JP3151461B2 - ジエン系重合体組成物 - Google Patents
ジエン系重合体組成物Info
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Description
ンとモノビニル芳香族化合物とからなる重合体と、特定
のフェノール系安定剤及び特定の含イオウフェノール系
安定剤からなる、高温時や剪断時の熱安定性に優れ、特
にゲルの発生や変色などが極めて少ない樹脂改質用、自
動車タイヤ用又は工業用品などに好適なジエン系重合体
組成物に関するものである。
動車タイヤや種々の工業用品に広く用いられている。し
かし、このようなジエン系重合体はその特性(引張強度
や反発弾性など)をより向上するために、大きな分子量
を有し、従ってムーニー粘度(ML1+4 、100℃:以
下、ムーニー粘度と略す)も高いものとなっており、ゴ
ムの生産工場や加工工場では、高温下での剪断時又は加
工操作時におけるゲルの発生や変色などの問題が生じて
いる。
定剤やリン系安定剤又はイオウ系安定剤などが、単独又
はこれらを併用してゲル化防止などの安定剤として使用
されており、この中でもフェノール系安定剤、とくに
2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール
(以下BHTと略す)が最も多く使用されている。
間の熱安定性はあるものの、昇華温度が低いためにゴム
への残留率が低下し、熱安定化効果が低下したり、又そ
の二量化反応でゴムが黄変するなどの問題があり、その
改良が要望されている。また、リン系安定剤は、水と反
応してリン酸を発生し、金属等を腐食して錆を生じた
り、汚染性を有するなどの問題を有している。イオウ系
安定剤は、その殆どに臭気の問題があり、特に高温下で
臭気や着色性の問題が大きくなる。
増大するために多量配合したジエン系重合体組成物は、
加硫特性や架橋特性が悪化したり、また該成形品の引張
強度や反発弾性などが低下したりして好ましくない。こ
のようなジエン系重合体の好ましい特性を低下させるこ
となく、高温時及び熱剪断時におけるゲル発生や着色を
防止することは困難であった。
なジエン系重合体の特性を損なうことなく、高温時や熱
剪断時における着色やゲル発生などの問題を解決すべ
く、ジエン系重合体と種々の安定剤について鋭意検討し
た結果、ジエン系重合体と特定のフェノール系化合物、
及び特定の含イオウフェノール系化合物からなる重合体
組成物が、高温時及び熱剪断時のゲル発生や着色などの
抑制効果が極めて優れており、しかも、該組成物は加硫
・架橋が容易であり、該成形品の引張強度や反発弾性な
どが良好であることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
と少なくとも一種のモノビニル芳香族化合物からなる重
合体100重量部と、 (b) 一般式〔b−I〕、〔b−II〕;
基又はシクロヘキシル基であり、R3 、R4 は炭素数1
〜18のアルキル基であり、R2 、R5 、R6、R7 、
R8 は水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基を示
す)で表されるフェノール系安定剤の少なくとも一種が
0.05〜2.0重量部、および
は炭素数20以下のアルキル基を表し、R10は水素原子
又は炭素数15以下のアルキル基を表し、R12は炭素数
15以下のアルキル基を表す)で表される含イオウフェ
ノール系化合物の少なくとも一種が0.01〜0.5重
量部、からなるジエン系重合体組成物が、ジエン系重合
体の特性を損なうことなく、高温熱安定性と剪断熱安定
性が特に優れることを見出してなされたものである。
使用するジエン系重合体は、例えば,n−ヘキサンやシ
クロヘキサンなどの不活性炭化水素溶媒中、テトラヒド
ロフランやN,N,N’,N’−テトラメチルエチレン
ジアミンなどのルイス塩基の存在下又は不存在下で、少
なくとも一種の共役ジエン、例えば1,3−ブタジエ
ン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエ
ン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘプタジエンな
ど、または該共役ジエンと少なくとも一種のモノビニル
芳香族化合物、例えばスチレン、α−メチルスチレン、
1−ビニルナフタレンなどを、リチウム原子を分子内に
1ケ以上有する有機リチウム化合物、例えばn−ブチル
リチウムやsec−ブチルリチウム、又は特開昭58−
136603号公報や特開昭57−40513号公報に
記載しているような多官能有機リチウム触媒などを重合
開始剤として(共)重合して得られるジエン系重合体で
あって、分岐型重合開始剤又はカップリング剤などで処
理した分岐状重合体、又は非分岐状重合体あるいはこれ
らの混合物などが用いられ、モノビニル芳香族化合物や
1,2−ビニル結合などのミクロ構造分布が、ランダム
状、ブロック状、ランダムブロック状あるいはこれらの
繰り返し単位であったり、又は分子鎖に沿って漸減的に
変化するものであっても良い。
特に制限はないが、例えば自動車タイヤ用途や工業用品
などでは20〜180程度が好ましく、また樹脂改質用
途などではムーニー粘度20以下のものも用いることが
できる。また、モノビニル芳香族化合物の含有量や1,
2−ビニル結合量についても特に制限はないが、目的、
用途に応じて決定される。例えば、よりゴム弾性の要求
されるタイヤ用途では、モノビニル芳香族化合物は70
重量%以下が好ましく、特に好ましくは40重量%以下
であり、また樹脂用途などでは、1,2−ビニル結合量
は20重量%以下程度が好適に使用される。本発明のジ
エン系重合体組成物は、天然ゴムや他の合成ゴムを80
重量%未満含有しても良いが、80重量%以上含有する
と、本発明の特徴である種々の熱安定性が悪化する。
般式〔b−I〕で表される化合物としては、例えば、2
−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチ
ルベンジル)−4−メチル−6−tert−ブチルフェ
ニルアクリレート、2−(2−ヒドロキシ−3, 5−ジ
−tert−ブチルベンジル)−4,6−ジ−tert
−ブチルフェニルアクリレート、2,2’−エチリデン
−4,6−ジ−tert−ブチルフェノール−(4’,
6’−ジ−tert−ブチルフェニルアクリレート)、
2−tert−アミル−6−〔1−(3,5−ジ−te
rt−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4
−tert−アミルフェニルアクリレートなどが挙げら
れる。
ては、例えば、3,9−ビス−{2−〔3−(3−te
rt−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)
プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル}2,
4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカ
ンなどが挙げられる。
I〕で表されるフェノール系安定剤は、単独又は二種以
上配合することができるが、好ましい含有量はジエン系
重合体100重量部に対して0.05〜5.0重量部で
ある。0.05重量部より少ないと、高温時や剪断時の
熱安定性改良効果が小さくなり、また5.0重量部より
多くなると、加硫、架橋時間が長くなったり、成形品の
引張強度や反発弾性などが悪化する。
れる含イオウフェノール系化合物としては、例えば、
2,4−ビス(n−オクチルチオメチル)−6−メチル
フェノール、2,4−ビス(2’,3’−ジ−ヒドロキ
シプロピルチオメチル)−3,6−ジ−メチルフェノー
ル、2,4−ビス(2’−アセチルオキシエチルチオメ
チル)−3,6−ジ−メチルフェノール、2,4−ビス
(2’−ヒドロキシエチルチオメチル)−6−メチルフ
ェノール、2,4−ビス(tert−オクチルチオメチ
ル)−6−メチルフェノールなどが挙げられる。
ノール系化合物は単独、若しくは二種以上配合される
が、好ましい含有量はジエン系重合体100重量部に対
して0.01〜0.5重量部である。含イオウフェノー
ル系化合物の含有量が0.01重量部より少ないと、高
温時や熱剪断時の熱安定性改良効果が小さくなり、また
0.5重量部より多くなると、剪断時熱安定性は良好で
あるが、重合体組成物が著しく着色したり、臭気が発生
したりして好ましくない。同時に、加硫、架橋特性など
が悪化し、成形品の引張強度や反発弾性などが低下して
好ましくない。
オウ系安定剤の少なくとも一種を、ジエン系重合体10
0重量部に対し0.05〜1.0重量部配合しても良
い。イオウ系の安定剤としては、例えばペンタエリスリ
トール−テトラキス−(β−ラウリル−チオ−プロピオ
ネート)、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネー
ト、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、
ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネートなどが
列挙される。このようなイオウ系安定剤は、適量の添加
により組成物の色調や熱安定性を効果的に改良し得る。
は特に限定されるものではないが、例えばジエン系重合
体を有機溶剤に溶解している状態でフェノール系安定剤
またはリン系安定剤の少なくとも一種の所望量と、特定
の含イオウフェノール系化合物の少なくとも一種の所望
量と、必要であれば前記イオウ系安定剤を、好ましい順
序、または同時に配合し、その後公知の方法、例えばス
チームストリッピング法や熱ロールなどで溶剤を除去し
たり、または乾燥品に直接配合し、公知の方法、例えば
ロール、バンバリー、押出機などで混合しても良い。ま
たは、他の配合剤を添加混合する時に同時に配合するこ
とも可能であり、要するに公知のあらゆる配合方法で調
製することができる。
これらの実施例は本発明を限定するものではない。な
お、各種特性の測定は以下の方法で実施した。 ムー
ニー粘度は、JIS−K6300の方法によるLロータ
ーを用いて、100℃、2rpmで測定した。 ジエ
ン系重合体のブタジエン部分の1,2−ビニル結合量
は、パーキンエルマー社製1710型赤外分光光度計で
測定し、ハンプトン法により算出した。 結合スチレ
ンは紫外線吸収スペクトル法により、262nmのフェ
ニル基に基づく吸収から算出した。 高温時熱安定性
は、縦横各5cm、厚さ0.5cmの安定剤調製重合体
組成物シートを180℃に加熱したオーブンに装入し、
試験時間;0.5時間、1時間、2時間、3時間におけ
る各シートの着色度をみた。着色度は以下のランクとし
た。変色なし(白色)=0、淡黄色=1、薄黄色=2、
黄色=3、茶黄色=4、茶色=5、茶褐色=6、濃褐色
=7。
ラボプラストミルLPM−2500−200でミキサー
B−75を用い、試験温度(シリンダー温度)100
℃、ローター回転10rpmで重合体組成物55gを2
分間で装入し、直に100rpmとし、トルク値が徐々
に低下しその後ゲル化が開始してトルク上昇が始まる
が、この時のトルク値最下点をゲル化開始時間として測
定した。図1にラボプラストミル混練試験チャートを示
す。 重合体組成物の未加硫配合物の加硫時間は、J
SR型キュラストメータII型を用い、試験温度160
℃における、未加硫時最低トルク(T0 )をベースとし
た、加硫時最高トルク(T100 )の90%(T90)とな
る時間を測定した。 引張試験や反発弾性試験に用い
る未加硫配合物試料は、160℃−200kg/cm2
で20分間加硫成形したものを用いる。 加硫物の引
張強度は、上記試料でJIS−K6301の方法によっ
て測定した。 反発弾性は、上記試料でリュプケ反発
弾性試験機を使用して、試験温度70℃で測定した。
した。窒素置換した内容積100Lのステンレス製オー
トクレーブに乾燥したシクロヘキサン40kgとテトラ
ヒドロフラン120g及び1,3−ブタジエン4.8k
gおよびスチレンモノマー1.2kgを装入し、攪拌し
つつ43℃に加温した後、n−ブチルリチウム62ミリ
モルを添加して重合した。23分後に反応温度は97℃
のピーク温度を示し、その4分後に四塩化錫5.5ミリ
モルを添加して10分間反応させた。また、別にn−ブ
チルリチウムを53ミリモルとし、他は上記と同条件の
重合をし、四塩化錫を添加しない非カップリング−ジエ
ン系重合体も調製した。それぞれの重合体溶液にメチル
アルコールを添加して活性リチウムを分解した。このよ
うにして得られたジエン系重合体のムーニー粘度、全結
合スチレン量、1,2−ビニル結合量などの測定結果は
表1のようであった。
エン系重合体溶液に、表2の処法によりそれぞれフェノ
ール系安定剤および含イオウフェノール系化合物を配合
し、その後熱ロールで溶媒を除去し、ジエン系重合体組
成物を得た。高温時熱安定性はオーブン熱安定性試験に
よって比較した。その結果を表3に示す。また、剪断熱
安定性はラボプラストミルによって試験した。その結果
を表4に示す。重合体組成物の物性試験は、表5の配合
処方により、小型加圧ニーダー(森山製作所製、加圧双
腕ニーダー、D−0.5−3型)でシリンダー温度10
0℃で10分間混練配合し、得られた未加硫配合物の加
硫時間(T90)及び加硫成形品の引張強度、反発弾性を
測定した。その結果を表6に示す。
発明実施例1〜5が着色度が小さく良好であり、表4の
ゲル化時間も長く良好で、また表6の配合物物性も優れ
ている。これに対し、比較例1、2、5は着色性は良好
であるが、表4では比較例2、5はゲル化が早く好まし
くない。また比較例1は表6で示すように物性が著しく
悪化している。以上の結果から、本発明のジエン系重合
体組成物は、優れた高温熱安定性と剪断熱安定性を有
し、かつ良好な物性を有していることが判る。
時や熱剪断時の熱安定性に極めて優れており、ゲル発生
の防止や耐変色性に極めて良好であって、耐衝撃性ポリ
スチレンなどの樹脂改質用ゴムとして好適である。ま
た、加工成形時における加硫、架橋挙動及び成形品の引
張強度や反発弾性などが良好であるので、例えばタイヤ
用途や工業用品及びハキモノ用途などに好適であり、工
業的意義は大きい。
ラボプラストミル混練試験チャートをグラフで示す。
Claims (1)
- 【請求項1】 (a) 少なくとも一種の共役ジエン、また
は該共役ジエンと少なくとも一種のモノビニル芳香族化
合物からなる重合体100重量部と、 (b) 下記一般式〔b−I〕、〔b−II〕; 【化1】 (式中、R1 はtert−ブチル基、tert−アミル
基又はシクロヘキシル基であり、R3 、R4 は炭素数1
〜18のアルキル基であり、R2 、R5 、R6、R7 、
R8 は水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基を示
す)で表されるフェノール系安定剤の少なくとも一種が
0.05〜2.0重量部、および (c) 一般式〔c−I〕; 【化2】 (式中、R9 、R11は−CH2 −S−R13を表し、R13
は炭素数20以下のアルキル基を表し、R10は水素原子
又は炭素数15以下のアルキル基を表し、R12はは炭素
数15以下のアルキル基を表す)で表される含イオウフ
ェノール系化合物の少なくとも一種が0.01〜0.5
重量部、 からなることを特徴とする、ジエン系重合体組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02675791A JP3151461B2 (ja) | 1991-01-29 | 1991-01-29 | ジエン系重合体組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02675791A JP3151461B2 (ja) | 1991-01-29 | 1991-01-29 | ジエン系重合体組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04252240A JPH04252240A (ja) | 1992-09-08 |
JP3151461B2 true JP3151461B2 (ja) | 2001-04-03 |
Family
ID=12202156
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02675791A Expired - Lifetime JP3151461B2 (ja) | 1991-01-29 | 1991-01-29 | ジエン系重合体組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3151461B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2355463B (en) * | 1999-10-18 | 2001-12-05 | Ciba Sc Holding Ag | Stabilisers for emulsion crude rubbers, synthetic latex and natural rubber latex |
-
1991
- 1991-01-29 JP JP02675791A patent/JP3151461B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04252240A (ja) | 1992-09-08 |
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