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JP3195684B2 - 皮膚化粧料 - Google Patents

皮膚化粧料

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JP3195684B2
JP3195684B2 JP06252193A JP6252193A JP3195684B2 JP 3195684 B2 JP3195684 B2 JP 3195684B2 JP 06252193 A JP06252193 A JP 06252193A JP 6252193 A JP6252193 A JP 6252193A JP 3195684 B2 JP3195684 B2 JP 3195684B2
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JP
Japan
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skin
extract
glabridine
active oxygen
formulation
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克樹 小川
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Maruzen Pharmaceutical Co Ltd
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Maruzen Pharmaceutical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紫外線等の外的刺激で
生じる炎症や皮膚メラニンの生成もしくは沈着を抑制
し、紅斑(日焼け)、皮膚黒化、シミ、ソバカス等を防
止することができる皮膚化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】皮膚の色が黒くなる過程の最終段階にお
いては、アミノ酸の一種であるチロシンがチロシナーゼ
の作用を受けることによって黒色色素・メラニンを生成
する。そこで、チロシナーゼの働きを阻害する作用を有
する種々の薬剤、たとえばグルタチオン、ビタミンCま
たはその誘導体等を皮膚に塗布することにより、色素の
沈着を防止しようとする試みが従来なされてきた。しか
しながら、これらの薬剤は局所適用における安定性や有
効性の点で、必ずしも満足できるものではない。
【0003】これは、チロシナーゼ以外にもメラニン生
成の原因や引き金となるもの、たとえば紫外線によるメ
ラノサイトの活性化や炎症による種々のケミカルメディ
エーターの関与、紫外線により生成する活性酸素類の関
与、更には皮脂過酸化物等の関与が報告されているよう
に、単にチロシナーゼの働きを阻害するだけの薬剤を塗
布してもメラニンの沈着を十分防止することは困難なた
めである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
のように多くの要因が関与している皮膚黒色化を効果的
に防止することができ、しかも安全性の点でも優れてい
る、新しい皮膚化粧料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による皮膚化粧料
は、メリッサ抽出物、エンメイソウ抽出物、セージ抽出
物、チョウジ抽出物、クジン抽出物またはトウキ抽出物
からなる活性酸素消去剤1種または2種以上をグラブリ
ジンと共に含有することを特徴とし、これら必須成分の
相乗作用により、紫外線等の外的刺激で生じる炎症や皮
膚メラニンの生成・沈着を抑制するものである。本発明
の皮膚化粧料を構成する有効成分の一つであるグラブリ
ジンは下記化1の構造式を有する化合物であって、天然
には、甘草の一種である Glycyrrhizaglabra Linne va
r. (通称ロシア・アフガン・トルコカンゾウ)に微量
含まれている。
【0006】
【化1】
【0007】グラブリジンについては、抗菌作用、抗酸
化作用、抗う蝕作用、抗プラスミン作用等の薬理作用を
有することが確認されており、さらに、メラニン生成抑
制作用を有することも知られている(特開平1−311
011号公報)。しかしながら、グラブリジンをメリッ
サ抽出物、エンメイソウ抽出物、セージ抽出物、チョウ
ジ抽出物、クジン抽出物、トウキ抽出物等の活性酸素消
去性物質と併用した場合の効果は知られていなかった。
【0008】グラブリジンを甘草から抽出して本発明の
化粧料製造原料とする場合は、まず甘草の根部またはそ
の水抽出残渣(たとえばグリチルリチンを抽出した残
渣)を有機溶媒で抽出する。抽出溶媒としては、メタノ
ール、エタノール等の低級脂肪族アルコール;アセトン
等の低級脂肪族ケトン;ジオキサン、エチルエーテル等
のエーテル類;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲ
ン化炭化水素類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチ
ル等のエステル類;ヘキサン、ベンゼン等の炭化水素
類;およびこれらの有機溶媒の2種以上の混合物を使用
することができる。抽出処理する甘草は、約5〜15倍
量の上記溶媒に浸漬し、常温で静置するか還流下に加熱
する。抽出液から溶媒を留去して得られる抽出物は、通
常5〜10%程度のグラブリジンを含有しており、その
まま本発明の化粧料に使用することもできるが、精製し
て純度を高めたものを用いることにより、より使用効果
に優れ且つ着色も少ない化粧料を得ることができる。
【0009】抽出物の精製は、たとえば順相シリカゲル
クロマトグラフィーおよび逆相クロマトグラフィーによ
り処理したのちアセトンから結晶化させる方法により行
うことができ、この方法によれば、比較的容易にグラブ
リジンの純品を得ることができる。精製は、ほかにも合
成吸着体によるカラムクロマトグラフィーや液−液向流
抽出等、任意の有機化合物精製手段を採用して行うこと
ができる。
【0010】グラブリジンと共に本発明の皮膚化粧料に
含有させる活性酸素消去剤は、メリッサ抽出物、エンメ
イソウ抽出物、セージ抽出物、チョウジ抽出物、クジン
抽出物またはトウキ抽出物からなるものである。
【0011】これらの活性酸素消去剤は、2種以上を本
発明の化粧料に含有させてもよい。皮膚においては、酸
素の存在下に紫外線を受けたとき活性酸素が発生する。
生じた活性酸素は、通常、生体内のスーパーオキサイド
ディスムターゼ、カタラーゼ等の酵素により消去される
が、老化、損傷等により機能が低下した皮膚では活性酸
素が完全には消去されず、残った活性酸素がコラーゲン
の変性、ヒアルロン酸の分解、脂質の過酸化等をひき起
こす。それにより、皮膚はさらなる機能低下を起こす。
また、活性酸素によって生じた過酸化脂質が炎症因子亢
進の原因となり、炎症によるメラニン生成系を誘導す
る。さらに、活性酸素種によっては、チロシンから生じ
るメラニン生成サイクルに直接関与してメラニン生成を
促進することが知られている。本発明で用いる活性酸素
消去剤類は、活性酸素がひき起こす上述の好ましくない
生体反応を防止することが知られており、この作用がグ
ラブリジンの作用と相乗的に作用して、好ましい皮膚の
維持・形成に役立つと共に皮膚の黒色化防止をも可能に
する。
【0012】本発明の皮膚化粧料におけるグラブリジン
の好適配合量は、化粧料の種類によっても異なるが、通
常約0.001〜10重量%であり、特に好ましくは約
0.01〜1.0重量%である。また、活性酸素消去剤の
好適配合量は約0.01〜10重量%であり、特に好ま
しくは約0.05〜5重量%であるが、さらに、グラブ
リジンに対して約10〜2000重量%になるように配
合することが望ましい。
【0013】本発明の化粧料は、グラブリジンと前記活
性酸素消去剤の併用によるメラニン生成抑制作用を有利
に利用することのできる任意の化粧料、たとえば化粧
水、乳液、クリーム、パック、石鹸、ボディーシャンプ
ー等の形態をとることができる。グラブリジンと活性酸
素消去剤以外の化粧料構成成分、たとえば油脂類、界面
活性剤、増粘剤、色素、香料、防腐剤、エタノール、多
価アルコール等は、その化粧料の種類に応じて、必須2
成分の作用を損なわない範囲で任意に選択することがで
きる。
【0014】
【実施例】
〔グラブリジン製造例〕甘草の根部の細切物500gを
5リットルの酢酸エチルに浸漬し、還流下に2時間加熱
して酢酸エチル可溶成分を抽出した。抽出液を分離した
抽出残渣について同様の操作を繰り返し、合計9リット
ルの抽出液を得た。抽出液の溶媒を減圧下に留去し、グ
ラブリジンを含有する抽出物13.1gを得た。次いで
抽出物をクロロホルムに溶解し、シリカゲル(ワコーゲ
ルC-300,和光純薬工業株式会社製品)にまぶしたのち
乾燥した。この乾燥物を、あらかじめシリカゲル1kgを
充填したカラム上に積層充填し、クロロホルム/メタノ
ール混合液(30:1)で溶出し、グラブリジン含有画分
を採取した。この画分の溶媒を減圧下に留去して固形物
5.8gを得たのち、少量のメタノールに溶解し、逆相
シリカゲル(ODSG-3,水戸化学技術研究所製品)にまぶ
して乾燥し、あらかじめ逆相シリカゲル800gを充填
したカラム上に積層充填した。このカラムに、溶出溶媒
として水−アセトニトリル混合液(30:70)を流し、グ
ラブリジン含有画分を採取した。この画分から溶媒を減
圧下に留去し、得られた固形物(4.3g)をアセトン
40mlに溶解し、5℃で3日間静置して、グラブリジン
の結晶3.8gを得た。以下の各実施例においては、グ
ラブリジンとして上記精製グラブリジンの結晶を用い
た。
【0015】実施例1 表1の処方により、化粧水を製造した。この場合、まず
エタノール/1,3-ブチレングリコール混合液に上記製造
例によるグラブリジン結晶を溶解し、さらに界面活性剤
(モノラウリン酸ポリオキシソルビタン;20E.
O.)、香料およびパラオキシ安息香酸エステルを加え
て溶解した後、精製水およびその他の成分を加え、撹拌
して均一化した。なお、活性酸素消去剤として用いた3
種類の植物抽出物は、いずれも原料植物の粗砕物に50
重量%のエタノール水溶液を加え、ときどき撹拌しなが
ら室温で7日間放置したのち清澄濾過して得られたエキ
スである。
【0016】
【表1】化粧水処方(単位:重量%) 注1:処方4は比較例
【0017】次に、上記各化粧水について下記の方法に
より使用効果の試験を行なった。 紅斑抑制効果試験法:褐色モルモットの背部を除毛して
そこにオクソラレンの0.1%溶液を塗布し、30分後
にUVA 1J/cm2を照射した。照射直後、照射部位につ
き2cm×2cm大の5区画を決め、各区画に、 A:上記化粧水そのまま B:上記化粧水の処方1〜3からグラブリジンを除いた
化粧水 C:上記化粧水の処方1〜3から活性酸素消去剤を除い
た化粧水 D:上記化粧水の処方1〜3からグラブリジンと活性酸
素消去剤の両方を除いた化粧水 E:処方4の化粧水 のいずれかを塗布し、24時間後の紅斑抑制効果を肉眼
観察により判定した(PUVA処理しない皮膚の色を基
準色とする)。
【0018】色素沈着抑制効果試験法:紅斑抑制効果試
験法に準じてPUVA処理した褐色モルモットにつき、
1週間後、色素の沈着が認められた部位を2cm×2cmの
5区画に分け、各区画に、先に示したA〜Eの化粧水の
いずれかを朝夕各1回、10日間連続で塗布し、10日
後の色素沈着抑制効果を肉眼観察により判定した(PU
VA処理しない皮膚の色を基準色とする)。
【0019】その結果を表2および表3に示す。グラブ
リジンおよび活性酸素消去剤の両方を含有する本発明化
粧水は、グラブリジンおよび活性酸素消去剤のいずれを
も含まない化粧水(D)やアスコルビン酸リン酸マグネ
シウムを用いた処方4の比較例化粧水(E)よりも、紫
外線による紅斑を抑制する効果および色素沈着抑制効果
において顕著に優れていることがわかる。また、本発明
の化粧水は、グラブリジンと活性酸素消去剤の一方のみ
を含む化粧水の塗布例(B,C)と比較しても優れた使
用効果を示すことがわかる。なお、炎症その他の皮膚障
害は観察されなかった。
【0020】
【表2】 化粧水基本処方 紅斑抑制効果 処方1 PUVA処理しない皮膚≧A≫C=B≫D=E 処方2 PUVA処理しない皮膚=A≫C≧B≫D=E 処方3 PUVA処理しない皮膚≧A≫C≧B≫D=E
【0021】
【表3】 化粧水基本処方 色素沈着抑制効果 処方1 PUVA処理しない皮膚=A≫C>B>E>D 処方2 PUVA処理しない皮膚=A≫C>E>B>D 処方3 PUVA処理しない皮膚=A≫C>E>B>D
【0022】実施例2 表4の処方によりクリームを製造した。製造に際して
は、まず同表群の原料を70℃で溶解し、原料と混
合した後、78℃にした。次いでこれを、75℃に加熱
した原料へ撹拌しながら徐々に加え、予備乳化を行っ
た。その後ホモジナイザーにかけて乳化を完全に行い、
50℃に冷却後、を添加し、30℃まで冷却した。な
お、処方8は比較例である。
【0023】
【表4】クリーム処方(単位:重量%)
【0024】(注1)界面活性剤A:自己乳化型モノス
テアリン酸グリセリン 界面活性剤B:モノステアリン酸ソルビタン カルボキシビニルポリマー:1%水溶液
【0025】次に、上記各クリームについて下記の方法
により使用効果の試験を行なった。 色素沈着抑制効果試験法:褐色モルモットの背部を除毛
し、除毛部位を2cm×2cmの区画4区画に分画し、そこ
に、1日当たりUVBを1J/cm2で2日間照射した。4
日後に色素の沈着が認められたので、各区画に A:上記クリームそのまま B:上記クリームの処方からグラブリジンのみを除いた
クリーム C:上記クリームの処方から活性酸素消去剤を除いたク
リーム D:処方7のクリーム のいずれかを、1日1回、10日間連続で塗布し、10
日後に色素沈着抑制効果を肉眼観察により判定した(U
VB処理しない皮膚の色を基準色とする)。
【0026】紅斑抑制効果試験法:色素沈着抑制効果試
験法に準じてUVB処理した褐色モルモットの背部の各
区画に、先に示したA〜Dのクリームを塗布し、24時
間後に紅斑の抑制効果を肉眼観察により判定した(UV
B処理しない皮膚の色を基準色とする)。
【0027】その結果を表5および表6に示す。グラブ
リジンと活性酸素消去剤を含有する本発明のクリームを
塗布した場合をグラブリジンまたは活性酸素消去剤を除
いたクリームの塗布例と比較すると、前者は紫外線によ
る紅斑抑制効果および色素沈着抑制効果のいずれにおい
ても後者より優れていることがわかった。また、炎症そ
の他の皮膚障害は観察されなかった。
【0028】
【表5】 クリーム基本処方 色素沈着抑制効果 処方5 UVB処理しない皮膚=A≫C>B>D 処方6 UVB処理しない皮膚≧A≫C>B>D 処方7 UVB処理しない皮膚≧A≫C>B>D
【0029】
【表6】 クリーム基本処方 紅斑抑制効果 処方5 UVB処理しない皮膚≧A≫C≧B≫D 処方6 UVB処理しない皮膚≧A≫C≧B≫D 処方7 UVB処理しない皮膚≧A≫C≧B≫D
【0030】
【発明の効果】上述のように、グラブリジンと活性酸素
消去剤を含有する本発明の化粧料は紫外線による皮膚の
炎症および色素沈着を効果的に防止することができ、好
ましくない副作用も認められない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61P 17/16 A61P 17/16 (56)参考文献 特開 平6−234623(JP,A) 特開 平5−186324(JP,A) 特開 平1−311011(JP,A) 特開 平3−157334(JP,A) 特開 昭55−87712(JP,A) 特開 平4−352708(JP,A) 特開 平5−32556(JP,A) 特開 平3−236322(JP,A) 特開 昭63−83017(JP,A) 特開 昭63−253013(JP,A) 特開 平1−50877(JP,A) 特開 平2−111710(JP,A) 特開 昭53−88333(JP,A) 特開 昭60−104005(JP,A) 特開 平4−26610(JP,A) 特開 平4−235113(JP,A) 特開 平3−181409(JP,A) 特開 昭61−115013(JP,A) 特開 平6−157277(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/00 - 7/50 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メリッサ抽出物、エンメイソウ抽出物、
    セージ抽出物、チョウジ抽出物、クジン抽出物またはト
    ウキ抽出物からなる活性酸素消去剤1種または2種以上
    をグラブリジンと共に含有することを特徴とする皮膚化
    粧料。
JP06252193A 1993-03-01 1993-03-01 皮膚化粧料 Expired - Lifetime JP3195684B2 (ja)

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