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JP3114744B2 - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂組成物

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JP3114744B2
JP3114744B2 JP16869391A JP16869391A JP3114744B2 JP 3114744 B2 JP3114744 B2 JP 3114744B2 JP 16869391 A JP16869391 A JP 16869391A JP 16869391 A JP16869391 A JP 16869391A JP 3114744 B2 JP3114744 B2 JP 3114744B2
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polycarbonate resin
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邦年 三村
誠 水谷
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形性、剛性に優れた
ポリカーボネート樹脂組成物であり、種々の成形品、シ
ート状成形品などとして好適に使用可能である。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリカーボネート樹脂は、耐熱
性、耐衝撃性、寸法安定性に優れることから有用なエン
ジニアリングプラスチックスとして利用されている。し
かし、その剛性、特に曲げ弾性率は比較的低く、応力を
加えたときの変形が大きいため、より剛性の高い材料が
求められていた。
【0003】ポリカーボネート樹脂とポリブチレンテレ
フタレート樹脂との組成物はポリカーボネート樹脂に比
較して剛性が高くなるが、その効果は不十分であった。
【0004】ポリカーボネート樹脂と特殊なポリエステ
ル樹脂との混合物について、特開昭50−102648
号公報は、テレフタル酸及びイソフタル酸とエチレング
リコール及びビスフェノールAのエチレンオキサイド付
加物とからなるポリエステル樹脂並びにポリカーボネー
ト樹脂を配合してなる樹脂組成物を開示し、透明性を保
持しつつ成形性、耐溶剤性、耐湿性を改良し、さらに耐
衝撃性を殆ど失うことなく引張、曲げ強度が向上すると
記載しているが、共重合ポリエステルを構成するテレフ
タル酸及びイソフタル酸の比率については特に記述がな
く、その実施例ではテレフタル酸とエチレングリコー
ル、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物から
なるポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂との組成
物を具体的に示すのみである。そして、その曲げ強度は
1064kg/cm2 であり、ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂とポリカーボネート樹脂との組成物よりやや強
度が向上する程度であった。一方、ポリカーボネート樹
脂の剛性を上げるためにはガラス繊維、炭素繊維のよう
な繊維状強化物を添加することが有効であるが、十分な
剛性を得るためには繊維状強化材の添加量が多くなり、
組成物の外観が悪くなる欠点があった。以上のようにポ
リカーボネート樹脂の剛性を向上させる十分な技術はな
かった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、芳香族ポ
リカーボネート樹脂の剛性を向上させることを目的とし
て鋭意検討した結果、テレフタル酸(以下、TPAと記
す)及びイソフタル酸(以下、IPAと記す)をジカル
ボン酸成分とし、エチレングリコール(以下、EGと記
す)及びビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物
(以下、BPAEOと記す)をグリコール成分として用
いてなるポリエステル樹脂(以下、CPESと記す)で
あって、かつ、それら各成分のモル比が特定の範囲のポ
リエステル樹脂とポリカーボネート樹脂との組成物に少
量の繊維状強化材を配合することで、ポリカーボネート
樹脂の剛性が向上することを見いだし、本発明を完成す
るに至った。
【0006】すなわち、本発明は、(A)芳香族ポリカ
ーボネート樹脂と、(B)熱可塑性ポリエステル樹脂の
混合比率が重量比で95/5〜5/95の範囲の樹脂の
合計量100重量部に対して、(C)繊維状強化材を
〜25重量部配合してなる樹脂組成物であって、該熱可
塑性ポリエステル樹脂(B)が、ジカルボン酸残基から
下式(1)及び(2)とグリコール残基からなる下式
(3)及び(4)とを必須の構成単位とし、かつ、構成
単位のモル比がそれぞれ、 (1)/(2)=50/50〜20/80 (3)/(4)=80/20〜50/50 である熱可塑性ポリエステル樹脂であることを特徴とす
る熱可塑性樹脂組成物である。
【0007】
【化2】
【0008】また、該繊維状強化がガラス繊維、炭素繊
維、ウィスカー類である熱可塑性樹脂組成物である。
【0009】以下、本発明の構成について説明する。本
発明のポリカーボネート樹脂(A)は、芳香族ジヒドロ
キシ化合物又はこれと少量のポリヒドロキシ化合物をホ
スゲン又は炭酸のジエステルと反応させることによって
製造される分岐していてもよい熱可塑性ポリカーボネー
ト重合体である。ここに、芳香族ジヒドロキシ化合物と
しては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル) ケトン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プ
ロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブ
ロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)
プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
ジフェニルメタンが例示され、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)シクロヘキサンが熱安定性の面から好ま
しい。
【0010】また、末端停止剤或いは分子量調節剤を通
常使用するものであり、これらとしては一価のフェノー
ル性水酸基を有する化合物が挙げられ、通常のフェノー
ル、p−第三ブチルフェノール、トリブロモフェノール
などの他に、長鎖アルキルフェノール、脂肪族カルボン
酸クロライド、脂肪族カルボン酸、ヒドロキシ安息香酸
アルキルエステル、ヒドロキシ・安息香酸アルキルエス
テル、アルキルエーテルフェノールなどが例示される。
その使用量は用いる全ての二価フェノール系化合物10
0モルに対して、100〜0.5モル、好ましくは50
〜2モルの範囲であり、二種以上の化合物を併用するこ
とも当然に可能である。更に分岐化剤を上記の二価フェ
ノール系化合物に対して、0.01〜3モル%、特に
0.1〜1.0モル%の範囲で併用して分岐化ポリカー
ボネートと出来、分岐化剤としては、フロログリシン、
2,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシ
フェニル)ヘプテン−3、4,6−ジメチル−2,4,
6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、
1,3,5−トリ(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾー
ル、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジ
ル)−4−メチルフェノール、α, α′, α″−トリ
(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプ
ロピルベンゼンなどで例示されるポリヒドロキシ化合
物、及び3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキ
シインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロ
ルイサチンビスフェノール、5,7−ジクロルイサチン
ビスフェノール、5−ブロムイサチンビスフェノールな
どが例示される。
【0011】本発明で用いる熱可塑性ポリエステル樹脂
(B)は、ジカルボン酸からの残基である上記した式
(1)のTPA(テレフタル酸)からの残基と上記式
(2)のIPA(イソフタル酸)からなる残基と、グリ
コール残基である上記式(3)のEG(エチレングリコ
ール)からの残基と上記式(4)のBPAEOからの残
基とを必須の構成単位とし、かつ、それぞれの構成単位
のモル比が上記の範囲のものである。このポリエステル
樹脂の重合度は特に制限はないが、通常、フェノール/
テトラクロルエタン(容量比6/4)の混合溶媒を溶剤
として測定した場合の極限粘度として0.5〜1.5、
好ましくは0.6〜1.2の範囲である。
【0012】本発明で用いられる繊維状強化材はガラス
繊維、炭素繊維のチョップドストランド、ミルドファイ
バーであり、繊維径が2ミクロン以下の極細ガラス繊維
も含まれる。ウィスカー類としてはチタン酸カリウムウ
ィスカー、酸化チタンウィスカー、酸化亜鉛ウィスカ
ー、ほう酸アルミニウムウィスカーなどがあげられる。
【0013】本発明の熱可塑性樹脂組成物は上記した成
分を必須とするものである。この組成物中の芳香族ポリ
カーボネート樹脂(A)と熱可塑性ポリエステル樹脂
(B)との配合比は、重量比で(A)/(B)=95/
5〜5/95の範囲から適宜選択するが、熱可塑性ポリ
エステル樹脂が多いと耐熱性が低下するため、(A)/
(B)=95/5〜50/50の範囲がより好ましい。
繊維状強化材(C)は熱可塑性ポリカーボネート樹脂
(A)と熱可塑性ポリエステル樹脂(B)の合計量10
0重量部当たり1〜25重量部の添加する。繊維状強化
材の添加量が1重量部未満では剛性の改善に効果がみら
れず、25重量部を超えると成形性の低下が大きくな
る。
【0014】以上の如くである本発明の熱可塑性樹脂組
成物には所望に応じて、従来、ポリカーボネート樹脂に
公知の種々の添加剤類が配合可能であり、これらとして
はエラストマー、充填剤、安定剤、紫外線吸収剤、帯電
防止剤、滑剤、離型剤、染料、顔料、難燃剤などが挙げ
られる。エラストマーとしてはMBS、MABS、MA
Sなどのアクリル系エラストマー、ポリエステルエラス
トマーなどが用いられる。安定剤としては特に亜リン
酸、または亜リン酸エステルが挙げられ、又、離型剤と
しては飽和脂肪酸のモノ−或いは多価アルコールのエス
テルが挙げられ、ステアリルステアレート、ベヘニルベ
ヘネート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、
ジペンタエリスリトールヘキサオクトエートなどが好適
なものとして例示される。
【0015】
【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明を
具体的に説明する。なお、実施例中の部は特に断らない
限り重量基準である。 合成例 1 温度計、攪拌機、溜出用コンデンサーを備えた反応容器
中に、ジメチルテレフタレート310部、ジメチルイソ
フタレート466部、EG422部、ビスフェノールA
の両水酸基にエチレンオキサイドを付加させたもの(=
BPAEO)414部およびテトラブチルチタネート
0.4部を仕込み、180〜230℃で 6時間エステル
交換反応を実施し、次いで反応系を40分かけて5mm
Hgまで減圧し、この間275℃まで昇温した。更に
0.3mmHg、275℃で重縮合反応を50分間行っ
た。得られた共重合ポリエステル樹脂(=CPES1)
は、微黄色透明で、NMRによる組成分析の結果、酸成
分がモル比でTPA/IPA=40/60、グリコール
成分がモル比でEG/BPAEO=70/30、還元粘
度 ηsp/C=0.72dl/gであった。
【0016】合成例2 合成例1と同様にして酸成分としてテレフタル酸/イソ
フタル酸、グリコール成分としてエチレングリコール/
BPAEOのモル比の異なるポリエステルを合成した。
【0017】実施例1〜5および比較例1〜5 ビスフェノールAを原料とするポリカーボネート樹脂
(三菱瓦斯化学製、商品名:ユーピロンE−2000、
分子量28,000、以下「PC」と記す) と合成例1
で得られたポリエステルおよび繊維状強化材を下記第1
表に記載した割合で混合し、40mm単軸押出機でシリ
ンダー温度240〜260℃で押し出し、ペレット化し
た。得られたペレットを射出成形機にて240〜260
℃で物性測定用試験片を成形し、その機械的強度を測定
した。結果を第1表に示した。
【0018】なお、第1表中の成分、物性値は下記によ
った。共重合ポリエステル構成成分モル比 CPES1:TPA/IPA=40/60、EG/BP
AEO=70/30 CPES2:TPA/IPA=60/40、EG/BP
AEO=70/30 PET :日本ユニペット製、 RT 543CA PBT :ポリプラスチックス製、 ジュラネックス
2002繊維状強化材 409C :旭ファイバーグラス製チョプドガラス 繊
維径13μ FM800:日本無機製 ファインウール 繊
維径0.8μ HT300:チタン工業製 チタン酸カリウムウィスカ
ー ALB :四国化成工業製 ほう酸アルミニウムウィ
スカー物性値 σT :引張強度、単位 kg/cm2 σF :曲げ強度、単位 kg/cm2 YF :曲げ弾性率、単位 ×103 kg/cm2 IZ :アイゾット衝撃強度 1/8”ノッチ付き 単
位 kg・cm/cm
【0019】 第1表 実1 実2 実3 実4 実5 比1 比2 比3 比4 比5 成分 (部) PC 63 56 63 63 63 70 90 63 63 63 PES 27 24 27 27 27 30 ─ 27 27 27 (種類) CPES1 同左 同左 同左 同左 同左 PET PBT CPES2 強化材 10 20 10 10 10 ─ 10 10 10 10 (種類) 409C 同左 FM800 HT300 ALB 409C 同左 同左 同左物性値 σT 975 1230 910 840 860 740 770 800 850 900 σF 1510 1780 1410 1350 1420 1200 1260 1270 1360 1390 F 43.0 62.9 40.3 41.5 42.0 29.9 36.3 36.9 37.5 38.8 HDT 108 110 103 103 104 95 145 139 112 111
【0020】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記に
説明したように少量の繊維状強化物の添加で曲げ強度、
曲げ弾性率などの剛性が改良されたものである。このこ
とから、より高い剛性を要求される種々の成形品などの
用途に好適に使用できることが明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 67/00 - 69/00 C08K 3/00 - 13/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)芳香族ポリカーボネート樹脂と、
    (B)熱可塑性ポリエステル樹脂の混合比率が重量比で
    95/5〜5/95の範囲の樹脂の合計量100重量部
    に対して、(C)繊維状強化材を1〜25重量部配合し
    てなる樹脂組成物であって、該熱可塑性ポリエステル樹
    脂(B)が、ジカルボン酸残基からなる下式(1)及び
    (2)と、グリコール残基からなる下式(3)及び
    (4)とを必須の構成単位とし、かつ、構成単位のモル
    比がそれぞれ、 (1)/(2)=50/50〜20/80 (3)/(4)=80/20〜50/50 である熱可塑性ポリエステル樹脂であることを特徴とす
    る熱可塑性樹脂組成物。 【化1】
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