4つの主要なACE阻害活性
画分を集めた。次に各々画分を40%メタノールを溶出
液としてトヨパールHW−40カラム(1.5cm×10
0cm)クロマトグラフィーにより脱塩し、活性画分をO
DS逆相液体クロマトグラフィーで更に分離した。それ
ぞれの分離したペプチドフラグメント画分は、ACE阻
害活性を確認し、アミノ酸シークエンサー(ABI社製
477A型)を用いて構造解析し、アミノ酸配列を求
めると共にアミノ酸分析機(日立製作所製 L−850
0型)を用いてアミノ酸組成を求めることにより、アミ
ノ酸一次構造を決定した。本発明による新規ペプチド
は、SP−セファデックス C−25カラムクロマトグ
ラフィーのB画分から得られたものであり(図1)、各
画分のACE阻害率を図1に、またB画分の脱塩後のO
DS逆相液体クロマトグラフィーの結果、及びACE阻
害率をそれぞれ図2、図3に示した。なお、図1におい
て横軸はフラクション番号(各11ml)、縦軸は280
nmにおける吸光度(A280 、黒丸印)、ACE阻害率
(%、白丸印)を示す。図2において、横軸は時間
(分)、縦軸は220nmにおける吸光度(A22 0 、実
線)、CH3 CN(%、点線)を示す。このCH3 CN
%は展開溶媒として用いたアセトニトリルの濃度変化を
示す。図3において、横軸は時間(分)、縦軸はACE
阻害率(%)を示す。
5%エタノール(F−3)溶出画分に存在する。すなわ
ち25%エタノール(F−3)溶出画分は濃縮後、SP
−セファデックス C−25(H+ 型)カラム(1.5
cm×33cm)に通し、ギ酸アンモニウムのステップワイ
ズグラジエントで溶出し、4つの主要なACE阻害活性
画分を集めた。次に各々画分を40%メタノールを溶出
液としてトヨパールHW−40カラム(1.5cm×10
0cm)クロマトグラフィーにより脱塩し、活性画分をO
DS逆相液体クロマトグラフィーで更に分離した。それ
ぞれの分離したペプチドフラグメント画分は、ACE阻
害活性を確認し、アミノ酸シークエンサー(ABI社製
477A型)を用いて構造解析し、アミノ酸配列を求
めると共にアミノ酸分析機(日立製作所製 L−850
0型)を用いてアミノ酸組成を求めることにより、アミ
ノ酸一次構造を決定した。本発明による新規ペプチド
は、SP−セファデックス C−25カラムクロマトグ
ラフィーのB画分から得られたものであり(図1)、各
画分のACE阻害率を図1に、またB画分の脱塩後のO
DS逆相液体クロマトグラフィーの結果、及びACE阻
害率をそれぞれ図2、図3に示した。なお、図1におい
て横軸はフラクション番号(各11ml)、縦軸は280
nmにおける吸光度(A280 、黒丸印)、ACE阻害率
(%、白丸印)を示す。図2において、横軸は時間
(分)、縦軸は220nmにおける吸光度(A22 0 、実
線)、CH3 CN(%、点線)を示す。このCH3 CN
%は展開溶媒として用いたアセトニトリルの濃度変化を
示す。図3において、横軸は時間(分)、縦軸はACE
阻害率(%)を示す。
【0017】このB−1、B−2、及びB−3フラクシ
ョンは、再びODSカラムクロマトグラフィーにより精
製し、それぞれ一次構造を決定することにより、B−1
は配列表の配列番号1、B−2は配列表の配列番号2、
B−3は式(化1)で表される構造であることを確認し
た。これらのペプチドは新規ペプチドである。それぞれ
のアミノ酸組成、ACE阻害活性を下記表2に示す。
ョンは、再びODSカラムクロマトグラフィーにより精
製し、それぞれ一次構造を決定することにより、B−1
は配列表の配列番号1、B−2は配列表の配列番号2、
B−3は式(化1)で表される構造であることを確認し
た。これらのペプチドは新規ペプチドである。それぞれ
のアミノ酸組成、ACE阻害活性を下記表2に示す。
【0018】
【表2】
【0019】表2より、本発明で得られた新規ペプチド
は優れたACE阻害活性を示すことが判明した。なお、
表2におけるB−3の式(化1)で表されるペプチド
は、本発明者等が先に特許出願した特開平3−1109
7号のペプチドの1つである下記式(化2): Asp−Lys−Gly−His−Leu−Lys−L
eu−Phe(化2) で表されるペプチド中にアミノ酸配列として含まれてい
るが、式(化2)で表されるペプチドのIC50は109
(μM)であり、式(化1)で表されるペプチドの方
が、ACE阻害活性が高いことが判明した。
は優れたACE阻害活性を示すことが判明した。なお、
表2におけるB−3の式(化1)で表されるペプチド
は、本発明者等が先に特許出願した特開平3−1109
7号のペプチドの1つである下記式(化2): Asp−Lys−Gly−His−Leu−Lys−L
eu−Phe(化2) で表されるペプチド中にアミノ酸配列として含まれてい
るが、式(化2)で表されるペプチドのIC50は109
(μM)であり、式(化1)で表されるペプチドの方
が、ACE阻害活性が高いことが判明した。
【0020】実施例2(参考例) 市販アクチン(シグマ社製、ニワトリ筋肉由来)100
mgに、水1mlを加え、実施例1と同様に加水分解、分画
を行った。得られた新規ペプチドの一次構造は、配列表
の配列番号1で表されるアミノ酸配列であり、そのIC
50は83μMで、優れたACE阻害活性を示した。
mgに、水1mlを加え、実施例1と同様に加水分解、分画
を行った。得られた新規ペプチドの一次構造は、配列表
の配列番号1で表されるアミノ酸配列であり、そのIC
50は83μMで、優れたACE阻害活性を示した。
【0021】
【発明の効果】本発明により得られる新規ペプチドは優
れたACE阻害活性を有し、しかもイワシより得られた
安全性の高い物質であるので、本発明は優れたACE阻
害剤の製造方法の発明であり、また、得られるACE阻
害剤は、各種食品や医薬品に血圧降下剤及び/又は血管
拡張剤として利用可能である。
れたACE阻害活性を有し、しかもイワシより得られた
安全性の高い物質であるので、本発明は優れたACE阻
害剤の製造方法の発明であり、また、得られるACE阻
害剤は、各種食品や医薬品に血圧降下剤及び/又は血管
拡張剤として利用可能である。
【0022】
【0023】配列番号:1 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0024】配列番号:2 配列の長さ:6 配列の型:アミノ酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【図1】本発明に係るイワシすり身酵素分解物をODS
樹脂処理で分画したF−3画分を、更にSP−セファデ
ックス C−25(H+ 型)カラムで再分画した時のク
ロマトグラフィーの結果と、それらのACE阻害率を示
すグラフである。
樹脂処理で分画したF−3画分を、更にSP−セファデ
ックス C−25(H+ 型)カラムで再分画した時のク
ロマトグラフィーの結果と、それらのACE阻害率を示
すグラフである。
【図2】F−3画分を再分画した時のB画分の脱塩後の
ODS逆相液体クロマトグラフィーの結果と、アセトニ
トリルの濃度変化を示すグラフである。
ODS逆相液体クロマトグラフィーの結果と、アセトニ
トリルの濃度変化を示すグラフである。
【図3】B画分の脱塩後の画分のACE阻害率を示すグ
ラフである。
ラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07K 5/08 C12N 9/99 C12N 9/99 A61K 37/64 // C07K 123:00 (56)参考文献 特開 平3−81291(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12P 21/02 - 21/06 C07K 5/08 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (1)
- 【請求項1】 アクチン系タンパク質を加水分解して、
下記式(化1): Leu−Lys−Leu(化1) で示されるアミノ酸配列で表されるペプチドを含有して
いるアンジオテンシンI変換酵素阻害剤を得ることを特
徴とするアンジオテンシンI変換酵素阻害剤の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000055119A JP3118236B2 (ja) | 2000-03-01 | 2000-03-01 | アンジオテンシンi変換酵素阻害剤の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000055119A JP3118236B2 (ja) | 2000-03-01 | 2000-03-01 | アンジオテンシンi変換酵素阻害剤の製造方法 |
Related Parent Applications (1)
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---|---|---|---|
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