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JP2850470B2 - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂組成物

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JP2850470B2
JP2850470B2 JP9405290A JP9405290A JP2850470B2 JP 2850470 B2 JP2850470 B2 JP 2850470B2 JP 9405290 A JP9405290 A JP 9405290A JP 9405290 A JP9405290 A JP 9405290A JP 2850470 B2 JP2850470 B2 JP 2850470B2
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悟郎 島岡
誠 水谷
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、機械的性質、特に低温下での耐衝撃性に優
れ、良好な外観および良好な成形加工性を示す難燃性の
改良されたポリカーボネート樹脂組成物であり、透明性
にも優れているので種々の用途にも好適に使用可能なも
のである。
〔従来の技術および課題〕
芳香族ポリカーボネート樹脂は耐熱性、耐衝撃性、電
気特性、寸法安定性などに優れ、かつ、透明であること
から有用なエンジニアリングプラスチックとして種々の
用途に利用されている。
しかし、難燃性が必ずしも充分ではない。この改良法
として、従来、芳香族ポリカーボネート樹脂の難燃性を
改良する目的で、Brを含有するポリカーボネート共重合
体としたり、Brを含有するポリカーボネートオリゴマー
を配合すつする方法が、機械的特性、耐熱性などの物性
バランスの点から用いられているが、ポリカーボネート
樹脂の優れた耐衝撃性が劣ってくるものであった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、難燃性で耐衝撃性の優れたポリカーボ
ネート樹脂組成物をうるべく検討した結果、ポリシロキ
サン鎖を有するコ−ポリカーボネート樹脂を配合するこ
とにより、両者が改良されることを見出し、本発明に到
達した。
すなわち、本発明は、下記構造式(A)及び(B)で
表される構成単位を有するコ−ポリカーボネート樹脂
(1)、又は該コ−ポリカーボネート樹脂(1)とハロ
ゲン非含有芳香族ポリカーボネート樹脂(2)との組成
物に、ハロゲン含有芳香族ポリカーボネート(3)を配
合してなる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物である。
構造式(A); 構造式(B); (構造式(A)のnは1〜200の正数を示し、Rは炭素
数2〜6のアルキレン基を示す。また構造式(B)のB
は炭素数1〜10の直鎖、分岐鎖或いは環状のアルキリデ
ン基、アリール置換アルキレン基、アリール基又は−O
−,−S−,−CO−,−SO2−を示し、R1、R2、R3及びR
4は水素、ハロゲン又は炭素数1〜4のアルキル基を示
す。) 又、本発明において、該ハロゲン含有ポリカーボネー
トの配合量が、5〜50重量%の範囲であること、該コ−
ポリカーボネート樹脂(1)の構造式(A)で表される
構成単位が0.2〜50重量%であること、さらに該コ−ポ
リカーボネート樹脂(1)の構造式(A)中のRが、−
CHR5−CH2−(式中のR5はベンゼン環側の炭素原子に結
合したものであり、水素またはメチル基を表す。)であ
ることからなる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物であ
る。
以下、本発明の構成について説明する。
本発明のコ−ポリカーボネート樹脂(1)は、構成単
位としてシリコーン鎖、脂肪鎖を有するビスフェノール
からなる前記構造式(A)の構造単位を有することを特
徴とするものであり、従来の芳香族ポリカーボネート樹
脂の製法において、下記した一般式(1)のシリコーン
鎖、脂肪鎖を持った二価フェノールを一部に使用するこ
とを除き従来の界面重合法と同様の製造方法が好適に適
用されるものである。
一般式(1); 式中のn、Rは構造式(A)と同じである。
このコ−ポリカーボネート樹脂中の構造式(A)で表
される構成単位は、特に限定されないが、好ましくは0.
2〜50重量%の範囲、特に0.5〜25重量%の範囲が好適で
あり、構造式(A)中のシロキサン単位の繰り返し数
(n)は1〜200の範囲、好ましくは5〜100の範囲であ
る。また、該構造式(A)中のRとしては、エチレン、
プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、ペンチレン、
ヘキシレンなどが例示されるが、特に−CHR5−CH2
(式中のR5はベンゼン環側の炭素原子に結合したもので
あり、水素またはメチル基を表す。)が好適である。こ
の構造式(A)の構成単位は、前記一般式(1)で表さ
れるフェノール性水酸基を両末端に有する二価フェノー
ルを通常のビスフェノールと同様に用いることにより導
入されるものである。この一般式(1)で表される化合
物は、オレフィン性の不飽和炭素−炭素結合を有するフ
ェノール類、好適にはビニルフェノールやイソプロペニ
ルフェノールを所定の重合法(n)を有するポリシロキ
サン鎖の末端に、ハイドロシラネーション反応させるこ
とにより容易に製造されるものである。
また、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂(2)と
は、ハロゲンを含有しない二価フェノール系化合物とホ
スゲン、炭酸エステル、或いはクロロホーメートとを反
応させる従来の芳香族ポリカーボネート樹脂の製法によ
り製造されるものである。
更に、本発明の芳香族ポリカーボネート(3)とは、
ハロゲンを含有する二価フェノール系化合物とホスゲ
ン、炭酸エステル、或いはクロロホーメートとを反応さ
せる従来の芳香族ポリカーボネート樹脂或いはオリゴマ
ーの製法により製造されるハロゲン化ポリカーボネート
オリゴマーである。
ここに、上記したコ−ポリカーボネート樹脂(1)、
芳香族ポリカーボネート樹脂(2)、およびハロゲン含
有ポリカーボネート(3)の製造に用いる二価フェノー
ル系化合物としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ケトン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エ
タン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プ
ロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−
ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン
が例示される。ハロゲン非含有ポリカーボネートの製造
やコ−ポリカーボネート樹脂の製造には、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンが熱安定性の面
から好ましい。また、末端停止剤或いは分子調節量剤を
通常使用するものであり、これらとしては一価のフェノ
ール性水酸基を有する化合物が挙げられ、通常のフェノ
ール、p−第三ブチルフェノール、トリブロモフェノー
ルなどの他に、長鎖アルキルフェノール、脂肪族カルボ
ン酸クロライド、脂肪族カルボン酸、ヒドロキシ安息香
酸アルキルエステル、ヒドロキシ・フェニル酸アルキル
エステル、アルキルエーテルフェノールなどが例示され
る。その使用量は用いる全ての二価フェノール系化合物
100モルに対して、100〜0.5モル、好ましくは50〜2モ
ルの範囲であり、二種以上の化合物を併用することも当
然に可能である。更に分岐化剤を上記の二価フェノール
系化合物に対して、0.01〜3モル%、特に0.1〜1.0モル
%の範囲で併用して分岐化ポリカーボネートと出来、分
岐化剤としては、フロログリシン、2,6−ジメチル−2,
4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−3、
4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニ
ル)ヘプテン−2、1,3,5−トリ(2−ヒドロキシフェ
ニル)ベンゾール、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェ
ニル)エタン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチ
ルベンジル)−4−メチルフェノール、α,α′,α″
−トリ(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソ
プロピルベンゼンなどで例示されるポリヒドロキシ化合
物、及び3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシ
インドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロル
イサチン、5,7−ジクロルイサチン、5−ブロムイサチ
ンなどが例示される。
本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物における
上記したコ−ポリカーボネート樹脂(1)又は該コ−ポ
リカーボネート(1)と芳香族ポリカーボネート樹脂
(2)との組成物に対するハロゲン含有ポリカーボネー
ト(3)の配合量は、特に制限はないものであるが、耐
衝撃性を維持する面から組成物中の樹脂成分の1〜50重
量%が好ましく、更に好ましくは5〜30重量%の範囲で
ある。また、該コ−ポリカーボネート(1)と芳香族ポ
リカーボネート樹脂(2)との比率は特に制限はなく、
コ−ポリカーボネート樹脂(1)/芳香族ポリカーボネ
ート樹脂(2)=1/99〜99/1の広い範囲から選択される
が、より好ましくは50/50〜10/95の範囲から選択され
る。
組成物中のコ−ポリカーボネート樹脂(1)の量が少
なすぎると耐衝撃性の改良が不十分であり、また、ハロ
ゲン含有ポリカーボネート(3)の配合量が少なすぎる
と難燃性の改良が不十分である。また、ハロゲン含有ポ
リカーボネート(3)の配合量が多いと耐衝撃性が低下
するので好ましくない。
以上の如くである本発明の難燃性ポリカーボネート樹
脂組成物には所望に応じて、従来、ポリカーボネート樹
脂に公知の種々の添加剤類が配合可能なものであり、こ
れらとしては補強材、充填剤、安定剤、紫外線吸収剤、
帯電防止剤、滑剤、離型剤、染料、顔料、その他の難燃
剤や耐衝撃性改良用のエラストマーなどが挙げられる。
例えば、安定剤としては特に亜リン酸、又はホスファイ
トが好適である。又、離型剤としては飽和脂肪酸のモノ
−或いは多価アルコールのエステルが挙げられ、ステア
リルステアレート、ベヘニルベヘネート、ペンタエリス
リトールテトラステアレート、ジペンタエリスリトール
ヘキサオクトエートなどが好適なものとして例示され
る。ガラス粉、ガラスビーズ、合成雲母或いはフッ素化
雲母、酸化亜鉛、炭素繊維、特に繊維径が2μm以下の
ものも含むガラス繊維、酸化亜鉛ウィスカー、ステンレ
ス繊維、ケブラー繊維などの有機或いは無機の充填剤や
補強剤など、さらにポリエステルカーボネート、ポリア
リレートなどの樹脂類も当然に目的に応じて適宜好適に
用いることができる。
〔実施例〕
以下、実施例および比較例によって本発明を具体的に
説明する。
参考例 1 水酸化ナトリウム3.7kgを水42に溶解し、20℃に保
ちながら、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン(以下「BPA」と記す)6,735g、第6頁に示した一
般式(1)でn=50のもの(以下「165B」と記す。)35
6g、ハイドロサルファイト15gを溶解した。
これにメチレンクロライド(以下「MC」と記す)30
を加えて撹拌しつつ、p−t−ブチルフェノール(以下
「PTBP」と記す)148gを加え、ついでホスゲン3.5kgを6
0分で吹き込んだ。
ホスゲン吹き込み終了後、激しく撹拌して反応液を乳
化させ、乳化後、8mlのトリエチルアミンを加え約1時
間撹拌を続け重合させた。
重合液を、水相と有機相に分離し、有機相をリン酸で
中和した後、洗液のpHが中性となるまで水洗を繰り返し
た後、イソプロパノールを35加えて、重合物を沈澱さ
せた。沈澱物を濾過し、その後乾燥する事により、白色
粉末状のコ−ポリカーボネート樹脂(以下「C−PC05」
と記す)を得た。
実施例1〜3および比較例1〜3 下記第1表に記載の如く、参考例1に示した製造法に
よって製造したコ−ポリカーボネート樹脂、芳香族ポリ
カーボネート樹脂(三菱瓦斯化学(株)製、ユーピロン
S−2000、分子量25,000)およびテトラブロモビスフェ
ノールAからのポリカーボネートオリゴマー(三菱瓦斯
化学(株)製、FR−34)を用い、第1表に記載の量比で
配合してシリンダー温度250〜270℃の押出機を用いて溶
融混練してペレットとした。
このペレットを熱風乾燥機中で120℃にて5時間以上
乾燥した後、シリンダー温度270℃にて、物性測定用試
験片を製造し、試験した。
結果を第1表に示した。
なお、物性の測定は下記によった。
・UL−94 :UL−94にる燃焼性. 試験片厚み 1.6mm & 0.8mm ・I.Z. :アイゾット衝撃値.単位kg cm/cm. 試験片厚み 1/4″ & 1/8″ ・H.D.T. :熱変形温度.荷重18.6kg/cm2. ・透明性 :全光線透過率(%). スガ試験機械(株)製、直読ヘーズコンピュ
ーター、試験片厚み3mm. 〔発明の作用および効果〕 本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は難燃性
が改良されるばかりでなく、耐衝撃性、特にその厚み依
存性と低温での耐衝撃性に極めて優れたものである。従
って、一般の成形品は無論のこと、精密成形品、低温用
途の成形品としても好適な成形材料として有用なもので
あることが理解されるものである。
フロントページの続き (72)発明者 水谷 誠 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三菱瓦斯化学株式会社プラスチックセン ター内 審査官 森川 聡 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 64/00 - 64/42 C08L 69/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記構造式(A)及び(B)で表される構
    成単位を有するコ−ポリカーボネート樹脂(1)、又は
    該コ−ポリカーボネート樹脂(1)とハロゲン非含有芳
    香族ポリカーボネート樹脂(2)との組成物に、ハロゲ
    ン含有芳香族ポリカーボネート(3)を配合してなる難
    燃性ポリカーボネート樹脂組成物. 構造式(A); 構造式(B); (構造式(A)のnは1〜200の整数を示し、Rは炭素
    数2〜6のアルキレン基を示す。また構造式(B)のB
    は炭素数1〜10の直鎖、分岐鎖或いは環状のアルキリデ
    ン基、アリール置換アルキレン基、アリール基又は−O
    −,−S−,−CO−,−SO2−を示し、R1、R2、R3及びR
    4は水素、ハロゲン又は炭素数1〜4のアルキル基を示
    す。)
  2. 【請求項2】該ハロゲン含有ポリカーボネートの配合量
    が、5〜50重量%の範囲である請求項1記載の難燃性ポ
    リカーボネート樹脂組成物.
  3. 【請求項3】該コ−ポリカーボネート樹脂(1)の構造
    式(A)で表される構成単位が0.2〜50重量%である請
    求項1記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物.
  4. 【請求項4】該コ−ポリカーボネート樹脂(1)の構造
    式(A)中のRが、−CHR5−CH2−(式中のR5はベンゼ
    ン環側の炭素原子に結合したものであり、水素またはメ
    チル基を表す。)である請求項1記載の難燃性ポリカー
    ボネート樹脂組成物.
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